JP3519750B2 - 光ファイバの線引方法およびその装置 - Google Patents
光ファイバの線引方法およびその装置Info
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Description
に関し、特に、外径の大きな光ファイバ用ガラス母材を
短時間で加熱溶融して光ファイバを線引きしても、強
度、伝送特性等に優れた高品質の光ファイバを製造する
ことができる光ファイバの線引方法に関する。
ス母材(プリフォーム)を不活性ガスで満たされた線引
炉内で光ファイバ用ガラス母材を加熱溶融し、張力をか
けて延伸し、炉外に細く引き出して行われる。このよう
にして製造される単一モード光ファイバは、たとえば、
10μmの直径のコアとその外周に形成された直径12
5μmのクラッドを有する。最近、光ファイバの製造価
格を低減するため、光ファイバ用ガラス母材の外径が大
きくし、線引き速度を早くして短時間で光ファイバを製
造する試みがなされている。このような、光ファイバの
製造に際しては、コアとクラッドの外径形状、伝送特
性、強度などを高品位に製造しなければならない。
ファイバが線引きされる先端部である光ファイバ用ガラ
ス母材の先端部のメニスカス形状部にダストが付着し、
低下することが知られている。たとえば、特開平1−2
75443号公報には、光ファイバの外径変動を低減
し、強度低下を防止する方法を開示する。この方法は、
線引速度の高速化および光ファイバ用ガラス母材の大型
化に伴い、光ファイバ用ガラス母材のメニスカス部が延
長し、そこから線引きされた光ファイバが軟化状態で線
引炉外まで引き出され外気中のダストが不着するのを防
止するため、線引炉の下部に、光ファイバの温度が軟化
点以下になる位置まで均一かつクリーンな雰囲気ガス流
を保持する隔壁を設けている。
の線引装置71は、線引炉体2内に電気ヒータ4および
炉芯管6が設けられ、線引炉体2の上部に形成された開
口部2aから光ファイバ用ガラス母材8が挿入され、線
引された光ファイバ10が線引炉体2の下部に設けられ
た300mm〜500mm程度の隔壁12の開口部12
aから引き出されている。隔壁12には、アルゴンガス
流入コントローラ16からアルゴンガスが配管14を介
して流入される。このとき、外径60mmの光ファイバ
用ガラス母材8を、線引速度300〜500m/mi
n、張力2kgで線引した場合、隔壁12の出口におけ
る光ファイバの温度は1000〜1200°C程度まで
低下し、ダストは付着せず、光ファイバの破断確率は4
0〜50kmに1回程度であり、隔壁がないときの破断
確率が10kmに1回程度であったのに対して向上して
いることが報告されている。
用いられるカーボン材質の線引炉が線引きに必要な20
00°C以上の高温に長時間晒されて酸化消耗すること
と、高温による石英の揮発分とカーボンとの反応による
炭化珪素などのダストが発生して光ファイバの表面が汚
染されることを防止するため、炉心管内部に、アルゴン
ガスに0.05〜0.6のヘリウムガスを混合させた混
合ガスを流入させて線引炉内の雰囲気を清浄に保つこと
を開示している。つまり、特公昭62−4333号公報
は、ヘリウムガスをアルゴンガスに混合させると、クリ
ーン度が向上することを示している。ただし、ヘリウム
ガスの混合比をあまり高くすると光ファイバの外径が変
動するので、混合比は0.05〜0.6の範囲であると
している。
特公昭62−4333号公報における問題点、つまり、
線引炉にカーボン材を用いることの問題、および、不活
性雰囲気で光ファイバを線引きした場合光ファイバ中に
酸素欠陥が生ずることを回避するため、炉心管として、
融点が2800°C程度と高いジルコニアを用い、加熱
雰囲気として、酸素とヘリウムガスとの混合ガスを用い
ること開示する。
イバの伝送損失を低くするため、光ファイバ用ガラス母
材が加熱溶融してメニスカス形状になり、光ファイバが
線引きされるネックダウン部分を強制冷却することを開
示する。冷却媒体としては、好適には、熱伝達率が大き
いが熱容量が小さいヘリウムを水冷して使用する。また
は、発熱体の保護のため、アルゴンガスをヘリウムガス
に混合した混合ガスを用いることもできる。ネックダウ
ン部分を強制冷却する理由としては、線引き張力を増加
させるとコアとクラッドとの屈折率差が維持できず伝送
損失が増加する一方、線引き張力を極端に低下させても
伝送損失が増加するという事実が熱の揺らぎに起因する
と推定し、熱影響を最も受けやすいネックダウン部分を
強制冷却してその部分の熱揺らぎを防止すると解されて
いる。
75443号公報に記載された線引装置は、光ファイバ
用ガラス母材の外径の増加および線引速度および高速化
にともなって母材が加熱溶融してメニスカス形状になっ
てい部分が延伸され、メニスカス形状部分の先端から光
ファイバの温度が軟化点以下となる位置までの距離(固
化長)が増加するから、本質的に線引炉内で発生したダ
ストが固化前の不安定な状態の光ファイバへの不着を助
長するという問題を依然として内在している。このダス
トの付着を防止するため、まず、クリーン度を高く維持
するため均一な流れの不活性ガスまたは空気を線引炉の
上部から流さなければならず、さらに、線引炉の下部に
線引速度、光ファイバ用ガラス母材の外径に応じた長
さ、たとえば、300〜500mmの長さの隔壁を設け
なければらない。隔壁を設けると線引装置の製造価格の
高騰をもたらし、さらに、線引炉と隔壁との垂直方向の
長さを増大させて線引装置の高さを高くし、線引装置が
収容されるの建物の高さを高くし、操作性を低下させる
という問題が生ずる。
載された線引装置においては、カーボン製の線引炉(電
気炉)の酸化磨耗の防止と石英とカーボンの反応に起因
するダストの発生を防止するため、アルゴンガスにヘリ
ウムガスを混合して線引炉内を清浄にすることを示して
いるが、この方法は、光ファイバ用ガラス母材の外径の
増加と線引速度の高速化においても、光ファイバの品質
を維持または向上させるというと目的には適していな
い。
に開示された方法は、高価なジルコニアを炉心管に使用
するため、線引装置が高価格になるという問題を有す
る。特に、ジルコニア単体は約1100°Cにおいて相
変態に伴う熱膨張係数の相違からクラックが生じるの
で、ジルコニアにイットリアを添加する必要があり、製
造が一層困難である。さらにこの方法でも、10kmの
光ファイバが9回程度断線しており、依然として強度に
問題がある。
号公報には比較例として、カーボン製炉心管を用いた場
合に、加熱雰囲気として、アルゴンガスとヘリウムガス
を流量比4:1で用いる例を開示しているが、断線回数
が21回と非常に多く、強度に問題がある。
ている方法は、光ファイバの伝送損失を向上させるため
にネックダウン部分の熱揺らぎを防止するためヘリウム
ガスを冷却して強制冷却するに過ぎず、本発明が課題と
する光ファイバ用ガラス母材の外径の増大、および、線
引速度の高速化に対する改善策を開示していない。
を解決し、外径が大きな光ファイバ用ガラス母材を高い
線引速度で線引きしても、光ファイバの強度、外径変
動、伝送損失等の面で優れた高品質の光ファイバを製造
することができる光ファイバの線引方法およびその装置
を提供することを目的とする。
明の光ファイバの線引方法は、線引炉内で光ファイバ用
ガラス母材を加熱および線引し、前記光ファイバ用ガラ
ス母材の溶融部から光ファイバを、前記線引炉の引き出
し口を介して前記線引炉の外部に引き出す光ファイバの
線引方法であって、前記光ファイバが線引される方向に
おける前記溶融部と前記引き出し口との間の位置から、
前記線引炉内に不活性ガスを流入する第1の工程と、前
記第1の工程で前記線引炉内に流入する前記不活性ガス
の熱伝達率を前記光ファイバ用ガラス母材の外径および
線引速度に応じて変化させて前記光ファイバ用ガラス母
材の溶融部の形状、または、線引直後の光ファイバの固
化長を調整する第2の工程とを有する。
は、好ましくは、前記第2の工程において、熱伝達率の
異なる複数の不活性ガスの混合比を、前記光ファイバ用
ガラス母材の外径および線引速度に応じて決定し、前記
決定した混合比で前記複数の前記不活性ガスを混合し、
前記第1の工程において、前記第2の工程における前記
混合によって得た前記不活性ガスを前記線引炉内に流入
する。また、第1の発明の光ファイバの線引方法は、好
ましくは、前記線引炉としてカーボン製電気炉を用い、
前記第2の工程において、前記複数の不活性ガスとし
て、アルゴンとヘリウムとを用いる。
は、好ましくは、前記光ファイバ用ガラス母材の前記溶
融部から線引された前記光ファイバの温度を、前記光フ
ァイバが前記線引炉から出た直後に測定する第3の工程
をさらに有し、前記第2の工程において、前記第3の工
程で前記測定した温度が前記光ファイバのほぼ軟化温度
以下になるように、前記第1の工程で前記線引炉内に流
入する前記不活性ガスの熱伝達率を変化させる。
は、好ましくは、前記第2の工程において、前記軟化温
度に対する前記測定した温度の偏差に応じて、前記第1
の工程で前記線引炉内に流入する前記不活性ガスの熱伝
達率を変化させる。また、第1の発明の光ファイバの線
引方法は、好ましくは、前記溶融部から線引された前記
光ファイバの外径を測定する第4の工程をさらに有し、
前記第2の工程において、前記第4の工程で測定した前
記外径の単位時間当たりの変動が設定値以内になるよう
に、前記第1の工程で前記線引炉内に流入する前記不活
性ガスの熱伝達率を変化させる。
ファイバ用ガラス母材を加熱および線引する線引炉であ
って、前記光ファイバ用ガラス母材の溶融部から光ファ
イバを、引き出し口を介して前記線引炉の外部に引き出
す前記線引炉と、前記光ファイバが線引される方向にお
ける前記溶融部と前記引き出し口との間の位置から、前
記線引炉内に不活性ガスを流入するガス流入手段と、前
記ガス流入手段が前記線引炉内に流入する前記不活性ガ
スの熱伝達率を前記光ファイバ用ガラス母材の外径およ
び線引速度に応じて変化させて前記光ファイバ用ガラス
母材の溶融部の形状、または、線引直後の光ファイバの
固化長を調整する調整手段とを有する。
例について説明する。図1に本発明の光ファイバの線引
方法を実施する光ファイバ線引装置の構成図を示す。図
1に示すように、光ファイバ線引装置1は、線引炉体2
内にヒータ4および炉心管6が設けられ、線引炉体2の
上部に形成された上部開口部2aから光ファイバ用ガラ
ス母材8が挿入され、加熱溶融してメニスカス状になっ
た光ファイバ用ガラス母材8の下部先端から線引され
た、たとえば、直径10μmのコアとその外周に形成さ
れた直径125μmのクラッドからなる光ファイバ10
が下部開口部2bから引き出されている。
ヘリウムガス流入コントローラ26はそれぞれ、アルゴ
ンガスボンベ(図示せず)およびヘリウムガスボンベ
(図示せず)から管路24aおよび管路26bに流れる
アルゴンガスおよびヘリウムガスの流量を制御する。管
路24aおよび管路26bは混合器22に接続されてお
り、アルゴンガスとヘリウムガスとが混合器22で混合
されて、ガス管路20を介して、線引炉体2の下部に導
入される。管路20から線引炉体2内に流入した混合ガ
スは、炉心管6内に拡散する。アルゴンガス流入コント
ローラ24およびヘリウムガス流入コントローラ26
は、入力制御器28と電気的に接続されている。
の操作者(オペレータ)が、光ファイバ10の線引速度
および光ファイバ用ガラス母材8の外径を入力し、これ
らの設定値に応じて規定される不活性混合ガス、つま
り、この例では、アルゴンガスとヘリウムガスの混合比
に基づいて、アルゴンガスの流量を示す信号S28aお
よびヘリウムガスの流量を示す信号S28bをアルゴン
ガス流入コントローラ24およびヘリウムガス流入コン
トローラ26にそれぞれ出力する。これにより、管路2
4aおよび管路26bには、アルゴンガスの流量を示す
信号S28aおよびヘリウムガスの流量を示す信号S2
8bに応じたアルゴンガスとヘリウムガスが流れ混合器
22で混合されて不活性混合ガスとしてガス管路20を
介して、線引炉体2の下部に導入され、炉心管6内に拡
散する。特に、炉心管6の下部、つまり、光ファイバ用
ガラス母材8の加熱溶融メニスカス形状部の近傍に上記
不活性混合ガスが直接導入されるので、線引炉体2内の
高温雰囲気の影響を少なくして、光ファイバ用ガラス母
材8の加熱溶融メニスカス形状部の近傍、つまり、光フ
ァイバの線引き開始部分に不活性混合ガスに当てること
ができる。
ーボン製電気炉の場合、アルゴンガスとヘリウムガスと
の混合ガスが好適である。つまり、ヘリウムガスの熱伝
達率は大きく、アルゴンガスの熱伝達率は小さいから、
混合させて熱伝達率を調整する上で好適であり、また、
線引炉体2としてカーボン製電気炉を使用した場合にカ
ーボンとの反応の観点からアルゴンガスとヘリウムガス
との混合が好適である。
00m/minで線引した場合、入力制御器28から、
アルゴンガスおよびヘリウムガスを10:1(ヘリウム
ガス混合比は約0.1)の混合比率で混合器22に流出
させるような信号S28a、S28bをアルゴンガス流
入コントローラ24およびヘリウムガス流入コントロー
ラ26に出力した。この条件で線引きされた光ファイバ
10の外径変動は良好であり、線引された光ファイバ1
0の破断確率および伝送損失は、たとえば、特開平1−
275443号公報などに開示されたように、従来の光
ファイバ線引装置で、外径50mmの光ファイバ用ガラ
ス母材を300m/minで線引きしたときとほぼ同一
であった。
ガラス母材の外径が大きくなり、線引き速度を高速にし
ても伝送損失に問題がなく、高品位の光ファイバが製造
できることを示している。したがって、本実施例と同様
にアルゴンガスおよびヘリウムガスを用いる特開昭60
−231439号公報に従来技術として開示された方法
に対して、本実施例による光ファイバの断線回数が非常
に向上している。また、この実施例は、アルゴンガスに
比較して高価なヘリウムガスの混合比が低くてすみ、低
価格で光ファイバ10を製造できることを意味してい
る。さらに本実施例において、光ファイバ用ガラス母材
8の外径が大きくなり線引速度が高速になっても、特開
平1−275443号公報に記載されていくように固化
長が増加せず、隔壁を設ける必要がない。したがって、
特開平1−275443号公報に記載された線引装置の
ように本実施例の線引装置は大きくならない。この点か
らも、本実施例によれば、光ファイバの製造価格が高騰
しない。上述したように、特公昭62−4333号公報
は、線引炉の酸化磨耗の防止とダストの発生防止の観点
から線引炉内を清浄に保つため、アルゴンガスおよびヘ
リウムガスとを用いることを開示するだけで、本発明の
目的とする光ファイバ用ガラス母材8の外径の増加およ
び線引速度の高速化に対する考察は何も示していない
が、かりに特公昭62−4333号公報に記載された方
法によっても、本実施例に示したように、固化長の増加
の防止は実現できない。本実施例はさらに、特開昭60
−231439号公報に開示されたように、ジルコニア
を用いて線引炉を構成する必要がなく、通常のカーボン
製電気炉を使用できる。また本実施例は、特開平30−
15340号公報に開示されたように、ヘリウムガスを
強制冷却する必要がなく、冷却装置が不要である。
00m/minで線引した場合には、入力制御器28か
らアルゴンガスおよびヘリウムガスを4:1(ヘリウム
ガス混合比は0.2)の流量比で混合器12に流出させ
るような信号S28a、S28bをアルゴンガス流入コ
ントローラ24およびヘリウムガス流入コントローラ2
6に出力した。この条件で線引きされた光ファイバ10
は、実施例1と同様、外径変動は良好であり、光ファイ
バ10の破断確率および伝送損失は、実施例1の値とほ
ぼ同一であった。つまり、この実施例2は、光ファイバ
用ガラス母材8の外径が大きく高速で線引きした場合で
も、光ファイバの品位が高いことを示している。
炉体2にカーボン製電気炉を用い、アルゴンガスおよび
ヘリウムガスとの混合ガスを用いた場合、光ファイバ用
ガラス母材8の外径の大きさは線引速度に応じて、適切
なヘリウムガスの混合比が存在することが判る。上述し
たように本実施例の光ファイバ線引装置1では、光ファ
イバ用ガラス母材8の外径と光ファイバ10の線引速度
に応じて決定された混合比でアルゴンガスとヘリウムガ
スとを混合して不活性ガスの熱伝達率を変化させ、この
不活性混合ガスを線引炉体2の下部からメニスカス部分
に当たるように導入する。その結果、光ファイバ用ガラ
ス母材8のメニスカス部の温度を適度に保ちながら、線
引きされた光ファイバ10の温度を軟化点以下にするこ
とができ、光ファイバ10の線引張力、および、光ファ
イバ10の固化長を適度に調整し高品質の線引された光
ファイバ10を製造することができる。
施例について説明する。第2実施例は、光ファイバ10
の外径の変動を低減させること意図としており、図2に
示した光ファイバの線引方法を実施する線引装置を参照
してその詳細を述べる。図2に示す構成要素のうち図1
と同一番号の構成要素は第1実施例で述べたものと同一
である。図2に示すように、線引装置31には、線引炉
体2の下部開口部2bの下部に光ファイバ10の温度を
測定する非接触式温度測定装置としての放射温度計36
が配設されている。放射温度計36から測定温度に応じ
た信号S36が演算器38に出力される。演算器38
は、信号S36に示される測定温度と予め定められた基
準温度とを比較し、その比較結果(偏差)に基づいて、
カーボン製電気炉である線引炉体2内に導入するアルゴ
ンガスとヘリウムガスとの混合比を決定する。
定温度が基準温度より高い場合には、混合ガスの熱伝達
率を増大させるためにヘリウムガスの混合比を増加さ
せ、放射温度計36の測定温度が基準温度より低い場合
には、逆に、混合ガスの熱伝達率を低減させるためにヘ
リウムガスの混合比を低下させる。基準温度としては、
たとえば、光ファイバ10の軟化点の温度とする。
混合比に応じたアルゴンガスの流量を示す信号S38a
およびヘリウムガスの流量を示す信号S38bをアルゴ
ンガス流入コントローラ24およびヘリウムガス流入コ
ントローラ26にそれぞれ出力する。
00〜800m/minで線引して、放射温度計36の
測定温度が軟化点温度(基準温度)1400℃になるよ
うに、演算器38を介してアルゴンガスとヘリウムガス
の混合比を制御した結果、線引きされた光ファイバ10
の外径変動は上記実施例と同様、良好であった。また、
図3に示すように、線引速度が高くなると、線引きされ
た光ファイバが冷却されない長さが長くなるから、放射
温度計36の測定温度が上昇し、それに応じて混合ガス
におけるヘリウムガスの混合比は増加して、光ファイバ
10の冷却を促進し、光ファイバ10の固化長を所定の
長さに維持する。したがって、この実施例においても、
固化長が増加しない。
6を用いて線引炉体2の下部開口部2b付近の光ファイ
バ10の温度を測定し、この測定温度を光ファイバ10
の軟化点以下になるように、線引炉体2内に流入される
混合ガスの熱伝達率を調整する。これにより線引張力、
および、光ファイバ用ガラス母材8のメニカス部の先端
からの光ファイバ10の固化長が適切に維持され、光フ
ァイバ10の伝送損失、および、線引された光ファイバ
10の外径変動を抑制することができ、伝送特性、およ
び、強度に優れた高品質の光ファイバ10を製造するこ
とができた。また本実施例は、放射温度計36を用いて
線引炉体2の下部開口部2b付近の光ファイバ10の温
度を測定して混合ガスの流量を制御するフィードバック
制御を行うので、プロセス変動などが生じても、高品位
で精度の高い光ファイバを製造できる。
施例について説明する。図4に第3実施例を実施する線
引装置の構成図を示す。図4に示す構成要素のうち図1
と同一番号の構成要素は第1実施例で述べたものと同一
である。図4に示す線引装置41は、光ファイバ用ガラ
ス母材8から線引きされた光ファイバ10の外径を、通
常、すでに設けられている外径測定器42を用いて測定
し、その測定外径をフィードバック信号S42として、
演算器44に出力する。演算器44は、外径測定器42
からの外径測定信号S42を連続的に入力し、信号S4
2で示される測定外径に基づいて測定外径の単位時間当
たりの変動を算出し、この算出された単位時間当たりの
変動が予め定められた設定値以下になるように線引炉体
2内に流入させるアルゴンガスとヘリウムガスの混合比
を決定する。たとえば、光ファイバ10の外径変動が大
きい場合には、その変動の大きさに応じてヘリウムガス
の混合比を増加させて不活性混合ガスの熱伝達率を増大
させ、第2実施例と同様に、光ファイバ10の冷却を促
進して光ファイバ10の外径を所定値に維持させる。ま
た、固化長を所定値に維持する。演算器44は、この決
定された混合比に応じたアルゴンガスの流量を示す信号
S44a、および、ヘリウムガスの流量を示すS信号4
4bをアルゴンガス流入コントローラ24およびヘリウ
ムガス流入コントローラ26にそれぞれ出力する。
母材8の外径が大きく、線引速度が高速でも、光ファイ
バ10の外径変動を抑制することができ、伝送特性、お
よび、強度に優れた高品質の光ファイバ10を製造する
ことができる。なお、光ファイバ線引装置41において
は、第2実施例と同様に、光ファイバ10の外径変動を
オンラインで測定し、この測定結果をフィードバック信
号として用いるから、プロセス変動などが生じても、高
品位で精度の高い光ファイバを製造できる。
て、異なる観点に基づく第1〜第3実施例を独立に述べ
たが、本発明の実施に際しては、上記第1〜第3実施例
を適宜組み合わせることができる。これらの組合せによ
れば、上述した実施例のそれぞれの効果が得られる。こ
れらの実施例を組み合わせても、線引炉の下部に隔壁な
どを設ける必要がなく、線引装置を大型化させないでよ
い。また、それぞれの実施例を実現する際、既存の平易
な制御技術および既存の低価格の部材または既存の低価
格の構成要素を適用でき、その実施に高価な部材、また
は、高度な制御技術を必要としないから、容易に実現で
きる。
ガスとして、線引炉体2をカーボン製電気炉としたとき
に好適な、アルゴンガスとヘリウムガスを用いた例を述
べたが、不活性ガスとしては、アルゴンガスとヘリウム
ガスに限らず、線引炉体2の構成材料に応じて、線引炉
体2を酸化磨耗させず、ダストを発生させない適切な不
活性ガスを用いることができる。さらに、上記実施例と
しては、不活性ガスとして、混合ガスを用いた例を述べ
たが、上記同様、熱伝達率などを変化させる手段、たと
えば、ガスを冷却しその流量を調整できる装置を用いれ
ば単一の不活性ガス、たとえば、アルゴンガスのみを用
いることができる。
引方法およびその装置によれば、線引炉体に流入される
不活性混合ガスの熱伝達率を調整することで、線引装置
を複雑化しないで、外径の大きな光ファイバ用ガラス母
材を高速な線引速度で光ファイバを線引きしても、強
度、伝送特性などに優れた高品質の光ファイバを製造す
ることができる。
の実施例としての光ファイバ線引装置の構成図である。
の実施例としての光ファイバ線引装置の構成図である。
引速度とヘリウムの混合比の関係を示すグラフである。
の実施例としての光ファイバ線引装置の構成図である。
である。
Claims (7)
- 【請求項1】線引炉内で光ファイバ用ガラス母材を加熱
および線引し、前記光ファイバ用ガラス母材の溶融部か
ら光ファイバを、前記線引炉の引き出し口を介して前記
線引炉の外部に引き出す光ファイバの線引方法におい
て、 前記光ファイバが線引される方向における前記溶融部と
前記引き出し口との間の位置から、前記線引炉内に不活
性ガスを流入する第1の工程と、 前記第1の工程で前記線引炉内に流入する前記不活性ガ
スの熱伝達率を前記光ファイバ用ガラス母材の外径およ
び線引速度に応じて変化させて前記光ファイバ用ガラス
母材の溶融部の形状、または、線引直後の光ファイバの
固化長を調整する第2の工程とを有する光ファイバの線
引方法。 - 【請求項2】前記第2の工程において、熱伝達率の異な
る複数の不活性ガスの混合比を、前記光ファイバ用ガラ
ス母材の外径および線引速度に応じて決定し、前記決定
した混合比で前記複数の前記不活性ガスを混合し、 前記第1の工程において、前記第2の工程における前記
混合によって得た前記不活性ガスを前記線引炉内に流入
する請求項1に記載の光ファイバの線引方法。 - 【請求項3】前記線引炉としてカーボン製電気炉を用
い、 前記第2の工程において、前記複数の不活性ガスとし
て、アルゴンとヘリウムとを用いる請求項2に記載の光
ファイバの線引方法。 - 【請求項4】前記光ファイバ用ガラス母材の前記溶融部
から線引された前記光ファイバの温度を、前記光ファイ
バが前記線引炉から出た直後に測定する第3の工程をさ
らに有し、 前記第2の工程において、前記第3の工程で前記測定し
た温度が前記光ファイバのほぼ軟化温度以下になるよう
に、前記第1の工程で前記線引炉内に流入する前記不活
性ガスの熱伝達率を変化させる請求項1〜3のいずれか
に記載の光ファイバの線引方法。 - 【請求項5】前記第2の工程において、前記軟化温度に
対する前記測定した温度の偏差に応じて、前記第1の工
程で前記線引炉内に流入する前記不活性ガスの熱伝達率
を変化させる請求項4に記載の光ファイバの線引方法。 - 【請求項6】前記溶融部から線引された前記光ファイバ
の外径を測定する第4の工程をさらに有し、 前記第2の工程において、前記第4の工程で測定した前
記外径の単位時間当たりの変動が設定値以内になるよう
に、前記第1の工程で前記線引炉内に流入する前記不活
性ガスの熱伝達率を変化させる請求項1〜5のいずれか
に記載の光ファイバの線引方法。 - 【請求項7】光ファイバ用ガラス母材を加熱および線引
する線引炉であって、前記光ファイバ用ガラス母材の溶
融部から光ファイバを、引き出し口を介して前記線引炉
の外部に引き出す前記線引炉と、 前記光ファイバが線引される方向における前記溶融部と
前記引き出し口との間の位置から、前記線引炉内に不活
性ガスを流入するガス流入手段と、 前記ガス流入手段が前記線引炉内に流入する前記不活性
ガスの熱伝達率を前記光ファイバ用ガラス母材の外径お
よび線引速度に応じて変化させて前記光ファイバ用ガラ
ス母材の溶融部の形状、または、線引直後の光ファイバ
の固化長を調整する調整手段とを有する光ファイバの線
引装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP663893A JP3519750B2 (ja) | 1993-01-19 | 1993-01-19 | 光ファイバの線引方法およびその装置 |
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JP663893A JP3519750B2 (ja) | 1993-01-19 | 1993-01-19 | 光ファイバの線引方法およびその装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH06211535A JPH06211535A (ja) | 1994-08-02 |
JP3519750B2 true JP3519750B2 (ja) | 2004-04-19 |
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ID=11643915
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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Country | Link |
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-
1993
- 1993-01-19 JP JP663893A patent/JP3519750B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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JPH06211535A (ja) | 1994-08-02 |
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