JP3519034B2 - 車両用シートのトリムカバー縫製装置 - Google Patents

車両用シートのトリムカバー縫製装置

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JP3519034B2 JP2000017864A JP2000017864A JP3519034B2 JP 3519034 B2 JP3519034 B2 JP 3519034B2 JP 2000017864 A JP2000017864 A JP 2000017864A JP 2000017864 A JP2000017864 A JP 2000017864A JP 3519034 B2 JP3519034 B2 JP 3519034B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は車両用シートのトリ
ムカバー縫製装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両用シートはフレームに発泡体製クッ
ション体を支持させて、これをトリムカバーで被覆する
ことにより形成している。
【0003】そして、トリムカバーはクッション体に被
覆した後、そのクッション体の外形形状に密着するよう
に、クッション体に一部を吊込んだり、或いは、袋状に
縫製したトリムカバーにあっては、開口部を閉口又は窄
めることにより、クッション体に固定している。
【0004】以上の袋状に縫製したトリムカバーの端末
にかがり縫いして引張り糸を開口部の端末に沿って挿通
し、この引張り糸を引張ることにより、開口部を窄める
ことにより、開口部をクッション体側に固定するもの
(例えば、米国特許4732097号)は、開口部の端
末を多数のホッグリングでクッション体を支持するフレ
ームに結着する必要がないため、開口部の端末処理を簡
単且つ容易に行うことができる利点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このトリムカバーの端
末にかがり縫いして引張り糸をスライド自在に挿通した
ものは、従来のミシンに多数の付属品を取付けなければ
ならない不具合があった。
【0006】また、トリムカバーの端末以外の、例え
ば、トリムカバーの中央部などである前記吊込み個所な
どには設けることができない欠陥があった。
【0007】そこで、本発明はトリムカバーをクッショ
ン体、フレーム等に固定する固定部材が、トリムカバー
の所望の位置に設けることができ、しかも、従来のミシ
ンに簡単な付属品を付けることによりミシン縫いできる
縫製装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】以上の目的を達成するた
めの本発明は、トリムカバーの適宜個所に配設した長尺
状の芯材を跨ぐように千鳥状に上糸でミシン縫いする車
両 用シートのトリムカバー縫製装置であって、前記ト
リムカバーの押え金は、トリムカバーの送り方向に対し
て左右方向に長く左右にミシン針がスライドして上糸を
千鳥状に縫着する長孔からなるミシン針差込口を有する
押えプレートと、この押えプレートに前後方向に向けて
固定すると共に前記ミシン針差込口の左右方向の中央を
貫通して内部に前記芯材を挿通するガイド管とからな
り、該ガイド管は前記ミシン針差込口の手前から先方に
渉って配設してなるものである。
【0009】以上の芯材はトリムカバーを例えばクッシ
ョン体の凹凸状上面に吊込む吊込部材、或いは、袋状に
縫製したトリムカバーの開口部を窄める引張り部材にな
り、この吊込部材、引張り部材を有するトリムカバーを
従来の押え金を代えることにより簡単且つ容易にミシン
縫いできる。
【0010】また、前記押えプレートの底面に、合成樹
脂製の滑走プレートを設け、この滑走プレートにおける
前記ガイド管の前方には切欠口を設け、該切欠口より前
記芯材を押えプレートに押さえられるトリムカバー上に
載置することにより、トリムカバーの送りがスムーズに
行えるため、芯材がトリムカバーの送りに追従して送ら
れる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の一形態を図
面に基づいて説明する。図1、図2は従来のミシンの押
え金の代わりに押え芯に取付ける押え金(5)を示し、
押えプレート(50)には図3に示すトリムカバー
(3)の送り方向に対して左右方向に長い長孔からなる
ミシン針差込口(56)が設けてあり、底面にはトリム
カバー(3)に対する滑走性を良好にするために合成樹
脂製の滑走プレート(51)が取付けられている。
【0012】そして、この押えプレート(50)上に
は、ガイド管(52)がミシン針差込口(56)の中央
部に、ミシンの送り方向に向けて固定されている。そし
て、このガイド管(52)は図2に示すように、ミシン
針差込口(56)の手前から先方に向けてミシン針差込
口(56)を貫通するように配設してある。
【0013】そして、前記滑走プレート(51)の後部
側における中央には切欠部(55)が形成され、この切
欠部(55)内に前記ガイド管(52)の一端開口部が
臨むようにガイド管(52)が配設され、このガイド管
(52)に後述する芯材(2)が挿通して押えプレート
(50)に押さえられながら送り歯によって送られるト
リムカバー(3)上に供給される。
【0014】図中(53)は、図3に示すレバー(5
B)の操作により上下するミシンの押え芯(5A)にネ
ジ止めされる固定片で、(53A)はネジの挿通孔、
(54)は固定片(53)に押えプレート(54)を取
付ける取付片を示す。なお、送り歯(不図示)は略押え
プレート(50)の左右幅と同一の幅のものを使用して
いる。
【0015】図3はミシン縫いの状態を示し、前記押え
プレート(50)に設けたミシン針差込口(56)(5
6)の左右に、ミシン針(6)がスライドして上糸
(1)で図示するように千鳥状に縫着する。
【0016】そして、この各上糸(1)内にガイド管
(52)より供給した芯材(2)を挿通しながらミシン
縫いする。以上の上糸(1)はトリムカバー(3)上に
ループ状になり、内部に挿通した芯材(2)が上糸
(1)で締付けられることがなく、長さ方向にスライド
できるようにゆとりを持たせて千鳥状にミシン縫いされ
るが、この上糸(1)にからみ合う下糸(不図示)は、
たるみなく縫い付けられる。
【0017】図3において、図中(M)はミシンの駆動
部、(T)はミシンのテーブル盤、(30)はトリムカ
バー(3)の端末部を各々示す。
【0018】図4は前記押え金(5)を使用してトリム
カバーの底布(3)の端末部(30)側をミシン縫いし
た状態を示し、上糸(1)は千鳥状に縫われ、この各上
糸(1)…によって芯材(2)が脱落することなく挿通
されている。
【0019】以上の上糸(1)は、20番手程度の透明
なナイロン糸で、ピッチは3ミリ、振り幅は6ミリ程度
にするのが好ましい。
【0020】また、芯材(2)は図5、図6に示すよう
に、袋状に縫製したトリムカバー(A)の底布(3)に
有する開口部の端末部(30)内側に使用するものは、
引張り部材として使用するため可撓性、滑走性を有する
合成樹脂(例えば、ポリエチレン)製の直径2ミリ程度
の糸、又は紐を選択して使用する。
【0021】また、図7乃至図9に示すように、芯材
(20)をトリムカバー(A)の吊込部材として使用す
るものにおいては、剛性を有する合成樹脂製ワイヤ又は
金属製のワイヤを使用するのが好ましい。
【0022】図5、図6は芯材(2)を袋状に縫製した
トリムカバー(A)の底布(3)における開口部の端末
部(30)に沿って設けたもので、この芯材(2)の両
端を引張り一体に結着すると、図6に示すように、端末
部(30)が絞られて開口部が窄まり、トリムカバー
(A)がクッション体(B)側に固定される。
【0023】以上の芯材(2)は、前記押え金(5)を
使用してトリムカバー(A)の内面側に上糸(1)によ
って設けたものである。
【0024】図5、図6において、図中(C)はフレー
ム(不図示)に張架してクッション体(B)を支持する
ばね材、(21)(21)はクッション体(B)の上面
における凹部の左右に設けた吊込溝を示す。
【0025】図1乃至図3に示す縫製装置を使用するこ
とにより、図7乃至図9に示すように、トリムカバー
(A)の身頃部(4)内側における左右に、上糸(1
0)によって取付けた芯材(20)を設けることができ
る。そして、この芯材(20)をクッション体(B)の
吊込溝(21)に挿込み、クッション体(B)内のイン
サートワイヤ(22)にホッグリング(23)で結着す
ることにより、トリムカバー(A)の身頃部(4)がク
ッション体(B)の上面に皺、タルミなく密着できる。
【0026】図8において、図中(4A)はミシン縫い
によって形成した凹部、(41)は身頃部(4)の表
皮、(42)は同ワディング、(43)はワディングカ
バーを各々示す。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、従来のミシンの押え金
を代えることにより、トリムカバーをクッション体等側
に固定する芯材をミシンで取付けることができる。
【0028】また、トリムカバーの表裏における所望個
所に芯材を取付けることができる。従って、トリムカバ
ーの固定個所を自由に設定できるため、自由度が向上す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置を構成する押え金の斜視図である。
【図2】図1のIIーII線断面図である。
【図3】使用状態を示す斜視図である。
【図4】本発明装置によってミシン縫いしたトリムカバ
ーの部分拡大斜視図である。
【図5】本発明装置によってミシン縫いによって芯材を
引張り部材として取付けたトリムカバーとこのトリムカ
バーによって被覆されるクッション体の部分切欠斜視図
である。
【図6】図5に示すトリムカバーによって形成した車両
用シートの底部方向からの斜視図である。
【図7】本発明装置によってミシン縫いによって芯材を
吊込み部材として取付けたトリムカバーの部分切欠斜視
図である。
【図8】図7のVIIIーVIII線断面図である。
【図9】図7に示すトリムカバーの吊込状態を示す部分
断面図である。
【符号の説明】
A トリムカバー 1 上糸 2 芯材 5 押え金 50 押えプレート 51 滑走プレート 52 ガイド管 56 ミシン針差込口

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トリムカバーの適宜個所に配設した長尺
    状の芯材を跨ぐように千鳥状に上糸でミシン縫いする車
    両用シートのトリムカバー縫製装置であって、 前記トリムカバーの押え金は、トリムカバーの送り方向
    に対して左右方向に長く左右にミシン針がスライドして
    上糸を千鳥状に縫着する長孔からなるミシン針差込口を
    有する押えプレートと、この押えプレートに前後方向に
    向けて固定すると共に前記ミシン針差込口の左右方向の
    中央を貫通して内部に前記芯材を挿通するガイド管とか
    らなり、該ガイド管は前記ミシン針差込口の手前から先
    方に渉って配設してなることを特徴とする車両用シート
    のトリムカバー縫製装置。
  2. 【請求項2】 前記押えプレートの底面に、合成樹脂製
    の滑走プレートを設け、この滑走プレートにおける前記
    ガイド管の前方には切欠口を設け、該切欠口より前記芯
    材を押えプレートに押さえられるトリムカバー上に 載
    置する請求項1の車両用シートのトリムカバー縫製装
    置。
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