JP3520323B2 - 裁断機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 【０００１】 【発明の属する技術分野】本発明は、往復裁断が可能な
回転刃の裁断機に関する。 【０００２】 【従来の技術】自走式の丸刃や角刃等による回転刃の裁
断機は、図４に示す如く、テーブル１上に配置された溝
２を有するレール３上をモーター４と回転刃５によって
構成される裁断機６の回転刃５を回転させながら移動さ
せ、移転刃５の一部が溝２内に対向して共に移動する下
刃７とによってレール３上に所定の長さに延ばされた布
（シートを含む。）を裁断するものである。 【０００３】裁断に際しては、裁断機６をレール３の所
定の一側に待機させた状態で、巻かれている布を所定の
長さに巻き戻して延ばし、上記の如く、レール３上でそ
の個所を裁断することになる。 【０００４】 【発明が解決しようとする課題】このような従来技術に
よると、裁断に際しては、必ず裁断機をレールの所定の
一側に一旦待機させることになる。これは、一回の裁断
に対して裁断機を必ずレール上で一往復させなければな
らないことになる。そのために裁断機を元の待機位置に
戻してからでないと次の裁断のための布の延反作業がで
きず、作業手順に無駄があると共に裁断の作業時間が長
くなるという問題があった。 【０００５】 【課題を解決するための手段】そこで本発明は、テーブ
ル上のレールに沿って移動して延反された布を裁断する
自走式の裁断機において、裁断機本体に搭載してある１
つのモータの駆動軸に対して２つの回転刃を裁断機本体
の移動方向に並べて配置し、上記駆動軸に取り付けた駆
動輪に一方の回転刃の作動軸に取り付けた作動輪および
２つの伝導輪を無端状の伝導体を介して連結して駆動輪
の駆動力を作動輪に伝達し、また、他方の回転刃の作動
軸に取り付けた作動輪と上記２つの伝導輪の一方の伝導
輪を無端状の伝導体によって連結して駆動輪の駆動力を
作動輪に伝達して両回転刃の回転方向が互いに異なるよ
うに連結したことを特徴とする。 【０００６】 【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態例を図
面を用いて説明する。図１は裁断装置の全体説明図、図
２は裁断機の一側面図、図３は裁断機の他側面図であ
り、図において、８は裁断機本体であり、従来の一般技
術と同様に支持具９に支えられている。 【０００７】この支持具９は、従来と同様にテーブル１
０に設けた溝を有するレール１１に沿って移動するよう
にレール１１内に設けた図示しない駆動体に連結支持さ
れており、裁断機本体８をレール１１に沿って往復運動
するように支持している。１２、１３はこの裁断機本体
８の前後に設けた丸刃や角刃の回転刃であり、互いに反
対方向に回転をする。本形態例では回転刃１２が反時計
方向とすると、回転刃１３は時計方向である。 【０００８】この各回転刃１２、１３にはレール１１の
溝内でそれぞれ各回転刃１２、１３と共に移動する図示
しない下刃が接触するように対向配置されている。この
各回転刃と下刃の関係は従来の技術と同様である。１４
は動力源であるモータであり、その駆動軸１５端にプー
リーや歯車等による駆動輪１６が設けてある。 【０００９】上記各回転刃１２、１３の各回転軸１７、
１８にはプーリーや歯車等による作動輪１９、２０が設
けてある。２１、２２はプーリーや歯車等による伝導輪
である。これらの駆動輪、作動輪および伝導輪は図３に
示す如く、無端状のベルトやチェーン等による伝導体に
よって駆動される。駆動輪１６、作動輪１９および両伝
導輪２１、２２は伝導体２３によって駆動輪１６の駆動
力を作動輪１９に伝達する。 【００１０】また、作動輪２０は伝導輪２１と伝導体２
４を介して連結する。伝導輪２１は上記伝導体２３によ
って駆動輪１６の駆動力を得ており、その伝達されたを
駆動輪１６の駆動力を作動輪２０に伝達することにな
る。したがって、上記の如く、本形態例では回転刃１２
は反時計方向、回転刃１３は時計方向に回転する。しか
も、両回転刃１２、１３は両方が常に一緒に回転し、進
行方向前方の回転刃によって裁断することになる。 【００１１】回転刃１２、１３には砥石が接触できるよ
うになっていること等は従来の回転刃の裁断機と同様で
ある。上記レール１１の両端はテーブル１０の側端より
突出しており、両側に裁断機本体８を待機させることが
できるようになっている。なお、図１において、２５は
布、２６は押さえレール、２７は制御ボックス、２８は
走行駆動部であり、これらは従来の装置と同様である。 【００１２】なお、上記の構成において、裁断機本体を
支持具によって移動可能にテーブル上に設置したが、他
の従来の構造としてテーブル上方に設けたレールに移動
可能に裁断機本体を懸下する構造もあり、本裁断機本体
もそのような懸下式の構造に用いても同様である。以上
の構成によると、レール１１上の裁断機本体８をテーブ
ル１０の任意の一側に待機させる。そのとき、進行方向
前方の裁断を行う回転刃の回転は、裁断に際して回転刃
が布の上面から下面方向に回転する方向である。 【００１３】そこで、テーブル１０上に布２５が押さえ
レール２６によって所望の長さに延ばされると、裁断機
本体８は支持具９に支持されてレール１１に沿ってテー
ブル１０上を自走移動して進行方向前方の回転刃１２
（１３）によってレール１１上で所望の寸法に裁断され
る。テーブル１０上を自走移動した裁断機本体８は、テ
ーブル１０端で停止し、再びテーブル１０上に布２５が
押さえレール２６によって所望の長さに延ばされると、
自走移動して上記とは反対側になる進行方向前方の回転
刃１３（１２）によって裁断することになる。 【００１４】したがって、押さえレール２６によって引
き延ばす作業とそれを裁断する作業とを交互に行って布
を順次所定の長さに迅速に裁断することができる。この
ようにして裁断できる本裁断機は、延反機において積層
された布の裁断に用いてもまったく同様に使用すること
ができる。 【００１５】 【発明の効果】以上詳細に説明した本発明によると、裁
断機本体の前後部にそれぞれ回転刃を配置し、一つのモ
ーターの駆動軸からからそれらの回転刃の回転方向が異
なるように連結したことにより、テーブル上を往復する
裁断機がその往復の両方共に裁断を行うことができ、そ
れによって裁断機の移動毎に延反して裁断することがで
きることになり、裁断機の待機時間が短く、裁断作業の
速度が格段に向上することになる。 【００１６】また、モーターが一つであることにより、
重量が極端にふえることがなく、従来のテーブルおよび
レールを使用することが可能であり、大きな変更なくし
て従来の装置に取り付けることが可能となる効果を有す
る。

【図面の簡単な説明】 【図１】裁断装置の全体説明図 【図２】裁断機の一側面図 【図３】裁断機の他側面図 【図４】裁断装置の従来例の説明図 【符号の説明】 ８ 裁断機本体 ９ 支持具 １０ テーブル １１ レール １２，１３ 回転刃 １４ 動力源 １５ 駆動軸 １６ 駆動輪 １７，１８ 回転軸 １９，２０ 作動輪 ２１，２２ 伝導輪 ２３，２４ 伝導体

Claims (1)

1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項１】 テーブル上のレールに沿って移動して延
   反された布を裁断する自走式の裁断機において、 裁断機本体に搭載してある１つのモータの駆動軸に対し
   て２つの回転刃を裁断機本体の移動方向に並べて配置
   し、上記駆動軸に取り付けた駆動輪に一方の回転刃の作
   動軸に取り付けた作動輪および２つの伝導輪を無端状の
   伝導体を介して連結して駆動輪の駆動力を作動輪に伝達
   し、また、他方の回転刃の作動軸に取り付けた作動輪と
   上記２つの伝導輪の一方の伝導輪を無端状の伝導体によ
   って連結して駆動輪の駆動力を作動輪に伝達して両回転
   刃の回転方向が互いに異なるように連結したことを特徴
   とする裁断機。