JP3518538B2 - 超音波流量計測装置 - Google Patents

超音波流量計測装置

Info

Publication number
JP3518538B2
JP3518538B2 JP2002254366A JP2002254366A JP3518538B2 JP 3518538 B2 JP3518538 B2 JP 3518538B2 JP 2002254366 A JP2002254366 A JP 2002254366A JP 2002254366 A JP2002254366 A JP 2002254366A JP 3518538 B2 JP3518538 B2 JP 3518538B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ultrasonic
flow path
opening
opening hole
measurement
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2002254366A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003202254A (ja
JP2003202254A5 (ja
Inventor
茂 岩永
Original Assignee
松下電器産業株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 松下電器産業株式会社 filed Critical 松下電器産業株式会社
Priority to JP2002254366A priority Critical patent/JP3518538B2/ja
Publication of JP2003202254A publication Critical patent/JP2003202254A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3518538B2 publication Critical patent/JP3518538B2/ja
Publication of JP2003202254A5 publication Critical patent/JP2003202254A5/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measuring Volume Flow (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超音波により気体
や液体の流量や流速の計測を行う超音波流量計測装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来この種の超音波流量計測装置には、
例えば特開平11−351926号公報が知られてお
り、図16に示すように流体を一方から他方に流す測定
管1を挟んで対向し、かつ中心線に対して所定角度を傾
けて上流側の超音波送受信器2aと下流側の超音波送受
信器2bとを対向して設け、これらの超音波送受信器2
a、2bは測定管1に設けた凹部3a、3bに収納する
とともに、測定管1の入口側4に流れ変動抑止手段5を
設けている。そして、測定管1に入る流れは流れ変動抑
止手段5により規制して、計測部での流線の傾きを低減
したり渦の発生を抑制して、流れの乱れの境界面での超
音波の反射や屈折による超音波の受信レベルの変動を低
減して測定精度の悪化を防止している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の構成
では、流れ変動抑止手段5により測定管1の計測部およ
び凹部3a、3bでの流れの乱れが小さくなり計測精度
の悪化は低減されるものの、測定管1を流れる流量が大
きくなると凹部3a、3bへ流体が流れ込んで渦を生じ
るため、超音波送受信器2a、2b間の流れの乱れが増
大し、この増大した渦により超音波が反射あるいは屈折
されて超音波の受信レベルが低下するため、超音波送受
信器2a、2bの駆動入力を低減し難いという課題があ
った。
【0004】本発明は上記課題を解決するもので、開口
穴への流体の流れ込みによる渦を低減して超音波の減衰
を少なくして超音波の受信レベルを高め、さらに超音波
送受信器から発信された超音波のうち側方に発信された
ため受信側に直接向かわない不要成分の減衰を促進して
超音波の送信波形のS/Nを高めて計測精度および流量
計測できる上限値を高めることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記従来の課題を解決す
るために、本発明の超音波流量計測装置は、流体が流れ
る計測流路を有する流路体と、前記計測流路の上流側お
よび下流側に設けた超音波送受信器と、前記超音波送受
信器を計測流路に臨ませる開口窓とを具備し、前記超音
波送受信器と開口窓との間には、前記超音波送受信器の
側方へ発信された不要な超音波を多重反射させて減衰さ
せる空間を有するものである。
【0006】このようにして、超音波の送受信レベルの
向上とS/N特性を高めた超音波の送受信により、計測
精度および流量計測できる上限値を高め、超音波の送受
信レベル向上により超音波送受信器の駆動入力を低減し
て低入力化できる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の一実施形態における発明
は、流体が流れる計測流路を有する流路体と、前記計測
流路の上流側および下流側に設けた超音波送受信器と、
前記超音波送受信器を計測流路に臨ませる開口窓とを具
備し、前記超音波送受信器と開口窓との間には、前記超
音波送受信器の側方へ発信された不要な超音波を多重反
射させて減衰させる空間を形成することで超音波送受信
器の側方に発信された不要な超音波を開口穴内で多重反
射させて減衰を促進し、開口窓を直接通過する直接波の
割合を高めてノイズの少ない送信波形を得ることができ
る。
【0008】本発明の一実施形態における発明は、流体
が流れる計測流路と、前記計測流路の上流側および下流
側に設けた超音波送受信器と、前記超音波送受信器を前
記計測流路に臨ませる 上流側および下流側の開口穴と、
前記計測流路と前記開口穴とを連通させ前記開口穴の断
面積よりも小さい開口窓を有し、前記開口穴の断面を前
記超音波送受信器の送受信面より大きくすることで超音
波送受信器の側方に発信された不要な超音波を開口穴内
で多重反射させて減衰を促進し、開口窓を直接通過する
直接波の割合を高めてノイズの少ない送信波形を得るこ
とができる。
【0009】本発明の一実施形態における発明は、流体
が流れる計測流路と、前記計測流路の上流側および下流
側に設けた超音波送受信器と、前記超音波送受信器を前
記計測流路に臨ませる上流側および下流側の開口穴と、
前記計測流路と前記開口穴とを連通させ前記開口穴の断
面積よりも小さい開口窓を有し、前記開口穴の断面を前
記超音波送受信器の外形寸法より大きくすることで超音
波送受信器の側方に発信された不要な超音波を開口穴内
で多重反射させて減衰を促進し、開口窓を直接通過する
直接波の割合を高めてノイズの少ない送信波形を得るこ
とができる。
【0010】本発明の一実施形態における発明は、流体
が流れる計測流路を有する流路体と、前記計測流路の上
流側および下流側に設けた超音波送受信器と、前記超音
波送受信器を前記計測流路に臨ませる上流側および下流
側の開口穴と、前記流路体とは別体で設けられ、かつ
記計測流路と前記開口穴とを連通させ前記開口穴の断面
積よりも小さい開口窓を有する流入抑制体とを備えるこ
とで超音波送受信器の側方に発信された不要な超音波を
開口穴内で多重反射させて減衰を促進し、開口窓を直接
通過する直接波の割合を高めてノイズの少ない送信波形
を得ることができる。
【0011】また、計測流路の流路壁に略面一に配設し
た流入抑制体を備えたことにより、被計測流体の開口穴
への流れ込みを低減し、開口穴での渦の発生を低減して
渦による超音波の減衰を低下させて送受信レベルを高め
ることができる。
【0012】このため、超音波の送受信レベルの向上と
S/N特性を高めた超音波の送受信により、計測精度お
よび流量計測できる上限値を高め、超音波の送受信レベ
ル向上により超音波送受信器の駆動入力を低減して低入
力化でき、電池などによる低電圧駆動でも長期間の動作
を実現できる。
【0013】また、開口穴の内面に電気絶縁性を有する
開口穴絶縁体を設けたことにより、コンパクトな収納ス
ペースでも開口穴絶縁体により超音波送受信器と開口穴
を形成する流路体との間の導電距離を大きくし、落雷な
どにより取付側の流路体と超音波送受信器間に異常高電
圧が発生した場合でもリークに至る耐電圧を高め、リー
ク電流による超音波送受信器の破損を防いで信頼性を向
上でき、小型化が促進できる。
【0014】ある好ましい実施形態において、流入抑制
体の超音波送受信器側の面は超音波の伝搬方向と斜交さ
せたことにより、開口窓を通過しない不要の超音波が流
入抑制体に当ると超音波送受信器側に戻る方向に反射せ
ずに開口穴の側壁側に反射するため,多重反射を促進し
て不要な超音波の減衰を一層促進できる。このため、S
/N特性を高めた超音波の送受信を一層高めて計測精度
を向上できる
【0015】る好ましい実施形態において、流入抑制
体と開口穴絶縁体は一体化したことにより、流入抑制体
と開口穴絶縁体との当接部での電気絶縁性をより一層高
めて信頼性を向上できる。さらに流入抑制体と開口穴絶
縁体との位置関係のバラツキを低減して計測精度の安定
性を向上でき、部品点数の削減により低コスト化でき
る。
【0016】ある好ましい実施形態において、流入抑制
体は超音波が通過可能な多数の微細な開口を持つ超音波
透過体を開口窓に備えたことにより、被計測流体の開口
穴への流れ込みを大幅に低減し、開口穴内での渦の発生
を大きく低減して渦による超音波の減衰を一層低減でき
る。このため、超音波の送受信レベルを一層向上してS
/N特性を一層高めた超音波の送受信ができ、計測精度
および流量計測できる上限値を向上できる。
【0017】ある好ましい実施形態において、流入抑制
体は樹脂材料で形成し、超音波透過体を溶着接合したこ
とにより、流入抑制体と超音波透過体とは面一に接合可
能にでき、計測流路の流路壁と流入抑制体の超音波透過
体の取付部の面一性を向上して計測流路壁面近傍での流
れの乱れを防止して計測精度および流量計測できる上限
値を向上できる。さらに、流入抑制体と超音波透過体と
の確実な一体化ができ、信頼性を向上できる
【0018】
【実施例】 以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。
【0019】(実施例1) 図1は本発明の実施例1における超音波流量計測装置の
断面図である。図1において、6は流路体7に囲まれた
計測流路であり、8および9は互いに対向するように流
路体7に振動伝達抑止体10を介して取付けた上流側お
よび下流側の超音波送受信器であり、上流側の超音波送
受信器8と下流側の超音波送受信器9は距離Lを隔てる
とともに計測流路6の流体の流動方向に対して角度θ傾
けて設置されている。11、12は超音波送受信器8、
9を計測流路6に臨ませる上流側および下流側の開口穴
であり、流路体7に対して窪みとなっている。13は対
向する超音波送受信器8および9間で送信された超音波
が壁面に反射すること無く直接相手側の超音波送受信器
に伝搬する超音波伝搬路(二点鎖線で領域を示す)であ
る。14は計測流路6と開口穴11、12とを連通させ
開口穴11、12の断面積よりも小さい開口窓15を有
するとともに計測流路6の流路壁6aに略面一に配設し
た流入抑制体である。なお、振動伝達抑止体10は超音
波送受信器8、9を防振支持するとともに被測定流体が
漏れないように気密シールも行っている。
【0020】16は超音波伝搬路13の上流側に設け計
測流路6の流れを安定化するとともに上流側および下流
側の開口穴11、12への被測定流体の流れ込みを低減
させる流れ安定手段であり、この流れ安定手段16は被
測定流体の流れ方向を整える方向規制部16aと流速分
布の均一化あるいは流れの脈動を低減する変動抑制部1
6bを有し、方向規制部16aと変動抑制部16bは距
離Xだけ離れた近傍に配置し流路体7に設けた窪み部7
aに嵌め込むようにして設置している。この方向規制部
16aは計測流路6の横断面を流れ方向に延びる仕切壁
により細かく分割した細分割口が複数設けられている
(図示せず)。また、変動抑制部16bは流れ方向の長
さが短く計測流路6の横断面に対して多数の微細形状の
開口(図示せず)を有するもので、ここでは変動抑制部
16bをメッシュで形成している。
【0021】図2は流入抑制体14の取付部を拡大して
示すものであり、流路体7に設けた凹部7bに流入抑制
体14を挿入して計測流路6側の表面14aが計測流路
6の流路壁6aに対して面一としている。また、開口窓
15の開口面積を開口穴12の断面積よりも小さくし、
開口穴12は超音波送受信器9の外形寸法Dよりも大き
くしているので、超音波送受信器9の前方には超音波伝
搬路13に入るまでに広がり空間部12aが形成されて
いる。さらに、流入抑制体14の超音波送受信器9側の
裏面14bは超音波の伝搬方向(超音波伝搬路13で示
す方向)に対して直交せずに斜めに交わる角度に配設し
ている。なお、ここでは下流側の開口穴12部を示した
が、上流側の開口穴11部でも流入抑制体14により同
様の広がり空間部11a(図示せず)を形成している。
【0022】17は計測流路6の上流側に設けた開閉弁
(図示せず)に連通する上流側の屈曲部、18は計測流
路6の下流側に設けた出口(図示せず)に連通する下流
側の屈曲部であり、屈曲部17、18により流路がコン
パクトに構成されている。19は超音波送受信器8,9
に接続され超音波の送受信をさせる計測制御部であり、
20は計測制御部19での信号を基に流速を計算し流量
を算出する演算部である。
【0023】次に超音波による流量計測動作を説明す
る。計測流路6の超音波伝搬路13では、流れに対して
計測制御部19の作用により超音波送受信器8,9間で
計測流路6を横切るようにして超音波の送受が行われ
る。すなわち、上流側の超音波送受信器8から発せられ
た超音波が下流側の超音波送受信器9で受信されるまで
の伝搬時間T1を計測する。また一方、下流側の超音波
送受信器9から発せられた超音波が上流側の超音波送受
信器8で受信されるまでの伝搬時間T2を計測する。
【0024】このようにして測定された伝搬時間T1お
よびT2を基に、以下の演算式により演算部20で流量
が算出される。
【0025】いま、計測流路6の長手方向の被計測流体
の流速Vと超音波伝搬路13とのなす角度をθとし、超
音波送受信器8,9間の距離をL、被測定流体を伝搬す
る超音波の音速をCとすると、流速Vは以下の式にて算
出される。
【0026】T1=L/(C+Vcosθ) T2=L/(C−Vcosθ) T1の逆数からT2の逆数を引き算する式より音速Cを
消去して V=(L/2cosθ)((1/T1)−(1/T
2)) θおよびLは既知なのでT1およびT2の値より流速V
が算出できる。
【0027】次に、計測流路6の流れ方向に直交する横
断面積Sより、流量Qは Q=KVS ここで、Kは横断面積Sにおける流速分布を考慮した流
量補正係数である。
【0028】このようにして演算部20で流量を求め
る。
【0029】次に、この超音波流量計測装置の計測流路
内の流れ状態と計測動作について説明する。被計測流体
が計測流路6の上流側に設けた開閉弁(図示せず)での
流路断面積の拡大縮小あるいは屈曲部17を流れること
などにより偏流あるいは流れの脈動を生じたまま計測流
路6に入る。計測流路6では超音波伝搬路13の上流側
に設けた流れ安定手段16の方向規制部16aにより計
測流路6断面内の流れは開口穴11、12に流入しにく
い方向に整流された流れにするとともに流れの乱れを低
減させる。
【0030】次に、変動抑制部16bは脈動などの流れ
変動による乱れを低減して開口穴11、12への流入を
より一層抑える状態にして超音波伝搬路13に流入させ
る。さらに、変動抑制部16bは方向規制部16aの複
数の細分割口から流出して噴流状になった流れを平坦化
して流速分布を安定化する作用がある。さらに、上流側
および下流側の開口穴11、12では流入抑制体14の
開口窓15はその開口面積を開口穴よりも小さくすると
ともに、流路壁6bに対して面一として計測流路6の流
れを乱さないようにしているため、被計測流体の開口穴
11、12への流れ込みの低減がなされ、開口穴11、
12内での渦の発生が低減でき、渦による超音波の減衰
が低下できて送受信レベルを高めることができ、さらに
超音波送受信器8、9と開口窓15を有する流入抑制体
14の間に広がり空間11a、12aを形成することで
超音波送受信器8、9の側方に発信された不要な超音波
を開口穴11、12内で多重反射させて減衰を促進し、
開口窓を直接通過する直接波の割合を高めてノイズの少
ない送信波形を得ることができる。
【0031】このため、超音波の送受信レベルの向上と
S/N特性を高めた超音波の送受信により、計測精度お
よび流量計測できる上限値を高め、超音波の送受信レベ
ル向上により超音波送受信器の駆動入力を低減して低入
力化でき、電池などによる低電圧駆動でも長期間の動作
を実現できる。また、流入抑制体14は流路体7とは別
部材としているので、被測定流体の種類や計測すべき流
量範囲に対して、計測流路6は共通のままで開口窓15
は適切な面積あるいは適切な形状に任意に設定すること
で多用な利用条件に対応でき、利便性あるいは機能性を
向上できる。
【0032】また、流入抑制体14の超音波送受信器
8、9側の裏面14bは超音波の伝搬方向と直交せずに
斜交させたことにより、開口窓15を通過せずに流入抑
制体14の裏面14bに当った不要な超音波は超音波送
受信器側に戻る方向に反射せずに開口穴11、12の側
壁11b、12b側に反射し,多重反射が促進されて不
要な超音波の減衰を一層促進できる。このため、S/N
特性を高めた超音波の送受信を一層高めて計測精度を向
上できる。
【0033】以上のように、本実施例においては開口穴
の断面積よりも小さい開口窓を有し計測流路の流路壁に
面一に配設した流入抑制体を備えたことにより、被計測
流体の開口穴への流れ込みを低減して開口穴での渦の発
生を低減して渦による超音波の減衰を低下させて送受信
レベルを高めることができ、さらに超音波送受信器と開
口窓を有する流入抑制体の間に開口穴による広がり空間
を形成することで超音波送受信器の側方に発信された不
要な超音波を開口穴内で多重反射させて減衰を促進して
開口窓を直接通過する直接波の割合を高めてノイズの少
ない送信波形を得ることができ、超音波の送受信レベル
の向上とS/N特性を高めた超音波の送受信により、計
測精度および流量計測できる上限値を高め、超音波の送
受信レベル向上により超音波送受信器の駆動入力を低減
して低入力化でき、電池などによる低電圧駆動でも長期
間の動作を実現できる。
【0034】また、本実施例では流入抑制体の超音波送
受信器側の面は超音波の伝搬方向と斜交させたことによ
り、開口窓を通過しない不要の超音波の多重反射を促進
して不要な超音波の減衰を一層促進でき、S/N特性を
高めた超音波の送受信を一層高めて計測精度を向上でき
る。
【0035】(実施例2) 図3は本発明の実施例2を示す超音波流量計測装置の部
分断面図を示し、ここでは下流側の開口穴12部を示す
が上流側の開口穴11部も同様であり、また図1、図2
の実施例と同一部材、同一機能は同一符号を付し詳細な
説明は省略し、異なるところを中心に説明する。
【0036】21は開口穴12の内面に配設した電気絶
縁性を有する材料で形成した開口穴絶縁体であり、この
開口穴絶縁体21は超音波送受信器9の外周側を取り囲
むように設けると共に、その一端21aは超音波送受信
器9を防振支持および気密シールする振動伝達抑止体1
0に接している。また、超音波送受信器9は金属材料で
形成したケース22の内面に圧電体23を接合し、ケー
ス22の外面に音響整合層24を接合するとともに、ケ
ース22を金属材料で形成した支持台25に気密に接合
している。26は接続端子であり、一方の接続端子26
aは導電体27を介して圧電体23の一端に電気的に接
続され、他方の接続端子26bは支持台25およびケー
ス22を介して圧電体23の他端に電気的に接続されて
いる。28は接続端子26aと接続端子26bとを電気
絶縁し気密シールする封口体である。29は振動伝達抑
止体10が脱落しないように流路に押える固定体であ
る。この振動伝達抑止体10は、防振支持性と気密シー
ル性に加えて、電気抵抗の大きなゴムなどの材料で形成
して電気絶縁性を付与し、また、固定対29は、樹脂な
どの電気抵抗の大きな材料で形成して電気絶縁性を与え
ている。
【0037】ここで、流路体7を形成する材料として耐
久性、強度、耐食性に優れたダイキャスト合金などの金
属材料で形成した場合、電気絶縁材料である開口穴絶縁
体21で超音波送受信器9を取り囲むことにより、超音
波送受信器9と流路体7との導電距離が大きく設定でき
る。さらに、電気絶縁性を有した振動伝達抑止体10お
よび固定体29で流路体7に固定支持するとともに、電
気絶縁材料である開口穴絶縁体21の一端21aを振動
伝達抑止体10に当接させることで超音波送受信器9を
取り囲むことにより、流路体7と超音波送受信器9との
導電距離を大きく設定できる。
【0038】このため、コンパクトな収納スペースでも
開口穴絶縁体21により超音波送受信器と開口穴を形成
する流路体との間の導電距離を大きくし、落雷などによ
り取付側の流路体と超音波送受信器間に異常高電圧が発
生した場合でもリークに至る耐電圧を高め、リーク電流
による超音波送受信器の破損を防いで信頼性を向上で
き、小型化が促進できる。さらに、流路壁6aと面一に
設置した流入抑制体14と開口面積を低減した開口窓1
5により、開口穴での渦発生の低減と不要な超音波を開
口穴内で多重反射により減衰させ、超音波の送受信レベ
ルの向上とS/N特性を高めた超音波の送受信により、
計測精度および流量計測できる上限値を高め、超音波の
送受信レベル向上により超音波送受信器の駆動入力を低
減して低入力化できる。
【0039】さらに、本実施例の応用として、開口穴1
2の開口部断面積を縮めた開口窓15を設けず、開口穴
12の開口部をそのままにし、超音波送受信機9の周囲
を開口穴絶縁体で囲った構成を図4に示す。この構成で
は、振動伝達抑止体10は防振支持性と気密シール性に
加えて電気抵抗の大きなゴムなどの材料で形成して電気
絶縁性を付与せしめ、また固定体29は樹脂などの電気
抵抗の大きな材料で形成して電気絶縁性を与えている。
【0040】さらに、電気絶縁性を有した振動伝達抑止
体10および固定体29で流路体7に固定支持するとと
もに、電気絶縁材料である開口穴絶縁体21の一端21
aを振動伝達抑止体10に当接させることで超音波送受
信器9を取り囲むことにより、流路体7と超音波送受信
器9との導電距離を大きく設定できる。
【0041】図4の構成では、開口穴の断面積を縮めた
開口窓15がなくなったため、超音波の減衰が少なく感
度が向上する。加えて、開口窓がある場合その内側によ
どみが生ずるが、それがないため、ゴミなどの蓄積が防
止でき信頼性が向上する。
【0042】図5は開口穴11、12部の他の実施例を
示す部分断面図であり、開口穴絶縁体21の一端21a
は超音波送受信器9を防振支持および気密シールする振
動伝達抑止体10に接するとともに、開口穴絶縁体21
の他端21bは流入抑制体14に接している。ここで、
流入抑制体14および振動伝達抑止体10を絶縁材料で
形成することにより超音波送受信器9は流路体7との電
気絶縁距離を大きくでき、超音波送受信器9を計測流路
6に接近させて配置することが可能になり計測部の小型
コンパクト化ができる。
【0043】このように、流入抑制体は電気絶縁材料で
形成し、開口穴絶縁体の計測流路側の端部は流入抑制体
に当接させたことにより、超音波送受信器を計測流路側
により一層接近させて配置しても超音波送受信器と計測
流路を形成する流路壁との間の導電距離を大きくでき、
落雷などによる異常高電圧が発生した場合でもリークに
至る耐電圧を高めてリーク電流による超音波送受信器の
破損を防止して信頼性を向上でき、さらに超音波送受信
器を計測流路側により一層接近させて配置できるため小
型化を一層促進できる。
【0044】さらに、図5の実施例の応用として図6に
示すように、開口穴12の開口部断面積を縮めた開口窓
15を設けず、開口穴12の開口部をそのままにし、開
口穴絶縁体21を流入抑制体14まで延設した構成があ
る。この構成では、開口穴の断面積を縮めた開口窓15
がなくなったため、超音波の減衰が少なく感度が向上す
る。加えて、開口窓がある場合その内側によどみが生ず
るが、それがないため、ゴミなどの蓄積が防止でき信頼
性が向上する。
【0045】図7は開口穴11、12部の他の実施例を
示す部分断面図であり、流入抑制体14と開口穴絶縁体
21は一体化させるとともに、開口穴絶縁体21の一端
21aは振動伝達抑止体10に接している。流入抑制体
14と開口穴絶縁体21を一体化することで流入抑制体
14と開口穴絶縁体21との間の電気絶縁を確実にでき
る。また、開口穴絶縁体21と振動伝達抑止体10との
間の電気絶縁性の確保は、振動伝達抑止体10を弾力性
の有るゴムなどの材料で形成し、かつ接触力を与えて接
触させて振動伝達抑止体10を若干撓ませることにより
信頼性を向上できる。
【0046】このように、流入抑制体と開口穴絶縁体は
一体化したことにより、流入抑制体と開口穴絶縁体との
当接部での電気絶縁性をより一層高めて信頼性を向上で
きる。さらに流入抑制体と開口穴絶縁体との位置関係の
バラツキを低減して計測精度の安定性を向上でき、部品
点数の削減により低コスト化できる。
【0047】以上のように、本実施例においては開口穴
の断面積よりも小さい開口窓を有し計測流路の流路壁に
面一に配設した流入抑制体と、前記開口穴の内面に配設
した電気絶縁性を有する材料で形成した開口穴絶縁体を
備えることにより、コンパクトな収納スペースでも開口
穴絶縁体により超音波送受信器と開口穴を形成する流路
体との間の導電距離を大きくでき、落雷などにより取付
側の流路体と超音波送受信器間に異常高電圧が発生した
場合でもリークに至る耐電圧を高めることができ、リー
ク電流による超音波送受信器の破損を防いで信頼性を向
上でき、小型化が促進できる。さらに、開口穴での渦発
生の低減と不要な超音波を開口穴内で多重反射により減
衰させ、超音波の送受信レベルの向上とS/N特性を高
めた超音波の送受信により、計測精度および流量計測で
きる上限値を高め、超音波の送受信レベル向上により超
音波送受信器の駆動入力を低減して低入力化できる。
【0048】また、本実施例では流入抑制体は電気絶縁
材料で形成し、開口穴絶縁体の計測流路側の端部は流入
抑制体に当接させたことにより、超音波送受信器を計測
流路側により一層接近させて配置しても超音波送受信器
と計測流路を形成する流路壁との間の導電距離を大きく
でき、落雷などによる異常高電圧が発生した場合でもリ
ークに至る耐電圧を高めることができ、リーク電流によ
る超音波送受信器の破損を防止して信頼性を向上でき、
さらに超音波送受信器を計測流路側により一層接近させ
て配置できるため小型化を一層促進できる。
【0049】また、本実施例では流入抑制体と開口穴絶
縁体は一体化したことにより、流入抑制体と開口穴絶縁
体との当接部での電気絶縁性をより一層高めて信頼性を
向上でき、流入抑制体と開口穴絶縁体との位置関係のバ
ラツキを低減して計測精度の安定性を向上でき、さらに
部品点数の削減により低コスト化できる。
【0050】(実施例3) 図8は本発明の実施例3を示す超音波流量計測装置の部
分断面図を示し、ここでは下流側の開口穴12部を示す
が上流側の開口穴11部も同様であり、また図1〜図5
の実施例と同一部材、同一機能は同一符号を付し詳細な
説明は省略し、異なるところを中心に説明する。
【0051】30は流入抑制体14の開口窓15の計測
流路6側に設けた超音波透過体であり、この超音波透過
体30は超音波が通過可能な多数の微細な開口(図示せ
ず)を持つとともに、流入抑制体14に設けた凹部14
aに超音波透過体30の表面30aが流路壁6aと略面
一になるように取付けている。ここでは超音波透過体3
0としてメッシュを用いており、メッシュの目の細かさ
として#50〜#500程度のものが利用できる。な
お、パンチング加工あるいはエッチング加工などによる
穴明き板、ラス網、ガーゼや不織布などの布、穴明きフ
ィルム、網目状樹脂成形品など小さい微細な開口を多数
有するものも利用できる。
【0052】超音波透過体30を流路壁6aと略面一に
開口窓15に設置することで、開口穴12への被測定流
体の流れ込みを大幅に低減できるので計測流路6での流
れの乱れを低減でき、さらに開口穴12内での渦の発生
を大きく低減できる。さらに、流路体7と微細な開口を
持つ超音波透過体30で開口窓15を覆った流入抑制体
14とを別部材化することで、計測流体の種類や計測す
べき流量範囲に対して計測流路6を形成する流路体7は
共通のままで、開口窓15の形状や寸法あるいは超音波
透過体30の微細な開口の大きさを決めるメッシュの目
の細かさを最適化して超音波の送受信感度を高めた流速
あるいは流量の計測ができる。
【0053】このように、流入抑制体は超音波が通過可
能な多数の微細な開口を持つ超音波透過体を開口窓に備
えたことにより、被計測流体の開口穴への流れ込みを大
幅に低減し、開口穴内での渦の発生を大きく低減して渦
による超音波の減衰を一層低減できる。このため、超音
波の送受信レベルを一層向上してS/N特性を一層高め
た超音波の送受信ができ、計測精度および流量計測でき
る上限値を向上できる。
【0054】また、流入抑制体14を熱可塑性の樹脂材
料で形成し、超音波透過体30を所定の位置に置いた後
に流入抑制体14を局所的に加熱して溶かし、流入抑制
体14に超音波透過体30を確実に固着させることがで
きる。特に、超音波透過体30として金属性のメッシュ
を選定した場合では溶着作業が容易になるだけでなく、
溶けた樹脂がメッシュの目の間に入り込むため、超音波
透過体30の表面30aでの平滑な面の割合を増加で
き、凹凸の低減により計測流路6での流れを一層安定化
できる。さらに、流入抑制体14を形成する樹脂材料に
グラスファイバーを20〜30%程度混入させることで
メッシュ材料と同等程度の熱膨張率に低減し、加熱溶着
作業後のメッシュで形成した超音波透過体30部を平坦
に維持でき、超音波透過体30の表面30aの凹凸の発
生を防止して計測流路6の流れを安定化できる。
【0055】このように、流入抑制体は樹脂材料で形成
し、超音波透過体を溶着接合したことにより、流入抑制
体と超音波透過体とは面一に接合可能にでき、計測流路
の流路壁と流入抑制体の超音波透過体の取付部の面一性
を向上して計測流路壁面近傍での流れの乱れを防止して
計測精度および流量計測できる上限値を向上できる。さ
らに、流入抑制体と超音波透過体との確実な一体化がで
き、信頼性を向上できる。
【0056】また、流入抑制体を形成する樹脂材料にグ
ラスファイバーを混入させることにより、熱膨張率に低
減して加熱溶着作業後の超音波透過体はその表面の平坦
性に維持でき、凹凸の発生を防止して計測流路の流れを
安定化できる。
【0057】以上のように、本実施例においては流入抑
制体は超音波が通過可能な多数の微細な開口を持つ超音
波透過体を開口窓に備えたことにより、被計測流体の開
口穴への流れ込みを大幅に低減でき、開口穴内での渦の
発生を大きく低減して渦による超音波の減衰を一層低減
でき、超音波の送受信レベルを一層向上してS/N特性
を一層高めた超音波の送受信ができ、計測精度および流
量計測できる上限値を向上できる。
【0058】また、本実施例では流入抑制体は樹脂材料
で形成し、超音波透過体を溶着接合したことにより、流
入抑制体と超音波透過体とは面一に接合可能にでき、計
測流路の流路壁と流入抑制体の超音波透過体の取付部の
面一性を向上して計測流路壁面近傍での流れの乱れを防
止して計測精度および流量計測できる上限値を向上で
き、流入抑制体と超音波透過体との確実な一体化により
信頼性を向上できる。
【0059】また、本実施例では流入抑制体を形成する
樹脂材料はグラスファイバーを混入させたことにより、
熱膨張率に低減して加熱溶着作業後の超音波透過体はそ
の表面の平坦性に維持でき、凹凸の発生を防止して計測
流路の流れを安定化できる。
【0060】なお、本実施例の形態の応用として、図9
に示す開口窓を設けない構成がある。この構成で、開口
穴の開口部に超音波透過体を設けることにより、開口穴
に直接流体が入り込むことなく、また、開口穴の断面積
を縮めた開口窓15がなくなったため、超音波の減衰が
少なく感度が向上する。加えて、開口窓がある場合その
内側によどみが生ずるが、それがないため、ゴミなどの
蓄積が防止でき信頼性が向上する。
【0061】(実施例4) 図10は本発明の実施例4を示す超音波流量計測装置の
部分断面図を示し、ここでは下流側の開口穴12部を示
すが上流側の開口穴11部も同様であり、また図1〜図
6の実施例と同一部材、同一機能は同一符号を付し詳細
な説明は省略し、異なるところを中心に説明する。
【0062】31は流入抑制体14に設けた超音波を吸
収する作用の有る吸音手段であり、吸音手段31は流入
抑制体14の計測流路6側の表面14aに設けた吸音手
段31aおよび超音波送受信器9側の裏面14bに設け
た吸音手段31bで形成している。
【0063】まず、下流側の超音波送受信器9から超音
波を送信する場合で説明する。流入抑制体14に吸音手
段31を設けることにより、超音波送受信器9から発信
された超音波の内、開口窓15を通過しない不要な超音
波が流入抑制体14の裏面14bに設けた吸音手段31
bに当ると、吸音された残りは反射するものの不要な超
音波は減衰が促進され、S/N特性を高めた超音波が受
信側である上流側の超音波送受信器8に向かって送信さ
れる。
【0064】次に、上流側の超音波送受信器8から超音
波を送信し、下流側の超音波送受信器9で受信する場合
で説明する。S/N特性を高めた超音波が受信側に伝搬
し、下流側の流入抑制体14の開口窓15を通過して受
信される。しかし、伝搬時の広がりにより下流側の開口
窓15に当った超音波は流入抑制体14の表面14aに
設けた吸音手段31aによって吸音されて減衰する。こ
の流入抑制体14の表面14aに設けた吸音手段31a
による吸音作用のため、多重反射の減衰が促進されてS
/N特性を一層高めた超音波の送受信が可能になる。
【0065】このように、流入抑制体は超音波の吸音手
段を備えたことにより、開口窓を通過しない不要の超音
波が流入抑制体に当った超音波は吸音されて不要な超音
波の減衰を一層促進できる。このため、S/N特性を高
めた超音波の送受信を一層高めて計測精度を向上でき
る。ここで、吸音手段は、流入抑制体14の表面14a
および裏面14bにそれぞれ吸音手段31a、31bを
設けたが、各々を単独で用いることも可能である。
【0066】図11は吸音手段の他の実施例を示す部分
断面図であり、流入抑制体14の計測流路6側の表面1
4aには超音波透過体30および吸音手段31aが設け
られ、超音波透過体30があるところは超音波透過体3
0の内側に吸音手段31aが配置されている。
【0067】このため、超音波透過体30による開口穴
への流れ込みの低減と計測流路の流れ乱れの低減作用に
より超音波の減衰を一層低減でき、吸音手段31による
不要反射波の低減によるノイズ原因の除去作用により、
超音波の送受信レベルを一層向上してS/N特性を一層
高めた超音波の送受信ができ、計測精度および流量計測
できる上限値を向上できる。
【0068】また、流入抑制体14を多孔性材料で形成
することで、流入抑制体14のコンパクト化と形状およ
び寸法の安定化による吸音効果の安定化が可能となり、
計測装置の小型化と信頼性の向上ができる。ここでは微
細な連続気泡を有する発泡金属で形成することで機械的
強度が十分確保でき、長期間にわたる信頼性を確保でき
る。
【0069】以上のように、本実施例においては流入抑
制体は超音波の吸音手段を備えたことにより、開口窓を
通過しない不要の超音波が流入抑制体に当った超音波は
吸音されて不要な超音波の減衰を一層促進でき、S/N
特性を高めた超音波の送受信を一層高めて計測精度を向
上できる。
【0070】また、本実施例では流入抑制体は多孔性材
料で形成したことにより、流入抑制体のコンパクト化と
形状および寸法の安定化による吸音効果の安定化が可能
となり、計測装置の小型化と信頼性の向上ができる。
【0071】(実施例5) 図12は本発明の実施例5を示す超音波流量計測装置の
部分断面図を示し、ここでは下流側の開口穴12部を示
すが上流側の開口穴11部も同様であり、また図1〜図
8の実施例と同一部材、同一機能は同一符号を付し詳細
な説明は省略し、異なるところを中心に説明する。
【0072】開口穴12部には開口穴絶縁体21および
開口窓15を設けた流入抑制体14を設けるとともに、
少なくとも開口穴絶縁体21の内面21cには吸音手段
31が設けられている。ここでは吸音手段31として、
流入抑制体14の表面14aに設けた吸音手段31a
と、流入抑制体14の裏面14bに設けた吸音手段31
bと、開口穴絶縁体21の内面21cに設けた吸音手段
31cを備えている。
【0073】下流側の超音波送受信器9から超音波を送
信する場合で説明する。開口穴絶縁体に21の内面に吸
音手段31を設けることにより、超音波送受信器9から
発信された超音波の内、側方に発信された超音波は開口
穴絶縁体21の内面21cに設けた吸音手段31cに当
って減衰されることで側壁反射して開口窓15を通過す
る成分を低減させ、開口窓15を直接通過する直接波の
割合を高めてより一層ノイズの少ない送信波形を受信側
に送り、S/N特性を高めた超音波の送受信により計測
精度を高め、計測可能な流量の上限値を高めることがで
きる。さらに、開口穴絶縁体21の電気絶縁性により、
落雷などにより取付側の流路体と超音波送受信器間に異
常高電圧が発生した場合でもリークに至る耐電圧を高
め、リーク電流による超音波送受信器の破損を防いで信
頼性を向上できる。
【0074】このように、開口穴絶縁体は超音波の吸音
手段を備えたことにより、超音波送受信器の側方に発信
された不要な超音波は開口穴絶縁体に設けた吸音手段に
より吸音されて減衰を促進でき、開口窓を直接通過する
直接波の割合を高めてより一層ノイズの少ない送信波形
を得ることができる。このため、超音波の送受信レベル
の向上とS/N特性を高めた超音波の送受信により、計
測精度および流量計測できる上限値を高めることがで
き、開口穴絶縁体の電気絶縁性により落雷などにより取
付側の流路体と超音波送受信器間に異常高電圧が発生し
た場合でもリークに至る耐電圧を高め、リーク電流によ
る超音波送受信器の破損を防いで信頼性を向上できる。
【0075】また、流入抑制体14を電気絶縁性のある
材料で形成し、開口穴絶縁体の一端および他端をそれぞ
れ振動伝達抑止体10および流入抑制体14に接して配
置し、流入抑制体14に吸音手段31を設けることによ
り、超音波の不要反射波の減衰促進を一層高め、S/N
特性を一層高めた超音波の送受信による計測精度および
流量計測できる上限値が向上でき、また落雷などの異常
高電圧が発生した場合でのリーク電流による超音波送受
信器の破損を防止する信頼性を向上でき、さらに計測装
置の小型化ができる。
【0076】以上のように、本実施例においては開口穴
絶縁体は超音波の吸音手段を備えたことにより、超音波
送受信器の側方に発信された不要な超音波は開口穴絶縁
体に設けた吸音手段により吸音されて減衰を促進でき、
開口窓を直接通過する直接波の割合を高めてより一層ノ
イズの少ない送信波形を得ることができ、超音波の送受
信レベルの向上とS/N特性を高めた超音波の送受信に
より、計測精度および流量計測できる上限値を高めるこ
とができ、開口穴絶縁体の電気絶縁性により落雷などに
より取付側の流路体と超音波送受信器間に異常高電圧が
発生した場合でもリークに至る耐電圧を高めることがで
き、リーク電流による超音波送受信器の破損を防いで信
頼性を向上できる。
【0077】なお、本実施例の応用として、図13に示
すように開口窓を設けず吸音手段を超音波送受信器を取
り囲むように開口穴側面と流入抑制体の表面に備えた構
成を示す。この構成では、開口穴の内面反射を低減して
超音波のS/N特性を高め、さらに断面積が縮小する開
口窓による減衰が発生しないので、感度を向上した超音
波の送受信により計測精度を一層向上できる。さらに、
開口窓の内側によどみ部がないため、ゴミなどの蓄積が
防止でき信頼性が向上する。
【0078】さらに、図14の構成では、流入抑制体の
表面の吸音手段を省いた構成を示す。流入抑制体14の
表面14aに凹凸の形状と成り易い吸音手段がなく、流
路壁6a近傍の被計測流体の流れを乱すことを低減し
て、流速分布を安定化して計測精度を向上できる。
【0079】(実施例6) 図15は本発明の実施例6を示す超音波流量計測装置の
部分断面図を示し、ここでは下流側の開口穴12部を示
すが上流側の開口穴11部も同様であり、またこれまで
の実施例と同一部材、同一機能は同一符号を付し詳細な
説明は省略し、異なるところを中心に説明する。
【0080】開口穴12に設けた開口穴絶縁体21の超
音波が通過する断面形状は、超音波送受信器9側から計
測流路6側に向かうにつれて開口窓15の形状および断
面積にに漸近する形状としたものである。ここでは、超
音波送受信器9側の断面形状を直径14mm程度の円形
とし、計測流路6側の断面形状は開口窓15の形状であ
る□8mm程度の角穴に近い形状として、途中は円形か
ら角穴に順次滑らかに変化する形状としている。
【0081】ここで、下流側の超音波送受信器9が受信
側となる場合で説明する。上流側の超音波送受信器8か
ら発信された超音波は、超音波伝搬路13を伝搬して下
流側の流入抑制体14の開口窓15を通過して開口穴1
2に入る。開口穴12内は開口穴絶縁体21により超音
波送受信器9に近づくにつれて通路断面が滑らかに拡大
しているため、開口穴12内での超音波の散逸が低減さ
れて受信側の超音波送受信器9に到達し、受信感度を高
めた信号を得ることができる。また、下流側の超音波送
受信器9が送信側となる場合では、発信された超音波は
開口窓15に向かって滑らかに縮小する断面形状とした
開口穴絶縁体21により、広がりの少なく強度を高めた
超音波として下流側の開口窓15を通過して受信側であ
る上流側の超音波送受信器8に伝搬させて感度を高めた
超音波の送受信がなされる。
【0082】以上のように、本実施例においては開口穴
絶縁体の超音波が通過する断面形状は計測流路側に向か
うにつれて開口窓の形状に漸近する形状としたことによ
り、開口窓を通過した超音波は開口穴内での散逸が低減
されて受信側の超音波送受信器に到達でき、感度を高め
た超音波の送受信により、計測精度および流量計測でき
る上限値を高めることができる。
【0083】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明の
超音波流量計測装置によれば、超音波の送受信レベルの
向上とS/N特性を高めた超音波の送受信ができ、計測
精度および流量計測できる上限値を向上でき、超音波の
送受信レベル向上により超音波送受信器の駆動入力を低
減して低入力化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の超音波流量計測装置の構成
断面図
【図2】図1における開口穴部の部分断面図
【図3】本発明の実施例2の開口穴絶縁体を示す開口穴
部の部分断面図
【図4】本発明の実施例2の他の開口穴絶縁体を示す開
口穴部の部分断面図
【図5】同絶縁体の他の実施例を示す部分断面図
【図6】同絶縁体の別の実施例を示す部分断面図
【図7】同絶縁体のさらに他の実施例を示す部分断面図
【図8】本発明の実施例3の超音波透過体を示す開口穴
部の部分断面図
【図9】本発明の実施例3の超音波透過体を示す開口穴
部の部分断面図
【図10】本発明の実施例4の吸音手段を示す開口穴部
の部分断面図
【図11】同吸音手段の他の開口穴部の部分断面図
【図12】本発明の実施例5の開口穴絶縁体を示す開口
穴部の部分断面図
【図13】本発明の実施例5の他の開口穴絶縁体を示す
開口穴部の部分断面図
【図14】本発明の実施例5の別の開口穴絶縁体を示す
開口穴部の部分断面図
【図15】本発明の実施例6の開口穴絶縁体を示す開口
穴部の部分断面図
【図16】従来の超音波流量計測装置の構成断面図
【符号の説明】
6 計測流路 6a 流路壁 8、9 超音波送受信器 11、12 開口穴 14 流入抑制体 15 開口窓 21 開口穴絶縁体 30 超音波透過体 31 吸音手段

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流体が流れる計測流路を有する流路体
    と、前記計測流路の上流側および下流側に設けた超音波
    送受信器と、前記超音波送受信器を計測流路に臨ませる
    開口窓とを具備し、前記超音波送受信器と前記開口窓と
    の間には、前記超音波送受信器の側方へ発信された不要
    な超音波を多重反射させて減衰させる空間を形成した
    音波流量計測装置。
  2. 【請求項2】 流体が流れる計測流路と、前記計測流路
    の上流側および下流側に設けた超音波送受信器と、前記
    超音波送受信器を前記計測流路に臨ませる上流側および
    下流側の開口穴と、前記計測流路と前記開口穴とを連通
    させ前記開口穴の断面積よりも小さい開口窓を有し、前
    記開口穴の断面を前記超音波送受信器の送受信面より大
    きくした超音波流量計測装置。
  3. 【請求項3】 流体が流れる計測流路と、前記計測流路
    の上流側および下流側に設けた超音波送受信器と、前記
    超音波送受信器を前記計測流路に臨ませる上流側および
    下流側の開口穴と、前記計測流路と前記開口穴とを連通
    させ前記開口穴の断面積よりも小さい開口窓を有し、前
    記開口穴の断面を前記超音波送受信器の外形寸法より大
    きくした超音波流量計測装置。
  4. 【請求項4】 流体が流れる計測流路を有する流路体
    と、前記計測流路の上流側および下流側に設けた超音波
    送受信器と、前記超音波送受信器を前記計測流路に臨ま
    せる上流側および下流側の開口穴と、前記流路体とは別
    体で設けられ、かつ前記計測流路と前記開口穴とを連通
    させ前記開口穴の断面積よりも小さい開口窓を有する流
    入抑制体とを備えた超音波流量計測装置。
  5. 【請求項5】 流入抑制体を前記計測流路の流路壁に略
    面一に配設した請求項4記載の超音波流量計測装置。
  6. 【請求項6】 開口穴の内面に電気絶縁性を有する開口
    穴絶縁体を設けた請求項2から5のいずれか1項に記載
    の超音波流量計測装置。
  7. 【請求項7】 流入抑制体の超音波送受信器側の面は超
    音波の伝搬方向と斜交させた請求項3から6のいずれか
    1項に記載の超音波流量計測装置。
  8. 【請求項8】 流入抑制体と開口穴絶縁体は一体化した
    請求項6または7に記載の超音波流量計測装置。
  9. 【請求項9】 流入抑制体は超音波が通過可能な多数の
    微細な開口を持つ超音波透過体を開口窓に備えた請求項
    3から8のいずれか1項に記載の超音波流量計測装置。
  10. 【請求項10】 流入抑制体は樹脂材料で形成し、超音
    波透過体を溶着接合した請求項記載の超音波流量計測
    装置。
  11. 【請求項11】 流体が流れる計測流路を有する流路体
    と、前記計測流路の上流側および下流側に設けた超音波
    送受信器と、前記超音波送受信器を計測流路に臨ませる
    開口窓とを具備し、前記超音波送受信器と開口窓との間
    には、前記超音波送受信器の側方へ発信された不要な超
    音波を多重反射させて減衰させる空間を形成した超音波
    計測装置。
  12. 【請求項12】 流体が流れる計測流路と、前記計測流
    路の上流側および下流側に設けた超音波送受信器と、前
    記超音波送受信器を前記計測流路に臨ませる上流側およ
    び下流側の開口穴と、前記計測流路と前記開口穴とを連
    通させ前記開口穴の断面積よりも小さい開口窓を有し、
    前記開口穴の断面は前記超音波送受信器の送受信面より
    大きくした超音波流計測装置。
  13. 【請求項13】 流体が流れる計測流路と、前記計測流
    路の上流側および下流側に設けた超音波送受信器と、前
    記超音波送受信器を前記計測流路に臨ませる上流側およ
    び下流側の開口穴と、前記計測流路と前記開口穴とを連
    通させ前記開口穴の断面積よりも小さい開口窓を有し、
    前記開口穴の断面を前記超音波送受信器の外形寸法より
    大きくした超音波流速計測装置。
JP2002254366A 2001-10-31 2002-08-30 超音波流量計測装置 Expired - Lifetime JP3518538B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002254366A JP3518538B2 (ja) 2001-10-31 2002-08-30 超音波流量計測装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001333983 2001-10-31
JP2001-333983 2001-10-31
JP2002254366A JP3518538B2 (ja) 2001-10-31 2002-08-30 超音波流量計測装置

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003309786A Division JP3922233B2 (ja) 2001-10-31 2003-09-02 超音波流量計測装置

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2003202254A JP2003202254A (ja) 2003-07-18
JP3518538B2 true JP3518538B2 (ja) 2004-04-12
JP2003202254A5 JP2003202254A5 (ja) 2004-09-09

Family

ID=27666700

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002254366A Expired - Lifetime JP3518538B2 (ja) 2001-10-31 2002-08-30 超音波流量計測装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3518538B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4979056B2 (ja) * 2005-11-18 2012-07-18 リコーエレメックス株式会社 超音波流量計のセンサ取付構造
DE102010063789A1 (de) * 2010-12-21 2012-06-21 Endress + Hauser Flowtec Ag Ultraschall-Durchflussmessgerät
JP6089550B2 (ja) * 2012-10-09 2017-03-08 富士電機株式会社 風向風速計測装置
DE102014004747B4 (de) * 2013-10-30 2023-02-16 Krohne Ag Ultraschall-Durchflussmesser
JP2020024180A (ja) * 2018-08-09 2020-02-13 パナソニックIpマネジメント株式会社 超音波流量計
NL2023675B1 (en) * 2019-08-21 2021-05-25 Berkin Bv Improved ultrasonic flow meter

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003202254A (ja) 2003-07-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5479605B2 (ja) 流動媒体の流量を検出する超音波流量センサ
WO2012008151A1 (ja) 超音波流量計測ユニット、および、これを用いた超音波流量計
JP3528726B2 (ja) 超音波振動子およびこれを用いた超音波式流体の流れ計測装置
JPWO2012137489A1 (ja) 超音波流量計測装置
CN103477194A (zh) 用于超声流量测量装置的超声换能器的耦合元件
US20160061778A1 (en) Fluid measuring device
JP3518538B2 (ja) 超音波流量計測装置
JPWO2011040037A1 (ja) 超音波流量計測ユニット
JP3890698B2 (ja) 流量計測装置
US7963174B2 (en) Ultrasonic flowmeter having a rubber transmitting body
WO2014125720A1 (ja) 超音波流量計および超音波流量計用の超音波吸収体
JP3922233B2 (ja) 超音波流量計測装置
CN114111927B (zh) 一种适用于气体流量检测的高频超声波传感器
WO2012011272A1 (ja) 超音波送受波器の装着構造およびこれを用いた超音波流量計
JP2003202254A5 (ja)
JPH11230799A (ja) 超音波流量計
JP2015230260A (ja) 超音波流量計及び超音波流量計の取付方法
JP2001311636A (ja) 超音波流量計測装置
JP2012018030A (ja) 超音波センサの取り付け構造およびそれを用いた超音波流量計測装置
JP5533332B2 (ja) 超音波流速流量計
JP3436247B2 (ja) 超音波流量計測装置
JP3629481B2 (ja) 超音波振動子およびそれを用いた超音波流量計
JP2003177042A (ja) 超音波流量計
JP2010164585A (ja) 超音波流量計測装置
JP4165240B2 (ja) 超音波流量計

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040106

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040119

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 3518538

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080206

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090206

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100206

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100206

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110206

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120206

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130206

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140206

Year of fee payment: 10

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term