JP3520317B2 - 低沸点有機化合物の固形化方法、その取り扱い方法及び固形状集合体からの低沸点有機化合物の再生方法 - Google Patents

低沸点有機化合物の固形化方法、その取り扱い方法及び固形状集合体からの低沸点有機化合物の再生方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低沸点の(常温で
気体の)有機化合物を固形状とする方法、及びこの固形
状物をもとの状態の気体状有機化合物に再生する方法、
並びにこれらを利用した低沸点有機化合物の取り扱い方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】石油化学工業の規模が年々拡大され、有
機化合物が大量生産、大量消費されるようになったこ
と、更に、天然ガスが大量に使用されるようになったこ
とに伴い、大気汚染、水質汚染、タンカーの事故による
海洋汚染、火災、爆発事故など、人類、生物の生存をも
脅かす公害や事故が世界的に頻発しており、石油化学物
質をはじめとする有機化合物の取り扱いが大きな問題と
なっている。これらの公害、事故の原因の1つは不完全
燃焼、漏洩、放出など、いわば人為的ミス、安全対策の
不備であるが、もう1つ、その根本的な理由は、いうま
でもないが、公害、事故を引き起こした有機化合物の多
くが揮発性の高い液体、または気体であることである。
とりわけ、常温で気体の有機物質を、安全に取り扱える
ことは、石油化学、天然ガス化学工業の、基本的な必要
条件である。また、工業原料などとして使用されている
有機化合物の相当部分が気体であることは、保存、輸送
などの際の取り扱い方法、コストなどに大きく影響す
る。これは天然ガス利用なども含めた現代石油化学の、
いわば基本的なことであり、石炭化学や木炭などの固形
燃料の利用に変換すれば解決できるという問題ではな
い。
【0003】このような問題を考慮すると、気体の有機
化合物を、保存、輸送等においてより安全な形態として
取り扱うことが考えられる。このような試みとしては例
えば、メタン等の有機気体を、水分子同士の水素結合に
よって形成される籠構造の中に取り込んで、安定な水和
物として取り扱う、メタンハイドレート(より一般的に
はガスハイドレート)の試みがあるが、未だ、実用化に
耐える技術にまで完成されているとは言えない。また、
メタンハイドレート(ガスハイドレート)の場合には、
本質的に、有機気体に比べて、数倍以上の分子数の水を
必要とするため、極めて大量の、不要な水を、同時に取
り扱わなければならない。また、例えば水素の場合に
は、水素ガスを可逆的に、繰り返し、吸蔵、放出できる
水素吸蔵合金が提案されているが、有機化合物について
は、このように可逆的に吸蔵、放出しうる物質は見出さ
れていない。したがって、保存、輸送等においては、気
体の有機化合物を安全な固形状として扱うことができ、
使用時には固形状物よりもとの有機化合物を取り出すこ
とができることが望ましい。このような有機化合物固形
化物質の条件としては、繰り返し使用できるものであ
ること、化学的に比較的安定であること、大量に使
用されることが想定されるので、安全かつ無害な物質で
あり、万一、貯蔵系外への流出が発生しても危険が少な
いこと、などが考えられる。
【0004】常温で揮発しない液体の炭化水素化合物を
固形化する方法としては、特開昭55−75493号、
特開昭59−142274号に記載の方法が提案されて
いるが、常温で気体又は揮発性の高い液体の有機化合物
を固化する方法については記載がなく、また、これらに
記載されている固化物は、必要な時に分解して有機化合
物だけを取り出し、再使用することを目的とするもので
はない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】したがって本発明は、
上記のような条件を満足する物質を利用して、低沸点有
機化合物の可逆的な固形状化を実現する方法を提供する
ことを目的とし、低沸点有機化合物を固形状物とする方
法、及びこの固形状物よりもとの状態の低沸点有機化合
物を取り出す方法、並びにこれらを利用した低沸点有機
化合物の取り扱い方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、n−パラフ
ィンと、長鎖アルキル基を有する界面活性剤との水中に
おけるファンデルワールス力に基づく相互作用について
検討する過程で、この界面活性剤が短鎖n−パラフィン
と容易に巨視的集合体を形成し、低沸点、低融点のn−
パラフィンをも固定して、固体状にできることを見出
し、さらに、他の有機化合物も固形化することができる
ことを見出した。本発明はこの知見に基づき検討を重
ね、なされたものである。
【0007】すなわち本発明は、 ()水中に懸濁させた脂肪族カルボン酸金属塩及び高
沸点有機化合物と、常温で気体の低沸点有機化合物を接
触させて、前記脂肪族カルボン酸金属塩、高沸点有機化
合物及び低沸点有機化合物よりなる固形状集合体を形成
させる方法であって、脂肪族カルボン酸金属塩/高沸点
有機化合物のモル比を1/10〜1/1000、脂肪族
カルボン酸金属塩/水のモル比を1/50〜1/500
0、とすることを特徴とする低沸点有機化合物の固形化
方法、 (低沸点有機化合物の量が、カルボン酸金属塩/低
沸点有機化合物のモル比で、1/10〜1/1000、
である(1)項記載の低沸点有機化合物の固形化方法、 )水中に懸濁させた脂肪族カルボン酸金属塩及び高
沸点有機化合物と、常温で気体の低沸点有機化合物を接
触させて、前記脂肪族カルボン酸金属塩、高沸点有機化
合物及び低沸点有機化合物よりなる固形状集合体を形成
させるに当り、脂肪族カルボン酸金属塩/高沸点有機化
合物のモル比を1/10〜1/1000、脂肪族カルボ
ン酸金属塩/水のモル比を1/50〜1/5000、と
し、形成した固形状集合体を貯蔵ないしは輸送すること
を特徴とする低沸点有機化合物の取り扱い方法、及び )(1)、(2)又は()項記載の固形状集合体
を加熱して分解し、低沸点有機化合物を得ることを特徴
とする低沸点有機化合物の再生方法を提供するものであ
る。なお、本発明において固形状集合体を形成させる有
機化合物は、炭素原子及び水素原子のみからなる化合物
であり、酸素原子、窒素原子、イオウ原子等を含まない
のが好ましい。上記固形状集合体は、水中においてカル
ボン酸金属塩と、このような有機化合物から形成される
が、形成された集合体中には水を含有しない。本発明の
固形状集合体は、通常室温(20〜25℃)以下、好ま
しくは室温以下において密閉容器中で、安定に固形状態
を維持するものであって、好ましくは70℃以上の加熱
による分解で低沸点有機化合物を取り出せる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明において用いるカルボン酸
金属塩は、特に制限はないが、好ましくは直鎖もしくは
分岐状、又は炭素鎖の途中に不飽和結合を有するカルボ
ン酸の金属塩である。カルボン酸金属塩の炭素数は、好
ましくは4〜22、特に好ましくは11〜18である。
金属の種類は特に制限はなく、通常金属セッケンに含ま
れる金属の塩を用いることができるが、好ましくはナト
リウム、カリウムである。本発明で用いることのできる
カルボン酸金属塩として、具体的には例えば、ラウリン
酸ナトリウム、トリデカン酸ナトリウム、ミリスチン酸
ナトリウム、ペンタデカン酸ナトリウム、パルミチン酸
ナトリウム、ヘプタデカン酸ナトリウム、ステアリン酸
ナトリウムなどがあげられる。
【0009】本発明においては、上記カルボン酸金属塩
及び高沸点有機化合物を水に懸濁させた懸濁液中で、低
沸点有機化合物を接触させて固形状にする。本発明にお
ける高沸点有機化合物は、常温で固体、又は液体であっ
て蒸気圧があまり大きくないもの(容易に気化してしま
わないもの)であり、好ましくは沸点が60℃以上のも
のである。好ましくは炭素数6〜18の飽和又は不飽和
脂肪族炭化水素化合物(直鎖、分岐のいずれでもよい)
又は炭素数6〜9の芳香族炭化水素化合物である。具体
的には例えばn−ヘキサン、n−ヘプタン、n−デカ
ン、2,2,4−トリメチルペンタン、1−デセン、ベ
ンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン
などがあげられる。通常、高沸点有機化合物について
は、炭素数の少ないほうが集合体形成が容易であるが、
低沸点有機化合物との集合体を形成後、元の純粋の炭化
水素に戻す際の、有機化合物同士の分離の容易さを考え
れば、高沸点有機化合物については炭素数の多いものを
用いたほうが分離しやすく、例えば固形化する低沸点有
機化合物との沸点の差が60℃以上である高沸点有機化
合物を選択するなど、実用的には、適当な組み合わせで
使用される。
【0010】本発明方法で固形状とし、さらに固形状物
より再生することのできる低沸点有機化合物は、常温で
気体のものである。好ましくは炭素数2〜5、さらに好
ましくは炭素数3〜5の、飽和又は不飽和脂肪族炭化水
素化合物であって、直鎖、分岐のいずれでもよい本発
明方法を用いることのできる低沸点有機化合物として、
具体的には例えば、プロパン、n-ブタン、イソブタン
岐状ペンタン、エチレン、アセチレン、プロピレン、
ブテン類などがあげられる。これらは、1種を単独で処
理することも、2種以上を混合系で処理することもでき
るが、単独で処理して、必要に応じて単独で純粋なもの
を取り出すことが出来ることが大きな特徴である。
【0011】高沸点有機化合物を用いず低沸点有機化合
物のみを水中でカルボン酸金属塩と接触させた場合、高
沸点有機化合物に比べて集合体を形成しにくく、比較的
容易に集合体を形成する低沸点有機化合物でも、例えば
低沸点有機化合物とカルボン酸金属塩を接触させたのち
0℃まで冷却し、これが徐々に室温になるまで放置する
などしなければならず、長時間を要する。しかし、本発
明においては、水中に高沸点有機化合物とカルボン酸金
属塩を懸濁させた懸濁液を用い、この懸濁液中でさらに
低沸点有機化合物を接触させることで、低沸点有機化合
物が集合体に取り込まれやすくなり、高沸点有機化合物
に近い条件で巨視的集合体を形成させることが可能とな
る。低沸点有機化合物の種類によっては上記のような冷
却等を全く行わず、室温での短時間の放置で固形状化が
できる。これは、カルボン酸金属塩のアルキル鎖にまず
高沸点有機化合物の炭化水素鎖がファンデルワールス力
によって固定され、この高沸点有機化合物の炭化水素鎖
に低沸点有機化合物が固定されて集合体が形成されるた
めと考えられる。この集合体は水中で形成されるが、水
と完全に分離して形成され、集合体中には水は含まれな
い。
【0012】本発明方法により巨視的集合体を形成させ
る実施態様は、特に制限はない。 カルボン酸金属塩を分散させた水溶液中へ、撹拌下で
沸点の高い有機化合物を添加し、その後で、目的とする
低沸点有機化合物を添加する方法 カルボン酸金属塩、高沸点有機化合物、水を同時に撹
拌し、その後で、目的とする低沸点有機化合物を添加す
る方法 高沸点有機化合物、低沸点有機化合物、カルボン酸金
属塩、水の4者を同時に撹拌、混合する方法 などがある。例えば、本発明方法による有機化合物の固
形状集合体の形成は、カルボン酸金属塩、高沸点有機化
合物及び水を含んでなる系内を加熱して、完全にカルボ
ン酸金属塩を溶解した後、均一に撹拌し、その後、低沸
点有機化合物をガス状で吹き込むことによって行われ
る。水は、好ましくは純水を用いる。撹拌は、カルボン
酸金属塩が均一に溶解、乳化又は懸濁するまで行うのが
好ましい。通常は、吹き込み終了後、室温で放置するこ
とによって直ちに、高沸点有機化合物及び低沸点有機化
合物とカルボン酸金属塩から成る巨視的集合体が形成さ
れ、水から完全に分離する。用いるカルボン酸金属塩
や、固形状化する高沸点有機化合物、低沸点有機化合物
の種類によっては、静置後、徐冷して室温よりも低温に
保持したり、撹拌時に80℃前後に加熱又は0℃前後に
冷却したりすることにより、より確実に固形状物が形成
される場合がある。
【0013】本発明の固形化方法におけるカルボン酸金
属塩/高沸点有機化合物のモル比は、好ましくは1/1
0〜1/500であり、カルボン酸金属塩/水のモル比
、好ましくは1/100〜1/5000である。ここ
に加える低沸点有機化合物の量は、カルボン酸金属塩/
低沸点有機化合物のモル比で、好ましくは1/10〜1
/1000、さらに好ましくは1/10〜1/500で
ある。上記のようにすることで、実際上、水中でカルボ
ン酸金属塩及び高沸点有機化合物と共存させた低沸点有
機化合物の全量を、固形状巨視的集合体とすることがで
きる。形成された巨視的集合体は、ろ過、遠心分離等の
通常の手段で、あるいは集合体を水中からつまみあげる
ことによっても、水と分離できる。この固形状集合体は
形成された後は極めて安定であり、加熱したり低温に保
持したりして形成したものを室温に戻しても、通常、安
定に保持される。例えばペンタデカン酸ナトリウムと高
沸点有機化合物及び低沸点有機化合物との集合体の場合
には、通常60℃程度までは極めて安定である。
【0014】上記の本発明方法により形成した固形状集
合体は、例えばペンタデカン酸ナトリウムと高沸点有機
化合物及び低沸点有機化合物との集合体の場合には、通
常65℃以上で分解が始まり、80℃以上に加熱すると
完全に分解する。完全に分解する温度は、カルボン酸金
属塩と有機化合物の種類により異なるが、通常70℃以
上、場合によっては50〜80℃に加熱すると巨視的集
合体は液化し、カルボン酸金属塩と高沸点有機化合物と
は2層の液となる。このとき、低沸点有機化合物は、完
全にガス化分離するので、これを収集することでもとの
低沸点有機化合物を入手できる。一方、密度差による分
離などの通常の手段で高沸点有機化合物とカルボン酸金
属塩とに分液することで、もとの状態の高沸点有機化合
物も再生、入手することができる。分離回収したカルボ
ン酸金属塩は、繰り返し使用することができる。
【0015】本発明において低沸点有機化合物は、運
搬、保存等を行うときには上記のように固形状として取
り扱うことができ、このときは固形状集合体を室温(2
0〜25℃)以下に保持して扱うことが好ましい。ま
た、この固形状集合体は、密閉した容器内に保持して取
り扱うことが好ましい。固形状集合体より低沸点有機化
合物を取り出して使用する際には、上記のように加熱、
分解を行い、ガス化成分を収集する。
【0016】
【実施例】次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細
に説明する。 実施例1 ペンタデカン酸ナトリウム10-3モル、n−ヘプタン
2×10-1モル及び純水1モルを秤量してガラス容器に
入れ、密閉し、85℃に加熱して、ボルテックスミキサ
ー(Vortex Mixer)で均一な乳濁液になるまで撹拌し
た。これを室温に戻し、n-ブタン 2×10-2モルを吹
き込んで室温に10分間放置したところ、白色の巨視的
集合体が出現し、液は無色透明の純水のみとなった。こ
れをろ過して安定な固形状集合体22g(白色ろう状)
を得た。この白色ロウ状固形集合体の、示差走査熱測定
(DSC)の結果を図1に示した。図の上側は、降温過程に
おける発熱ピーク、下側は、昇温過程における吸熱ピー
クを表す。降温側、昇温側共に-93℃の大きなピークはn
-ヘプタン、降温側-148℃、昇温側-144℃のピークはn-
ブタン、降温側-36℃、昇温側0℃のピークはn-ブタンと
ペンタデカン酸ナトリウムとの集合体、降温側55℃近
辺、昇温側47℃から70℃位までの複雑なピークはn-ヘプ
タンとペンタデカン酸ナトリウムとの集合体の、それぞ
れ、結晶化及び融解を表している。図2に図1における
n-ブタンのピークの拡大図を示す。図1、2の結果よ
り、白色ロウ状固形集合体中に、確実に、n-ブタンが保
持されていることが分かる。次にこの集合体を80℃に
加熱し、ゆるやかに振とうしたところ、10-3モルのペ
ンタデカン酸ナトリウム、n−ヘプタン 2×10-1
ル(液体)、n-ブタン 2×10-2モル(気体)が得ら
れた。
【0017】実施例2 n−ヘプタンに代えてn−デカン 2×10-1モルを用
い、実施例1と全く同様にして、丸一日の室温放置後、
n−デカン及びn-ブタンから成る安定な固形状集合体3
1gを得た。この集合体は、実施例1と同様に加熱分解
後、分離によりペンタデカン酸ナトリウムとn−デカン
(液体)及びn-ブタン(気体)に再生できた。
【0018】実施例3 n−ヘプタンに代えて2,2,4−トリメチルペンタン
2×10-1モルを用いた以外は実施例1と全く同様に
して、2,2,4−トリメチルペンタンとn-ブタンの安
定な固形状集合体25gを得た。この集合体は、実施例
1と同様に加熱分解後、分離によりペンタデカン酸ナト
リウムと2,2,4−トリメチルペンタン(液体)及び
n-ブタン(気体)に再生できた。
【0019】実施例4〜6 n−ブタンに代えてプロパン 2×10-2モルを用いた
以外は実施例1と全く同様にして、n-ヘプタンとプロパ
ンの安定な固形状集合体22gを得た。この集合体は、
実施例1と同様に加熱分解後、分離によりペンタデカン
酸ナトリウムとn-ヘプタン(液体)及びプロパン(気
体)に再生できた。プロパンに代えて、プロピレン、1
−ブテンで上記と同じ固形化及び再生を行ったところ、
いずれも安定な固形状集合体が得られ、加熱により良好
に再生できた。
【0020】実施例7〜12 ペンタデカン酸ナトリウムに代えて、ステアリン酸ナト
リウムを用いた以外は、実施例1と全く同様にして、n-
ヘプタンとn-ブタンの安定な固形状集合体22gを得
た。この集合体は、実施例1と同様の加熱分解、分離に
よりステアリン酸ナトリウムとn-ヘプタン(液体)及び
n-ブタン(気体)に再生できた。ステアリン酸ナトリウ
ムに代えて、ラウリン酸ナトリウム、トリデカン酸ナト
リウム、ミリスチン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリ
ウム、ヘプタデカン酸ナトリウムで上記と同じ固形化及
び再生を行ったところ、いずれも安定な固形状集合体が
得られ、加熱により良好に再生できた。
【0021】
【発明の効果】本発明方法によれば、種々の気体状及び
低沸点の有機化合物を、カルボン酸金属塩及び高沸点有
機化合物との間の分子間ファンデルワールス力の利用に
よって、安全かつ簡便に固形状とすることができ、有害
な試薬を用いることなく、安全に保存、輸送等できる形
態とすることができる。本発明によれば、保存、輸送等
の際には、気体の有機化合物や揮発性の高い液体を固形
状物として取り扱うことができるので、有機化合物の漏
出、発火をはじめとする事故や環境汚染を有効に防止で
き、輸送コスト等も低減できる。また、必要により加熱
によって簡便にもとの有機化合物を分離することがで
き、カルボン酸金属塩も繰り返し使用できる。このよう
な本発明方法は工業的規模においても実施することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の白色ロウ状固形集合体の、示差走査
熱測定(DSC)の結果を示すグラフである。上側は、降温
過程における発熱ピーク、下側は、昇温過程における吸
熱ピークを表す。
【図2】図1のグラフ中のn-ブタンのピークの拡大図で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−75493(JP,A) 特開2000−86541(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 7/152 C07C 7/11 C07B 61/00 C07B 63/00 C07C 9/15 C07C 9/16

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水中に懸濁させた脂肪族カルボン酸金属
    塩及び高沸点有機化合物と、常温で気体の低沸点有機化
    合物を接触させて、前記脂肪族カルボン酸金属塩、高沸
    点有機化合物及び低沸点有機化合物よりなる固形状集合
    体を形成させる方法であって、脂肪族カルボン酸金属塩
    /高沸点有機化合物のモル比を1/10〜1/100
    0、脂肪族カルボン酸金属塩/水のモル比を1/50〜
    1/5000、とすることを特徴とする低沸点有機化合
    物の固形化方法。
  2. 【請求項2】 低沸点有機化合物の量が、カルボン酸金
    属塩/低沸点有機化合物のモル比で、1/10〜1/1
    000、である請求項1記載の低沸点有機化合物の固形
    化方法。
  3. 【請求項3】 水中に懸濁させた脂肪族カルボン酸金属
    塩及び高沸点有機化合物と、常温で気体の低沸点有機化
    合物を接触させて、前記脂肪族カルボン酸金属塩、高沸
    点有機化合物及び低沸点有機化合物よりなる固形状集合
    体を形成させるに当り、脂肪族カルボン酸金属塩/高沸
    点有機化合物のモル比を1/10〜1/1000、脂肪
    族カルボン酸金属塩/水のモル比を1/50〜1/50
    00、とし、形成した固形状集合体を貯蔵ないしは輸送
    することを特徴とする低沸点有機化合物の取り扱い方
    法。
  4. 【請求項4】 請求項1、2又は記載の固形状集合体
    を加熱して分解し、低沸点有機化合物を得ることを特徴
    とする低沸点有機化合物の再生方法。
JP22630299A 1999-08-10 1999-08-10 低沸点有機化合物の固形化方法、その取り扱い方法及び固形状集合体からの低沸点有機化合物の再生方法 Expired - Lifetime JP3520317B2 (ja)

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