JP3519643B2 - 機械式駐車場の入庫車姿勢修正装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、機械式駐車場の入
庫口における入庫車の姿勢修正装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の機械式駐車場の入庫口の例を図４
に示し説明する。図４に示すように、入庫口１には入口
シャッター２で隔てた内側にリフタ等に載置されたパレ
ット３があり、入庫車４は開けられた入口シャッター２
を通過してパレット３上に乗り込み、ドライバーは入庫
車４から下車して入庫口１のドア１ｂから退出する。

【０００３】機械式駐車場はスペース的に、またレイア
ウト的に限られた条件で建設されることが多く、入庫口
１の入口シャッター２へ真っ直ぐ向いた入庫通路が設け
られることは少なく、通常、入口シャッター２の正面の
床には、入庫口１内のパレット３等入庫車４が乗り入れ
る先の中心に入庫車４が真っ直ぐ乗り入れられる直線、
すなわち乗り入れ中心線１ａの上に回転中心０５ａを置
いたターンテーブル０５が設けられ、入庫通路はそれに
横方向、または斜め方向に取付けられている。

【０００４】入庫車４が横方向または斜め方向からター
ンテーブル０５上に乗り込むと、管理人により、又は自
動的に、ターンテーブル０５は入庫車４が入口シャッタ
ー２に真っ直ぐ向くように回転し、その後、上記のよう
に入庫車４はドライバーの運転により入庫口１内へ進入
する。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような入庫口１の入口のターンテーブル０５に横方向、
または斜めに入庫車４を乗り入れる場合、進行方向位置
は適宜なストッパ等で容易に正しいものが得られるが、
入庫車の縦の中心線（以下、「車中心線」という）４ａ
を完全にターンテーブル０５の回転中心５ａに合致させ
ることは難しく、特に小型の車両は幅方向位置がずれて
もターンテーブル０５上に乗り入れた状態とできるた
め、そのずれが大きくなる傾向がある。

【０００６】したがって、ターンテーブル０５を回転さ
せ、入庫車４を入庫口１の入口シャッター２へ真っ直ぐ
向けると、入庫車４の車中心線４ａと、入庫口１の乗り
入れ中心線１ａとは、図４に示すような横ずれｄを生じ
ている。

【０００７】その場合、入庫車４のドライバーは、ハン
ドルを操作して適切な幅寄せを行ないつつ入庫口１へ進
入しなければならず、その操作が煩雑であった。また一
旦進入してしまうとドライバーのハンドル操作では容易
に幅方向位置、向きの姿勢修正ができなかった。

【０００８】また、パレット３には通常、入庫車４の幅
方向位置、向きを規制するため轍に合わせた溝３ａが設
けられており、その幅には余裕があるが、往々にしてハ
ンドル操作中に入庫車４のタイヤの脇腹が溝３ａの縁を
擦ることがあり、これらが駐車場の利用者に嫌われると
いう問題があった。

【０００９】以上のことは、入庫口前のターンテーブル
上で向きを変えた後、入庫口内の乗り入れ先がパレット
を用いず、リフタ、搬送台車、ゴンドラ上等に直接入庫
車を乗り入れる方式の機械式駐車場の入庫口において
も、同様に問題であった。

【００１０】本発明は、上記のような入庫口前にターン
テーブルを備える機械式駐車場において、入庫口の乗り
入れ中心線と入庫車の車中心線の横ずれを修正できる入
庫車姿勢修正装置を提供することを課題とするものであ
る。

【００１１】

【課題を解決するための手段】（１）本発明は、上記の
課題を解決するためになされたものであり、その第１の
手段として、入庫口正面に、入庫車の縦の中心線の向き
を同入庫口の乗り入れ中心線の向きに変えるためのター
ンテーブルを備えた機械式駐車場の入庫車姿勢修正装置
であって、前記ターンテーブルは、同ターンテーブルの
回転中心と前記入庫車の縦の中心線との横ズレを修正し
て前記入庫車の縦の中心線を前記入庫口の乗り入れ中心
線に一致させるように同ターンテーブルの回転中心を前
記入庫口に向かう方向に対して直角方向にスライドする
機構上に支持されてなることを特徴とする機械式駐車場
の入庫車姿勢修正装置を提供するものである。

【００１２】第１の手段によれば、ターンテーブルによ
って入庫車の縦の中心線の向きを同入庫口の乗り入れ中
心線の向きに変えて入庫車を入庫口正面に向けるだけで
なく、ターンテーブルの回転中心と前記入庫車の縦の中
心線との横ズレを修正して前記入庫車の縦の中心線を前
記入庫口の乗り入れ中心線に一致させるように入庫口に
向かう方向に対して直角方向にターンテーブルの回転中
心をスライドできるので、入庫車の幅方向のずれを修正
して、入庫車が直進するだけで容易に適切に入庫口に侵
入できるようになる。

【００１３】（２）第２の手段としては、第１の手段の
機械式駐車場の入庫車姿勢修正装置において、前記ター
ンテーブルは、同ターンテーブル上の入庫車の位置と向
きの検知手段を備え、その検知情報に基づき前記入庫車
の縦の中心線を前記入庫口の乗り入れ中心線と一致させ
るように制御されることを特徴とする機械式駐車場の入
庫車姿勢修正装置を提供するものである。

【００１４】第２の手段によれば、第１の手段の特徴に
加え、ターンテーブル上の入庫車の位置と向きを検知し
て、それから入庫車の縦の中心線の方向とターンテーブ
ルの回転中心からの横ずれ距離を算出し、ターンテーブ
ル上の入庫車の縦の中心線を正確に入庫口の乗り入れ中
心線に一致できるので、より的確な入庫車姿勢修正が自
動または手動の制御で行なえる。

【００１５】

【発明の実施の形態】図１から図３に基づいて、本願発
明の実施の一形態にかかる機械式駐車場の入庫車姿勢修
正装置を説明する。図１から図３はともに機械式駐車場
の入庫車姿勢修正装置の配置と入庫車姿勢修正操作の説
明図であり、図１は入庫車のターンテーブル乗り込み後
の状態、図２はターンテーブルの回転後の状態、図３は
横ずれ修正後の状態を示し、各図において（ａ）は入庫
口を断面とした平面配置図であり、（ｂ）は（ａ）中Ａ
−Ａ矢視によるターンテーブルの断面図である。

【００１６】なお、前記した従来のものと同一部分につ
いては、図１においても同一の符号を付して示し、相互
の関連を明確にして本実施の形態の理解を容易にすると
ともに、説明を省略する。

【００１７】図１（ａ）は入庫車４がターンテーブル５
にＢの方向から進入し停止した状態である。この時、入
庫車４の進行方向位置は適宜設けられたストッパ等で容
易に正しい位置を得られるが、幅方向や向きにはずれが
生じやすく、（ａ）に示すように、車中心線４ａはター
ンテーブル５の回転中心５ａに対して、横ずれｄがある
とする。

【００１８】ターンテーブル５は（ｂ）に示すように、
ピット５１内に設置されたフレーム５２上の回転支持装
置５３によって円形のテーブル５４が回転自在に支持さ
れ、フレーム５２上の回転駆動装置５５によって回転駆
動されるものである。 回転駆動装置５５は、駆動モー
タに取り付けられたピニオンがテーブル５４の裏面に取
り付けられた環状のラックに係合するものや、駆動スプ
ロケットとローラチェーンの組合せ等、また、回転支持
装置５３と兼ねるもの等、適宜のもので構成されてよ
い。

【００１９】本実施の形態において、ターンテーブル５
のフレーム５２は、ピット５１の底面に入庫口１の乗り
入れ中心線１ａと直角方向に配設されたレール５６の上
に、ローラ５７によりスライド可能に載置されている。

【００２０】なお、ここで「乗り入れ中心線１ａ」と
は、従来例で述べたように入庫口１内のパレット等入庫
車４が乗り入れる先の中心に入庫車４が真っ直ぐ乗り入
れられる直線を言う。

【００２１】また、ターンテーブル５のスライドの基準
位置は図１（ａ）に示すように、その回転中心５ａが入
庫口１の乗り入れ中心線１ａ上にある位置としている。

【００２２】フレーム５２上にはパワーシリンダ、電動
シリンダ、または駆動モータとラック・ピニオン等、適
宜のスライド駆動装置５８が取り付けられ、そのスライ
ド部の端部がピット５１の側壁に取り付いており、この
スライド駆動装置５８によってフレーム５２がレール５
６上をスライドされるようになっている。

【００２３】すなわち、ターンテーブル５のテーブル５
４は、その回転位置に関わらず、入庫口１の乗り入れ中
心線１ａに対して直角方向にスライドすることができる
ものとなっている。

【００２４】テーブル５４とピット５１の内周の縁の間
にはアコーデオンサイドデッキ５９が設けられており、
スライドによってもテーブル５４とピット５１の内周の
縁の間に隙間が生じないようになっている。アコーデオ
ンサイドデッキ５９を設ける代わりに、テーブル５４を
ピット５１に対して十分大きいものとしてスライドして
もピット５１の内周の縁との間に隙間が生じないように
してもよい。

【００２５】なお、ターンテーブル５のスライド支持に
おいては、上記図示のものに限られず、ピット５１の底
面側にローラを据付け、フレーム底部のスライドレール
がその上に載置されるものであってもよく、適宜の構造
を用いてよい。

【００２６】次に、図２（ａ）に示すように、入庫のた
めに、ターンテーブル５のテーブル５４が回転し、入庫
車４が入庫口１の入口シャッター２に真っ直ぐに向けら
れると、乗り入れ中心線１ａと、車中心線４ａは、互い
に平行となるが、その間に横ずれｄが残り、そのまま入
庫車４を入庫口１へ進入させると、従来例で説明したよ
うな問題を生ずることとなる。

【００２７】そこで、本実施の形態においては、図３に
示すように、スライド駆動装置５８によりフレーム５２
をレール５６上でスライドさせ、乗り入れ中心線１ａに
対して直角に上記の横ずれｄが無くなる方向へテーブル
５４を横移動させるものである。

【００２８】その結果、ターンテーブル５の回転中心５
ａは、乗り入れ中心線１ａから逆にｄだけずれるが、車
中心線４ａは乗り入れ中心線１ａと一致し、入庫車４は
直進するだけで入庫口１内のパレット３上の正しい向
き、幅方向位置に容易に進入、停止する事ができる。

【００２９】なお、進行方向位置は、パレット３上にも
適宜なストッパを設けることにより容易に正しいものが
得られる。

【００３０】入庫車４がテーブル５４上に乗り込み、停
止したときの向きと横ずれｄを含む位置の検知は、映像
処理、テーブル５４上に設けた格子状に分割した荷重セ
ンサ等既存の検知手段により容易に行なうことができ
る。

【００３１】したがって上記横ずれｄを修正するための
ターンテーブル１５のスライド量だけでなく、入庫車４
を入口シャッター２に真っ直ぐに向けるためのターンテ
ーブル５の回転角も自動的に得ることができるので、車
中心線４ａを入庫口１の乗り入れ中心線１ａと一致させ
るためのターンテーブル５の回転およびスライドの制御
は、それをもとに、管理人による操作盤からの手動操
作、ドライバー自身のリモコン操作、または自動操作等
により制御することができる。

【００３２】以上、本発明の実施の形態について説明し
たが、上記実施の形態に限定されるものではなく、本発
明の範囲で種々の変更を加えてもよいことは言うまでも
ない。

【００３３】また、本発明は、上記実施の形態のよう
に、入庫口でパレット上に入庫車が乗り込む方式の機械
式駐車場のみに適用が限られるものではなく、入庫車が
入庫口前のターンテーブル上で向きを変えた後入庫口内
で乗り入れる先がパレットでなく、リフタ、搬送台車、
またはゴンドラ等に直接乗り入れる方式の機械式駐車場
においても同様に適用できるものである。

【００３４】

【発明の効果】（１）本願請求項１の発明によれば、機
械式駐車場の入庫車姿勢修正装置を、入庫口正面に、入
庫車の縦の中心線の向きを同入庫口の乗り入れ中心線の
向きに変えるためのターンテーブルを備えた機械式駐車
場の入庫車姿勢修正装置であって、前記ターンテーブル
は、同ターンテーブルの回転中心と前記入庫車の縦の中
心線との横ズレを修正して前記入庫車の縦の中心線を前
記入庫口の乗り入れ中心線に一致させるように同ターン
テーブルの回転中心を前記入庫口に向かう方向に対して
直角方向にスライドする機構上に支持されてなるように
構成したので、ターンテーブルによって入庫車の縦の中
心線の向きを同入庫口の乗り入れ中心線の向きに変えて
入庫車を入庫口正面に向けるだけでなく、ターンテーブ
ルの回転中心と前記入庫車の縦の中心線との横ズレを修
正して前記入庫車の縦の中心線を前記入庫口の乗り入れ
中心線に一致させるように入庫口に向かう方向に対して
直角方向にターンテーブルの回転中心をスライドできる
ため、入庫車の幅方向のずれを修正して、入庫車が直進
するだけで容易に適切に入庫口に侵入できるようにな
り、入庫にあたって入庫車の幅方向のずれを修正するた
めのハンドル操作の煩雑さを除き、タイヤがガイド用の
溝を擦る等のトラブルを防ぐことができ、駐車場の利用
上の利便性が向上する。

【００３５】（２）本願請求項２の発明によれば、請求
項１に記載の機械式駐車場の入庫車姿勢修正装置におい
て、前記ターンテーブルは、同ターンテーブル上の入庫
車の位置と向きの検知手段を備え、その検知情報に基づ
き前記入庫車の縦の中心線を前記入庫口の乗り入れ中心
線と一致させるように制御されることを特徴とするよう
に構成したので、請求項１の発明の効果に加え、ターン
テーブル上の入庫車の位置と向きを検知して、それから
入庫車の縦の中心線の方向とターンテーブルの回転中心
からの横ずれ距離を算出し、ターンテーブル上の入庫車
の縦の中心線を正確に入庫口の乗り入れ中心線に一致で
きるため、より的確な入庫車姿勢修正が自動または手動
の制御で行なえ、駐車場の利用上の利便性がより向上す
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本願発明の実施の一形態にかかる機械式駐車場
の入庫車姿勢修正装置の配置と入庫車姿勢修正操作の説
明図であり、（ａ）は平面配置図であり入庫車のターン
テーブル乗り込み後の状態を示し、（ｂ）は（ａ）中Ａ
−Ａ矢視によるターンテーブルの断面図である。

【図２】図１と同じ機械式駐車場の入庫車姿勢修正装置
の配置と入庫車姿勢修正操作の説明図であり、（ａ）は
平面配置図でありターンテーブルの回転後の状態を示
し、（ｂ）は（ａ）中Ａ−Ａ矢視によるターンテーブル
の断面図である。

【図３】図１と同じ機械式駐車場の入庫車姿勢修正装置
の配置と入庫車姿勢修正操作の説明図であり、（ａ）は
平面配置図であり横ずれ修正後の状態を示し、（ｂ）は
（ａ）中Ａ−Ａ矢視によるターンテーブルの断面図であ
る。

【図４】従来の機械式駐車場の入庫口周辺の配置の説明
図である。

【符号の説明】

１ 入庫口 １ａ 乗り入れ中心線 ２ 入口シャッター ３ パレット ３ａ 溝 ４ 入庫車 ４ａ 車中心線 ５ ターンテーブル ５ａ 回転中心 ５１ ピット ５２ フレーム ５３ 回転支持装置 ５４ テーブル ５５ 回転駆動装置 ５６ レール ５７ ローラ ５８ スライド駆動装置 ５９ アコーデオンサイドデッキ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小西 国友 横浜市中区錦町12番地 三菱重工パーキ ング建設株式会社内 (56)参考文献 特開 平４−20677（ＪＰ，Ａ) 特開 平３−122374（ＪＰ，Ａ) 特開 平11−324387（ＪＰ，Ａ) 特開 昭49−70379（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) E04H 6/28,6/40,6/42

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 入庫口正面に、入庫車の縦の中心線の向
   きを同入庫口の乗り入れ中心線の向きに変えるためのタ
   ーンテーブルを備えた機械式駐車場の入庫車姿勢修正装
   置であって、前記ターンテーブルは、同ターンテーブル
   の回転中心と前記入庫車の縦の中心線との横ズレを修正
   して前記入庫車の縦の中心線を前記入庫口の乗り入れ中
   心線に一致させるように同ターンテーブルの回転中心を
   前記入庫口に向かう方向に対して直角方向にスライドす
   る機構上に支持されてなることを特徴とする機械式駐車
   場の入庫車姿勢修正装置。
2. 【請求項２】 請求項１に記載の機械式駐車場の入庫車
   姿勢修正装置において、前記ターンテーブルは、同ター
   ンテーブル上の入庫車の向きと位置の検知手段を備え、
   その検知情報に基づき前記入庫車の縦の中心線を前記入
   庫口の乗り入れ中心線と一致させるように制御されるこ
   とを特徴とする機械式駐車場の入庫車姿勢修正装置。