JP3520150B2 - 水田用車両の車輪 - Google Patents

水田用車両の車輪

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JP3520150B2
JP3520150B2 JP01551596A JP1551596A JP3520150B2 JP 3520150 B2 JP3520150 B2 JP 3520150B2 JP 01551596 A JP01551596 A JP 01551596A JP 1551596 A JP1551596 A JP 1551596A JP 3520150 B2 JP3520150 B2 JP 3520150B2
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elastic ring
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disk
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、乗用田植え機や湛
水直播機等の水田用車両に用いられる車輪に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】水田用車両に用いられる車輪は、具備す
るタイヤの形式により、空気入りタイプと中実タイプ、
そして図16に示すように金属製パイプによって形成さ
れたリム70へゴム等を被覆させて弾性輪体71とし
た、いわゆるゴム焼き付けタイプの、3種に大別するこ
とができるが、空気入りタイプのタイヤを有する車輪で
はエアー漏れやパンク等の問題があるので、最近では他
の2種の車輪が主流をなす傾向にある。
【0003】ところで、これらの車輪にはホイール部分
がスポーク構成とされたものがあり、特にゴム焼き付け
タイプの車輪(図16参照)では、リム70を保持させ
るうえでどうしてもスポーク73が必要であるという事
情がある。しかし、このようなスポーク73を有する車
輪では、水田を走行時、特に旋回時等にあってスポーク
73の相互間に泥が詰まり、これが塊状となって振り落
とされるということがあった。従って、例えば水田用車
両が乗用田植え機であるような場合には、振り落とされ
た泥塊が植え付けたばかりの苗を傷めてしまうという不
具合を起こすおそれがあった。
【0004】そこで従来、この問題を解決するためのも
のとして、図16に二点鎖線で示すように車輪における
車体外方の側面(図中右側)を円形のディスク75で覆
って上記のような泥詰まりを防止することが考えられて
いる。なお、板金製のホイールを備えた車輪(例えば、
特開平8−2202号公報等参照)では、ホイール自体
を泥詰まり防止用のディスクとして形成させたものがあ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】スポーク構成のホイー
ルに別体のディスク75を取り付ける場合、ディスク7
5は、その外周部が弾性輪体71の内周側に設けられた
傾斜面76に当接するようになっていたため、弾性輪体
71が径方向に変形するのに伴ってディスク75の外周
部も繰り返し的に変形するということがあった。従っ
て、ディスクの外周部で隙間が生じて車輪の径方向内方
(スポーク73側)へ泥侵入が起きるということがあっ
た。また、ディスク75の外周部が直接的に石等にぶつ
かって恒久的な曲がりや破損等が生じるということもあ
り、これによって泥詰まりが発生するということもあっ
た。
【0006】一方、板金製のホイールとしてディスクを
一体的に備えるもの(上記公報記載のもの等)では、言
うまでもなくディスクの取り外しができないためにスポ
ーク構成ホイールとしての機能を持たせることはできな
い(即ち、専用ホイールとなる)。従って、例えば浅田
での作業時等、ディスクの不要な場合やスポーク構成の
ホイールの方が好都合の場合には、いちいち車輪交換を
しなければならないという欠点があった。
【0007】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であって、スポーク相互間で泥詰まりが生じることを確
実に防止できるようにし、また必要に応じてスポーク構
成のホイールとしての使用もできるようにした水田用車
両の車輪を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記目的を
達成するために、次の技術的手段を講じた。即ち、請求
項1記載の本発明では、車軸取付け用のボスと、該ボス
まわりに放射状に設けられた複数本のスポークと、これ
らスポークによってリング状に保持されたリムと、該リ
ムを弾性材で被覆して形成された弾性輪体とを有し、該
弾性輪体の外周部に所定間隔でラグが設けられた水田用
車両の車輪において、前記弾性輪体の少なくとも一方の
側面には、スポーク間の泥詰まりを防止するためのディ
スクを嵌める段差部がボス軸心を中心として同心円的に
凹設されており、前記段差部は、直径の異なる同心円的
なものが複数段に形成されていることを特徴としてい
る。
【0009】このような構成であれば、この車輪にディ
スクを取り付ける場合、ディスクの外周部は弾性輪体の
側面に設けられた段差部内に嵌まるので、この外周部か
ら車輪の径方向内方(スポーク側)へ泥が侵入するとい
うことは防止される。また、ディスクの外周部は、段差
部内に嵌まることで弾性輪体の側面からの突出が皆無又
は微小なものとなり、石等にぶつかることも殆どない。
そのため、ディスクが変形したり破損したりするといっ
たことも殆どない。また、直径サイズの異なるディスク
に対して汎用性を出せる。
【0010】なお、弾性輪体の側面部に段差部を設ける
ことで弾性材の使用量を減らすことができ、低コスト化
を招来できるという利点もある。前記段差部は、ボスを
介して対向する段差内面間の内径がリムの内径よりも径
大に形成しておくのが好適である(請求項2)。すなわ
ち、段差部における段差内面はリムの左右両側部位に対
応した位置付けとなり、この段差部にディスクを嵌合さ
せれば、その外周部がリムの左右両側部位にオーバーラ
ップすることになる。従って、ディスクが弾性輪体へ強
く押し付けられることがあったとしても、弾性輪体はリ
ムでバックアップされることになり、弾性輪体の一部が
圧縮によってリムの径方向内方へ膨出変形するといった
不都合は生じない。すなわち、これによりディスクの外
周部と弾性輪体の側面との間に隙間が生じることが防止
され、泥の侵入防止作用が一層確実に得られることにな
る。
【0011】前記段差部は、弾性輪体の側面よりもディ
スクが幅方向外方へ突出することがない凹み寸法で形成
するのが好適である(請求項3)。このようにすること
で、弾性輪体の側面からディスクの外周部が突出しなく
なるので、石等とのぶつかりによる繰り返し変形、恒久
的曲がり、破損等が防止されることになる。このような
ことにより、ディスクの寿命を延ばすことができる。
【0012】前記段差部は、弾性輪体における表裏両側
の側面に設けておくことができる(請求項4)。このよ
うにすれば、左右いずれの側面を車体外方へ向けるよう
にした状態でも使用可能となる。勿論、左右両側に同時
にディスクを取り付けて用いるようなことも可能とな
る。
【0013】前記弾性輪体は、リムの左右両側部位が深
田沈下に抗する広幅部として形成され、該広幅部の径方
向外側に浅田での沈下を促す狭幅部が設けられた構成と
することができる。
【0014】このようにすれば、深田では広幅部により
広い接地がなされることに伴って単位面積あたりの接地
圧が小さくなり、沈下しすぎるといったことが防止され
る。従って、良好な走行性が得られる。一方、浅田では
耕盤が硬めであることにより広幅部までの沈下には至ら
ず、しかしこの状況下でも狭幅部は確実な沈下を促され
るものとなる。従って高い接地圧が得られ、スリップ防
止作用が良好となる。このようなことから、深田である
か浅田であるかに応じてわざわざ水田用車両の車輪を交
換するといった手間や、複数種の車輪を準備しておくと
いった面倒を解消できる。
【0015】言うまでもなく、請求項1乃至請求項
車輪はディスクを具備しない車輪単独でも構成されるも
のであるし、或いは段差部に対して外周部を嵌合可能と
するディスクを着脱可能に具備した状態において構成さ
れるものでもある。前記ディスクは、その中心部に設け
られた取付孔を介して車輪のボスと共に水田用車両に装
着可能にすることができる。
【0016】このような構成であれば、ディスクを構造
簡潔なものとできると共に、水田用車両に対する着脱が
容易に行える利点がある。前記ディスクには、少なくと
も車輪段差部へ嵌合する外周部分に弾性材を設けておく
ことができる。このようにすれば、ディスクを車輪に取
り付けた状態において、車輪に対するディスク外周部の
密着性が高くなり、両者間に隙間が生じ難くなる。従っ
てそれだけ泥の侵入防止作用を高めることができる。
【0017】前記ディスクは、泥剥離性に優れた樹脂材
により形成又は被覆しておくことができる。このように
すれば、ディスク自体に泥付着がなくなるので、泥の巻
き上げ、落下という不具合は一層防止されるものであ
る。なお、この場合に用いる樹脂材としてはフッ素樹脂
等が適当である。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態を説明する。図1及び図2は本発明に係る車輪
1の第1実施形態を示しており、この車輪1は、図3に
示すように水田用車両2の前輪(かじ取り輪)用等とし
て実施され、その車体外側に泥詰まり防止用のディスク
3を取り付けることができるようになっている。
【0019】この車輪1は、水田用車両2の車軸4に嵌
められる車軸取付け用のボス5と、このボス5まわりに
放射状に設けられた複数本のスポーク6と、これらスポ
ーク6によってリング状に保持されたリム7と、このリ
ム7をゴム等の弾性材で被覆して形成された弾性輪体8
とを有している。スポーク6及びリム7は丸パイプによ
り形成されており、各スポーク6はボス5まわりで補強
板9によって互いの開き角度が補強されている。
【0020】弾性輪体8の外周部には所定間隔でラグ1
0が設けられている。図例のものは前輪用とされている
ので、上記ラグ10は、図4に示すように弾性輪体8に
おける外周領域(a)の中央部で突出する直進案内用ラ
グ10aと、この直進案内用ラグ10aから弾性輪体8
における側面領域(b)へ向けて左右交互に突出する推
進用ラグ10bとを有している。直進案内用ラグ10a
には所定間隔で凹部11が設けられ、推進力を高める補
助をしている。
【0021】弾性輪体8の表裏両側面には、ディスク3
の外周部を嵌める段差部15がボス5の軸心を中心とし
て同心円的に凹設されている。そして、車体外方を向く
側の段差部15(図1右側)に対して、ディスク3がそ
の外周部を嵌合させる状態で取り付けられている。この
ディスク3は板厚1.2〜3.2mm程度の板金製とさ
れており、補強及びボス5との干渉回避のため、一方面
側へ若干の膨らみが出るようにプレス加工されている。
ディスク3の中心部には、車輪1のボス5に形成された
軸受孔17と合致可能な取付孔18が形成されている。
従って、このディスク3は、取付孔17へ差し込むボル
ト19により、車輪1のボス5と共に水田用車両の車軸
4へ装着可能となっている。20はスペーサ座金であ
り、21はオイルシールカバーであり、22はキーであ
り、いずれも着脱可能となっている。
【0022】図5に示すように弾性輪体8に設けられた
段差部15は、ボス5を介して対向する段差内面間の内
径Aがリム7の内径Bよりも径大となるように形成され
ている。すなわち、段差部15における段差内面はリム
7の左右両側部位に対応した位置付けとなるので、段差
部15へディスク3を嵌合した場合、ディスク3の外周
部がリム7の左右両側部位とオーバーラップすることに
なる。
【0023】図6は上記A寸法がB寸法よりも小さい場
合を想定して図示したものであるが、この場合では、例
えば水田用車両2が旋回するのに伴ってディスク3が弾
性輪体8へ強く押し付けられるようになると(矢符X参
照)、ディスク3の外周部によって弾性輪体8の一部が
圧縮変形させられ、その結果、リム7の径方向内方への
膨出変形が生じて、ディスク3の取付状態が安定しな
い、即ち、ディスク3の外周部と弾性輪体8の側面との
間に隙間が生じて、この隙間から泥の侵入が起こるおそ
れがある。このようなことを防止する意味で、上記のよ
うにA寸法をB寸法より大きくするのが望ましいもので
ある。
【0024】また、段差部15(図5参照)において、
弾性輪体8の側面から幅方向内方への凹み寸法Cは、デ
ィスク3における外周部の肉厚寸法Dよりも大きくなる
ように形成されている。そのため、ディスク3が幅方向
外方へ突出することがなくなる。図7は上記C寸法がD
寸法よりも小さい場合を想定して図示したものである
が、この場合では、水田用車両2の走行に伴ってディス
ク3の外周部に石等がぶつかり(矢符Y参照)、これを
原因としてディスク3が繰り返し変形、恒久的曲がり、
破損等に至るおそれがある。このようなことを防止する
意味で、上記のようにC寸法をD寸法より大きくするの
が望ましいものである。なお、C寸法をD寸法より大き
くしすぎると、ディスク3の外周部よりも車体外方側に
段差部15が大きく張り出すかたちになって、この部分
で泥付着を誘発させるおそれが出てくるので、適度な寸
法関係を保持させるのがよい。実際にはC寸法を1.5
mmとし、D寸法を1.2mmとした。
【0025】ディスク3を車輪1に取り付けて水田用車
両2による作業を行えば、スポーク6間での泥詰まりが
防止され、水田用車両2の旋回時等に泥の塊が植え付け
たばかりの苗を傷めてしまうということが防止されるも
のであり、また、図3に示すように旋回時にディスク3
が泥圧(矢符Z参照)を受けるために旋回走行性能を高
めるという、ディスク本来の作用効果が確実に得られる
ことは言うまでもない。
【0026】ところで、本発明は上記した実施形態以外
にも、種々の改良や変更等が可能である。例えば、図8
に示すように弾性輪体8の側面に対し、直径(ボス5の
軸心を中心とした内径)の異なる複数の段差部15を互
いに同心円的に形成することも可能であり、これにより
サイズの異なるディスク3に対して汎用性を出せるとい
う利点が得られる。
【0027】一方、ディスク3は樹脂材によって形成す
ることができる。特に、この樹脂材として泥剥離性に優
れた材料(例えばフッ素系樹脂等)を用いれば、ディス
ク3自体にも泥の付着がなくなり、泥の巻き上げ、落下
という不具合が一層確実に防止される。なお、板金製の
ディスク3に対し、樹脂材をコーティング、インサート
又は張り合わせ等によって被覆形成させるようにしても
よい。
【0028】なお、図9に示すようにディスク3の外周
部分に弾性材23をリング状に設けておくと、ディスク
3を車輪1に取り付けた場合のディスク外周部と車輪側
面との密着性を高めることができる。従って、この密着
部分に隙間が生じ難くなり、それだけ泥の侵入防止作用
を高めることができる。図10及び図11に示すよう
に、本発明は後輪用の車輪1としても同様に実施可能で
ある。ただ、後輪用車輪1の弾性輪体8には、その外周
面における複数個おきのラグ10相互間から左右両側の
側面にかけて羽根ラグ25が張出形成されているのが普
通であるため、段差部15は、この羽根ラグ25の張出
部分を除くようなかたちで(即ち、完全な円形ではな
く、部分的に切れ目のある円形として)形成されること
になる。そしてこの後輪用車輪1に適用されるディスク
3についても、羽根ラグ25との干渉を逃げる意味で、
その外周部に所定間隔で半月状等をした切欠26が形成
されている。この切欠26は、ディスク3が泥侵入を防
止するためのものであることに鑑みれば、可及的に開口
量を小さくするのが好適であり、またその開口形状も、
できれば羽根ラグ25の断面形状に沿った形状にするの
が最適であると言える。
【0029】図12は本発明に係る車輪1の第2実施形
態を示しており、この第2実施形態では、深田及び浅田
に対する兼用が可能となっている。すなわち、ディスク
3は主に深田での使用が必要とされ浅田では不要とされ
ることがあるので、これらの使い分けは単にディスク3
の着脱だけでよいが、最近では水田用車両2が大型化・
デラックス化されているのに伴って、車輪1が広幅化さ
れる傾向にある。車輪1の広幅化は、その接地面積の拡
大により単位面積あたりの接地圧を小さくし、車輪1の
沈下を所定に抑えることができるからである。また、大
型化した車体との外観的なバランスを良くする意味もあ
る。しかし、広幅化した車輪1では、浅田の走行時にそ
の耕盤が硬めであることも影響して沈下が生じ難くな
り、スリップを誘発させるおそれがあるので、車輪1と
しては、段差部15を有し且つ広幅とされた深田用のも
のと、段差部15の有無については問わないが幅狭であ
る浅田用のものとを準備しておき、これらを必要に応じ
て交換する手間が必要になるのである。
【0030】第2実施形態の車輪1はこのような車輪交
換の手間の解消と、設備投資の抑制とを可能にしたもの
で、弾性輪体8は、リム7の左右両側部位を深田沈下に
抗する広幅部30として形成され、この広幅部30の径
方向外側に2筋の凹条部31及び32を介して浅田での
沈下を促す狭幅部33が設けられている。そして、この
狭幅部33の外周面が弾性輪体8としての外周面とされ
ており、その周方向に所定間隔をおいて断面台形状をし
たラグ35が突設されている。上記広幅部30はリム7
の断面中心よりも、ややボス5寄り(図12の下方)に
位置付けられており、上記各凹条部31,32の間に
は、鋭角に突出する円環リブ37が形成されている。
【0031】すなわち、深田では広幅部30までの沈下
によりこの広幅部30で広い接地がなされ、これに伴っ
て接地圧が小さくなり、沈下しすぎるといったことが防
止される。一方、浅田では広幅部30に至るほどの沈下
は起こらないものの、ラグ35から狭幅部33にかけて
は確実な沈下を促され、高い接地圧が得られる。このよ
うなことから、深田でも浅田でも同様に良好なスリップ
防止作用が得られる。
【0032】なお、図13はこの第2実施形態の車輪1
を後輪用として実施した場合における深田での走行状況
を示しており、図14は、同、前輪用として実施した場
合を示している。なお、図13の車輪1に例示したよう
に、弾性輪体8の内周部に複数の円弧状凹部38を互い
に所定間隔で(図面では羽根ラグ25の相互間とした)
設けておくこともできる。これら凹部38は、水田用車
両2が旋回等したときに泥はけが良好となるようにした
ものである。勿論、このような泥はけ効果は、車輪1に
ディスク3を取り付けていない状態において顕著に現れ
るものであるが、ディスク3を取り付けているときで
も、車体側へ向く片側(ディスク3とは反対側の側面)
での泥はけ効果は得られるものである。
【0033】広幅部30(図12参照)において、その
横幅Eは50〜60mmとされており、また狭幅部33
の横幅Fは、一般的な車輪幅と同じ30〜40mmとさ
れている。上記F寸法はE寸法に対して50〜90%と
されているが、50%未満ではラグ35の剛性が弱く変
形し易くなって直進走行性が低下するし、90%を超え
ると狭幅部33の形成理由が殆ど無くなる。ただ、好ま
しくは60〜85%とするのがよい。
【0034】上記各凹条部31,32は、いずれも径外
側(図12の上側)を鉛直面状としまた径内側を曲面状
としてあるため、鉛直面部分が土中への沈下を促し、曲
面部分が耕盤踏み固め作用を奏するようになる。このよ
うな作用により左右振れを防止できることになる。な
お、図15に示すように一つの凹条38だけを設けるよ
うにしてもよい。
【0035】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
1記載の本発明では、弾性輪体の少なくとも一方の側面
にディスク嵌合用の段差部が設けられているので、ディ
スクを取り付ける場合においてその外周部が段差部内に
嵌まり、この外周部から車輪の径方向内方(スポーク
側)へ泥が侵入するということは防止される。また、デ
ィスクの外周部は、段差部内に嵌まることで弾性輪体の
側面からの突出が皆無又は微小なものとなり、石等にぶ
つかることも殆どない。そのため、ディスクが変形した
り破損したりするといったことも殆どない。前記段差部
として、直径の異なる同心円的なものを複数段に形成さ
せているので、各種サイズのディスクに対して汎用性を
出せる。
【0036】なお、弾性輪体の側面部に段差部を設ける
ことで弾性材の使用量を減らすことができ、低コスト化
を招来できるという利点もある。前記段差部において、
段差内面間の内径をリム内径よりも径大に形成しておけ
ば(請求項2)、この段差部にディスクを嵌合させたと
きにその外周部がリムの左右両側部位にオーバーラップ
することになる。従って、ディスクが弾性輪体へ強く押
し付けられることがあっても、弾性輪体はリムでバック
アップされ、その一部が圧縮によってリムの径方向内方
へ膨出変形するといった不都合は生じない。そのため、
ディスクと弾性輪体との間で隙間が生じ難くなり、泥の
侵入防止作用は一層高くなる。
【0037】前記段差部において、弾性輪体の側面より
もディスクが幅方向外方へ突出することがない凹み寸法
に形成すれば(請求項3)、ディスクの外周部が石等と
のぶつかることがなく、繰り返しの変形、恒久的曲が
り、破損等が防止されるので、ディスクの長寿命化が可
能となる。前記段差部を弾性輪体の表裏両側へ設けてお
けば(請求項4)、車輪の左右いずれの側面を車体外方
へ向けるようにした状態でも使用可能となり、使用勝手
が良好となる。
【0038】前記弾性輪体において、リムの左右両側部
位を深田沈下に抗する広幅部とし、その径方向外側に浅
田での沈下を促す狭幅部を設けておけば、広幅部によっ
て深田での沈下しすぎを防止でき、また狭幅部によって
浅田での必要十分な沈下を確保できるものとなる。すな
わち、深田であるか浅田であるかに応じてわざわざ水田
用車両の車輪を交換するといった手間や、複数種の車輪
を準備しておくといった面倒を解消できる。
【0039】前記ディスクを、その中心部に設けた取付
孔により車輪のボスと共に水田用車両に装着可能にして
おけば、ディスクの構造簡潔化が図れると共に、水田用
車両に対する着脱が容易に行える利点がある。前記ディ
スクにおいて、その少なくとも外周部分に弾性材を設け
ておけば、車輪への取付時に、ディスク外周部が車輪に
対して密着状に当接し、両者間に隙間が生じ難くなるの
で、泥の侵入防止作用を高めることができる。
【0040】前記ディスクにおいて、泥剥離性に優れた
樹脂材により形成又は被覆しておけば(請求項10)、
ディスク自体に泥付着がなくなるので、泥の巻き上げ、
落下という不具合は一層防止されるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図2のH−H線拡大断面図である。
【図2】本発明に係る車輪の第1実施形態を示す一部破
砕正面図である。
【図3】図2の車輪を水田用車両の前輪として装着した
状況を模式的に示す平面図である。
【図4】車輪の外周面及び側面を展開的に示した平面図
である。
【図5】図1の主要部を拡大して示す断面図である。
【図6】段差部の内径に関する好適例を説明するうえで
の根拠を示す不都合想定図である。
【図7】段差部の凹み寸法に関する好適例を説明するう
えでの根拠を示す不都合想定図である。
【図8】段差部を複数段設けた例を示す要部拡大断面図
である。
【図9】ディスクの外周部に弾性材を設けた例を示す要
部拡大断面図である。
【図10】本発明の車輪を後輪として実施した場合の一
部破砕正面図である。
【図11】図10のJ−J線拡大断面図である。
【図12】本発明に係る車輪の第2実施形態を示す要部
拡大断面図である。
【図13】図12の車輪を後輪として実施した例を示す
一部破砕正面図である。
【図14】図12の車輪を前輪として実施した例を示す
一部破砕正面図である。
【図15】図12の車輪に対する一部変形例を示す要部
拡大断面図である。
【図16】従来における車輪の一部を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1 車輪 2 水田用車両 3 ディスク 5 ボス 6 スポーク 7 リム 8 弾性輪体 10 ラグ 15 段差部 18 取付孔 30 広幅部 33 狭幅部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60B 15/00 - 15/02 B60B 7/00

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車軸取付け用のボス(5)と、該ボス
    (5)まわりに放射状に設けられた複数本のスポーク
    (6)と、これらスポーク(6)によってリング状に保
    持されたリム(7)と、該リム(7)を弾性材で被覆し
    て形成された弾性輪体(8)とを有し、該弾性輪体
    (8)の外周部に所定間隔でラグ(10)が設けられた
    水田用車両の車輪において、前記弾性輪体(8)の少な
    くとも一方の側面には、スポーク(6)間の泥詰まりを
    防止するためのディスク(3)を嵌める段差部(15)
    がボス(5)軸心を中心として同心円的に凹設されて
    り、前記段差部(15)は、直径の異なる同心円的なも
    のが複数段に形成されていることを特徴とする水田用車
    両の車輪。
  2. 【請求項2】 前記段差部(15)は、ボス(5)を介
    して対向する段差内面間の内径(A)がリム(7)の内
    径(B)よりも径大に形成されていることを特徴とする
    請求項1記載の水田用車両の車輪。
  3. 【請求項3】 前記段差部(15)は、弾性輪体(8)
    の側面よりもディスク(3)が幅方向外方へ突出するこ
    とがない凹み寸法(C)で形成されていることを特徴と
    する請求項1又は請求項2記載の水田用車両の車輪。
  4. 【請求項4】 前記段差部(15)は、弾性輪体(8)
    における表裏両側の側面に設けられていることを特徴と
    する請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の水田用車
    両の車輪。
  5. 【請求項5】 前記弾性輪体(8)は、リム(7)の左
    右両側部位が深田沈下に抗する広幅部(30)として形
    成され、該広幅部(30)の径方向外側に浅田での沈下
    を促す狭幅部(33)が設けられていることを特徴とす
    る請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の水田用車両
    の車輪。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載
    の車輪に対し、その段差部(15)へ外周部を嵌合可能
    とするディスク(3)が着脱可能になされていることを
    特徴とする水田用車両の車輪。
  7. 【請求項7】 前記ディスク(3)は、その中心部に設
    けられた取付孔(18)を介して車輪のボス(5)と共
    に水田用車両(2)に装着可能とされていることを特徴
    とする請求項6記載の水田用車両の車輪。
  8. 【請求項8】 前記ディスク(3)には、少なくとも車
    輪段差部(15)へ嵌合する外周部分に弾性材が設けら
    れていることを特徴とする請求項6又は請求項7記載の
    水田用車両の車輪。
  9. 【請求項9】 前記ディスク(3)は、泥剥離性に優れ
    た樹脂材により形成又は被覆されていることを特徴とす
    る請求項6乃至請求項8のいずれかに記載の水田用車両
    の車輪。
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