JP3520382B2 - 液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置

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JP3520382B2
JP3520382B2 JP01354096A JP1354096A JP3520382B2 JP 3520382 B2 JP3520382 B2 JP 3520382B2 JP 01354096 A JP01354096 A JP 01354096A JP 1354096 A JP1354096 A JP 1354096A JP 3520382 B2 JP3520382 B2 JP 3520382B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導電体−絶縁体−
導電体を順次積層した構造を有する非線型抵抗素子(以
下MIM素子と呼ぶ)や薄膜トランジスタ(以下TFT
素子と呼ぶ)等のスイッチング素子と液晶駆動電極とを
含んで構成される液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図2に従来のMIM素子を形成した液晶
表示装置の1表示画素の構造を示す。(a)はこの従来
の液晶表示装置の平面図であり、(b)は断面図であ
る。ここでMIM素子とは、例えばTa(タンタル)−
タンタル酸化物(Ta25)−酸化インジウムスズ(I
TO)等のような第1導電体−絶縁体−第2導電体の3
層構造で構成される非線型抵抗素子をいう。この場合、
第2導電体としては、ITOに限らず、例えばCr又は
Crを成分とする合金を用いる事ができる。
【0003】次に、この従来のMIM素子を形成した液
晶表示装置の製造方法を説明する。
【0004】まず、第1基板201上にスパッタ法によ
りTa膜が形成される。次に、このTa膜がフォトエッ
チングによりパターニングされ配線電極を兼ねたMIM
素子208の第1導電体203が形成される。そして、
陽極酸化法により第1導電体203の表面が酸化され、
絶縁体204が形成される。次に、スパッタ法によりI
TO膜が形成される。そして、このITO膜はフォトエ
ッチングによりパターニングされ、MIM素子208の
第2導電体を兼ねた液晶駆動電極205が形成される。
第1基板201と対向する様に第2基板202を設け
る。第2基板202には、スパッタ法によりITO膜が
形成される。そして、このITO膜はフォトエッチング
により、ストライプ状にパターニングされたデータ線2
06が、第1基板201の配線電極と直交するように形
成される。第1基板201と第2基板202の間には、
液晶層207を充填して液晶表示装置が構成されてい
る。この液晶表示装置でカラー表示を必要とする場合
は、第2基板202とデータ線206の間、あるいはデ
ータ線206と液晶層207の間にカラーフィルター層
を設置する。
【0005】またスイッチング素子としてTFT素子を
用いた場合は第1基板201側に複数の走査線とこれら
走査線と直交する様に複数のデータ線を設け、TFT素
子を走査線とデータ線の各交点に設置する。この際TF
T素子のゲート電極は走査線に接続され、ソース電極は
データ線に、液晶駆動電極はドレイン電極に接続され
る。第2基板202側には対向電極が設けられている。
走査線に選択状態の電位が与えられたときにのみTFT
のソース・ドレイン間は低インピーダンスのオン状態と
化し、データ線とオン状態のTFTを通じて表示信号に
対応する電位が液晶駆動電極に与えられ、第2基板20
2側の対向電極と液晶駆動電極との間に挾持された液晶
の光学状態を変化させる。TFTに制御される液晶駆動
電極はマトリクス状に配置されており、これにより情報
の表示が可能となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】さて近年、この種の液
晶表示装置は、例えばノート型パソコン、ワークステー
ション、液晶TV等に利用されるようになっている。従
って、液晶表示装置のサイズも対角22.9cm〜2
5.4cm以上と非常に大面積化しているのが現状であ
る。かかる現状において、前述した従来のMIM素子を
用いた液晶表示装置では、以下の問題点が生じていた。
【0007】従来の液晶表示装置では、配線電極を兼ね
た第1導電体203に走査信号を、ITO配線206に
データ信号を印加し、時分割駆動により液晶層207へ
印加する電界強度を制御し、液晶の配向状態を変えて情
報を表示する。この際液晶駆動電極205とITO配線
206に挟まれた液晶層には均一な電界が印加されてし
まい、液晶表示装置の視角特性が悪化するという問題が
生じていた。特に対角22.9cm〜25.4cm以上
の大面積液晶表示装置では、少しでも視角を変えて液晶
表示装置を見るとコントラストの低下、中間調の反転等
が生じ、間違った情報が表示されてしまった。
【0008】このような視角特性を改善する技術とし
て、例えば、SID’91,DIGEST,P555〜
557やSID’92,DIGEST,P798〜80
1に記載された従来技術がある。
【0009】第一の従来技術(SID’91,P,55
5〜557)は液晶駆動電極を2分割し、この分割され
た2つの液晶駆動電極を容量結合し、これを1つの薄膜
トランジスタで駆動している。この結果、1画素の中で
液晶層に印加される実効電圧が2種類となり視覚特性が
向上するものであった。しかし、分割した2つの液晶駆
動電極を容量結合するために構造が複雑となってしまう
という問題点が生じている。
【0010】一方第二の従来技術(SID’92,P,
798〜801)は1つの液晶駆動電極上に形成する液
晶配向膜を分割して形成し、液晶のプレイチルト角が大
きい領域と小さい領域を設け、視角特性を向上させるも
のであった。しかし、液晶の配向膜の形成方法がきわめ
て複雑となってしまうとの問題点が生じている。
【0011】更に第3の従来技術としては特開平5−5
3150に示される手法がある。これを図16を用いて
説明する。この従来技術ではマトリックス状に配置され
た1つの液晶駆動電極を複数個の画素電極に分割し、各
々の画素電極にMIM素子を設け、各画素電極の面積と
MIM素子面積比を変えている。図16の例では第2基
板に設けられたストライプ状の対向電極1701と第1
基板に設けられた配線1702にて定められている領域
の第1基板上に液晶駆動電極とMIM素子が設けられて
いる。液晶駆動電極は第一画素電極1703と第二画素
電極1704に二分割され、第一画素電極1703には
第一MIM素子1705が接続され、第二画素電極17
04には第二MIM素子1706が接続されている。第
一画素電極の面積と第一MIM素子の面積との比を第二
画素電極の面積と第二MIM素子の面積との比と異なら
せる事により視角特性を改善している。しかしながらこ
の第三の従来技術では液晶駆動電極の分割方法や画素電
極面積に何の配慮もなされていなかった為に視角特性は
十分に改善されていないとの問題点が有った。又、第一
画素電極1703と第二画素電極1704との分離距離
dに対する考慮がなされていないが故この分離領域と対
向電極に挟まれた液晶が制御されずコントラストの低下
を招いたり、ノーマリ白表示モード(液晶に電圧を印加
しない状態で光が透過する表示方法)で黒表示を行うと
きに分離領域から光漏れが生ずるとの問題点があった。
【0012】本発明は以上の様な問題点を解決するもの
でその目的とするところは、構造を複雑にする事なく、
液晶に印加する実効電圧を制御して視角特性を向上し、
表示品質の高い液晶表示装置を実現する事にある。
【0013】本発明の別の目的は又以下に示すがごとき
課題を解決する事にもある。即ち、スイッチング素子に
MIM素子を用いる場合もTFT素子を用いる場合のい
ずれにしても液晶表示装置には数十万から数百万個の液
晶駆動電極とそれに対応するスイッチング素子が設けら
れている。これら膨大な数に昇るスイッチング素子の一
つでも不良が生ずるとそのスイッチング素子はスイッチ
ング素子としての機能を果たせず、不良スイッチング素
子が接続した液晶駆動電極には表示すべき情報に正しく
相応する電位が与えられない。この結果不良スイッチン
グ素子が接続した液晶駆動電極は液晶表示装置に於いて
点欠陥として視認されるに至る。この点欠陥を補修する
最も簡便な一従来技術として前述の図16の手法が知ら
れている。これは一つの液晶駆動電極を複数の画素電極
に分割し、(図16では第一画素電極1703と第二画
素電極1704)それぞれの画素電極にはそれぞれのス
イッチング素子(図16では第一MIM素子1705と
第二MIM素子1706)を設ける物である。スイッチ
ング素子が全て良品で有れば分割された複数の画素電極
には殆ど同じ電位が供与され、これら複数の画素電極か
ら構成される一つの液晶駆動電極は正常に動作する。仮
令複数のスイッチング素子の内の一つが不良であっても
(例えば図16で第一MIM素子1705が不良とする
と)、他のスイッチング素子も同時に不良になる確率は
非常に小さいから一つの液晶駆動電極は残った他の正常
なスイッチング素子(先の例では第二MIM素子170
6)を介して正しい電位が画素電極(先の例では第二画
素電極1704)に供与されて動作する為、点欠陥には
至らないのである。しかしながらこの手法では点欠陥の
補修能力が十分でないとの課題が有る。例えば図16に
示す液晶表示装置を液晶に電界を掛けぬときに光が透過
するノーマリ白表示モードで動作させる場合を考えると
この課題は明瞭と化す。今第一MIM素子1705が不
良で第一画素電極1703には全く電位が与えられない
とする。このときに黒表示を行うと第二MIM素子17
06を介して第二画素電極1704には正常な電位が供
与され、第二画素電極1704と対向電極1701に挟
まれた液晶は正しく光学状態を変え黒表示となる。所が
不良MIM素子に接続した第一画素電極1703と対向
電極1701に挟まれた液晶には電界が掛からず、この
領域は光が透過してしまう。液晶表示装置の画面全体を
黒表示した場合、これらの画素領域は夜空に瞬く星の様
に視認されるので有る。ここで想定している状況は点欠
陥が最も目立つ場合で有るが、他の表示モードや素子不
良モードに於いてもコントラストが正常時に比べて著し
く劣るとの形態で本質的に同じ課題が生ずる訳で有る。
換言するならば従来の簡便な欠陥補修技術は十分に欠陥
を補修出来ていないので有る。ここではスイッチング素
子の例としてMIM素子を用いて説明したが全く同じ事
情はTFT素子をスイッチング素子として用いた液晶表
示装置に対しても当てはまっている。そこで本発明の別
な目的は上述のごとき課題を解決する物で、構造や製造
工程を複雑にする事なく、点欠陥を簡便且つ十分に補修
し得る液晶表示装置を提供する事に有る。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の液晶表示装置
は、導電体−絶縁体−導電体を積層した構成のスイッチ
ング素子に接続された液晶駆動用電極がマトリクス状に
複数配置されており、前記液晶駆動電極によって液晶を
駆動する液晶表示装置において、前記液晶駆動電極は
0μm以下の距離で互いに平面的に離間して形成された
第一画素電極、及び第二画素電極を含み、前記スイッチ
ング素子は前記第一画素電極に接続される第一非線型抵
抗素子、及び前記第二画素電極に接続される第二非線型
抵抗素子を具備してなり、前記第二画素電極が前記第一
画素電極の周囲を囲むように、且つ前記第一画素電極か
ら離間して配置されてお前記第一非線型抵抗素子の容
量、及び前記第二非線型抵抗素子の容量をそれぞれC
NL1及びC NL2とし、前記第一画素電極によって駆
動される前記液晶の容量、および前記第二画素電極によ
って駆動される前記液晶の容量をそれぞれC LC1及び
LC2としたときに、C LC1/C NL1の値と、C
LC2/C NL2の値と、がそれぞれ異なることによっ
て、前記第一画素電極により駆動される前記液晶に印加
される実効電圧と、前記第二画素電極により駆動される
前記液晶に印加される実効電圧と、互いに異なること
を特徴とする。それぞれの非線型抵抗素子面積を
NL1、SNL2とし、前記第一画素電極の面積をSLC1
前記第二画素電極の面積をSLC2としたとき、 SLC1/SNL1>SLC2/SNL2 を満たすと好ましい。また、それぞれの非線型抵抗素子
容量をCNL1、CNL2とし、前記第一画素電極で駆動され
る液晶層の容量をCLC1、前記第二画素電極で駆動され
る液晶層の容量をCLC2とし、 CLC2/CNL2=m1(C
LC1/CNL1)上式にて係数m1を定義したとき、m1の値
の範囲が0.001から0.999の間で有る事を特徴
とする。或いは、それぞれの非線型抵抗素子面積をS
NL1、SNL2とし、前記第一画素電極の面積をSLC1、前
記第二画素電極の面積をSLC2としたとき、 SLC1=S
LC2、 SNL1<SNL2を満たしてもよい。更には、前記
第一画素電極面積SLC1の前記第一画素電極と前記第二
画素電極を合わせた面積SLC1+SLC2に対する比をκ1
としたとき、 κ1=SLC1/(SLC1+SLC2) κ1の値が0.1から0.9の間に有ると好ましい。
いは、それぞれの非線型抵抗素子面積をSNL1、SNL2
し、前記第一画素電極の面積をSLC1、前記第二画素電
極の面積をSLC2としたとき、 SLC1/SNL1<SLC2/SNL2 を満たすと好ましい。或いは、それぞれの非線型抵抗素
子容量をCNL1、CNL2とし、前記第一画素電極で駆動さ
れる液晶層の容量をCLC1、前記第二画素電極で駆動さ
れる液晶層の容量をCLC2とし、 CLC1/CNL1=m2(CLC2/CNL2) 上式にて係数m2を定義したとき、m2の値の範囲が0.
001から0.999の間で有る事を特徴とする。或い
は、それぞれの非線型抵抗素子面積をSNL1、SNL2
し、前記第一画素電極の面積をSLC1、前記第二画素電
極の面積をSLC2としたとき、 SLC1=SLC2、 SNL1>SNL2 を満たすと好ましい。更には、前記第二画素電極面積S
LC2の第一画素電極と第二画素電極を合わせた面積SLC1
+SLC2に対する比をκ2としたとき、 κ2=SLC2/(SLC1+SLC2) κ2の値が0.1から0.9の間に有ると好ましい
【0015】
【0016】又本発明に係わる液晶表示装置は、液晶を
駆動する為にマトリックス状に形成された複数個の液晶
駆動電極と、導電体−絶縁体−導電体を順次積層した構
造を有する非線型抵抗素子とを含んで構成される液晶表
示装置において、前記液晶駆動電極が前記液晶表示装置
の広視野角が求められる方向にn個(n≧2の整数)の
画素電極に分割され、該画素電極の其れぞれには非線型
抵抗素子が設けられてをり、i番目(iは1からnの間
の任意の整数)の画素電極の面積SLCiとし、i番目の
画素電極に設けられた非線型抵抗素子の面積をSNLi
したとき、n個のSLCi/SNLiの値が少なくとも2種類
以上である事を特徴とする。斯様な液晶表示装置は、前
記液晶駆動電極が前記液晶表示装置の水平方向にn個
(n≧2の整数)の画素電極に分割されている事を特徴
とする。或いは、前記液晶駆動電極が前記液晶表示装置
の垂直方向にn個(n≧2の整数)の画素電極に分割さ
れている事を特徴とする。或いは、前記i番目のSLCi/
NLiの値とn+1−i番目のSLC( n+1-i)/SNL(n+1-i)
の値が等しい事を特徴とする。或いは、前記液晶駆動電
極が3分割された事を特徴とする。
【0017】又本発明に係わる液晶表示装置は、液晶を
駆動する為にマトリックス状に形成された複数個の液晶
駆動電極と、導電体−絶縁体−導電体を順次積層した構
造を有する非線型抵抗素子とを含んで構成される液晶表
示装置において、前記液晶駆動電極が第一画素電極と第
二画素電極に分割されて居り、前記第二画素電極は前記
第一画素電極を囲い、且つ前記第二画素電極の一部は前
記第一画素電極の内側に延在されて居る事を特徴とす
る。斯様な液晶表示装置は、前記第一画素電極の面積を
LC1、前記第二画素電極の面積をSLC2、前記第一画素
電極に設けられた非線型抵抗素子の面積をSNL1、前記
第二画素電極に設けられた非線型抵抗素子の面積をS
NL2としたとき、 SLC1/SNL1>SLC2/SNL2 を満たす事を特徴とする。或いは、前記第一非線型抵抗
素子と前記第二非線型抵抗素子は、導電体−絶縁体−導
電体を順次積層した構造を有し、それぞれの非線型抵抗
素子容量をCNL1、CNL2とし、前記第一画素電極で駆動
される液晶層の容量をCLC1、前記第二画素電極で駆動
される液晶層の容量をCLC2とし、 CLC2/CNL2=m1(CLC1/CNL1) 上式にて係数m1を定義したとき、m1の値の範囲が0.
001から0.999の間で有る事を特徴とする。或い
は、前記第一画素電極の面積をSLC1、前記第二画素電
極の面積をSLC2、前記第一画素電極に設けられた非線
型抵抗素子の面積をSNL1、前記第二画素電極に設けら
れた非線型抵抗素子の面積をSNL2としたとき、 SLC1=SLC2、 SNL1<SNL2 を満たす事を特徴とする。或いは、前記第一画素電極面
積SLC1の前記第一画素電極と前記第二画素電極を合わ
せた面積SLC1+SLC2に対する比をκ1としたとき、 κ1=SLC1/(SLC1+SLC2) κ1の値が0.05から0.8の間に有る事を特徴とす
る。或いは、前記第一画素電極の面積をSLC1、前記第
二画素電極の面積をSLC2、前記第一画素電極に設けら
れた非線型抵抗素子の面積をSNL1、前記第二画素電極
に設けられた非線型抵抗素子の面積をSNL2としたと
き、 SLC1/SNL1<SLC2/SNL2 を満たす事を特徴とする。或いは、前記第一非線型抵抗
素子と前記第二非線型抵抗素子は、導電体−絶縁体−導
電体を順次積層した構造を有し、それぞれの非線型抵抗
素子容量をCNL1、CNL2とし、前記第一画素電極で駆動
される液晶層の容量をCLC1、前記第二画素電極で駆動
される液晶層の容量をCLC2とし、 CLC1/CNL1=m2(CLC2/CNL2) 上式にて係数m2を定義したとき、m2の値の範囲が0.
001から0.999の間で有る事を特徴とする。或い
は、前記第一画素電極の面積をSLC1、前記第二画素電
極の面積をSLC2、前記第一画素電極に設けられた非線
型抵抗素子の面積をSNL1、前記第二画素電極に設けら
れた非線型抵抗素子の面積をSNL2としたとき、 SLC1=SLC2、 SNL1>SNL2 を満たす事を特徴とする。或いは、前記第二画素電極面
積SLC2の第一画素電極と第二画素電極を合わせた面積
LC1+SLC2に対する比をκ2としたとき、 κ2=SLC2/(SLC1+SLC2) κ2の値が0.2から0.95の間に有る事を特徴とす
る。
【0018】又本発明に係わる液晶表示装置は、液晶を
駆動する為にマトリックス状に形成された複数個の液晶
駆動電極と、導電体−絶縁体−導電体を順次積層した構
造を有する非線型抵抗素子とを含んで構成される液晶表
示装置において、前記液晶駆動電極が第一画素電極と第
二画素電極に分割されて居り、前記第二画素電極は前記
第一画素電極を囲い、且つ前記第二画素電極の一部は前
記第一画素電極の内側に延在されて居り、更に前記第一
画素電極の一部は前記第二画素電極の内側に延在されて
居る事を特徴とする。斯様な液晶表示装置は、前記第一
画素電極の面積をSLC1、前記第二画素電極の面積をS
LC2、前記第一画素電極に設けられた非線型抵抗素子の
面積をSNL1、前記第二画素電極に設けられた非線型抵
抗素子の面積をSNL2としたとき、 SLC1/SNL1>SLC2/SNL2 を満たす事を特徴とする。或いは、前記第一画素電極の
面積をSLC1、前記第二画素電極の面積をSLC2、前記第
一画素電極に設けられた非線型抵抗素子の面積を
NL1、前記第二画素電極に設けられた非線型抵抗素子
の面積をSNL2としたとき、 SLC1=SLC2、 SNL1<SNL2 を満たす事を特徴とする。或いは、前記第一画素電極の
面積をSLC1、前記第二画素電極の面積をSLC2、前記第
一画素電極に設けられた非線型抵抗素子の面積を
NL1、前記第二画素電極に設けられた非線型抵抗素子
の面積をSNL2としたとき、 SLC1/SNL1<SLC2/SNL2 を満たす事を特徴とする。或いは、前記第一画素電極の
面積をSLC1、前記第二画素電極の面積をSLC2、前記第
一画素電極に設けられた非線型抵抗素子の面積を
NL1、前記第二画素電極に設けられた非線型抵抗素子
の面積をSNL2としたとき、 SLC1=SLC2、 SNL1>SNL2 を満たす事を特徴とする。
【0019】又本発明に係わる液晶表示装置は、液晶を
駆動する為にマトリックス状に形成された複数個の液晶
駆動電極と、導電体−絶縁体−導電体を順次積層した構
造を有する非線型抵抗素子とを含んで構成される液晶表
示装置において、前記液晶駆動電極がn個(n≧2の整
数)の同心状画素電極に分割され、該同心状画素電極の
其れぞれには非線型抵抗素子が設けられて居る事を特徴
とする。斯様な液晶表示装置は、前記同心状画素電極の
i番目(iは1からnの間の任意の整数)の同心状画素
電極の面積SLCiとし、i番目の同心状画素電極に設け
られた非線型抵抗素子の面積をSNLiとしたとき、n個
のSLCi/SNLiの値が少なくとも2種類以上である事を
特徴とする。
【0020】又本発明に係わる液晶表示装置は、液晶を
駆動する為にマトリックス状に形成された複数個の液晶
駆動電極と、該液晶駆動電極に接続されたスイッチング
素子とで構成される液晶表示装置において、前記液晶駆
動電極が櫛歯状第一画素電極と櫛歯状第二画素電極に分
割されて居り、前記櫛歯状第一画素電極には第一スイッ
チング素子が接続され、前記櫛歯状第二画素電極には第
二スイッチング素子が接続され、前記櫛歯状第一画素電
極と前記櫛歯状第二画素電極は互いに噛合って居る事を
特徴とする。
【0021】又本発明に係わる液晶表示装置は、液晶を
駆動する為にマトリックス状に形成された複数個の液晶
駆動電極と、該液晶駆動電極に接続されたスイッチング
素子とで構成される液晶表示装置において、前記液晶駆
動電極が櫛歯状第一画素電極と櫛歯状第二画素電極に分
割されて居り、前記櫛歯状第一画素電極には第一スイッ
チング素子が接続され、前記櫛歯状第二画素電極には第
二スイッチング素子が接続され、前記櫛歯状第一画素電
極と前記櫛歯状第二画素電極は互いに噛合って居り、前
記スイッチング素子は導電体−絶縁体−導電体を順次積
層した構造を有する非線型抵抗素子で有る事を特徴とす
る。斯様な液晶表示装置は、前記櫛歯状第一画素電極と
前記櫛歯状第二画素電極は水平方向に互いに噛合って居
る事を特徴とする。或いは、前記櫛歯状第一画素電極と
前記櫛歯状第二画素電極は垂直方向に互いに噛合って居
る事を特徴とする。更には、前記櫛歯状第一画素電極の
面積をSLC1、前記櫛歯状第二画素電極の面積をSLC2
前記櫛歯状第一画素電極に設けられた非線型抵抗素子の
面積をSNL1、前記櫛歯状第二画素電極に設けられた非
線型抵抗素子の面積をSNL2としたとき、 SLC1/SNL1>SLC2/SNL2 を満たす事を特徴とする。或いは、前記櫛歯状第一画素
電極の面積をSLC1、前記櫛歯状第二画素電極の面積を
LC2、前記櫛歯状第一画素電極に設けられた非線型抵
抗素子の面積をSNL1、前記櫛歯状第二画素電極に設け
られた非線型抵抗素子の面積をSNL2としたとき、 SLC1=SLC2、 SNL1<SNL2 を満たす事を特徴とする。或いは、前記櫛歯状第一画素
電極の面積をSLC1、前記櫛歯状第二画素電極の面積
をSLC2、前記櫛歯状第一画素電極に設けられた非線型
抵抗素子の面積をSNL1、前記櫛歯状第二画素電極に設
けられた非線型抵抗素子の面積をSNL2としたとき、 SLC1/SNL1<SLC2/SNL2 を満たす事を特徴とする。或いは、前記櫛歯状第一画素
電極の面積をSLC1、前記櫛歯状第二画素電極の面積を
LC2、前記櫛歯状第一画素電極に設けられた非線型抵
抗素子の面積をSNL1、前記櫛歯状第二画素電極に設け
られた非線型抵抗素子の面積をSNL2としたとき、 SLC1=SLC2、 SNL1>SNL2 を満たす事を特徴とする。
【0022】又本発明に係わる液晶表示装置は、液晶を
駆動する為にマトリックス状に形成された複数個の液晶
駆動電極と、該液晶駆動電極に接続されたスイッチング
素子とで構成される液晶表示装置において、前記液晶駆
動電極が櫛歯状第一画素電極と櫛歯状第二画素電極に分
割されて居り、前記櫛歯状第一画素電極には第一スイッ
チング素子が接続され、前記櫛歯状第二画素電極には第
二スイッチング素子が接続され、前記櫛歯状第一画素電
極と前記櫛歯状第二画素電極は互いに噛合って居り、前
記スイッチング素子は薄膜トランジスタで有る事を特徴
とする。
【0023】又本発明に係わる液晶表示装置は、液晶を
駆動する為にマトリックス状に形成された複数個の液晶
駆動電極と、該液晶駆動電極に接続された薄膜トランジ
スタとで構成される液晶表示装置において、前記液晶駆
動電極が第一画素電極と第二画素電極に分割されて居
り、前記第一画素電極には第一薄膜トランジスタが接続
され、前記第二画素電極には第二薄膜トランジスタが接
続され、前記第一薄膜トランジスタのゲート電極は第一
走査線に接続されて居り、前記第二薄膜トランジスタの
ゲート電極は第二走査線に接続されて居り、前記第一薄
膜トランジスタと前記第二薄膜トランジスタは互いに逆
導電タイプで有る事を特徴とする。斯様な液晶表示装置
は、前記第一画素電極及び前記第二画素電極は櫛歯状
で、互いに噛合って居る事を特徴とする。更には、前記
第一画素電極の面積と前記第二画素電極の面積が等しい
事を特徴とする。
【0024】又本発明に係わる液晶表示装置は、液晶を
駆動する為にマトリックス状に形成された複数個の液晶
駆動電極と、該液晶駆動電極に接続された薄膜トランジ
スタとで構成される液晶表示装置において、前記液晶駆
動電極が第一画素電極と第二画素電極に分割されて居
り、前記第一画素電極には第一薄膜トランジスタが接続
され、前記第二画素電極には第二薄膜トランジスタが接
続され、前記第一薄膜トランジスタのゲート電極は第一
走査線に接続されて居り、前記第二薄膜トランジスタの
ゲート電極は第二走査線に接続されて居り、前記第一薄
膜トランジスタはN型導電タイプで有り、前記第二薄膜
トランジスタはP型導電タイプで有り、前記第一薄膜ト
ランジスタが接続した第一画素電極の面積は前記第二薄
膜トランジスタが接続した第二画素電極の面積よりも大
きい事を特徴とする。斯様な液晶表示装置は、前記第一
画素電極及び前記第二画素電極は櫛歯状で、互いに噛合
って居る事を特徴とする。
【0025】又本発明に係わる液晶表示装置は、液晶を
駆動する為にマトリックス状に形成された複数個の液晶
駆動電極と、該液晶駆動電極に接続された薄膜トランジ
スタとで構成される液晶表示装置において、前記液晶駆
動電極が第一画素電極と第二画素電極に分割されて居
り、前記第一画素電極にはN型導電タイプの第一薄膜ト
ランジスタが接続され、前記第二画素電極にはP型導電
タイプの第二薄膜トランジスタが接続され、前記第一薄
膜トランジスタのゲート電極は第一走査線に接続されて
居り、前記第二薄膜トランジスタのゲート電極は第二走
査線に接続されて居り、前記第一薄膜トランジスタのチ
ャンネル長をL1、チャンネル幅をW1とし、前記第二薄
膜トランジスタのチャンネル長をL2、チャンネル幅を
2としたとき、 W1/L1<W2/L2 との関係式を満たす事を特徴とする。斯様な液晶表示装
置は、前記第一画素電極及び前記第二画素電極は櫛歯状
で、互いに噛合って居る事を特徴とする。更には、前記
第一画素電極の面積と前記第二画素電極の面積が等しい
事を特徴とする。
【0026】又本発明に係わる液晶表示装置は、液晶を
駆動する為にマトリックス状に形成された複数個の液晶
駆動電極と、該液晶駆動電極に接続された薄膜トランジ
スタとで構成される液晶表示装置において、前記液晶駆
動電極が第一画素電極と第二画素電極に分割されて居
り、前記第一画素電極にはN型導電タイプの第一薄膜ト
ランジスタが接続され、前記第二画素電極にはP型導電
タイプの第二薄膜トランジスタが接続され、前記第一薄
膜トランジスタのゲート電極は第一走査線に接続されて
居り、前記第二薄膜トランジスタのゲート電極は第二走
査線に接続されて居り、前記第一薄膜トランジスタのチ
ャンネル長は前記第二薄膜トランジスタのチャンネル長
より長い事を特徴とする。斯様な液晶表示装置は、前記
第一画素電極及び前記第二画素電極は櫛歯状で、互いに
噛合って居る事を特徴とする。更には、前記第一画素電
極の面積と前記第二画素電極の面積が等しい事を特徴と
する。
【0027】又本発明に係わる液晶表示装置は、液晶を
駆動する為にマトリックス状に形成された複数個の液晶
駆動電極と、該液晶駆動電極に接続された薄膜トランジ
スタとで構成される液晶表示装置において、前記液晶駆
動電極が第一画素電極と第二画素電極に分割されて居
り、前記第一画素電極にはN型導電タイプの第一薄膜ト
ランジスタが接続され、前記第二画素電極にはP型導電
タイプの第二薄膜トランジスタが接続され、前記第一薄
膜トランジスタのゲート電極は第一走査線に接続されて
居り、前記第二薄膜トランジスタのゲート電極は第二走
査線に接続されて居り、前記第一薄膜トランジスタのチ
ャンネル幅は前記第二薄膜トランジスタのチャンネル幅
よりも狭い事を特徴とする。斯様な液晶表示装置は、前
記第一画素電極及び前記第二画素電極は櫛歯状で、互い
に噛合って居る事を特徴とする。更には、前記第一画素
電極の面積と前記第二画素電極の面積が等しい事を特徴
とする。
【0028】又本発明に係わる液晶表示装置は、第1導
電体−絶縁体−第2導電体を順次積層した構造を有する
非線型抵抗素子と、液晶を駆動する液晶駆動電極とを含
んで構成される液晶表示装置において、前記液晶駆動電
極が第一画素電極と第二画素電極に分割され、前記第一
画素電極を駆動する第一非線型抵抗素子の電気的非線型
特性と、前記第二画素電極を駆動する第二非線型抵抗素
子の電気的非線型特性とが異なる事を特徴とする。或い
は本発明に係わる液晶表示装置は、第1導電体−絶縁体
−第2導電体を順次積層した構造を有する非線型抵抗素
子と、液晶を駆動する液晶駆動電極とを含んで構成され
る液晶表示装置において、前記液晶駆動電極が第一画素
電極と第二画素電極に分割され、前記第一画素電極を駆
動する第一非線型抵抗素子の絶縁膜の厚さと、前記第二
画素電極を駆動する第二非線型抵抗素子の絶縁膜の厚さ
が異なる事を特徴とする。斯様な液晶表示装置は、前記
第一非線型抵抗素子の第1導電体と、前記第二非線型抵
抗素子の第1導電体が、液晶表示装置の表示領域の外部
で電気的に接続された事を特徴とする。或いは前記第二
画素電極が前記第一画素電極を取り囲む様に形成されて
いる事を特徴とする。
【0029】又本発明に係わる液晶表示装置は、導電体
−絶縁体−導電体を順次積層した構造を有する非線型抵
抗素子と、液晶を駆動する液晶駆動電極とを含んで構成
される液晶表示装置において、前記液晶駆動電極が第一
画素電極と第二画素電極に分割され、前記第一画素電極
を駆動する第一非線型抵抗素子と、前記第一画素電極と
前記第二画素電極が直列に接続される様に第二非線型抵
抗素子及び第三非線型抵抗素子を設けた事を特徴とす
る。
【0030】又本発明に係わる液晶表示装置は、スイッ
チング素子として非線型抵抗素子が用いられる場合、そ
れはタンタルを一成分とする金属、タンタルを一成分と
する金属の酸化物、金属あるいは透明導電膜を順次積層
した構造を取る事を特徴とする。
【0031】
【0032】
【発明の実施の形態】以下本発明を図面を用いて詳細に
説明するが、それに先立ち各請求項が主として関わる実
施例と図面の関係を記載しておく。但しこれは単に読者
の便益を図る為の分類であり、或る発明が幾つかの実施
例に関わる事も有れば、又後半の実施例では前半の実施
例の繰り返しを避ける為に繰り返し部を省略している事
もある。従って以下に記す分類はあくまで一つの目安に
過ぎない。
【0033】
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】
【0040】
【0041】
【0042】〔実施例1〕図1は本発明による実施例を
示し、図1(a)は上視図、図1(b)は図1(a)の
AA’における断面図である。
【0043】ガラス等の第1基板101上にTaをスパ
ッタ法により形成し、フォトエッチングによりパターニ
ングし、MIM素子の第1導電体103を設ける。第1
導電体103は、走査配線を兼ねた形状に加工し、例え
ばその膜厚は1000〜6000Åとする。次に第1導
電体103の表面を陽極酸化法により酸化し、MIM素
子の絶縁体104を200〜800Åの膜厚となる様に
形成する。例えば陽極酸化は0.01〜1%程度の濃度
のクエン酸あるいは酒石酸アンモニウムの水溶液中に、
陰極として白金を用い、陽極が第1導電体103となる
様に配線し、10〜45Vの直流を印加して、30分〜
4時間酸化する。次に絶縁体104を300〜500℃
で焼成し、絶縁体104を緻密な膜にし、非線型特性を
向上させる。次にMIM素子の第2導電体を兼ねた液晶
駆動電極の第一画素電極105と第二画素電極106を
形成する。第一画素電極105には第一MIM素子11
1が接続され、第二画素電極106は第一画素電極10
5の周囲を囲む様に形成され、第二MIM素子110が
接続されている。第一画素電極105と第二画素電極1
06は例えばITO(酸化インジウムスズ)に代表され
る透明導電体をスパッタ法により300〜4000Åの
厚さに成膜し、フォトエッチングによりパターニングす
る。MIM素子の第2導電体と液晶駆動電極は一体で形
成する必要はなく、例えば第2導電体としてCrやNi
CrTa、Ti等の金属あるいは合金を用い、液晶駆動
電極としてはITO等の透明導電体を用いて、其々別々
に形成してもよい。次に第1基板101と、液晶層10
9を介して対向する様に第2基板102を設ける。第2
基板102には、ITO等の透明導電体をストライプ状
に加工したデータ線108を形成し、走査配線と直交す
る様に設ける。図1は簡単のためにモノクロ液晶表示装
置について説明したが、染料により染色した有機層ある
いは顔料を分散させた有機層を第2基板102とデータ
線108の間、あるいはデータ線108と液晶層109
の間、あるいは液晶駆動電極105、106と液晶層1
09の間、あるいは液晶駆動電極105、106と第1
基板101の間のいずれかの位置に設置する事により容
易にカラー液晶表示装置とする事ができる。
【0044】従来技術と本実施例の大きな相違点は、液
晶駆動電極を第一非線型抵抗素子の一種で有る第一画素
電極105と第二非線型抵抗素子の一種で有る第二画素
電極106の2つに分け、第一画素電極105の周辺部
に第二画素電極106を形成し、更にそれぞれ独立した
第一MIM素子111と、第二MIM素子110で駆動
する事で液晶表示装置の視角特性を向上させた事であ
る。
【0045】Tech.Dig.of the In
t.Electron Devices Meetin
g,pp.707−710 Dec.1980にMIM
素子の容量CMIMと液晶層の容量CLCの比、CLC/CMIM
が大きくなると液晶層に印加される実効電圧が大きくな
る事が示されている。第一画素電極105で駆動される
液晶層112の容量CLC1と第一MIM素子111の容
量CNL1の比と、第二画素電極106で駆動される液晶
層113の容量CLC2と第二MIM素子110の容量C
NL2の比が異なる様にすれば、液晶層112と液晶層1
13に印加される実効電圧が変わり、視角特性が向上す
る。
【0046】ここで第一MIM素子111の面積をS
NL1、第二MIM素子110の面積をSNL2、絶縁体10
4の膜厚をtNL、絶縁体104の比誘電率をεNL、真空
の誘電率をεOとするとCNL1、CNL2はそれぞれ、 CNL1=εO・εNL・SNL1/tNL…(1) CNL2=εO・εNL・SNL2/tNL…(2) となる。一方第一画素電極105の面積をSLC1、第二
画素電極106の面積をSLC2、液晶層112、113
の厚さ、すなわち第1基板101と第2基板102のギ
ャップをtLC、液晶の比誘電率をεLCとするとCLC1
LC2はそれぞれ CLC1=εO・εLC・SLC1/tLC…(3) CLC2=εO・εLC・SLC2/tLC…(4) となる。
【0047】1例として視角特性を向上させるために、 CLC1/CNL1>CLC2/CNL2…(5) の関係を満たす様にすると、液晶層112に印加される
実効電圧は、液晶層113に印加される実効電圧に比べ
大きくなり、正面から見たときのコントラスト比は、液
晶層112により十分に大きくなり、斜めから見たとき
のコントラスト比は、液晶層113により補償され、視
野角の広い液晶表示装置となる。特に中間調表示の画面
を斜めから見たときに、画面のネガポジ反転(白黒反
転)を防止するのに大きな効果がある。式(5)に式
(1)〜(4)を代入して整理すると、 SLC1/SNL1>SLC2/SNL2…(6) となり、単に面積比を変えれば上記の効果が得られる事
が分かる。これは従来技術に比べ、構造やプロセスを複
雑にする事なく、単に液晶駆動電極をパターニングする
際のフォトマスクを変更する事のみで実現できるので有
る。加えて本実施例では第二画素電極106が完全に第
一画素電極を囲んでいる為、どの方向から本実施例記載
の液晶表示装置を見てもコントラスト比は液晶層113
により補償され、視野角が広くなる。更に本実施例では
欠陥補修が可能となっている。例えば第二MIM素子1
10の絶縁膜104にピンホールがあって第一導電体1
03と第二画素電極106が短絡している場合、第二画
素電極106の電位は常に走査配線の電位と同じになっ
てしまうが、第一MIM素子111も同時に不良でない
限り正常に情報表示する第一画素電極105によりこの
液晶駆動電極領域は点欠陥にはならないので有る。反対
に第一MIM素子111が不良で第一画素電極105が
動作しない場合でも、第二MIM素子110と第二画素
電極106の正常動作によりこの液晶駆動電極領域は点
欠陥にはならない。こうした欠陥補修との観点からは第
一画素電極105の面積と第二画素電極106の面積が
等しい事が好ましい。もし何方か一方の画素電極面積が
他方の画素電極面積よりも著しく大きければ、大きい画
素電極に接続するMIM素子が不良となったとき、生き
残っている正常なMIM素子に接続する画素電極が著し
く小さくなり、その為に欠陥補修が効果的に行われない
からで有る。又液晶表示装置は多くの場合正面から眺め
る時間が長く、最適コントラストは正面に合わせられ
る。本実施例では第一画素電極105上の液晶層112
が正面からの視点を作り、それらを囲む第二画素電極1
06上の液晶層113が上下、左右方向からの視野角を
補償している。こうした点からも第一画素電極105と
第二画素電極106の面積が等しい事が望まれる。この
場合一つの液晶駆動電極の約50%は正面からのコント
ラスト向上に寄与し、約25%が左右方向の視野角を広
げる事に寄与し、残りの約25%が上下方向の視野角を
広げる役割を演ずる事となる。無論本実施例で第一画素
電極面積を広く取り、正面からのコントラストを優先さ
せる事も可能で有る。反対に第一画素電極の面積を40
%程度と小さくし、第二画素電極の内で上下に走る帯部
の面積を左右それぞれ20%程度の計40%程度とし、
第二画素電極の内で左右に走る帯部の面積を上下それぞ
れ10%程度の計20%程度とすれば正面からのコント
ラストは多少劣るものの左右方向の視野角が著しく改善
される。正面からの画質を重視する場合は第一画素電極
の面積を比較的大きく取り、視野角を優先する場合は第
二画素電極の面積を比較的大きくするので有る。しかし
ながら広視野角と高画質を両立し、更に効果的に欠陥補
修できるとの観点からは第一画素電極面積SLC1と第二
画素電極面積SLC2は等しい事が好ましい。
【0048】SLC1=SLC2…(7) このとき第一非線型抵抗素子で有る第一MIM素子の面
積SNL1と第二非線型抵抗素子で有る第二MIM素子の
面積SNL2の関係を SNL1<SNL2…(8) とすれば、 SLC1/SNL1>SLC2/SNL2…(6) の関係を満たし、上述の効果を実現できる。(6)式を
満たした状態で、第一画素電極面積SLC1の第一画素電
極と第二画素電極を合わせた面積SLC1+SLC2に対する
比をκ1とすると κ1=SLC1/(SLC1+SLC2)…(9) 高画質と広視野角を両立させる好ましいκ1の値は0.
1から0.9で有り、より好ましくは0.2から0.
8、更に好ましくは0.3から0.7で、理想的には
0.4から0.6の間で有る。
【0049】視野角特性は前述の(5)式を満たす関
係、或いは(6)式を満たす関係に有るときに向上す
る。
【0050】 CLC2/CNL2=m1(CLC1/CNL1)…(10) 上記(10)式にて係数m1を定義すると(5)式
(6)式は m1<1…(11) と記述される。このときに画質やMIM素子構造、画素
電極構造を考慮して好ましいm1の値の範囲は0.00
1から0.999で有り、より好ましくは0.01から
0.99、更に好ましくは0.1から0.9で有り、理
想的には0.2から0.8の間で有る。
【0051】本実施例の様に液晶駆動電極を複数の画素
電極に分割する場合、画素電極間の分離距離dが高画質
を得るのに重要な役割を演ずる。図1にdで示す画素電
極間の分離距離が大きいと、コントラストの低下や光漏
れ現象と言った問題が生ずるからで有る。分離距離dが
十分に小さいときにはこれらの問題は生じない。と言う
のは液晶表示装置が所望の情報を表示している状態で第
一画素電極105と第二画素電極106には殆ど同じ電
位が与えられており、為に液晶層112と液晶層113
の液晶偏光状態は殆ど同じとなるからで有る。液晶の粘
性係数はゼロでないので分離距離dが小さければ、この
分離領域上の液晶層114は液晶層112と液晶層11
3に引きずられる形で応答し、偏光状態を変えるので有
る。その結果コントラストの低下や光漏れが生じない訳
で有る。もう少し正確に言うと、前述の様に第一画素電
極105と第二画素電極106とには視野角特性を改善
する為に異なった電位が与えられ、相応して液晶層11
2と液晶層113の偏光状態は異なった物となる。この
とき分離距離dが小さければ分離領域上の液晶層114
は液晶層112の偏光状態と液晶層113の偏光状態を
結ぶ中間的な偏光状態と化する。所が、分離距離dが大
きければ液晶層112の偏光状態や液晶層113の偏光
状態とは関係なくして、分離領域上の液晶層114は常
に液晶駆動電極電位がゼロに相応する偏光状態となって
しまうので有る。出願人らはこうした観点に則り分離距
離dの許される値を調査した所、分離距離dが10μm
以下で有ればコントラストの低下は殆ど問題にならず、
7μm以下ではコントラストの低下は全く認められなか
った。更に5μm以下ではノーマリー白表示モードで黒
表示させたときの光漏れも全く認められなかった。即ち
分離距離dが10μm以下で有れば実用上殆ど問題はな
く、5μm以下では分離領域上の液晶層114も正確に
応答しているので有る。ここではスイッチング素子とし
てMIM素子を用いて説明したが、同じ事情はTFT素
子等他のスイッチング素子を用いた場合にも無論適応可
能で有る。TFT素子をスイッチング素子として用い、
一つの液晶駆動電極を複数の画素電極に分割する場合も
画素電極間の分離距離dは10μm以下が好ましく、よ
り好ましくは7μm以下、更に好ましくは5μm以下で
有る。
【0052】他の一例としては上述と反対の場合も有効
で有る。
【0053】CLC1/CNL1<CLC2/CNL2…(12) すなわち SLC1/SNL1<SLC2/SNL2…(13) とすれば上記とは逆に、液晶層112により視角を補償
でき、上述と全く同様の効果が得られる。第一画素電極
面積SLC1と第二画素電極面積SLC2を等しくした場合、 SLC1=SLC2…(7) 第一非線型抵抗素子で有る第一MIM素子の面積SNL1
と第二非線型抵抗素子で有る第二MIM素子の面積S
NL2の関係を SNL1>SNL2…(14) とすれば(13)式の関係は満たされ、広視野角と高画
質は両立し、更に効果的に欠陥補修も可能となる。(1
3)式を満たした状態で、第二画素電極面積SLC 2の第
一画素電極と第二画素電極を合わせた面積SLC1+SLC2
に対する比をκ2とすると κ2=SLC2/(SLC1+SLC2)…(15) 高画質と広視野角を両立させる好ましいκ2の値は0.
1から0.9で有り、より好ましくは0.2から0.
8、更に好ましくは0.3から0.7で、理想的には
0.4から0.6の間で有る。
【0054】視野角特性は前述の(12)式を満たす関
係、或いは(13)式を満たす関係に有るときに向上す
る。
【0055】 CLC1/CNL1=m2(CLC2/CNL2)…(16) 上記(16)式にて係数m2を定義すると(12)式
(13)式は m2<1…(17) と記述される。このときに画質やMIM素子構造、画素
電極構造を考慮して好ましいm2の値の範囲は0.00
1から0.999で有り、より好ましくは0.01から
0.99、更に好ましくは0.1から0.9で有り、理
想的には0.2から0.8の間で有る。
【0056】本実施例で、第1導電体103としてTa
を例に説明したが、TaMo、TaW、TaSi、Ta
SiW等のTaを成分とする合金、あるいはAl、Al
を成分とする合金を用いる事も出来、陽極酸化法あるい
は熱酸化法によりこれらの第一導電体を酸化して絶縁体
104を形成してもよい。又、絶縁体104はスパッタ
法、プラズマCVD法により成膜した窒化ケイ素を用い
てもよい。
【0057】〔実施例2〕図3は、本発明による別の実
施例を示し、図3(a)は上視図、図3(b)は図3
(a)のCC’における断面図である。
【0058】ガラス等の第1基板401上に、Cr、A
l、Mo等の金属よりなるMIM素子の第1導電体40
3を設ける。第1導電体403はデータ線を兼ね、デー
タ線から1画素エリア(即ち一つの液晶駆動電極)当た
り3本の突出部を設ける。次にMIM素子の絶縁体40
4をスパッタ法やプラズマCVD法等により窒化ケイ素
或いは硬質炭素膜にて形成し、少なくとも上記3本の突
出部を覆う様にパターニングする。絶縁体404は、必
ずしもパターニングする必要はないが、第1基板401
と、絶縁体404の屈折率の違いにより、液晶表示装置
が色付いてしまう為、パターニングする方が好ましい。
一方実施例1と同様に第1導電体403をTaあるいは
Taを成分とする合金とし、陽極酸化法により絶縁体4
04を得てもよい。この場合、第1導電体403の表面
のみが酸化される為、絶縁体404をパターニングする
必要はない。一般にTaあるいはTaを成分とする合金
を陽極酸化する事で形成された絶縁体より、窒化シリコ
ン膜や硬質炭素膜の方が非線型特性が優れている。こう
した点や前述の製造方法の容易さ、液晶表示装置の画素
数、あるいは要求される画質により最適な絶縁膜の材料
を選択すればよい。次にMIM素子の第2導電体を兼ね
た第一画素電極407、第二画素電極406、第三画素
電極405を設ける。この結果、第1導電体403の3
本の突出部に、第一MIM素子410、第二MIM素子
411、第三MIM素子412が形成される。MIM素
子の第2導電体と液晶駆動電極は実施例1で述べた様に
別々の材料で構成してもよい。次に第1基板401と対
向する位置に液晶層409を介して第2基板402を設
ける。第2基板402には、ITO等の透明導電体をス
トライプ状に加工した走査配線408を形成する。
【0059】実施例1と本実施例の相違点は、一つの液
晶駆動電極を液晶表示装置の広視野角が求められる方向
にn個(n≧2の整数)の画素電極に分割し、それぞれ
の画素電極にはそれぞれ独立な非線型抵抗素子を設ける
事により、視野角特性を向上させる自由度を広げた点で
ある。図3では液晶表示装置は液晶表示画面の垂直(縦
又は上下)方向に広視野角が求められる使用状況を想定
し、垂直方向に一つの液晶駆動電極を3分割(n=3)
して有る。液晶表示装置の視野角特性は各液晶表示装置
の応用状況によって異なる。例えばパーソナル・コンピ
ュータ(PC)やエンジニアリング・ワーク・ステーシ
ョン(EWS)の表示画面に応用される対角25cm〜
50cm程度の大型液晶表示装置では表示画面の垂直
(縦又は上下)方向に広視野角が求められる事が多い。
又液晶表示装置をパチンコ台に組み込んだ場合も個人に
より目の高さが異なる為、垂直(縦又は上下)方向に広
視野角が求められる。これらとは対照的に車載用テレビ
等に適応される場合、一つの液晶表示装置を二人乃至は
三人で水平(横又は左右)方向から眺める使用状況が多
いと想定される為、寧ろ水平(横又は左右)方向に広視
野角が求められる。後述する様に分割された画素電極で
駆動される液晶容量と各MIM素子容量の比を各画素電
極毎に異ならせる事により視野角特性を改善できるの
で、広視野角が求められる方向に一つの液晶駆動電極を
複数個の画素電極に分割するのが好ましい。図3の例で
は垂直(縦又は上下)方向に液晶駆動電極が分割されて
いる為に正面からのコントラストが良好であると同時
に、垂直(縦又は上下)方向の視野角が著しく大きくな
る。このとき水平(横又は左右)方向の視野角は図2に
示すがごとき従来の液晶表示装置と同様に狭いが、そも
そもその方向に視野角は求められていないので有る。パ
チンコをしているとき人は自分の台の液晶表示装置のみ
に注視し、隣の台の液晶表示装置などに気を取られてい
ないのが普通で有る。斯く故、液晶表示装置の広視野角
が求められる方向に液晶駆動電極はn個(n≧の整数)
の画素電極に分割され、各画素電極にMIM型非線型抵
抗素子を設け、各画素電極面積の非線型抵抗素子面積比
を異ならせる事が好ましい。これにより正面からのコン
トラストを良好とした状態で尚、広視野角が求められる
方向に所望通りの広視野角が得られるからである。広視
野角が求められる方向はどの方向であっても構わぬが、
普通は水平(横又は左右)方向か、或いは垂直(縦又は
上下)方向で有る。従って垂直(縦又は上下)方向に広
視野角が求められているときには図3の例が示す様に一
つの液晶駆動電極を垂直(縦又は上下)方向にn個(n
≧の整数)に分割すれば良い。反対に水平(横又は左
右)方向に広視野角が求められるときには図3aを90
゜回転させて、一つの液晶駆動電極を水平(横又は左
右)方向にn個(n≧2の整数)に分割すれば良いわけ
で有る。
【0060】次に各画素電極とそれらに接続されたMI
M型非線型抵抗素子との関係を説明する。第一MIM素
子410、第二MIM素子411、第三MIM素子41
2の容量をそれぞれCNL1、CNL2、CNL3とし、第一画
素電極407で駆動される液晶層417、第二画素電極
406で駆動される液晶層416、第三画素電極405
で駆動される液晶層415の容量をそれぞれCLC1、C
LC2、CLC3とし、MIM素子と液晶層の容量比が、 CLC3/CNL3>CLC2/CNL2>CLC1/CNL1…(18) の関係を満たす様にすれば、矢印414の方向の視角特
性を大幅に向上できる。第一MIM素子410、第二M
IM素子411、第三MIM素子412の絶縁体404
は材料と厚さが総て等しく、液晶層415、416、4
17の材料と厚さも等しい為、実施例1と同様に第一M
IM素子410、第二MIM素子411、第三MIM素
子412それぞれの面積をSNL1、SNL2、SNL3とし、
第一画素電極407、第二画素電極406、第三画素電
極405のそれぞれの面積をSLC1、SLC2、SLC3とし
て上式を置き換えると、(18)式は SLC3/SNL3>SLC2/SNL2>SLC1/SNL1…(19) で表される。従ってMIM素子と液晶層の容量比を変え
るには、単にこれら面積比を変える事のみで容易に実現
できる。
【0061】一方、MIM素子と液晶層の容量比が、 CLC3/CNL3<CLC2/CNL2<CLC1/CNL1…(20) すなわち、 SLC3/SNL3<SLC2/SNL2<SLC1/SNL2…(21) の関係を満たす様にすれば、矢印413方向の視角特性
を向上できる。又、 CLC3/CNL3=CLC1/CNL1<CLC2/CNL2…(22) すなわち、 SLC3/SNL3=SLC1/SNL1<SLC2/SLC2…(23) の関係を満たす様にすれば、矢印413、414双方の
視角特性を対称的に向上できる。
【0062】矢印413、414双方の視角特性を向上
する手段として、 CLC3/CNL3<CLC1/CNL1<CLC2/CNL2…(24) すなわち、 SLC3/SNL3<SLC1/SNL1<SLC2SNL2…(25) の関係を満たす様にするかあるいは、 CLC1/CNL1<CLC3/CNL3<CLC2/CNL2…(26) すなわち、 SLC1/SNL1<SLC3/SNL3<SLC2/SNL2…(27) の関係を満たす事によっても実現できる。
【0063】実施例1中で説明した様に各画素電極を分
離する分離距離dは10μm以下が好ましく、より好ま
しくは7μm以下、更に好ましくは5μm以下で有る。
この事情は一つの液晶駆動電極を複数の画素電極に分割
する場合に常に適合される。以下の実施例中でスイッチ
ング素子としてTFT素子やMIM素子を用いて一つの
液晶駆動電極を複数の画素電極に分割する例が幾つか現
れてくる。それらの実施例では今後特にこの分離距離d
に関して言及しないが、分離距離dの好ましい値は総て
上述と同様で有る。
【0064】以上説明した様に、望まれる方向の視角特
性を著しく向上させる自由度がプロセスや構造を複雑と
する事なく簡単に実現でき、特にPC用あるいはEWS
用に用いられる対角25cm〜50cm程度の大型液晶
表示装置に適用した場合、目を固定していても画面の上
下でコントラストや色調が違うという問題を解決でき
る。
【0065】本実施例では一例として液晶駆動電極を3
分割した場合を例として説明したが、分割数を増やして
n分割(n≧4の整数)とし、これらの画素電極の其れ
ぞれには非線型抵抗素子を設け、i番目(iは1からn
の間の任意の整数)の画素電極の面積SLCiとし、i番
目の画素電極に設けられた非線型抵抗素子の面積をS
NLiとしたとき、n個のSLCi/SNLiの値が少なくとも2
種類以上とすれば、更に視角特性向上の自由度が広がる
事は明らかである。又、(23)式にてn=3を用いて
説明した様に、i番目のSLCi/SNLiの値とn+1−i
番目のSLC(n+1-i)/SN L(n+1-i)の値を等しくする事に
依り広視野角が求められている方向の視角特性を対称的
に向上できる。
【0066】〔実施例3〕図4は本発明に係わる別の実
施例を示す。
【0067】MIM素子の第1導電体を兼ねた第1デー
タ線501と第2データ線502をそれぞれ1画素当た
り1ヶ所の突出部を持つ様な形状に加工し、第一画素電
極507と第二画素電極508の両サイドに配置する。
後に形成される第二画素電極508は第一画素電極50
7の周囲に第一画素電極507を囲う様に形成され、こ
れら第一画素電極507と第二画素電極508にて一つ
の液晶駆動電極を構成している。第1データ線501と
第2データ線502は例えばTaあるいはTaW、Ta
Mo、TaSi、TaSiW等のTaを成分とする合
金、又はAlあるいはAlを成分とする合金等の陽極酸
化が可能な材料を用いる。次に第1データ線501と第
2データ線502の表面を陽極酸化法により酸化し、M
IM素子の絶縁体となる第1絶縁体503及び第2絶縁
体504を形成する。TaあるいはTaを成分とする合
金は、例えば0.01〜1%程度の濃度のクエン酸やリ
ン酸或いは酒石酸アンモニウム等の水溶液を用いて陽極
酸化すれば容易に緻密な絶縁体が得られる。一方Alあ
るいはAlを成分とする合金は、0.01〜5%程度の
濃度の酒石酸アンモニウム水溶液、あるいはエチレング
リコール溶媒と酒石酸アンモニウムを溶質とした溶液を
用い、両溶液ともアンモニア水によりPHを7.0〜
7.5に調整して陽極酸化すれば緻密な絶縁体が得られ
る。このとき、外部ドライバー回路と接続する端子エリ
ア511には第1絶縁体503又は第2絶縁体504が
形成されない様に、あらかじめ絶縁性有機物を形成して
選択陽極酸化をする。或いは絶縁体が形成された場合は
CF4やSF6等のフッ化系のガスを用いて、反応性イオ
ンエッチング(RIE)等のドライエッチング法により
絶縁体を除去する。次にMIM素子の第2導電体を兼ね
た第一画素電極507とこれを囲む様な形状に第二画素
電極508を形成する。この結果、第1データ線501
と第2データ線502のそれぞれの突出部に第一MIM
素子509と第二MIM素子510が構成される。この
とき、第1データ線501と第2データ線502へ同一
のデータ信号が供給される様に端子エリア511にパッ
ト電極505を同時に形成する。MIM素子の第2導電
体と液晶駆動電極は実施例1と同様に別々の材料で形成
してもよい事は言うまでもない。最後に、液晶層を介し
て第1データ線501と第2データ線502と直交する
ように走査配線506を設けて、液晶表示装置を構成す
る。
【0068】実施例1と本実施例の相違点(即ち本発明
の特徴点)は第一画素電極507を駆動する第一MIM
素子509の電気的非線型特性と、第二画素電極508
を駆動する第二MIM素子510の電気的非線型特性を
異なったものとする事により、視角特性を向上させる自
由度を広げた点である。
【0069】本実施例に則ると、陽極酸化法により第1
絶縁体503や第2絶縁体504を形成する際、2回に
分けて陽極酸化を行い、異なった非線型特性を有する絶
縁体を得る事が可能になる。図5に陽極酸化を行う際の
略図を示す。MIM素子をアレイ状に配置する第1基板
601に第1データ線602と第2データ線603を形
成する。複数の第1データ線602は例えば第1基板6
01の上部で全て接続され、第1陽極酸化パット605
に接続する。複数の第2データ線603は第1データ線
602とは逆に第1基板601の下部で全て接続され、
第2陽極酸化パット606に接続する。端子エリア60
4は前にも述べた様に絶縁性有機物を形成し、陽極酸化
による絶縁体が形成されるのを防止する。クエン酸水溶
液等の陽極酸化用化成液中へ第1基板601を破線60
7まで浸漬し、同一化成液中に設置した白金等の電極を
陰極とし、第1陽極酸化パット605を陽極として、例
えば30Vの印加電圧で第1回目の陽極酸化を行う。次
に第2陽極酸化パット606を陽極とし、例えば40V
の印加電圧で第2回目の陽極酸化を行う。陽極酸化後破
線607及び608で第1基板601を切断し、接続さ
れていたデータ線を分離する。形成される絶縁体の膜厚
は印加電圧に比例し、更に第1データ線602及び第2
データ線603にTaを用いた場合、1V当たり17〜
18Å成膜するため、第1絶縁体503の膜厚は510
〜540Åとなり、他方第2絶縁体504の膜厚は68
0〜720Åとなる。この結果、実施例1とは違い、M
IM素子の面積だけではなく、絶縁体の膜厚も変える事
が出来、MIM素子と液晶層の容量比を変える自由度が
より一層広げられる。
【0070】一方、陽極酸化により得られたタンタル酸
化物(TaOx)中を流れるプールフレンケル電流I
は、 I=kV exp(β√V) で表され、βの値が非線型性を表す係数であり、βは絶
縁体の膜厚をdとすると膜厚の平方根に反比例する(β
∝1/√d)。従って絶縁体の膜厚を変える事により非
線型性も変えられ、容量比のみではなくMIM素子の非
線型特性を変えて、第一画素電極507と第二画素電極
508により駆動される液晶層に印加される電圧の実効
値を広範囲に渡って制御可能となる。
【0071】更に第1回目の陽極酸化をクエン酸水溶液
で行い、第2回目の陽極酸化をリン酸水溶液で行う事に
より、第2絶縁体504中に不純物としてリンが取り込
まれ、新たなトラップ準位を形成し、第1絶縁体503
と第2絶縁体502の膜厚が同じ、すなわち第1回目の
陽極酸化と第2回目の陽極酸化とで印加する電圧を同じ
にしても、第一MIM素子509と第二MIM素子51
0の非線型特性を変えられる。又、これに陽極酸化で印
加する電圧を変える事で、より非線型特性を変える自由
度が広がり、従来技術に比べ陽極酸化工程を1回増加す
るだけで、液晶表示装置の視角特性やコントラストを大
幅に向上できる。MIM型非線形抵抗素子の電気特性は
陽極酸化方法を変える事で大幅に変化させ得る。本実施
例記載の液晶表示装置は一回目の陽極酸化と二回目の陽
極酸化で印加電圧や化成液、温度等の酸化条件を自由に
変えて組み合わせる事が可能で、その様にして得られた
異なるMIM素子がそれぞれの画素電極を独立に制御し
て一つの液晶駆動電極を駆動している。その結果コント
ラストや視野角と言った画質を自由に設定できるので有
る。無論本実施例に於いても実施例1にて詳述した様
に、画素電極面積のMIM素子面積比を変えて実施例1
と同じ効果を得る事も可能で有る。しかしながら画素電
極面積やMIM素子面積が液晶駆動電極のレイアウト上
の制約やフォトリソグラフィーの精度等の制約で思う様
に設定できぬ状況に於いても本実施例では二回の陽極酸
化条件を異ならせる事で酸化膜の膜厚や組成などの構造
を変え、広視野角と高画質を容易に両立させ得ぬので有
る。加えて図4に示す本実施例の液晶表示装置に於いて
は第1データ線501或いは第2データ線502の何方
か一方のデータ線が断線しても、両者が同時に断線しな
い限り線欠陥が生じないとの窮めて優れた特質が認めら
れる。言う迄も無く図2に示すがごとき従来技術の液晶
表示装置ではデータ線に一ヶ所でも断線が生ずると、そ
の先には情報は伝達されぬが故正常な情報表示が行われ
ぬ領域が線状に発生し、所謂線欠陥が視認されるに至
る。図4に示す本実施例の液晶表示装置に於いても、デ
ータ線に断線が生ずるとその先に情報転送されぬ点は従
来と同一で有る。しかるに本発明の液晶表示装置では一
つの液晶駆動電極が第一画素電極とそれを取り囲む第二
画素電極に分割されており、それぞれの画素電極に接続
したMIM素子は独立なデータ線に接続されている為、
片方のデータ線に断線等の異常が生じても、もう片方の
データ線とそれに接続したMIM素子を通じて情報伝達
がなされるので有る。この場合断線から先の液晶駆動電
極はそれを成す画素電極の片方が死んでいるから正常な
情報表示は成されぬものの、生き残っているもう片方の
画素電極が動作している為、致命的な線欠陥とはならな
いので有る。実施例1で説明した点欠陥補修にしろ、上
述した線欠陥補修にしろ、それを効果的に行うには二つ
の画素電極形状が重要で有る。液晶駆動電極を単純にデ
ータ線と平行又は直角に二分割するよりも、本願の様に
一方の画素電極を他方の画素電極が取り囲む様に分割し
た方が明らかに効果的欠陥補修がなされる。これは取り
分け、本実施例に示した線欠陥補修に於いて顕著で有
る。
【0072】〔実施例4〕図6は、本発明による別の実
施例を示す。本実施例では液晶駆動電極が第一画素電極
と第二画素電極に分割され、第一画素電極を駆動する第
一非線型抵抗素子と、第一画素電極と前記第二画素電極
が直列に接続される様に第二非線型抵抗素子及び第三非
線型抵抗素子を設けて居る。
【0073】走査配線を兼ねたMIM素子の第1導電体
703を、1画素当たり1ヶ所の突出部を持つ様な形状
に加工する。第1導電体703はCr、Ta等の金属で
膜厚が1000〜5000Å程度に形成するのが好まし
い。更に好ましくは、走査配線を兼ねている為、走査信
号の遅延を小さくする目的でより比抵抗の低いAl、C
u等を用いれば、対角25cm以上の大型液晶表示装置
が実現できる。この第1導電体703と同時に第3導電
体704を島状に形成する。次に少なくとも第1導電体
703の突出部と第3導電体704を覆うようにMIM
素子の絶縁体705を設ける。絶縁体705は実施例2
で示した絶縁体404と同様に必ずしもパターニングす
る必要はなく、窒化ケイ素膜や硬質炭素膜、酸化タンタ
ル膜等を用いて、膜厚は300〜3000Åとすれば良
い。次にMIM素子の第2導電体を兼ねた第一画素電極
706、この第一画素電極706の周辺を囲む形状に第
二画素電極707を設ける。この結果、第1導電体70
3の突出部に第一MIM素子710、第3導電体704
と第一画素電極706あるいは第二画素電極707の交
わる部分にそれぞれ第二MIM素子711と第三MIM
素子712が直列接続となる様に形成される。第1基板
701と液晶層709を介して対向する様にデータ線7
08を形成した第2基板702を配置する。この様に構
成された液晶表示装置の等価回路を図7に示す。走査配
線801とデータ線802の交点に、第一MIM素子7
10に相当する第一MIM素子803と第一画素電極7
06で駆動される液晶層806が直列に接続される。第
一MIM素子803と、液晶層806の中点より第二M
IM素子711に相当する第二MIM素子804と、第
三MIM素子712に相当する第三MIM素子805
と、第二画素電極707で駆動される液晶層807が直
列に接続され、データ線802へ結ばれる。走査配線8
01、データ線802にそれぞれ走査信号、データ信号
を印加し、第一MIM素子803をオン状態とし、第一
画素電極706へ電荷を書き込んで液晶層806に所定
の電界を掛ける。これと同時に第二画素電極へも第二M
IM素子804と第三MIM素子805を通して電荷が
書き込まれて液晶層807にも電界が印加される。この
結果、液晶層806へ印加される実効電圧は液晶層80
7へ印加される実効電圧より大きくなり、液晶表示装置
を正面から見た時のコントラストは液晶層806で確保
され、更に斜めから見たときのコントラストは液晶層8
07で確保され、視野角が大幅に向上される。第二MI
M素子711及び第三MIM素子712の面積を任意に
変える事により液晶層807へ印加される実効電圧を幅
広く変える事ができ、視野角を向上する自由度が広がっ
ている。一方、一切プロセスを増やす事なく、第二MI
M素子711と第三MIM素子712を構成できる事も
大きな利点である。
【0074】実施例1〜実施例4において、便宜上図面
に対して横方向を走査配線、縦方向をデータ線として説
明したが、MIM素子は2端子素子であり、走査配線と
データ線の交点に液晶層と直列に接続されるため、どち
らを走査配線、データ線としても問題ない事は言うまで
もない。
【0075】〔実施例5〕本発明の別な一例を図8を用
いて説明する。図8は第1基板101側に形成されたM
IM素子とそのMIM素子に接続した画素電極の形状を
示している。一つの液晶駆動電極は先に実施例1にて図
1を用いて説明したのと同様に第一画素電極905と第
二画素電極906に分割されている。第一画素電極90
5には導電体−絶縁体−導電体を順次積層した構造を有
する第一非線型抵抗素子で有る第一MIM素子911が
接続されており、第二画素電極906にはやはり導電体
−絶縁体−導電体を順次積層した構造を有する第二非線
型抵抗素子で有る第二MIM素子910が接続されてい
る。この様に構成されている液晶駆動電極が複数個マト
リックス状に第1基板側に形成され、第2基板102と
の間に挟持された液晶層109の光学状態を各液晶駆動
電極毎に制御する事で情報表示が可能となる。この辺の
事情は図1に示される前述の実施例1記載の発明の一例
と全く同様で有る。図8に示す発明の特徴は第二画素電
極906が第一画素電極905を囲い、且つ第二画素電
極906の一部が第一画素電極905の内側に延在され
ている点に有る。こうする事に依り広視野角特性の改善
と高画質の両立は一層容易になり、設計上の自由度も高
まる。加えて第一画素電極と第二画素電極が互いに包含
される関係になっている為、点欠陥の修復能力が実施例
1の発明に比べても尚勝っている。その他の点に於いて
は総て実施例1と同様で有る。図8はMIM素子の第二
導電体と画素電極が兼用された簡便な構造を有してい
る。これに対して図9も本発明の一形態例で有り、ここ
ではMIM素子の第二導電体と画素電極は別々に形成さ
れている。即ち、第一画素電極1005に接続した第一
MIM素子1011はMIM素子の絶縁体上にCr、N
iCrTa、Ti等の金属或いは合金にて第二導電体1
016が形成され、この第二導電体と画素電極が導通し
ている。第二画素電極1006と第二MIM素子101
0及びその第二導電体1015との関係も同様で有る。
図9に示す様にMIM素子の第二導電体と画素電極を別
々に形成すると、第二導電体の種類を変える事で非線型
抵抗素子の電気特性を変えたり、素子面積を自由に設定
出来、後述する様に高画質と広視野角とを簡単に実現出
来る。こうした事情は他の実施例では特筆されていない
が、他実施例でも同様に成り立っている。
【0076】今第一MIM素子911,1011の面積
をSNL1、第二MIM素子910,1010の面積をS
NL2、MIM素子の絶縁体膜厚をtNL、絶縁体の比誘電
率をεN L、真空の誘電率をεOとすると、第一MIM素
子の容量CNL1と第二MIM素子の容量CNL2はそれぞ
れ、 CNL1=εO・εNL・SNL1/tNL…(1) CNL2=εO・εNL・SNL2/tNL…(2) となる。一方第一画素電極905,1005の面積をS
LC1、第二画素電極906,1006の面積をSLC2、液
晶層の厚さ、すなわち第1基板と第2基板のギャップを
LC、液晶の比誘電率をεLCとすると第一画素電極に対
応する液晶容量CLC1と第二画素電極に対応する液晶容
量CLC2はそれぞれ CLC1=εO・εLC・SLC1/tLC…(3) CLC2=εO・εLC・SLC2/tLC…(4) となる。
【0077】1例として視角特性を向上させる為に、 CLC1/CNL1>CLC2/CNL2…(5) の関係を満たす様にすると、正面から見たコントラスト
は主として第一画素電極905,1005により十分大
きくなる。又第二画素電極906,1006は斜めから
見たときのコントラストを良くする事に寄与し、結果と
して広視野角を作り出す事となっている。第二画素電極
の一部が第一画素電極の内側にまで延在され、互いに包
含されている為、視野角特性は平均化され広い角度に渡
って同一のコントラストが得られるので有る。これは特
に中間調表示の画面を斜めから見たときに顕著となり、
画面のネガポジ反転(白黒反転)を広い角度に渡って防
止するのに大きな効果がある。実施例1と同様、式
(5)に式(1)〜(4)を代入して整理すると、 SLC1/SNL1>SLC2/SNL2…(6) となり単に面積比を変えれば上記の効果が得られる事が
分かる。従来技術に比べ、構造やプロセスを複雑にする
事なく、液晶駆動電極をパターニングする際のフォトマ
スクを変更する事のみで実現できる。図8,図9では第
二画素電極面積の方が第一画素電極面積よりも大きくな
っているが、この画素面積間の大小関係は液晶の種類や
液晶層の厚さ、使用する印加電圧範囲等に基付き最適化
される。唯、実施例1にも記述した様に本発明は単に高
画質と広視野角を共に改善するにのみならず、一方の画
素電極が不良であっても自動的に他方の画素によって欠
陥補修されるとの利点も有している。こうした欠陥補修
との観点からは第一画素電極905,1005の面積と
第二画素電極906,1006の面積が等しい事が好ま
しい。もし何方か一方の画素電極面積が他方の画素電極
面積よりも著しく大きければ、大きい画素電極に接続す
るMIM素子が不良となったとき、生き残っている正常
なMIM素子に接続する画素電極が著しく小さくなり、
その為に欠陥補修が効果的に行われないからで有る。即
ち広視野角と高画質を両立させ、更に効果的に欠陥補修
させるとの観点からは第一画素電極面積SLC1と第二画
素電極面積SLC2は等しい事が好ましい。
【0078】SLC1=SLC2…(7) このとき第一非線型抵抗素子で有る第一MIM素子の面
積SNL1と第二非線型抵抗素子で有る第二MIM素子の
面積SNL2の関係を SNL1<SNL2…(8) とすれば、 SLC1/SNL1>SLC2/SNL2…(6) の関係を満たし、上述の効果を実現できる。本発明の液
晶駆動電極は第一画素電極と第二画素電極の二つの画素
電極に分割されているが、第一画素電極の外側を取り囲
む第二画素電極の一部が第一画素電極の内側に延在され
ているが故、実質的には液晶駆動電極の外側から中心に
向かって第二画素電極、第一画素電極、第二画素電極の
三重構造になっている。この結果、実施例1に記した発
明に比べても本発明は更に広視野角が実現されている。
先に記した様に欠陥補修との観点からは第一画素電極面
積と第二画素電極面積が等しい事が好ましいが、実質的
に三重構造となっており、その内の二つが第二画素電極
で有るとの事実からは第二画素電極面積SLC2は第一画
素電極面積SLC1の2倍程度が好ましい。実施例1と同
様に第一画素電極面積SLC1の第一画素電極と第二画素
電極を合わせた面積SLC1+SLC2に対する比をκ1とす
ると κ1=SLC1/(SLC1+SLC2)…(9) (6)式を満たした状態で高画質と広視野角を両立さ
せ、更に効果的に欠陥補修し得る好ましいκ1の値は
0.05から0.8で有り、より好ましくは0.1から
0.7、更に好ましくは0.2から0.6で、理想的に
は0.3から0.5の間で有る。
【0079】視野角特性は前述の(5)式を満たす関
係、或いは(6)式を満たす関係に有るときに向上す
る。
【0080】 CLC2/CNL2=m1(CLC1/CNL1)…(10) 上記(10)式にて係数m1を定義すると(5)式
(6)式は m1<1…(11) と記述される。このときに画質やMIM素子構造、画素
電極構造を考慮して好ましいm1の値の範囲は0.00
1から0.999で有り、より好ましくは0.01から
0.99、更に好ましくは0.1から0.9で有り、理
想的には0.2から0.8の間で有る。
【0081】本実施例の様に液晶駆動電極を複数の画素
電極に分割する場合、画素電極間の分離距離dが高画質
を得るのに重要な役割を演ずる。これに関しては実施例
1に詳述した事情と全く同じで有る。分離距離dが10
μm以下で有ればコントラストの低下は殆ど問題になら
ず、7μm以下ではコントラストの低下は全く認められ
ない。更に5μm以下ではノーマリー白表示モードで黒
表示させたときの光漏れも全く認められない。
【0082】他の一例としては上述と反対の場合も有効
で有る。
【0083】CLC1/CNL1<CLC2/CNL2…(12) すなわち SLC1/SNL1<SLC2/SNL2…(13) としても画素電極の実質的な三重構造には変わりがない
為、上述と全く同様の効果が得られる。第一画素電極面
積SLC1と第二画素電極面積SLC2を等しくした場合、 SLC1=SLC2…(7) 第一非線型抵抗素子で有る第一MIM素子の面積SNL1
と第二非線型抵抗素子で有る第二MIM素子の面積S
NL2の関係を SNL1>SNL2…(14) とすれば(13)式の関係は満たされ、広視野角と高画
質は両立し、更に効果的に欠陥補修も可能となる。第二
画素電極面積SLC2の第一画素電極と第二画素電極を合
わせた面積SLC1+SLC2に対する比をκ2とすると κ2=SLC2/(SLC1+SLC2)…(15) 前述と同様、(13)式を満たした状態で高画質と広視
野角を両立させ、更に効果的に欠陥補修し得る好ましい
κ2の値は0.2から0.95で有り、より好ましくは
0.3から0.9、更に好ましくは0.4から0.8
で、理想的には0.5から0.7の間で有る。
【0084】視野角特性は前述の(12)式を満たす関
係、或いは(13)式を満たす関係に有るときに向上す
る。
【0085】 CLC1/CNL1=m2(CLC2/CNL2)…(16) 上記(16)式にて係数m2を定義すると(12)式
(13)式は m2<1…(17) と記述される。このときに画質やMIM素子構造、画素
電極構造を考慮して好ましいm2の値の範囲は0.00
1から0.999で有り、より好ましくは0.01から
0.99、更に好ましくは0.1から0.9で有り、理
想的には0.2から0.8の間で有る。
【0086】本発明の液晶駆動電極は二つの画素電極が
外側から順に第二画素電極、第一画素電極、第二画素電
極との順番に並ぶ三重構造に実質上なっている。液晶表
示装置を正面から見たときのコントラストは主として第
一画素電極905、1005に依り確保されるが、視認
される画質は液晶駆動電極全体の平均として得られる。
視野角が比較点浅いときの画質補償は第一画素電極90
5,1005によりなされ、視野角が深いときには第二
画素電極906,1006により補償されるので有る。
【0087】尚本実施例で用いられるMIM型非線型抵
抗素子は第1導電体としてTaやTaMo、TaW、T
aSi、TaSiW等のTaを成分とする合金、あるい
はAl、Alを成分とする合金等が可能で有り、この場
合陽極酸化法あるいは熱酸化法によりこれらの第一導電
体を酸化して絶縁体が形成されてもよい。又、これらの
合金や他の導電体を第1導電体として用いた場合、絶縁
体はスパッタ法やプラズマCVD法により成膜した窒化
ケイ素を用いても良いのは他実施例と同様で有る。
【0088】〔実施例6〕本発明の別な一例を図10を
用いて説明する。図10も実施例5の図8と同様、第1
基板101側に形成されたMIM素子とそのMIM素子
に接続した画素電極の形状を示している。一つの液晶駆
動電極は第一画素電極1105と第二画素電極1106
に分割されている。第一画素電極1105には導電体−
絶縁体−導電体を順次積層した構造を有する第一非線型
抵抗素子で有る第一MIM素子1111が接続されてお
り、第二画素電極1106にはやはり導電体−絶縁体−
導電体を順次積層した構造を有する第二非線型抵抗素子
で有る第二MIM素子1110が接続されている。この
様に構成されている液晶駆動電極が複数個マトリックス
状に第1基板側に形成され、第2基板102との間に挟
持された液晶層109の光学状態を各液晶駆動電極毎に
制御する事で情報表示が可能となる。この辺の事情は前
述の実施例1や実施例5記載の発明の一例と全く同様で
有る。図10に示す本発明の特徴は第二画素電極110
6が第一画素電極1105を囲い、且つ第二画素電極1
106の一部が第一画素電極1105の内側に延在され
て居り、更に第一画素電極1105の一部は第二画素電
極1106の内側に延在されている点に有る。こうする
事により広視野角特性の改善と高画質の両立はより一層
容易になり、設計上の自由度も高まる。加えて第一画素
電極と第二画素電極が複雑に絡み合う関係になっている
為、点欠陥の修復能力が実施例1や実施例5の発明に比
べても尚勝っている。図16に代表される従来技術の液
晶駆動電極は単純に二分割されているに過ぎぬから、片
方の画素電極が欠陥品で有るとき、そこは点欠陥として
視認されてしまう。しかるに実施例5の図8や図9、或
いは本実施例の図10に示すがごとき液晶駆動電極は分
割された二つの画素電極が複雑に絡み合っている為、仮
令一方の画素電極が不良で有っても正常な情報に対応す
る光と異常な情報に対応する光が混合し、致命的欠陥に
は到らぬ訳で有る。換言すれば、スイッチング素子にM
IM素子を用いるとか、或いはTFT素子を用いるかと
のスイッチング素子材に関係なく、一つの液晶駆動電極
を二つ以上の複数の画素電極に分割して点欠陥に対する
自動修復能力を装備させようとするならば、分割された
複数の画素電極が互いに複雑に絡み合っていた方が光混
合が確実に生じてより効果的に欠陥補修が成されるので
有る。それ故実施例1の図1に示す発明は図16に代表
される従来技術よりも欠陥補修能力が優れ、図1よりは
実施例5の図8の方が更に勝っているので有る。同じ理
由で本実施例の図10は図8よりも更に欠陥補修能力は
高い訳で有る。この結果は液晶駆動電極が大きい液晶表
示装置ほど顕著と化す。
【0089】次に本発明が単に欠陥自動修復能力に優れ
ているにのみならず、高画質と高視野角特性もやはり優
れている点を説明する。今第一MIM素子1111の面
積をSNL1、第二MIM素子1110の面積をSNL2、M
IM素子の絶縁体膜厚をtNL、絶縁体の比誘電率を
εNL、真空の誘電率をεOとすると、第一MIM素子の
容量CNL1と第二MIM素子のCNL2はそれぞれ、 CNL1=εO・εNL・SNL1/tNL…(1) CNL2=εO・εNL・SNL2/tNL…(2) となる。一方第一画素電極1105の面積をSLC1、第
二画素電極1106の面積をSLC2、液晶層の厚さ、す
なわち第1基板と第2基板のギャップをtLC、液晶の比
誘電率をεLCとすると第一画素電極に対応する液晶容量
LC1と第二画素電極に対応する液晶容量CLC2はそれぞ
れ CLC1=εO・εLC・SLC1/tLC…(3) CLC2=εO・εLC・SLC2/tLC…(4) となる。
【0090】1例として視角特性を向上させる為に、 CLC1/CNL1>CLC2/CNL2…(5) の関係を満たす様にすると、正面から見たコントラスト
は主として第一画素電極1105により十分大きくな
る。又第二画素電極1106は斜めから見たときのコン
トラストを良くする事に寄与し、結果として広視野角を
作り出す事となっている。第二画素電極の一部が第一画
素電極の内側にまで延在され、更に第一画素電極の一部
が第二画素電極の内側に延在され互いに複雑に絡み合っ
ている為、視野角特性は平均化され広い角度に渡って同
一のコントラストが得られる結果と化す。これは特に中
間調表示の画面を斜めから見たときに顕著となり、画面
のネガポジ反転(白黒反転)を実施例5の図8に比べて
も尚広い角度に渡って防止するのに大きな効果がある。
実施例1や実施例5と同様、式(5)に式(1)〜
(4)を代入して整理すると、 SLC1/SNL1>SLC2/SNL2…(6) となり単に面積比を変えれば上記の効果が得られる事が
分かる。言う迄も無く、本発明に於いても従来技術に比
べ構造やプロセスを複雑にする事なく、液晶駆動電極を
パターニングする際のフォトマスクを変更する事のみで
実現できる。図10に示す発明の一例では第一画素電極
の面積と第二画素電極面積との関係に特別な配慮は払っ
ていないが、この画素面積間の大小関係は液晶の種類や
液晶層の厚さ、使用する印加電圧範囲等に基付き最適化
される。但し他の実施例にも記述した様に本発明は高画
質と広視野角を共に改善すると同時に欠陥補修を自動的
に行う事も可能となっている。こうした欠陥補修との観
点からはやはり第一画素電極1105の面積と第二画素
電極1106の面積が等しい事が好ましい。もし何方か
一方の画素電極面積が他方の画素電極面積よりも著しく
大きければ、大きい画素電極に接続するMIM素子が不
良となったとき、生き残っている正常なMIM素子に接
続する画素電極が著しく小さくなり、その為に欠陥補修
が効果的に行われないからで有る。即ち広視野角と高画
質を両立させ、更に効果的に欠陥補修させるとの観点か
らは第一画素電極面積SLC1と第二画素電極面積SLC2
等しい事が好ましい。
【0091】SLC1=SLC2…(7) このとき第一非線型抵抗素子で有る第一MIM素子の面
積SNL1と第二非線型抵抗素子で有る第二MIM素子の
面積SNL2の関係を SNL1<SNL2…(8) とすれば、 SLC1/SNL1>SLC2/SNL2…(6) の関係を満たし、上述の効果を実現できる。本発明の液
晶駆動電極は第一画素電極と第二画素電極の二つの画素
電極に分割されており、第一画素電極の外側を取り囲む
第二画素電極の一部が第一画素電極の内側に延在されて
おり、更に第一画素電極の一部は第二画素電極の内側に
延在されているが故、実質的には液晶駆動電極の外側か
ら中心に向かって第二画素電極、第一画素電極、第二画
素電極、第一画素電極の四重構造になっている。四重構
造の内の二重分は第一画素電極が占め、残りの二重分が
第二画素電極によって占有されている。即ち一つの液晶
駆動電極を二つの画素電極が略半分づつ構成している事
になる。先に記した様に欠陥補修との観点からも第一画
素電極面積と第二画素電極面積が等しい事が好ましいか
ら、実施例1と同様に二つの画素面積は等しい事が望ま
れる。先と同様に第一画素電極面積SLC1の第一画素電
極と第二画素電極を合わせた面積SLC1+SLC2に対する
比をκ1とすると κ1=SLC1/(SLC1+SLC2)…(9) 高画質と広視野角を両立させ、更に効果的に欠陥補修し
得る好ましいκ1の値は0.1から0.9で有り、より
好ましくは0.2から0.8、更に好ましくは0.3か
ら0.7で、理想的には0.4から0.6の間で有る。
【0092】視野角特性は前述の(5)式を満たす関
係、或いは(6)式を満たす関係に有るときに向上す
る。
【0093】 CLC2/CNL2=m1(CLC1/CNL1)…(10) 上記(10)式にて係数m1を定義すると(5)式
(6)式は m1<1…(11) と記述される。このときに画質やMIM素子構造、画素
電極構造を考慮して好ましいm1の値の範囲は0.00
1から0.999で有り、より好ましくは0.01から
0.99、更に好ましくは0.1から0.9で有り、理
想的には0.2から0.8の間で有る。
【0094】本実施例の様に液晶駆動電極を複数の画素
電極に分割する場合、画素電極間の分離距離dが高画質
を得るのに重要な役割を演ずる点も他実施例と同様で有
る。これに関しては実施例1に詳述した事情と全く同じ
で有る。分離距離dが10μm以下で有ればコントラス
トの低下は殆ど問題にならず、7μm以下ではコントラ
ストの低下は全く認められない。更に5μm以下ではノ
ーマリー白表示モードで黒表示させたときの光漏れも全
く認められない。
【0095】他の1例としては上述と反対の場合も有効
で有る。
【0096】CLC1/CNL1<CLC2/CNL2…(12) すなわち SLC1/SNL1<SLC2/SNL2…(13) としても画素電極の実質的な四重構造には変わりがない
為、上述と全く同様の効果が得られる。第一画素電極面
積SLC1と第二画素電極面積SLC2を等しくした場合、 SLC1=SLC2…(7) 第一非線型抵抗素子で有る第一MIM素子の面積SNL1
と第二非線型抵抗素子で有る第二MIM素子の面積S
NL2の関係を SNL1>SNL2…(14) とすれば(13)式の関係は満たされ、広視野角と高画
質は両立し、更に効果的に欠陥補修も可能となる。第二
画素電極面積SLC2の第一画素電極と第二画素電極を合
わせた面積SLC1+SLC2に対する比をκ2とすると κ2=SLC2/(SLC1+SLC2)…(15) 前述と同様、高画質と広視野角を両立させ、更に効果的
に欠陥補修し得る好ましいκ2の値は0.1から0.9
で有り、より好ましくは0.2から0.8、更に好まし
くは0.3から0.7で、理想的には0.4から0.6
の間で有る。
【0097】視野角特性は前述の(12)式を満たす関
係、或いは(13)式を満たす関係に有るときに向上す
る。
【0098】 CLC1/CNL1=m2(CLC2/CNL2)…(16) 上記(16)式にて係数m2を定義すると(12)式
(13)式は m2<1…(17) と記述される。このときに画質やMIM素子構造、画素
電極構造を考慮して好ましいm2の値の範囲は0.00
1から0.999で有り、より好ましくは0.01から
0.99、更に好ましくは0.1から0.9で有り、理
想的には0.2から0.8の間で有る。
【0099】本発明の液晶駆動電極は二つの画素電極が
外側から順に第二画素電極、第一画素電極、第二画素電
極、第一画素電極との順番に並ぶ四重構造に実質上なっ
ている。液晶表示装置を正面から見たときのコントラス
トは主として第一画素電極1105により確保される
が、視認される画質は液晶駆動電極全体の平均として得
られる。視野角が比較点浅いときの画質補償は第一画素
電極1105によりなされ、視野角が深くなると第二画
素電極1106により補償されるので有る。視野角が更
に深くなると画質補償は再度第一画素電極1105によ
り成され、最深時には第二画素電極1106が二度目の
画質補償を行う事になる。本実施例では図10に示す画
素電極形状を例として論じてきたが、高画質と高視野角
の両立及び欠陥自動修復能力の見地に立つと第一画素電
極とそれを取り囲む第二画素電極はより複雑に絡み合っ
ているのが好ましい。
【0100】尚本実施例で用いられるMIM型非線型抵
抗素子は第1導電体としてTaやTaMo、TaW、T
aSi、TaSiW等のTaを成分とする合金、あるい
はAl、Alを成分とする合金等が可能で有り、この場
合陽極酸化法あるいは熱酸化法によりこれらの第一導電
体を酸化して絶縁体が形成されてもよい。又、これらの
合金や他の導電体を第1導電体として用いた場合、絶縁
体はスパッタ法やプラズマCVD法により成膜した窒化
ケイ素を用いても良いのは他実施例と同様で有る。
【0101】〔実施例7〕本発明に係わる別の一例を図
11を用いて説明する。図11は第一基板側に形成され
た非線型抵抗素子で有るMIM素子と複数(図11の例
では4個)の同心状画素電極より成る一つの液晶駆動電
極を示している。非線型抵抗素子で有るMIM素子は導
電体−絶縁体−導電体を順次積層した構造を有してお
り、各画素電極には一つのMIM素子が接続されてい
る。この様なMIM素子と液晶駆動電極が複数個マトリ
ックス状に第1基板側に形成され、第2基板との間に挟
持された液晶層の光学状態を各液晶駆動電極毎に制御す
る事で情報表示が可能になる。図11に示す発明の特徴
は一つの液晶駆動電極が複数個の同心状画素電極に分割
され、各同心状画素電極にはそれぞれ非線型抵抗素子が
設けられている点に有る。実際、図11の例では一つの
液晶駆動電極が内側から順に第一画素電極1211、第
二画素電極1212、第三画素電極1213、第四画素
電極1214と4分割され、各画素電極には第一MIM
素子1201、第二MIM素子1202、第三MIM素
子1203、第四MIM素子1204が接続されてい
る。図11の例では液晶駆動電極の分割個数は4個で有
るが、この数は複数個で有れば幾つで有っても構わな
い。分割数が2個の場合は図1を用いて実施例1にて説
明した発明に対応する。後に説明する様に分割数が多い
程高画質が広い視野角に渡って得られるが、余り沢山の
同心状画素電極に分割し過ぎると各画素電極の幅が各画
素電極間の分離距離dに近くなってしまう。こうした事
態に陥ると仮令画素電極間の分離距離が小さくとも光漏
れやコントラストの低下は免れないからで有る。従って
液晶駆動電極の最大分割数は各画素電極の最小幅が分離
距離の3倍程度以上となる数が好ましい。例えば液晶駆
動電極の大きさが縦150μm、横100μmでMIM
素子の幅(図11ではWで記述)が10μm、画素電極
間分離距離dが2.5μmとした場合、各画素電極の最
小幅は分離距離の3倍程度だから2.5μm×3=7.
5μm程度で有る。分離距離2.5μmと最小画素電極
幅7.5μmを合わせた最小ピッチは10μmとなる。
従ってこの例では最大分割数は図11の様に4個とな
る。この様な条件を満たしている限り、画素分割により
画素電極間分離領域に起因するコントラストの低下や光
漏れは生じない。
【0102】液晶駆動電極が本発明の様に複数個の同心
状画素電極に分割されていると、まず極めて効果的に欠
陥補修が成される。例えば図11で第一MIM素子12
01が不良で第一画素電極1211が正しい情報表示を
行わなくとも、他の正常なMIM素子と画素電極でこの
欠陥を補償できるからで有る。液晶駆動電極をn個の同
心状画素電極に分割すれば、各画素電極の全体に対する
寄与はおよそ1/nで有る。従って分割数が多い程、一
つの画素電極が不良となったときの正常な情報表示から
のずれは小さくなるので有る。加えて、もし画素電極の
分離距離が1μm程度以下で、各画素電極の最大幅が5
μm程度以下で有れば、仮令一つのMIM素子が不良で
有っても、その不良素子を含む液晶駆動電極は略完全に
等しい正しい情報を表示出来る。図11の例で各画素電
極の最大幅wmaxが5μm、分離距離dが1μmで有る
としよう。今第三MIM素子1203が不良で第三画素
電極1213には全く電位が掛からない状況を考える。
この場合従来の液晶表示装置では一つの液晶駆動電極に
一つのMIM素子が接続されているから、当然画素欠陥
となる。又本発明に有ってもwmaxが非常に大きければ
第三画素電極1213と第二基板に挟まれた液晶は全く
応答せず、この液晶駆動電極に対応する液晶の内、約1
/nは正常な光学状態にならない。(最も異常な成分の
割合が1/n程度だから欠陥補修で有るのだが。)所が
各画素電極の最大幅が5μm程度以下で有れば、この例
の場合、正常に動作する第二画素電極1212と第四画
素電極1214間の距離が7μm程度となり、これら両
画素電極には殆ど同じ情報が供与される事となる。実施
例1で画素電極間分離距離dの演ずる役割を説明した
が、それと全く同じ原理で不良の第三画素電極1213
上の液晶も正常に応答し、その結果この液晶駆動電極は
略完全に等しい正しい情報表示が可能になる。こうした
作用が効果的に働く為には各画素電極の最大幅が小さい
事が必要となる。一方で前述の如く画素電極間分離距離
は画素電極の最小幅の1/3以下がコントラストや光漏
れ等の課題より好ましい。一例を述べると画素電極間分
離距離が1μmの場合、最小画素電極幅は3μm以上で
最大画素電極幅は5μm以下で有る。画素電極間分離距
離が0.5μmの場合、最小画素電極幅は1.5μm以
上で最大画素電極幅は6μm程度以下で有る。分離距離
が0.5μmと小さいときには最小画素電極幅を2.5
μm以上、最大画素電極幅を4μm以下とすれば、より
好ましい。同様に画素電極間分離距離が0.1μmで有
れば最小画素電極幅は0.3μm以上で最大画素電極幅
は6.8μm以下で有る。最小画素電極幅は分離距離の
3倍以上で有れば大きければ大きい程コントラストや光
漏れの点より好ましく、最大画素電極幅は最大画素電極
幅に分離距離の2倍を加えた値が7μm程度より小さけ
れば小さい程欠陥補修能力は向上する。従って分離距離
は小さければ小さい程良い。但し可視光波長の上限が
0.8μm程度で有るので最小画素電極幅はやはり0.
8μm程度以上は必要となる。即ち画素電極間分離距離
が0.1μmならば、最小画素電極幅は0.8μm以上
がより好ましく、更に好ましくは1.5μm以上、理想
的には2.5μm以上で有る。一方このときの最大画素
電極幅は4.8μm以下がより好ましく、望ましくは
3.8μm以下、理想的には2.8μm以下で有る。画
素電極間分離距離が0.1μmで最小画素電極幅と最大
画素電極幅が共に2.8μmで有る場合、最小ピッチは
3.0μmとなり、先の液晶駆動電極幅が100μmの
例では一つの液晶駆動電極を13個から14個の同心状
画素電極に分割できる。前述した欠陥自動補修能力の点
からも、後述する高画質と高視野角の同時改善との点か
らも同心状画素電極への分割数は多い方が好ましいか
ら、この例に従うと極めて優良な液晶表示装置が実現さ
れる。
【0103】次に液晶駆動電極をn個(n≧2の整数)
の同心状画素電極に分割し、i番目(iは1からnの間
の任意の整数)の同心状画素電極の面積をSLCiとし、
その同心状画素電極に設けられた非線型抵抗素子の面積
をSNLiとしたとき、n個のSL Ci/SNLiが総て同じで
無ければ高画質と高視野角が得られる事を説明する。実
施例1でも詳述した様にn個のSLCi/SNLiの値はそれ
ぞれn個のCLCi/CNLiに等しくなる。ここでCLCi
はi番目の同心状画素電極に制御される液晶の容量であ
り、CNLiはi番目の同心状画素電極に設けられたMI
M型非線型抵抗素子の容量で有る。従ってn個のSLCi
/SNLiの値が一つでも異なっていれば、n個のCLCi
NLiの値もそれに対応するものが異なり、視野角特性
が向上するので有る。尚、各画素電極は同じ同心状で有
るから視角特性はどの方向から見ても向上する。原理的
にはn個のSLCi/SNLiの値が少なくとも二種類以上有
れば従来例に比べて視角特性は向上する。しかしなが
ら、より広い視角特性を得るにはn個のSLC i/SNLi
値にはなるべく沢山の種類が有った方が好ましく、可能
ならばn個の値が総て皆異なっている状況が望まれる。
一般にこれらの値は単に面積を変えるだけで済むので容
易に達成される。図11の例では第一MIM素子120
1も第二MIM素子1202も第三MIM素子1203
も第四MIM素子1204も、総て皆同じ素子面積を有
している。即ち、 SNL1=SNL2=SNL3=SLN4…(28) の関係に有る。一方各同心状画素電極の面積は SLC1<SLC2<SLC3<SLC4…(29) として有る。従って面積比は SLC1/SNL1<SLC2/SNL2<SLC3/SNL3<SLC4/SNL4…(30) と四個のSLCi/SNLiの値は総て異なり、この比は内側
の同心状画素電極に行く程小さくなっている。この場合
第四画素電極1214に制御される液晶に印加される実
効電圧が最大となり、正面から見たときのコントラスト
は第四画素電極1214で定まる。視野角が正面からず
れたときには順次内側の画素電極がコントラスト補償を
行う事となる。即ち視野角が比較的浅いときは主として
第三画素電極に1213がコントラスト補償を行い、そ
れよりも視野角が大きくなると主にコントラスト補償を
行う画素電極は第二画素電極1212へと移り、視野角
が更に大きくなると第一画素電極1211がコントラス
ト補償を主として受け持つ事となる。この例が示す様に
分割された各画素電極面積とその画素電極に接続したM
IM型非線型抵抗素子面積との比SLCi/SNLiは総て異
なっていた方がより広い視野角が得られる。更にこの比
の変化具合はこの例が示す様に外側から内側に向かって
単調に変化するのが好ましい。即ち最も内側に位置する
画素電極を第一画素電極とし、それに接続したMIM型
非線型抵抗素子を第一MIM素子と名付け、以下順次外
側に進むにつれ第二、第三とし、最も外側に位置する画
素電極とMIM型非線型抵抗素子をそれぞれ第n画素電
極及び第nMIM素子としたとき、 SLCi/SNLi<SLCi+1/SNLi+1…(31) か、 SLCi/SNLi>SLCi+1/SNLi+1…(32) となっているのが好ましい。但しここでiは1からn−
1の間の任意の整数で有る。(31)式のiに1,2,
3を代入すると先の例で示した(30)式の関係が得ら
れ、SLCi/SNLiの値は内側に行く程小さくなる。反対
に(32)の場合はSLCi/SNLiは外側に行く程小さく
なる。この場合正面からのコントラスト補償は最も内側
に位置する第一画素電極によって行われ、視角が深くな
ったときのコントラスト補償は順次外側の画素電極によ
って受け持たれ、最も視角が深くなったときは最も外側
に位置する第n画素電極によってコントラストは補償さ
れる。この様な関係は各画素電極の幅を調整したり、或
いはMIM素子部の第二導電体面積を調整する等により
得られる。。図11の例が示す様に、 SNLi=SNLi+1…(33) (iは1からn−1の間の任意の整数)と総ての非線型
抵抗素子面積が等しければ、 SLCi<SLCi+1…(34) により(31)式が満たされ、 SLCi>SLCi+1…(35) で(32)式が満たされる。(34)、(35)いずれ
の式でも高画質と広視野角が得られるのは先に説明した
通りで有る。この様に素子面積を総て等しくし、画素電
極面積を変えて広視野角を得る場合、自動的に最も大き
い画素電極が最大のSLCi/SNLiの値を有する事とな
る。即ち(34)式を満たす関係に有るときは最も外側
に位置する第n画素電極面積SLCnが最大で、その結果
n個のSLCi/SNLiの値の内、SLCn/SNLnが最大とな
る。同様に(35)式を満たす関係に有るときは最も内
側に位置する第一画素電極面積SLC1が最大で、n個の
LCi/SNLiの内SLC1/SNL1が最大となる。正面から
のコントラストはn個のSLCi/SNLiの内で最大の物に
よって得られるから、最も大きい同心状画素電極が正面
からの画素を保障する事となる。本発明により高画質と
広視野角が容易に両立するが、その内でも特に正面から
の画質を重視する場合、この様に(33)〜(35)を
満たす事で最も使用状況が多い状態で確実に高画質が得
られるので有る。
【0104】ここまではMIM素子面積が等しく、画素
電極面積を異ならせて高画質と広視野角を得てきたが、
その逆も無論可能で有る。即ち各画素電極面積を等しく
し、MIM素子面積を異ならせるので有る。先と同様、
一つの液晶駆動電極をn個の同心状画素電極に分割し、
内側から外側に向かって一番からn番目の番号を定義し
たとき、 SLCi=SLCi+1…(36) により、総ての画素電極面積は等しくなる。但しここで
もiは1からn−1の間の任意の整数で有る。更に SNLi>SNLi+1…(37) とすれば(31)の関係式が得られ、 SNLi<SNLi+1…(38) とすれば(32)の関係式が得られる。(37)式は最
も内側に位置する第一MIM素子の面積が最大で、以下
外側のMIM素子程小さくなっていき、最も外側に位置
する第nMIM素子の面積が最小となっている。(3
8)式はこの反対で内側のMIM素子が外側のMIM素
子よりも小さい事を表している。このMIM素子面積を
異ならせて画素電極面積を総て等しくした液晶表示装置
は視野角特性が著しく改善される。最小MIM素子が接
続した画素電極が正面からの画質を保障し、最大MIM
素子が接続した画素電極が視野角が最も深いときのコン
トラストを保障するからで有る。これらの画素電極面積
が総て皆等しい事は取りも直さず正面からの画質も深視
野角からの画質も同等で有る事を意味する。従ってここ
で説明した関係(36)〜(38)を満たす液晶表示装
置は特に広視野角が必要となる装置に最適で有る。同時
にこの液晶表示装置は効果的な自動欠陥修復能力を備え
ている。各画素電極面積が皆等しいから、どの一つの画
素電極が不良で有っても正常な情報からのずれは常に1
/nと化すが故で有る。
【0105】MIM素子面積が等しく画素電極面積が異
なる場合にしろ、画素電極面積が等しくMIM素子面積
が異なる場合にしろ、或いは(31)式の様に面積比
(SLC i/SNLiを今後面積比と呼ぶ。)が内側程小さい
場合にしろ、逆に(32)式の様に外側程小さい場合に
しろ、面積比は内側から外側に向かって単調に変化する
のが好ましい。液晶表示装置のコントラスト特性は視野
角が深くなって行くに従い単調に連続的に変化する。そ
れ故そのコントラスト補償を主として行う同心状画素電
極も単調に連続的な変化を行えば自然になめらかな感じ
で画質保障が行われるので有る。その意味では一つの液
晶駆動電極のn個の同心状画素電極への分割個数は多け
れば多い程良い。分割個数が少なければ主としてコント
ラスト補償を行う同心状画素電極はステップ状の飛び飛
びの変化を示すが、分割個数が多ければ連続的な変化に
近づいて行くからで有る。分割個数nが非常に多ければ
連続的に変化するコントラストの視野角依存性に合致す
る様に各面積比を略連続的に定める事が可能になり、コ
ントラストの視野角依存性を抹消する事も可能となる。
高画質と広視野角をより確実に得る為には分割個数nを
出来る限り大きくし、面積比を内側から外側に向けて単
調に変化させる事が肝要なので有る。
【0106】尚本実施例で用いられるMIM型非線型抵
抗素子は第1導電体としてTaやTaMo、TaW、T
aSi、TaSiW等のTaを成分とする合金、あるい
はAl、Alを成分とする合金等が可能で有り、この場
合陽極酸化法あるいは熱酸化法によりこれらの第一導電
体を酸化して絶縁体が形成されてもよい。又、これらの
合金や他の導電体を第1導電体として用いた場合、絶縁
体はスパッタ法やプラズマCVD法により成膜した窒化
ケイ素を用いても良いのは他実施例と同様で有る。
【0107】〔実施例8〕本発明の別な一例を図12と
図13を用いて説明する。図12と図13は第1基板側
に形成されたスイッチング素子とそのスイッチング素子
に接続した画素電極の形状を示している。本発明の液晶
表示装置は液晶を駆動する為に第一基板側にマトリック
ス状に形成された複数個の液晶駆動電極と、この液晶駆
動電極に接続されたスイッチング素子とで構成されて居
る。一つの液晶駆動電極は櫛歯状第一画素電極と櫛歯状
第二画素電極に分割されて居り、櫛歯状第一画素電極に
は第一スイッチング素子が接続され、櫛歯状第二画素電
極には第二スイッチング素子が接続されて居る。更に櫛
歯状第一画素電極と櫛歯状第二画素電極は互いに噛合っ
て居るので有る。本実施例ではスイッチング素子として
MIM型非線型抵抗素子を用いて居るが、本発明の第一
の特徴はこの様な画素電極形状に有るのでスイッチング
素子としてはTFT素子等他のスイッチング素子も可能
で有る。図12では櫛歯状第一画素電極と櫛歯状第二画
素電極は水平方向に互いに噛合って居り、図13では櫛
歯状第一画素電極と櫛歯状第二画素電極は垂直方向に互
いに噛合って居る。実施例2で図3を用いて説明した様
に、液晶表示画面の垂直(上下又は縦)方向に高視野角
が求められるときには図12に示す様に二つの櫛歯状画
素電極を水平方向に噛み合わせる。反対に液晶表示画面
の水平(左右又は横)方向に高視野角が求められるとき
には図13に示す様に二つの櫛歯状画素電極を垂直方向
に噛み合わせる。一つの液晶駆動電極は櫛歯状第一画素
電極1311、1331、1411、1431と櫛歯状
第二画素電極1312、1332、1412、1432
に分割されている。櫛歯状第一画素電極1311には導
電体−絶縁体−導電体を順次積層した構造を有する第一
スイッチング素子で有る第一非線型抵抗素子(第一MI
M素子)1301が接続されており、櫛歯状第二画素電
極1312にはやはり導電体−絶縁体−導電体を順次積
層した構造を有する第二スイッチング素子で有る第二非
線型抵抗素子(第二MIM素子)1302が接続されて
いる。以下同様に櫛歯状第一画素電極1331には第一
MIM素子1321が接続され、櫛歯状第二画素電極1
332には第二MIM素子1322が接続されている。
又、櫛歯状第一画素電極1411には第一MIM素子1
401が接続され、櫛歯状第二画素電極1412には第
二MIM素子1402が接続されて居る。更に櫛歯状第
一画素電極1431には第一MIM素子1421が接続
され、櫛歯状第二画素電極1432には第二MIM素子
1422が接続されているので有る。この様に構成され
ている液晶駆動電極が複数個マトリックス状に第1基板
側に形成され、第2基板との間に挟持された液晶層の光
学状態を各液晶駆動電極毎に制御する事で情報表示が可
能となる。この辺の事情は図1に示される前述の実施例
1記載の発明の一例と全く同様で有る。図12及び図1
3に示す発明の特徴は櫛歯状第一画素電極と櫛歯状第二
画素電極が互いに噛み合って一つの液晶駆動電極を構成
し、各画素電極には独立なスイッチング素子が設けられ
ている点に有る。これにより点欠陥の自動修復が効果的
に行われる。実施例6にて図10を用いて説明した様に
一つの液晶駆動電極を二つの画素電極に分割して欠陥自
動修復能力を装備させる場合、分割された二つの画素電
極は互いに複雑に絡み合っていた方が良い。これにより
二つの画素電極を通過した光が混合するからで有る。例
えば今、ノーマリー白表示モードで黒表示しようとした
とき、一方のスイッチング素子が不良でそのスイッチン
グ素子には黒表示に対応する電位が掛からない状況を考
える。図16に示す従来の液晶表示装置では光混合が全
く生じないので不良素子に接続した画素電極上の液晶は
まっすぐに光を透過し、事実上程度の小さい輝点欠陥と
なっていた。ところが本発明では光混合が生じるので不
良画素に対応する白と正常画素に対応する黒が混じり合
って、中間の灰色となる。無論正しく表示されるべき情
報は今の例では黒だから、灰色表示は厳密には不良情報
を表示している事を意味する。しかし液晶表示装置を実
用する上では小さい輝点欠陥と灰色表示とでは雲泥の差
が有る。輝点欠陥は大変目立つ為致命的だが、灰色の欠
陥はかなり注意して見ないと通常は見つからないからで
有る。即ち本発明は窮めて効果的に欠陥自動補修を行っ
ている。櫛歯状画素電極の櫛歯の幅wと画素電極間分離
距離dの関係、及び互いに噛み合っている櫛歯の数(図
12、図13の例ではそれぞれ2個の櫛歯が噛み合って
いる。)の関係は実施例7にて図11を用いて説明した
同心状画素電極の最小幅、最大幅wmaxと画素電極間分
離距離d及び画素電極の分割個数の関係に等しい。即ち
光漏れやコントラストの低下を招かぬ為には櫛歯の最小
幅は画素電極間分離距離dの3倍以上が必要で有る。又
先と同様、画素電極間分離距離dが10μm以下で有れ
ばコントラストの低下は殆ど問題にならず、7μm以下
ではコントラストの低下は全く認められない。更に5μ
m以下ではノーマリー白表示モードで黒表示させたとき
の光漏れも全く認めらなくなる。もし画素電極間分離距
離が1μm程度以下で、各櫛歯の最大幅が5μm程度以
下で有れば、仮令一方のMIM素子が不良で有っても、
他方のMIM素子と其に接続した櫛歯状画素電極に依り
その不良素子を含む液晶駆動電極は略完全に等しい正し
い情報を表示出来る。この辺の事情は実施例7と同様で
有る。即ち一例として、画素電極間分離距離を1μmと
すると、櫛歯の最小幅は3μm以上で最大幅は5μm以
下で有る。或いは画素電極間分離距離を0.5μmとし
た場合、櫛歯の最小幅は1.5μm以上で最大幅は矢張
5μm程度以下で有る。分離距離が0.5μmと小さい
ときには櫛歯の最小幅を1.5μm以上、最大電極幅を
4μm以下とすれば、より好ましい。同様に画素電極間
分離距離が0.1μmで有れば最小幅は0.3μm以上
で最大幅は3.8μm以下で有る。櫛歯の最小幅は分離
距離の3倍以上で有れば大きければ大きい程コントラス
トや光漏れの点より好ましく、最大幅は最大幅に分離距
離の2倍を加えた値が7μm程度より小さければ小さい
程欠陥補修能力は向上する。従って分離距離は小さけれ
ば小さい程良い。先にも述べた様に可視光波長の上限が
0.8μm程度で有るので最小画素電極幅はやはり0.
8μm程度以上は必要となる。結局画素電極間分離距離
が0.1μmならば、櫛歯の最小幅は0.8μm以上が
より好ましく、更に好ましくは1.5μm以上、理想的
には2.5μm以上で有る。一方このときの最大幅は
4.8μm以下がより好ましく、望ましくは3.8μm
以下、理想的には2.8μm以下で有る。
【0108】こうする事により広視野角特性の改善と高
画質の両立はより容易になり、設計上の自由度も高ま
る。加えて第一画素電極と第二画素電極が互いに交互に
噛み合って居る構造と成って居る為、点欠陥の修復能力
が実施例1の発明に比べても尚勝っている。
【0109】さてこれ迄の議論と同様に第一MIM素子
1301,1321,1401,1421の面積をS
NL1、第二MIM素子1302,1322,1402,
1422の面積をSNL2、MIM素子の絶縁体膜厚をt
NL、絶縁体の比誘電率をεNL、真空の誘電率をεOとす
ると、第一MIM素子の容量CNL1と第二MIM素子の
容量CNL2はそれぞれ、 CNL1=εO・εNL・SNL1/tNL…(1) CNL2=εO・εNL・SNL2/tNL…(2) となる。一方櫛歯状第一画素電極1311,1331,
1411,1431の面積をSLC1、櫛歯状第二画素電
極1312,1332,1412,1432の面積をS
LC2、液晶層の厚さ、すなわち第1基板と第2基板のギ
ャップをtLC、液晶の比誘電率をεLCとすると櫛歯状第
一画素電極に対応する液晶容量CLC1と櫛歯状第二画素
電極に対応する液晶容量CLC2はそれぞれ CLC1=εO・εLC・SLC1/tLC…(3) CLC2=εO・εLC・SLC2/tLC…(4) となる。
【0110】一例として視角特性を向上させる為に、 CLC1/CNL1>CLC2/CNL2…(5) の関係を満たす様にすると、正面から見たコントラスト
は主として櫛歯状第一画素電極1311,1331,1
411,1431により十分大きくなる。又櫛歯状第二
画素電極1312,1332,1412,1432は斜
めから見たときのコントラストを良くする事に寄与し、
結果として広視野角を作り出す事となっている。二つの
櫛歯状画素電極が互いに噛み合って居るので、視野角特
性は平均化され広い角度に渡って同一のコントラストが
得られるので有る。これは特に中間調表示の画面を斜め
から見たときに顕著となり、画面のネガポジ反転(白黒
反転)を広い角度に渡って防止するのに大きな効果があ
る。実施例1と同様、式(5)に式(1)〜(4)を代
入して整理すると、 SLC1/SNL1>SLC2/SNL2…(6) となり単に面積比を変えれば上記の効果が得られる事が
分かる。従来技術に比べ、構造やプロセスを複雑にする
事なく、液晶駆動電極をパターニングする際のフォトマ
スクを変更する事のみで実現できる。実施例1にも記述
した様に本発明は単に高画質と広視野角を共に改善する
にのみならず、一方の画素電極が不良であっても自動的
に他方の画素によって欠陥補修されるとの利点も有して
いる。こうした欠陥補修との観点からは櫛歯状第一画素
電極1311,1331,1411,1431の面積と
櫛歯状第二画素電極1312,1332,1412,1
432の面積が等しい事が好ましい。もし何方か一方の
画素電極面積が他方の画素電極面積よりも著しく大きけ
れば、大きい画素電極に接続するMIM素子が不良とな
ったとき、生き残っている正常なMIM素子に接続する
画素電極が著しく小さくなり、その為に欠陥補修が効果
的に行われないからで有る。即ち広視野角と高画質を両
立させ、更に効果的に欠陥補修させるとの観点からは櫛
歯状第一画素電極面積SLC1と櫛歯状第二画素電極面積
LC2は等しい事が好ましい。
【0111】SLC1=SLC2…(7) このとき第一非線型抵抗素子で有る第一MIM素子の面
積SNL1と第二非線型抵抗素子で有る第二MIM素子の
面積SNL2の関係を SNL1<SNL2…(8) とすれば、 SLC1/SNL1>SLC2/SNL2…(6) の関係を満たし、上述の効果を実現できる。MIM素子
面積と櫛歯状画素電極面積の両者を最適化する場合、櫛
歯状第一画素電極面積SLC1の櫛歯状第一画素電極と櫛
歯状第二画素電極を合わせた面積SLC1+SLC2に対する
比をκ1とすると κ1=SLC1/(SLC1+SLC2)…(9) 高画質と広視野角を両立させ、更に効果的に欠陥補修し
得る好ましいκ1の値は0.1から0.9で有り、より
好ましくは0.2から0.8、更に好ましくは0.3か
ら0.7で、理想的には0.4から0.6の間で有る。
【0112】視野角特性は前述の(5)式を満たす関
係、或いは(6)式を満たす関係に有るときに向上す
る。
【0113】 CLC2/CNL2=m1(CLC1/CNL1)…(10) 上記(10)式にて係数m1を定義すると(5)式
(6)式は m1<1…(11) と記述される。このときに画質やMIM素子構造、画素
電極構造を考慮して好ましいm1の値の範囲は0.00
1から0.999で有り、より好ましくは0.01から
0.99、更に好ましくは0.1から0.9で有り、理
想的には0.2から0.8の間で有る。
【0114】他の一例としては上述と反対の場合も有効
で有る。
【0115】CLC1/CNL1<CLC2/CNL2…(12) すなわち SLC1/SNL1<SLC2/SNL2…(13) としても上述と全く同様の効果が得られる。櫛歯状第一
画素電極面積SLC1と櫛歯状第二画素電極面積SLC2を等
しくした場合、 SLC1=SLC2…(7) 第一非線型抵抗素子で有る第一MIM素子の面積SNL1
と第二非線型抵抗素子で有る第二MIM素子の面積S
NL2の関係を SNL1>SNL2…(14) とすれば(13)式の関係は満たされ、広視野角と高画
質は両立し、更に効果的に欠陥補修も可能となる。櫛歯
状第二画素電極面積SLC2の櫛歯状第一画素電極と櫛歯
状第二画素電極を合わせた面積SLC1+SLC2に対する比
をκ2とすると κ2=SLC2/(SLC1+SLC2)…(15) 前述と同様、高画質と広視野角を両立させ、更に効果的
に欠陥補修し得る好ましいκ2の値は0.1から0.9
で有り、より好ましくは0.2から0.8、更に好まし
くは0.3から0.7で、理想的には0.4から0.6
の間で有る。
【0116】視野角特性は前述の(12)式を満たす関
係、或いは(13)式を満たす関係に有るときに向上す
る。
【0117】 CLC1/CNL1=m2(CLC2/CNL2)…(16) 上記(16)式にて係数m2を定義すると(12)式
(13)式は m2<1…(17) と記述される。このときに画質やMIM素子構造、画素
電極構造を考慮して好ましいm2の値の範囲は0.00
1から0.999で有り、より好ましくは0.01から
0.99、更に好ましくは0.1から0.9で有り、理
想的には0.2から0.8の間で有る。
【0118】尚本実施例で用いられるMIM型非線型抵
抗素子は第1導電体としてTaやTaMo、TaW、T
aSi、TaSiW等のTaを成分とする合金、あるい
はAl、Alを成分とする合金等が可能で有り、この場
合陽極酸化法あるいは熱酸化法によりこれらの第一導電
体を酸化して絶縁体が形成されてもよい。又、これらの
合金や他の導電体を第1導電体として用いた場合、絶縁
体はスパッタ法やプラズマCVD法により成膜した窒化
ケイ素を用いても良いのは他実施例と同様で有る。
【0119】〔実施例9〕本発明の別な一例を図14と
図15を用いて説明する。図14と図15は第1基板側
に形成されたスイッチング素子とそのスイッチング素子
に接続した画素電極の形状を示している。本発明の液晶
表示装置は液晶を駆動する為に第一基板側にマトリック
ス状に形成された複数個の液晶駆動電極と、この液晶駆
動電極に接続されたスイッチング素子とで構成されて居
る。一つの液晶駆動電極は櫛歯状第一画素電極と櫛歯状
第二画素電極に分割されて居り、櫛歯状第一画素電極に
は第一スイッチング素子が接続され、櫛歯状第二画素電
極には第二スイッチング素子が接続されて居る。更に櫛
歯状第一画素電極と櫛歯状第二画素電極は互いに噛合っ
て居るので有る。本実施例ではスイッチング素子として
TFT素子を用いて居る点で実施例8と異なって居る
が、互いに噛み合って居る櫛場状画素電極がもたらす効
果、即ち欠陥補修能力に関しては全く同じで有る。従っ
て櫛歯状画素電極の最小幅や最大幅wmax、及び画素電
極間分離距離dの関係も実施例8で詳述したその内容と
同一で有る。更に第一画素電極の面積と第二画素電極の
面積が等しければ、より効果的に欠陥補修をする事に成
る。
【0120】さて図14では一つの液晶駆動電極は櫛歯
状第一画素電極1511と櫛歯状第二画素電極1512
に分割されて居り、櫛歯状第一画素電極1511には第
一薄膜トランジスタ1501が接続され、櫛歯状第二画
素電極1512には第二薄膜トランジスタ1502が接
続されて居る。ここでは第一薄膜トランジスタも第二薄
膜トランジスタも同一導電タイプとして居る。それ故第
一薄膜トランジスタのゲート電極も第二薄膜トランジス
タのゲート電極も共通の走査線152に接続され、更に
共通の信号電位を第一及び第二画素電極に印加する為に
第一薄膜トランジスタのソース電極と第二薄膜トランジ
スタのソース電極も共通の信号線153に接続されて居
る。この様な構成とした場合、一つの液晶駆動電極が一
つの画素電極から成り一つの薄膜トランジスタに依りス
イッチングされる従来の液晶表示装置と全く同じ製造工
程にて本願発明の液晶表示装置が製造され、更に従来と
全く同じ駆動方法にて本願発明の液晶表示装置を駆動し
得る。結局従来技術に対して何等新たな負荷を加える事
無く、上述した効果的な自動欠陥補修能力を備えさせる
事が可能と成るので有る。
【0121】一方図15では一つの液晶駆動電極が第一
画素電極1611と第二画素電極1612に分割されて
居り、第一画素電極1611には第一薄膜トランジスタ
1601が接続され、第二画素電極1612には第二薄
膜トランジスタ1602が接続されて居る。ここで第一
薄膜トランジスタのゲート電極は第一走査線1621に
接続されて居り、第二薄膜トランジスタのゲート電極は
第二走査線1622に接続されて居る。又第一薄膜トラ
ンジスタのソース電極と第二薄膜トランジスタのソース
電極は共通の信号線163に接続されて居る。更に第一
薄膜トランジスタ1601と第二薄膜トランジスタ16
02は互いに逆導電タイプと成って居る。例えば第一薄
膜トランジスタ1601がN型導電タイプで有れば、第
二薄膜トランジスタ1602はP型導電タイプで有る。
これに相応して第一走査線と第二走査線とには常に同じ
タイミングで逆極性の走査信号が印加される。先の例に
則ると走査線1621と1622が同時に選択される
と、N型TFTが接続された第一走査線にはHighの
信号電位が印加されN型TFT1601はon状態と成
り、他方P型TFTが接続された第二走査線にはLow
の信号電位が印加されてP型TFT1602もon状態
と成る。反対にこれらの信号線が非選択の状態ではN型
TFTが接続された第一走査線にはLowの信号電位が
印加され、P型TFTが接続された第二走査線にはHi
ghの信号電位が印加され、両TFTはoff状態と成
る。第一薄膜トランジスタも第二薄膜トランジスタも同
一の信号線163に接続されて居り、更に常に同一のタ
イミングでon−offを行う為、第一画素電極と第二
画素電極とには常に同一の信号電位が印加される。本願
ではこの様に液晶駆動電極に接続されたスィッチング素
子がCMOS構成を取っている。その為信号電位の極性
の正負に拘り無く常に正しい電位が液晶駆動電極に全体
として印加され得る。例えば正極性の信号電位が信号線
163に入ったとき、スィッチング素子がN型TFTだ
けから成る従来の液晶表示装置ではゲート電位(Vgs
が低下して仕舞い、それが故トランジスタのon抵抗が
増大して限られた選択時間内に正しい電位を液晶駆動電
極に印加出来ないで居た。これに対して本願発明ではC
MOS構成と成って居る為、どちらか一方のTFTは必
ず完全on状態と成る。先の例に従えばN型TFTのゲ
ート電位は低下してN型TFTのon抵抗は大きく成っ
て居るが、その一方でP型TFTのゲート電位が増大し
P型TFTのon抵抗は最小と化して居る(P型TFT
が完全on状態)。負極性の信号電位が信号線163に
印加されたときはこの例の反対でN型TFTが完全on
状態と成る。換言すれば従来の液晶表示装置が信号電位
に応じてTFTのon抵抗が変動して正しい情報を表示
出来ないで居たのに対して、本願発明では信号電位に拘
り無くon抵抗は平均化されてその変動は小さく成り、
故に常に正しい情報が表示され得るので有る。加えて本
願発明では櫛歯状画素電極により光混合(第一画素電極
により変調された光と第二画素電極により変調された光
の混合)が行われて居る為平均化は更に進み、あらゆる
表示信号に対して常に正しい表示が可能に成る訳で有
る。画素スィッチング素子をCMOS TFTとする事
は製造上の新たな工程を求められる様に感ぜられるが、
多結晶半導体(例えばpoly−Si)TFTにて走査
線回路や信号線回路を基板上に内蔵する場合にはCMO
S回路が通常採用されるので、こうした液晶表示装置で
は本願発明は新たな工程を全く追加するに至らない。斯
様な視点からは本願発明は特に多結晶薄膜半導体装置に
て周辺回路(走査線回路や信号線回路などの一部乃至は
全部)を内蔵した液晶表示装置に適して居ると言える。
【0122】さて第一薄膜トランジスタ1601をN型
導電タイプとし、第二薄膜トランジスタ1602をP型
導電タイプとしたとき、第一薄膜トランジスタが接続し
た第一画素電極1611の面積は第二薄膜トランジスタ
が接続した第二画素電極1612の面積よりも大きい事
が好ましい。これはN型TFTとP型TFTのトランジ
スタサイズ(チャンネルの長さや幅)を同じにしたとき
N型TFTのon抵抗の方がP型TFTのon抵抗より
も小さい事に由来する。こうする事で先に述べた平均化
は更に進み、より正確な情報表示が実現されるので有
る。無論第一画素電極1611と第二画素電極1612
が櫛歯状で互いに噛合って居れば、光混合に依る平均化
も同時に達成されて更に好ましい。
【0123】これ迄の実施例で詳述して来た様に一つの
液晶駆動電極を複数の画素電極に分割するときには其々
の画素電極面積が等しい事が望まれる。これに依り欠陥
の自己補修能力が一段と向上するからで有る。従ってN
型TFTとP型TFTのon抵抗の相違を画素電極面積
の相違にて相殺させる上述の方法よりも、二つの画素電
極面積を同一として素子特性を同じにした方が優れてい
ると言える。これは液晶駆動電極が第一画素電極161
1と第二画素電極1612に分割されて居り、第一画素
電極にはN型導電タイプの第一薄膜トランジスタ160
1が接続され、第二画素電極にはP型導電タイプの第二
薄膜トランジスタ1602が接続され、第一薄膜トラン
ジスタのゲート電極は第一走査線1621に接続されて
居り、第二薄膜トランジスタのゲート電極は第二走査線
1622に接続されて居り、第一薄膜トランジスタのチ
ャンネル長をL1、チャンネル幅をW1とし、第二薄膜ト
ランジスタのチャンネル長をL2、チャンネル幅をW2
したとき、 W1/L1<W2/L2 との関係式を満たす事で達成される。これはN型TFT
とP型TFTのチャンネルコンダクタンス(移動度や閾
値電圧により定まる電気伝導度)の相違をチャンネルデ
ィメンジョン(LやW)で調整してon抵抗を揃える物
で有る。普通はN型TFTのチャンネルコンダクタンス
のほうがP型TFTのチャンネルコンダクタンスよりも
大きい為、上述の関係式の様にN型TFTのW/LをP
型TFTのW/Lよりも小さくすれば両TFTのon電
流を揃える事が出来、それ故二つの画素電極面積を同一
としてもなお、二つの画素電極電位を同等とする事が実
現される。無論これはレイアウトの都合などから両TF
TのWが等しいなどと云った場合、第一薄膜トランジス
タのチャンネル長が第二薄膜トランジスタのチャンネル
長より長いとの関係でも達成される。同様に第一薄膜ト
ランジスタのチャンネル幅が第二薄膜トランジスタのチ
ャンネル幅よりも狭いとしても構わない。第一画素電極
及び第二画素電極は図15に示す様に櫛歯状で互いに噛
合って居り、両者の面積が等しい事が理想で有るが、必
ずしもこれらの条件が満たされずともある程度の効果は
期待される。
【0124】以上説明してきたように、本発明の液晶表
示装置においては、第二画素電極が第一画素電極の周囲
を囲むように、且つ第一画素電極から10μm以下の距
離で互いに平面的に離間して配置されており、第一非線
型抵抗素子の容量、及び第二非線型抵抗素子の容量をそ
れぞれC NL1及びC NL2とし、第一画素電極によっ
て駆動される液晶の容量、および第二画素電極によって
駆動される前記液晶の容量をそれぞれC LC1及びC
LC2としたときに、C LC1/C NL1の値と、C
LC2/C NL2の値と、がそれぞれ異なることによっ
て、第一画素電極により駆動される液晶に印加される実
効電圧と、前記第二画素電極により駆動される液晶に印
加される実効電圧とが、互いに異なっているので、第一
画素電極に駆動される液晶と第二画素電極に駆動される
液晶とで視覚特性が異なることになり、視野角が広い液
晶表示装置が実現する。また、第二画素電極が第一画素
電極の周囲を囲むように、配置されていることにより、
液晶駆動電極の上下左右いずからの方向においても視覚
特性のバランスがとれた液晶表示装置が実現する。更に
は、第二画素電極と第一画素電極との離間距離が10μ
m以下であるために、第1画素電極と第2画素電極との
間の液晶にも電界が加えられることとなるので、コント
ラストの低下を防止できる。
【0125】
【0126】
【0127】
【0128】
【0129】
【0130】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は実施例1に係る本発明の液晶表示装置
を示す図である。
【図2】 図2は従来の液晶表示装置を示す図である。
【図3】 図3は実施例2に係る本発明の液晶表示装置
を示す図である。
【図4】 図4は実施例3に係る本発明の液晶表示装置
を示す図である。
【図5】 図5は実施例3の本発明に係る陽極酸化時の
概略図である。
【図6】 図6は実施例4に係る本発明の液晶表示装置
を示す図である。
【図7】 図7は実施例4に係る本発明の液晶表示装置
の等価回路を示す図である。
【図8】 図8は実施例5に係る本発明の液晶表示装置
を示す図である。
【図9】 図9は実施例5に係る本発明の液晶表示装置
を示す図である。
【図10】 図10は実施例6に係る本発明の液晶表示
装置を示す図である。
【図11】 図11は実施例7に係る本発明の液晶表示
装置を示す図である。
【図12】 図12は実施例8に係る本発明の液晶表示
装置を示す図である。
【図13】 図13は実施例8に係る本発明の液晶表示
装置を示す図である。
【図14】 図14は実施例9に係る本発明の液晶表示
装置を示す図である。
【図15】 図15は実施例9に係る本発明の液晶表示
装置を示す図である。
【図16】 図16は従来の液晶表示装置を示す図で有
る。
【符号の説明】
101、201、401、601、701…第1基板 102、202、402、702…第2基板 103、203、403、703…第1導電体 104、204、404、705…絶縁体 105、407、507、706、905、1005、
1105、1211、1703…第一画素電極 106、406、508、707、906、1006、
1106、1212、1704…第二画素電極 1213…第三画素電極 1214…第四画素電極 1311、1331、1411、1431、1511、
1611…櫛歯状第一画素電極 1312、1332、1412、1432、1512、
1612…櫛歯状第二画素電極 108、206、708、802…データ線 109、112、113、114、207、409、4
15、416、417、709、806、807…液晶
層 111、410、509、710、803、911、1
011、1111、1201、1301、1321、1
401、1421、1705…第一MIM素子 110、411、510、711、804、910、1
010、1110、1202、1302、1322、1
402、1422、1706…第二MIM素子 1203…第三MIM素子 1204…第四MIM素子 205…液晶駆動電極 208…MIM素子 405…第三画素電極 412、712、805…第三MIM素子 408、506、801…走査配線 413、414…矢印 501、602…第1データ線 502、603…第2データ線 503…第1絶縁体 504…第2絶縁体 511、604…端子エリア 505…パット電極 605…第1陽極酸化パット 606…第2陽極酸化パット 607、608…破線 704…第3導電体 1015、1016…第二導電体 1701…対向電極 1702…配線 1501、1601…第一薄膜トランジスタ 1502、1602…第二薄膜トランジスタ 152…走査線 153…信号線 1621…第一走査線 1622…第二走査線 163…信号線
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−53150(JP,A) 特開 平2−264928(JP,A) 特開 昭62−59927(JP,A) 特開 平7−13191(JP,A) 特開 平6−230414(JP,A) 特開 平3−196019(JP,A) 特開 昭62−218987(JP,A) 特開 平2−135318(JP,A) 特開 平7−72509(JP,A) 特開 平7−152013(JP,A) 特開 平8−22033(JP,A) 特開 平8−146464(JP,A) 特開 平8−211407(JP,A) 特開 平4−348324(JP,A) 特開 平6−222392(JP,A) 特開 平7−28091(JP,A) 特公 平6−64421(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/13 - 1/141

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電体−絶縁体−導電体を積層した構成の
    スイッチング素子に接続された液晶駆動用電極がマトリ
    クス状に複数配置されており、前記液晶駆動電極によっ
    て液晶を駆動する液晶表示装置において、 前記液晶駆動電極は10μm以下の距離で互いに平面的
    離間して形成された第一画素電極、及び第二画素電極
    を含み、 前記スイッチング素子は前記第一画素電極に接続される
    第一非線型抵抗素子、及び前記第二画素電極に接続され
    る第二非線型抵抗素子を具備してなり、 前記第二画素電極が前記第一画素電極の周囲を囲むよう
    に、配置されており、前記第一非線型抵抗素子の容量、
    及び前記第二非線型抵抗素子の容量をそれぞれC NL1
    及びC NL2とし、前記第一画素電極によって駆動され
    る前記液晶の容量、および前記第二画素電極によって駆
    動される前記液晶の容量をそれぞれC LC1及びC
    LC2としたときに、C LC1/C NL1の値と、C
    LC2/C NL2の値とがそれぞれ異なることによっ
    て、前記第一画素電極により駆動される前記液晶に印加
    される実効電圧と、前記第二画素電極により駆動される
    前記液晶に印加される実効電圧と、互いに異なること
    を特徴とする液晶表示装置。
  2. 【請求項2】前記CLC1/CNL1とCLC2/C
    NL2とを、 CLC2/CNL2=m(CLC1
    NL1)とし、上式にて係数mを定義したとき、m
    の値の範囲が、0.001〜0.999の間であること
    を特徴とする請求項に記載の液晶表示装置。
  3. 【請求項3】前記CLC1/CNL1とCLC2/C
    NL2とを、CLC1/CNL1=m(CLC2/C
    NL2)とし、上式にて係数mを定義したとき、m
    の値の範囲が、0.001〜0.999の間であることを
    特徴とする請求項に記載の液晶表示装置。
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