JP3519599B2 - アンテナ装置およびその製造方法 - Google Patents

アンテナ装置およびその製造方法

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珠美 丸山
一浩 上原
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無線通信用のアン
テナ装置に関し、例えば、水平面30°ビームとなる1
2セクタアンテナ等の、特に、LANなどの高速データ
通信に用いるマイクロ波帯、準ミリ波帯、ミリ波帯のモ
ノポールアレイアンテナを、高い精度で容易に実現する
ことができるアンテナ構造、および、その製造方法に係
る。
【0002】
【従来の技術】従来の、構内無線LAN等に用いる端末
装置用アンテナは、机の上や机の上のパーソナルコンピ
ュータや、ワークステーション、あるいは、パーティシ
ョンの上などに取り付けられている。無線LANのよう
な、伝送速度が10Mbpsを超えるような高速無線通
信では、指向性を鋭くした利得の高いアンテナが必要で
ある。
【0003】一方、端末装置は基地局がどの方向にあっ
ても電波を受信できるように水平面内360°のすべて
の方向にビームを向けられるようにするのが望ましい。
既に、RCR STD−34の標準(財団法人 電波シ
ステム開発センター:“構内無線局19GHz帯データ
伝送用無線設備,標準規格”:RCR STD−34,
March,1993.)に基づく、高速な伝送速度2
5Mbps、最大スループト15Mpsを実現する19
GHz帯無線LANが開発されている。
【0004】(文献:「T.Okada,T.Shir
ato,H.Hara,M.Iki,“VJ25 Sy
stem:19GHz High−speedWire
less LAN System,“NTT REVI
EW,Vol.9,pp86−92、Jan.199
7.」参照)。
【0005】上記に関し、基地局を1セクタオムニとし
たときに、伝送速度25Mbpsを実現するのに必要と
なる端末の仕様を、幾何光学モデルで解析した例が知ら
れており、そこでは、水平面(円錐面)半値幅30°、
垂直面半値幅30°、指向性利得15dBi以上と定め
ている。
【0006】これを実現する従来のアンテナ装置に、3
次元コーナーリフレクタおよび誘電体を装荷した3次元
コーナーリフレクタがある(文献:「白土正,花澤徹
朗,岡田隆,丸山珠美:“高速無線LAN装置の開
発,”:NTT R&D,Vol45,No.8,p
p.95−104,Aug.,1996.」参照)。
【0007】このようなアンテナは、基本的に反射板の
大きさと開口面積に頼ってアンテナの利得やビーム幅が
決定されるため、高さと地板直径を小さくすることは難
しく、そのため、重量を軽くすることもできない。
【0008】また、少しでも小さいアンテナを実現する
ために誘電体を装荷した場合には製造工程が複雑にな
り、誘電体である例えばテフロンなどと銅などの金属と
の接着に特殊な接着方法が必要であることから、製造原
価が高くならざるを得ない。
【0009】また、3次元コーナーリフレクタアンテナ
の高さを低くする方法にフィンをつけたものが考案され
ているが(特願平7−314884参照)、フィンを地
板と平行につけるため、構造が複雑になり、製作工数が
増える。
【0010】一方、この3次元コーナーリフレクタアン
テナよりも小さい体積でこれを実現する平面パッチアン
テナが考えられている。(文献:「上原一浩,関智弘,
鹿子嶋憲一:“平面マルチビームアレーアンテナを用い
た20GHz帯12セクタアンテナ”信学’96春大
B−107,1996.」参照)しかし、この場合も、
垂直面の指向性を絞るためには縦方向、水平面の指向性
を絞るためには横方向の開口面積を確保する必要があ
り、そのため、薄型化の実現は難しく、また、給電回路
の損失が大きくなる。
【0011】また、6セクタの無線LAN端末用アンテ
ナとしてホーンアンテナを用いた例も(文献:「Jam
es E.Mitzlaff:“Radio Prop
agation and Anti−Multipat
h Techniquesin the WIN En
vironment,”IEEE NetworkMa
gazine,vol.5,No.6,pp.21−2
6,Nov.1991.」)あるが、その大きさは縦2
0mm横15mmを必要とする。
【0012】そのため、このような構造で、更にビーム
を絞った12セクタアンテナを12個配置すると、開口
面積が2倍、必要な個数が2倍となるため、その大きさ
は4倍になると考えられ、小型化は難しい。
【0013】一方、従来のモノポールアレイアンテナは
反射器、放射器、および導波器として機能する複数のア
ンテナ素子を、導電性平板の表面部と直角の面内に所定
間隔で配列し、放射器から放出される送信波を反射器で
導波器の形成方向に導くように構成されたアンテナであ
り、高周波帯において多用されている。
【0014】図12(a)は、従来のモノポールアレイ
アンテナの外観斜視図であり、導電性材料の平板20上
に、一本の放射器21および反射器22aと、複数本
(図示の例では10本)の導波器22b〜22kとを同
一面内に所定間隔で配置するとともに、導電性平板20
の背面にコネクタ部23を配置した例が示されている。
コネクタ部23は、無線送受信装置(図示せず)から導
かれる同軸ケーブルの芯線を放射器21と導通させるも
のである。
【0015】このような構成のモノポールアレイアンテ
ナは、放射器21、反射器22a、および導波器22b
〜22kとして機能する棒状のアンテナ素子を、それぞ
れ規定寸法に加工した後、図12(b)の分解斜視図に
示すように、導電性平板20に所定間隔で空けられた放
射器挿入用孔24に放射器21を係着すると共に、反射
器22aを反射器挿入用孔25aに、導波器22b〜2
2kを導波器挿入用孔25b〜25kに圧入することに
よって作られていた。
【0016】従来の製造方法の場合の工程の流れを図1
3、および、図14に示す。図13は金属フィンと円筒
リフレクタを地板に半田付けなどで取り付ける場合の製
造方法であり、図14はアルミなど金属塊を削り出して
金属フィンと地板を同時に作成する方法である。
【0017】はじめに、図13の場合について説明す
る。従来の製造方法を用いる場合、所望の直径厚さとな
るように、台数分の地板をカットする。この地板の材質
は円筒リフレクタと金属フィンを取り付けたときに半田
付けしやすい例えば真鍮などにしておく。
【0018】次に円形地板上に導波器取り付け用の穴を
各アレイに必要な導波器数の12倍あける。一方、円筒
型リフレクタ・金属フィンは、あらかじめ所定の大きさ
にカットする。次に円形地板上に円筒型リフレクタおよ
び金属フィンを取り付けるための切り欠きを行う。
【0019】次に円形地板上に円筒リフレクタと金属フ
ィンを取り付け半田付け処理を行う。一方、導波器用の
素子にする棒状の金属はそれぞれ高さが前後で逆転しな
いように、カットしておく。
【0020】また、棒状の素子の太さが規格の寸法でな
い場合はそれぞれ棒状の素子の太さを所望値にあうよう
加工する。次に加工した棒状の素子である導波器を地板
上に設けた穴に挿入し半田付けなどを行う。また放射素
子も同様に挿入する。
【0021】本アンテナは、導波器が、地板の端にむか
ってだんだん低くなるようにする必要がある。前後で隣
接する導波器の高さは19.5GHz帯のときは、0.
01mm程度の差となり高い精度が要求される。
【0022】このため、素子を挿入後再度素子の高さを
測定し所望の値となるように調節を行う。この製造方法
のフローにおいてもっとも時間を要するのは素子の高さ
や太さの調整である。また、これは12個のセクタ間で
ばらつきが生じないように作成しなくてはならない。そ
して、この本調整は1台ずつ全ての台数について行われ
なければならなかった。
【0023】次に図14に示すように、円形地板、円筒
型リフレクタおよび金属フィン全てを1つの金属塊で構
成し、円柱状の金属塊を削り出すことによってリフレク
タ部や金属フィン部を作成する方法について説明する。
このとき、地板の材料はアルミなど柔らかい材質のもの
を用いる。
【0024】この場合も、導波器の取り付けについて
は、図13で説明した場合と同様調整を繰り返しながら
取り付ける方法となる。このように、従来の方法では素
子長や素子の太さを1台について100本程度調整しな
くてはならず、その調整時間がかかる。また、取り付け
たあとから調整する場合は測定方法や調整方法自体精度
を保持しなくてはならない。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、従
来の3次元コーナーレフ型の無線LAN端末用マルチセ
クタアンテナは、小型化のため、誘電体や金属フィンを
取り付けると製作工数が増え、安価に製造できないとい
う問題があった。また平面アンテナを用いると給電回路
やスイッチの損失によって特性が劣化するという問題が
あった。
【0026】一方、従来のモノポールアレイアンテナ
は、以下のような問題があるため製造時の効率が悪く、
コスト低減化を図る上で一定の限界があった。すなわ
ち、使用周波数が高くなるにつれて個々のアンテナ素子
の寸法が小さくなり、その配置間隔も短くなる。そのた
め、各アンテナ素子の寸法、導電性平板上の穴の径や間
隔を所要の精度に加工することが困難であり、加えて穴
に、該当素子を埋め込む作業も困難になる。
【0027】特に準ミリ波帯以上の周波数では、アンテ
ナ素子の径が細いのでその扱いにかなりの注意を要する
とともに、各構成要素を精度よく組み立てるには熟練を
要する。
【0028】一般的な八木宇田アンテナを19GHz帯
で作成する場合について、文献:「J.L.Lawso
n(W2PV),“Yagi AntennaDesi
gn”,ham radio,Feb.,1981」、
文献:「ダイナミックハムシリーズ、アンテナ・ハンド
ブック、CQ出版社、p.353」に記載されているも
のを“表1”に示す。
【0029】
【表1】
【0030】“表1”に示すように、放射器や導波器の
素子長は、0.3波長から0.5波長の間で前後が逆転
しないように作成される。19GHzの波長は、1λ=
15mmであるから、これで八木宇田アンテナを作成す
ると、隣り合う素子どうしの高さの差は、0.01mm
のオーダーで規定されることになり、機械加工が大変難
しくなる。
【0031】すなわちこのように精密なアンテナを作成
しようとすると一度加工した後、特殊な顕微鏡で精度を
測定し、ずれが生じている場合はもう一度調整しなくて
はならなくなる。
【0032】本発明は、上述のような従来の課題に鑑
み、複雑な給電回路を必要とせず小型・薄型で、設計、
組み立てが容易な構成のモノポールアレイアンテナ、お
よびモノポールアレイアンテナを構成するアンテナ素子
を歩留まり良く製造するための方法を提供することを目
的としている。
【0033】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上述の
目的は前記「特許請求の範囲」に記載した手段により達
成される。
【0034】すなわち、第1の発明は、第一の板状の誘
電体の一方の面に、該第一の板状の誘電体の一方の面に
一方の端面が接する筒状の部材と、該筒状の部材の外周
に放射状に、かつ、その一端面が前記第一の板状の誘電
体の表面に接するように設けた複数の第二の板状の部材
と、該第二の板状の部材と、これに隣接する第二の板状
の部材仕切板との間に、前記第一の板状の誘電体の表面
と直角をなすように、かつ、前記筒状の部材の外周に対
して放射状に、第三の板状の部材とを膨出させて設け、
前記第一の板状の誘電体の一方の面の表面、および、前
記各部材の表面を導電性の被膜で覆うことにより、前記
第一の板状の誘電体を地板、前記筒状の部材を反射器、
前記第二の板状の部材を仕切板、となすと共に、前記該
第三の板状の部材の一方の面に、帯状の導電性の被膜で
成る複数の導波器を形成せしめ、前記第三の板状の誘電
体の一方の端部と反射器の外周との間の、第三の板状の
部材の延長線上の第一の板状の誘電体の一方の面に、給
電用の素子を設けたことを特徴とするアンテナ装置であ
る。
【0035】
【0036】
【0037】2の発明は、前記第1の発明に係るアン
テナ装置において、地板の形状を円形又は多角形とし
て、その中心部に反射器を設けて構成したものである。
【0038】3の発明は、前記第1の発明に係るアン
テナ装置において、地板の形状が扇形であり、反射器の
地板に接する面が円弧状又は多角形の一部の形状である
ように構成したものである。
【0039】4の発明は、前記第1の発明〜第3の発
明のいずれか1つに係るアンテナ装置において、給電用
の素子を、セミリジッドケーブルなどの同軸線路の内部
導体を、地板に開けた穴から突出させた構造であり、該
同軸線路の外被導体を地板に圧着するか、又は、導電性
材料で接着して構成したものである。
【0040】5の発明は、前記第1の発明〜第3の発
明のいずれか1つに係るアンテナ装置において、給電用
の素子を、地板の誘電体を膨出させ、該膨出部の内部に
穴を設けて、その内壁を導体膜で覆うか、又は、該穴に
導電材料を充填した構造としたものである。
【0041】
【0042】
【0043】
【0044】第6の発明は、前記第1の発明〜第5の発
明のいずれか1つに係るアンテナ装置において、給電用
の素子を、前記第三の板状の部材の一方の面に、複数の
導波器と共に、帯状の導電性の被膜で形成せしめて構成
したものである。
【0045】第7の発明は、前記第1の発明〜第6の発
明のいずれか1つに係るアンテナ装置において、給電素
子と各導波器の少なくとも一部を硬質の誘電体材料で覆
って構成したものである。
【0046】第8の発明は、前記第1の発明〜第7の発
明のいずれか1つに係るアンテナ装置において、 第一
の板状の部材の他方の面の表面にストリップ線路を形成
せしめ、該ストリップ線路を、給電素子に接続して給電
を行う構成としたものである。
【0047】第9の発明は、第一の板状の誘電体の一方
の面に、該第一の板状の誘電体の一方の面に一方の端面
が接する筒状の部材と、該筒状の部材の外周に放射状
に、かつ、その一端面が前記第一の板状の誘電体の表面
に接するように設けた複数の第二の板状の部材と、該第
二の板状の部材と、これに隣接する第二の板状の部材と
の間に、前記第一の板状の誘電体の表面と直角をなすよ
うに、かつ、前記筒状の部材の外周に対して放射状に設
けられた第三の板状の部材とが膨出した形状の基礎構造
体を、誘電体材料を用いて、射出成形、又は、圧縮成形
によって成型し、メタライジング加工、又、は、金属メ
ッキを施すことにより、前記第一の板状の誘電体の一方
の面の表面、前記第二の板状の誘電体の表面、および、
前記筒状の部材の表面を、導電性の被膜で覆うと共に、
前記第三の板状の部材の一方の面に、給電用の素子と複
数の導波器との内少なくとも一方を帯状の導電性の被膜
で形成せしめるアンテナ装置製造方法である。
【0048】
【0049】
【0050】第10の発明は、前記第9の発明に係る
ンテナ装置の製造方法において、第一の板状の誘電体の
面の所定の位置に穴を開け、該穴に、給電素子を挿入し
て固着する工法を採るものである。
【0051】第11の発明は、前記第9の発明に係る
ンテナ装置の製造方法において、第一の板状の誘電体の
面の所定の位置を膨出させて、その内部に穴を開け、該
穴の内部を導電性の被膜で覆うか、導電性の材料を充填
して、給電素子を形成するようにしたものである。
【0052】
【0053】
【0054】
【0055】第12の発明は、前記第9の発明に係る
ンテナ装置製造方法において、第一の板状の誘電体の他
方の面に、メタライジング加工、又、は、金属メッキを
施すことにより、ストリップ線路を形成せしめ、該スト
リップ線路と給電素子とを接続する工程を加えたもので
ある。
【0056】本発明のアンテナ装置は、上述のような構
造となっているので、金属コーティングした棒状の素子
列を導波器とする八木宇田アンテナが実現できる。本ア
ンテナは導波器により、指向性を鋭くするだけでなく、
仕切り板を設けることによって、隣接アレイの給電素子
からの不要な放射を抑圧すると共に、隣接アレイからの
相互結合を有効に利用することにより、鋭いビームを有
するアンテナを低いアンテナ高で、実現させている。
【0057】さらに、本発明によれば、射出成形や圧縮
成形によって金型に誘電体を流し込み、その表面にメッ
キやスパッタリング等によってアンテナを作成するた
め、従来のように一つ一つの素子を穴に埋め込みなが
ら、高さを調整する必要がなく、金型のみをあらかじめ
精度よく作成すれば同じ精度のアンテナを何台でも作成
することが可能になる。
【0058】さらに上述のように、地板と直角をなす方
向では凹凸がなく形状が変化しない構造となっているの
で、型を抜く方向が一方向ですみ、アンテナを製造する
のに必要な型の台数が一つでまかえなる。
【0059】本アンテナ装置の地板は任意の形状で良
い。例えば、地板の形状を円形とし、12セクタのアン
テナアレイを形成させる構造を基本とした場合、壁際な
どに本アンテナを取り付け、12セクタのうち、半分の
セクタを使用しない場合には半円形のアンテナ装置が、
また部屋のすみなどに、アンテナを取り付ける場合には
1/4円型のアンテナを組み合わせて円型のアンテナを
作成することも可能となり組み合わせに自由度を生じさ
せることができる。
【0060】さらに、給電素子としてセミリジッドケー
ブルの内部導体を用いる構造とした場合には、従来のモ
ノポールアンテナに見られるように、アンテナ素子から
セミリジッドケーブルへ接続しコネクタへ接続するプロ
セスを、削除することができる。
【0061】さらに、給電素子や導波器を硬質の誘電材
料で覆う構造を採った場合には、微少な素子を強度的に
補強すると共に、素子を環境からも保護し、その特性を
長期に亘って安定なものに維持できる。
【0062】また、モノポール素子を地板やリフレクタ
の材料と同じ誘電体の薄い板の上のパッチとするこによ
って、放射素子が細いことによる製造時の折れの発生を
解消することが可能となる。
【0063】さらに、地板に用いた誘電体の裏面にスト
リップ線路を形成させる構造を採れば、アンテナ素子か
ら給電回路やセクタ切り替えスイッチまで、ストリップ
線路を介して接続できるのでコネクタやセミリジッドケ
ーブル、あるいは他の給電回路を不要にできる。
【0064】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施の形態の第1
の例を示す図であって、(a)は地板を円形にしたアン
テナ装置の斜視図、(b)はその一部を取り出して拡大
して示した図である。同図において、数字符号1は誘電
体、2は地板、4は導波器、5は仕切り板、6は反射
器、7は金属被膜、8は給電素子を表わしている。誘電
体1の材質は金型の媒質に適するもの、すなわち、全芳
香族系ポリエステルなどの高分子材料のように非導電性
で流動性の良いものが用いられる。
【0065】図1に示すアンテナ装置は、突起する構造
がアンテナ装置の上部にのみ向いており、鉛直方向に構
造が変化しない。そのため、一方向(上)にだけ抜けれ
ば良いような構造の型を用いて、作成できることがわか
る。
【0066】図2は、図1に示したアンテナ装置の母体
になる誘電体の形状を示したものであって、図1と同様
に(a)は誘電体全体の斜視図、(b)はその一部を取
り出して拡大して示した図である。同図に示した数字符
号1は誘電体板、1aは誘電体の突起、3は給電素子を
取り付けるための穴を示している。先に述べた図1にお
ける地板2、導波器4、仕切り板5、反射器6となるべ
き箇所は、誘電体板1を膨出させ、その上に金属被膜を
被せて形成するので、それらは、この図では誘電体の突
起1aとして表示している。
【0067】本例のアンテナ装置は図2に示した誘電体
の構造物の表面に金属のコーティングを施すことによっ
て、主要な構造を形成する。金属コーティングは、例え
ば、メッキが乗り易くなるよう、タングステンとニッケ
ルの厚みが5μm、銅5μm、そして、導電率を良くす
るために、金あるいは銀0.02μmなどを用いる。な
お、タングステンとニッケルはプラスチック材料に付き
易いことから誘電体に対する第1層とし、導電性を高め
るため、最外層に金あるいは銀の層を設ける。なお、銅
の層は、金あるいは銀がタングステンとニッケルに付き
にくいことから設けられている。
【0068】このように、本アンテナは、導波器等主要
な構造のすべてを一体で成形その上にメッキなどで金属
被膜を形成させて構成するため、これら多数の素子を調
整する必要がなく、短時間で大量の製品を製造できる。
【0069】図3は図1に示したアンテナ装置の給電素
子の取り付けの例を示す断面図である。この例では、給
電素子としてセミリジッドケーブルの内導体を用いる場
合を示している。同図において、数字符号1は誘電体、
2は地板、3は地板に空けられた穴、7は金属被膜、9
はセミリジッドケーブルの内導体(芯線)、10はセミ
リジッドケーブルの外導体、11はセミリジッドケーブ
ルの内部導体と外部導体の間に充填されている誘電体、
12は半田などの接着剤、18はセミリジッドケーブル
を示している。
【0070】同図(a)の方式では、地板2に設けられ
た穴にセミリジッドケーブル18の外導体10を圧入す
ることによって給電素子(セミリジッドケーブルの内導
体9)を固定する。
【0071】同図(b)の方式では、地板2に設けられ
た穴にセミリジッドケーブル18の外導体10を挿入し
た後、半田などの接着剤12を用いて地板2にセミリジ
ッドケーブル18を接着し、これによって、給電素子
(セミリジッドケーブルの内導体9)を固定する。この
構造では、給電素子として棒状の導体を設ける必要がな
く、また、これを給電用のセミリジッドケーブル等に接
続する手間を省くことができる。
【0072】図4は、給電素子、導波器などを補強する
構造の例を示す図であって、アンテナ装置の断面図とし
て示している。同図において、数字符号1,2,4,
6,7,9,18は先の図1〜図3の場合と同様であ
り、13は比誘電率がほぼ1の誘電体でなる硬化材料を
示している。
【0073】同図(a)は、セミリジットケーブルの内
導体9(給電素子)と導波器4とを共に、硬化材料13
で固着したものを示しており、(b)は、導波器4のみ
を硬化材料13で固着したものを示している。
【0074】このように、各素子表面を硬化材料で覆う
ことにより、これらの微細な素子を機械的に保護するこ
とが可能となり、また、空気中に含まれる腐食性のガス
などの影響も受け難くすることができるので、アンテナ
の特性を長期に亘って、安定に保つことができる。さら
に、給電素子や導波器だけではなく、アンテナ装置全体
を硬化材料で覆う構造としても良い。
【0075】図5は本発明の実施の形態の第2の例を示
す図であって、(a)は斜視図、(b)は断面図を示し
ており、導波器を板状の誘電体板の一方の面に帯状の金
属膜で形成させる例について示している。同図におい
て、数字符号1は誘電体板、2は地板(この例の地板は
形状が扇形をしたものを示している)、5は仕切り板を
示している。
【0076】また、6は反射器、8は棒状の給電素子、
14は誘電体板1からこれと直角をなすように膨出させ
た板状の誘電体板、4aは板状の誘電体板14の一方の
面に金属被膜で帯状に形成させた導波器、16は地板2
の裏面に形成させたストリップ線路、19はセクタスイ
ッチを示している。
【0077】誘電体板14は、この例では誘電体板1か
ら膨出させることにより形成させているが、これは、誘
電体板14を誘電体板1と別に作成して、取り付けるよ
うにしても良い。この場合は、導波器4aを、地板2の
金属被膜に半田などの導電性の物質で接着する。
【0078】本例のように板状の誘電体板14に導波器
4aを帯状の金属被膜として形成せしめたり、地板2の
裏面にストリップ線路を形成させるには、メッキをする
際に触媒処理を行って、メッキのかからない部分を作っ
たり、メッキをしてからエッチング加工をするなどの方
法によって、実現できる。
【0079】この例では、給電素子8は地板2の裏面に
形成したストリップ線路16に接続して給電するように
している。また、地板2の裏面にはセクタスイッチ19
が設けられていて、セクタを切り替えることができる。
【0080】図6は、本発明の実施の形態の第3の例を
示す図であって、(a)は斜視図、(b)は断面図を示
している。この例は、先に図5で示したものとほぼ同様
であるが、先の例とは給電素子8aを導波器4aと共に
誘電体板17上に形成させたものである点が異なる。そ
の他については、図5に示したものと全く同様であるの
で詳しい説明は省略する。
【0081】図7は、本発明の実施の形態のその他の例
について示す図であって、2つの例をそれぞれ(a)、
(b)として断面図で示している。同図(a)は、先に
図1で示したものとほぼ同様のものであるが、地板2の
裏面にストリップ線路16とセクタスイッチ19を有す
る点が先のものと異なる。
【0082】同図(b)は、誘電体板1を膨出させ、中
心部に穴を穿って、その穴に導電材料を充填するか、あ
るいはその穴の内部を導電性皮膜で覆って、給電素子8
bと成し、この給電素子8bをストリップ線路16から
給電するようにした点が、同図(a)と異なるものであ
る。
【0083】図8は本発明の実施の形態のその他の例と
して更に別の例を示す図であって、ストリップラインの
部分をトリプレート構造にした例を示している。ここ
で、同図において、数字符号8は給電素子となる内導体
で誘電体の穴に注入された、金属導体である。16は給
電素子8を給電する50Ωマイクロストリップラインで
あり、給電素子8の穴から穴3aへ抜けている。
【0084】すなわち、3aは誘電体1にあらかじめ設
けられた穴であり、この穴に充填される金属は給電素子
8に接続される形になる。穴3aを空ける方法は、型抜
きを2重にする方法や、あるいは、一つの型で作成した
あと穴を空けて、給電素子8の穴と穴3aの双方から金
属導体を注入する方法や、同図(b)に示すように、上
部と下部を別々の型で成形したのち、接着する方法など
が用いられる。7aは16のストリップラインのグラン
ドとなる金属皮膜である。
【0085】図9は本発明のアンテナ装置の基本構造の
製造工程を示す流れ図である。同図に示すように、本ア
ンテナは、先ず、アンテナと同じ木型を作成し(ステッ
プS1)、この木型をもとに金型を作成する(ステップ
S2)。従来はアンテナを製造するときに1台ごとに行
っていた寸法調整は、本発明では金型を作成するときに
一括して行う(ステップS3)。そのあとの処理は、台
数にかかわらず、金型へ媒体を流し込み(ステップS
4)、メッキ処理(ステップS5〜S7)を行うのみで
良い。
【0086】ここで、ステップS4の金型を用いた成形
としては、金型の小さな穴より媒体を射出して成形を行
う射出成形や、一方の金型に媒体を流し込み他方の金型
でその媒体を圧縮して成形する圧縮成形等がある。ただ
し、本発明のアンテナ装置は、導波器といった微細な構
造を有するものであることから、このような微細構造の
成形に適した射出成形の方が好ましい。なお、ステップ
S5からS7のメッキ処理等は前述した3つの層のメッ
キを示している。
【0087】金型の調整は、媒体を流し込みメッキ処理
した試験用アンテナを、測定して行う。本実施の形態の
例のように、金型を用いて製造することにより大幅に調
整時間を削減できる。これまで、このような金型による
構成方法をモノポールアンテナに適用した例はなかっ
た。本アンテナの場合は型を一方向に抜くだけで作成で
きるようなアンテナ構造にしているので、簡潔な構造の
金型を用いて作成することが可能となっている。
【0088】なお、メッキ処理が終了した後、図3
(a),(b)に示すアンテナ装置であれば給電素子の
取り付けが必要となり、図4(a),(b)に示すアン
テナ装置てあれば導波器などの補強処理等が行われる。
上述した他の実施の形態のアンテナ装置も同様に所定の
製造工程が必要になる。
【0089】次に、上述の方法により製造したアンテナ
装置の特性を実験により求めた結果を示す。図10
(a),(b)はアンテナの19.5GHzにおける放
射特性の例を示す図であって、図10(a)は水平面内
放射指向性の測定値、図10(b)は垂直面内放射指向
性の測定値を示しており、同図中実線のグラフが本発明
の製造方法によるアンテナの特性であり、破線のグラフ
が従来の製造方法によるアンテナの特性である。
【0090】同図より本発明の製造方法により製造した
アンテナ装置は、アンテナ装置毎にアンテナ素子を調整
した従来の製造方法によるアンテナ装置と同等の性能を
得ることができ、実用に耐えることが分かる。図11は
本発明のアンテナ装置のリターンロス特性の例を示す図
である。一般にリターンロスとして−10[dB]以下
が要求されるが、図11より標準化の進められている1
9.5[GHz]においてその性能を満たしていること
が分かる。
【0091】このように、図10、図11から、本発明
によるアンテナ装置が、利得、放射指向性、リターンロ
ス特性とも従来の製造方法と変わらない良好な特性を得
ていることが分かる。以上説明したように、本発明によ
れば、コーナーレフ型の多セクタアンテナを、金型で成
形した誘電体表面に金属薄膜を形成せしめるという簡潔
な工程により容易に実現できる。そして、その際用いる
金型は一方向に、膨出させるべき部材に対応する凹部を
設けるという単純な構造で良いから経済的に作成でき
る。
【0092】また、金型とこれによって成形したアンテ
ナ装置の母体となる誘電体は、成形後、単一方向に容易
に離脱させることができるので歩留まりの良い製造が可
能である。これらによって、高い精度のアンテナ装置を
非常に経済的に製造できる利点がある。また、本アンテ
ナ装置は、上述のような構遣となっているのて、図5
(a),(b)や、図6(a),(b)に示すように金
属コーティングした棒状の素子列を導波器とする八木宇
田アンテナが実現できる。
【0093】また、本アンテナ装置は、導波器により指
向性を鋭くするだけでなく、仕切り板を設けることによ
って、隣接アレイの給電素子からの不要な放射を抑圧す
ると共に、隣接アレイからの相互結合を有効に利用する
ことにより、鋭いビームを有するアンテナを低いアンテ
ナ高で、実現させている。
【0094】さらに、射出成形や圧縮成形によって金型
に誘電体を流し込み、その表面にメッキやスパッタリン
グ等によってアンテナを作成するため、従来のように.
一っ一つの素子を穴に埋め込みながら、高さを調整する
必要がなく、金型のみをあらかじめ精度よく作成すれば
同じ精度のアンテナを、いくつでも容易に作成すること
が可能になる。
【0095】また、上述のように、地板と直角をなす方
向では凹凸がなく形状が変化しない構造となっているの
で、型を抜く方向が一方向ですみ、アンテナを製造する
のに必要な型の台数が一つでまかえなる。なお、本アン
テナ装置の地板は任意の形状で良い。例えば、地板の形
状を円形とし、12セクタのアンテナアレイを形成させ
る構造を基本とした場合、壁際などに本アンテナを取り
付けて、12セクタのうち、半分のセクタを使用しない
場合には半円形のアンテナ装置とし、また部屋のすみな
どに、アンテナを取り付ける場合には1/4円型のアン
テナとするなどが考えられる。
【0096】また、これらを組み合わせて円型のアンテ
ナを作成することも可能となり組み合わせに自由度を持
たせることができる。さらに、地板の形状は、円形を基
本とするものに限定されるものではな<、多角形を基本
とするものであっても良い。同様に、半円形あるいは扇
型のアンテナ装置の場合も、弧の部分が多角形であって
も良い。
【0097】さらに、反射器を形成する部分も、筒状、
もしくは筒の側壁の一部を欠切した板状でなく、地板に
接する面がセクタ数に対応して多角形となるものであっ
てもよい。また、給電素子としてセミリジッドケーブル
の内部導体を用いる構造とした場合には、従来のモノポ
ールアンテナに見られるように、アンテナ素子からセミ
リジッドケーブルヘ接続しコネクタヘ接続するプロセス
を、削除することができる。
【0098】なお、給電素子や導波器を硬質の誘電材料
で覆う構造を採った場合には、微少な素子を強度的に補
強すると共に、素子を環境からも保護し、その特性を長
期に亘って安定なものに維持できる。また、モノポール
素子を地板やリフレクタの材料と同じ誘電体の薄い板の
上のパッチとすることによって、放射素子が細いことに
よる製造時の折れの発生を解消することが可能となる。
【0099】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
コーナーレフ型の多セクタアンテナを、金型で成形した
誘電体表面に金属薄膜を形成せしめるという簡潔な工程
により容易に実現できる。そして、その際用いる金型は
一方向に、膨出させるべき部材に対応する凹部を設ける
という単純な構造で良いから経済的に作成できる。
【0100】また、金型とこれによって成形したアンテ
ナ装置の母体となる誘電体は、成形後、単一方向に容易
に離脱させることができるので歩留まりの良い製造が可
能である。これらによって、高い精度のアンテナ装置を
非常に経済的に製造できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第1の例を示す図であ
る。
【図2】誘電体の形状を示す図である。
【図3】給電素子の取付けの例を示す図である。
【図4】導波器などを補強する構造の例を示す図であ
る。
【図5】本発明の実施の形態の第2の例を示す図であ
る。
【図6】本発明の実施の形態の第3の例を示す図であ
る。
【図7】本発明の実施の形態のその他の例を示す図であ
る。
【図8】本発明の実施の形態のその他の例を示す図であ
る。
【図9】本発明のアンテナ装置の製造工程の例を示す流
れ図である。
【図10】アンテナの放射特性の例を示す図である。
【図11】本発明のアンテナ装置のリターンロス特性の
例を示す図である。
【図12】従来のモノポールアレイアンテナを示す図で
ある。
【図13】従来のアンテナ装置の製造方法の第1の例を
示す流れ図である。
【図14】従来のアンテナ装置の製造方法の第2の例を
示す流れ図である。
【符号の説明】
1,1b 誘電体 1a 誘電体の突起 2 地板 3,3a 穴 4,4a 導波器 5 仕切り板 6 反射器 7,7a 金属被膜 8,8a,8b 給電素子 9 セミリジッドケーブルの芯線(内導体) 10 セミリジッドケーブルの外導体 11 セミリジッドケーブルの誘電体 12 半田あるいは誘電性接着剤 13 硬化材料 14 板状の誘電体 16 ストリップ線路 18 セミリジッドケーブル 19 セクタ切り替えスイッチ
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01Q 21/06 H01Q 21/06 (56)参考文献 特開 平9−36654(JP,A) 特開 平9−27713(JP,A) 特開 平11−168318(JP,A) 特開 昭63−100387(JP,A) 実開 昭62−198706(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01Q 19/10 - 19/28 H01Q 3/24 H01Q 9/32 - 9/38 H01Q 21/06

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第一の板状の誘電体の一方の面に、 該第一の板状の誘電体の一方の面に一方の端面が接する
    筒状の部材と、 該筒状の部材の外周に放射状に、かつ、その一端面が前
    記第一の板状の誘電体の表面に接するように設けた複数
    の第二の板状の部材と、 該第二の板状の部材と、これに隣接する第二の板状の部
    材仕切板との間に、前記第一の板状の誘電体の表面と直
    角をなすように、かつ、前記筒状の部材の外周に対して
    放射状に、第三の板状の部材とを膨出させて設け、 前記第一の板状の誘電体の一方の面の表面、および、前
    記各部材の表面を導電性の被膜で覆うことにより、前記
    第一の板状の誘電体を地板、前記筒状の部材を反射器、
    前記第二の板状の部材を仕切板、となすと共に、前記該
    第三の板状の部材の一方の面に、帯状の導電性の被膜で
    成る複数の導波器を形成せしめ、 前記第三の板状の誘電体の一方の端部と反射器の外周と
    の間の、第三の板状の部材の延長線上の第一の板状の誘
    電体の一方の面に、給電用の素子を設けたことを特徴と
    するアンテナ装置。
  2. 【請求項2】 地板の形状が円形又は多角形であり、そ
    の中心部に反射器を設けた請求項1記載のアンテナ装
    置。
  3. 【請求項3】 地板の形状が扇形であり、反射器の地板
    に接する面が円弧状又は多角形の一部の形状である請求
    項1記載のアンテナ装置。
  4. 【請求項4】 給電用の素子は、セミリジッドケーブル
    などの同軸線路の内部導体を、地板に開けた穴から突出
    させた構造であり、該同軸線路の外被導体を地板に圧着
    するか、又は、導電性材料で接着した請求項1〜請求項
    3のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
  5. 【請求項5】 給電用の素子は、地板の誘電体を膨出さ
    せ、該膨出部の内部に穴を設けて、その内壁を導体膜で
    覆うか、又は、該穴に導電材料を充填した構造である請
    求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のアンテナ装
    置。
  6. 【請求項6】 給電用の素子は、前記第三の板状の部材
    の一方の面に、複数の導波器と共に、帯状の導電性の被
    膜で形成せしめたものである請求項1〜請求項5のいず
    れか1項に記載のアンテナ装置。
  7. 【請求項7】 給電素子と各導波器の少なくとも一部を
    硬質の誘電体材料で覆った請求項1〜請求項のいずれ
    か1項に記載のアンテナ装置。
  8. 【請求項8】 第一の板状の部材の他方の面の表面にス
    トリップ線路を形成せしめ、該ストリップ線路を給電素
    子に接続して給電を行う構成である請求項1〜請求項
    のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
  9. 【請求項9】 第一の板状の誘電体の一方の面に、 該第一の板状の誘電体の一方の面に一方の端面が接する
    筒状の部材と、 該筒状の部材の外周に放射状に、かつ、その一端面が前
    記第一の板状の誘電体の表面に接するように設けた複数
    の第二の板状の部材と、 該第二の板状の部材と、これに隣接する第二の板状の部
    材との間に、前記第一の板状の誘電体の表面と直角をな
    すように、かつ、前記筒状の部材の外周に対して放射状
    に設けられた第三の板状の部材とが膨出した形状の基礎
    構造体を、 誘電体材料を用いて、射出成形、又は、圧縮成形によっ
    て成型し、 メタライジング加工、又、は、金属メッキを施すことに
    より、前記第一の板状の誘電体の一方の面の表面、前記
    第二の板状の誘電体の表面、および、前記筒状の部材の
    表面を、導電性の被膜で覆うと共に、前記第三の板状の
    部材の一方の面に、給電用の素子と複数の導波器との内
    少なくとも一方を帯状の導電性の被膜で形成せしめるこ
    とを特徴とするアンテナ装置製造方法。
  10. 【請求項10】 第一の板状の誘電体の面の所定の位置
    に穴を開け、該穴に、給電素子を挿入して固着する請求
    記載のアンテナ装置の製造方法。
  11. 【請求項11】 第一の板状の誘電体の面の所定の位置
    を膨出させて、その内部に穴を開け、該穴の内部を導電
    性の被膜で覆うか、導電性の材料を充填して、給電素子
    を形成する請求項記載のアンテナ装置の製造方法。
  12. 【請求項12】 第一の板状の誘電体の他方の面に、メ
    タライジング加工、又、は、金属メッキを施すことによ
    り、ストリップ線路を形成せしめ、該ストリップ線路と
    給電素子とを接続する請求項に記載のアンテナ装置製
    造方法。
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