JP3601531B2 - 液晶表示装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、導電体−絶縁体−導電体を順次積層した構造を有する非線型抵抗素子(以下MIM素子と呼ぶ)や薄膜トランジスタ(以下TFT素子と呼ぶ)等のスイッチング素子と液晶駆動電極とを含んで構成される液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図2に従来のMIM素子を形成した液晶表示装置の1表示画素の構造を示す。(a)はこの従来の液晶表示装置の平面図であり、(b)は断面図である。ここでMIM素子とは、例えばTa(タンタル)−タンタル酸化物(Ta)−酸化インジウムスズ(ITO)等のような第1導電体−絶縁体−第2導電体の3層構造で構成される非線型抵抗素子をいう。この場合、第2導電体としては、ITOに限らず、例えばCr又はCrを成分とする合金を用いる事ができる。
【0003】
次に、この従来のMIM素子を形成した液晶表示装置の製造方法を説明する。
【0004】
まず、第1基板201上にスパッタ法によりTa膜が形成される。次に、このTa膜がフォトエッチングによりパターニングされ配線電極を兼ねたMIM素子208の第1導電体203が形成される。そして、陽極酸化法により第1導電体203の表面が酸化され、絶縁体204が形成される。次に、スパッタ法によりITO膜が形成される。そして、このITO膜はフォトエッチングによりパターニングされ、MIM素子208の第2導電体を兼ねた液晶駆動電極205が形成される。第1基板201と対向する様に第2基板202を設ける。第2基板202には、スパッタ法によりITO膜が形成される。そして、このITO膜はフォトエッチングにより、ストライプ状にパターニングされたデータ線206が、第1基板201の配線電極と直交するように形成される。第1基板201と第2基板202の間には、液晶層207を充填して液晶表示装置が構成されている。この液晶表示装置でカラー表示を必要とする場合は、第2基板202とデータ線206の間、あるいはデータ線206と液晶層207の間にカラーフィルター層を設置する。
【0005】
またスイッチング素子としてTFT素子を用いた場合は第1基板201側に複数の走査線とこれら走査線と直交する様に複数のデータ線を設け、TFT素子を走査線とデータ線の各交点に設置する。この際TFT素子のゲート電極は走査線に接続され、ソース電極はデータ線に、液晶駆動電極はドレイン電極に接続される。第2基板202側には対向電極が設けられている。走査線に選択状態の電位が与えられたときにのみTFTのソース・ドレイン間は低インピーダンスのオン状態と化し、データ線とオン状態のTFTを通じて表示信号に対応する電位が液晶駆動電極に与えられ、第2基板202側の対向電極と液晶駆動電極との間に挾持された液晶の光学状態を変化させる。TFTに制御される液晶駆動電極はマトリクス状に配置されており、これにより情報の表示が可能となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
さて近年、この種の液晶表示装置は、例えばノート型パソコン、ワークステーション、液晶TV等に利用されるようになっている。従って、液晶表示装置のサイズも対角22.9cm〜25.4cm以上と非常に大面積化しているのが現状である。かかる現状において、前述した従来のMIM素子を用いた液晶表示装置では、以下の問題点が生じていた。
【0007】
従来の液晶表示装置では、配線電極を兼ねた第1導電体203に走査信号を、ITO配線206にデータ信号を印加し、時分割駆動により液晶層207へ印加する電界強度を制御し、液晶の配向状態を変えて情報を表示する。この際液晶駆動電極205とITO配線206に挟まれた液晶層には均一な電界が印加されてしまい、液晶表示装置の視角特性が悪化するという問題が生じていた。特に対角22.9cm〜25.4cm以上の大面積液晶表示装置では、少しでも視角を変えて液晶表示装置を見るとコントラストの低下、中間調の反転等が生じ、間違った情報が表示されてしまった。
【0008】
このような視角特性を改善する技術として、例えば、SID’91,DIGEST,P555〜557やSID’92,DIGEST,P798〜801に記載された従来技術がある。
【0009】
第一の従来技術(SID’91,P,555〜557)は液晶駆動電極を2分割し、この分割された2つの液晶駆動電極を容量結合し、これを1つの薄膜トランジスタで駆動している。この結果、1画素の中で液晶層に印加される実効電圧が2種類となり視覚特性が向上するものであった。しかし、分割した2つの液晶駆動電極を容量結合するために構造が複雑となってしまうという問題点が生じている。
【0010】
一方第二の従来技術(SID’92,P,798〜801)は1つの液晶駆動電極上に形成する液晶配向膜を分割して形成し、液晶のプレイチルト角が大きい領域と小さい領域を設け、視角特性を向上させるものであった。しかし、液晶の配向膜の形成方法がきわめて複雑となってしまうとの問題点が生じている。
【0011】
更に第3の従来技術としては特開平5−53150に示される手法がある。これを図16を用いて説明する。この従来技術ではマトリックス状に配置された1つの液晶駆動電極を複数個の画素電極に分割し、各々の画素電極にMIM素子を設け、各画素電極の面積とMIM素子面積比を変えている。図16の例では第2基板に設けられたストライプ状の対向電極1701と第1基板に設けられた配線1702にて定められている領域の第1基板上に液晶駆動電極とMIM素子が設けられている。液晶駆動電極は第一画素電極1703と第二画素電極1704に二分割され、第一画素電極1703には第一MIM素子1705が接続され、第二画素電極1704には第二MIM素子1706が接続されている。第一画素電極の面積と第一MIM素子の面積との比を第二画素電極の面積と第二MIM素子の面積との比と異ならせる事により視角特性を改善している。しかしながらこの第三の従来技術では液晶駆動電極の分割方法や画素電極面積に何の配慮もなされていなかった為に視角特性は十分に改善されていないとの問題点が有った。又、第一画素電極1703と第二画素電極1704との分離距離dに対する考慮がなされていないが故この分離領域と対向電極に挟まれた液晶が制御されずコントラストの低下を招いたり、ノーマリ白表示モード(液晶に電圧を印加しない状態で光が透過する表示方法)で黒表示を行うときに分離領域から光漏れが生ずるとの問題点があった。
【0012】
本発明は以上の様な問題点を解決するものでその目的とするところは、構造を複雑にする事なく、液晶に印加する実効電圧を制御して視角特性を向上し、表示品質の高い液晶表示装置を実現する事にある。
【0013】
本発明の別の目的は又以下に示すがごとき課題を解決する事にもある。即ち、スイッチング素子にMIM素子を用いる場合もTFT素子を用いる場合のいずれにしても液晶表示装置には数十万から数百万個の液晶駆動電極とそれに対応するスイッチング素子が設けられている。これら膨大な数に昇るスイッチング素子の一つでも不良が生ずるとそのスイッチング素子はスイッチング素子としての機能を果たせず、不良スイッチング素子が接続した液晶駆動電極には表示すべき情報に正しく相応する電位が与えられない。この結果不良スイッチング素子が接続した液晶駆動電極は液晶表示装置に於いて点欠陥として視認されるに至る。この点欠陥を補修する最も簡便な一従来技術として前述の図16の手法が知られている。これは一つの液晶駆動電極を複数の画素電極に分割し、(図16では第一画素電極1703と第二画素電極1704)それぞれの画素電極にはそれぞれのスイッチング素子(図16では第一MIM素子1705と第二MIM素子1706)を設ける物である。スイッチング素子が全て良品で有れば分割された複数の画素電極には殆ど同じ電位が供与され、これら複数の画素電極から構成される一つの液晶駆動電極は正常に動作する。仮令複数のスイッチング素子の内の一つが不良であっても(例えば図16で第一MIM素子1705が不良とすると)、他のスイッチング素子も同時に不良になる確率は非常に小さいから一つの液晶駆動電極は残った他の正常なスイッチング素子(先の例では第二MIM素子1706)を介して正しい電位が画素電極(先の例では第二画素電極1704)に供与されて動作する為、点欠陥には至らないのである。しかしながらこの手法では点欠陥の補修能力が十分でないとの課題が有る。例えば図16に示す液晶表示装置を液晶に電界を掛けぬときに光が透過するノーマリ白表示モードで動作させる場合を考えるとこの課題は明瞭と化す。今第一MIM素子1705が不良で第一画素電極1703には全く電位が与えられないとする。このときに黒表示を行うと第二MIM素子1706を介して第二画素電極1704には正常な電位が供与され、第二画素電極1704と対向電極1701に挟まれた液晶は正しく光学状態を変え黒表示となる。所が不良MIM素子に接続した第一画素電極1703と対向電極1701に挟まれた液晶には電界が掛からず、この領域は光が透過してしまう。液晶表示装置の画面全体を黒表示した場合、これらの画素領域は夜空に瞬く星の様に視認されるので有る。ここで想定している状況は点欠陥が最も目立つ場合で有るが、他の表示モードや素子不良モードに於いてもコントラストが正常時に比べて著しく劣るとの形態で本質的に同じ課題が生ずる訳で有る。換言するならば従来の簡便な欠陥補修技術は十分に欠陥を補修出来ていないので有る。ここではスイッチング素子の例としてMIM素子を用いて説明したが全く同じ事情はTFT素子をスイッチング素子として用いた液晶表示装置に対しても当てはまっている。そこで本発明の別な目的は上述のごとき課題を解決する物で、構造や製造工程を複雑にする事なく、点欠陥を簡便且つ十分に補修し得る液晶表示装置を提供する事に有る。
【0014】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために本発明に係わる液晶表示装置は、非線型抵抗素子と、液晶を駆動する液晶駆動電極とを含んで構成される液晶表示装置において、前記液晶駆動電極が、第一画素電極と、前記第一画素電極の周辺部に形成された第二画素電極で構成され、前記第一画素電極と前記第二画素電極をそれぞれ駆動する第一非線型抵抗素子と、第二非線型抵抗素子を設けた事を特徴とする。斯様な液晶表示装置は、前記第一非線型抵抗素子と前記第二非線型抵抗素子は、導電体−絶縁体−導電体を順次積層した構造を有し、それぞれの非線型抵抗素子面積をSNL1、SNL2とし、前記第一画素電極の面積をSLC1、前記第二画素電極の面積をSLC2としたとき、
LC1/SNL1>SLC2/SNL2
を満たす事を特徴とする。或いは、前記第一非線型抵抗素子と前記第二非線型抵抗素子は、導電体−絶縁体−導電体を順次積層した構造を有し、それぞれの非線型抵抗素子容量をCNL1、CNL2とし、前記第一画素電極で駆動される液晶層の容量をCLC1、前記第二画素電極で駆動される液晶層の容量をCLC2とし、
LC2/CNL2=m(CLC1/CNL1
上式にて係数mを定義したとき、mの値の範囲が0.001から0.999の間で有る事を特徴とする。或いは、前記第一非線型抵抗素子と前記第二非線型抵抗素子は、導電体−絶縁体−導電体を順次積層した構造を有し、それぞれの非線型抵抗素子面積をSNL1、SNL2とし、前記第一画素電極の面積をSLC1、前記第二画素電極の面積をSLC2としたとき、
LC1=SLC2、 SNL1<SNL2
を満たす事を特徴とする。更には、前記第一画素電極面積SLC1の前記第一画素電極と前記第二画素電極を合わせた面積SLC1+SLC2に対する比をκとしたとき、
κ=SLC1/(SLC1+SLC2
κの値が0.1から0.9の間に有る事を特徴とする。或いは、前記第一非線型抵抗素子と前記第二非線型抵抗素子は、導電体−絶縁体−導電体を順次積層した構造を有し、それぞれの非線型抵抗素子面積をSNL1、SNL2とし、前記第一画素電極の面積をSLC1、前記第二画素電極の面積をSLC2としたとき、
LC1/SNL1<SLC2/SNL2
を満たす事を特徴とする。或いは、前記第一非線型抵抗素子と前記第二非線型抵抗素子は、導電体−絶縁体−導電体を順次積層した構造を有し、それぞれの非線型抵抗素子容量をCNL1、CNL2とし、前記第一画素電極で駆動される液晶層の容量をCLC1、前記第二画素電極で駆動される液晶層の容量をCLC2とし、
LC1/CNL1=m(CLC2/CNL2
上式にて係数mを定義したとき、mの値の範囲が0.001から0.999の間で有る事を特徴とする。或いは、前記第一非線型抵抗素子と前記第二非線型抵抗素子は、導電体−絶縁体−導電体を順次積層した構造を有し、それぞれの非線型抵抗素子面積をSNL1、SNL2とし、前記第一画素電極の面積をSLC1、前記第二画素電極の面積をSLC2としたとき、
LC1=SLC2、 SNL1>SNL2
を満たす事を特徴とする。更には、前記第二画素電極面積SLC2の第一画素電極と第二画素電極を合わせた面積SLC1+SLC2に対する比をκとしたとき、
κ=SLC2/(SLC1+SLC2
κの値が0.1から0.9の間に有る事を特徴とする。
【0015】
又本発明に係わる液晶表示装置は、液晶を駆動する為にマトリックス状に形成された複数個の液晶駆動電極を構成要素の一つとする液晶表示装置において、前記液晶駆動電極の夫々が複数個の画素電極に分割され、該画素電極間の分離距離dが10μm以下である事を特徴とする。
【0016】
又本発明に係わる液晶表示装置は、液晶を駆動する為にマトリックス状に形成された複数個の液晶駆動電極と、導電体−絶縁体−導電体を順次積層した構造を有する非線型抵抗素子とを含んで構成される液晶表示装置において、前記液晶駆動電極が前記液晶表示装置の広視野角が求められる方向にn個(n≧2の整数)の画素電極に分割され、該画素電極の其れぞれには非線型抵抗素子が設けられてをり、i番目(iは1からnの間の任意の整数)の画素電極の面積SLCiとし、i番目の画素電極に設けられた非線型抵抗素子の面積をSNLiとしたとき、n個のSLCi/SNLiの値が少なくとも2種類以上である事を特徴とする。斯様な液晶表示装置は、前記液晶駆動電極が前記液晶表示装置の水平方向にn個(n≧2の整数)の画素電極に分割されている事を特徴とする。或いは、前記液晶駆動電極が前記液晶表示装置の垂直方向にn個(n≧2の整数)の画素電極に分割されている事を特徴とする。或いは、前記i番目のSLCi/SNLiの値とn+1−i番目のSLC(n+1−i)/SNL(n+1−i)の値が等しい事を特徴とする。或いは、前記液晶駆動電極が3分割された事を特徴とする。
【0017】
又本発明に係わる液晶表示装置は、液晶を駆動する為にマトリックス状に形成された複数個の液晶駆動電極と、導電体−絶縁体−導電体を順次積層した構造を有する非線型抵抗素子とを含んで構成される液晶表示装置において、前記液晶駆動電極が第一画素電極と第二画素電極に分割されて居り、前記第二画素電極は前記第一画素電極を囲い、且つ前記第二画素電極の一部は前記第一画素電極の内側に延在されて居る事を特徴とする。斯様な液晶表示装置は、前記第一画素電極の面積をSLC1、前記第二画素電極の面積をSLC2、前記第一画素電極に設けられた非線型抵抗素子の面積をSNL1、前記第二画素電極に設けられた非線型抵抗素子の面積をSNL2としたとき、
LC1/SNL1>SLC2/SNL2
を満たす事を特徴とする。或いは、前記第一非線型抵抗素子と前記第二非線型抵抗素子は、導電体−絶縁体−導電体を順次積層した構造を有し、それぞれの非線型抵抗素子容量をCNL1、CNL2とし、前記第一画素電極で駆動される液晶層の容量をCLC1、前記第二画素電極で駆動される液晶層の容量をCLC2とし、
LC2/CNL2=m(CLC1/CNL1
上式にて係数mを定義したとき、mの値の範囲が0.001から0.999の間で有る事を特徴とする。或いは、前記第一画素電極の面積をSLC1、前記第二画素電極の面積をSLC2、前記第一画素電極に設けられた非線型抵抗素子の面積をSNL1、前記第二画素電極に設けられた非線型抵抗素子の面積をSNL2としたとき、
LC1=SLC2、 SNL1<SNL2
を満たす事を特徴とする。或いは、前記第一画素電極面積SLC1の前記第一画素電極と前記第二画素電極を合わせた面積SLC1+SLC2に対する比をκとしたとき、
κ=SLC1/(SLC1+SLC2
κの値が0.05から0.8の間に有る事を特徴とする。或いは、前記第一画素電極の面積をSLC1、前記第二画素電極の面積をSLC2、前記第一画素電極に設けられた非線型抵抗素子の面積をSNL1、前記第二画素電極に設けられた非線型抵抗素子の面積をSNL2としたとき、
LC1/SNL1<SLC2/SNL2
を満たす事を特徴とする。或いは、前記第一非線型抵抗素子と前記第二非線型抵抗素子は、導電体−絶縁体−導電体を順次積層した構造を有し、それぞれの非線型抵抗素子容量をCNL1、CNL2とし、前記第一画素電極で駆動される液晶層の容量をCLC1、前記第二画素電極で駆動される液晶層の容量をCLC2とし、
LC1/CNL1=m(CLC2/CNL2
上式にて係数mを定義したとき、mの値の範囲が0.001から0.999の間で有る事を特徴とする。或いは、前記第一画素電極の面積をSLC1、前記第二画素電極の面積をSLC2、前記第一画素電極に設けられた非線型抵抗素子の面積をSNL1、前記第二画素電極に設けられた非線型抵抗素子の面積をSNL2としたとき、
LC1=SLC2、 SNL1>SNL2
を満たす事を特徴とする。或いは、前記第二画素電極面積SLC2の第一画素電極と第二画素電極を合わせた面積SLC1+SLC2に対する比をκとしたとき、
κ=SLC2/(SLC1+SLC2
κの値が0.2から0.95の間に有る事を特徴とする。
【0018】
又本発明に係わる液晶表示装置は、液晶を駆動する為にマトリックス状に形成された複数個の液晶駆動電極と、導電体−絶縁体−導電体を順次積層した構造を有する非線型抵抗素子とを含んで構成される液晶表示装置において、前記液晶駆動電極が第一画素電極と第二画素電極に分割されて居り、前記第二画素電極は前記第一画素電極を囲い、且つ前記第二画素電極の一部は前記第一画素電極の内側に延在されて居り、更に前記第一画素電極の一部は前記第二画素電極の内側に延在されて居る事を特徴とする。斯様な液晶表示装置は、前記第一画素電極の面積をSLC1、前記第二画素電極の面積をSLC2、前記第一画素電極に設けられた非線型抵抗素子の面積をSNL1、前記第二画素電極に設けられた非線型抵抗素子の面積をSNL2としたとき、
LC1/SNL1>SLC2/SNL2
を満たす事を特徴とする。或いは、前記第一画素電極の面積をSLC1、前記第二画素電極の面積をSLC2、前記第一画素電極に設けられた非線型抵抗素子の面積をSNL1、前記第二画素電極に設けられた非線型抵抗素子の面積をSNL2としたとき、
LC1=SLC2、 SNL1<SNL2
を満たす事を特徴とする。或いは、前記第一画素電極の面積をSLC1、前記第二画素電極の面積をSLC2、前記第一画素電極に設けられた非線型抵抗素子の面積をSNL1、前記第二画素電極に設けられた非線型抵抗素子の面積をSNL2としたとき、
LC1/SNL1<SLC2/SNL2
を満たす事を特徴とする。或いは、前記第一画素電極の面積をSLC1、前記第二画素電極の面積をSLC2、前記第一画素電極に設けられた非線型抵抗素子の面積をSNL1、前記第二画素電極に設けられた非線型抵抗素子の面積をSNL2としたとき、
LC1=SLC2、 SNL1>SNL2
を満たす事を特徴とする。
【0019】
又本発明に係わる液晶表示装置は、液晶を駆動する為にマトリックス状に形成された複数個の液晶駆動電極と、導電体−絶縁体−導電体を順次積層した構造を有する非線型抵抗素子とを含んで構成される液晶表示装置において、前記液晶駆動電極がn個(n≧2の整数)の同心状画素電極に分割され、該同心状画素電極の其れぞれには非線型抵抗素子が設けられて居る事を特徴とする。斯様な液晶表示装置は、前記同心状画素電極のi番目(iは1からnの間の任意の整数)の同心状画素電極の面積SLCiとし、i番目の同心状画素電極に設けられた非線型抵抗素子の面積をSNLiとしたとき、n個のSLCi/SNLiの値が少なくとも2種類以上である事を特徴とする。
【0020】
又本発明に係わる液晶表示装置は、液晶を駆動する為にマトリックス状に形成された複数個の液晶駆動電極と、該液晶駆動電極に接続されたスイッチング素子とで構成される液晶表示装置において、前記液晶駆動電極が櫛歯状第一画素電極と櫛歯状第二画素電極に分割されて居り、前記櫛歯状第一画素電極には第一スイッチング素子が接続され、前記櫛歯状第二画素電極には第二スイッチング素子が接続され、前記櫛歯状第一画素電極と前記櫛歯状第二画素電極は互いに噛合って居る事を特徴とする。
【0021】
又本発明に係わる液晶表示装置は、液晶を駆動する為にマトリックス状に形成された複数個の液晶駆動電極と、該液晶駆動電極に接続されたスイッチング素子とで構成される液晶表示装置において、前記液晶駆動電極が櫛歯状第一画素電極と櫛歯状第二画素電極に分割されて居り、前記櫛歯状第一画素電極には第一スイッチング素子が接続され、前記櫛歯状第二画素電極には第二スイッチング素子が接続され、前記櫛歯状第一画素電極と前記櫛歯状第二画素電極は互いに噛合って居り、前記スイッチング素子は導電体−絶縁体−導電体を順次積層した構造を有する非線型抵抗素子で有る事を特徴とする。斯様な液晶表示装置は、前記櫛歯状第一画素電極と前記櫛歯状第二画素電極は水平方向に互いに噛合って居る事を特徴とする。或いは、前記櫛歯状第一画素電極と前記櫛歯状第二画素電極は垂直方向に互いに噛合って居る事を特徴とする。更には、前記櫛歯状第一画素電極の面積をSLC1、前記櫛歯状第二画素電極の面積をSLC2、前記櫛歯状第一画素電極に設けられた非線型抵抗素子の面積をSNL1、前記櫛歯状第二画素電極に設けられた非線型抵抗素子の面積をSNL2としたとき、
LC1/SNL1>SLC2/SNL2
を満たす事を特徴とする。或いは、前記櫛歯状第一画素電極の面積をSLC1、前記櫛歯状第二画素電極の面積をSLC2、前記櫛歯状第一画素電極に設けられた非線型抵抗素子の面積をSNL1、前記櫛歯状第二画素電極に設けられた非線型抵抗素子の面積をSNL2としたとき、
LC1=SLC2、 SNL1<SNL2
を満たす事を特徴とする。或いは、前記櫛歯状第一画素電極の面積をSLC1、前記櫛歯状第二画素電極の面積をSLC2、前記櫛歯状第一画素電極に設けられた非線型抵抗素子の面積をSNL1、前記櫛歯状第二画素電極に設けられた非線型抵抗素子の面積をSNL2としたとき、
LC1/SNL1<SLC2/SNL2
を満たす事を特徴とする。或いは、前記櫛歯状第一画素電極の面積をSLC1、前記櫛歯状第二画素電極の面積をSLC2、前記櫛歯状第一画素電極に設けられた非線型抵抗素子の面積をSNL1、前記櫛歯状第二画素電極に設けられた非線型抵抗素子の面積をSNL2としたとき、
LC1=SLC2、 SNL1>SNL2
を満たす事を特徴とする。
【0022】
又本発明に係わる液晶表示装置は、液晶を駆動する為にマトリックス状に形成された複数個の液晶駆動電極と、該液晶駆動電極に接続されたスイッチング素子とで構成される液晶表示装置において、前記液晶駆動電極が櫛歯状第一画素電極と櫛歯状第二画素電極に分割されて居り、前記櫛歯状第一画素電極には第一スイッチング素子が接続され、前記櫛歯状第二画素電極には第二スイッチング素子が接続され、前記櫛歯状第一画素電極と前記櫛歯状第二画素電極は互いに噛合って居り、前記スイッチング素子は薄膜トランジスタで有る事を特徴とする。
【0023】
又本発明に係わる液晶表示装置は、液晶を駆動する為にマトリックス状に形成された複数個の液晶駆動電極と、該液晶駆動電極に接続された薄膜トランジスタとで構成される液晶表示装置において、前記液晶駆動電極が第一画素電極と第二画素電極に分割されて居り、前記第一画素電極には第一薄膜トランジスタが接続され、前記第二画素電極には第二薄膜トランジスタが接続され、前記第一薄膜トランジスタのゲート電極は第一走査線に接続されて居り、前記第二薄膜トランジスタのゲート電極は第二走査線に接続されて居り、前記第一薄膜トランジスタと前記第二薄膜トランジスタは互いに逆導電タイプで有る事を特徴とする。斯様な液晶表示装置は、前記第一画素電極及び前記第二画素電極は櫛歯状で、互いに噛合って居る事を特徴とする。更には、前記第一画素電極の面積と前記第二画素電極の面積が等しい事を特徴とする。
【0024】
又本発明に係わる液晶表示装置は、薄膜トランジスタに接続された液晶駆動用電極がマトリクス状に複数配置されており、前記液晶駆動電極によって液晶を駆動する液晶表示装置において、前記液晶駆動電極は各々離間して形成された第一画素電極、及び第二画素電極を含み、前記第一画素電極には第一薄膜トランジスタが接続され、前記第二画素電極には第二薄膜トランジスタが接続され、前記第一薄膜トランジスタのゲート電極は第一走査線に接続されており、前記第二薄膜トランジスタのゲート電極は第二走査線に接続されており、前記第一薄膜トランジスタと前記第二薄膜トランジスタとは互いに逆導電タイプである事を特徴とする。
又本発明に係わる液晶表示装置は、液晶を駆動する為にマトリックス状に形成された複数個の液晶駆動電極と、該液晶駆動電極に接続された薄膜トランジスタとで構成される液晶表示装置において、前記液晶駆動電極が第一画素電極と第二画素電極に分割されて居り、前記第一画素電極には第一薄膜トランジスタが接続され、前記第二画素電極には第二薄膜トランジスタが接続され、前記第一薄膜トランジスタのゲート電極は第一走査線に接続されて居り、前記第二薄膜トランジスタのゲート電極は第二走査線に接続されて居り、前記第一薄膜トランジスタはN型導電タイプで有り、前記第二薄膜トランジスタはP型導電タイプで有り、前記第一薄膜トランジスタが接続した第一画素電極の面積は前記第二薄膜トランジスタが接続した第二画素電極の面積よりも大きい事を特徴とする。斯様な液晶表示装置は、前記第一画素電極及び前記第二画素電極は櫛歯状で、互いに噛合って居る事を特徴とする。
【0025】
又本発明に係わる液晶表示装置は、液晶を駆動する為にマトリックス状に形成された複数個の液晶駆動電極と、該液晶駆動電極に接続された薄膜トランジスタとで構成される液晶表示装置において、前記液晶駆動電極が第一画素電極と第二画素電極に分割されて居り、前記第一画素電極にはN型導電タイプの第一薄膜トランジスタが接続され、前記第二画素電極にはP型導電タイプの第二薄膜トランジスタが接続され、前記第一薄膜トランジスタのゲート電極は第一走査線に接続されて居り、前記第二薄膜トランジスタのゲート電極は第二走査線に接続されて居り、前記第一薄膜トランジスタのチャンネル長をL、チャンネル幅をWとし、前記第二薄膜トランジスタのチャンネル長をL、チャンネル幅をWとしたとき、
/L<W/L
との関係式を満たす事を特徴とする。斯様な液晶表示装置は、前記第一画素電極及び前記第二画素電極は櫛歯状で、互いに噛合って居る事を特徴とする。更には、前記第一画素電極の面積と前記第二画素電極の面積が等しい事を特徴とする。
【0026】
又本発明に係わる液晶表示装置は、液晶を駆動する為にマトリックス状に形成された複数個の液晶駆動電極と、該液晶駆動電極に接続された薄膜トランジスタとで構成される液晶表示装置において、前記液晶駆動電極が第一画素電極と第二画素電極に分割されて居り、前記第一画素電極にはN型導電タイプの第一薄膜トランジスタが接続され、前記第二画素電極にはP型導電タイプの第二薄膜トランジスタが接続され、前記第一薄膜トランジスタのゲート電極は第一走査線に接続されて居り、前記第二薄膜トランジスタのゲート電極は第二走査線に接続されて居り、前記第一薄膜トランジスタのチャンネル長は前記第二薄膜トランジスタのチャンネル長より長い事を特徴とする。斯様な液晶表示装置は、前記第一画素電極及び前記第二画素電極は櫛歯状で、互いに噛合って居る事を特徴とする。更には、前記第一画素電極の面積と前記第二画素電極の面積が等しい事を特徴とする。
【0027】
又本発明に係わる液晶表示装置は、液晶を駆動する為にマトリックス状に形成された複数個の液晶駆動電極と、該液晶駆動電極に接続された薄膜トランジスタとで構成される液晶表示装置において、前記液晶駆動電極が第一画素電極と第二画素電極に分割されて居り、前記第一画素電極にはN型導電タイプの第一薄膜トランジスタが接続され、前記第二画素電極にはP型導電タイプの第二薄膜トランジスタが接続され、前記第一薄膜トランジスタのゲート電極は第一走査線に接続されて居り、前記第二薄膜トランジスタのゲート電極は第二走査線に接続されて居り、前記第一薄膜トランジスタのチャンネル幅は前記第二薄膜トランジスタのチャンネル幅よりも狭い事を特徴とする。斯様な液晶表示装置は、前記第一画素電極及び前記第二画素電極は櫛歯状で、互いに噛合って居る事を特徴とする。更には、前記第一画素電極の面積と前記第二画素電極の面積が等しい事を特徴とする。
【0028】
又本発明に係わる液晶表示装置は、第1導電体−絶縁体−第2導電体を順次積層した構造を有する非線型抵抗素子と、液晶を駆動する液晶駆動電極とを含んで構成される液晶表示装置において、前記液晶駆動電極が第一画素電極と第二画素電極に分割され、前記第一画素電極を駆動する第一非線型抵抗素子の電気的非線型特性と、前記第二画素電極を駆動する第二非線型抵抗素子の電気的非線型特性とが異なる事を特徴とする。或いは本発明に係わる液晶表示装置は、第1導電体−絶縁体−第2導電体を順次積層した構造を有する非線型抵抗素子と、液晶を駆動する液晶駆動電極とを含んで構成される液晶表示装置において、前記液晶駆動電極が第一画素電極と第二画素電極に分割され、前記第一画素電極を駆動する第一非線型抵抗素子の絶縁膜の厚さと、前記第二画素電極を駆動する第二非線型抵抗素子の絶縁膜の厚さが異なる事を特徴とする。斯様な液晶表示装置は、前記第一非線型抵抗素子の第1導電体と、前記第二非線型抵抗素子の第1導電体が、液晶表示装置の表示領域の外部で電気的に接続された事を特徴とする。或いは前記第二画素電極が前記第一画素電極を取り囲む様に形成されている事を特徴とする。
【0029】
又本発明に係わる液晶表示装置は、導電体−絶縁体−導電体を順次積層した構造を有する非線型抵抗素子と、液晶を駆動する液晶駆動電極とを含んで構成される液晶表示装置において、前記液晶駆動電極が第一画素電極と第二画素電極に分割され、前記第一画素電極を駆動する第一非線型抵抗素子と、前記第一画素電極と前記第二画素電極が直列に接続される様に第二非線型抵抗素子及び第三非線型抵抗素子を設けた事を特徴とする。
【0030】
又本発明に係わる液晶表示装置は、スイッチング素子として非線型抵抗素子が用いられる場合、それはタンタルを一成分とする金属、タンタルを一成分とする金属の酸化物、金属あるいは透明導電膜を順次積層した構造を取る事を特徴とする。
【0031】
又本発明に係わる液晶表示装置は、スイッチング素子として非線型抵抗素子が用いられる場合、非線型抵抗素子の絶縁体が窒化ケイ素である事を特徴とする。
さらに上記課題を解決するため、本発明に係わる液晶表示装置は、薄膜トランジスタに接続された液晶駆動用電極がマトリクス状に複数配置されており、前記液晶駆動電極によって液晶を駆動する液晶表示装置において、前記液晶駆動電極は各々離間して形成された第一画素電極、及び第二画素電極を含み、前記第一画素電極には第一薄膜トランジスタが接続され、前記第二画素電極には第二薄膜トランジスタが接続され、前記第一薄膜トランジスタのゲート電極は第一走査線に接続されており、前記第二薄膜トランジスタのゲート電極は第二走査線に接続されており、前記第一薄膜トランジスタと前記第二薄膜トランジスタとは互いに逆導電タイプであり、前記第一走査線及び前記第二走査線を介して同じタイミングで互いに逆極性の信号が前記第一薄膜トランジスタ及び前記第二薄膜トランジスタのゲート電極にそれぞれ印加されることを特徴とする。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下本発明を図面を用いて詳細に説明する。
【0042】
〔実施例1〕
図1は本発明による実施例を示し、図1(a)は上視図、図1(b)は図1(a)のAA’における断面図である。
【0043】
ガラス等の第1基板101上にTaをスパッタ法により形成し、フォトエッチングによりパターニングし、MIM素子の第1導電体103を設ける。第1導電体103は、走査配線を兼ねた形状に加工し、例えばその膜厚は1000〜6000Åとする。次に第1導電体103の表面を陽極酸化法により酸化し、MIM素子の絶縁体104を200〜800Åの膜厚となる様に形成する。例えば陽極酸化は0.01〜1%程度の濃度のクエン酸あるいは酒石酸アンモニウムの水溶液中に、陰極として白金を用い、陽極が第1導電体103となる様に配線し、10〜45Vの直流を印加して、30分〜4時間酸化する。次に絶縁体104を300〜500℃で焼成し、絶縁体104を緻密な膜にし、非線型特性を向上させる。次にMIM素子の第2導電体を兼ねた液晶駆動電極の第一画素電極105と第二画素電極106を形成する。第一画素電極105には第一MIM素子111が接続され、第二画素電極106は第一画素電極105の周囲を囲む様に形成され、第二MIM素子110が接続されている。第一画素電極105と第二画素電極106は例えばITO(酸化インジウムスズ)に代表される透明導電体をスパッタ法により300〜4000Åの厚さに成膜し、フォトエッチングによりパターニングする。MIM素子の第2導電体と液晶駆動電極は一体で形成する必要はなく、例えば第2導電体としてCrやNiCrTa、Ti等の金属あるいは合金を用い、液晶駆動電極としてはITO等の透明導電体を用いて、其々別々に形成してもよい。次に第1基板101と、液晶層109を介して対向する様に第2基板102を設ける。第2基板102には、ITO等の透明導電体をストライプ状に加工したデータ線108を形成し、走査配線と直交する様に設ける。図1は簡単のためにモノクロ液晶表示装置について説明したが、染料により染色した有機層あるいは顔料を分散させた有機層を第2基板102とデータ線108の間、あるいはデータ線108と液晶層109の間、あるいは液晶駆動電極105、106と液晶層109の間、あるいは液晶駆動電極105、106と第1基板101の間のいずれかの位置に設置する事により容易にカラー液晶表示装置とする事ができる。
【0044】
従来技術と本実施例の大きな相違点は、液晶駆動電極を第一非線型抵抗素子の一種で有る第一画素電極105と第二非線型抵抗素子の一種で有る第二画素電極106の2つに分け、第一画素電極105の周辺部に第二画素電極106を形成し、更にそれぞれ独立した第一MIM素子111と、第二MIM素子110で駆動する事で液晶表示装置の視角特性を向上させた事である。
【0045】
Tech.Dig.of the Int.Electron Devices Meeting,pp.707−710 Dec.1980にMIM素子の容量CMIMと液晶層の容量CLCの比、CLC/CMIMが大きくなると液晶層に印加される実効電圧が大きくなる事が示されている。第一画素電極105で駆動される液晶層112の容量CLC1と第一MIM素子111の容量CNL1の比と、第二画素電極106で駆動される液晶層113の容量CLC2と第二MIM素子110の容量CNL2の比が異なる様にすれば、液晶層112と液晶層113に印加される実効電圧が変わり、視角特性が向上する。
【0046】
ここで第一MIM素子111の面積をSNL1、第二MIM素子110の面積をSNL2、絶縁体104の膜厚をtNL、絶縁体104の比誘電率をεNL、真空の誘電率をεとするとCNL1、CNL2はそれぞれ、
NL1=ε・εNL・SNL1/tNL…(1)
NL2=ε・εNL・SNL2/tNL…(2)
となる。一方第一画素電極105の面積をSLC1、第二画素電極106の面積をSLC2、液晶層112、113の厚さ、すなわち第1基板101と第2基板102のギャップをtLC、液晶の比誘電率をεLCとするとCLC1、CLC2はそれぞれ
LC1=ε・εLC・SLC1/tLC…(3)
LC2=ε・εLC・SLC2/tLC…(4)
となる。
【0047】
1例として視角特性を向上させるために、
LC1/CNL1>CLC2/CNL2…(5)
の関係を満たす様にすると、液晶層112に印加される実効電圧は、液晶層113に印加される実効電圧に比べ大きくなり、正面から見たときのコントラスト比は、液晶層112により十分に大きくなり、斜めから見たときのコントラスト比は、液晶層113により補償され、視野角の広い液晶表示装置となる。特に中間調表示の画面を斜めから見たときに、画面のネガポジ反転(白黒反転)を防止するのに大きな効果がある。式(5)に式(1)〜(4)を代入して整理すると、
LC1/SNL1>SLC2/SNL2…(6)
となり、単に面積比を変えれば上記の効果が得られる事が分かる。これは従来技術に比べ、構造やプロセスを複雑にする事なく、単に液晶駆動電極をパターニングする際のフォトマスクを変更する事のみで実現できるので有る。加えて本実施例では第二画素電極106が完全に第一画素電極を囲んでいる為、どの方向から本実施例記載の液晶表示装置を見てもコントラスト比は液晶層113により補償され、視野角が広くなる。更に本実施例では欠陥補修が可能となっている。例えば第二MIM素子110の絶縁膜104にピンホールがあって第一導電体103と第二画素電極106が短絡している場合、第二画素電極106の電位は常に走査配線の電位と同じになってしまうが、第一MIM素子111も同時に不良でない限り正常に情報表示する第一画素電極105によりこの液晶駆動電極領域は点欠陥にはならないので有る。反対に第一MIM素子111が不良で第一画素電極105が動作しない場合でも、第二MIM素子110と第二画素電極106の正常動作によりこの液晶駆動電極領域は点欠陥にはならない。こうした欠陥補修との観点からは第一画素電極105の面積と第二画素電極106の面積が等しい事が好ましい。もし何方か一方の画素電極面積が他方の画素電極面積よりも著しく大きければ、大きい画素電極に接続するMIM素子が不良となったとき、生き残っている正常なMIM素子に接続する画素電極が著しく小さくなり、その為に欠陥補修が効果的に行われないからで有る。又液晶表示装置は多くの場合正面から眺める時間が長く、最適コントラストは正面に合わせられる。本実施例では第一画素電極105上の液晶層112が正面からの視点を作り、それらを囲む第二画素電極106上の液晶層113が上下、左右方向からの視野角を補償している。こうした点からも第一画素電極105と第二画素電極106の面積が等しい事が望まれる。この場合一つの液晶駆動電極の約50%は正面からのコントラスト向上に寄与し、約25%が左右方向の視野角を広げる事に寄与し、残りの約25%が上下方向の視野角を広げる役割を演ずる事となる。無論本実施例で第一画素電極面積を広く取り、正面からのコントラストを優先させる事も可能で有る。反対に第一画素電極の面積を40%程度と小さくし、第二画素電極の内で上下に走る帯部の面積を左右それぞれ20%程度の計40%程度とし、第二画素電極の内で左右に走る帯部の面積を上下それぞれ10%程度の計20%程度とすれば正面からのコントラストは多少劣るものの左右方向の視野角が著しく改善される。正面からの画質を重視する場合は第一画素電極の面積を比較的大きく取り、視野角を優先する場合は第二画素電極の面積を比較的大きくするので有る。しかしながら広視野角と高画質を両立し、更に効果的に欠陥補修できるとの観点からは第一画素電極面積SLC1と第二画素電極面積SLC2は等しい事が好ましい。
【0048】
LC1=SLC2…(7)
このとき第一非線型抵抗素子で有る第一MIM素子の面積SNL1と第二非線型抵抗素子で有る第二MIM素子の面積SNL2の関係を
NL1<SNL2…(8)
とすれば、
LC1/SNL1>SLC2/SNL2…(6)
の関係を満たし、上述の効果を実現できる。(6)式を満たした状態で、第一画素電極面積SLC1の第一画素電極と第二画素電極を合わせた面積SLC1+SLC2に対する比をκとすると
κ=SLC1/(SLC1+SLC2)…(9)
高画質と広視野角を両立させる好ましいκの値は0.1から0.9で有り、より好ましくは0.2から0.8、更に好ましくは0.3から0.7で、理想的には0.4から0.6の間で有る。
【0049】
視野角特性は前述の(5)式を満たす関係、或いは(6)式を満たす関係に有るときに向上する。
【0050】
LC2/CNL2=m(CLC1/CNL1)…(10)
上記(10)式にて係数mを定義すると(5)式(6)式は
<1…(11)
と記述される。このときに画質やMIM素子構造、画素電極構造を考慮して好ましいmの値の範囲は0.001から0.999で有り、より好ましくは0.01から0.99、更に好ましくは0.1から0.9で有り、理想的には0.2から0.8の間で有る。
【0051】
本実施例の様に液晶駆動電極を複数の画素電極に分割する場合、画素電極間の分離距離dが高画質を得るのに重要な役割を演ずる。図1にdで示す画素電極間の分離距離が大きいと、コントラストの低下や光漏れ現象と言った問題が生ずるからで有る。分離距離dが十分に小さいときにはこれらの問題は生じない。と言うのは液晶表示装置が所望の情報を表示している状態で第一画素電極105と第二画素電極106には殆ど同じ電位が与えられており、為に液晶層112と液晶層113の液晶偏光状態は殆ど同じとなるからで有る。液晶の粘性係数はゼロでないので分離距離dが小さければ、この分離領域上の液晶層114は液晶層112と液晶層113に引きずられる形で応答し、偏光状態を変えるので有る。その結果コントラストの低下や光漏れが生じない訳で有る。もう少し正確に言うと、前述の様に第一画素電極105と第二画素電極106とには視野角特性を改善する為に異なった電位が与えられ、相応して液晶層112と液晶層113の偏光状態は異なった物となる。このとき分離距離dが小さければ分離領域上の液晶層114は液晶層112の偏光状態と液晶層113の偏光状態を結ぶ中間的な偏光状態と化する。所が、分離距離dが大きければ液晶層112の偏光状態や液晶層113の偏光状態とは関係なくして、分離領域上の液晶層114は常に液晶駆動電極電位がゼロに相応する偏光状態となってしまうので有る。出願人らはこうした観点に則り分離距離dの許される値を調査した所、分離距離dが10μm以下で有ればコントラストの低下は殆ど問題にならず、7μm以下ではコントラストの低下は全く認められなかった。更に5μm以下ではノーマリー白表示モードで黒表示させたときの光漏れも全く認められなかった。即ち分離距離dが10μm以下で有れば実用上殆ど問題はなく、5μm以下では分離領域上の液晶層114も正確に応答しているので有る。ここではスイッチング素子としてMIM素子を用いて説明したが、同じ事情はTFT素子等他のスイッチング素子を用いた場合にも無論適応可能で有る。TFT素子をスイッチング素子として用い、一つの液晶駆動電極を複数の画素電極に分割する場合も画素電極間の分離距離dは10μm以下が好ましく、より好ましくは7μm以下、更に好ましくは5μm以下で有る。
【0052】
他の一例としては上述と反対の場合も有効で有る。
【0053】
LC1/CNL1<CLC2/CNL2…(12)
すなわち
LC1/SNL1<SLC2/SNL2…(13)
とすれば上記とは逆に、液晶層112により視角を補償でき、上述と全く同様の効果が得られる。第一画素電極面積SLC1と第二画素電極面積SLC2を等しくした場合、
LC1=SLC2…(7)
第一非線型抵抗素子で有る第一MIM素子の面積SNL1と第二非線型抵抗素子で有る第二MIM素子の面積SNL2の関係を
NL1>SNL2…(14)
とすれば(13)式の関係は満たされ、広視野角と高画質は両立し、更に効果的に欠陥補修も可能となる。(13)式を満たした状態で、第二画素電極面積SLC2の第一画素電極と第二画素電極を合わせた面積SLC1+SLC2に対する比をκとすると
κ=SLC2/(SLC1+SLC2)…(15)
高画質と広視野角を両立させる好ましいκの値は0.1から0.9で有り、より好ましくは0.2から0.8、更に好ましくは0.3から0.7で、理想的には0.4から0.6の間で有る。
【0054】
視野角特性は前述の(12)式を満たす関係、或いは(13)式を満たす関係に有るときに向上する。
【0055】
LC1/CNL1=m(CLC2/CNL2)…(16)
上記(16)式にて係数mを定義すると(12)式(13)式は
<1…(17)
と記述される。このときに画質やMIM素子構造、画素電極構造を考慮して好ましいmの値の範囲は0.001から0.999で有り、より好ましくは0.01から0.99、更に好ましくは0.1から0.9で有り、理想的には0.2から0.8の間で有る。
【0056】
本実施例で、第1導電体103としてTaを例に説明したが、TaMo、TaW、TaSi、TaSiW等のTaを成分とする合金、あるいはAl、Alを成分とする合金を用いる事も出来、陽極酸化法あるいは熱酸化法によりこれらの第一導電体を酸化して絶縁体104を形成してもよい。又、絶縁体104はスパッタ法、プラズマCVD法により成膜した窒化ケイ素を用いてもよい。
【0057】
〔実施例2〕
図3は、本発明による別の実施例を示し、図3(a)は上視図、図3(b)は図3(a)のCC’における断面図である。
【0058】
ガラス等の第1基板401上に、Cr、Al、Mo等の金属よりなるMIM素子の第1導電体403を設ける。第1導電体403はデータ線を兼ね、データ線から1画素エリア(即ち一つの液晶駆動電極)当たり3本の突出部を設ける。次にMIM素子の絶縁体404をスパッタ法やプラズマCVD法等により窒化ケイ素或いは硬質炭素膜にて形成し、少なくとも上記3本の突出部を覆う様にパターニングする。絶縁体404は、必ずしもパターニングする必要はないが、第1基板401と、絶縁体404の屈折率の違いにより、液晶表示装置が色付いてしまう為、パターニングする方が好ましい。一方実施例1と同様に第1導電体403をTaあるいはTaを成分とする合金とし、陽極酸化法により絶縁体404を得てもよい。この場合、第1導電体403の表面のみが酸化される為、絶縁体404をパターニングする必要はない。一般にTaあるいはTaを成分とする合金を陽極酸化する事で形成された絶縁体より、窒化シリコン膜や硬質炭素膜の方が非線型特性が優れている。こうした点や前述の製造方法の容易さ、液晶表示装置の画素数、あるいは要求される画質により最適な絶縁膜の材料を選択すればよい。次にMIM素子の第2導電体を兼ねた第一画素電極407、第二画素電極406、第三画素電極405を設ける。この結果、第1導電体403の3本の突出部に、第一MIM素子410、第二MIM素子411、第三MIM素子412が形成される。MIM素子の第2導電体と液晶駆動電極は実施例1で述べた様に別々の材料で構成してもよい。次に第1基板401と対向する位置に液晶層409を介して第2基板402を設ける。第2基板402には、ITO等の透明導電体をストライプ状に加工した走査配線408を形成する。
【0059】
実施例1と本実施例の相違点は、一つの液晶駆動電極を液晶表示装置の広視野角が求められる方向にn個(n≧2の整数)の画素電極に分割し、それぞれの画素電極にはそれぞれ独立な非線型抵抗素子を設ける事により、視野角特性を向上させる自由度を広げた点である。図3では液晶表示装置は液晶表示画面の垂直(縦又は上下)方向に広視野角が求められる使用状況を想定し、垂直方向に一つの液晶駆動電極を3分割(n=3)して有る。液晶表示装置の視野角特性は各液晶表示装置の応用状況によって異なる。例えばパーソナル・コンピュータ(PC)やエンジニアリング・ワーク・ステーション(EWS)の表示画面に応用される対角25cm〜50cm程度の大型液晶表示装置では表示画面の垂直(縦又は上下)方向に広視野角が求められる事が多い。又液晶表示装置をパチンコ台に組み込んだ場合も個人により目の高さが異なる為、垂直(縦又は上下)方向に広視野角が求められる。これらとは対照的に車載用テレビ等に適応される場合、一つの液晶表示装置を二人乃至は三人で水平(横又は左右)方向から眺める使用状況が多いと想定される為、寧ろ水平(横又は左右)方向に広視野角が求められる。後述する様に分割された画素電極で駆動される液晶容量と各MIM素子容量の比を各画素電極毎に異ならせる事により視野角特性を改善できるので、広視野角が求められる方向に一つの液晶駆動電極を複数個の画素電極に分割するのが好ましい。図3の例では垂直(縦又は上下)方向に液晶駆動電極が分割されている為に正面からのコントラストが良好であると同時に、垂直(縦又は上下)方向の視野角が著しく大きくなる。このとき水平(横又は左右)方向の視野角は図2に示すがごとき従来の液晶表示装置と同様に狭いが、そもそもその方向に視野角は求められていないので有る。パチンコをしているとき人は自分の台の液晶表示装置のみに注視し、隣の台の液晶表示装置などに気を取られていないのが普通で有る。斯く故、液晶表示装置の広視野角が求められる方向に液晶駆動電極はn個(n≧の整数)の画素電極に分割され、各画素電極にMIM型非線型抵抗素子を設け、各画素電極面積の非線型抵抗素子面積比を異ならせる事が好ましい。これにより正面からのコントラストを良好とした状態で尚、広視野角が求められる方向に所望通りの広視野角が得られるからである。広視野角が求められる方向はどの方向であっても構わぬが、普通は水平(横又は左右)方向か、或いは垂直(縦又は上下)方向で有る。従って垂直(縦又は上下)方向に広視野角が求められているときには図3の例が示す様に一つの液晶駆動電極を垂直(縦又は上下)方向にn個(n≧の整数)に分割すれば良い。反対に水平(横又は左右)方向に広視野角が求められるときには図3aを90゜回転させて、一つの液晶駆動電極を水平(横又は左右)方向にn個(n≧2の整数)に分割すれば良いわけで有る。
【0060】
次に各画素電極とそれらに接続されたMIM型非線型抵抗素子との関係を説明する。第一MIM素子410、第二MIM素子411、第三MIM素子412の容量をそれぞれCNL1、CNL2、CNL3とし、第一画素電極407で駆動される液晶層417、第二画素電極406で駆動される液晶層416、第三画素電極405で駆動される液晶層415の容量をそれぞれCLC1、CLC2、CLC3とし、MIM素子と液晶層の容量比が、
LC3/CNL3>CLC2/CNL2>CLC1/CNL1…(18)
の関係を満たす様にすれば、矢印414の方向の視角特性を大幅に向上できる。第一MIM素子410、第二MIM素子411、第三MIM素子412の絶縁体404は材料と厚さが総て等しく、液晶層415、416、417の材料と厚さも等しい為、実施例1と同様に第一MIM素子410、第二MIM素子411、第三MIM素子412それぞれの面積をSNL1、SNL2、SNL3とし、第一画素電極407、第二画素電極406、第三画素電極405のそれぞれの面積をSLC1、SLC2、SLC3として上式を置き換えると、(18)式は
LC3/SNL3>SLC2/SNL2>SLC1/SNL1…(19)
で表される。従ってMIM素子と液晶層の容量比を変えるには、単にこれら面積比を変える事のみで容易に実現できる。
【0061】
一方、MIM素子と液晶層の容量比が、
LC3/CNL3<CLC2/CNL2<CLC1/CNL1…(20)
すなわち、
LC3/SNL3<SLC2/SNL2<SLC1/SNL2…(21)
の関係を満たす様にすれば、矢印413方向の視角特性を向上できる。又、
LC3/CNL3=CLC1/CNL1<CLC2/CNL2…(22)
すなわち、
LC3/SNL3=SLC1/SNL1<SLC2/SLC2…(23)
の関係を満たす様にすれば、矢印413、414双方の視角特性を対称的に向上できる。
【0062】
矢印413、414双方の視角特性を向上する手段として、
LC3/CNL3<CLC1/CNL1<CLC2/CNL2…(24)
すなわち、
LC3/SNL3<SLC1/SNL1<SLC2SNL2…(25)
の関係を満たす様にするかあるいは、
LC1/CNL1<CLC3/CNL3<CLC2/CNL2…(26)
すなわち、
LC1/SNL1<SLC3/SNL3<SLC2/SNL2…(27)
の関係を満たす事によっても実現できる。
【0063】
実施例1中で説明した様に各画素電極を分離する分離距離dは10μm以下が好ましく、より好ましくは7μm以下、更に好ましくは5μm以下で有る。この事情は一つの液晶駆動電極を複数の画素電極に分割する場合に常に適合される。以下の実施例中でスイッチング素子としてTFT素子やMIM素子を用いて一つの液晶駆動電極を複数の画素電極に分割する例が幾つか現れてくる。それらの実施例では今後特にこの分離距離dに関して言及しないが、分離距離dの好ましい値は総て上述と同様で有る。
【0064】
以上説明した様に、望まれる方向の視角特性を著しく向上させる自由度がプロセスや構造を複雑とする事なく簡単に実現でき、特にPC用あるいはEWS用に用いられる対角25cm〜50cm程度の大型液晶表示装置に適用した場合、目を固定していても画面の上下でコントラストや色調が違うという問題を解決できる。
【0065】
本実施例では一例として液晶駆動電極を3分割した場合を例として説明したが、分割数を増やしてn分割(n≧4の整数)とし、これらの画素電極の其れぞれには非線型抵抗素子を設け、i番目(iは1からnの間の任意の整数)の画素電極の面積SLCiとし、i番目の画素電極に設けられた非線型抵抗素子の面積をSNLiとしたとき、n個のSLCi/SNLiの値が少なくとも2種類以上とすれば、更に視角特性向上の自由度が広がる事は明らかである。又、(23)式にてn=3を用いて説明した様に、i番目のSLCi/SNLiの値とn+1−i番目のSLC(n+1−i)/SNL(n+1−i)の値を等しくする事に依り広視野角が求められている方向の視角特性を対称的に向上できる。
【0066】
〔実施例3〕
図4は本発明に係わる別の実施例を示す。
【0067】
MIM素子の第1導電体を兼ねた第1データ線501と第2データ線502をそれぞれ1画素当たり1ヶ所の突出部を持つ様な形状に加工し、第一画素電極507と第二画素電極508の両サイドに配置する。後に形成される第二画素電極508は第一画素電極507の周囲に第一画素電極507を囲う様に形成され、これら第一画素電極507と第二画素電極508にて一つの液晶駆動電極を構成している。第1データ線501と第2データ線502は例えばTaあるいはTaW、TaMo、TaSi、TaSiW等のTaを成分とする合金、又はAlあるいはAlを成分とする合金等の陽極酸化が可能な材料を用いる。次に第1データ線501と第2データ線502の表面を陽極酸化法により酸化し、MIM素子の絶縁体となる第1絶縁体503及び第2絶縁体504を形成する。TaあるいはTaを成分とする合金は、例えば0.01〜1%程度の濃度のクエン酸やリン酸或いは酒石酸アンモニウム等の水溶液を用いて陽極酸化すれば容易に緻密な絶縁体が得られる。一方AlあるいはAlを成分とする合金は、0.01〜5%程度の濃度の酒石酸アンモニウム水溶液、あるいはエチレングリコール溶媒と酒石酸アンモニウムを溶質とした溶液を用い、両溶液ともアンモニア水によりPHを7.0〜7.5に調整して陽極酸化すれば緻密な絶縁体が得られる。このとき、外部ドライバー回路と接続する端子エリア511には第1絶縁体503又は第2絶縁体504が形成されない様に、あらかじめ絶縁性有機物を形成して選択陽極酸化をする。或いは絶縁体が形成された場合はCFやSF等のフッ化系のガスを用いて、反応性イオンエッチング(RIE)等のドライエッチング法により絶縁体を除去する。次にMIM素子の第2導電体を兼ねた第一画素電極507とこれを囲む様な形状に第二画素電極508を形成する。この結果、第1データ線501と第2データ線502のそれぞれの突出部に第一MIM素子509と第二MIM素子510が構成される。このとき、第1データ線501と第2データ線502へ同一のデータ信号が供給される様に端子エリア511にパット電極505を同時に形成する。MIM素子の第2導電体と液晶駆動電極は実施例1と同様に別々の材料で形成してもよい事は言うまでもない。最後に、液晶層を介して第1データ線501と第2データ線502と直交するように走査配線506を設けて、液晶表示装置を構成する。
【0068】
実施例1と本実施例の相違点(即ち本発明の特徴点)は第一画素電極507を駆動する第一MIM素子509の電気的非線型特性と、第二画素電極508を駆動する第二MIM素子510の電気的非線型特性を異なったものとする事により、視角特性を向上させる自由度を広げた点である。
【0069】
本実施例に則ると、陽極酸化法により第1絶縁体503や第2絶縁体504を形成する際、2回に分けて陽極酸化を行い、異なった非線型特性を有する絶縁体を得る事が可能になる。図5に陽極酸化を行う際の略図を示す。MIM素子をアレイ状に配置する第1基板601に第1データ線602と第2データ線603を形成する。複数の第1データ線602は例えば第1基板601の上部で全て接続され、第1陽極酸化パット605に接続する。複数の第2データ線603は第1データ線602とは逆に第1基板601の下部で全て接続され、第2陽極酸化パット606に接続する。端子エリア604は前にも述べた様に絶縁性有機物を形成し、陽極酸化による絶縁体が形成されるのを防止する。クエン酸水溶液等の陽極酸化用化成液中へ第1基板601を破線607まで浸漬し、同一化成液中に設置した白金等の電極を陰極とし、第1陽極酸化パット605を陽極として、例えば30Vの印加電圧で第1回目の陽極酸化を行う。次に第2陽極酸化パット606を陽極とし、例えば40Vの印加電圧で第2回目の陽極酸化を行う。陽極酸化後破線607及び608で第1基板601を切断し、接続されていたデータ線を分離する。形成される絶縁体の膜厚は印加電圧に比例し、更に第1データ線602及び第2データ線603にTaを用いた場合、1V当たり17〜18Å成膜するため、第1絶縁体503の膜厚は510〜540Åとなり、他方第2絶縁体504の膜厚は680〜720Åとなる。この結果、実施例1とは違い、MIM素子の面積だけではなく、絶縁体の膜厚も変える事が出来、MIM素子と液晶層の容量比を変える自由度がより一層広げられる。
【0070】
一方、陽極酸化により得られたタンタル酸化物(TaO)中を流れるプールフレンケル電流Iは、
I=kV exp(β√V)
で表され、βの値が非線型性を表す係数であり、βは絶縁体の膜厚をdとすると膜厚の平方根に反比例する(β∝1/√d)。従って絶縁体の膜厚を変える事により非線型性も変えられ、容量比のみではなくMIM素子の非線型特性を変えて、第一画素電極507と第二画素電極508により駆動される液晶層に印加される電圧の実効値を広範囲に渡って制御可能となる。
【0071】
更に第1回目の陽極酸化をクエン酸水溶液で行い、第2回目の陽極酸化をリン酸水溶液で行う事により、第2絶縁体504中に不純物としてリンが取り込まれ、新たなトラップ準位を形成し、第1絶縁体503と第2絶縁体502の膜厚が同じ、すなわち第1回目の陽極酸化と第2回目の陽極酸化とで印加する電圧を同じにしても、第一MIM素子509と第二MIM素子510の非線型特性を変えられる。又、これに陽極酸化で印加する電圧を変える事で、より非線型特性を変える自由度が広がり、従来技術に比べ陽極酸化工程を1回増加するだけで、液晶表示装置の視角特性やコントラストを大幅に向上できる。MIM型非線形抵抗素子の電気特性は陽極酸化方法を変える事で大幅に変化させ得る。本実施例記載の液晶表示装置は一回目の陽極酸化と二回目の陽極酸化で印加電圧や化成液、温度等の酸化条件を自由に変えて組み合わせる事が可能で、その様にして得られた異なるMIM素子がそれぞれの画素電極を独立に制御して一つの液晶駆動電極を駆動している。その結果コントラストや視野角と言った画質を自由に設定できるので有る。無論本実施例に於いても実施例1にて詳述した様に、画素電極面積のMIM素子面積比を変えて実施例1と同じ効果を得る事も可能で有る。しかしながら画素電極面積やMIM素子面積が液晶駆動電極のレイアウト上の制約やフォトリソグラフィーの精度等の制約で思う様に設定できぬ状況に於いても本実施例では二回の陽極酸化条件を異ならせる事で酸化膜の膜厚や組成などの構造を変え、広視野角と高画質を容易に両立させ得ぬので有る。加えて図4に示す本実施例の液晶表示装置に於いては第1データ線501或いは第2データ線502の何方か一方のデータ線が断線しても、両者が同時に断線しない限り線欠陥が生じないとの窮めて優れた特質が認められる。言う迄も無く図2に示すがごとき従来技術の液晶表示装置ではデータ線に一ヶ所でも断線が生ずると、その先には情報は伝達されぬが故正常な情報表示が行われぬ領域が線状に発生し、所謂線欠陥が視認されるに至る。図4に示す本実施例の液晶表示装置に於いても、データ線に断線が生ずるとその先に情報転送されぬ点は従来と同一で有る。しかるに本発明の液晶表示装置では一つの液晶駆動電極が第一画素電極とそれを取り囲む第二画素電極に分割されており、それぞれの画素電極に接続したMIM素子は独立なデータ線に接続されている為、片方のデータ線に断線等の異常が生じても、もう片方のデータ線とそれに接続したMIM素子を通じて情報伝達がなされるので有る。この場合断線から先の液晶駆動電極はそれを成す画素電極の片方が死んでいるから正常な情報表示は成されぬものの、生き残っているもう片方の画素電極が動作している為、致命的な線欠陥とはならないので有る。実施例1で説明した点欠陥補修にしろ、上述した線欠陥補修にしろ、それを効果的に行うには二つの画素電極形状が重要で有る。液晶駆動電極を単純にデータ線と平行又は直角に二分割するよりも、本願の様に一方の画素電極を他方の画素電極が取り囲む様に分割した方が明らかに効果的欠陥補修がなされる。これは取り分け、本実施例に示した線欠陥補修に於いて顕著で有る。
【0072】
〔実施例4〕
図6は、本発明による別の実施例を示す。本実施例では液晶駆動電極が第一画素電極と第二画素電極に分割され、第一画素電極を駆動する第一非線型抵抗素子と、第一画素電極と前記第二画素電極が直列に接続される様に第二非線型抵抗素子及び第三非線型抵抗素子を設けて居る。
【0073】
走査配線を兼ねたMIM素子の第1導電体703を、1画素当たり1ヶ所の突出部を持つ様な形状に加工する。第1導電体703はCr、Ta等の金属で膜厚が1000〜5000Å程度に形成するのが好ましい。更に好ましくは、走査配線を兼ねている為、走査信号の遅延を小さくする目的でより比抵抗の低いAl、Cu等を用いれば、対角25cm以上の大型液晶表示装置が実現できる。この第1導電体703と同時に第3導電体704を島状に形成する。次に少なくとも第1導電体703の突出部と第3導電体704を覆うようにMIM素子の絶縁体705を設ける。絶縁体705は実施例2で示した絶縁体404と同様に必ずしもパターニングする必要はなく、窒化ケイ素膜や硬質炭素膜、酸化タンタル膜等を用いて、膜厚は300〜3000Åとすれば良い。次にMIM素子の第2導電体を兼ねた第一画素電極706、この第一画素電極706の周辺を囲む形状に第二画素電極707を設ける。この結果、第1導電体703の突出部に第一MIM素子710、第3導電体704と第一画素電極706あるいは第二画素電極707の交わる部分にそれぞれ第二MIM素子711と第三MIM素子712が直列接続となる様に形成される。第1基板701と液晶層709を介して対向する様にデータ線708を形成した第2基板702を配置する。この様に構成された液晶表示装置の等価回路を図7に示す。走査配線801とデータ線802の交点に、第一MIM素子710に相当する第一MIM素子803と第一画素電極706で駆動される液晶層806が直列に接続される。第一MIM素子803と、液晶層806の中点より第二MIM素子711に相当する第二MIM素子804と、第三MIM素子712に相当する第三MIM素子805と、第二画素電極707で駆動される液晶層807が直列に接続され、データ線802へ結ばれる。走査配線801、データ線802にそれぞれ走査信号、データ信号を印加し、第一MIM素子803をオン状態とし、第一画素電極706へ電荷を書き込んで液晶層806に所定の電界を掛ける。これと同時に第二画素電極へも第二MIM素子804と第三MIM素子805を通して電荷が書き込まれて液晶層807にも電界が印加される。この結果、液晶層806へ印加される実効電圧は液晶層807へ印加される実効電圧より大きくなり、液晶表示装置を正面から見た時のコントラストは液晶層806で確保され、更に斜めから見たときのコントラストは液晶層807で確保され、視野角が大幅に向上される。第二MIM素子711及び第三MIM素子712の面積を任意に変える事により液晶層807へ印加される実効電圧を幅広く変える事ができ、視野角を向上する自由度が広がっている。一方、一切プロセスを増やす事なく、第二MIM素子711と第三MIM素子712を構成できる事も大きな利点である。
【0074】
実施例1〜実施例4において、便宜上図面に対して横方向を走査配線、縦方向をデータ線として説明したが、MIM素子は2端子素子であり、走査配線とデータ線の交点に液晶層と直列に接続されるため、どちらを走査配線、データ線としても問題ない事は言うまでもない。
【0075】
〔実施例5〕
本発明の別な一例を図8を用いて説明する。図8は第1基板101側に形成されたMIM素子とそのMIM素子に接続した画素電極の形状を示している。一つの液晶駆動電極は先に実施例1にて図1を用いて説明したのと同様に第一画素電極905と第二画素電極906に分割されている。第一画素電極905には導電体−絶縁体−導電体を順次積層した構造を有する第一非線型抵抗素子で有る第一MIM素子911が接続されており、第二画素電極906にはやはり導電体−絶縁体−導電体を順次積層した構造を有する第二非線型抵抗素子で有る第二MIM素子910が接続されている。この様に構成されている液晶駆動電極が複数個マトリックス状に第1基板側に形成され、第2基板102との間に挟持された液晶層109の光学状態を各液晶駆動電極毎に制御する事で情報表示が可能となる。この辺の事情は図1に示される前述の実施例1記載の発明の一例と全く同様で有る。図8に示す発明の特徴は第二画素電極906が第一画素電極905を囲い、且つ第二画素電極906の一部が第一画素電極905の内側に延在されている点に有る。こうする事に依り広視野角特性の改善と高画質の両立は一層容易になり、設計上の自由度も高まる。加えて第一画素電極と第二画素電極が互いに包含される関係になっている為、点欠陥の修復能力が実施例1の発明に比べても尚勝っている。その他の点に於いては総て実施例1と同様で有る。図8はMIM素子の第二導電体と画素電極が兼用された簡便な構造を有している。これに対して図9も本発明の一形態例で有り、ここではMIM素子の第二導電体と画素電極は別々に形成されている。即ち、第一画素電極1005に接続した第一MIM素子1011はMIM素子の絶縁体上にCr、NiCrTa、Ti等の金属或いは合金にて第二導電体1016が形成され、この第二導電体と画素電極が導通している。第二画素電極1006と第二MIM素子1010及びその第二導電体1015との関係も同様で有る。図9に示す様にMIM素子の第二導電体と画素電極を別々に形成すると、第二導電体の種類を変える事で非線型抵抗素子の電気特性を変えたり、素子面積を自由に設定出来、後述する様に高画質と広視野角とを簡単に実現出来る。こうした事情は他の実施例では特筆されていないが、他実施例でも同様に成り立っている。
【0076】
今第一MIM素子911,1011の面積をSNL1、第二MIM素子910,1010の面積をSNL2、MIM素子の絶縁体膜厚をtNL、絶縁体の比誘電率をεNL、真空の誘電率をεとすると、第一MIM素子の容量CNL1と第二MIM素子の容量CNL2はそれぞれ、
NL1=ε・εNL・SNL1/tNL…(1)
NL2=ε・εNL・SNL2/tNL…(2)
となる。一方第一画素電極905,1005の面積をSLC1、第二画素電極906,1006の面積をSLC2、液晶層の厚さ、すなわち第1基板と第2基板のギャップをtLC、液晶の比誘電率をεLCとすると第一画素電極に対応する液晶容量CLC1と第二画素電極に対応する液晶容量CLC2はそれぞれ
LC1=ε・εLC・SLC1/tLC…(3)
LC2=ε・εLC・SLC2/tLC…(4)
となる。
【0077】
1例として視角特性を向上させる為に、
LC1/CNL1>CLC2/CNL2…(5)
の関係を満たす様にすると、正面から見たコントラストは主として第一画素電極905,1005により十分大きくなる。又第二画素電極906,1006は斜めから見たときのコントラストを良くする事に寄与し、結果として広視野角を作り出す事となっている。第二画素電極の一部が第一画素電極の内側にまで延在され、互いに包含されている為、視野角特性は平均化され広い角度に渡って同一のコントラストが得られるので有る。これは特に中間調表示の画面を斜めから見たときに顕著となり、画面のネガポジ反転(白黒反転)を広い角度に渡って防止するのに大きな効果がある。実施例1と同様、式(5)に式(1)〜(4)を代入して整理すると、
LC1/SNL1>SLC2/SNL2…(6)
となり単に面積比を変えれば上記の効果が得られる事が分かる。従来技術に比べ、構造やプロセスを複雑にする事なく、液晶駆動電極をパターニングする際のフォトマスクを変更する事のみで実現できる。図8,図9では第二画素電極面積の方が第一画素電極面積よりも大きくなっているが、この画素面積間の大小関係は液晶の種類や液晶層の厚さ、使用する印加電圧範囲等に基付き最適化される。唯、実施例1にも記述した様に本発明は単に高画質と広視野角を共に改善するにのみならず、一方の画素電極が不良であっても自動的に他方の画素によって欠陥補修されるとの利点も有している。こうした欠陥補修との観点からは第一画素電極905,1005の面積と第二画素電極906,1006の面積が等しい事が好ましい。もし何方か一方の画素電極面積が他方の画素電極面積よりも著しく大きければ、大きい画素電極に接続するMIM素子が不良となったとき、生き残っている正常なMIM素子に接続する画素電極が著しく小さくなり、その為に欠陥補修が効果的に行われないからで有る。即ち広視野角と高画質を両立させ、更に効果的に欠陥補修させるとの観点からは第一画素電極面積SLC1と第二画素電極面積SLC2は等しい事が好ましい。
【0078】
LC1=SLC2…(7)
このとき第一非線型抵抗素子で有る第一MIM素子の面積SNL1と第二非線型抵抗素子で有る第二MIM素子の面積SNL2の関係を
NL1<SNL2…(8)
とすれば、
LC1/SNL1>SLC2/SNL2…(6)
の関係を満たし、上述の効果を実現できる。本発明の液晶駆動電極は第一画素電極と第二画素電極の二つの画素電極に分割されているが、第一画素電極の外側を取り囲む第二画素電極の一部が第一画素電極の内側に延在されているが故、実質的には液晶駆動電極の外側から中心に向かって第二画素電極、第一画素電極、第二画素電極の三重構造になっている。この結果、実施例1に記した発明に比べても本発明は更に広視野角が実現されている。先に記した様に欠陥補修との観点からは第一画素電極面積と第二画素電極面積が等しい事が好ましいが、実質的に三重構造となっており、その内の二つが第二画素電極で有るとの事実からは第二画素電極面積SLC2は第一画素電極面積SLC1の2倍程度が好ましい。実施例1と同様に第一画素電極面積SLC1の第一画素電極と第二画素電極を合わせた面積SLC1+SLC2に対する比をκとすると
κ=SLC1/(SLC1+SLC2)…(9)
(6)式を満たした状態で高画質と広視野角を両立させ、更に効果的に欠陥補修し得る好ましいκの値は0.05から0.8で有り、より好ましくは0.1から0.7、更に好ましくは0.2から0.6で、理想的には0.3から0.5の間で有る。
【0079】
視野角特性は前述の(5)式を満たす関係、或いは(6)式を満たす関係に有るときに向上する。
【0080】
LC2/CNL2=m(CLC1/CNL1)…(10)
上記(10)式にて係数mを定義すると(5)式(6)式は
<1…(11)
と記述される。このときに画質やMIM素子構造、画素電極構造を考慮して好ましいmの値の範囲は0.001から0.999で有り、より好ましくは0.01から0.99、更に好ましくは0.1から0.9で有り、理想的には0.2から0.8の間で有る。
【0081】
本実施例の様に液晶駆動電極を複数の画素電極に分割する場合、画素電極間の分離距離dが高画質を得るのに重要な役割を演ずる。これに関しては実施例1に詳述した事情と全く同じで有る。分離距離dが10μm以下で有ればコントラストの低下は殆ど問題にならず、7μm以下ではコントラストの低下は全く認められない。更に5μm以下ではノーマリー白表示モードで黒表示させたときの光漏れも全く認められない。
【0082】
他の一例としては上述と反対の場合も有効で有る。
【0083】
LC1/CNL1<CLC2/CNL2…(12)
すなわち
LC1/SNL1<SLC2/SNL2…(13)
としても画素電極の実質的な三重構造には変わりがない為、上述と全く同様の効果が得られる。第一画素電極面積SLC1と第二画素電極面積SLC2を等しくした場合、
LC1=SLC2…(7)
第一非線型抵抗素子で有る第一MIM素子の面積SNL1と第二非線型抵抗素子で有る第二MIM素子の面積SNL2の関係を
NL1>SNL2…(14)
とすれば(13)式の関係は満たされ、広視野角と高画質は両立し、更に効果的に欠陥補修も可能となる。第二画素電極面積SLC2の第一画素電極と第二画素電極を合わせた面積SLC1+SLC2に対する比をκとすると
κ=SLC2/(SLC1+SLC2)…(15)
前述と同様、(13)式を満たした状態で高画質と広視野角を両立させ、更に効果的に欠陥補修し得る好ましいκの値は0.2から0.95で有り、より好ましくは0.3から0.9、更に好ましくは0.4から0.8で、理想的には0.5から0.7の間で有る。
【0084】
視野角特性は前述の(12)式を満たす関係、或いは(13)式を満たす関係に有るときに向上する。
【0085】
LC1/CNL1=m(CLC2/CNL2)…(16)
上記(16)式にて係数mを定義すると(12)式(13)式は
<1…(17)
と記述される。このときに画質やMIM素子構造、画素電極構造を考慮して好ましいmの値の範囲は0.001から0.999で有り、より好ましくは0.01から0.99、更に好ましくは0.1から0.9で有り、理想的には0.2から0.8の間で有る。
【0086】
本発明の液晶駆動電極は二つの画素電極が外側から順に第二画素電極、第一画素電極、第二画素電極との順番に並ぶ三重構造に実質上なっている。液晶表示装置を正面から見たときのコントラストは主として第一画素電極905、1005に依り確保されるが、視認される画質は液晶駆動電極全体の平均として得られる。視野角が比較点浅いときの画質補償は第一画素電極905,1005によりなされ、視野角が深いときには第二画素電極906,1006により補償されるので有る。
【0087】
尚本実施例で用いられるMIM型非線型抵抗素子は第1導電体としてTaやTaMo、TaW、TaSi、TaSiW等のTaを成分とする合金、あるいはAl、Alを成分とする合金等が可能で有り、この場合陽極酸化法あるいは熱酸化法によりこれらの第一導電体を酸化して絶縁体が形成されてもよい。又、これらの合金や他の導電体を第1導電体として用いた場合、絶縁体はスパッタ法やプラズマCVD法により成膜した窒化ケイ素を用いても良いのは他実施例と同様で有る。
【0088】
〔実施例6〕
本発明の別な一例を図10を用いて説明する。図10も実施例5の図8と同様、第1基板101側に形成されたMIM素子とそのMIM素子に接続した画素電極の形状を示している。一つの液晶駆動電極は第一画素電極1105と第二画素電極1106に分割されている。第一画素電極1105には導電体−絶縁体−導電体を順次積層した構造を有する第一非線型抵抗素子で有る第一MIM素子1111が接続されており、第二画素電極1106にはやはり導電体−絶縁体−導電体を順次積層した構造を有する第二非線型抵抗素子で有る第二MIM素子1110が接続されている。この様に構成されている液晶駆動電極が複数個マトリックス状に第1基板側に形成され、第2基板102との間に挟持された液晶層109の光学状態を各液晶駆動電極毎に制御する事で情報表示が可能となる。この辺の事情は前述の実施例1や実施例5記載の発明の一例と全く同様で有る。図10に示す本発明の特徴は第二画素電極1106が第一画素電極1105を囲い、且つ第二画素電極1106の一部が第一画素電極1105の内側に延在されて居り、更に第一画素電極1105の一部は第二画素電極1106の内側に延在されている点に有る。こうする事により広視野角特性の改善と高画質の両立はより一層容易になり、設計上の自由度も高まる。加えて第一画素電極と第二画素電極が複雑に絡み合う関係になっている為、点欠陥の修復能力が実施例1や実施例5の発明に比べても尚勝っている。図16に代表される従来技術の液晶駆動電極は単純に二分割されているに過ぎぬから、片方の画素電極が欠陥品で有るとき、そこは点欠陥として視認されてしまう。しかるに実施例5の図8や図9、或いは本実施例の図10に示すがごとき液晶駆動電極は分割された二つの画素電極が複雑に絡み合っている為、仮令一方の画素電極が不良で有っても正常な情報に対応する光と異常な情報に対応する光が混合し、致命的欠陥には到らぬ訳で有る。換言すれば、スイッチング素子にMIM素子を用いるとか、或いはTFT素子を用いるかとのスイッチング素子材に関係なく、一つの液晶駆動電極を二つ以上の複数の画素電極に分割して点欠陥に対する自動修復能力を装備させようとするならば、分割された複数の画素電極が互いに複雑に絡み合っていた方が光混合が確実に生じてより効果的に欠陥補修が成されるので有る。それ故実施例1の図1に示す発明は図16に代表される従来技術よりも欠陥補修能力が優れ、図1よりは実施例5の図8の方が更に勝っているので有る。同じ理由で本実施例の図10は図8よりも更に欠陥補修能力は高い訳で有る。この結果は液晶駆動電極が大きい液晶表示装置ほど顕著と化す。
【0089】
次に本発明が単に欠陥自動修復能力に優れているにのみならず、高画質と高視野角特性もやはり優れている点を説明する。今第一MIM素子1111の面積をSNL1、第二MIM素子1110の面積をSNL2、MIM素子の絶縁体膜厚をtNL、絶縁体の比誘電率をεNL、真空の誘電率をεとすると、第一MIM素子の容量CNL1と第二MIM素子のCNL2はそれぞれ、
NL1=ε・εNL・SNL1/tNL…(1)
NL2=ε・εNL・SNL2/tNL…(2)
となる。一方第一画素電極1105の面積をSLC1、第二画素電極1106の面積をSLC2、液晶層の厚さ、すなわち第1基板と第2基板のギャップをtLC、液晶の比誘電率をεLCとすると第一画素電極に対応する液晶容量CLC1と第二画素電極に対応する液晶容量CLC2はそれぞれ
LC1=ε・εLC・SLC1/tLC…(3)
LC2=ε・εLC・SLC2/tLC…(4)
となる。
【0090】
1例として視角特性を向上させる為に、
LC1/CNL1>CLC2/CNL2…(5)
の関係を満たす様にすると、正面から見たコントラストは主として第一画素電極1105により十分大きくなる。又第二画素電極1106は斜めから見たときのコントラストを良くする事に寄与し、結果として広視野角を作り出す事となっている。第二画素電極の一部が第一画素電極の内側にまで延在され、更に第一画素電極の一部が第二画素電極の内側に延在され互いに複雑に絡み合っている為、視野角特性は平均化され広い角度に渡って同一のコントラストが得られる結果と化す。これは特に中間調表示の画面を斜めから見たときに顕著となり、画面のネガポジ反転(白黒反転)を実施例5の図8に比べても尚広い角度に渡って防止するのに大きな効果がある。実施例1や実施例5と同様、式(5)に式(1)〜(4)を代入して整理すると、
LC1/SNL1>SLC2/SNL2…(6)
となり単に面積比を変えれば上記の効果が得られる事が分かる。言う迄も無く、本発明に於いても従来技術に比べ構造やプロセスを複雑にする事なく、液晶駆動電極をパターニングする際のフォトマスクを変更する事のみで実現できる。図10に示す発明の一例では第一画素電極の面積と第二画素電極面積との関係に特別な配慮は払っていないが、この画素面積間の大小関係は液晶の種類や液晶層の厚さ、使用する印加電圧範囲等に基付き最適化される。但し他の実施例にも記述した様に本発明は高画質と広視野角を共に改善すると同時に欠陥補修を自動的に行う事も可能となっている。こうした欠陥補修との観点からはやはり第一画素電極1105の面積と第二画素電極1106の面積が等しい事が好ましい。もし何方か一方の画素電極面積が他方の画素電極面積よりも著しく大きければ、大きい画素電極に接続するMIM素子が不良となったとき、生き残っている正常なMIM素子に接続する画素電極が著しく小さくなり、その為に欠陥補修が効果的に行われないからで有る。即ち広視野角と高画質を両立させ、更に効果的に欠陥補修させるとの観点からは第一画素電極面積SLC1と第二画素電極面積SLC2は等しい事が好ましい。
【0091】
LC1=SLC2…(7)
このとき第一非線型抵抗素子で有る第一MIM素子の面積SNL1と第二非線型抵抗素子で有る第二MIM素子の面積SNL2の関係を
NL1<SNL2…(8)
とすれば、
LC1/SNL1>SLC2/SNL2…(6)
の関係を満たし、上述の効果を実現できる。本発明の液晶駆動電極は第一画素電極と第二画素電極の二つの画素電極に分割されており、第一画素電極の外側を取り囲む第二画素電極の一部が第一画素電極の内側に延在されており、更に第一画素電極の一部は第二画素電極の内側に延在されているが故、実質的には液晶駆動電極の外側から中心に向かって第二画素電極、第一画素電極、第二画素電極、第一画素電極の四重構造になっている。四重構造の内の二重分は第一画素電極が占め、残りの二重分が第二画素電極によって占有されている。即ち一つの液晶駆動電極を二つの画素電極が略半分づつ構成している事になる。先に記した様に欠陥補修との観点からも第一画素電極面積と第二画素電極面積が等しい事が好ましいから、実施例1と同様に二つの画素面積は等しい事が望まれる。先と同様に第一画素電極面積SLC1の第一画素電極と第二画素電極を合わせた面積SLC1+SLC2に対する比をκとすると
κ=SLC1/(SLC1+SLC2)…(9)
高画質と広視野角を両立させ、更に効果的に欠陥補修し得る好ましいκの値は0.1から0.9で有り、より好ましくは0.2から0.8、更に好ましくは0.3から0.7で、理想的には0.4から0.6の間で有る。
【0092】
視野角特性は前述の(5)式を満たす関係、或いは(6)式を満たす関係に有るときに向上する。
【0093】
LC2/CNL2=m(CLC1/CNL1)…(10)
上記(10)式にて係数mを定義すると(5)式(6)式は
<1…(11)
と記述される。このときに画質やMIM素子構造、画素電極構造を考慮して好ましいmの値の範囲は0.001から0.999で有り、より好ましくは0.01から0.99、更に好ましくは0.1から0.9で有り、理想的には0.2から0.8の間で有る。
【0094】
本実施例の様に液晶駆動電極を複数の画素電極に分割する場合、画素電極間の分離距離dが高画質を得るのに重要な役割を演ずる点も他実施例と同様で有る。
これに関しては実施例1に詳述した事情と全く同じで有る。分離距離dが10μm以下で有ればコントラストの低下は殆ど問題にならず、7μm以下ではコントラストの低下は全く認められない。更に5μm以下ではノーマリー白表示モードで黒表示させたときの光漏れも全く認められない。
【0095】
他の1例としては上述と反対の場合も有効で有る。
【0096】
LC1/CNL1<CLC2/CNL2…(12)
すなわち
LC1/SNL1<SLC2/SNL2…(13)
としても画素電極の実質的な四重構造には変わりがない為、上述と全く同様の効果が得られる。第一画素電極面積SLC1と第二画素電極面積SLC2を等しくした場合、
LC1=SLC2…(7)
第一非線型抵抗素子で有る第一MIM素子の面積SNL1と第二非線型抵抗素子で有る第二MIM素子の面積SNL2の関係を
NL1>SNL2…(14)
とすれば(13)式の関係は満たされ、広視野角と高画質は両立し、更に効果的に欠陥補修も可能となる。第二画素電極面積SLC2の第一画素電極と第二画素電極を合わせた面積SLC1+SLC2に対する比をκとすると
κ=SLC2/(SLC1+SLC2)…(15)
前述と同様、高画質と広視野角を両立させ、更に効果的に欠陥補修し得る好ましいκの値は0.1から0.9で有り、より好ましくは0.2から0.8、更に好ましくは0.3から0.7で、理想的には0.4から0.6の間で有る。
【0097】
視野角特性は前述の(12)式を満たす関係、或いは(13)式を満たす関係に有るときに向上する。
【0098】
LC1/CNL1=m(CLC2/CNL2)…(16)
上記(16)式にて係数mを定義すると(12)式(13)式は
<1…(17)
と記述される。このときに画質やMIM素子構造、画素電極構造を考慮して好ましいmの値の範囲は0.001から0.999で有り、より好ましくは0.01から0.99、更に好ましくは0.1から0.9で有り、理想的には0.2から0.8の間で有る。
【0099】
本発明の液晶駆動電極は二つの画素電極が外側から順に第二画素電極、第一画素電極、第二画素電極、第一画素電極との順番に並ぶ四重構造に実質上なっている。液晶表示装置を正面から見たときのコントラストは主として第一画素電極1105により確保されるが、視認される画質は液晶駆動電極全体の平均として得られる。視野角が比較点浅いときの画質補償は第一画素電極1105によりなされ、視野角が深くなると第二画素電極1106により補償されるので有る。視野角が更に深くなると画質補償は再度第一画素電極1105により成され、最深時には第二画素電極1106が二度目の画質補償を行う事になる。本実施例では図10に示す画素電極形状を例として論じてきたが、高画質と高視野角の両立及び欠陥自動修復能力の見地に立つと第一画素電極とそれを取り囲む第二画素電極はより複雑に絡み合っているのが好ましい。
【0100】
尚本実施例で用いられるMIM型非線型抵抗素子は第1導電体としてTaやTaMo、TaW、TaSi、TaSiW等のTaを成分とする合金、あるいはAl、Alを成分とする合金等が可能で有り、この場合陽極酸化法あるいは熱酸化法によりこれらの第一導電体を酸化して絶縁体が形成されてもよい。又、これらの合金や他の導電体を第1導電体として用いた場合、絶縁体はスパッタ法やプラズマCVD法により成膜した窒化ケイ素を用いても良いのは他実施例と同様で有る。
【0101】
〔実施例7〕
本発明に係わる別の一例を図11を用いて説明する。図11は第一基板側に形成された非線型抵抗素子で有るMIM素子と複数(図11の例では4個)の同心状画素電極より成る一つの液晶駆動電極を示している。非線型抵抗素子で有るMIM素子は導電体−絶縁体−導電体を順次積層した構造を有しており、各画素電極には一つのMIM素子が接続されている。この様なMIM素子と液晶駆動電極が複数個マトリックス状に第1基板側に形成され、第2基板との間に挟持された液晶層の光学状態を各液晶駆動電極毎に制御する事で情報表示が可能になる。図11に示す発明の特徴は一つの液晶駆動電極が複数個の同心状画素電極に分割され、各同心状画素電極にはそれぞれ非線型抵抗素子が設けられている点に有る。実際、図11の例では一つの液晶駆動電極が内側から順に第一画素電極1211、第二画素電極1212、第三画素電極1213、第四画素電極1214と4分割され、各画素電極には第一MIM素子1201、第二MIM素子1202、第三MIM素子1203、第四MIM素子1204が接続されている。図11の例では液晶駆動電極の分割個数は4個で有るが、この数は複数個で有れば幾つで有っても構わない。分割数が2個の場合は図1を用いて実施例1にて説明した発明に対応する。後に説明する様に分割数が多い程高画質が広い視野角に渡って得られるが、余り沢山の同心状画素電極に分割し過ぎると各画素電極の幅が各画素電極間の分離距離dに近くなってしまう。こうした事態に陥ると仮令画素電極間の分離距離が小さくとも光漏れやコントラストの低下は免れないからで有る。従って液晶駆動電極の最大分割数は各画素電極の最小幅が分離距離の3倍程度以上となる数が好ましい。例えば液晶駆動電極の大きさが縦150μm、横100μmでMIM素子の幅(図11ではWで記述)が10μm、画素電極間分離距離dが2.5μmとした場合、各画素電極の最小幅は分離距離の3倍程度だから2.5μm×3=7.5μm程度で有る。分離距離2.5μmと最小画素電極幅7.5μmを合わせた最小ピッチは10μmとなる。従ってこの例では最大分割数は図11の様に4個となる。この様な条件を満たしている限り、画素分割により画素電極間分離領域に起因するコントラストの低下や光漏れは生じない。
【0102】
液晶駆動電極が本発明の様に複数個の同心状画素電極に分割されていると、まず極めて効果的に欠陥補修が成される。例えば図11で第一MIM素子1201が不良で第一画素電極1211が正しい情報表示を行わなくとも、他の正常なMIM素子と画素電極でこの欠陥を補償できるからで有る。液晶駆動電極をn個の同心状画素電極に分割すれば、各画素電極の全体に対する寄与はおよそ1/nで有る。従って分割数が多い程、一つの画素電極が不良となったときの正常な情報表示からのずれは小さくなるので有る。加えて、もし画素電極の分離距離が1μm程度以下で、各画素電極の最大幅が5μm程度以下で有れば、仮令一つのMIM素子が不良で有っても、その不良素子を含む液晶駆動電極は略完全に等しい正しい情報を表示出来る。図11の例で各画素電極の最大幅wmaxが5μm、分離距離dが1μmで有るとしよう。今第三MIM素子1203が不良で第三画素電極1213には全く電位が掛からない状況を考える。この場合従来の液晶表示装置では一つの液晶駆動電極に一つのMIM素子が接続されているから、当然画素欠陥となる。又本発明に有ってもwmaxが非常に大きければ第三画素電極1213と第二基板に挟まれた液晶は全く応答せず、この液晶駆動電極に対応する液晶の内、約1/nは正常な光学状態にならない。(最も異常な成分の割合が1/n程度だから欠陥補修で有るのだが。)所が各画素電極の最大幅が5μm程度以下で有れば、この例の場合、正常に動作する第二画素電極1212と第四画素電極1214間の距離が7μm程度となり、これら両画素電極には殆ど同じ情報が供与される事となる。実施例1で画素電極間分離距離dの演ずる役割を説明したが、それと全く同じ原理で不良の第三画素電極1213上の液晶も正常に応答し、その結果この液晶駆動電極は略完全に等しい正しい情報表示が可能になる。こうした作用が効果的に働く為には各画素電極の最大幅が小さい事が必要となる。一方で前述の如く画素電極間分離距離は画素電極の最小幅の1/3以下がコントラストや光漏れ等の課題より好ましい。一例を述べると画素電極間分離距離が1μmの場合、最小画素電極幅は3μm以上で最大画素電極幅は5μm以下で有る。画素電極間分離距離が0.5μmの場合、最小画素電極幅は1.5μm以上で最大画素電極幅は6μm程度以下で有る。分離距離が0.5μmと小さいときには最小画素電極幅を2.5μm以上、最大画素電極幅を4μm以下とすれば、より好ましい。同様に画素電極間分離距離が0.1μmで有れば最小画素電極幅は0.3μm以上で最大画素電極幅は6.8μm以下で有る。最小画素電極幅は分離距離の3倍以上で有れば大きければ大きい程コントラストや光漏れの点より好ましく、最大画素電極幅は最大画素電極幅に分離距離の2倍を加えた値が7μm程度より小さければ小さい程欠陥補修能力は向上する。従って分離距離は小さければ小さい程良い。但し可視光波長の上限が0.8μm程度で有るので最小画素電極幅はやはり0.8μm程度以上は必要となる。即ち画素電極間分離距離が0.1μmならば、最小画素電極幅は0.8μm以上がより好ましく、更に好ましくは1.5μm以上、理想的には2.5μm以上で有る。一方このときの最大画素電極幅は4.8μm以下がより好ましく、望ましくは3.8μm以下、理想的には2.8μm以下で有る。画素電極間分離距離が0.1μmで最小画素電極幅と最大画素電極幅が共に2.8μmで有る場合、最小ピッチは3.0μmとなり、先の液晶駆動電極幅が100μmの例では一つの液晶駆動電極を13個から14個の同心状画素電極に分割できる。前述した欠陥自動補修能力の点からも、後述する高画質と高視野角の同時改善との点からも同心状画素電極への分割数は多い方が好ましいから、この例に従うと極めて優良な液晶表示装置が実現される。
【0103】
次に液晶駆動電極をn個(n≧2の整数)の同心状画素電極に分割し、i番目(iは1からnの間の任意の整数)の同心状画素電極の面積をSLCiとし、その同心状画素電極に設けられた非線型抵抗素子の面積をSNLiとしたとき、n個のSLCi/SNLiが総て同じで無ければ高画質と高視野角が得られる事を説明する。実施例1でも詳述した様にn個のSLCi/SNLiの値はそれぞれn個のCLCi/CNLiに等しくなる。ここでCLCiとはi番目の同心状画素電極に制御される液晶の容量であり、CNLiはi番目の同心状画素電極に設けられたMIM型非線型抵抗素子の容量で有る。従ってn個のSLCi/SNLiの値が一つでも異なっていれば、n個のCLCi/CNLiの値もそれに対応するものが異なり、視野角特性が向上するので有る。尚、各画素電極は同じ同心状で有るから視角特性はどの方向から見ても向上する。原理的にはn個のSLCi/SNLiの値が少なくとも二種類以上有れば従来例に比べて視角特性は向上する。しかしながら、より広い視角特性を得るにはn個のSLCi/SNLiの値にはなるべく沢山の種類が有った方が好ましく、可能ならばn個の値が総て皆異なっている状況が望まれる。一般にこれらの値は単に面積を変えるだけで済むので容易に達成される。図11の例では第一MIM素子1201も第二MIM素子1202も第三MIM素子1203も第四MIM素子1204も、総て皆同じ素子面積を有している。即ち、
NL1=SNL2=SNL3=SLN4…(28)
の関係に有る。一方各同心状画素電極の面積は
LC1<SLC2<SLC3<SLC4…(29)
として有る。従って面積比は
LC1/SNL1<SLC2/SNL2<SLC3/SNL3<SLC4/SNL4…(30)
と四個のSLCi/SNLiの値は総て異なり、この比は内側の同心状画素電極に行く程小さくなっている。この場合第四画素電極1214に制御される液晶に印加される実効電圧が最大となり、正面から見たときのコントラストは第四画素電極1214で定まる。視野角が正面からずれたときには順次内側の画素電極がコントラスト補償を行う事となる。即ち視野角が比較的浅いときは主として第三画素電極に1213がコントラスト補償を行い、それよりも視野角が大きくなると主にコントラスト補償を行う画素電極は第二画素電極1212へと移り、視野角が更に大きくなると第一画素電極1211がコントラスト補償を主として受け持つ事となる。この例が示す様に分割された各画素電極面積とその画素電極に接続したMIM型非線型抵抗素子面積との比SLCi/SNLiは総て異なっていた方がより広い視野角が得られる。更にこの比の変化具合はこの例が示す様に外側から内側に向かって単調に変化するのが好ましい。即ち最も内側に位置する画素電極を第一画素電極とし、それに接続したMIM型非線型抵抗素子を第一MIM素子と名付け、以下順次外側に進むにつれ第二、第三とし、最も外側に位置する画素電極とMIM型非線型抵抗素子をそれぞれ第n画素電極及び第nMIM素子としたとき、
LCi/SNLi<SLCi+1/SNLi+1…(31)
か、
LCi/SNLi>SLCi+1/SNLi+1…(32)
となっているのが好ましい。但しここでiは1からn−1の間の任意の整数で有る。(31)式のiに1,2,3を代入すると先の例で示した(30)式の関係が得られ、SLCi/SNLiの値は内側に行く程小さくなる。反対に(32)の場合はSLCi/SNLiは外側に行く程小さくなる。この場合正面からのコントラスト補償は最も内側に位置する第一画素電極によって行われ、視角が深くなったときのコントラスト補償は順次外側の画素電極によって受け持たれ、最も視角が深くなったときは最も外側に位置する第n画素電極によってコントラストは補償される。この様な関係は各画素電極の幅を調整したり、或いはMIM素子部の第二導電体面積を調整する等により得られる。。図11の例が示す様に、
NLi=SNLi+1…(33)
(iは1からn−1の間の任意の整数)と総ての非線型抵抗素子面積が等しければ、
LCi<SLCi+1…(34)
により(31)式が満たされ、
LCi>SLCi+1…(35)
で(32)式が満たされる。(34)、(35)いずれの式でも高画質と広視野角が得られるのは先に説明した通りで有る。この様に素子面積を総て等しくし、画素電極面積を変えて広視野角を得る場合、自動的に最も大きい画素電極が最大のSLCi/SNLiの値を有する事となる。即ち(34)式を満たす関係に有るときは最も外側に位置する第n画素電極面積SLCnが最大で、その結果n個のSLCi/SNLiの値の内、SLCn/SNLnが最大となる。同様に(35)式を満たす関係に有るときは最も内側に位置する第一画素電極面積SLC1が最大で、n個のSLCi/SNLiの内SLC1/SNL1が最大となる。正面からのコントラストはn個のSLCi/SNLiの内で最大の物によって得られるから、最も大きい同心状画素電極が正面からの画素を保障する事となる。本発明により高画質と広視野角が容易に両立するが、その内でも特に正面からの画質を重視する場合、この様に(33)〜(35)を満たす事で最も使用状況が多い状態で確実に高画質が得られるので有る。
【0104】
ここまではMIM素子面積が等しく、画素電極面積を異ならせて高画質と広視野角を得てきたが、その逆も無論可能で有る。即ち各画素電極面積を等しくし、MIM素子面積を異ならせるので有る。先と同様、一つの液晶駆動電極をn個の同心状画素電極に分割し、内側から外側に向かって一番からn番目の番号を定義したとき、
LCi=SLCi+1…(36)
により、総ての画素電極面積は等しくなる。但しここでもiは1からn−1の間の任意の整数で有る。更に
NLi>SNLi+1…(37)
とすれば(31)の関係式が得られ、
NLi<SNLi+1…(38)
とすれば(32)の関係式が得られる。(37)式は最も内側に位置する第一MIM素子の面積が最大で、以下外側のMIM素子程小さくなっていき、最も外側に位置する第nMIM素子の面積が最小となっている。(38)式はこの反対で内側のMIM素子が外側のMIM素子よりも小さい事を表している。このMIM素子面積を異ならせて画素電極面積を総て等しくした液晶表示装置は視野角特性が著しく改善される。最小MIM素子が接続した画素電極が正面からの画質を保障し、最大MIM素子が接続した画素電極が視野角が最も深いときのコントラストを保障するからで有る。これらの画素電極面積が総て皆等しい事は取りも直さず正面からの画質も深視野角からの画質も同等で有る事を意味する。従ってここで説明した関係(36)〜(38)を満たす液晶表示装置は特に広視野角が必要となる装置に最適で有る。同時にこの液晶表示装置は効果的な自動欠陥修復能力を備えている。各画素電極面積が皆等しいから、どの一つの画素電極が不良で有っても正常な情報からのずれは常に1/nと化すが故で有る。
【0105】
MIM素子面積が等しく画素電極面積が異なる場合にしろ、画素電極面積が等しくMIM素子面積が異なる場合にしろ、或いは(31)式の様に面積比(SLCi/SNLiを今後面積比と呼ぶ。)が内側程小さい場合にしろ、逆に(32)式の様に外側程小さい場合にしろ、面積比は内側から外側に向かって単調に変化するのが好ましい。液晶表示装置のコントラスト特性は視野角が深くなって行くに従い単調に連続的に変化する。それ故そのコントラスト補償を主として行う同心状画素電極も単調に連続的な変化を行えば自然になめらかな感じで画質保障が行われるので有る。その意味では一つの液晶駆動電極のn個の同心状画素電極への分割個数は多ければ多い程良い。分割個数が少なければ主としてコントラスト補償を行う同心状画素電極はステップ状の飛び飛びの変化を示すが、分割個数が多ければ連続的な変化に近づいて行くからで有る。分割個数nが非常に多ければ連続的に変化するコントラストの視野角依存性に合致する様に各面積比を略連続的に定める事が可能になり、コントラストの視野角依存性を抹消する事も可能となる。高画質と広視野角をより確実に得る為には分割個数nを出来る限り大きくし、面積比を内側から外側に向けて単調に変化させる事が肝要なので有る。
【0106】
尚本実施例で用いられるMIM型非線型抵抗素子は第1導電体としてTaやTaMo、TaW、TaSi、TaSiW等のTaを成分とする合金、あるいはAl、Alを成分とする合金等が可能で有り、この場合陽極酸化法あるいは熱酸化法によりこれらの第一導電体を酸化して絶縁体が形成されてもよい。又、これらの合金や他の導電体を第1導電体として用いた場合、絶縁体はスパッタ法やプラズマCVD法により成膜した窒化ケイ素を用いても良いのは他実施例と同様で有る。
【0107】
〔実施例8〕
本発明の別な一例を図12と図13を用いて説明する。図12と図13は第1基板側に形成されたスイッチング素子とそのスイッチング素子に接続した画素電極の形状を示している。本発明の液晶表示装置は液晶を駆動する為に第一基板側にマトリックス状に形成された複数個の液晶駆動電極と、この液晶駆動電極に接続されたスイッチング素子とで構成されて居る。一つの液晶駆動電極は櫛歯状第一画素電極と櫛歯状第二画素電極に分割されて居り、櫛歯状第一画素電極には第一スイッチング素子が接続され、櫛歯状第二画素電極には第二スイッチング素子が接続されて居る。更に櫛歯状第一画素電極と櫛歯状第二画素電極は互いに噛合って居るので有る。本実施例ではスイッチング素子としてMIM型非線型抵抗素子を用いて居るが、本発明の第一の特徴はこの様な画素電極形状に有るのでスイッチング素子としてはTFT素子等他のスイッチング素子も可能で有る。図12では櫛歯状第一画素電極と櫛歯状第二画素電極は水平方向に互いに噛合って居り、図13では櫛歯状第一画素電極と櫛歯状第二画素電極は垂直方向に互いに噛合って居る。実施例2で図3を用いて説明した様に、液晶表示画面の垂直(上下又は縦)方向に高視野角が求められるときには図12に示す様に二つの櫛歯状画素電極を水平方向に噛み合わせる。反対に液晶表示画面の水平(左右又は横)方向に高視野角が求められるときには図13に示す様に二つの櫛歯状画素電極を垂直方向に噛み合わせる。一つの液晶駆動電極は櫛歯状第一画素電極1311、1331、1411、1431と櫛歯状第二画素電極1312、1332、1412、1432に分割されている。櫛歯状第一画素電極1311には導電体−絶縁体−導電体を順次積層した構造を有する第一スイッチング素子で有る第一非線型抵抗素子(第一MIM素子)1301が接続されており、櫛歯状第二画素電極1312にはやはり導電体−絶縁体−導電体を順次積層した構造を有する第二スイッチング素子で有る第二非線型抵抗素子(第二MIM素子)1302が接続されている。以下同様に櫛歯状第一画素電極1331には第一MIM素子1321が接続され、櫛歯状第二画素電極1332には第二MIM素子1322が接続されている。又、櫛歯状第一画素電極1411には第一MIM素子1401が接続され、櫛歯状第二画素電極1412には第二MIM素子1402が接続されて居る。更に櫛歯状第一画素電極1431には第一MIM素子1421が接続され、櫛歯状第二画素電極1432には第二MIM素子1422が接続されているので有る。この様に構成されている液晶駆動電極が複数個マトリックス状に第1基板側に形成され、第2基板との間に挟持された液晶層の光学状態を各液晶駆動電極毎に制御する事で情報表示が可能となる。この辺の事情は図1に示される前述の実施例1記載の発明の一例と全く同様で有る。図12及び図13に示す発明の特徴は櫛歯状第一画素電極と櫛歯状第二画素電極が互いに噛み合って一つの液晶駆動電極を構成し、各画素電極には独立なスイッチング素子が設けられている点に有る。これにより点欠陥の自動修復が効果的に行われる。実施例6にて図10を用いて説明した様に一つの液晶駆動電極を二つの画素電極に分割して欠陥自動修復能力を装備させる場合、分割された二つの画素電極は互いに複雑に絡み合っていた方が良い。これにより二つの画素電極を通過した光が混合するからで有る。例えば今、ノーマリー白表示モードで黒表示しようとしたとき、一方のスイッチング素子が不良でそのスイッチング素子には黒表示に対応する電位が掛からない状況を考える。図16に示す従来の液晶表示装置では光混合が全く生じないので不良素子に接続した画素電極上の液晶はまっすぐに光を透過し、事実上程度の小さい輝点欠陥となっていた。ところが本発明では光混合が生じるので不良画素に対応する白と正常画素に対応する黒が混じり合って、中間の灰色となる。無論正しく表示されるべき情報は今の例では黒だから、灰色表示は厳密には不良情報を表示している事を意味する。しかし液晶表示装置を実用する上では小さい輝点欠陥と灰色表示とでは雲泥の差が有る。輝点欠陥は大変目立つ為致命的だが、灰色の欠陥はかなり注意して見ないと通常は見つからないからで有る。即ち本発明は窮めて効果的に欠陥自動補修を行っている。櫛歯状画素電極の櫛歯の幅wと画素電極間分離距離dの関係、及び互いに噛み合っている櫛歯の数(図12、図13の例ではそれぞれ2個の櫛歯が噛み合っている。)の関係は実施例7にて図11を用いて説明した同心状画素電極の最小幅、最大幅wmaxと画素電極間分離距離d及び画素電極の分割個数の関係に等しい。即ち光漏れやコントラストの低下を招かぬ為には櫛歯の最小幅は画素電極間分離距離dの3倍以上が必要で有る。又先と同様、画素電極間分離距離dが10μm以下で有ればコントラストの低下は殆ど問題にならず、7μm以下ではコントラストの低下は全く認められない。更に5μm以下ではノーマリー白表示モードで黒表示させたときの光漏れも全く認めらなくなる。もし画素電極間分離距離が1μm程度以下で、各櫛歯の最大幅が5μm程度以下で有れば、仮令一方のMIM素子が不良で有っても、他方のMIM素子と其に接続した櫛歯状画素電極に依りその不良素子を含む液晶駆動電極は略完全に等しい正しい情報を表示出来る。この辺の事情は実施例7と同様で有る。即ち一例として、画素電極間分離距離を1μmとすると、櫛歯の最小幅は3μm以上で最大幅は5μm以下で有る。或いは画素電極間分離距離を0.5μmとした場合、櫛歯の最小幅は1.5μm以上で最大幅は矢張5μm程度以下で有る。分離距離が0.5μmと小さいときには櫛歯の最小幅を1.5μm以上、最大電極幅を4μm以下とすれば、より好ましい。同様に画素電極間分離距離が0.1μmで有れば最小幅は0.3μm以上で最大幅は3.8μm以下で有る。櫛歯の最小幅は分離距離の3倍以上で有れば大きければ大きい程コントラストや光漏れの点より好ましく、最大幅は最大幅に分離距離の2倍を加えた値が7μm程度より小さければ小さい程欠陥補修能力は向上する。従って分離距離は小さければ小さい程良い。先にも述べた様に可視光波長の上限が0.8μm程度で有るので最小画素電極幅はやはり0.8μm程度以上は必要となる。結局画素電極間分離距離が0.1μmならば、櫛歯の最小幅は0.8μm以上がより好ましく、更に好ましくは1.5μm以上、理想的には2.5μm以上で有る。一方このときの最大幅は4.8μm以下がより好ましく、望ましくは3.8μm以下、理想的には2.8μm以下で有る。
【0108】
こうする事により広視野角特性の改善と高画質の両立はより容易になり、設計上の自由度も高まる。加えて第一画素電極と第二画素電極が互いに交互に噛み合って居る構造と成って居る為、点欠陥の修復能力が実施例1の発明に比べても尚勝っている。
【0109】
さてこれ迄の議論と同様に第一MIM素子1301,1321,1401,1421の面積をSNL1、第二MIM素子1302,1322,1402,1422の面積をSNL2、MIM素子の絶縁体膜厚をtNL、絶縁体の比誘電率をεNL、真空の誘電率をεとすると、第一MIM素子の容量CNL1と第二MIM素子の容量CNL2はそれぞれ、
NL1=ε・εNL・SNL1/tNL…(1)
NL2=ε・εNL・SNL2/tNL…(2)
となる。一方櫛歯状第一画素電極1311,1331,1411,1431の面積をSLC1、櫛歯状第二画素電極1312,1332,1412,1432の面積をSLC2、液晶層の厚さ、すなわち第1基板と第2基板のギャップをtLC、液晶の比誘電率をεLCとすると櫛歯状第一画素電極に対応する液晶容量CLC1と櫛歯状第二画素電極に対応する液晶容量CLC2はそれぞれ
LC1=ε・εLC・SLC1/tLC…(3)
LC2=ε・εLC・SLC2/tLC…(4)
となる。
【0110】
一例として視角特性を向上させる為に、
LC1/CNL1>CLC2/CNL2…(5)
の関係を満たす様にすると、正面から見たコントラストは主として櫛歯状第一画素電極1311,1331,1411,1431により十分大きくなる。又櫛歯状第二画素電極1312,1332,1412,1432は斜めから見たときのコントラストを良くする事に寄与し、結果として広視野角を作り出す事となっている。二つの櫛歯状画素電極が互いに噛み合って居るので、視野角特性は平均化され広い角度に渡って同一のコントラストが得られるので有る。これは特に中間調表示の画面を斜めから見たときに顕著となり、画面のネガポジ反転(白黒反転)を広い角度に渡って防止するのに大きな効果がある。実施例1と同様、式(5)に式(1)〜(4)を代入して整理すると、
LC1/SNL1>SLC2/SNL2…(6)
となり単に面積比を変えれば上記の効果が得られる事が分かる。従来技術に比べ、構造やプロセスを複雑にする事なく、液晶駆動電極をパターニングする際のフォトマスクを変更する事のみで実現できる。実施例1にも記述した様に本発明は単に高画質と広視野角を共に改善するにのみならず、一方の画素電極が不良であっても自動的に他方の画素によって欠陥補修されるとの利点も有している。こうした欠陥補修との観点からは櫛歯状第一画素電極1311,1331,1411,1431の面積と櫛歯状第二画素電極1312,1332,1412,1432の面積が等しい事が好ましい。もし何方か一方の画素電極面積が他方の画素電極面積よりも著しく大きければ、大きい画素電極に接続するMIM素子が不良となったとき、生き残っている正常なMIM素子に接続する画素電極が著しく小さくなり、その為に欠陥補修が効果的に行われないからで有る。即ち広視野角と高画質を両立させ、更に効果的に欠陥補修させるとの観点からは櫛歯状第一画素電極面積SLC1と櫛歯状第二画素電極面積SLC2は等しい事が好ましい。
【0111】
LC1=SLC2…(7)
このとき第一非線型抵抗素子で有る第一MIM素子の面積SNL1と第二非線型抵抗素子で有る第二MIM素子の面積SNL2の関係を
NL1<SNL2…(8)
とすれば、
LC1/SNL1>SLC2/SNL2…(6)
の関係を満たし、上述の効果を実現できる。MIM素子面積と櫛歯状画素電極面積の両者を最適化する場合、櫛歯状第一画素電極面積SLC1の櫛歯状第一画素電極と櫛歯状第二画素電極を合わせた面積SLC1+SLC2に対する比をκとすると
κ=SLC1/(SLC1+SLC2)…(9)
高画質と広視野角を両立させ、更に効果的に欠陥補修し得る好ましいκの値は0.1から0.9で有り、より好ましくは0.2から0.8、更に好ましくは0.3から0.7で、理想的には0.4から0.6の間で有る。
【0112】
視野角特性は前述の(5)式を満たす関係、或いは(6)式を満たす関係に有るときに向上する。
【0113】
LC2/CNL2=m(CLC1/CNL1)…(10)
上記(10)式にて係数mを定義すると(5)式(6)式は
<1…(11)
と記述される。このときに画質やMIM素子構造、画素電極構造を考慮して好ましいmの値の範囲は0.001から0.999で有り、より好ましくは0.01から0.99、更に好ましくは0.1から0.9で有り、理想的には0.2から0.8の間で有る。
【0114】
他の一例としては上述と反対の場合も有効で有る。
【0115】
LC1/CNL1<CLC2/CNL2…(12)
すなわち
LC1/SNL1<SLC2/SNL2…(13)
としても上述と全く同様の効果が得られる。櫛歯状第一画素電極面積SLC1と櫛歯状第二画素電極面積SLC2を等しくした場合、
LC1=SLC2…(7)
第一非線型抵抗素子で有る第一MIM素子の面積SNL1と第二非線型抵抗素子で有る第二MIM素子の面積SNL2の関係を
NL1>SNL2…(14)
とすれば(13)式の関係は満たされ、広視野角と高画質は両立し、更に効果的に欠陥補修も可能となる。櫛歯状第二画素電極面積SLC2の櫛歯状第一画素電極と櫛歯状第二画素電極を合わせた面積SLC1+SLC2に対する比をκとすると
κ=SLC2/(SLC1+SLC2)…(15)
前述と同様、高画質と広視野角を両立させ、更に効果的に欠陥補修し得る好ましいκの値は0.1から0.9で有り、より好ましくは0.2から0.8、更に好ましくは0.3から0.7で、理想的には0.4から0.6の間で有る。
【0116】
視野角特性は前述の(12)式を満たす関係、或いは(13)式を満たす関係に有るときに向上する。
【0117】
LC1/CNL1=m(CLC2/CNL2)…(16)
上記(16)式にて係数mを定義すると(12)式(13)式は
<1…(17)
と記述される。このときに画質やMIM素子構造、画素電極構造を考慮して好ましいmの値の範囲は0.001から0.999で有り、より好ましくは0.01から0.99、更に好ましくは0.1から0.9で有り、理想的には0.2から0.8の間で有る。
【0118】
尚本実施例で用いられるMIM型非線型抵抗素子は第1導電体としてTaやTaMo、TaW、TaSi、TaSiW等のTaを成分とする合金、あるいはAl、Alを成分とする合金等が可能で有り、この場合陽極酸化法あるいは熱酸化法によりこれらの第一導電体を酸化して絶縁体が形成されてもよい。又、これらの合金や他の導電体を第1導電体として用いた場合、絶縁体はスパッタ法やプラズマCVD法により成膜した窒化ケイ素を用いても良いのは他実施例と同様で有る。
【0119】
〔実施例9〕
本発明の別な一例を図14と図15を用いて説明する。図14と図15は第1基板側に形成されたスイッチング素子とそのスイッチング素子に接続した画素電極の形状を示している。本発明の液晶表示装置は液晶を駆動する為に第一基板側にマトリックス状に形成された複数個の液晶駆動電極と、この液晶駆動電極に接続されたスイッチング素子とで構成されて居る。一つの液晶駆動電極は櫛歯状第一画素電極と櫛歯状第二画素電極に分割されて居り、櫛歯状第一画素電極には第一スイッチング素子が接続され、櫛歯状第二画素電極には第二スイッチング素子が接続されて居る。更に櫛歯状第一画素電極と櫛歯状第二画素電極は互いに噛合って居るので有る。本実施例ではスイッチング素子としてTFT素子を用いて居る点で実施例8と異なって居るが、互いに噛み合って居る櫛場状画素電極がもたらす効果、即ち欠陥補修能力に関しては全く同じで有る。従って櫛歯状画素電極の最小幅や最大幅wmax、及び画素電極間分離距離dの関係も実施例8で詳述したその内容と同一で有る。更に第一画素電極の面積と第二画素電極の面積が等しければ、より効果的に欠陥補修をする事に成る。
【0120】
さて図14では一つの液晶駆動電極は櫛歯状第一画素電極1511と櫛歯状第二画素電極1512に分割されて居り、櫛歯状第一画素電極1511には第一薄膜トランジスタ1501が接続され、櫛歯状第二画素電極1512には第二薄膜トランジスタ1502が接続されて居る。ここでは第一薄膜トランジスタも第二薄膜トランジスタも同一導電タイプとして居る。それ故第一薄膜トランジスタのゲート電極も第二薄膜トランジスタのゲート電極も共通の走査線152に接続され、更に共通の信号電位を第一及び第二画素電極に印加する為に第一薄膜トランジスタのソース電極と第二薄膜トランジスタのソース電極も共通の信号線153に接続されて居る。この様な構成とした場合、一つの液晶駆動電極が一つの画素電極から成り一つの薄膜トランジスタに依りスイッチングされる従来の液晶表示装置と全く同じ製造工程にて本願発明の液晶表示装置が製造され、更に従来と全く同じ駆動方法にて本願発明の液晶表示装置を駆動し得る。結局従来技術に対して何等新たな負荷を加える事無く、上述した効果的な自動欠陥補修能力を備えさせる事が可能と成るので有る。
【0121】
一方図15では一つの液晶駆動電極が第一画素電極1611と第二画素電極1612に分割されて居り、第一画素電極1611には第一薄膜トランジスタ1601が接続され、第二画素電極1612には第二薄膜トランジスタ1602が接続されて居る。ここで第一薄膜トランジスタのゲート電極は第一走査線1621に接続されて居り、第二薄膜トランジスタのゲート電極は第二走査線1622に接続されて居る。又第一薄膜トランジスタのソース電極と第二薄膜トランジスタのソース電極は共通の信号線163に接続されて居る。更に第一薄膜トランジスタ1601と第二薄膜トランジスタ1602は互いに逆導電タイプと成って居る。例えば第一薄膜トランジスタ1601がN型導電タイプで有れば、第二薄膜トランジスタ1602はP型導電タイプで有る。これに相応して第一走査線と第二走査線とには常に同じタイミングで逆極性の走査信号が印加される。先の例に則ると走査線1621と1622が同時に選択されると、N型TFTが接続された第一走査線にはHighの信号電位が印加されN型TFT1601はon状態と成り、他方P型TFTが接続された第二走査線にはLowの信号電位が印加されてP型TFT1602もon状態と成る。反対にこれらの信号線が非選択の状態ではN型TFTが接続された第一走査線にはLowの信号電位が印加され、P型TFTが接続された第二走査線にはHighの信号電位が印加され、両TFTはoff状態と成る。第一薄膜トランジスタも第二薄膜トランジスタも同一の信号線163に接続されて居り、更に常に同一のタイミングでon−offを行う為、第一画素電極と第二画素電極とには常に同一の信号電位が印加される。本願ではこの様に液晶駆動電極に接続されたスィッチング素子がCMOS構成を取っている。その為信号電位の極性の正負に拘り無く常に正しい電位が液晶駆動電極に全体として印加され得る。例えば正極性の信号電位が信号線163に入ったとき、スィッチング素子がN型TFTだけから成る従来の液晶表示装置ではゲート電位(Vgs)が低下して仕舞い、それが故トランジスタのon抵抗が増大して限られた選択時間内に正しい電位を液晶駆動電極に印加出来ないで居た。これに対して本願発明ではCMOS構成と成って居る為、どちらか一方のTFTは必ず完全on状態と成る。先の例に従えばN型TFTのゲート電位は低下してN型TFTのon抵抗は大きく成って居るが、その一方でP型TFTのゲート電位が増大しP型TFTのon抵抗は最小と化して居る(P型TFTが完全on状態)。負極性の信号電位が信号線163に印加されたときはこの例の反対でN型TFTが完全on状態と成る。換言すれば従来の液晶表示装置が信号電位に応じてTFTのon抵抗が変動して正しい情報を表示出来ないで居たのに対して、本願発明では信号電位に拘り無くon抵抗は平均化されてその変動は小さく成り、故に常に正しい情報が表示され得るので有る。加えて本願発明では櫛歯状画素電極により光混合(第一画素電極により変調された光と第二画素電極により変調された光の混合)が行われて居る為平均化は更に進み、あらゆる表示信号に対して常に正しい表示が可能に成る訳で有る。画素スィッチング素子をCMOS TFTとする事は製造上の新たな工程を求められる様に感ぜられるが、多結晶半導体(例えばpoly−Si)TFTにて走査線回路や信号線回路を基板上に内蔵する場合にはCMOS回路が通常採用されるので、こうした液晶表示装置では本願発明は新たな工程を全く追加するに至らない。斯様な視点からは本願発明は特に多結晶薄膜半導体装置にて周辺回路(走査線回路や信号線回路などの一部乃至は全部)を内蔵した液晶表示装置に適して居ると言える。
【0122】
さて第一薄膜トランジスタ1601をN型導電タイプとし、第二薄膜トランジスタ1602をP型導電タイプとしたとき、第一薄膜トランジスタが接続した第一画素電極1611の面積は第二薄膜トランジスタが接続した第二画素電極1612の面積よりも大きい事が好ましい。これはN型TFTとP型TFTのトランジスタサイズ(チャンネルの長さや幅)を同じにしたときN型TFTのon抵抗の方がP型TFTのon抵抗よりも小さい事に由来する。こうする事で先に述べた平均化は更に進み、より正確な情報表示が実現されるので有る。無論第一画素電極1611と第二画素電極1612が櫛歯状で互いに噛合って居れば、光混合に依る平均化も同時に達成されて更に好ましい。
【0123】
これ迄の実施例で詳述して来た様に一つの液晶駆動電極を複数の画素電極に分割するときには其々の画素電極面積が等しい事が望まれる。これに依り欠陥の自己補修能力が一段と向上するからで有る。従ってN型TFTとP型TFTのon抵抗の相違を画素電極面積の相違にて相殺させる上述の方法よりも、二つの画素電極面積を同一として素子特性を同じにした方が優れていると言える。これは液晶駆動電極が第一画素電極1611と第二画素電極1612に分割されて居り、第一画素電極にはN型導電タイプの第一薄膜トランジスタ1601が接続され、第二画素電極にはP型導電タイプの第二薄膜トランジスタ1602が接続され、第一薄膜トランジスタのゲート電極は第一走査線1621に接続されて居り、第二薄膜トランジスタのゲート電極は第二走査線1622に接続されて居り、第一薄膜トランジスタのチャンネル長をL、チャンネル幅をWとし、第二薄膜トランジスタのチャンネル長をL、チャンネル幅をWとしたとき、
/L<W/L
との関係式を満たす事で達成される。これはN型TFTとP型TFTのチャンネルコンダクタンス(移動度や閾値電圧により定まる電気伝導度)の相違をチャンネルディメンジョン(LやW)で調整してon抵抗を揃える物で有る。普通はN型TFTのチャンネルコンダクタンスのほうがP型TFTのチャンネルコンダクタンスよりも大きい為、上述の関係式の様にN型TFTのW/LをP型TFTのW/Lよりも小さくすれば両TFTのon電流を揃える事が出来、それ故二つの画素電極面積を同一としてもなお、二つの画素電極電位を同等とする事が実現される。無論これはレイアウトの都合などから両TFTのWが等しいなどと云った場合、第一薄膜トランジスタのチャンネル長が第二薄膜トランジスタのチャンネル長より長いとの関係でも達成される。同様に第一薄膜トランジスタのチャンネル幅が第二薄膜トランジスタのチャンネル幅よりも狭いとしても構わない。第一画素電極及び第二画素電極は図15に示す様に櫛歯状で互いに噛合って居り、両者の面積が等しい事が理想で有るが、必ずしもこれらの条件が満たされずともある程度の効果は期待される。
【0124】
【発明の効果】
本発明により液晶駆動電極を第一画素電極と、この第一画素電極の周辺を囲む様に構成した第二画素電極にて分割し、それぞれに独立して設けた第一MIM素子、第二MIM素子で駆動する事により、あらゆる方向からの視角特性が向上し、欠陥補修が可能となる。又、第一画素電極、第二画素電極、第一MIM素子、第二MIM素子のそれぞれの面積をSLC1、SLC2、SNL1、SNL2とし、SLC1/SNL1とSLC2/SNL2の比を変える事により、第一画素電極により駆動される液晶層の実効電圧と、第二画素電極により駆動される液晶層の実効電圧を別々に制御でき、視角特性が向上できる。更に、
LC1/SNL1>SLC2/SNL2
の関係を満たす事により、液晶表示装置を正面から見たときのコントランストを第一画素電極で確保し、斜めから見たときのコントラストを第二画素電極で確保し、画面を斜めから見たときのネガポジ反転を防止でき、表示品位の高い液晶表示装置を実現できる。(10)式の係数mや(16)式の係数mの値を限定する事に依り視野角特性は著しく向上する。又、(7)式と(8)式、あるいは(7)式と(14)式を満たす事に依り高視野角と高画質を両立し、更に効果的に欠陥補修出来る。(9)式のκや(15)式のκを数値限定する事に依り高視野角と高画質が両立する。
【0125】
LC1/SNL1<SLC2/SNL2
の関係を満たす事により、液晶表示装置を正面から見たときのコントラストを第二画素電極で確保し、斜めから見たときのコントラストを第一画素電極で確保し、視野角の広い液晶表示装置を実現できる。これらは単に面積比を変える事により上記効果が得られ、構造やプロセスを複雑化する事なく、フォトマスクを変更するという簡単な手段で実現できる。
【0126】
更に、一つの液晶駆動電極をn個の画素電極に分割し、それぞれの画素電極を独立したMIM素子で駆動する事により、視角特性を向上させる自由度が広げられる。例えばn=3と分割したとき、それぞれ画素電極の面積をSLC1、SLC2、SLC3とし、それぞれの画素電極を駆動するMIM素子の面積をそれぞれSNL1、SNL2、SNL3とし、
LC3/SNL3>SLC2/SNL2>SLC1/SNL1
あるいは、
LC3/SNL3<SLC2/SNL2<SLC1/SNL1
あるいは、
LC3/SNL3=SLC1/SNL1<SLC2/SLC2
あるいは、
LC3/SNL3<SLC1/SNL1<SLC2/SNL2
あるいは、
LC1/SNL1<SLC3/SNL3<SLC2/SNL2
のいずれかの関係を満たす事により、視角特性を飛躍的に向上できる。更に液晶駆動電極を3分割に限定せず、n分割とする事により、より大きな効果が期待でき、特にPC用あるいはEWS用等に用いられる対角25cm〜50cm程度の大型液晶表示装置に適用した場合、目を固定していても画面の上下でコントラスト、色調が違うという問題を解決できる。
【0127】
また、液晶駆動電極を2分割し、それぞれを独立して駆動する2個のMIM素子の絶縁体の厚さを変える事により、非線型特性を制御し、その結果、視角特性の向上が可能となる。或いはMIM素子の絶縁体の厚さのみならず面積も同時に変える事により、視角特性向上の自由度が大幅に広げられる。
【0128】
更にMIM素子の絶縁体を陽極酸化法により形成する際、2つのMIM素子の絶縁体を別々の種類の溶液により陽極酸化し、絶縁体の非線型特性を制御する事ができ、先と同様の効果が期待できる。
【0129】
液晶駆動電極を2分割し、分割した液晶駆動電極をMIM素子で結合する事により、液晶層に印加される実効電圧を別々に制御し、対角特性を向上できる。
【0130】
又液晶駆動電極を複数個の画素電極に分割し、其々の画素電極により変調される光を効果的に混合する事により欠陥補修能力や階調表示特性を著しく向上せしめた。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は実施例1に係る本発明の液晶表示装置を示す図である。
【図2】図2は従来の液晶表示装置を示す図である。
【図3】図3は実施例2に係る本発明の液晶表示装置を示す図である。
【図4】図4は実施例3に係る本発明の液晶表示装置を示す図である。
【図5】図5は実施例3の本発明に係る陽極酸化時の概略図である。
【図6】図6は実施例4に係る本発明の液晶表示装置を示す図である。
【図7】図7は実施例4に係る本発明の液晶表示装置の等価回路を示す図である。
【図8】図8は実施例5に係る本発明の液晶表示装置を示す図である。
【図9】図9は実施例5に係る本発明の液晶表示装置を示す図である。
【図10】図10は実施例6に係る本発明の液晶表示装置を示す図である。
【図11】図11は実施例7に係る本発明の液晶表示装置を示す図である。
【図12】図12は実施例8に係る本発明の液晶表示装置を示す図である。
【図13】図13は実施例8に係る本発明の液晶表示装置を示す図である。
【図14】図14は実施例9に係る本発明の液晶表示装置を示す図である。
【図15】図15は実施例9に係る本発明の液晶表示装置を示す図である。
【図16】図16は従来の液晶表示装置を示す図で有る。
【符号の説明】
101、201、401、601、701…第1基板
102、202、402、702…第2基板
103、203、403、703…第1導電体
104、204、404、705…絶縁体
105、407、507、706、905、1005、1105、1211、1703…第一画素電極
106、406、508、707、906、1006、1106、1212、1704…第二画素電極
1213…第三画素電極
1214…第四画素電極
1311、1331、1411、1431、1511、1611…櫛歯状第一画素電極
1312、1332、1412、1432、1512、1612…櫛歯状第二画素電極
108、206、708、802…データ線
109、112、113、114、207、409、415、416、417、709、806、807…液晶層
111、410、509、710、803、911、1011、1111、1201、1301、1321、1401、1421、1705…第一MIM素子
110、411、510、711、804、910、1010、1110、1202、1302、1322、1402、1422、1706…第二MIM素子
1203…第三MIM素子
1204…第四MIM素子
205…液晶駆動電極
208…MIM素子
405…第三画素電極
412、712、805…第三MIM素子
408、506、801…走査配線
413、414…矢印
501、602…第1データ線
502、603…第2データ線
503…第1絶縁体
504…第2絶縁体
511、604…端子エリア
505…パット電極
605…第1陽極酸化パット
606…第2陽極酸化パット
607、608…破線
704…第3導電体
1015、1016…第二導電体
1701…対向電極
1702…配線
1501、1601…第一薄膜トランジスタ
1502、1602…第二薄膜トランジスタ
152…走査線
153…信号線
1621…第一走査線
1622…第二走査線
163…信号線

Claims (7)

  1. 薄膜トランジスタに接続された液晶駆動用電極がマトリクス状に複数配置されており、前記液晶駆動電極によって液晶を駆動する液晶表示装置において、
    前記液晶駆動電極は各々離間して形成された第一画素電極、及び第二画素電極を含み、
    前記第一画素電極には第一薄膜トランジスタが接続され、
    前記第二画素電極には第二薄膜トランジスタが接続され、
    前記第一薄膜トランジスタのゲート電極は第一走査線に接続されており、
    前記第二薄膜トランジスタのゲート電極は第二走査線に接続されており、
    前記第一薄膜トランジスタと前記第二薄膜トランジスタとは互いに逆導電タイプであり、前記第一走査線及び前記第二走査線を介して同じタイミングで互いに逆極性の信号が前記第一薄膜トランジスタ及び前記第二薄膜トランジスタのゲート電極にそれぞれ印加されることを特徴とする液晶表示装置。
  2. 前記第一薄膜トランジスタはN型導電タイプであり、
    前記第二薄膜トランジスタはP型導電タイプであり、
    前記第一薄膜トランジスタが接続した第一画素電極の面積は、前記第二薄膜トランジスタが接続した第二画素電極の面積よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
  3. 前記第一薄膜トランジスタはN型導電タイプであって、前記第一薄膜トランジスタのチャンネル長をL1、チャンネル幅をW1、とし、
    前記第二薄膜トランジスタはP型導電タイプであって、前記第二薄膜トランジスタのチャンネル長をL2、チャンネル幅をW2、としたとき、
    1/L1<W2/L2
    との関係式を満たす事を特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
  4. 前記第一薄膜トランジスタはN型導電タイプであり、
    前記第二薄膜トランジスタはP型導電タイプであり、
    前記第一薄膜トランジスタのチャンネル長は、前記第二薄膜トランジスタのチャンネル長より長い事を特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
  5. 前記第一薄膜トランジスタは、N型導電タイプであり、
    前記第二薄膜トランジスタは、P型導電タイプであり、
    前記第一薄膜トランジスタのチャンネル幅は、前記第二薄膜トランジスタのチャンネル幅よりも狭い事を特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
  6. 前記第一画素電極及び前記第二画素電極は櫛歯状で、互いに噛合うように配置されてなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の液晶表示装置。
  7. 前記第一画素電極の面積と前記第二画素電極との面積が等しいことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の液晶表示装置。
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