JP3518520B2 - 断層撮影装置 - Google Patents

断層撮影装置

Info

Publication number
JP3518520B2
JP3518520B2 JP2001070718A JP2001070718A JP3518520B2 JP 3518520 B2 JP3518520 B2 JP 3518520B2 JP 2001070718 A JP2001070718 A JP 2001070718A JP 2001070718 A JP2001070718 A JP 2001070718A JP 3518520 B2 JP3518520 B2 JP 3518520B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tomographic
dimensional
low
pass filtering
axis direction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2001070718A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002263092A (ja
Inventor
四郎 及川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shimadzu Corp
Original Assignee
Shimadzu Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shimadzu Corp filed Critical Shimadzu Corp
Priority to JP2001070718A priority Critical patent/JP3518520B2/ja
Priority to US10/046,085 priority patent/US6463116B1/en
Publication of JP2002263092A publication Critical patent/JP2002263092A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3518520B2 publication Critical patent/JP3518520B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06TIMAGE DATA PROCESSING OR GENERATION, IN GENERAL
    • G06T11/002D [Two Dimensional] image generation
    • G06T11/003Reconstruction from projections, e.g. tomography
    • G06T11/006Inverse problem, transformation from projection-space into object-space, e.g. transform methods, back-projection, algebraic methods
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06TIMAGE DATA PROCESSING OR GENERATION, IN GENERAL
    • G06T2211/00Image generation
    • G06T2211/40Computed tomography
    • G06T2211/436Limited angle
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10STECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10S378/00X-ray or gamma ray systems or devices
    • Y10S378/901Computer tomography program or processor

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、医療分野、工業
分野などに用いられる、被検体の断層撮影を行なう非C
Tタイプの断層撮影装置に係り、特に、画像再構成に係
る処理時間を短縮し、断層画像の偽像を低減する技術に
関する。
【0002】
【従来技術】従来の断層撮影装置としては、例えばX線
断層撮影装置がある。このX線断層撮影装置は、被検体
を挟んでX線管とイメージインテンシファイア(以下、
「I.I管」と言う)とが対向配置され、X線管を第1
方向に直線移動させるのと同期して、I.I管を前記第
1方向とは反対方向である第2方向に平行直線移動させ
るように連動移動させるとともに、被検体の特定の断層
面上の任意の点がI.I管の検出面上で常に同じ位置に
なるように、X線管の被検体へのX線照射角度を変えな
がら断続的な撮影を行なっている。そして、各角度から
の撮影により得られた複数枚の投影像を重ね合わせるよ
うな検出信号の加算演算処理を行なうだけで、被検体の
特定の断層面の画像情報と、特定の断層面の前後にある
近傍断層面の画像情報とを算出している。
【0003】このように、上述のX線断層撮影装置は、
近年進歩の著しいX線CT(X線コンピュータ・トモグ
ラフィ)タイプの断層撮影方式ではない非CTタイプの
断層撮影方式のものである。すなわち、X線CTタイプ
の断層撮影方式は、被検体を挟んで対向配置されたX線
管とI.I管とを被検体の体軸周りに1回転(少なくと
も半回転)させながら撮影することで、被検体の体軸周
り1回転分(少なくとも半回転分)の透過像を取得し、
これらの透過像に基づいて画像再構成を行ない、被検体
の体軸方向から見た断層画像が得れるものであるが、非
CTタイプの断層撮影方式は、上述のX線断層撮影装置
のように、X線管とI.I管とを被検体の体軸周りに半
回転以上させることなく、被検体の体軸方向の断層画像
が得れるものである。
【0004】また、近年では、非CTタイプの断層撮影
方式にさらなる改良が望まれており、各角度からの撮影
により得られた複数枚の投影像を重ね合わせるような検
出信号の加算演算処理を行なって2次元断層画像データ
を取得する画像再構成をするのではなく、各角度からの
撮影により得られた複数枚の投影像を、撮影された被検
体の関心領域に仮想的に設定される3次元格子群の所定
の格子点に逆投影して、関心領域の3次元ボリュームデ
ータを生成する画像再構成を行う、いわゆる、逆投影法
の採用が検討されている。非CTタイプの断層撮影方式
における逆投影法によれば、1回の撮影で被検体の関心
領域についての3次元ボリュームデータが得られるの
で、撮影後に任意の断層面の断層画像を選択して迅速に
表示できるなどの利点を有している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな構成を有する従来例の場合には、次のような問題が
ある。すなわち、非CTタイプの断層撮影方式における
逆投影法は、撮影された被検体の関心領域に仮想的に設
定される3次元格子群の所定の格子点に、各角度からの
撮影により得られた複数枚の投影像を逆投影して、関心
領域の3次元ボリュームデータを生成する画像再構成を
行うようにしているのであるが、3次元格子群の格子点
は、例えば、3軸の各辺に等数(100〜1000)
個、合計(100〜1000)の3乗個分あり、特定の
角度で撮影により得られた投影像、すなわち、I.I管
の検出面の各画素で検出した検出データを3次元格子群
の所定の格子点に逆投影することを、各角度からの撮影
により得られた複数枚の投影像について行なうことにな
るので、逆投影するデータ量が非常に膨大であり、関心
領域の3次元ボリュームデータを生成する画像再構成を
行う処理時間が長くなるという問題がある。
【0006】この発明は、このような事情に鑑みてなさ
れたものであって、画像再構成に係る処理時間を短縮し
た断層撮影装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、発明者が鋭意研究をした結果、次のような知見を得
た。すなわち、非CTタイプの断層撮影方式は、X線管
などの照射源とI.I管などの面検出器とを被検体の体
軸周りに半回転以上させないという特有の方式としてい
るので、撮影された被検体の関心領域を3次元座標系で
説明すると、被検体の関心領域の中央のほぼ中心を通
り、かつ、断層面に直交する断層軸方向の情報量が少な
く、断層軸方向の分解能は他の残りの2軸方向(断層面
内方向)の分解能に比べて悪いものとなっている。した
がって、撮影された被検体の関心領域に仮想的に設定さ
れる3次元格子群の3軸のうちの断層軸方向の格子間隔
を他の2軸方向の格子間隔よりも長くして伸ばしたとし
ても、断層軸方向の画像情報を無駄にすることにはなら
ないし、却って、処理時間を短くできることを見出した
のである。
【0008】このような知見に基づくこの発明は次のよ
うな構成を採る。すなわち、請求項1に記載の断層撮影
装置は、被検体の撮影すべき断層面を挟んで、被検体に
透過性を有する電磁波を照射する照射源と、被検体を透
過した電磁波を検出する面検出器とが同期させて走査さ
れ、走査各位置で検出された投影データを、撮影された
被検体の関心領域に仮想的に設定される3次元格子群の
所定の格子点に逆投影して、関心領域の3次元ボリュー
ムデータを生成する画像再構成を行う逆投影処理部を備
え、この3次元ボリュームデータから断層面の画像を取
得する断層撮影装置において、前記逆投影処理部は、3
次元格子群の直交3軸方向の各格子間隔のうち、関心領
域のほぼ中心を通り、かつ、断層面に直交する断層軸方
向の格子間隔を他の2方向の格子間隔よりも長くして3
次元ボリュームデータを生成することを特徴とするもの
である。
【0009】また、請求項2に記載の断層撮影装置は、
請求項1に記載の断層撮影装置において、前記照射源と
前記面検出器のいずれか一方を第1方向に直線移動させ
るのと同期して、他方を前記第1方向とは反対方向であ
る第2方向に平行直線移動させることを特徴とするもの
である。
【0010】また、請求項3に記載の断層撮影装置は、
請求項1に記載の断層撮影装置において、被検体を挟ん
で対向して平行配置される両平行面のいずれか一方の平
行面内で前記照射源を回転移動させるのと同期して、他
方の平行面内で前記照射源の回転方向とは反対方向に前
記面検出器を回転移動させることを特徴とするものであ
る。
【0011】また、請求項4に記載の断層撮影装置は、
請求項1に記載の断層撮影装置において、被検体の周り
の円周軌道上に被検体を挟んで2つの円弧軌道を対向し
て設定し、両円弧軌道のいずれか一方の円弧軌道上に前
記照射源を移動させるのと同期して、他方の円弧軌道上
に前記面検出器を前記照射源との間隔が一定になるよう
に移動させることを特徴とするものである。
【0012】また、請求項5に記載の断層撮影装置は、
請求項1から請求項4のいずれかに記載の断層撮影装置
において、断層軸方向の格子間隔の長さは、前記面検出
器の1画素分が断層軸に投影された長さである断層軸方
向検出画素長に基づいて設定されることを特徴とするも
のである。
【0013】また、請求項6に記載の断層撮影装置は、
請求項1から請求項5のいずれかに記載の断層撮影装置
において、走査各位置で検出された投影データの断層軸
方向にローパスフィルタリングをかけるローパスフィル
タリング部を備えていることを特徴とするものである。
【0014】また、請求項7に記載の断層撮影装置は、
請求項6に記載の断層撮影装置において、前記ローパス
フィルタリング部は、前記逆投影処理部で生成された3
次元ボリュームデータを3次元フーリエ変換する3次元
フーリエ変換部と、3次元フーリエ変換したフーリエ空
間データの断層軸方向にローパスフィルタリングをかけ
るフーリエ空間ローパスフィルタリング部と、ローパス
フィルタリングしたフーリエ空間データを3次元逆フー
リエ変換して3次元ボリュームデータに戻す3次元逆フ
ーリエ変換部とを備えていることを特徴とするものであ
る。
【0015】また、請求項8に記載の断層撮影装置は、
請求項6または請求項7に記載の断層撮影装置におい
て、前記ローパスフィルタリング部は、断層軸方向検出
画素長の4倍以上にぼかすローパスフィルタリングをか
けることを特徴とするものである。
【0016】また、請求項9に記載の断層撮影装置は、
請求項7または請求項8に記載の断層撮影装置におい
て、ローパスフィルタリングされたフーリエ空間データ
の断層軸方向の高周波成分をカットすることで、後続の
前記3次元逆フーリエ変換部で3次元逆フーリエ変換さ
れる3次元ボリュームデータの断層画像が間引かれて生
成されるようにすることを特徴とするものである。
【0017】また、請求項10に記載の断層撮影装置
は、請求項6に記載の断層撮影装置において、前記面検
出器はフラットパネル型検出器とし、前記フラットパネ
ル型検出器のゲート線の配列方向を断層軸方向に対応す
るように配置し、前記ローパスフィルタリング部は、断
層軸方向に対応する所定数画素行における各ゲートを同
時にオンすることでローパスフィルタリングを行なうこ
とを特徴とするものである。
【0018】また、請求項11に記載の断層撮影装置
は、請求項6に記載の断層撮影装置において、前記面検
出器での断層軸に対応する所定数画素ごとに、断層軸方
向検出画素長の所定倍に相当する断層軸方向ローパスフ
ィルタリングをかける実空間ローパスフィルタリング部
を備えたことを特徴とするものである。
【0019】また、請求項12に記載の断層撮影装置
は、請求項11に記載の断層撮影装置において、前記逆
投影処理部は、3次元格子群の断層軸方向の格子間隔を
断層軸方向検出画素長から断層軸方向ぼかし長の間に設
定して、ローパスフィルタリング後の投影データを3次
元格子群に逆投影することを特徴とするものである。
【0020】
【作用】この発明の作用は次の通りである。すなわち、
請求項1に記載の発明によれば、被検体の撮影すべき断
層面を挟んで、被検体に透過性を有する電磁波を照射す
る照射源と、被検体を透過した電磁波を検出する面検出
器とが、同期させて走査される。逆投影処理部は、撮影
された被検体の関心領域に仮想的に設定される3次元格
子群の直交3軸方向の各格子間隔のうち、関心領域のほ
ぼ中心を通り、かつ、断層面に直交する断層軸方向の格
子間隔を、他の2方向の格子間隔よりも長くし、走査各
位置で検出された投影データを、断層軸方向の格子間隔
を長くした3次元格子群の所定の格子点に逆投影して、
関心領域の3次元ボリュームデータを生成する画像再構
成を行う。したがって、各3軸方向の格子間隔が等間隔
に設定された従来の3次元格子群に逆投影する場合と比
べて、3次元格子群の断層軸方向の格子間隔を他の2方
向の格子間隔よりも長くしている分逆投影するデータ量
が低減され、画像再構成に係る処理時間が短縮される。
【0021】また、請求項2に記載の発明によれば、照
射源と面検出器のいずれか一方を第1方向に直線移動さ
せるのと同期して、他方を前記第1方向とは反対方向で
ある第2方向に平行直線移動させる。したがって、照射
源と面検出器とを被検体を挟んで平行直線走査して、被
検体の関心領域の3次元ボリュームデータを生成する画
像再構成を行うための断層撮影が行える。
【0022】また、請求項3に記載の発明によれば、被
検体を挟んで対向して平行配置される両平行面のいずれ
か一方の平行面内で照射源を回転移動させるのと同期し
て、他方の平行面内で照射源の回転方向とは反対方向に
面検出器を回転移動させる。したがって、照射源と面検
出器とを個別に被検体を挟む両平行面の各平行面内で回
転走査して、被検体の関心領域の3次元ボリュームデー
タを生成する画像再構成を行うための断層撮影が行え
る。
【0023】また、請求項4に記載の発明によれば、弦
が被検体の方に位置するように被検体を挟んで対向配置
される両円弧軌道のいずれか一方の円弧軌道上に照射源
を移動させるのと同期して、他方の円弧軌道上に面検出
器を照射源との間隔が一定になるように移動させる。し
たがって、被検体を挟んで照射源と面検出器とを個別に
円弧走査して、被検体の関心領域の3次元ボリュームデ
ータを生成する画像再構成を行うための断層撮影が行え
る。
【0024】また、請求項5に記載の発明によれば、断
層軸方向の格子間隔の長さは、面検出器の1画素分が断
層軸に投影された長さである断層軸方向検出画素長に基
づいて設定される。したがって、照射源と面検出器の検
出面中心とを結ぶ直線と断層軸とのなす角度、所謂、ラ
ミノ角に応じて断層軸方向の格子間隔の長さが設定され
る。
【0025】また、請求項6に記載の発明によれば、ロ
ーパスフィルタリング部は、走査各位置で検出された投
影データの断層軸方向にローパスフィルタリングをかけ
るので、欠損円錐の影響による偽像を低減した断層画像
が得られる。
【0026】また、請求項7に記載の発明によれば、3
次元フーリエ変換部は、逆投影処理部で生成された3次
元ボリュームデータを3次元フーリエ変換する。フーリ
エ空間ローパスフィルタリング部は、3次元フーリエ変
換したフーリエ空間データの断層軸方向にローパスフィ
ルタリングをかける。3次元逆フーリエ変換部は、ロー
パスフィルタリングしたフーリエ空間データを3次元逆
フーリエ変換して3次元ボリュームデータに戻す。した
がって、欠損円錐の影響による偽像を低減した断層画像
が得られる。
【0027】また、請求項8に記載の発明によれば、ロ
ーパスフィルタリング部は、断層軸方向検出画素長の4
倍以上にぼかすローパスフィルタリングをかけるので、
偽像低減効果が十分に得られる。
【0028】また、請求項9に記載の発明によれば、ロ
ーパスフィルタリングされたフーリエ空間データの断層
軸方向の高周波成分をカットすることで、後続の前記3
次元逆フーリエ変換部で3次元逆フーリエ変換される3
次元ボリュームデータの断層画像が間引かれて生成され
るようにしている。したがって、断層軸方向の画像情報
を間引いて、断層軸方向にぼかした3次元ボリュームデ
ータを生成するように3次元逆フーリエ変換されるの
で、3次元逆フーリエ変換する処理時間が低減され、断
層軸方向の断層画像の枚数を少なくでき、断層軸方向を
細かく再現する必要がない場合に有効である。
【0029】また、請求項10に記載の発明によれば、
面検出器としてのフラットパネル型検出器は、そのゲー
ト線の配列方向を断層軸方向に対応するように配置さ
れ、ローパスフィルタリング部は、断層軸方向に対応す
る所定数画素行における各ゲートを同時にオンすること
でローパスフィルタリングを行なう。したがって、この
ようなゲート同時オンによるローパスフィルタリングに
よっても、欠損円錐の影響による偽像を低減した断層画
像が得られる。
【0030】また、請求項11に記載の発明によれば、
実空間ローパスフィルタリング部は、面検出器での断層
軸に対応する所定数画素ごとに、断層軸方向検出画素長
の所定倍に相当する断層軸方向ローパスフィルタリング
をかける。したがって、欠損円錐の影響による偽像を低
減した断層画像が得られる。
【0031】また、請求項12に記載の発明によれば、
逆投影処理部は、3次元格子群の断層軸方向の格子間隔
を断層軸方向検出画素長から断層軸方向ぼかし長の間に
設定して、ローパスフィルタリング後の投影データを3
次元格子群に逆投影する。したがって、断層軸方向の画
像情報を間引いて、断層軸方向にぼかした3次元ボリュ
ームデータを生成するように3次元逆フーリエ変換され
るので、3次元逆フーリエ変換する処理時間が低減さ
れ、断層軸方向の断層画像の枚数を少なくでき、断層軸
方向を細かく再現する必要がない場合に有効である。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照してこの発明の
断層撮影装置に係る一実施例としてのX線断層撮影装置
について、図面を参照しながら説明する。
【0033】<第1実施例>図1は、この発明のX線断
層撮影装置の第1実施例に係るブロック図である。この
第1実施例のX線断層撮影装置は、種々の情報および命
令を入力する操作部10と、これら入力された情報およ
び命令に基づいてX線撮影を制御する撮影制御部20
と、この撮影制御部20により制御されながら撮像部4
0を動作させる駆動部30と、被検体Mの関心領域を撮
影する撮像部40と、この撮像部40から検出された画
像情報に基づいて被検体Mの関心領域の3次元ボリュー
ムデータを生成する画像再構成を行ない、その生成した
3次元ボリュームデータを記憶するデータ処理部50
と、このデータ処理部50に記憶された画像情報を出力
表示するモニタ60とを備えている。
【0034】以下、各部の構成および機能について詳細
に説明する。図2に示すように、被検体Mを挟んで対向
して平行配置される両平行面のいずれか一方の平行面内
でX線管Rを回転移動させるのと同期して、他方の平行
面内でX線管Rの回転方向とは反対方向にフラットパネ
ル型X線検出器Dを回転移動させるように走査して、被
検体Mの関心領域を撮影する。操作部10からは、被検
体Mの関心領域を撮影する前に、図2に示すX線管Rか
らフラットパネル型X線検出器Dまでの距離や、X線管
Rおよびフラットパネル型X線検出器Dを円形に回転移
動させるその円形の半径距離(例えば、50〜100c
m)や、X線管Rおよびフラットパネル型X線検出器D
を円形に回転移動させる間にどの程度のピッチで撮影を
行なうかというビュー数(例えば100〜500)など
が予め設定入力される。なお、この操作部10として
は、キーボード、マウス、タッチパネルなどの入力装置
が用いられる。上述したX線管Rはこの発明における照
射源に相当する。
【0035】撮影制御部20には、操作部10と、駆動
部30およびデータ処理部50とが接続されている。撮
影制御部20は、操作部10より設定入力された各情報
に基づいて、駆動部30とデータ処理部50とをそれぞ
れ制御している。制御内容については、各部にて後述す
る。
【0036】駆動部30は、図2に示すように、被検体
Mを挟んで対向して平行配置される両平行面のいずれか
一方の平行面内でX線管Rを回転移動させるのと同期し
て、他方の平行面内でX線管Rの回転方向とは反対方向
にフラットパネル型X線検出器Dを回転移動させて走査
させるものである。また、このとき、被検体Mに向けて
X線管Rから照射されるコーンビーム状のX線の中心点
が、常に、被検体Mの特定断層面の中心点Oを透過して
フラットパネル型X線検出器Dの検出面の中心点に垂直
に入射されるように、X線管Rとフラットパネル型X線
検出器Dとを対向させている。このように、X線管Rと
被検体Mの特定断層面の中心点Oとを結ぶ直線と、被検
体Mの特定断層面上の垂線とのなす角度(傾斜角)θを
持たせて、X線管Rおよびフラットパネル型X線検出器
Dを円形に回転移動させている。
【0037】撮像部40は、被検体Mを載置する天板T
と、被検体Mに向けてコーンビーム状のX線を照射する
X線管Rと、被検体Mを透過したX線を検出するフラッ
トパネル型X線検出器Dとを備えている。
【0038】フラットパネル型X線検出器Dは、X線管
RによるX線照射によって生じる被検体MのX線透視像
を検出してX線検出信号としての電気信号に変換して出
力するという構成のX線検出器であって、図3に示すよ
うに、多数の検出素子Duが縦横に配列されている所謂
2次元状マトリックス状のX線検出器である。実施例の
フラットパネル型X線検出器Dにおける検出素子Duの
配列は、例えば横(X)方向1024,縦(Y)方向1
024の正方形マトリックスであるが、説明の便宜上、
横(X)方向1000,縦(Y)方向1000の正方形
マトリックスであるものとし、図3には、縦3×横3マ
トリックス構成で合計9個分のマトリックス構成のみを
示している。矩形の平面形状を有するフラットパネル型
X線検出器Dは、検出面が円形に限られるイメージイン
テンシファイアと違って、胸部や腹部など大きな部位を
撮影するのに適した方形の検出面が可能な点でも、有用
なX線検出器である。
【0039】フラットパネル型X線検出器Dは、図4に
示すように、入射X線を電荷あるいは光に変換するX線
変換層12と、このX線変換層12で生じた電荷あるい
は光を検出する素子が縦横にマトリックス状に配置形成
されている検出アレイ層13との積層構造となってい
る。このフラットパネル型X線検出器DのX線変換層1
2の平面寸法としては、例えば縦横約30cmが挙げら
れる。
【0040】このフラットパネル型X線検出器Dには、
図5(a)に示す直接変換タイプのものと、図5(b)
に示す間接変換タイプのものがある。前者の直接変換タ
イプの場合、X線変換層12が入射X線を直に電荷に変
換するセレン層やCdZnTe層などからなり、検出ア
レイ層13の表面に電荷検出素子14として表面電極1
5に対向形成された電荷収集電極群でもって電荷の検出
を行いコンデンサCsに蓄電する構成となっていて、各
電荷検出素子14とその上のX線変換層12の一部分と
で1個の検出素子Duが形成されることになる。後者の
間接変換タイプの場合、X線変換層12が入射X線を光
に変換するシンチレータ層からなり、検出アレイ層13
の表面に光検出素子16として形成されたフォトダイオ
ード群でもって光の検出を行いコンデンサCsに蓄電す
る構成となっていて、各光検出素子16とその上のX線
変換層12の一部分とで1個の検出素子Duが形成され
ることになる。
【0041】フラットパネル型X線検出器Dは、図3に
示すように、X線変換層12と検出アレイ層13とが形
成されたX線検出基板41と、X線検出基板41のキャ
リア収集電極(電荷収集電極)を介して収集キャリア
(収集電荷)を溜めるコンデンサCsと、コンデンサC
sに蓄積された電荷を取り出すための通常時オフ(遮
断)の電荷の電荷取り出し用スイッチ素子42である薄
膜トランジスタ(TFT)と、X、Y方向の読み出し回
路のマルチプレクサ45と、ゲートドライバ47とを備
えている。
【0042】また、フラットパネル型X線検出器Dは、
図3に示すように、検出素子Duのスイッチ素子42用
の薄膜トランジスタのソースがX軸方向に配列した縦の
読み出し配線43に接続され、ゲートがY軸方向に配列
した横の読み出し配線46に接続されている。読み出し
配線43は電荷−電圧変換器群(プリアンプ群)44を
介してマルチプレクサ45に接続されているとともに、
読み出し配線46はゲートドライバ47に接続されてい
る。なお、電荷−電圧変換器群44では、1本の読み出
し配線43に対して、図示しないが、電荷−電圧変換器
群44が1個それぞれ接続されている。
【0043】そして、フラットパネル型X線検出器Dの
場合、マルチプレクサ45およびゲートドライバ47へ
信号取り出し用の走査信号が送り込まれることになる。
検出部10の各検出素子Duの特定は、X方向・Y方向
の配列に沿って各検出素子Duへ順番に割り付けられて
いるアドレス(検出素子Duが1000個としているの
で0〜999、検出素子Duが1024個である場合は
0〜1023)に基づいて行なわれるので、取り出し用
の走査信号は、それぞれX方向アドレスまたはY方向ア
ドレスを指定する信号となる。
【0044】Y方向の走査信号に従ってゲートドライバ
47からY方向の読み出し配線46に対し取り出し用の
電圧が印加されるのに伴い、各検出素子Duが列単位で
選択される。そして、X方向の走査信号に従ってマルチ
プレクサ45が切り替えられることにより、選択された
列の検出素子DuのコンデンサCsに蓄積された電荷
が、電荷−電圧変化器群44およびマルチプレクサ45
の順に経て外部に送りだされることになる。このよう
に、フラットパネル型X線検出器Dで検出された検出信
号は、逐次、データ処理部50にリアルタイムに出力さ
れる。上述したフラットパネル型X線検出器Dはこの発
明における面検出器に相当する。
【0045】次に、データ処理部50の構成および機能
について説明する。データ処理部50は、撮像部40に
おいて走査各位置で検出された投影データ(検出信号)
に基づいて、関心領域の3次元ボリュームデータを生成
する画像再構成を行う画像処理部51と、この画像処理
部51で画像再構成された関心領域の3次元ボリューム
データを記憶する画像情報記憶部52とを備えている。
この画像処理部51と画像情報記憶部52の具体的な機
能について説明する。
【0046】ここで、この画像処理部51における関心
領域の3次元ボリュームデータを生成する画像再構成の
一連の処理手順について、図6を参照しながら概説す
る。図6に示すように、まず、X線管Rおよびフラット
パネル型X線検出器Dを円形に回転走査することで、被
検体Mの関心領域についての撮影を行ない、走査各位置
で検出された、被検体Mの関心領域についての一群の投
影データを取得する。図6には、この一群の投影データ
を「投影像群」として示している。次に、この一群の投
影データを単純逆投影(単純バックプロジェクション:
単純BP)して単純BP中間像を生成する。次に、この
単純BP中間像を3次元フーリエ変換して、実空間デー
タからフーリエ空間データに変換した3次元フーリエ分
布像(図6には、3次元フーリエ空間座標で表示してい
るものに対応する)を生成する。次に、この3次元フー
リエ分布像に対して後述するフィルタリング処理を施す
(|ω|フィルタリング(絶対値オメガフィルタリン
グ)やローパスフィルタリング)。次に、フィルタリン
グ処理を施した3次元フーリエ分布像を3次元逆フーリ
エ変換して、フーリエ空間データから実空間データに戻
し、3次元ボリュームデータ(図6には、右端側に表示
され、周方向に幾本かの破線が図示されている円柱状の
ものに対応する)が生成される。このようにして、関心
領域の3次元ボリュームデータを生成する画像再構成が
行なわれる。なお、オペレータは、この3次元ボリュー
ムデータから任意の断層面の画像を選択することで、選
択した断層画像が見られる(図6には、最右端に表示さ
れた厚みの薄い円柱状のものをZ軸方向から見ているも
のに対応する)。上述したように、一旦、単純BP中間
像を生成し、この単純BP中間像をフーリエ空間で所定
のフィルタリング処理を施すという手法を、F(フーリ
エ)空間フィルタ法と呼ぶ。
【0047】画像処理部51は、図7に示すように、走
査各位置で検出された、被検体Mの関心領域についての
一群の投影データを、撮影された被検体Mの関心領域に
仮想的に設定される3次元格子群Kの所定の格子点に逆
投影して、関心領域の3次元ボリュームデータを生成す
る画像再構成を行う、すなわち、上述の単純BP中間像
を生成する逆投影処理部53を備えている。この逆投影
処理部53は、さらに、3次元格子群Kの直交3軸方向
の各格子間隔のうち、関心領域のほぼ中心を通り、か
つ、断層面に直交する断層軸方向の格子間隔を他の2方
向の格子間隔よりも長くして3次元ボリュームデータを
生成するように設定できる点がこの発明の1つの特徴点
でもある。
【0048】図7に示すように、3次元格子群Kの各軸
方向における最小単位の格子間隔は、フラットパネル型
X線検出器Dの画素ピッチとの関係で決まる。すなわ
ち、フラットパネル型X線検出器Dはその画素が100
0×1000の2次元マトリックス状に配置されている
ことから、3次元格子群Kの各3軸(X,Y,Z軸)方
向の格子点の最大設定数はそれぞれ1000となる。こ
の第1実施例では、3次元格子群KのX,Y軸方向の格
子点数をそれぞれ1000とし、例えば3次元格子群K
のZ軸方向の格子点数を500としている。すなわち、
Z軸方向の格子点数は、X,Y軸方向の格子点数の1/
2となっており、Z軸方向の格子間隔は、X,Y軸方向
の格子間隔の2倍に伸ばされて長くなっていると言え
る。なお、3次元格子群KのZ軸方向の格子間隔を、
X,Y軸方向の格子間隔と比べてどの程度に長く設定す
るのかは、オペレータが操作部10から入力設定するこ
とで、任意に変更設定可能である。
【0049】なおここで、3次元格子群Kの各軸方向の
格子間隔とフラットパネル型X線検出器Dの画素ピッチ
との関係についてもう少し詳細に説明する。図8に示す
ように、フラットパネル型X線検出器Dの画素ピッチと
3次元格子群のZ,Y軸方向の格子間隔、すなわち、
Z,Y軸方向検出画素長ΔVZ,ΔVYとは、次に示す
式(1),(2)の関係にある。なお、このZ,Y軸方
向検出画素長は、図8に示すように、フラットパネル型
X線検出器DがX線軸RDに直交している場合について
のものであり、RO=d1、RD=d2とし、フラット
パネル型X線検出器Dの1画素ピッチをΔ(=ΔU、Δ
V)とする。Z軸(断層軸)上に配置された仮想垂直面
検出器VDのZ軸方向における対応1画素ピッチΔVZ
(Z軸方向検出画素長)は、式(1)により算出され、
仮想垂直面検出器VDのY軸方向における対応1画素ピ
ッチΔVY(Y軸方向検出画素長)は、式(2)により
算出される。
【0050】 ΔVZ=Δ・d1/d2/sin θ …… (1) ΔVY=Δ・d1/d2 …… (2)
【0051】例えば、Δ(=ΔX、ΔY)は160μ
m、d1は700mm、d2は1200mm、θは30
°として断層撮影された場合は、ΔVZは186.6μ
m、ΔVYは93.3μmとなる。Z軸方向検出画素長
は、sin θに反比例し、X,Y軸方向検出画素長よりも
長くなっている。撮影された被検体Mの関心領域に仮想
的に設定される3次元格子群KのZ軸方向の格子間隔を
X,Y軸方向の格子間隔と比べて例えば2倍長く設定す
る際にも、上述の式(1),(2)を基本として採用し
ている。
【0052】次に、逆投影処理部53により、特定の走
査位置でフラットパネル型X線検出器Dで検出された投
影データを、上述のZ軸方向の格子間隔を長くした3次
元格子群に逆投影する動作について説明する。図7に示
すように、例えば、3次元格子群Kの任意の格子点P
(l,m,n)に逆投影すべき検出データは、X線管R
と格子点P(l,m,n)とを結ぶ直線がフラットパネ
ル型X線検出器Dと交わる点Dp における画素値を、こ
の点Dp に最近接する例えば4点の画素d1〜d4 に
ついての画素値を加重平均して求める。この加重平均し
て求めた画素値を3次元格子群の任意の格子点P(l,
m,n)に逆投影する。3次元格子群の残りの所定の格
子点について、前記と同様にして逆投影を行ない、さら
に、走査各位置ごとにこれと同様の逆投影を行なうこと
で、単純BP中間像が生成される。
【0053】さらに、画像処理部51は、逆投影処理部
53で生成された3次元ボリュームデータを3次元フー
リエ変換する3次元フーリエ変換部54と、3次元フー
リエ変換したフーリエ空間データ(3次元フーリエ分布
像)に対して所定のフィルタリング(例えば、|ω|フ
ィルタリングやローパスフィルタリング)を施すフィル
タリング部55と、このフィルタリング部55でフィル
タリングしたフーリエ空間データ(フィルタリング後の
3次元フーリエ分布像)を3次元逆フーリエ変換して3
次元ボリュームデータに戻す3次元逆フーリエ変換部5
6とを備えている。
【0054】3次元フーリエ変換部54は、次に示す式
(3)に基づいて、逆投影処理部53で生成された3次
元ボリュームデータを3次元フーリエ変換する。なお、
単純BP中間像をf(X,Y,Z)とし、X,Y,Zは
実数であり、3次元フーリエ変換の数式は次に示す式
(3)で表される。 F(ωX,ωY,ωZ)=∫∫∫f(X,Y,Z)・exp {−j(ωX・X+ ωY・Y+ωZ・Z)}dX・dY・dZ … (3) さらに、3次元フーリエ変換部54は、直流成分がフー
リエ空間中心に位置するように並べ替えを行ない、図6
に示すような3次元フーリエ空間座標表示の3次元フー
リエ分布像を得る。
【0055】フィルタリング部55は、その機能を大別
すると次に説明する3個のフィルタを備えていると言
え、図6に示すように、3次元フーリエ変換したフーリ
エ空間データ(3次元フーリエ分布像)の断層軸(ωZ
軸)方向にローパスフィルタをかけるフーリエ空間ロー
パスフィルタリング部と、ωR方向(フーリエ空間のω
X,ωY軸の形成する面方向:図10参照)に等方的に
高周波領域を低減して高周波ノイズ分を抑制するフィル
タとデータ収集走査形態に依存するフィルタとにより構
成される|ω|フィルタリング部とを備えている。な
お、上述のデータ収集走査形態に依存するフィルタは、
被検体Mを挟むように対向配置された両平面内でZ軸周
りに円形に回転走査されることによって、3次元フーリ
エ分布像がωZ軸に密集するのを補正するためにωR面
で|ω|に比例するフィルタリングを行なうことにな
る。すなわち、フィルタリング後の3次元フーリエ分布
像を3次元逆フーリエ変換する際に、直流成分が強調さ
れて3次元ボリュームデータが生成されるのを抑制して
おり、直流成分が強調されることに起因する偽像を低減
しているのである。
【0056】ここで、3次元フーリエ空間でフィルタリ
ング処理を行なうことの意味合いについて説明する。3
次元フーリエ空間でフィルタリング処理を行なうこと
は、数学的には次に示す式(5)で示される。なお、F
M(ωX,ωY,ωZ)はフィルタリング処理された後
の3次元フーリエ分布像であり、M(ωX,ωY,ω
Z)は上述したフィルタリング部55のフィルタ特性を
示す関数である。 FM(ωX,ωY,ωZ)=F(ωX,ωY,ωZ)×M(ωX,ωY,ωZ ) … (5)
【0057】図11に示すように、上述のフィルタ関数
M(ωX,ωY,ωZ)の分布を3次元フーリエ空間の
3次元フーリエ分布像に重畳してイメージ的に図示す
る。3次元フーリエ空間でフィルタリング処理を行なう
ことは、複素数データである3次元フーリエ分布像に各
周波数値に依存した実数値のフィルタ関数Mを重み付け
することであり、その重み関数MがωZ方向につぶれた
「パン型」の回転楕円体状を呈しているということであ
る。M(ωX,ωY,ωZ)は、前述の3個のフィルタ
特性を表す関数の積として次に示す式(6)のように表
される。
【0058】 M(ωX,ωY,ωZ)=Mdepth (ωZ)・Mr(ωr)・Mω(ωR) … (6) 式(6)に示した各フィルタ関数系の典型例について、
以下に示す。
【0059】Mdepth (ωZ)は、図12(a)に示す
ようなローパスフィルタ特性、すなわち、ガウス型特性
を有しており、次に示す式(7)で表される。 Mdepth (ωZ)=exp {−0.693・(ωZ/CFD)2 }… (7) ただし、CFDはガウス型減衰が半分になる周波数であ
る(図12(a)参照)。
【0060】Mr(ωr)は、図12(b)に示すよう
なフィルタ特性を有しており、次に示す式(8)〜(1
0)で表される。 Mr(ωr)=1 (ωr<CFR−WFR/2である場合) … (8) Mr(ωr)={1−sin((ωr−CFR)・π/WFR)}/2 (CFR−WFR/2<ωr<CFR+WFR/2である場合) … (9) Mr(ωr)=0 (CFR+WFR/2<ωrである場合) … (10) ただし、ωr=√(ωX2+ωY2+ωZ2)であり、高
周波成分が図12(b)に示すように滑らかに減衰する
正弦波状関数型にした。CFRはカットオフ周波数であ
り、WFRはフィルタ強度の遷移全周波数幅である(図
12(b)参照)。このMr(ωr)は、図10に示し
た3次元フーリエ空間で原点から離れた成分(高周波成
分)を削除するものである。
【0061】Mω(ωR)は、図12(c)に示すよう
なフィルタ特性を有しており、次に示す式(11)で表さ
れる。ただし、ωR=√(ωX2+ωY2)である。 Mω(ωR)=|ωR| … (11)
【0062】なお、図12(a)〜(c)には、横軸の
プラス方向の特性のみを図示しているが、横軸のマイナ
ス方向の特性は、縦軸を中心に横軸のプラス方向の特性
を線対称させたものと同じであるので、図示省略してい
る。
【0063】ここで、フーリエ空間ローパスフィルタリ
ング部についてもう少し詳細に説明する。フーリエ空間
ローパスフィルタリング部は、図12(a)に示すよう
に、上述のMdepth (ωZ)で表されるガウス型のロー
パスフィルタ特性を有するものであり、図9に示した3
次元フーリエ変換したフーリエ空間データ(3次元フー
リエ分布像)の断層軸(ωZ軸)方向にローパスフィル
タをかけるものである。このローパスフィルタリングの
必要性について以下に説明する。図9に示すように、3
次元フーリエ変換したフーリエ空間データ(3次元フー
リエ分布像)には、ωZ軸を軸心とし互いの中心角の先
端がフーリエ空間座標の原点で交わる2つの欠損円錐
(ミッシングコーン:Missing Cone)MSが存在する。
この2つの欠損円錐MSは、データが欠落して存在して
いないものである。この2つの欠損円錐MSは、被検体
Mを挟むように対向配置された両平面内で断層軸(Z
軸)周りに円形に回転走査されるなどの非CTタイプの
断層撮影方式に起因して生じるものである。すなわち、
断層撮影においてX線管Rとフラットパネル型X線検出
器Dとを被検体Mの体軸周りに半回転以上させないの
で、断層軸(Z軸)方向の分解能が悪いことに起因して
いるのである。このように、フーリエ空間ローパスフィ
ルタリング部は、図9に示した2つの欠損円錐MSの影
響を低減させるように断層軸(ωZ軸)方向にローパス
フィルタをかけることが特徴となっている。
【0064】具体的には、図13に示すように、2つの
欠損円錐MSが存在するフーリエ空間データ(3次元フ
ーリエ分布像)の断層軸(ωZ軸)方向に、逆投影処理
部53でX,Y軸と比べて4倍長くした断層軸方向検出
画素長に同等なローパスフィルタをかける。すなわち、
図13(b)に示すように、3次元フーリエ分布像のZ
軸原点から高周波成分までを「4」とすると、ガウス型
関数のピークから半値幅FWHMまでを「1」とするよ
うにしてローパスフィルタリングを行なう。このよう
に、ローパスフィルタリング処理前の図13に破線で示
す3次元フーリエ分布像に対して、断層軸方向検出画素
長の4倍に相当するローパスフィルタ関数Mdepth (ω
Z)をかけると、断層軸(ωZ軸)方向における高周波
成分がカットされて、ローパスフィルタリング処理後の
図13に実線で示す3次元フーリエ分布像(ローパスフ
ィルタ関数Mdepth (ωZ)の半値幅FWHMが対応す
る部分の3次元フーリエ分布像)が生成されることにな
る。図13(a),(b)に示すように、ローパスフィ
ルタリング処理後の3次元フーリエ分布像全体に対する
欠損円錐MSの占める割合は、ローパスフィルタリング
処理前の3次元フーリエ分布像全体に対する欠損円錐M
Sの占める割合と比べて小さくなっているので、3次元
フーリエ分布像に対する欠損円錐MSの影響を低減させ
ることができ、これにより、後述の3次元逆フーリエ変
換して生成された3次元ボリュームデータでの偽像が低
減できるのである。
【0065】3次元逆フーリエ変換部56は、フーリエ
空間ローパスフィルタリング部でローパスフィルタリン
グされたフーリエ空間データを、次に示す式(12)に基
づいて、3次元逆フーリエ変換して3次元ボリュームデ
ータに戻す。なお、3次元フーリエ変換の数式は次に示
す式(12)で表され、FM(ωX,ωY,ωZ)はフィ
ルタリング処理された後の3次元フーリエ分布像であ
り、fm(X,Y,Z)は3次元逆フーリエ変換された
3次元ボリュームデータである。 fm(X,Y,Z)=1/8π3 ∫∫∫FM(ωX,ωY,ωZ) ・exp {j(ωX・X+ωY・Y+ωZ・Z)} dωX・dωY・dωZ … (12)
【0066】画像情報記憶部52は、3次元逆フーリエ
変換部56で3次元逆フーリエ変換された3次元ボリュ
ームデータを記憶しており、操作部10から任意の断層
面の画像情報が選択されると、その断層面の画像情報を
モニタ60に出力する。
【0067】モニタ60は、画像情報記憶部52に蓄積
された所定の画像情報を出力表示するものである。
【0068】次に、上述した構成を備えた第1実施例装
置の動作について説明する。まず、オペレータは、被検
体Mの関心領域を撮影する前に、X線管Rからフラット
パネル型X線検出器Dまでの距離や、X線管Rおよびフ
ラットパネル型X線検出器Dを円形に回転移動させるそ
の円形の半径距離(例えば、50〜100cm)や、X
線管Rおよびフラットパネル型X線検出器Dを円形に回
転移動させる間にどの程度のピッチで撮影を行なうかと
いうビュー数(100〜500)や、3次元格子群のZ
軸方向の格子間隔を、X,Y軸方向の格子間隔と比べて
例えば4倍長くする設定などを操作部10から入力す
る。
【0069】図6に示すように、X線管Rおよびフラッ
トパネル型X線検出器Dが円形に回転走査されて、被検
体Mの関心領域についての撮影が行なわれ、走査各位置
で検出された、被検体Mの関心領域についての一群の投
影データが取得される。
【0070】逆投影処理部53は、上述したように、こ
の一群の投影データを3次元格子群に単純逆投影(単純
BP)して単純BP中間像を生成する。
【0071】次に、3次元フーリエ変換部54は、逆投
影処理部53で生成された単純BP中間像を3次元フー
リエ変換して、実空間データからフーリエ空間データに
変換する。
【0072】次に、フィルタリング部55は、上述した
ように、3次元フーリエ変換部54で3次元フーリエ変
換されたフーリエ空間データにフィルタリング(|ω|
フィルタリングやローパスフィルタリング)処理を施
す。
【0073】次に、3次元逆フーリエ変換部56は、フ
ィルタリング部55でフィルタリング処理が施されたフ
ーリエ空間データを3次元逆フーリエ変換して、フーリ
エ空間データから実空間データに戻し、3次元ボリュー
ムデータが生成される。このようにして、関心領域の3
次元ボリュームデータを生成する画像再構成が行なわれ
る。
【0074】画像情報記憶部52は、3次元逆フーリエ
変換部56で3次元逆フーリエ変換された3次元ボリュ
ームデータを記憶する。画像情報記憶部52に記憶され
た3次元ボリュームデータのうちの各断層面の画像情報
は、オペレータの操作によって、任意にモニタ60に映
し出される。例えば、オペレータにより任意に選択され
た断層面の画像情報が3次元ボリュームデータから読み
出され、モニタ60に映し出される。
【0075】以上、上述した第1実施例では、逆投影処
理部53は、撮影された被検体Mの関心領域に仮想的に
設定される3次元格子群Kの直交3軸方向の各格子間隔
のうちで、関心領域のほぼ中心を通り、かつ、断層面に
直交する断層軸(Z軸)方向の格子間隔を、他の2方向
(X,Y軸方向)の格子間隔よりも長くし、走査各位置
で検出された投影データを、断層軸方向の格子間隔を長
くした3次元格子群Kの所定の格子点に逆投影して、関
心領域の3次元ボリュームデータを生成する画像再構成
を行なっているので、各3軸方向の格子間隔が等間隔に
設定された従来の3次元格子群に逆投影する場合と比べ
て、3次元格子群Kの断層軸方向の格子間隔を他の2方
向の格子間隔よりも長くしている分逆投影するデータ量
を低減することができ、画像再構成に係る処理時間を短
縮できるし、断層軸方向の画像情報を無駄にすることな
く逆投影できる。
【0076】駆動部30は、被検体Mを挟んで対向して
平行配置される両平行面のいずれか一方の平行面内でX
線管Rを回転移動させるのと同期して、他方の平行面内
でX線管Rの回転方向とは反対方向にフラットパネル型
X線検出器Dを回転移動させる。したがって、X線管R
とフラットパネル型X線検出器Dとを個別に被検体Mを
挟む両平行面の各平行面内で回転走査して、被検体Mの
関心領域の3次元ボリュームデータを生成する画像再構
成を行うための断層撮影を行うことができる。
【0077】フーリエ空間ローパスフィルタリング部
は、3次元フーリエ変換したフーリエ空間データの断層
軸方向にローパスフィルタリングをかけているので、そ
のローパスフィルタリング後のフーリエ空間データを3
次元逆フーリエ変換して生成された3次元ボリュームデ
ータにおける偽像を低減できる。
【0078】ここで、フーリエ空間ローパスフィルタリ
ング部によるローパスフィルタリングのシミュレーショ
ン結果を用いて、ローパスフィルタリングの効果につい
て説明する。ローパスフィルタリングのシミュレーショ
ン条件は、以下のとおりである。図14に示すように、
被検体を半径8mmの球Eとし、X線管Rから球Eまで
の距離を2000mmとし、ラミノ角(これまで説明し
てきた角度θに相当する)を60度とする円形に回転走
査を行なうものとし、仮想的に設定される3次元格子群
Kの各軸方向の格子点数をそれぞれ33とし、3次元格
子群(再構成領域)Kの大きさを333 とする。図14
に示すように上述の球Eを回転断層撮影し、走査各位置
で得られた投影データを単純逆投影して得られた単純B
P中間像について、球Eの中心を含むZ軸直交面の断層
画像を図15(a)に、球Eの中心を含むX軸直交面の
断層画像を図15(b)に、球Eの中心を含むY軸直交
面の断層画像を図15(c)に示す。また、単純BP中
間像をフーリエ空間でローパスフィルタリング処理して
実空間に戻した3次元ボリュームデータについて、球E
の中心を含むZ軸直交面の断層画像を図15(d)に、
球Eの中心を含むX軸直交面の断層画像を図15(e)
に、球Eの中心を含むY軸直交面の断層画像を図15
(f)に示す。
【0079】図15(a)に示すZ軸直交面の断層画像
からわかるように、球Eの輪郭がボケるという偽像(図
15(a)には球Eの輪郭を太く図示することで、その
輪郭のボケを表している)が生じている。図15
(b),(c)に示すX,Y軸直交面の断層画像からわ
かるように、ラミノ角に相当する接線状偽像が生じてい
る。なお、図15(b),(c)には、球Eの上下側に
傾斜した直線を図示することで、その接線状偽像を表し
ている。これと比べて、ローパスフィルタリング処理後
では、図15(d)に示すZ軸直交面の断層画像からわ
かるように、球Eの輪郭のボケる偽像が低減されており
(図15(d)には球Eの輪郭を細く図示することで、
その輪郭がシャープになっていることを表している)、
鮮明な断層画像が得られている。図15(e),(f)
に示すX,Y軸直交面の断層画像からわかるように、Z
軸方向にボケている(図15(e),(f)は、球Eを
横太り状に図示することで、そのZ軸方向におけるボケ
を表している)が、図15(b),(c)に示すような
ラミノ角に相当する接線状偽像が消滅している。
【0080】また、単純BP中間像を3次元フーリエ変
換したフーリエ空間データを図16(a)〜(c)に示
し、フーリエ空間データをローパスフィルタリング処理
したものを図16(d)〜(e)に示す。なお、図16
(a)はフーリエ座標原点を含むωZ軸直交面の分布画
像を、図16(b)はフーリエ座標原点を含むωX軸直
交面の分布画像を、図16(c)はフーリエ座標原点を
含むωY軸直交面の分布画像を示す。図16(d)はフ
ーリエ座標原点を含むωZ軸直交面の分布画像を、図1
6(e)はフーリエ座標原点を含むωX軸直交面の分布
画像を、図16(f)はフーリエ座標原点を含むωY軸
直交面の分布画像を示す。ローパスフィルタリング処理
前には、図16(b),(c)に示すような2つの欠損
円錐(ミッシングコーン)が存在しているが、ローパス
フィルタリング処理後には、図16(e),(f)に示
すように、図16(b),(c)に示した欠損円錐が細
くなった棒状になっており、欠損円錐の影響が小さくな
っていることが確認できる。
【0081】また、フーリエ空間ローパスフィルタリン
グ部により、断層軸(Z軸)方向検出画素長の4倍以上
にぼかすローパスフィルタリングをかけることは、前述
のローパスフィルタリングのシミュレーション結果等か
らわかるように、偽像低減効果が十分得られる最低限の
値として得られることが知見によりわかった。勿論、こ
れ以上のローパスフィルタリングをかければ、さらに偽
像は低減できるが、その分独立した断層像の枚数は減少
することになる。
【0082】なお、上述した第1実施例では、フーリエ
空間データ(3次元フーリエ分布像)の断層軸(ωZ
軸)方向にローパスフィルタ(例えば、逆投影処理部5
3で他のX,Y軸方向検出画素長に比べて8倍長くした
断層軸方向検出画素長に相当するローパスフィルタ)を
かけて、3次元逆フーリエ変換を行なっているが、その
ローパスフィルタリング後のフーリエ空間データの断層
軸(ωZ軸)方向の高周波成分をカットすること(図1
7参照)ことで、後続の3次元逆フーリエ変換部56で
3次元逆フーリエ変換される3次元ボリュームデータの
断層画像が間引かれて生成されるようにしてもよい。す
なわち、3次元ボリュームデータの断層軸(Z軸)方向
に隣接する断層画像(例えば、1枚目と2枚目の断層画
像)に大差が無い場合には、3次元ボリュームデータの
断層軸(Z軸)方向の断層画像の枚数を減らしても問題
にはならないので、断層軸(Z軸)方向の画像情報を間
引いて3次元逆フーリエ変換されて、断層軸方向にぼか
した3次元ボリュームデータを生成するようにしている
のである。なお、図17に示すように、フーリエ空間デ
ータの断層軸(ωZ軸)方向の大きさを「4」とする
と、フーリエ空間データの断層軸(ωZ軸)方向のうち
の高周波成分を含む大きさ「2」を切り落とす部分Cut
とし、フーリエ空間データの断層軸(ωZ軸)方向のう
ちで直流成分を含む大きさ「2」を残す部分とする。こ
のようにローパスフィルタリングして切り落として3次
元逆フーリエ変換することで、生成された3次元ボリュ
ームデータの断層軸(Z軸)方向の断層画像枚数が半分
になる。したがって、3次元逆フーリエ変換する処理時
間を低減することができ、断層軸(Z軸)方向の断層画
像の枚数を少なくでき、断層軸(Z軸)方向を細かく再
現する必要がない場合に有効である。
【0083】<第2実施例>続いて、この発明に係る第
2実施例のX線断層撮影装置について説明する。図18
は、この発明のX線断層撮影装置の第2実施例に係るブ
ロック図である。第2実施例のX線断層撮影装置は、第
1実施例の画像処理部51以外については、前述の第1
実施例と同様であるので、画像処理部の構成およびその
機能について詳細に説明するものとする。
【0084】ここで、この画像処理部における関心領域
の3次元ボリュームデータを生成する画像再構成の一連
の処理手順について、図19を参照しながら概説する。
図19に示すように、まず、X線管Rおよびフラットパ
ネル型X線検出器Dを円形に回転走査することで、被検
体Mの関心領域についての撮影を行ない、走査各位置で
検出された、被検体Mの関心領域についての一群の投影
データを取得する。図19には、この一群の投影データ
を「投影像群」として示している。次に、これらの投影
データに後述する所定のフィルタリング処理を施す(|
ω|フィルタリング(絶対値オメガフィルタリング)や
ローパスフィルタリング)。なお、前述の第1実施例で
はフーリエ空間でフィルタリング処理を施していたが、
この第2実施例では実空間上のままでフィルタリング処
理を施している。第2実施例で行なわれる実空間でのフ
ィルタリング処理とは、いわゆる、コンボリューション
と呼ばれるものである。
【0085】次に、実空間上でフィルタリング処理され
た一群の投影データを逆投影(フィルタードバックプロ
ジェクション:Filtered Back Projection)して3次元
ボリュームデータを生成する。このようにして、処理空
間を実空間のまま変更せずに、関心領域の3次元ボリュ
ームデータを生成する画像再構成が行なわれる。なお、
オペレータは、この3次元ボリュームデータから任意の
断層面の画像を選択することで、選択した断層画像が見
られる。上述したように、一群の投影データを実空間上
で所定のフィルタリング処理を施して逆投影するという
手法を、2D(2次元)フィルタリング法と呼ぶ。
【0086】画像処理部は、円形に回転走査して得られ
た被検体Mの関心領域についての一群の投影データに、
実空間上で所定のフィルタリング処理を施す(|ω|フ
ィルタリングやローパスフィルタリング)2Dフィルタ
リング部57を備えている。
【0087】2Dフィルタリング部57は、フラットパ
ネル型X線検出器Dの検出面の横方向(U方向)、すな
わち、走査各位置で得られた投影データの横方向(U方
向)に|ω|フィルタリングをかける実空間|ω|フィ
ルタリング部と、フラットパネル型X線検出器Dの検出
面の縦方向(V方向)、すなわち、走査各位置で得られ
た投影データの縦方向(V方向)にローパスフィルタリ
ングをかける実空間ローパスフィルタリング部とを備え
ている。V方向は、断層軸(Z軸)がフラットパネル型
X線検出器Dの検出面上に投影された投影線に対応す
る。
【0088】実空間|ω|フィルタリング部における|
ω|フィルタリングの関数特性は、前述の第1実施例で
図12(b),(c)および式(8)〜(11)で示した
Mr(ωr)・Mω(ωR)を逆フーリエ変換したもの
となる。
【0089】実空間ローパスフィルタリング部における
ローパスフィルタリングの関数特性は、前述の第1実施
例で図12(a)および式(7)で示したMdepth (ω
Z)を逆フーリエ変換したものとなる。
【0090】実空間ローパスフィルタリング部は、図2
0に示すように、他の2方向(X,Y方向)の格子間隔
よりも例えば8倍長く設定する3次元格子群の断層軸
(Z軸)方向の格子間隔を、断層軸方向ぼかし長BVと
し、走査各位置で検出された投影データにおける、断層
軸方向ぼかし長BVに対応する所定数画素(「面検出器
上でのぼかし長BD」とも呼ぶ)に対して、ローパスフ
ィルタリングをかけてその所定数画素(面検出器上での
ぼかし長BD)における画素値を求めるものである。上
述の2方向(X,Y方向)よりも8倍長くした断層軸
(Z軸)方向の格子間隔の内訳は、前述の第1実施例で
示した2方向(X,Y方向)よりも2倍(ΔVZ/ΔV
Y=2)長くした断層軸(Z軸)方向の格子間隔を4倍
にぼかすことで8倍、すなわち、X,Y方向検出画素長
の8倍としている。具体的には、この画素値は次のよう
にして求めている。例えば、フラットパネル型X線検出
器Dの検出面の縦方向(V方向)の画素値の分布が図2
1(a)に示すような元画像f(V)となっており、例
えばある1つの断層軸方向ぼかし長BVに対応する所定
数画素(面検出器上での4画素分に相当するぼかし長B
D)に図21(b)に示すガウス型のローパスフィルタ
関数m(V)の半値幅FWHMが位置するようにしてロ
ーパスフィルタをかける、つまり、コンボリューション
演算すると、加算処理されて図21(c)に示すような
画素値が得られる。そして、残りの断層軸方向ぼかし長
BVに対応する所定数画素(面検出器上でのぼかし長B
D)についても、上記と同様にコンボリューション演算
することで、図21(c)に示すようなV方向にぼけた
なローパスフィルタリング後の画像fm(V)が得られ
る。
【0091】なお、上述の実空間でのフィルタリング処
理は、次に示す式(13)のようにコンボリューション
(*)として表される。 fm(V)=f(V)*m(V) … (13)
【0092】図22に示すように、ローパスフィルタリ
ング方向(Z方向)がフラットパネル型X線検出器Dの
検出面の縦方向(d−d´方向)の画素配列と平行であ
る場合(平行ビーム近似である場合)は、3次元格子群
の断層軸(Z軸)方向の断層軸方向ぼかし長BVがフラ
ットパネル型X線検出器Dの縦方向(d−d´方向)の
画素配列に一致するように投影されるので、断層軸方向
ぼかし長BVに対応するフラットパネル型X線検出器D
の所定数画素(面検出器上でのぼかし長BD)にローパ
スフィルタリングすればよい。なお、図22に示す面検
出器上でのぼかし長BD上の隣接する黒点および白抜き
円の間隔は、フラットパネル型X線検出器Dの各画素に
対応し、FWHMはガウス型のローパスフィルタの半値
幅である。
【0093】しかし、図23に示すように、ローパスフ
ィルタリング方向(Z方向)がフラットパネル型X線検
出器Dの検出面の縦方向(d−d´方向)の画素配列と
平行でない場合は、3次元格子群の断層軸(Z軸)方向
の断層軸方向ぼかし長BVがフラットパネル型X線検出
器Dの縦方向(d−d´方向)の画素配列に一致せずに
傾斜して投影される、すなわち、ローパスフィルタリン
グ方向(Z方向)がd−d´方向に対して傾斜している
ので、断層軸方向ぼかし長BVに対応するフラットパネ
ル型X線検出器Dの所定数画素(面検出器上でのぼかし
長BD)を、その面検出器上でのぼかし長BDに近接す
る所定数のd−d´方向の画素を厳密補間処理すること
で算出し、d−d´方向に対して傾斜しているローパス
フィルタリング方向(Z方向)における各画素値を求め
てから、ローパスフィルタリングすればよい。
【0094】なお、上述の平行ビーム近似の場合とそう
でない場合とについて補足説明する。平行ビーム近似
は、図20で説明すると、RO間がOD間に比して十分
に長くなり、フラットパネル型X線検出器Dに入るX線
束がほぼ平行になることを意味しており、そうでない場
合とは、RO間がOD間にほぼ等しくフラットパネル型
X線検出器Dに入るX線束がコーン状になった状況であ
ることを意味するものである。
【0095】このように、実空間ローパスフィルタリン
グ部で走査各位置の投影データにローパスフィルタリン
グをかけることにより、3次元格子群のうちの他の2軸
の検出画素長よりも8倍長く設定される断層軸方向ぼか
し長BVに対応する、フラットパネル型X線検出器Dの
検出面上での所定数画素(面検出器上でのぼかし長B
D)についての画素値を求めておく。
【0096】画像処理部は、実空間ローパスフィルタリ
ング部で求めた各画素値(面検出器上でのぼかし長B
D)を3次元格子点に逆投影して、関心領域の3次元ボ
リュームデータを生成する画像再構成を行う逆投影処理
部53を備えている。
【0097】次に、上述した構成を備えた第2実施例装
置の動作について説明する。まず、オペレータは、被検
体Mの関心領域を撮影する前に、X線管Rからフラット
パネル型X線検出器Dまでの距離や、X線管Rおよびフ
ラットパネル型X線検出器Dを円形に回転移動させるそ
の円形の半径距離(例えば、50〜100cm)や、X
線管Rおよびフラットパネル型X線検出器Dを円形に回
転移動させる間にどの程度のピッチで撮影を行なうかと
いうビュー数(100〜500)や、3次元格子群のZ
軸方向の格子間隔を、X,Y軸方向の格子間隔と比べて
例えば2倍長くする設定などを操作部10から入力す
る。
【0098】図19に示すように、X線管Rおよびフラ
ットパネル型X線検出器Dが円形に回転走査されて、被
検体Mの関心領域についての撮影が行なわれ、走査各位
置で検出された、被検体Mの関心領域についての一群の
投影データが取得される。
【0099】次に、2Dフィルタリング部57は、これ
らの投影データに上述のフィルタリング(|ω|フィル
タリングやローパスフィルタリング)処理を施す。
【0100】逆投影処理部53は、上述のフィルタリン
グ処理された一群の投影データを3次元格子群に逆投影
(バックプロジェクション)して、3次元ボリュームデ
ータを生成する。このようにして、関心領域の3次元ボ
リュームデータを生成する画像再構成が行なわれる。
【0101】画像情報記憶部52は、フィルタリング処
理された一群の投影データを逆投影処理部53で逆投影
した3次元ボリュームデータを記憶する。画像情報記憶
部52に記憶された3次元ボリュームデータのうちの各
断層面の画像情報は、オペレータの操作によって、任意
にモニタ60に映し出される。例えば、オペレータによ
り任意に選択された断層面の画像情報が3次元ボリュー
ムデータから読み出され、モニタ60に映し出される。
【0102】以上、上述の第2実施例では、実空間ロー
パスフィルタリング部によって、他の2方向の検出画素
長よりも長く設定された断層軸方向ぼかし長BVに対応
する所定数画素(面検出器上でのぼかし長BD)に対し
て、ローパスフィルタリングをかけて、面検出器上での
ぼかし長BDについての画素値を求めており、逆投影処
理部53によって、実空間ローパスフィルタリング部で
求められた各画素値を3次元格子点に逆投影して、関心
領域の3次元ボリュームデータを生成する画像再構成を
行っているので、前述の第1実施例と同様の効果を有す
る。すなわち、各3軸方向の格子間隔が等間隔に設定さ
れた従来の3次元格子群に逆投影する場合と比べて、3
次元格子群の断層軸方向の格子間隔を他の2方向の格子
間隔よりも長くしている分逆投影するデータ量を低減す
ることができ、画像再構成に係る処理時間を短縮できる
し、断層軸方向の画像情報を無駄にすることなく逆投影
できる。
【0103】上述の第2実施例では、走査各位置の投影
データにおける、断層軸方向ぼかし長BVに対応する所
定数画素(面検出器上でのぼかし長BD)に対して、ロ
ーパスフィルタリングをかけて、面検出器上でのぼかし
長BDについての画素値を求めているが、フラットパネ
ル型検出器Dのゲート線の配列方向を断層軸(Z軸)方
向に対応するように配置し、断層軸方向ぼかし長BVに
対応する所定数画素(面検出器上でのぼかし長BD)に
おける各ゲートを同時にオンすることにより、同時にこ
の所定数画素行についての複数画素分の信号が読み出さ
れ、結果的に加算された信号が得られる(加算処理され
る)ことで、面検出器上でのぼかし長BDについての画
素値を求めてもよい。これは、上述のローパスフィルタ
リングをかけたことと等価なものである。したがって、
所定数画素(面検出器上でのぼかし長BD)にローパス
フィルタリングがかかったデータ収集を、面検出器側で
その所定数画素のデータを同時に読み出し制御するとい
うことでハードウエア的に実現できる。
【0104】この発明は、上記各実施例に限られるもの
ではなく、下記のように変形実施することができる。
【0105】(1)上述の各実施例では、ローパスフィ
ルタリングを4倍長くしているが、4倍以上としてもよ
い。
【0106】(2)上述の各実施例では、駆動部30
は、X線管Rおよびフラットパネル型X線検出器Dを円
形に回転走査させているが、以下に説明するような種々
の走査を採用してもよい。例えば、図24(a)に示す
ように、X線管Rとフラットパネル型X線検出器Dのい
ずれか一方を第1方向に移動させるのと同期して、他方
を第1方向とは反対方向である第2方向に移動させるよ
うにして、X線管Rとフラットパネル型X線検出器Dと
を被検体Mを挟んで平行直線移動させた場合には、X線
管Rとフラットパネル型X線検出器Dとを被検体Mを挟
んで平行直線走査して、被検体Mの関心領域の3次元ボ
リュームデータを生成する画像再構成を行うための断層
撮影を行うことができる。なお、この直線走査の場合に
は、前述の第1実施例のフィルタリング部55における
フィルタ関数Mω(R)の傾きを、X線管Rから照射さ
れるコーン状ビームの中心とフラットパネル型X線検出
器Dの検出面の中心とを結ぶ直線と、断層軸Zとのなす
角度(後述する断層角θ)に応じて投影像毎に変更すれ
ばよい。
【0107】また、図24(b)に示すように、被検体
Mの周りの円周軌道上に被検体Mを挟んで2つの円弧軌
道を対向して設定し、両円弧軌道のいずれか一方の円弧
軌道上にX線管Rを移動させるのと同期して、他方の円
弧軌道上にフラットパネル型X線検出器DをX線管Rと
の間隔が一定になるように移動させる、所謂、円弧走査
を行うようにした場合は、被検体Mを挟んでX線管Rと
フラットパネル型X線検出器Dとを個別に円弧走査し
て、被検体Mの関心領域の3次元ボリュームデータを生
成する画像再構成を行うための断層撮影を行うことがで
きる。なお、この円弧走査の場合には、前述の第1実施
例のフィルタリング部55におけるフィルタ関数Mω
(R)の傾きを、X線管Rから照射されるコーン状ビー
ムの中心とフラットパネル型X線検出器Dの検出面の中
心とを結ぶ直線と、断層軸Zとのなす角度(後述する断
層角θ)に応じて投影像毎に変更すればよい。また、こ
の図24に示すような走査中の角度θが変化する場合に
は、一例として2乗平均値:θが図8に示すθに適用さ
れることで、断層軸方向検出画素長を明確にできる。
【0108】また、図2,図24に示すように、X線管
Rから照射されるコーンビーム状のX線の中心点が、常
に、被検体Mの特定断層面の中心点Oを透過してフラッ
トパネル型X線検出器Dの検出面の中心点に垂直に入射
されるように、X線管Rとフラットパネル型X線検出器
Dとを対向させているが、このフラットパネル型X線検
出器Dの検出面を被検体Mの断層面と平行になるように
しておいてもよい。
【0109】また、X線管Rおよびフラットパネル型X
線検出器Dを移動させるようにして走査しているが、例
えば、X線管Rを固定としフラットパネル型X線検出器
Dと被検体Mとを移動させて走査したり、フラットパネ
ル型X線検出器Dを固定としX線管Rと被検体Mとを移
動させて走査したりするなど、X線管Rとフラットパネ
ル型X線検出器Dと被検体Mとのうちのいずれか2つを
移動させるようにして走査してもよい。
【0110】(3)また、フェルドカンプ法(Feldkamp
法)におけるコンボリューションに先立って、上述の各
実施例のような3次元格子群の断層軸方向の格子間隔を
他の2軸方向の格子間隔と比べて長くすることもでき
る。
【0111】(4)上述の各実施例では、面検出器とし
てフラットパネル型X線検出器Dを採用しているが、
I.I管やイメージングプレートなど各種の2次元面検
出器を採用することもできる。
【0112】(5)上述の各実施例の断層撮影装置は、
被検体Mを人体などとして医療用に用いることもできる
し、被検体MをBGA(Ball Grid Array)基板やプリ
ント配線基板など各種の電子部品などとして非破壊検査
用に用いることもできる。
【0113】(6)上述の各実施例では、X線管Rによ
ってX線を被検体Mに照射しているが、X線に限らず、
被検体Mに対して透過性を有する例えば、ガンマ線、光
などの電磁波を用いた場合であっても、同様の効果を有
する。したがって、この発明の断層撮影装置は、X線断
層撮影装置に限定されるものではなく、X線以外で被検
体Mに対して透過性を有する電磁波を用いて断層撮影を
行う断層撮影装置にも適用可能である。
【0114】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、請求
項1に記載の断層撮影装置によれば、撮影された被検体
の関心領域に仮想的に設定される3次元格子群の直交3
軸方向の各格子間隔うちで、関心領域のほぼ中心を通
り、かつ、断層面に直交する断層軸方向の格子間隔を、
他の2方向の格子間隔よりも長くし、走査各位置で検出
された投影データを、断層軸方向の格子間隔を長くした
3次元格子群の所定の格子点に逆投影して、関心領域の
3次元ボリュームデータを生成する画像再構成を行って
いるので、各3軸方向の格子間隔が等間隔に設定された
従来の3次元格子群に逆投影する場合と比べて、3次元
格子群の断層軸方向の格子間隔を他の2方向の格子間隔
よりも長くしている分逆投影するデータ量を低減でき、
画像再構成に係る処理時間を短縮できる。
【0115】また、請求項2に記載の断層撮影装置によ
れば、照射源と面検出器のいずれか一方を第1方向に直
線移動させるのと同期して、他方を前記第1方向とは反
対方向である第2方向に平行直線移動させるので、照射
源と面検出器とを被検体を挟んで平行直線走査して、被
検体の関心領域の3次元ボリュームデータを生成する画
像再構成を行うための断層撮影を行なうことができる。
【0116】また、請求項3に記載の断層撮影装置によ
れば、被検体を挟んで対向して平行配置される両平行面
のいずれか一方の平行面内で照射源を回転移動させるの
と同期して、他方の平行面内で照射源の回転方向とは反
対方向に面検出器を回転移動させるので、照射源と面検
出器とを個別に被検体を挟む両平行面の各平行面内で回
転走査して、被検体の関心領域の3次元ボリュームデー
タを生成する画像再構成を行うための断層撮影を行なう
ことができる。
【0117】また、請求項4に記載の断層撮影装置によ
れば、被検体の周りの円周軌道上に被検体を挟んで2つ
の円弧軌道を対向して設定し、両円弧軌道のいずれか一
方の円弧軌道上に前記照射源を移動させるのと同期し
て、他方の円弧軌道上に前記面検出器を前記照射源との
間隔が一定になるように移動させる。したがって、被検
体を挟んで照射源と面検出器とを個別に円弧走査して、
被検体の関心領域の3次元ボリュームデータを生成する
画像再構成を行うための断層撮影を行うことができる。
【0118】また、請求項5に記載の断層撮影装置によ
れば、断層軸方向の格子間隔の長さは、面検出器の1画
素分が断層軸に投影された長さである断層軸方向検出画
素長に基づいて設定されるので、照射源と面検出器の検
出面中心とを結ぶ直線と断層軸とのなす角度、所謂、ラ
ミノ角に応じて断層軸方向の格子間隔の長さが設定でき
る。
【0119】また、請求項6に記載の断層撮影装置によ
れば、ローパスフィルタリング部は、走査各位置で検出
された投影データの断層軸方向にローパスフィルタリン
グをかけるので、欠損円錐の影響による偽像を低減した
断層画像が得られる。
【0120】また、請求項7に記載の断層撮影装置によ
れば、逆投影処理部で生成された3次元ボリュームデー
タを3次元フーリエ変換部で3次元フーリエ変換し、フ
ーリエ空間ローパスフィルタリング部により、3次元フ
ーリエ変換したフーリエ空間データの断層軸方向にロー
パスフィルタリングをかけ、ローパスフィルタリングし
たフーリエ空間データを3次元逆フーリエ変換部で3次
元逆フーリエ変換して3次元ボリュームデータに戻すの
で、欠損円錐の影響による偽像を低減した断層画像を得
ることができる。
【0121】また、請求項8に記載の発明によれば、ロ
ーパスフィルタリング部は、断層軸方向検出画素長の4
倍以上にぼかすローパスフィルタリングをかけるので、
F空間フィルタ法や2Dフィルタリング法などにおいて
も、偽像低減効果が十分に得られる。
【0122】また、請求項9に記載の断層撮影装置によ
れば、ローパスフィルタリングされたフーリエ空間デー
タの断層軸方向の高周波成分をカットすることで、後続
の3次元逆フーリエ変換部で3次元逆フーリエ変換され
る3次元ボリュームデータの断層画像が間引かれて生成
されるようにしているので、断層軸方向の画像情報を間
引いて3次元逆フーリエ変換する分、3次元逆フーリエ
変換する処理時間を低減でき、断層軸方向の断層画像の
枚数を少なくでき、断層軸方向を細かく再現する必要が
ない場合に有効である。
【0123】また、請求項10に記載の断層撮影装置に
よれば、面検出器としてのフラットパネル型検出器は、
そのゲート線の配列方向を断層軸方向に対応するように
配置され、ローパスフィルタリング部は、断層軸方向に
対応する所定数画素行における各ゲートを同時にオンす
ることでローパスフィルタリングを行なうので、このよ
うなゲート同時オンによるローパスフィルタリングによ
っても、欠損円錐の影響による偽像を低減した断層画像
が得られる。
【0124】また、請求項11に記載の発明によれば、
面検出器での断層軸に対応する所定数画素ごとに、断層
軸方向検出画素長の所定倍に相当する断層軸方向ローパ
スフィルタリングをかけるので、欠損円錐の影響による
偽像を低減した断層画像が得られる。
【0125】また、請求項12に記載の発明によれば、
逆投影処理部は、3次元格子群の断層軸方向の格子間隔
を断層軸方向検出画素長から断層軸方向ぼかし長の間に
設定して、ローパスフィルタリング後の投影データを3
次元格子群に逆投影するので、断層軸方向の画像情報を
間引いて、断層軸方向にぼかした3次元ボリュームデー
タを生成するように3次元逆フーリエ変換されるので、
3次元逆フーリエ変換する処理時間が低減され、断層軸
方向の断層画像の枚数を少なくでき、断層軸方向を細か
く再現する必要がない場合に有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例に係るX線断層撮影装置
のブロック図である。
【図2】この発明のX線断層撮影装置に係る撮影の様式
図である。
【図3】フラットパネル型X線検出器の構成図である。
【図4】フラットパネル型X線検出器の概略構成を示す
斜視図である。
【図5】(a)、(b)はフラットパネル型X線検出器
の層構造を示す断面図である。
【図6】第1実施例の画像処理部における一連の処理手
順を説明するための模式図である。
【図7】この発明の逆投影処理部における逆投影手法を
説明するための模式図である。
【図8】(a)、(b)は3次元格子群の各軸の検出画
素長とフラットパネル型X線検出器の1画素ピッチとの
関係を説明するための模式図である。
【図9】ωZ軸方向に欠損円錐が存在する3次元フーリ
エ分布像を示す模式図である。
【図10】ωX−ωY平面の半径ωrを示す模式図であ
る。
【図11】第1実施例のフィルタリング部のフィルタ関
数を3次元フーリエ分布像に重畳して示した模式図であ
る。
【図12】(a)〜(c)は第1実施例のフィルタリン
グ部の各フィルタ関数を示す特性図である。
【図13】(a)はωZ軸方向に欠損円錐が存在する3
次元フーリエ分布像を模式的に示す斜視図であり、
(b)は(a)の側面図である。
【図14】ローパスフィルタリング効果についてのシミ
ュレーション状態を説明するための模式図である。
【図15】(a)〜(c)は、ローパスフィルタリング
前の各軸直交面の実空間断層画像を示す図であり、
(d)〜(f)は、ローパスフィルタリング後の各軸直
交面の実空間断層画像を示す図である。
【図16】(a)〜(c)はローパスフィルタリング前
の各軸直交面のフーリエ空間断層画像を示す図であり、
(d)〜(f)はローパスフィルタリング後の各軸直交
面のフーリエ空間断層画像を示す図である。
【図17】ローパスフィルタリング処理された3次元フ
ーリエ分布像にさらにローパスフィルタリング処理を施
すことを説明するための様式図である。
【図18】この発明の第2実施例に係るX線断層撮影装
置を示すブロック図である。
【図19】第2実施例の画像処理部における一連の処理
手順を説明するための模式図である。
【図20】フィルタリングのぼかし長とその方向を説明
するための模式図である。
【図21】(a)〜(c)は面検出器上でのぼかしを説
明するための模式図である。
【図22】平行ビーム近似を説明するための説明図であ
る。
【図23】厳密補間処理を説明するための説明図であ
る。
【図24】(a)、(b)はX線断層撮影装置における
その他の撮影の様式図である。
【符号の説明】
50 … データ処理部 51 … 画像処理部 52 … 画像情報蓄積部 53 … 逆投影処理部 54 … 3次元フーリエ変換部 55 … フィルタリング部 56 … 3次元逆フーリエ変換部 57 … 2Dフィルタリング部 D … フラットパネル型X線検出器 M … 被検体 R … X線管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 6/02 A61B 6/03

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検体の撮影すべき断層面を挟んで、被
    検体に透過性を有する電磁波を照射する照射源と、被検
    体を透過した電磁波を検出する面検出器とが同期させて
    走査され、走査各位置で検出された投影データを、撮影
    された被検体の関心領域に仮想的に設定される3次元格
    子群の所定の格子点に逆投影して、関心領域の3次元ボ
    リュームデータを生成する画像再構成を行う逆投影処理
    部を備え、この3次元ボリュームデータから断層面の画
    像を取得する断層撮影装置において、前記逆投影処理部
    は、3次元格子群の直交3軸方向の各格子間隔のうち、
    関心領域のほぼ中心を通り、かつ、断層面に直交する断
    層軸方向の格子間隔を他の2方向の格子間隔よりも長く
    して3次元ボリュームデータを生成することを特徴とす
    る断層撮影装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の断層撮影装置におい
    て、前記照射源と前記面検出器のいずれか一方を第1方
    向に直線移動させるのと同期して、他方を前記第1方向
    とは反対方向である第2方向に平行直線移動させること
    を特徴とする断層撮影装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の断層撮影装置におい
    て、被検体を挟んで対向して平行配置される両平行面の
    いずれか一方の平行面内で前記照射源を回転移動させる
    のと同期して、他方の平行面内で前記照射源の回転方向
    とは反対方向に前記面検出器を回転移動させることを特
    徴とする断層撮影装置。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の断層撮影装置におい
    て、被検体の周りの円周軌道上に被検体を挟んで2つの
    円弧軌道を対向して設定し、両円弧軌道のいずれか一方
    の円弧軌道上に前記照射源を移動させるのと同期して、
    他方の円弧軌道上に前記面検出器を前記照射源との間隔
    が一定になるように移動させることを特徴とする断層撮
    影装置。
  5. 【請求項5】 請求項1から請求項4のいずれかに記載
    の断層撮影装置において、断層軸方向の格子間隔の長さ
    は、前記面検出器の1画素分が断層軸に投影された長さ
    である断層軸方向検出画素長に基づいて設定されること
    を特徴とする断層撮影装置。
  6. 【請求項6】 請求項1から請求項5のいずれかに記載
    の断層撮影装置において、走査各位置で検出された投影
    データの断層軸方向にローパスフィルタリングをかける
    ローパスフィルタリング部を備えていることを特徴とす
    る断層撮影装置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の断層撮影装置におい
    て、前記ローパスフィルタリング部は、前記逆投影処理
    部で生成された3次元ボリュームデータを3次元フーリ
    エ変換する3次元フーリエ変換部と、3次元フーリエ変
    換したフーリエ空間データの断層軸方向にローパスフィ
    ルタリングをかけるフーリエ空間ローパスフィルタリン
    グ部と、ローパスフィルタリングしたフーリエ空間デー
    タを3次元逆フーリエ変換して3次元ボリュームデータ
    に戻す3次元逆フーリエ変換部とを備えていることを特
    徴とする断層撮影装置。
  8. 【請求項8】 請求項6または請求項7に記載の断層撮
    影装置において、前記ローパスフィルタリング部は、断
    層軸方向検出画素長の4倍以上にぼかすローパスフィル
    タリングをかけることを特徴とする断層撮影装置。
  9. 【請求項9】 請求項7または請求項8に記載の断層撮
    影装置において、ローパスフィルタリングされたフーリ
    エ空間データの断層軸方向の高周波成分をカットするこ
    とで、後続の前記3次元逆フーリエ変換部で3次元逆フ
    ーリエ変換される3次元ボリュームデータの断層画像が
    間引かれて生成されるようにすることを特徴とする断層
    撮影装置。
  10. 【請求項10】 請求項6に記載の断層撮影装置におい
    て、前記面検出器はフラットパネル型検出器とし、前記
    フラットパネル型検出器のゲート線の配列方向を断層軸
    方向に対応するように配置し、前記ローパスフィルタリ
    ング部は、断層軸方向に対応する所定数画素行における
    各ゲートを同時にオンすることでローパスフィルタリン
    グを行なうことを特徴とする断層撮影装置。
  11. 【請求項11】 請求項6に記載の断層撮影装置におい
    て、前記面検出器での断層軸に対応する所定数画素ごと
    に、断層軸方向検出画素長の所定倍に相当する断層軸方
    向ローパスフィルタリングをかける実空間ローパスフィ
    ルタリング部を備えたことを特徴とする断層撮影装置。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載の断層撮影装置にお
    いて、前記逆投影処理部は、3次元格子群の断層軸方向
    の格子間隔を断層軸方向検出画素長から断層軸方向ぼか
    し長の間に設定して、ローパスフィルタリング後の投影
    データを3次元格子群に逆投影することを特徴とする断
    層撮影装置。
JP2001070718A 2001-03-13 2001-03-13 断層撮影装置 Expired - Lifetime JP3518520B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001070718A JP3518520B2 (ja) 2001-03-13 2001-03-13 断層撮影装置
US10/046,085 US6463116B1 (en) 2001-03-13 2002-01-16 Radiographic apparatus

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001070718A JP3518520B2 (ja) 2001-03-13 2001-03-13 断層撮影装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002263092A JP2002263092A (ja) 2002-09-17
JP3518520B2 true JP3518520B2 (ja) 2004-04-12

Family

ID=18928536

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001070718A Expired - Lifetime JP3518520B2 (ja) 2001-03-13 2001-03-13 断層撮影装置

Country Status (2)

Country Link
US (1) US6463116B1 (ja)
JP (1) JP3518520B2 (ja)

Families Citing this family (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6643351B2 (en) * 2001-03-12 2003-11-04 Shimadzu Corporation Radiographic apparatus
US6961404B2 (en) * 2002-09-26 2005-11-01 Eastman Kodak Company Method and system for reconstructing an image from projection data acquired by a cone beam computed tomography system
FR2859299B1 (fr) * 2003-08-28 2006-02-17 Ge Med Sys Global Tech Co Llc Procede de reconstruction tomographique par rectification
JP4500312B2 (ja) * 2003-09-09 2010-07-14 ザ ボード オブ トラスティ オブ ザ ユニバーシティ オブ イリノイ 高速階層型断層撮影法および装置
US6980624B2 (en) * 2003-11-26 2005-12-27 Ge Medical Systems Global Technology Company, Llc Non-uniform view weighting tomosynthesis method and apparatus
JP4720299B2 (ja) * 2005-06-07 2011-07-13 株式会社島津製作所 断層撮影装置
JP4720300B2 (ja) * 2005-06-07 2011-07-13 株式会社島津製作所 断層撮影装置
FR2897461A1 (fr) * 2006-02-16 2007-08-17 Gen Electric Dispositif de rayonnement x et procede de traitement d'images
US8462105B2 (en) * 2008-07-31 2013-06-11 Hiroshima University Three-dimensional object display control system and method thereof
WO2011011583A1 (en) * 2009-07-24 2011-01-27 Nucsafe, Inc. Spatial sequenced backscatter portal
KR101089745B1 (ko) * 2009-12-14 2011-12-07 삼성메디슨 주식회사 초음파 3차원 영상 복원 방법 및 그 초음파 시스템
US9091628B2 (en) 2012-12-21 2015-07-28 L-3 Communications Security And Detection Systems, Inc. 3D mapping with two orthogonal imaging views
US10893842B2 (en) 2018-02-08 2021-01-19 Covidien Lp System and method for pose estimation of an imaging device and for determining the location of a medical device with respect to a target
EP3847484A4 (en) * 2018-09-07 2022-04-06 Shenzhen Xpectvision Technology Co., Ltd. RADIATION DETECTOR WITH SUB-PIXELS OPERATING IN DIFFERENT MODES

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5838756A (en) * 1996-01-08 1998-11-17 Kabushiki Kaisha Toshiba Radiation computed tomography apparatus

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002263092A (ja) 2002-09-17
US6463116B1 (en) 2002-10-08
US20020131546A1 (en) 2002-09-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6643351B2 (en) Radiographic apparatus
JP3378401B2 (ja) X線装置
JP4415762B2 (ja) 断層撮影装置
US7561659B2 (en) Method for reconstructing a local high resolution X-ray CT image and apparatus for reconstructing a local high resolution X-ray CT image
JP3518520B2 (ja) 断層撮影装置
US6587539B2 (en) Radiographic apparatus
JP4537129B2 (ja) トモシンセシス用途における対象物を走査するためのシステム
JPWO2007086369A1 (ja) X線撮像装置
CN101133962A (zh) 再现三维立体图像的方法和x射线设备
US20080008372A1 (en) A method and system for reducing artifacts in a tomosynthesis imaging system
KR20070011188A (ko) 화상 처리 장치 및 x선 ct 장치
JP3926574B2 (ja) 断層撮影装置
JP2002267622A (ja) 断層撮影装置
JPH06181918A (ja) 透過型三次元断層撮影装置
JP4129572B2 (ja) 傾斜三次元x線ct画像の再構成方法
JP2003052680A (ja) X線撮影装置
JP6108575B2 (ja) 画像処理装置及びx線撮影装置
JP4078846B2 (ja) 断層撮影装置
JPH10192271A (ja) X線ct装置及び画像処理装置
JP2021003240A (ja) X線トモシンセシス装置、画像処理装置、および、プログラム
JP4935581B2 (ja) X線診断装置
Cho et al. Digital tomosynthesis in cone-beam geometry for industrial applications: Feasibility and preliminary study
JP2008125909A (ja) X線ct装置
JPWO2007096936A1 (ja) 断層撮影装置および演算処理プログラム
US8867699B2 (en) Radiographic device

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040106

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040119

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3518520

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080206

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090206

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100206

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100206

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110206

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110206

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120206

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120206

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130206

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140206

Year of fee payment: 10

EXPY Cancellation because of completion of term