JP2022161052A - 超音波流量計 - Google Patents
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Abstract
【課題】水供給系統における断水、異物混入等の異常検知機能を付加した超音波流量計を提供すること。【解決手段】液体が水平方向に流れるように配置された矩形断面の計測流路2の、短辺2a、2bに、計測流路2の流れを超音波がよぎるように一対の超音波送受波器4a、4bをそれぞれ配置し、超音波送受波器4a、4bの送受波面の高さDを計測流路2の短辺2a、2bの高さhとほぼ同等の大きさとして、流れの全域に超音波を伝搬させ、受信波形の変化による異常検知機能を備えることにより、流量計測と合わせて、気液二層流れの状態や、異物等の混入という異常状態を検知することができる。【選択図】図1
Description
本発明は、水道等の水供給系統に関し、異常状態を検知する機能を備えた超音波流量計の構成に関するものである。
水道等の水供給系統に関し、断水や、異物混入等の異常を検知する機能を有した流量計が要請されている。
従来、超音波流量計として、矩形流路を用いて計測精度を高めるために種々の工夫を施したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
図12は、特許文献1に記載された超音波流量計の断面図と側面図である。
図12において、この流量計では、矩形流路101の短辺102の長さとほぼ等しい長さの超音波振動子103、104を矩形流路101の上流側と下流側に流路を横断して配置し、これら超音波振動子103、104間で超音波の送受信を行い、その伝搬時間を計測回路105により計測して、流量演算手段106により流量を算出するように構成されている。
本流量計では、超音波振動子103、104の長さを、矩形流路101の短辺102の長さとほぼ等しい長さとしているため、流路の流速分布の影響を小さくして、測定精度を高くすることができる。
また、特許文献2に記載されているものでは、矩形流路の長辺面を水平状態に設置する構成により、気体による対流の影響を少なくして計測することが示されている。
しかしながら、特許文献1における従来の構成では、流体が水の場合で、流路内に空気が流入して、気液二層の状態となった時、その状態を検知する配置構成、検知方法は明示されておらず、例えば、水道供給系において、断水時に発生するそのような異常状態を検知することはできないという課題を有するものであった。
また、特許文献2は、気体の対流の影響を少なくすることを目的とするものであり、水の流れに対して気液二層の状態を検出することは明示されておらず、そのような異常状態を検出することはできないという課題を有するものであった。
前記従来の課題を解決するために、本発明の超音波流量計は、液体が水平方向に流れるように配置された矩形断面の計測流路と、前記計測流路の流れを超音波がよぎるように配置した一対の超音波送受波器と、前記一対の超音波送受波器の計測動作を指示する計測部と、前記一対の超音波送受波器からの信号を受けて信号処理を行う処理部と、を備え、前
記超音波送受波器は、前記超音波送受波器の送受波面の高さDを前記計測流路の短辺の高さhと、ほぼ同等の大きさとすると共に、前記計測部は、異常検知計測部と流量計測部を備え、前記処理部は、異常検知処理部と流量計測処理部を備えた構成とすることにより、流量計測と合わせて、気液二層流れの状態を検知して、断水等の異常状態を検知することができる。
記超音波送受波器は、前記超音波送受波器の送受波面の高さDを前記計測流路の短辺の高さhと、ほぼ同等の大きさとすると共に、前記計測部は、異常検知計測部と流量計測部を備え、前記処理部は、異常検知処理部と流量計測処理部を備えた構成とすることにより、流量計測と合わせて、気液二層流れの状態を検知して、断水等の異常状態を検知することができる。
また、水流中に、異物や気泡が混入した場合に、その状態を検知して異常状態を検知することができる。
本発明の超音波流量計は、液体が水平方向に流れるように配置された矩形断面の計測流路の流れを超音波がよぎるように一対の超音波送受波器を配置し、超音波送受波器の送受波面の高さDを前記計測流路の短辺の高さhとほぼ同等の大きさとして流れの全域に超音波を伝搬させるとともに、受信波形の変化を検出する異常検知機能を備えた構成とすることにより、流量計測とともに気液二層の状態や、異物、気泡混入などの異常状態を検知することができるものである。
第1の発明は液体が水平方向に流れるように配置された矩形断面の計測流路と、前記計測流路の流れを超音波がよぎるように配置した一対の超音波送受波器と、前記一対の超音波送受波器の計測動作を指示する計測部と、前記一対の超音波送受波器からの信号を受けて信号処理を行う処理部と、を備え、前記超音波送受波器は、前記超音波送受波器の送受波面の高さDを前記計測流路の短辺の高さhと、ほぼ同等の大きさとすると共に、前記計測部は、異常検知計測部と流量計測部を備え、前記処理部は、異常検知処理部と流量計測処理部を備えた 構成とすることにより、流量計測と合わせて、気液二層の状態や、異物、気泡混入などの異常状態を検知することができる。
第2の発明は、特に第1の発明において、一対の超音波送受波器を前記計測流路の相対する短辺に配置した構成とすることにより、シンプルな構成の異常機能付き超音波流量計とすることができるものである。
第3の発明は、特に第1の発明において、前記一対の超音波送受波器を、前記短辺の同一側に配置し、前記短辺と相対する短辺に反射部を設け、前記一対の超音波送受波器と、前記反射部とで、超音波伝搬路がV字形状をなすようにした構成とすることにより、超音波が流れを2度よぎることになるため、流量計測の平均化効果と合わせて、異常検知の性能向上が図れるものである。
また、超音波送受波器を計測流路の一方側に配置することができるため、コンパクトな構成が可能となるものである。
以下、図面を参照しながら実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明、または、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。
(実施の形態1)
実施の形態1について、図1~図8を用いて説明する。
実施の形態1について、図1~図8を用いて説明する。
図1は、本発明の実施の形態1における超音波流量計本体の斜視図である。
図1において、超音波流量計本体1は矩形断面の計測流路2と計測流路2の側方の対向する面の上流と下流に設けた超音波送受波器保持部3a、3bより構成されている。計測流路2は、短辺2a、短辺2b、および長辺2c、長辺2dにより形成されている。短辺2a、および2bは、同じ高さhとなっている。また、超音波流量計本体1は、長辺2cが、水平となるよう配置されている。
図2は図1のAA’断面図である。図2において、超音波送受波器保持部3aは、超音波送受波器4a、および、これに接している楔部材5aを保持している。また、超音波送受波器保持部3bは、超音波送受波器4b、および、これに接している楔部材5bを保持している。楔部材5a、5bは、超音波送受波器4a、4bから送信された超音波を計測流路2に伝搬させるための部材である。そして、超音波送受波器4a、4bは、これらの間で送受信される超音波が、楔部材5a、5bb、計測流路2、及び、計測流路2中の流体(本実施の形態では水)を介して、Pで示した伝搬経路にて送受信されるように配置されている。伝搬経路Pは、計測流路2を斜めによぎるような経路となっている。
計測部6は、超音波送受波器4a、および超音波送受波器4bの駆動制御や、超音波送受波器4a、および超音波送受波器4bとの信号の送受信を行う。また、計測部6では、異常検知の為の計測を行う異常検知計測部20、流量を計測するための流量計測部22が構成されている(詳細は後述する)。処理部7は、計測部6で受信された信号に基づき、流量を求める流量計測処理部23、異常判定を行う異常検知処理部21が構成されている。そして、一点鎖線で囲んだ部分全体で、超音波流量計8が構成される。
図3は図2のBB’断面図である。図3に示すように、超音波送受波器4aの送受波面の高さDは、計測流路2の短辺2aの高さhとほぼ同等の大きさに設定されている。ここで、送受波面として円形を想定すれば、高さDは直径となるが、必ずしも円形である必要はない。
短辺2bに配置された超音波送受波器4b(図示せず)の送受波面の高さDも、計測流路2の短辺2bの高さhとほぼ同等の大きさに設定されている。
また、これらの高さDの中央は、高さhの中央と一致するような配置となっている。すなわち、超音波は、計測流路の高さ方向全域に伝搬する構成となっている。
次に、本発明の超音波流量計の流量計測と異常検知の動作について説明する。
まず、超音波による流量計測動作に関して図2を用いて説明する。
図2において、計測流路2を黒矢印Fの方向に流れる流体の流速をV、流体中の音速をC、流体の流れる方向と超音波が伝搬する方向とのなす角度をθとする。超音波送受波器4aと超音波送受波器4bとの間で伝搬する超音波の伝搬経路のうち流路部分の長さをLとする。
このとき、超音波送受波器4aから出た超音波が、もう一方の超音波送受波器4bに到達するまでのうち、Lを伝わる伝搬時間t1は、下式にて示される。
t1 = L /(C+Vcosθ) (1)
次に超音波送受波器4bから出た超音波が、もう一方の超音波送受波器4aに到達するまでのうち、Lを伝わる伝搬時間t2は、下式にて示される。
次に超音波送受波器4bから出た超音波が、もう一方の超音波送受波器4aに到達するまでのうち、Lを伝わる伝搬時間t2は、下式にて示される。
t2 = L /(C-Vcosθ) (2)
式(1)と式(2)から流体の音速Cを消去すると、下式が得られる。
式(1)と式(2)から流体の音速Cを消去すると、下式が得られる。
V =( L /(2cosθ))((1/t1)-(1/t2)) (3)
式(3)にて分るように、Lとθが既知なら、計測された伝搬時間t1、およびt2を用い、流速Vが求められる。
式(3)にて分るように、Lとθが既知なら、計測された伝搬時間t1、およびt2を用い、流速Vが求められる。
次に、下式に示すようにこの流速Vに計測流路2の断面積Sを乗じることにより、流量Qを求めることができる。
Q =k ×( V × S ) (4)
式(4)における、kは、計測上生じる諸般の誤差を補正するための補正係数である。
式(4)における、kは、計測上生じる諸般の誤差を補正するための補正係数である。
次に、異常状態として、計測流路2に異物が混入した場合の検知動作についての説明を行う。
図2において、計測流路2の黒矢印Fの方向に水が流れているときに、超音波送受波器4aから、超音波送受波器4bに向けて、超音波を発射すると、超音波はPに示す経路をたどって伝搬する。このとき、超音波送受波器4a、4bに対する計測指示は、計測部6にて行われる。
図3に示すように超音波送受波器4aの送受波面の高さDは、計測流路2の短辺2a、2bの高さhと同じに設定されているため、計測流路2が水で満たされている場合、超音波は、矢印P1で示すように、計測流路2の高さ方向全域にわたって伝搬する。
次に異常検知動作として、計測流路2に空気が入り、気液二層になった場合の検知動作についての説明を行う。
図4は、図3と同じ断面で、流れが気液二層となる異常状態を示す説明図である。
計測流路2は、長辺2cが水平となるよう設置されているので、断水等で空気層が発生した場合、図4に示すように、重力方向下側のA部が水層となり、上側のB部が気層となる。
この時、超音波は、計測流路2の高さ方向全域に発せられるが、気層Bは水層Aに比べて、音響インピーダンスが大きく、通り難いため、矢印P2で示すように、もっぱら水層の部分のみで伝搬される。
図5(a)は、図3に示す流れが正常時の超音波伝搬における送受信波形、図4(b)は、図4に示す断水等による異常時の超音波伝搬における送受信波形を模擬的に示したものである。なお、送信波形と受信波形のゼロレベルは、異なる位置として表示している。
図5(a)に示した流れが正常な状態の受信波のピーク値Pmに対して図5(b)に示した流れが異常な状態、即ち、断水等で空気層が発生した場合には、もっぱら水層部分のみで超音波の伝搬が行われる為に受信波のピーク値Pnは、水層部分の割合に応じて低くなる。このピーク値の差により、計測流路2内に気層が存在するような異常の発生を知ることができる。
また、このピーク値の変化は、液面の位置に応じて比例的に変化するため、その特性を利用して検知レベルを容易に設定することができる。
図6は、図3と同じ断面で、計測流路2に異物が混入した場合の動作説明図である。
図6において、超音波は超音波送受波器4aより発せられ、P3の経路を経て超音波送受波器4b(図示せず)にて受信される。
この時、計測流路2内に異物Mが存在すると、異物Mに衝突した超音波は散乱されるため、異物のない場合と比較して受信波形に変化が生じる。
計測流路2を通過する異物には、様々な大きさのものがあり、またそれらの動きは、基本的に不規則であるため、受信波形はそれらの影響を受けて変動幅を有することになる。
図7(a)は、図3に示す流れが正常な状態の超音波伝搬における送受信波形、図7(b)は、図6に示す異物の混入による異常な状態の超音波伝搬における送受信波形を模擬的に示したものである。なお、送信波形と受信波形のゼロレベルは、異なる位置として表示している。
図7(a)に示した流れが正常な状態の受信波のピーク値Pmは常に一定ではなく変動幅ΔPsの微小変動を生じている。一方、図7(b)に示した流れが異常な状態、即ち、異物が混入した場合には、前述のように受信波は不規則に変動する為に、異物の種類、量に応じて受信波のピーク値Pnは若干低くなると共に、変動幅ΔPtが大きくなる。
従って、この変動幅ΔPtを、予め定めた正常時の変動幅を閾値と比較することにより、異常の判断をすることができる。
以上に示した流量計測と、2つの異常検知動作を図8のフローチャートで説明する。
図8は、この超音波流量計の動作のフローチャートである。
図8において、ステップS9は計測の開始命令、ステップS10は一方の超音波送受波器4aから他方の超音波送受波器4bへの送受信動作Aの計測動作命令であり、る。ステップS11は、受信した信号のピーク値を抽出して加工する信号処理Aaの処理命令である。ここでは、ピーク値の変動幅を算出する。
ステップS12は、信号処理Aaの処理命令(ステップS11)で算出された変動幅を予め定めた閾値と比較する判断命令である。ステップS13は、受信した信号のピーク値を加工する信号処理Abの処理命令である。ここでは、ピーク値の平均値を算出する。
ステップS14は、信号処理Abの処理命令13で算出された平均ピーク値を予め定めた閾値と比較する判断命令である。ステップS15は、異常状態の警報命令、ステップS16は、終了命令である。ステップS17は、流量計測のための送受信動作Bの計測動作命令である。ステップS18は、送受信における超音波伝搬時間を抽出して加工する信号処理Bの処理命令である。ステップS19は、流量計測のためのインターバル設定命令である。
このフローチャートで、一点鎖線S1で囲った送受信動作A(ステップS10)は、異常検知計測部20で実行される。また、一点鎖線S2で囲った一連の処理(ステップS11~S14)は、異常検知処理部21で実行される。また、一点鎖線で囲った受信動作B(ステップ17)は、流量計測部22で処理され、信号処理B(ステップS18)は、流量計測処理部23で実行される。
まず、異物検知動作の処理フローについて説明をする。なお、送受信波形については、図7を参照する。
開始命令(ステップS9)で計測動作が開始する。次に送受信動作Aの計測動作命令(ステップS10)で超音波送受波器4aからの送信が行われ、超音波送受波器4bでの受信波形が記録される。ここでは、受信波形のピーク値が抽出される。
その後、信号処理Aaの処理命令(ステップS11)では、受信信号のピーク値の変動幅ΔPtが算出され、その後、変動幅ΔPtの値と、予め定められた異物がない場合の正常時の変動幅ΔPsとの差dPt(=ΔPt―ΔPs)が算出される。
判断命令(ステップS12)では、この差dPtが、予め定めた閾値dPc以上かどうかが判定される。差dPtの値が閾値dPc以上の場合は、異常状態として、Yesの側が選択され、異常警報命令(ステップS15)を発した後、終了命令(ステップS16)により処理が終了する。この場合の異常は、先に説明したように、異物混入に起因するものに該当する。
このように、計測流路に異物Mが混入した場合、超音波受信信号の変動幅により、異物の混入による異常状態を検知することができる。
とりわけ、超音波が計測流路2の全域に伝搬していることにより、計測流路2内の異物をとりこぼすことなく、全域にわたり検知できるため、その検知精度が高くなるものである。
なお、ここでは混入物として異物を対象として説明したが、気泡でも同様の効果が生じ得るため、異常状態としての気泡混入も検知することができるものである。
次に、空気が混入して、流れが気液二層となる異常状態における検知動作の処理フローについて説明をする。なお、送受信波形については、図5を参照する。
先の説明で、判断命令(ステップS12)がNoの場合、すなわち、差dPtの値が閾値dPcより小さい場合は、ピーク値の変動幅が小さいため、信号処理Abの処理命令13により、ピーク値Pnの平均値Pn(ave)が算出される。その後、予め計測された
正常状態における受信波形のピーク値Pmの平均値Pm(ave)との差dP(ave)(=Pm(ave)―Pn(ave))が算出される。
正常状態における受信波形のピーク値Pmの平均値Pm(ave)との差dP(ave)(=Pm(ave)―Pn(ave))が算出される。
判断命令(ステップS14)では、差dP(ave)が、予め定めた閾値dPd以上かどうかが判定される。
差dP(ave)の値が閾値dPd以上の場合は、異常状態として、Yesの側が選択され、異常警報命令15を発した後、終了命令16により処理が終了する。
この場合の異常は、気液二層の異常状態の流れに起因するものに該当する。
このようにして、長辺2cの面が水平に配置された矩形断面の計測流路2において、断水等の場合に生じる気層の存在という異常の検知を行うことができるものである。
差dP(ave)の値が閾値dPdより小さい場合は、判断命令(ステップS14)で、Noの側が選択される。その後、流量計測のための送受信動作Bの計測動作命令(ステップS17)により、先に述べた超音波送受波器間の伝搬時間t1、t2が計測される。これら伝搬時間は、信号処理B(ステップS18)の処理命令により、先に記載した式(3)、(4)に基づいて、流速、流量が算出される。この後は、インターバル設定命令(ステップS19)により定められた所定のインターバルの後、再度、送受信動作A(ステップS10)の計測動作命令に戻り、以下、上記と同様の動作が継続される。
このように、流量計測を行う一対の超音波送受波器を異常検知として利用することにより、異常監視を行いながらの流量計測を実施することができるものである。
なお、超音波の送受波面の高さDが、計測流路の高さhと、ほぼ同じとしたが、超音波が計測流路の高さ方向全域に伝搬するような状況が実現できれば本発明に記載した機能は実現できるため、そのような寸法関係でもあればよい。
(実施の形態2)
実施の形態2について、図9~図11を用いて説明する。
実施の形態2について、図9~図11を用いて説明する。
図9は、本発明の実施の形態2における超音波流量計本体の斜視図である。以降、実施の形態1と同じものは、同じ番号で付し、異なるもののみ説明する。
図9において、超音波流量計本体27は矩形断面の計測流路2と超音波送受波器保持部24a、24bより構成されている。計測流路2は、実施の形態1と同じである。また、超音波流量計本体1は、実施の形態1と同じく、長辺2cが、水平となるよう配置されている。
図10は、図9のCC’断面図である。図10において、超音波送受波器保持部24aは、超音波送受波器25a、および、これに接している楔部材26aを保持している。また、超音波送受波器保持部24bは、超音波送受波器25b、および、これに接している楔部材26bを保持している。超音波送受波器25a、25bは、これらの間で送受信される超音波が、楔部材26a、26bを介して、一点鎖線で示したV字型の伝搬経路Qにて送受信されるように配置されている。その際、超音波送受波器25a、25bを配置した短辺2aと対向する短辺2bが、反射部として作用するように構成されている。伝搬経路Qは、計測流路2をよぎるような経路となっている。
計測部6、処理部7は、実施の形態1と同じである。一点鎖線で囲んだ部分全体で、超
音波流量計28が構成される。
音波流量計28が構成される。
図11は、図10のDD’断面図である。図11に示すように、超音波送受波器25aの送受波面の高さDは、計測流路2の短辺2aの高さhとほぼ同等の大きさに設定されている。ここで、送受波面として円形を想定すれば、高さDは直径となるが、必ずしも円形である必要はない。
短辺2aに配置されたもう一方の超音波送受波器25b(図11には図示せず)の送受波面の高さも、計測流路2の短辺2bの高さhとほぼ同等の大きさに設定されている。
また、これらの高さDの中央は、高さhの中央と一致するような配置となっている。すなわち、超音波は、計測流路2の高さ方向全域に伝搬する構成となっている。
この超音波流量計28の動作のフローチャートは、実施の形態1の説明で用いた図8と同じである。
次に、本発明の超音波流量計28の流量計測と異常検知の動作について説明する。
まず、超音波による流量計測動作に関して図10を用いて説明する。
図10において、計測流路2を黒矢印Fの方向に流れる流体の流速をV、流体中の音速をC、流体の流れる方向と超音波が伝搬する方向とのなす角度をθとする。超音波送受波器25aと超音波送受波器25bとの間で伝搬する超音波の伝搬経路のうち流路部分の長さ(図10のR1~R2~R3)をLとすると、流速、流量は、実施の形態1で示した式(3)にて求められる。
この実施の形態2においては、超音波の伝搬経路がV字形状をしているが、超音波が計測流路2の高さ方向全域に伝搬していることは、実施の形態1と同じなので、流れが正常な状態では、図11に示したように超音波が全域に行き渡っている。したがって、流れに空気が混入した気液二層の状態や、異物が混入した状態など、異常な状態の検知については、実施の形態1と同様の効果が発揮されるものである。
このように、超音波伝搬路がV字形状になっても、流量計測を行う一対の超音波送受波器を異常検知として利用することにより、異常監視を行いながらの流量計測を実施することができるものである。
このようなV字形状の伝搬路構成とすることにより、超音波は2度流れをよぎることになるため、流量計測の平均化効果と合わせて、異常検知の性能も向上が図れるものである。
また、一対の超音波送受波器を計測流路の一方側に配置することができるため、コンパクトな構成が可能となるものである。
なお、超音波の送受波面の高さDが、計測流路の高さhと、ほぼ同じとしたが、超音波が計測流路の高さ方向全域に伝搬するような状況が実現できれば本発明に記載した機能は実現できるため、そのような寸法関係であればよい。
以上、実施の形態1,2で、超音波伝搬路として、2つの事例を示したが、これらからも分かるように、伝搬路が、どのような経路をたどるかというよりも、基本的に計測流路の流れをよぎるような伝搬路であって、超音波が計測流路の高さ方向全域に伝搬する構成
であれば、流量計測と異常検知という両機能の達成が可能となるものである。
であれば、流量計測と異常検知という両機能の達成が可能となるものである。
以上のように、本発明の超音波流量計は、液体用の計測流路を水平方向に配置し、計測流路の高さ方向全域に超音波を伝搬させるとともに、受信波形の変化を検出する異常検知機能を備えた構成とすることにより流量計測と合わせて、気液二層の状態や、異物、気泡混入などの異常状態を検知することができるため、家庭用水道メータや、温冷水利用の暖冷房水用メータなどにおける幅広い応用が可能となる。
2 計測流路
2a 短辺
2b 短辺
4a 超音波送受波器
4b 超音波送受波器
6 計測部
7 処理部
8、28 超音波流量計
20 異常検知計測部
21 異常検知処理部
22 流量計測部
23 流量計測処理部
25a 超音波送受波器
25b 超音波送受波器
2a 短辺
2b 短辺
4a 超音波送受波器
4b 超音波送受波器
6 計測部
7 処理部
8、28 超音波流量計
20 異常検知計測部
21 異常検知処理部
22 流量計測部
23 流量計測処理部
25a 超音波送受波器
25b 超音波送受波器
Claims (3)
- 液体が水平方向に流れるように配置された矩形断面の計測流路と、
前記計測流路の流れを超音波がよぎるように配置した一対の超音波送受波器と、
前記一対の超音波送受波器の計測動作を指示する計測部と、
前記一対の超音波送受波器からの信号を受けて信号処理を行う処理部と、
を備え、
前記超音波送受波器は、前記超音波送受波器の送受波面の高さDを前記計測流路の短辺の高さhと、ほぼ同等の大きさとすると共に、
前記計測部は、異常検知計測部と流量計測部を備え、
前記処理部は、異常検知処理部と流量計測処理部を備えた超音波流量計。 - 前記一対の超音波送受波器は、前記計測流路の相対する短辺に配置した請求項1に記載の超音波流量計。
- 前記一対の超音波送受波器は、前記短辺の同一側に配置し、前記短辺と相対する短辺に反射部を設け、前記一対の超音波送受波器と、前記反射部とで、超音波伝搬路がV字形状をなすようにした請求項1に記載の超音波流量計。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021065569A JP2022161052A (ja) | 2021-04-08 | 2021-04-08 | 超音波流量計 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021065569A JP2022161052A (ja) | 2021-04-08 | 2021-04-08 | 超音波流量計 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2022161052A true JP2022161052A (ja) | 2022-10-21 |
Family
ID=83658814
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2021065569A Pending JP2022161052A (ja) | 2021-04-08 | 2021-04-08 | 超音波流量計 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2022161052A (ja) |
-
2021
- 2021-04-08 JP JP2021065569A patent/JP2022161052A/ja active Pending
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