JP4165240B2 - 超音波流量計 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波流量計に関し、詳細には、超音波伝搬線が屈曲させて設定される超音波流量計において、超音波の回折による受信タイミングの検出精度の低下を防止するための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
超音波流量計として、一対のトランスデューサを流れの方向にずらして設置し、上流側のトランスデューサから流れに対して順方向に超音波を発射して、下流側のトランスデューサまでの伝搬時間を検出するとともに、下流側のトランスデューサから流れに対して逆方向に超音波を発射して、上流側のトランスデューサまでの伝搬時間を検出し、検出された伝搬時間に基づいて流量を算出するものが知られている。
【0003】
このような超音波流量計は、伝搬時間型として知られているが、その一種として、超音波を測定管の内壁で反射させて、トランスデューサの間を超音波が屈曲して伝搬するように構成された反射型超音波流量計が知られている。反射型超音波流量計によると、トランスデューサの設置間隔及び測定管の内壁間高さが一定であるときの超音波の伝搬経路長を長く設定することができる。このため、反射型超音波流量計は、設置空間に余裕がない場合など、レイアウト上の制約がある用途に適している。
【0004】
しかしながら、反射型超音波流量計には、次のような回折の問題がある。一般的に超音波流量計では、トランスデューサは、測定管の一部を被検流体の通路から外れる方向に張り出させて形成されたトランスデューサケースに収納された状態で設置される。トランスデューサが流れに対する障害とならないようにするためである。この状態では、トランスデューサは、トランスデューサケースの開口端よりも奥に引き込んだ位置にあり、トランスデューサから発射された超音波は、トランスデューサケース内に残された空間を通過して通路内に伝搬していくことになる。ここで、トランスデューサから発射される超音波の広がり角は、一般的に大きく、振動板の有効径が10〜20mmであるトランスデューサから40kHzで超音波を発射した場合の広がり角は、50deg以上となる。大きな広がり角で発射された超音波は、トランスデューサケースの開口端を通過する際に回折を起こし、この開口端を形成する壁部の背後に回り込んで伝搬する。この超音波の回折成分は、測定管の内壁で反射することなく直接伝搬波として受信側のトランスデューサに入射し、超音波の受信波形に重畳して現れる。このため、受信波形から超音波の正確な受信タイミングを検出することが困難となり、流量の測定精度が低下してしまう。
【0005】
このような回折の問題に関する対策として、トランスデューサケースの間の内壁に遮音手段を設け、超音波の回折成分が直接伝搬波として受信側のトランスデューサに入射することを防止する技術が知られている(下記特許文献1)。この技術は、遮断手段をトランスデューサケースの間で流れに直交する方向に延伸させるとともに、これにトランスデューサケースの間隔に近い幅を持たせて、超音波の波長に対して相対的に大きな障壁とすることで、回折成分が遮音手段の背後にあるトランスデューサケースの開口端を通過して、受信側のトランスデューサに入射しないようにするものである。
【0006】
【特許文献1】
特開平09−287990号公報(段落番号0033)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の技術には、超音波の波長が長い場合に次のような問題がある。音の回折の程度が音の波長と障害物の大きさとの関係に応じて変化することは、一般的に知られている。かりに被検流体が空気であるとすれば、周波数が40kHzの超音波の波長は8mmほどと短くなる。このため、遮音手段をそれほど大きく形成しなくても回折を抑え、回折成分が受信側のトランスデューサに入射することを防止することができる。しかしながら、被検流体が水素ガスである場合など、同じ周波数でも超音波の波長が長くなる条件のもとでは、回折が目立つようになり、回折成分が遮音手段の背後にあるトランスデューサケースの開口端を通過し、受信側のトランスデューサに入射するようになる。波長が長い超音波の回折を抑えるため、遮音手段の幅を拡大したり、高さを拡大することが考えられる。前者による場合は、トランスデューサの設置間隔の拡大が必要となるので、レイアウト上の制約がある用途において容易に採用することができない。後者による場合は、流通抵抗の増大が伴うので、測定管に流すことのできる流量が制限されるうえ、圧力損失が小さいという超音波流量計本来の利点が損なわれることにもなり、やはり容易に採用することができない。
【0008】
そこで、本発明は、低圧損性を保持するとともに、短い波長に限らず長い波長の超音波が直接伝搬波として受信側のトランスデューサに入射することを防止し、受信タイミングを正確に検出することのできる反射型超音波流量計を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明では、超音波流量計の超音波伝搬線を屈曲させて設定し、超音波伝搬線の各端に、超音波を相互に送受信する一対のトランスデューサを設置する。超音波伝搬線は、一方のトランスデューサからの超音波の被検流体に対する入射点を測定管の中心軸を含む平面を基準とした一側に設定し、他方のトランスデューサからの超音波の被検流体に対する入射点を前記基準平面の他側に設定する。測定管には、超音波伝搬線上を伝搬する超音波を反射させる超音波反射面を設けるとともに、前記2つの超音波入射点の間で、超音波反射面との間に空隙が残される高さを持たせて、被検流体の流れに沿って延伸される遮音部を設け、遮音部により超音波を減衰させ又はその伝搬方向を変化させる。
【0010】
本発明によれば、超音波入射点を流れに直交する方向にずらして設定し、これらの間に遮音部を設けたので、超音波が超音波反射面を介さずに直接伝搬波として受信側のトランスデューサに入射することを防止することができる。また、遮音部を流れに沿って延伸させて、遮音部を設けたことによる流通抵抗の増大を抑えることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る超音波流量計1の構成図である。本実施形態では、図示しない燃料電池を含んで自動車の駆動源を構成している。超音波流量計1は、燃料電池の燃料ガスとしての水素含有ガスの流量を、加湿用水蒸気が添加された後に測定するために使用される。
【0012】
測定管11は、被検流体である水素含有ガスを流すためのものであり、断面が矩形に形成されている。軸方向各端にフランジ部11a,11bが形成され、これらを介して隣接する燃料供給管51,52と接続されている。
【0013】
超音波伝搬線Atは、測定用超音波の設定上の伝搬経路であり、測定管11の底部内壁を超音波反射面101としてV字状に屈曲させて幾何学的に設定されている。
【0014】
一対のトランスデューサ21,22は、超音波の送受信器であり、超音波伝搬線Atの各端に配置されている。トランスデューサ21,22は、トランスデューサケース12,13に収納された状態で設置されている。トランスデューサケース12,13は、超音波伝搬線Atを中心とする円筒状に測定管11の一部を張り出させて形成されている。上流側のトランスデューサケース12に第1のトランスデューサ21が、下流側のトランスデューサケース13に第2のトランスデューサ22が収納されている。トランスデューサ21,22をトランスデューサケース12,13に収納し、水素含有ガスの通路から外れた位置に設置したことで、トランスデューサ21,22が流れに対する障害とならないようにしている。
【0015】
ここで、超音波伝搬線Atは、トランスデューサケース12,13の開口端12a,13aにおける超音波伝搬線At上の点P1,P2が、測定管11の中心軸Aaを含む平面を基準とした各側に設定されている。点P1,P2は、トランスデューサ21,22からの超音波の水素含有ガスに対する各入射点となる。
【0016】
図2は、トランスデューサ21,22の間における超音波の送受信の概念図であり、超音波流量計1の構成の概略を示している。測定管11には、点P1,P2の間に遮音部としての遮音板141が設置されている。遮音板141は、点P1及び点P2の軸Aa方向の間隔よりも長い平板状に形成されており、長辺を形成する1つの端部で測定管11の上部内壁に結合され、軸Aaに沿わせて設置されている。遮音板141を境にして測定管11内の通路が二分されている。遮音板141と超音波反射面101との間には、超音波伝搬線At上を伝搬する超音波を通過させるため、空隙Gが残されている。ここで、遮音板141の高さhは、水素含有ガスを媒体とした超音波の波長に応じた所定の値に設定されており、空隙Gの高さは、この波長以上の値となっている。
【0017】
トランスデューサ21,22には、流量演算手段としての計測装置31が接続されている。
次に、超音波流量計1の動作について、図2を参照して説明する。
【0018】
計測装置31は、超音波を発射させるための駆動信号をトランスデューサ21,22に対して交互に送信する。トランスデューサ21,22は、駆動信号により作動し、超音波伝搬線Atに沿わせる方向に超音波を発射する。超音波伝搬線At上を伝搬する超音波は、超音波反射面101で反射し、反射伝搬波W1として受信側のトランスデューサに入射する。計測装置31は、超音波を受けたトランスデューサから出力された受信信号を入力する。
【0019】
図3は、トランスデューサ21,22の駆動信号St及び超音波の受信波形Sr1,Sr2を示している。Sr1は、本実施形態に係る超音波流量計1により得られるものを、Sr2は、比較例として、遮音部を持たない一般的な反射型超音波流量計により得られるものを示している。
【0020】
計測装置31は、受信信号Sr1から超音波の受信タイミングを検出し、駆動信号Stの送信タイミングから受信タイミングまでの時間を超音波の伝搬時間td1,td2として算出する。なお、トランスデューサ21から流れに対して順方向に超音波を発射したときの伝搬時間をtd1とし、トランスデューサ22から流れに対して逆方向に超音波を発射したときの伝搬時間をtd2とする。受信タイミングの検出は、受信信号Sr1のゼロクロス点trを検出して行う。計測装置31は、受信信号Sr1を所定のレベルLrと比較し、受信信号Sr1がレベルLrを超えたタイミングtcを検出する。そして、超音波の振幅変動による影響を受けないようにするため、そのタイミングの直後におけるゼロクロス点trを検出する。受信タイミングは、検出したtrから所定の時間td0だけ前のタイミングとなる。td0は、受信信号Sr1の初めの立ち上がりからゼロクロス点trまでの時間である。
【0021】
計測装置31は、伝搬時間td1,td2を下式(1)式に代入して流速Vを算出するとともに、これを下式(2)に代入して流量Qに換算し、出力する。なお、超音波の伝搬経路長をL、超音波伝搬軸Atが水素含有ガスの流れに対してなす角をθ、測定管11の流路面積をA、流速分布に関する補正係数をKとする。
【0022】
V={L/(2×cosθ)}×{1/(td1−td0)−1/(td2−td0)} ・・・(1)
Q=V×A×K ・・・(2)
ここで、トランスデューサから発射される超音波は、一般的に広がり角が大きい。トランスデューサ21,22の振動板の有効径が10〜20mmであり、40kHzで超音波を発射したときの広がり角は、50deg以上となる。このため、トランスデューサ21,22から発射された超音波は、トランスデューサケース12,13の開口端12a,13aを通過する際に回折を起こす。この回折成分が直接伝搬波W2(図1)として受信側のトランスデューサに入射すると、受信信号は、反射伝搬波W1と直接伝搬波W2とが干渉して形成された図3に示す波形Sr2として出力される。上記のように、超音波の受信タイミングの検出には、ゼロクロス点trが反射伝搬波W1の初めの立ち上がりから幾つ目の波のものであるかを判別する必要がある。直接伝搬波W2が重畳した受信波形Sr2からではその判別が困難となるため、受信タイミングの検出精度が低下し、流量Qの測定精度が低下してしまう。
【0023】
本実施形態に係る超音波流量計1では、超音波伝搬線Atの超音波入射点P1,P2の間に遮音板141が設置されているので、超音波の回折成分は、遮音板141で反射し、直接伝搬波として受信側のトランスデューサに入射することがない。このため、直接伝搬波W2が重畳しない波形が受信波形Sr1として出力される。
【0024】
本実施形態によれば、次のような効果を得ることができる。
第1に、超音波入射点P1,P2の間に遮音板141を設置したので、超音波の回折成分が直接伝搬波として受信側のトランスデューサに入射することを防止することができる。このため、超音波の受信タイミングを正確に検出し、流量Qを正確に測定することができる。
【0025】
第2に、超音波入射点P1,P2を流れに直交する方向にずらして設定したので、遮音板141をこれらの入射点P1,P2の間で流れに沿って延伸させることが可能となる。このため、遮音板141を設置したことによる流通抵抗の増大を抑えることができる。本実施形態では、遮音部として遮音板141を採用したので、流通抵抗を特に小さく抑えることができ、自動車用燃料電池システムのように被検流体の流量が測定中に大きく変化する用途にも有効に適用することができる。
【0026】
第3に、遮音板141の設置による流通抵抗の増大が小さいことから、超音波流量計1の低圧損性を維持したまま遮音板141の高さhを拡大することが可能となる。このため、空隙Gを通過する際に回折を起こした超音波が受信側のトランスデューサケースの開口端を通過して、トランスデューサに入射することを防止することができる。
【0027】
以下に、本発明の他の実施形態について説明する。
図4は、第2の実施形態に係る超音波流量計の測定管11の断面図である。本実施形態では、測定管11の超音波反射面101は、流れに直交する断面でV字状に屈曲させて形成されており、V字の角を基準とした各側101a,101bがなす角は、90degに設定されている。また、遮音部として遮音壁142が採用され、遮音壁142は、流れに直交する断面で矩形状に形成され、測定管11の一部としてその上部内壁から超音波反射面101に向けて下方に延伸している。測定管11の側部内壁は、遮音壁142の表面と平行に形成されている。超音波伝搬線Atは、超音波反射面101への入射前及び反射後で遮音壁142の表面と平行に設定されるとともに、超音波反射面101のV字の各側101a,101bに超音波の反射点が設定されている。
【0028】
本実施形態によれば、トランスデューサ21,22から発射された超音波が空隙Gで遮音壁142と直交する方向に伝搬するので、超音波が遮音壁に対して斜めに伝搬する場合と比較して、遮音壁142を高く形成することが可能となる。このため、入射時に生じた超音波の回折成分を確実に遮断するとともに、空隙Gを通過する際に回折を起こした超音波が受信側のトランスデューサに入射することを確実に防止することができる。
【0029】
図5は、第3の実施形態に係る超音波流量計の測定管11の断面図である。本実施形態では、遮音部として遮音壁143が採用されている。遮音壁143は、流れに直交する断面で1つの角を、たとえば90degとする二等辺三角形に形成され、この90degの角と対向する底面を上側にして、測定管11の一部としてその上部内壁から超音波反射面101に向けて下方に延伸している。なお、屈曲させる角度は、90degであるのが好ましいが、これに限定されるものではない。
【0030】
測定管11の超音波反射面101は、前記底面と平行に形成され、測定管11の側部内壁は、遮音壁143の前記底面を除く2面と平行に形成されている。超音波伝搬線Atは、超音波反射面101上で直角に屈曲させて設定され、超音波反射面101への入射前及び反射後で遮音壁143の表面と平行に設定されている。
【0031】
本実施形態によれば、超音波伝搬線At上を伝搬する過程における超音波の拡散を抑えることができるので、受信波形Sr1を際立たせ、受信タイミングを正確に検出することができる。
【0032】
また、超音波の反射が1回であるので、第2の実施形態と比較して超音波の減衰を抑えることができる。
図6は、第4の実施形態に係る超音波流量計の遮音板144の斜視図である。測定管11の概略の形状を二点鎖線で示し、測定管11との関係を示している。本実施形態では、遮音部として遮音板144が採用され、遮音板144は、単体の部材として構成されている。
【0033】
遮音板144は、本体15と、4つの下方鍔部16a〜16dと、2つの上方鍔部17a,17bとから構成され、矩形状の平板に切り込みを入れて下方鍔部16a〜16d及び上方鍔部17a,17bとなる部分を形成し、各鍔部を所定の方向及び角度で折り曲げることにより作製される。
【0034】
遮音板144は、測定管11の中心軸Aa方向の超音波入射点P1,P2の間隔よりも大きな値の長さに設定されている。下方鍔部16a〜16dは、遮音板144の長辺を形成する一方の端部に設けられている。第1及び第2の下方鍔部16a,16bは、互いに間隔を開けて設けられ、本体15を基準として互い違いの方向に折り曲げられている。第3及び第4の下方端部16c,16dは、第1及び第2の下方鍔部16a,16bの間に設けられ、互い違いの方向に折り曲げられ、本体15を基準として第1及び第4の鍔部16a,16dが同じ一側に、第2及び第3の鍔部16b,16cが同じ他側に折り曲げられている。上方鍔部17a,17bは、下方鍔部16a〜16dとは反対側の端部に設けられている。上方鍔部17a,17bは、互い違いの方向に折り曲げられ、本体15を基準として第2の上方鍔部17bが第1の下方鍔部16aと同じ一側に、第1の上方鍔部17aが第2の下方鍔部16bと同じ他側に折り曲げられている。
【0035】
遮音板144は、既設の超音波流量計に対して、上方鍔部17a,17bを結合部として測定管11の上部内壁に固定され、遮音部を構成する。この状態で、第1の上部鍔部17aは、上流側のトランスデューサケースの開口端12aの半分を遮蔽し、第2の上部鍔部17bは、下流側のトランスデューサケースの開口端13aの、上流側のトランスデューサケースとは反対側の半分を遮蔽する。また、第3及び第4の下方鍔部16c,16dは、トランスデューサケースの間に位置し、流れの方向に関して超音波の反射点の上流側に第3の下方鍔部16cが、下流側に第4の下方鍔部16dが位置する。超音波は、トランスデューサケースの開口端のうち遮蔽部以外の部分から通路に入射し、第3及び第4の下方鍔部16c,16dと超音波反射面101との間の空隙Gを通過して、受信側のトランスデューサに入射する。
【0036】
図7は、本実施形態に係る超音波流量計に関して、超音波の伝搬を概念的に示したものである。トランスデューサ(下流側のトランスデューサとする。)から発射された超音波W1は、点P2から入射し、通路内を本体15と平行に伝搬する。超音波W1は、本体15と測定管11の側部内壁との間を通過すると、回折により偏向して第4の下方鍔部16dの下方に回り込み、超音波反射面101で反射する(図7(a))。反射した超音波W1は、第3の下方鍔部16cにより伝搬方向が規制されて、上流側のトランスデューサケースの開口端を通過し、上流側のトランスデューサに入射する(図7(b))。
【0037】
なお、上流側のトランスデューサから超音波が発射される場合も同様であり、超音波は、回折により超音波反射面101の中央付近で反射し、下流側のトランスデューサに入射する。
【0038】
本実施形態によれば、図6に示すように、遮音板144の設置により直接伝搬波W2の受信側のトランスデューサへの入射を防止することができることに加えて、下方鍔部16a〜16dの設置により超音波伝搬線Atから外れて伝搬する拡散成分W3,W4を遮断することが可能となる。このため、拡散成分の干渉による受信波形Sr1の歪みを抑え、受信タイミングを正確に検出することができる。
【0039】
以上では、燃料電池に供給される加湿後の水素含有ガスを被検流体とした場合を例に説明した。しかしながら、本発明は、燃料電池システムにおいて、加湿前の水素含有ガスの流量を測定する超音波流量計に適用したり、あるいは酸化剤ガスとしての空気の流量を加湿前又は加湿後に測定する超音波流量計に適用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る超音波流量計の構成
【図2】同上超音波流量計における超音波の送受信の概念
【図3】超音波流量計による流量測定の原理
【図4】本発明の第2の実施形態に係る超音波流量計の測定管の断面
【図5】本発明の第3の実施形態に係る超音波流量計の測定管の断面
【図6】本発明の第4の実施形態に係る超音波流量計の遮音板の概観
【図7】同上超音波流量計における超音波の伝搬の概念
【符号の説明】
1…超音波流量計、11…測定管、12,13…トランスデューサケース、141,144…遮音部としての遮音板、142,143…遮音部としての遮音壁、15…遮音部本体としての本体、16a…第1の鍔部としての第1の下方鍔部、16b…第2の鍔部としての第2の下方鍔部、16c…第3の鍔部としての第3の下方鍔部、16d…第4の鍔部としての第4の下方鍔部、17a…第5の鍔部としての第1の上方鍔部、17b…第6の鍔部としての第2の上方鍔部、21…第1のトランスデューサ、22…第2のトランスデューサ、101…超音波反射面、Aa…測定管の中心軸、At…超音波伝搬線、G…空隙、P1…第1の超音波入射点、P2…第2の超音波入射点。

Claims (13)

  1. 被検流体を流す測定管と、
    超音波伝搬線の一端に設けられ、流れに対して順方向に超音波を発射する第1のトランスデューサと、
    超音波伝搬線の他端に設けられ、流れに対して逆方向に超音波を発射する第2のトランスデューサと、
    第1及び第2のトランスデューサから発射された超音波の、受信側のトランスデューサまでの各伝搬時間に基づいて流量を演算する流量演算手段と、
    を含んで構成され、
    超音波伝搬線は、屈曲させて設定されるとともに、第1のトランスデューサからの超音波の被検流体に対する入射点である第1の超音波入射点が、測定管の中心軸を含む平面を基準とした一側に、第2のトランスデューサからの超音波の被検流体に対する入射点である第2の超音波入射点が、前記基準平面の他側にそれぞれ設定され、
    測定管は、
    超音波伝搬線上を伝搬する超音波を反射させる超音波反射面と、
    第1及び第2の超音波入射点の間で被検流体の流れに沿って延伸され、超音波反射面との間に空隙が残される高さを持たせて設けられ、超音波を減衰させ又はその伝搬方向を変化させる遮音部と、
    を含んで構成される超音波流量計。
  2. 遮音部は、測定管の中心軸を含む平面上を延伸する請求項1に記載の超音波流量計。
  3. 遮音部は、平板状である請求項1又は2に記載の超音波流量計。
  4. 超音波反射面は、流れに直交する断面でV字状である請求項3に記載の超音波流量計。
  5. 遮音部は、流れに直交する断面で三角形である請求項1又は2に記載の超音波流量計。
  6. 超音波反射面は、1つの平面で構成される請求項5に記載の超音波流量計。
  7. 第1及び第2のトランスデューサは、超音波の発射方向が遮音部の表面に沿わせて設定された請求項4又は6に記載の超音波流量計。
  8. 遮音部は、第1及び第2の超音波入射点の間を測定管の中心軸方向に延伸させて設けられ、遮音部の高さを与える遮音部本体と、遮音部本体の超音波反射面に近い端部に連ねて設けられた複数の鍔部と、を含んで構成され、
    鍔部は、被検流体の流れに関して上流側に設けられた第1の鍔部と、下流側に設けられた第2の鍔部と、を含んで構成され、
    第1及び第2の鍔部は、流れに直交する断面で遮音部本体の前記端部から遮音部本体を基準とした各側に延伸し、
    第1の鍔部は、第1の超音波入射点を含む一側に、第2の鍔部は、第2の超音波入射点を含む他側にそれぞれ延伸する請求項1又は2に記載の超音波流量計。
  9. 第1及び第2の鍔部は、測定管の中心軸方向に互いに間隔を開けて設けられ、
    鍔部は、第1及び第2の鍔部の間で被検流体の流れに関して上流側に設けられた第3の鍔部と、下流側に設けられた第4の鍔部と、を含んで構成され、
    第3及び第4の鍔部は、流れに直交する断面で遮音部本体の前記端部から遮音部本体を基準とした各側に延伸し、
    第4の鍔部は、第1の鍔部と同じ一側に、第3の鍔部は、第2の鍔部と同じ他側にそれぞれ延伸する請求項8に記載の超音波流量計。
  10. 遮音部本体は、平板状である請求項8又は9に記載の超音波流量計。
  11. 第1及び第2のトランスデューサは、測定管の一部を被検流体の通路から外れる方向に張り出させて形成されたトランスデューサケースに収納され、
    遮音部は、前記複数の鍔部が設けられた端部とは反対側の遮音部本体の端部に連ねて設けられた第5及び第6の鍔部を含んで構成され、
    第5の鍔部は、被検流体の流れに関して第6の鍔部よりも上流側に設けられるとともに、第5及び第6の鍔部は、流れに直交する断面で遮音部本体の前記端部から遮音部本体を基準とした各側に延伸し、
    第6の鍔部は、第1の鍔部と同じ一側に延伸して、第1のトランスデューサのトランスデューサケースの開口部の一部を遮蔽する一方、第5の鍔部は、第2の鍔部と同じ他側に延伸して、第2のトランスデューサのトランスデューサケースの開口部の一部を遮蔽する請求項8〜10のいずれかに記載の超音波流量計。
  12. 第5及び第6の鍔部は、測定管の中心軸方向に各トランスデューサケースの開口部を越えて延伸し、
    遮音部は、第5及び第6の鍔部を介して測定管の内壁に結合された請求項11に記載の超音波流量計。
  13. 被検流体を流す測定管であって、超音波伝搬線を屈曲させて設定するための超音波反射面と、測定管の中心軸方向に被検流体の流れに沿って延伸させるとともに、超音波反射面との間に空隙が残される高さを持たせて設けられ、超音波を減衰させ又はその伝搬方向を変化させる遮音部と、を含んで構成される測定管と、
    超音波伝搬線上で超音波反射面の上流側に設けられ、流れに対して順方向に超音波を発射する第1のトランスデューサと、
    超音波伝搬線上で超音波反射面の下流側に設けられ、流れに対して逆方向に超音波を発射する第2のトランスデューサと、
    第1及び第2のトランスデューサから発射された超音波の、受信側のトランスデューサまでの各伝搬時間に基づいて流量を演算する流量演算手段と、を含んで構成され、
    超音波伝搬線は、流れに直交する断面で、第1のトランスデューサからの超音波の被検流体に対する入射点が遮音部の一側に設定されるとともに、第2のトランスデューサからの超音波の被検流体に対する入射点がその他側に設定された超音波流量計。
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