JP3518432B2 - 熱延鋼板の通板速度測定装置及び測定方法 - Google Patents
熱延鋼板の通板速度測定装置及び測定方法Info
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Description
熱間仕上げミルスタンド間の劣悪な環境下において、レ
ーザードップラー速度計を長期にわたって安定して作動
させ、先進率学習制御、マスフロAGC、セットアップ
修正制御に使用可能な、コイルの最先端から最後尾まで
の測定が可能な熱延鋼板の通板速度測定装置、及び、こ
の測定装置を使用した測定方法に関するものである。
「ミルスタンド」又は「スタンド」という)間に熱延鋼
板(以下、単に「鋼板」という)の速度を測定する速度
計を設置して、コイル最先端での通板安定性の向上や、
先端・定常部での鋼板の幅、厚み等の精度向上を目的と
して、多くの方法が提案されている。
幅、板厚精度の向上方法として、例えば特開平5−11
1711号や特開平5−96316号のように、ミルス
タンド間に設置した速度計実測値を用いて、先進率・後
進率の学習やオンラインでセットアップされたロール回
転数の修正を行う制御方法が提案されている。
て、鋼板を圧延するには、供給される鋼板の成分、寸法
及び製品厚さ等のデータを予め設定して、ある数式モデ
ルに代入し、各ミルスタンドにおける鋼板の目標厚さ、
先進率及び後進率等を算出し、その計算結果を用いて、
各ミルスタンドの圧下位置(ロールギャップ)を予め調
整しておき、また、各ミルスタンドのロール周速度を、
ミルスタンド間の鋼板のマスフローが一定になるよう予
め調整しておく。そして、圧下位置及びロール周速が調
整された連続圧延機の各ミルスタンドに鋼板を挿通し、
各ミルスタンドで連続的に圧延する。
び後進率の計算誤差やロール周速度の設定誤差等によ
り、ミルスタンド間の鋼板に付加される張力に過不足が
生じ、鋼板の幅または厚さが変動するという間題があっ
た。さらに、張力の過不足が過大である場合、鋼板が破
断したり鋼板にループが生じる事故が発生することもあ
った。
ンド出口に設置した速度計によって測定する鋼板速度を
用いて先進率を算出すれば、計算に比べ誤差のない値が
得られるので、その値を学習し、次のセットアップに活
用することにより、通板安定性の向上に寄与できること
になる。また、次ミルスタンドへの噛み込みまでに、ミ
ルスタンド間で速度を測定し、次ミルスタンドのロール
回転数を調整することも同様の効果がある。
して、例えば、特開平7−178423号公報におい
て、厚み計と鋼板速度を検知する速度計を組み合わせた
マスフロAGCが提案されている。
て設けられた第iスタンドと第i+1スタンドにおけ
る、第iスタンドの出側に鋼板の厚みを検知する厚み計
及び鋼板の移動速度を検知する速度計を設置し、また、
第i+1スタンドの出側には速度計を設置する。そし
て、両スタンドにおける圧延がそれぞれの目標厚みにな
るように、両スタンドの圧延ロールによる圧下位置を初
期設定し、マスフローが一定になるように、各圧延スタ
ンドのロール周速を初期設定する。これによって、制御
遅れを生じることなく、実績厚みを用いて次スタンドに
おける鋼板の定常部における厚みを制御することができ
る。
しては、接触式の速度センサーや、コイルの先端部がミ
ルスタンドに噛み込んだ時の検出信号から鋼板の通過時
間を検出し、ミルスタンド間距離から速度を算出する手
法や、非接触のレーザードップラー速度計を用いた方法
がある。
接触部の耐久性や滑りによる誤差の面で間題がある。ま
た、コイルの先端部がミルスタンドに噛み込んだ時の検
出信号に基づいて速度を算出する方法では、測定がコイ
ルの最先端部に限られるうえ、コイル最先端部の形状の
違い等による誤差やミルスタンドからミルスタンドを通
板する際の速度変化による誤差が生じるため、十分な精
度を得ることができない。
路を阻害する冷却水の少ない冷間圧延や、水蒸気や粉塵
が少なく、且つ、パスライン変動が少なく比較的環境の
良い熱間圧延では通板速度測定や長さ測定に広く利用さ
れている。しかしながら、熱間仕上げミルスタンド間で
は、測定対象となる鋼板の温度が非常に高く、大量の
冷却水が使用されるため、水蒸気や粉塵によりレーザー
光路が阻害されやすいこと、圧延時の張力制御に用い
るルーパにより、板角度・パスラインが同時に大きく変
化するため、レーザードップラー速度計の測定許容範囲
を超えることがあること、等の理由により上記の制御方
法を実際に運用可能なだけの安定した測定が確保されて
いるとはいえない。
ザードップラー速度計を安定動作させるための方法が提
案されている。例えば、特開平5−40176号におい
ては、パスラインの変動や鋼板のばたつきの影響を除去
すべく、レーザードップラー速度計のセンサーヘッド内
部に、センサーヘッドから測定対象となる鋼板表面まで
の距離測定機構を付加し、鋼板表面までの距離が一定に
なるよう、センサーヘッドの位置を制御する方法が提案
されている。
機構が必要となるが、上記した劣悪な環境下において
は、この調整機構が故障等の原因になることや、鋼板の
ばたつき等変動周期の速いパスライン変動においては追
従が難しいという問題点を有する。また、このようなレ
ーザードップラー速度計を利用できたとしても、上記し
た様な環境下において、安定した測定光路が得られなけ
れば測定することができないことはいうまでもない。
ド間にてレーザードップラー速度計を使用する場合、以
下に列挙する様な多くの課題がある。 課題1:鋼板のばたつき及びルーパ角度変動によるパス
ライン・板角度変動の激しい条件下において、レーザー
ドップラー速度計による測定を確保すること。
るレーザードップラー速度計の仕様は、一般に焦点距離
は1000〜2000mm、焦点深度は±100mm程
度である。ミルスタンド間でのルーパによるパスライン
変動幅は、ループが発生するような異常事態を除いて、
ルーパロール直近のもっとも大きいところで200mm
程度であるから、このような仕様のレーザードップラー
速度計を適用が可能なように見受けられる。
フラインにて走行するスチールベルト表面を測定対象と
し、その表面に対して垂直にレーザードップラー速度計
の光軸を調整した状態で、しかも安定した受光量が得ら
れることによって始めて速度測定が可能なものであり、
且つ、確度(真値からの偏り)が仕様内とする範囲に収
まっていることで決めている。このため、鋼板が垂直か
ら傾いた場合、受光光量の減少をもたらし、測定可能な
焦点深度も短くなってくるため、鋼板の傾きとパスライ
ン変動が同時に生じるミルスタンド間ではレーザードッ
プラー速度計による測定は困難である。
に、測定対象となる鋼板表面に照射したレーザー光の反
射散乱光を測定するセンサーの場合、測定対象である鋼
板がばたつくと、検出器により検出される光量が変化
し、検出信号に鋼板のばたつきに依存した周波数のノイ
ズが重なってS/Nを悪化させる。このような条件下に
おいて、ルーパ角度変動により鋼板角度やパスラインが
変動して受光光量が低くなると、顕著に測定不良が生じ
る。特に鋼板ばたつきの大きい次ミルスタンドへの噛み
込みまでの鋼板最先端での速度測定は困難である。
からレーザードップラー速度計が測定に必要とする測定
光路を確保すること。高温の鋼板を圧延する熱間圧延に
おいては、圧延ロールを冷却したり鋼板自体を温度調節
するために大量の冷却水が使われるので、大量の水蒸気
や水滴が発生する。また、鋼板表面から剥離したスケー
ルが環境雰囲気に充満する。このような大量の水蒸気や
水滴、スケールは、狭い間隔でミルが隣接するミルスタ
ンド間では特にひどく、これらはレーザードップラー速
度計の測定窓部を汚して、レーザー光や検出光の透過率
を減少させ、レーザー光の照射量や反射光量が不十分と
なって測定に支障が出たり、ひどくなるとセンサー自体
を破損する場合もある。
クーラントノズルがパスライン上下に設置されているミ
ルスタンド間では、ストリップクーラントによる鋼板冷
却時には、鋼板上面においては大量の水のりが発生し、
パスライン下においても、スプレー近くは多くの冷却水
が飛散する。このため、ストリップクーラントノズルに
よる鋼板の冷却時には、前記水のりや飛散冷却水によっ
て測定光路が阻害されるため、レーザードップラー速度
計による測定は困難である。特にパスライン上方からの
測定は困難である。
通水する配管や、鋼板の通板安定化のために上下の出口
ガイド・サイドガイドが、また、鋼板の張力制御のため
にルーパが設けられており、また、これら構造物自体が
可動式となっているものもある。従って、構造物がレー
ザー光路の妨げとなったり、空間的にレーザードップラ
ー速度計を設置する余裕のある部分が限られてしまう。
ラー速度計を設置して通板速度の測定を行う場合、ロー
ルクーラントからの大量の冷却水や水乗りのない鋼板表
面を確保することは難しい。特に、ミルスタンドの出側
直近に配置される出口下ガイドに測定孔を設け、パスラ
イン下方から鋼板下面を観測して測定を行う場合、出口
下ガイド上には、ロールクーラントノズルを発生源とす
る大量の冷却水が流れているので、測定のために設けた
測定孔より冷却水が流入してしまい、噴出しているパー
ジ用エアーによって流入した冷却水が測定光路内に巻き
上げられ、レーザー光路が阻害されて測定不能となる。
この出口下ガイドは、ワークロールの交換時、ワークロ
ールから離れるように斜め上方に移動動作するため、出
口下ガイド上を流れる冷却水の影響のなくなる鋼板直近
まで、パージノズルを延長することは不可能である。
の多い環境下で、センサーの故障を防ぎ、且つ、メンテ
ナンスが容易なこと。スペースの限られた空間へ設置す
るため、レーザードップラー速度計の動作不良時におけ
るセンサー交換やメンテナンス(速度計窓クリーニング
等)が非常に大変であり、周辺の粉塵や水蒸気からセン
サー本体を護るため、高流量・高流速のエアーパージを
用いることが多いが、保全日等に作業員がミルスタンド
間にはいるとき、安全対策が困難である。
ためになされたものであって、熱間仕上げミルスタンド
間において、コイルの最先端から最後尾までの全長に亘
る通板速度を、レーザードップラー速度計を用いて安定
して測定することができる熱延鋼板の通板速度測定装置
及びこの装置を用いた測定方法を提供することを目的と
している。
ために、本発明に係る熱延鋼板の通板速度測定装置は、
以下のような特徴を有している。圧延中において、ルー
パ角度変動時の鋼板傾き・パスライン変動による受光光
量減少時の測定不良を防ぐため、レーザードップラー速
度計を、予想されるルーパ角度変動による鋼板角度変動
域のほぼ半分の角度だけ同方向に傾けて設置することに
よりルーパ角度変動による受光光量変動を抑制する。ま
た、必要に応じて、ルーパ角度変動による鋼板パスライ
ン変動幅が100mm以内となる場所に設置することと
している。
の通板速度を測定する、ミルスタンド間に配置されたレ
ーザードップラー速度計を用いて、検出した受光生信号
中の低周波ノイズをカットすべくハイパスフィルター若
しくはバンドパスフィルターを設け、このフィルターの
カットオフ周波数を50kHzとしたり、必要に応じ
て、熱延鋼板停止時の速度を測定できるように、片方の
レーザ光を変調したレーザードップラー速度計を採用す
ることとしている。
ザードップラー速度計は熱間仕上げミルスタンド間にお
いて、光路阻害や故障が生じなければ、安定した計測を
行うことが可能となり、上記した課題1は解決される。
定光路を確保するために、まずレーザードップラー速度
計の窓部を保護することを目的として、レーザードップ
ラー速度計における測定対象となる鋼板側にパージノズ
ルを設けて、レーザードップラー速度計の光軸とほぼ同
軸に鋼板に向けてパージ用エアーを噴出し、鋼板表面に
パージ用エアーを衝突させ、パージノズルと鋼板の間に
できたパージ領域を測定光路とする。
有するミルスタンドでは、ミルスタンド間に配置された
ルーパを挟んでストリップクーラントノズルと反対側に
設置することとした。
の都合に応じて、ミルスタンドの出側に配置された出口
下ガイドの下方に速度計を設け、パスラインの下面から
測定を行うこととし、出口下ガイドに測定光路となる隙
間や孔が開いていない場合には、測定を行うための測定
孔を設けて測定を行うこととした。また、必要に応じ
て、測定孔に筒体を設けたり、それに加えて、筒体にパ
ージノズル先端を1cm以上挿入したり、少なくともノ
ズル先端部をゴム製のものとしたりする。測定孔を設け
て測定を行う場合、ワークロールを冷却したクーラント
を、駆動側又はワーク側のどちらか一方に向かって流
し、前記クーラントの流れと反対の側に偏心した位置に
設けて行う。
ザードップラー速度計は、熱間仕上げミルスタンド間に
おいて、光路阻害が無く、安定した測定が可能となり、
上記した課題2は解決される。
ところに設置するレーザードップラー速度計について
は、周辺環境からセンサー本体を護るため、外箱と内箱
からなる内外二重構成された環境箱の内箱に、レーザー
ドップラー速度計を内装する方式を採用することとし、
必要に応じて、外箱は、側壁の所定位置に測定時におけ
るパージ用エアーの供給部を、底面に開閉可能な水抜孔
を、天井にパージ用エアーの噴出部を兼ねたレーザー光
路を設け、また、内箱は、天井に開閉可能な蓋を、側壁
の所定位置或いは底面に非測定時におけるパージ用エア
ーの供給部を設けることとする。また、メンテナンスを
容易にすべく、外箱の天井を取外し可能な構成とする。
水飛散や粉塵の多い環境下で、センサーの故障を防ぎ、
且つ、メンテナンス性を確保できるので、上記した課題
3は解決される。
前に、まず、レーザードップラー速度計の基本原理と熱
間仕上げミルの構成について説明する。図1に一般に鋼
板速度測定に用いられるレーザードップラー速度計の構
成を示した模式図を示す。検出器を備えたセンサーへッ
ド1aと、周波数測定器1bを具備した構成のレーザー
ドップラー速度計1において、センサーヘッド1aか
ら、周波数F(Hz)の2本のレーザー光を移動中の例
えば鋼板2の表面で交差するように照射する。
ップラー効果により、片方の反射光の周波数は、下記数
式1に示すFD だけ増加し、もう片方の反射光の周波数
は、FD だけ減少する。ここで、測定対象すなわち圧延
中の鋼板2の速度をVS 、レーザー交差角を2φ、レー
ザー光の波長をλ、ドップラーシフトをFD (Hz)、
速度計光軸と鋼板表面の法線方向となす角をθとしてい
る。従って、ドップラー周波数FD 、φ、θがわかれば
鋼板2の速度VS を求めることができることになる。
ー光の交差部に存在するとき、これらの反射光を受光光
学系で検出器(センサーヘッド1a)に導き、受光して
電気信号に変換すると、この電気信号中には、受光光の
強さに比例する直流信号(一般に直流信号と思われてい
る)と、上記数式1に示すドップラー周波数2FD の交
流信号(以下、「ドップラー信号」という)が存在する
(図2参照)。
となるのは、2つの反射光のビート信号が検出されてい
るためである。この検出器(センサーヘッド1a)で検
出された信号は、微弱な信号であるため、増幅器で増幅
された後、周波数測定器1bで、ドップラー信号周波数
を測定され、上記数式1により鋼板速度に換算される。
象である、熱間仕上げミルスタンド間の設備構成につい
て説明する。図3は熱間仕上げミルのあるミルスタンド
からその次のミルスタンド間の模式図を示す。熱間仕上
げミルは6〜7台のミルスタンド3を有しており、鋼板
2をそのミルスタンド3中に通板して順次圧延し、最終
ミルスタンド出口で製品目標厚みに調整される。このた
め、下流のミルスタンドに行くほど、板厚は薄くなり、
通板速度は増加していく。また、目標厚の厚い鋼板ほ
ど、通板速度は遅くなる傾向にある。
ロール3a及びバックアップロール3bを有している。
図3中に示したこれらのミルスタンド3,3間に配置さ
れる以下の装置は、鋼板2を正しくワークロール3a,
3a間に噛み込ませ、通板するための誘導装置としての
役割を持っている。
ロール3aの出側直近に配置された出口ガイド4は、鋼
板2がワークロール3aに巻き込まれないようにし、且
つ、先端部のロール接触部にてロールクーラントによる
冷却水が出口ガイド4上に流れ込まないようにする機能
を有している。
置されるルーパ5は、鋼板2の下面と接するルーパロー
ル5aと、ルーパロール5aを支持するルーパアーム5
bとで構成され、ルーパアーム5bの角度(以下、「ル
ーパ角度」という)を調整することにより、ミルスタン
ド3,3間の鋼板2に適切な張力を与え、各ミルスタン
ド3,3間の圧延状態を安定化させる機能を有してい
る。このルーパ角度の変動より、通常の圧延時において
は、鋼板2の角度にして約5°、ルーパロール5a直近
においてパスライン変動量は最も大きくなり、その変動
量は約200mmとなる。
っているサイドガイド6は、圧延中の鋼板2をセンター
に誘導して、ワークロール3aの正しい位置に鋼板2を
噛み込ませ、鋼板2の横振れを防いで、曲がりや絞り込
みを発生させないような機能を有する。
間仕上げミルスタンド間において、レーザードップラー
速度計を安定動作させることが可能となる原理について
説明する。
度計が、どの程度の鋼板傾き・パスライン変動であれ
ば、適用可能であるかをオフラインで調査した。一般に
熱間で使用され市販されているレーザードップラー速度
計は、焦点距離は1000mm、ビーム径はφ8mm程
度で、交差角は1.5°、測定範囲は1〜5000mp
mである。このような仕様のレーザードップラー速度計
を用いて、オフラインにて評価試験を実施した。試験
は、図4に示すような、回転する角度が可変なスチール
ベルト7にレーザードップラー速度計1のレーザー光を
照射するスチールベルト回転装置を用いて行った。
置を用いて行った評価試験の結果、すなわち板角度がド
ップラー信号の振幅に及ぼす影響を示したものであり、
この図5より、板角度を変えると、ドップラー信号の振
幅が減少し、垂直時における振幅強度の約1/3にまで
減少すると、測定不良が発生するため、安定な計測を行
うためには、垂直時の1/2程度のドップラー振幅強度
が必要であることが判った。これは、鋼板の傾きによっ
て受光光量が減少することが原因である。
ーザードップラー速度計から見た板角度変動幅を最小に
すべく、コイルを全長に亘って圧延する際の最大板角度
変化の半分の角度(例えば2.5°)だけ、センサーヘ
ッドを予め同方向に傾けて設置することが効果的であっ
た。これが、請求項4の熱延鋼板速度測定装置である。
回転装置を用いて行った評価試験の結果、すなわちレー
ザードップラー速度計から測定対象(スチールベルト)
までの距離Lが変化したときの、ドップラー信号の振幅
への影響を示したグラフである。図中○印は板角度が0
°のもの、●印はオンラインでの最大変動量に相当する
2.5°傾いたときの結果をそれぞれ示している。
傾いた状態では、正常測定可能なパスライン変動幅は傾
いていない時(0°時)に比べ大きく限定されるため、
ルーパロール直近のパスライン変動幅が200mmにも
及ぶところには設置できない。一方、パスライン変動幅
はルーパロールから遠ざかるに従って小さくなるため、
レーザードップラー速度計を、ミルスタンドの入側又は
出側に設置すれば、コイル最先端からコイル最後尾まで
の全長に亘って通板速度を測定することができるように
なる。
った評価試験の結果では、図6に示すように、板角度が
2.5°傾いた時のレーザードップラー速度計の許容パ
スライン変動幅は100mmであることから、パスライ
ン変動幅が少なくとも100mm以内になるところに設
置する必要がある。そこで、ミルスタンドの入側又は出
側の、パスラインの変動幅が100mm以内となる位置
に設置すれば、コイル最先端からコイル最後尾までの全
長に亘って通板速度を測定することができるようにな
る。これが請求項6の熱延鋼板の通板速度測定装置であ
る。
向とレーザードップラー速度計の光軸とのなす角がθだ
け傾いた場合、速度測定値は、1−cosθ分だけ小さ
く測定されるので、この測定値にルーパ角度実績より、
鋼板の傾いた角度θを算出し、レーザードップラー速度
計による測定速度値に1/cosθを乗じた補正を行う
ことにより、ルーパ角度変動による測定誤差を抑制でき
る。これが請求項5の熱延鋼板の通板速度測定方法であ
る。
において、レーザードップラー速度計により検出した信
号の内、低周波をカットするハイパスフィルター若しく
はバンドパスフィルターを設けるのは、次の理由によ
る。
動は、鋼板で反射して戻ってくる光量の時間的変化をも
たらし、一般に直流と思われているが、ばたつきや振動
の周期に応じて変化し、ドップラー信号に合わさってノ
イズとなる。図7(b)はオフラインにおいて、回転す
るスチールベルト表面を測定させた状態で、スチールベ
ルトをばたつかせた場合の、レーザードップラー速度計
の検出部で検出された信号波形を示している。図7
(a)に正常な状態での信号波形を示しているが、この
図7(b)に示したように、圧延する鋼板がばたついた
時にはノイズが正常波形に合わさって発生するので、ド
ップラー周波数がうまく測定できず、測定ミスにつなが
る。
きにより、同様な低周波のノイズ波形が発生しているの
か否かを確認するために、実際にレーザードップラー速
度計をオンラインに設置し、調査を行った。調査内容
は、板厚ごとに測定不良が生じ始める板角度を調べた。
板厚ごとに整理するのは、板厚の薄い物ほどばたつく傾
向にあるためである。
ほど、小さい角度変動から測定成功率が低下する、すな
わち、小さい板角度変動にて測定不良が生じ始めること
が判る。なお、測定成功率とは、一定時間内において複
数回ドップラー波形を測定した内の、測定に成功した率
(ドップラー波形が潰れて測定できないものを除いたも
の)を表したものである。
図9に示す。図9(a)は板厚の薄い鋼板を圧延してい
る時のドップラー波形、図9(b)は板厚の厚い鋼板を
圧延している時のドップラー波形である。この図9よ
り、実際にオンラインに設置した場合の結果も、オフラ
インにて再現した波形と類似していることが判る。この
ことは、板厚が薄いほど鋼板はばたつきやすい傾向にあ
り、薄い鋼板ほどS/Nが悪く、ドップラー周波数測定
に不良が発生しやすくなっていることを示している。ま
た、この調査により、このノイズは、0〜50kHzの
周波数域に存在していることが判明した。
は、ミルスタンド間に配置され、圧延中における熱延鋼
板の通板速度を、光のドップラー効果を利用して測定す
るレーザードップラー速度計を用いて測定する装置であ
って、前記レーザードップラー速度計により検出した信
号の内、低周波域をカットするハイパスフィルター若し
くはバンドパスフィルターを設けたものである。これが
請求項1の熱延鋼板の通板速度測定装置である。
ズの周波数帯域は、高くとも50kHzであるので、ノ
イズを除去するハイパスフィルター若しくはバンドパス
フィルターとして、50kHz以下をカットするものを
選定すれば、鋼板のばたつきによる影響を除去すること
ができる。これが請求項2の熱延鋼板の通板速度測定装
置である。
ードップラー速度計は、速度に比例したドップラー信号
周波数を測定することにより、速度を算出するという原
理となっていることから、レーザードップラー速度計の
内部では、測定された周波数に、予め求めておいた係数
を掛けて速度を算出してしまう。
は、レーザー交差角、波長により決まり、レーザー交差
角が小さいほど、この係数は大きくなる。従って、上記
したように50kHz以下をカットするフィルターを入
れた場合、50kHz以下にドップラー周波数が生じる
ような低速度域において、レーザードップラー速度計は
測定不能となる。
鋼板ほど通板速度が遅くなること、厚い鋼板ではばたつ
きは発生しにくいことを考慮すると、予めだいたいの通
板速度が判っていれば、それに合わせて、周波数フィル
ター範囲を選定すれば、低速度域から測定が可能とな
る。それを実現する方法として、以下の方法がある。
の周速度VR にくらべ大きくなる。この速度増加量を先
進率といい、この速度増加量は、ミル前後の張力や圧下
率にも依存するが、一般に最大で20%となるため、下
記の数式2で示す関係が導かれる。
り、θが0°の場合、下記の数式3に示すような、ワー
クロールの周速度VRに応じた周波数フィルター帯域を
設定すれぱ、ドップラー信号のみを抜き出すことが可能
となる。
nφ/λ
ー速度計の場合、レーザー交差角φは1.5°、レーザ
ー光の波長λは0.8μm程度であるので、ワークロー
ルの周速度VR (m/s)とドップラーシフトFD (H
z)の関係は、 65442VR <FD <78530VR となる。
更可能な調整器を設け、この調整器によって、ミルスタ
ンドのワークロール周速に応じて、上記した関係に基づ
いて周波数フィルター帯域を変更すれば、より効果的に
低周波ノイズを除去することができるようになる。
常のレーザードップラー速度計より、高コスト、センサ
ーヘッドが大型化するという問題点はあるが、一般に静
止状態を測定すべく開発された片方のレーザー光の波長
を変調したレーザードップラー速度計を用いることによ
り、完全な対応が可能である。
ップラー速度計1の原理図を示す。通常のレーザードッ
プラー速度計と異なるのは、片方のレーザー光周波数を
F(Hz)とすると、もう片方をF+FM (Hz)とF
M だけ変調してある点である。こうした場合、レーザー
ドップラー速度計1の検出器(センサーヘッド1a)に
て観測される信号は、FM +2FD (Hz)となり、F
M >50kHzとなるように変調しておけば、フィルタ
ーにより低周波領域をカットしても、低速度から測定が
可能となる。
ように、片方のレーザ光を変調したレーザードップラー
速度計を採用した場合には、低い周波数から測定する必
要が無くなるので、ハイパスフィルターやバンドパスフ
ィルターによって完全に低周波ノイズを除去することが
できる。これが請求項3記載の熱延鋼板の通板速度測定
装置である。
して低速度域から精度良く測定する方法は、熱間仕上げ
ミルのみならず、リバース式の圧延機や、低速で圧延・
搬送されるライン、連続鋳造機などの低速状態を測定す
る場合に効果があるのは言うまでもない。しかしなが
ら、これまで、熱間仕上げミルにて、全コイル、全長に
亘る測定が困難であったのは、市販のレーザードップ
ラー速度計は低速領域から測定範囲をとっているために
低周波ノイズを除去できなかったこと、途中で鋼板が
静止することのない熱間仕上げミルのような連続圧延機
では静止状態が測定可能なレーザードップラー速度計は
用いられなかったこと、が大きな要因であることが判
る。
ンド間にレーザードップラー速度計を設置して、安定し
た測定が可能となることがわかる。一方、熱間仕上げミ
ル環境下では、ロールや鋼板の冷却のために大量の冷却
水が使用される。また、高温の鋼板表面からは鉄酸化物
であるスケールが剥がれ、大小の粉塵となって雰囲気環
境に充満する。これらからセンサー自体を保護し、且
つ、レーザードップラー速度計のレーザー通過光路及び
検出光路を確保する必要がある。
て、特に環境のひどいところにセンサーを配置する場
合、センサーを保護するため、センサーヘッドを強固な
環境箱内に配置し、その環境箱の鋼板面側の光学窓部に
孔をあけて、光学的に透明、且つ、霧状水滴・水・スケ
ール・粉塵等の外部雰囲気が環境箱内に侵入してこない
よう、その孔から速度計光軸と同軸のエアーパージを行
うべく鋼板面側にパージノズルを設けた。そして、その
パージ用エアーの流速は、可能な限り大きくする。それ
は、スケール等がパージ用エアー内に侵入した場合に吹
き飛ばされるようにすることと、水が侵入した場合は、
空気抵抗により細かく水滴に砕き、下流に押し流すよう
にするためである。これが請求項1記載の熱延鋼板の通
板速度測定装置である。
鋼板を冷却して製造時の目標温度に制御するために、鋼
板に向けて冷却水を吹き付けるストリップクーラントノ
ズルがパスラインの上下に配置されている場合がある。
上記したレーザードップラー速度計の都合上、ミルスタ
ンド入り側もしくは出側の直近にしか取り付けができな
いため、ストリップクーラントノズルが取り付けられた
ミルスタンドでは、ルーパを挟んでストリップクーラン
トノズルと反対側のパスライン下面に設置することが有
効である。
れたストリップクーラントノズルから噴出された大量の
冷却水については鋼板が屋根代わりとなり、パスライン
下方にある速度計光路には回り込むようなことはないの
で、光路を阻害しない。また、パスライン下方に設置さ
れたストリップクーラントからの冷却水は、ルーパアー
ムによって遮られるため、レーザードップラー速度計の
光路内へは侵入しない。また、この方法によれば、パス
ライン下の基礎にレーザードップラー速度計を固定でき
るので、振動による影響を最小限に抑えることができる
という利点も有する。これが請求項7の熱延鋼板の通板
速度測定装置である。
位置は、設置スペースの都合や、ストリップクーラント
の有無により決まってくるが、ミルスタンド出側に設置
した場合、次のミルスタンドへの噛み込みまでの様なコ
イル最先端部からの測定が可能となったり、出口下ガイ
ドが本発明の通板速度測定装置(レーザードップラー速
度計)を護るプロテクターとなるので、圧延トラブル時
の破損を起こしにくいという利点を有する。
出口上ガイドと出口下ガイドからなる出口ガイドが備わ
っている。出口ガイドの構造にもよるが、一般に、出口
下ガイドには、レーザー光路を確保できるような隙間を
有していないため、出口下ガイドに測定用の孔を設ける
必要がある。この測定孔を通してパスライン下面から鋼
板の通板速度を測定すべく、出口下ガイドの下方に、レ
ーザードップラー速度計を設置すれば、測定光路が得ら
れ、且つ、上記の発明を実現可能なようになる。これが
請求項8の熱延鋼板の通板速度測定装置である。
ルスタンドに非常に近いため、出口下ガイドの上面、下
面にはロールクーラントによる冷却水が大量に流れ、且
つ、飛散している。特に出口下ガイドの上面は、大量の
冷却水が流れていることが、実際の熱間仕上げミルの操
業状況を観察することにより明らかになった。従って、
上記したように、出口下ガイドに測定孔を設けた場合に
は、出口下ガイド上を流れてきた冷却水が測定孔に流入
し、測定不良を発生させる原因になる。
とならないような位置まで、レーザードップラー速度計
の環境箱に設けたパージノズルの先端を、測定孔を貫通
させて出口下ガイドの上面まで延長すればよいのである
が、この出口下ガイドは、ワークロール交換時に斜め上
方に移動するような構造となっているので実現できな
い。また、より詳細な調査により、この大量の冷却水
は、ロールクーラントであり、ミルスタンドの入り側か
ら鋼板の両サイドのワークロール隙間を介して出口下ガ
イド上に流入してくることも判った。
ントは操業に必要であり、その冷却水量を少なくするこ
とはできない。従って、この課題を解決すべく、出口下
ガイドの上面に水抜き孔を開口したり、出口下ガイド上
を流れてくる冷却水を誘導する溝を掘るなど、試行錯誤
して、いろいろな方法を試したところ、以下に示す方法
がもっとも効果的であることが判った。
流入を、ワーク側、駆動側のどちらかに集中させる方法
である。例えばロールクーラントノズルの先端を駆動側
又はワーク側のどちらかに向けて設置したり、また、ロ
ールクーラントノズルとしてフラットスプレーを使用
し、回転するワークロールに吹き付けた時に駆動側又は
ワーク側のどちらかに、ロール表面の回転によって水が
はじかれるようにスプレー設置角度を調整すれば、ロー
ルクーラントは駆動側又はワーク側のどちらか一方に集
中する。このような条件下で、このクーラントの流れと
反対の側に偏心した位置にレーザードップラー速度計の
測定孔を設け、パスライン下方から鋼板速度を測定する
ようにすれば、出口下ガイド上を流れる大量の冷却水が
測定光路に流入し、測定不良となることを抑制できる。
これが請求項12記載の熱延鋼板の通板速度測定方法で
ある。
としても、若干の冷却水は測定孔に流入することが判っ
た。そこで、この出口下ガイド上を流れる若干の冷却水
の対策を行うべく、オフラインにおいて、実際の出口下
ガイドと同じ寸法の模型を作成し、実際に水を流してそ
の対策方法の検討を行った。
す。鋼板や出口下ガイドの模型は水の流れや挙動を観察
すべく、透明アクリルにて作成した。装置の構成として
は、レーザードップラー速度計を構成するセンサーヘッ
ドを収納する環境箱に模擬した模擬センサー箱8の上面
に設けたパージノズル9よりパージ用エアー10を噴出
させ、模擬出口下ガイド11内に設けられた模擬測定孔
11aを通して、模擬鋼板12にパージ用エアー10を
衝突させている。
設けた水ノズル13により、模擬測定孔11aに向けて
水14を流す。模擬鋼板12の上部に配置したレーザー
光源15より発生したレーザー光は、パージ用エアー1
0の中心軸を通り、模擬センサー箱8の下方に設けたフ
ォトダイオード16にて検出される。この検出された光
量をモニターすることにより、パージ用エアー10内で
のレーザー透過率が判り、故に、パージ用エアー10内
への水の侵入状況を把握できる。なお、図11中の17
は水槽を示す。
ろいろと検討したところ、模擬出口下ガイド11の模擬
測定孔11a内へ水14が流れ落ちる部分と、パージ用
エアー10の通過する部分を分け隔てる筒体を模擬測定
孔11a内に設け、それに加えて、パージノズル9の先
端を筒体に1cm以上挿入した状態とした場合には、模
擬測定孔11aの下面とパージノズル9の先端との隙間
から水14を巻き込まなくなり、模擬出口下ガイド11
上を流れる水14が光路内へ侵入するのを防ぐことが可
能であることを見いだした。
装置での実験結果を用いて説明する。まず、現状の状態
を認識すべく行った実験結果を図12に示す。図12
(a)は、そのときの水の挙動を示している。模擬出口
下ガイド11の上面を流れてきた水14は、模擬測定孔
11aに流入してそのままパージ用エアー10に流入
し、レーザードップラー速度計の測定光路を阻害する。
この時のレーザー透過率を図12(b)に示すが、水1
4の流入によりレーザー透過率が大きく変化しているこ
とが判る。
模擬測定孔11a内にパージエアー用の通路と、模擬出
口下ガイド11上を流れる水14の流れ落ちる部分を、
筒体18によって隔てた場合の水14の挙動を示す。模
擬出側下ガイド11に設けた模擬測定孔11aに、模擬
センサー箱8の天井に設けられたパージ用エアー10の
噴出部を兼ねたレーザー光路よりも大きな筒体18を設
けた場合、模擬測定孔11aに流入した水14は、模擬
測定孔11aと筒体18の間を流れ落ちることになるこ
とが理解できる。これが請求項9記載の熱延鋼板の通板
速度測定装置である。
ージを行うと、模擬出口下ガイド11の模擬測定孔11
aと筒体18の間を通って流れ落ちてきた水14は、図
13(a)に示したように、巻き込みを生じてレーザー
光路に侵入してくる場合がある。このような場合、図1
3(b)に示したように、レーザー透過率が変動して、
レーザードップラー速度計による測定に影響を及ぼす。
なお、図13(b)は模擬測定孔11aの下面と模擬セ
ンサー箱8の天井に設けられたパージ用エアー10の噴
出部を兼ねたレーザー光路の出口部との問隔が2cmの
場合の実験結果である。
ジノズル9の先端を延長していく方法を採ったところ、
模擬出口下ガイド11内の模擬測定孔11aに設けた筒
体18内に1cmまで先端を延長したところで、上記し
た巻き込みを完全に抑えることができることを、本発明
者は図11に示したオフラインの再現試験装置を用いた
テストで確認した。このテストの場合の状況を図14
(a)に示すが、模擬測定孔11aと筒体18の間を通
って水14が流れ落ちてきても、この水14がパージノ
ズル9に巻き込まれることはない。また、図14(b)
にレーザー透過率を示すが、レーザー透過率は変動せ
ず、透過率100%を保持することは明らかである。こ
れが請求項10記載の熱延鋼板の通板速度測定装置であ
る。
交換時、斜め上方に数十cm移動する。従って、この請
求項10記載の熱延鋼板の通板速度測定装置において、
パージノズルの少なくとも先端部を、例えば耐熱ゴム製
で製作すれば、ワークロールの交換時、出口下ガイドを
斜め上方に数十cm移動した際、パージノズルと干渉し
ても設備機材は破損せず、また、ワークロールの交換完
了後、出口下ガイドを元の位置に戻した場合には、パー
ジノズルの先端は筒体の内部に位置することになる。こ
れが請求項11記載の熱延鋼板の通板速度測定装置であ
る。
期に亘って安定して使用するには、保全日やレーザード
ップラー速度計を使用しない時、レーザードップラー速
度計を破損しないよう配慮する必要がある。そのために
は、環境箱を二重構造とし、そのうちの内箱にレーザー
ドッブラー速度計を内装することが好ましい。これが請
求項13の熱延鋼板の通板速度測定装置である。
におけるパージ用エアーの供給部を、底面に開閉可能な
水抜孔を、天井にパージ用エアーの噴出部を兼ねたレー
ザー光路を設け、内箱は、天井に開閉可能な蓋を、側壁
の所定位置或いは底面に非測定時におけるパージ用エア
ーの供給部を設けた構成とし、測定時は、供給部から外
箱に供給されたパージ用エアーを、天井の噴出部を兼ね
たレーザー光路から噴出させて測定を行う。また、非使
用時は内箱のみパージする。
度計のリモートシャッターはスケール等の影響を受けず
に安定して作動し、かつ、保全日等は少量のエアーパー
ジしか行わなくてすむので、作業員の安全が図れ、か
つ、エアー消費量を少なくすることができる。これが請
求項14記載の熱延鋼板の通板速度測定装置である。
度測定装置において、外箱の天井を取外し可能な構成と
した場合には、レーザードップラー速度計の窓クリーニ
ング等のメンテナンスや、レーザードップラー速度計が
動作不良等の場合に、交換が容易に行えるようになる。
これが請求項15記載の熱延鋼板の通板速度測定装置で
ある。
に基づいて説明する。図15は本発明に係る熱延鋼板の
通板速度測定装置の一実施例を示す概略説明図、図16
は図15における環境箱の構造を説明する図、図17は
図15における出口下ガイドの測定孔とノズルとの相対
位置関係を説明する図、図18は出口下ガイドに設ける
測定孔の設置位置の説明図で、(a)は斜視図、(b)
は平面図である。
ンド間に配置された本発明に係る熱延鋼板の通板速度測
定装置であり、本実施例ではミルスタンド間に配置され
たルーパ22を挟んでストリップクーラントノズル23
と反対側における、ミルスタンドの出側直近に配設され
た出口下ガイド24の下方に設け、出口下ガイド24に
設けた測定孔24aを通してパスライン下面から圧延中
における鋼板25の通板速度を測定するものを示してい
る。
中における鋼板25の通板速度を測定する図1に示した
構成のレーザードッブラー速度計(以下、単に「速度
計」という)であり、センサーへッド26a内の2方向
から鋼板25に向けてレーザー光線を照射し、鋼板25
で反射したレーザー光線を、センサーへッド26a内の
光検出器で検出した後、例えばバンドパスフィルター2
7で50kHz以下の低周波ノイズをカットして周波数
測定器26bに送る。
点距離が1000mm、焦点深度が±100mm、波長
が0.78μm、交差角が1.5°の仕様のものを使用
する。これらの仕様は、適用対象のミルスタンド及び設
置位置に応じて適切なものを選べばよい。また、50k
Hz以下の低周波ノイズをカットできるものであれば、
ハイパスフィルターでも良い。このカットオフ周波数は
50kHz以下をカットできればよいので、この領域を
カットできるよう100kHz以下をカットするフィル
ターでもかまわない。
ー設定を行う場合は、例えばワークロールに設置された
ロータリーエンコーダの出力を、速度計26のフィルタ
ー切り替え器に導入して行う。静止状態が測定可能な速
度計26を用いる場合は、一般に市販されている、例え
ば片方のレーザー光が40MHz変調されているものが
使用できる。
ル23はルーパ22の出側に設置してあり、また、ミル
スタンドの入り側では、速度計26を設置するスペース
が無かった。そのため、ミルスタンドの出側直近に配設
された出口下ガイド24の下方に速度計26を設置する
こととした。このような位置に速度計26を設置するこ
とにより、ストリップクーラントノズル23やロールク
ーラントノズル35からの水の影響を防ぐことができる
と共に、圧延トラブル時の破損を起こしにくくなる。ま
た、基礎に固定できるので振動による影響を最小限に抑
えることができる。
ントノズル23やロールクーラントノズル35を設置し
ていないスタンドでは、鋼板25上にある若干の水を除
去するために、エアーパージや水スプレーを設置すれ
ば、パスラインの上方からの測定も可能である。また、
次のミルスタンドへの噛み込みまでのコイル最先端での
測定を必要とせず、且つ、パスラインの下方に速度計2
6を設置可能なスペースがあれば、ミルスタンドの入り
側のパスライン下方に取り付けてもよい。
うミルスタンド間距離は約5mであり、ほぼ中間部にて
ルーパロール22aを鋼板25の下面に押しあて、ルー
パアーム22bにおけるルーパロール22a側を上下方
向に動かすことにより、圧延中の鋼板25の張力制御を
行っている。このミルスタンドでは、通常圧延時におい
て、ルーパロール22a位置でのパスライン変動幅は約
200mmであるので、鋼板25の角度変動は約5°に
なる。そのため、鋼板25の傾きと同じ方向に速度計2
6の光軸を、2.5°傾けて設置することとした。ま
た、設置位置は、パスライン変動幅が±50mm以内に
はいるよう、ミルスタンド出側のミルセンターから約1
000mmのところとしている。また速度計26の焦点
深度を有効に利用できるよう、焦点中心が、パスライン
変動幅の中心にくるよう、速度計26の高さを調整して
設置した。
4に設ける測定孔24aは、図18に示したように、パ
スラインの中心より駆動側に例えば200mm偏心した
位置に設け、一方、ワークロール28を冷却するクーラ
ントを噴射するロールクーラントノズル35の先端を、
図示省略したが、ワーク側に向けて設置することで、下
側に位置するワークロール28を冷却したクーラントが
ワーク側に向けて流れ可及的に測定孔24aに流入しな
いようにしたものを示している。なお、図15中の36
は出口上ガイド、37はサイドガイド、38はバックア
ップロールを示す。
サーへッド26aを内装する環境箱であり、図16に示
したように、内箱30と外箱31の内外二重に構成され
ている。この内、内箱30は、その天井に例えばリモー
トコントロールによって開閉可能な蓋30aを取付ける
と共に、底面には非測定時におけるパージ用エアーの供
給口30bを設け、例えば防振ゴム30cを介してセン
サーへッド26aを取付ける構成となっている。
前記内箱30を保持すると共に、側壁の所定位置に測定
時におけるパージ用エアーの供給口31b部を、底面に
はバルブ31cによって開閉可能な水抜孔31dを、天
井31fにはパージ用エアーの噴出口を兼ねたレーザー
光路31eを設けた構成である。また、この天井31f
は例えばビスによって側壁に取付けられ、取外しが可能
なようになっている。
パージ用エアーの噴出口を兼ねたレーザー光路31eに
取付けられた、例えば耐熱温度が200℃のフッ素ゴム
からなる耐熱ゴム製のパージノズルであり、本実施例で
はパージ用エアーを増幅するためのエジェクター33を
介して取付けたものを示している。そして、このパージ
ノズル32の先端は、図17に示したように、出口下ガ
イド24の測定孔24a内に設けた筒体34に、1cm
以上挿入した状態で設置されている。なお、この筒体3
4の内径は、パージノズル32の外径よりも大きいこと
は言うまでもない。
測定孔24aの内径は180mm、筒体34は内径10
0mm、外径120mmであり、パージノズル32は内
径50mm、外径60mmのものを使用している。
が5倍の空気増幅器として動作し、エジェクター33に
2Nm3/minの圧縮空気を供給することにより、供
給口31bより、8Nm3/minのパージ用エアーを
吸引し、環境箱29の上部に取り付けられた、口径φ5
0mmのパージノズル32より、10Nm3/minの
パージ用エアーを噴出する。これにより、パージノズル
32出口での流速は50〜100m/secに及ぶ。
された環境箱29の内箱30に速度計26を内装し、測
定時は、供給口31bから外箱31に供給されたパージ
用エアーを、天井31fの噴出口を兼ねたレーザー光路
31eから噴出させ、他方、非使用時は、供給口30b
から供給されたパージ用エアーで内箱30のみパージす
ることで、速度計26のリモートシャッターはスケール
等の影響を受けずに安定して作動することになる。従っ
て、作業員の安全が図れ、かつ、保全日等は少量のエア
ーパージしか行わなくてすむので、エアー消費量を少な
くすることができる。加えて、本実施例では、外箱31
の天井31fを取外し可能な構成としているので、速度
計26の窓クリーニング等のメンテナンスや、速度計2
6が動作不良等の場合に、交換が容易に行える。
を用いて説明してゆく。まず、速度計26に対して、フ
ィルターを追加した場合の効果であるが、この結果を示
したのが、図19及び図20、図21である。図19は
50kHz以下をカットする周波数フィルターの無い場
合、図20は50kHz以下をカットする周波数フィル
ターがある場合、図21は静止状態が測定可能な速度計
での測定結果を示している。それぞれ、(a)は測定し
た鋼板の速度出力、(b)はそれと同時に出力された測
定成功率を示している。
できるよう、フィルター通過後の信号のうち、何%が有
効な測定に寄与できたかを示す、測定成功率を出力する
レーザードップラー速度計を利用している。測定成功率
が低いほど、精度悪化をもたらす。
ドパスフィルター27を設けないで鋼板25の通板速度
を測定した結果を示すものであり、この場合には鋼板2
5のばたつきに起因する低周波ノイズによって、図19
(b)に示したように、測定成功率が低下していること
が判る。
るバンドパスフィルター27を設けた本発明に係る熱延
鋼板の通板速度測定装置21を使用した場合には、鋼板
25のばたつきに起因する低周波ノイズを効果的に除去
できるので、図20(b)に示したように、測定成功率
は低下せず、安定した測定が達成されている。また、図
21から、静止状態が測定可能なレーザードップラー速
度計でも、同様に安定した計測が可能であることが判
る。
フィルターを追加していないものは、最先端での測定成
功率が低く、フィルターを追加したものは、最先端から
測定成功率が高くなっていることが判る。
水対策を評価するために行った実験の結果を示してい
る。出口下ガイド上を流れる冷却水流対策方法を変え、
それぞれの条件下で、複数のコイルを圧延し、どの程度
の割合で、測定不良が生じるかを調べた結果を調査し
た。レーザードップラー速度計の測定孔を駆動側に20
0mm偏心させて、表1中の方法Aはワークロールクー
ラントの流れをワーク側に集中させ、出口下ガイドの測
定孔内に筒体を設けた場合、方法Bはロールクーラント
の流れを駆動側に集中させ、出口下ガイドの測定孔内に
筒体を設けた場合、方法Cはロールクーラントの流れを
ワーク側に集中させ、出口下ガイドの測定孔内の筒体を
除去した場合、方法Dはワークロールクーラントの流れ
を駆動側に集中させ、出口下ガイドの測定孔内の筒体を
除去した場合の結果を示している。
いて測定不良は発生せず安定した計測ができているが、
方法Bや方法Cでは測定不良となったコイルが3〜4割
存在し、方法Dでは測定不良が生じたコイルが8割以上
存在していることを示している。このことから、出口下
ガイドの測定孔内に筒体を設けることと、ワークロール
クーラントの流れを、駆動側、ワーク側のどちらかに集
中させ、測定孔をそれとは反対の方へ偏心させて設置す
ることにより、出口下ガイド上を流れる冷却水によるレ
ーザードップラー速度計の光路阻害が防止できているこ
とが判る。
板速度測定装置21を用いて鋼板25の通板速度を測定
する本発明方法について説明する。本発明に係る熱延鋼
板の通板速度測定装置21を用いてミルスタンド間にお
いて鋼板25の通板速を測定するに際しては、圧延中に
速度計26を用いて測定するだけで良いのであるが、周
波数フイルター帯域を調整する調整器を備えたもので
は、ミルスタンドのワークロール28の周速に応じて、
先に説明した関係に基づいて周波数フィルター帯域を変
更すれぱ、より効果的に低周波ノイズを除去することが
できるようになる。
うにcosθに近似した量の誤差が生じることから、測
定値にルーパ22の角度突績に応じてcosθの補正を
行ヘば、より測定誤差を抑えることができる。また、圧
延の際の冷却時、下方に位置するワークロール28を冷
却したクーラントを、例えばワーク側に向かって流すよ
うにし、このクーラントの流れと反対の駆動側に偏心し
た位置に設けた測定孔24aを通してパスライン下面か
ら鋼板25の通板速度を測定するようにすれば、測定孔
24aに流れ落ちる冷却水を減少させることができ、こ
の冷却水に起因する測定誤差を防止できる。
1fに設けられたブロアー用エアーの噴出口を兼ねたレ
ーザー光路31eよりも大きな筒体34を設けておけば
効果的であり、また、この筒体34にパージノズル32
の先端を1cm以上挿入しておけぱ、より効果がある。
なお、本実施例では、図17に示すように、測定孔24
aの上面側の角をとり、水が測定孔24a内に流れ落ち
る際に測定孔24aの中心側に飛び出さないようにした
ものを示している。
うにゴム製と成しておけぱ、ワークロール28の交換
時、出口下ガイド24を斜め上方に移動した際にパージ
ノズル32と干渉しても設備機材は破損しない。また、
ワークロール28の交換完了後、出口下ガイド24を元
の位置に戻した場合にも、パージノズル32の先端は筒
体34の内部に位置するようになる。
定方法は、上記した方法の何れかを適宜組合わせても、
また、全てを組合わせても良いことは言うまでもない。
また、本発明に係る熱延鋼板の通板速度測定装置は、上
記した実施例に限らず夫々の構成を単独で、あるいは適
宜組み合わせても良い。
熱延工場の熱間仕上げミルスタンド間のような劣悪な環
境下においても、レーザードップラー速度計を長期に亘
って安定して作動し、しかも精度良く測定することがで
きる。従って、本発明を実施することで、コイルの最先
端から最後尾までを精度良く測定でき、先進率学習制
御、マスフロAGC、セットアップ修正制御に適用でき
る。
ある。
例を示した図である。
図である。
ーザードップラー速度計の評価方法を示す図である。
を示した図である。
影響を示した図である。
ー波形であり、(a)は通常の測定波形、(b)はスチ
ールベルトをばたつかせた場合の波形を示した図であ
る。
測定不良が生じ始めるルーパ角度を示した図である。
り、(a)は板厚の薄いコイルを測定した場合のドップ
ラー波形、(b)は板厚の厚いコイルを測定した場合の
ドップラー波形を示した図である。
度計の構成を示した図である。
るための、オフラインの再現試験装置の概略図である。
口下ガイドに模擬測定孔を開け、模擬出口下ガイド下面
とパージノズルとの間に20mm隙間がある場合の試験
結果を示した図であり、(a)は模擬出口下ガイド上を
流れてきた水の挙動を示す図、(b)はその際のレーザ
ー透過率を示した図である。
口下ガイドに模擬測定孔を開け、模擬出口下ガイド内に
筒体を設け、模擬出口下ガイド下面とパージノズルとの
間に20mm隙間がある場合の試験結果を示した図であ
り、(a)は模擬出口下ガイド上を流れてきた水の挙動
を示す図、(b)はその際のレーザー透過率を示した図
である。
口下ガイドに模擬測定孔を開け、模擬出口下ガイド内に
筒体を設け、模擬出口下ガイドの模擬測定孔(筒体)内
にパージノズル先端を10mm挿入した場合の試験結果
を示した図であり、(a)はガイド上を流れてきた水の
挙動を示す図、 (b)は、その際のレーザー透過率を
示した図である。
一実施例を示す概略説明図である。
ある。
ジノズルとの相対位置関係を説明する図である。
明図で、(a)は斜視図、(b)は平面図である。
ルターを設けないで熱延鋼板の通板速度を測定した結果
の一例を示す図で、(a)は通板速度、(b)はその時
の測定成功率を示す。
ルターを設けた本発明に係る熱延鋼板の通板速度測定装
置を用いて熱延鋼板の通板速度を測定した結果を示す図
で、(a)は通板速度、(b)はその時の測定成功率を
示す。
度計を用いた本発明に係る熱延鋼板の通板速度測定装置
を用いて熱延鋼板の通板速度を測定した結果を示す図
で、(a)は通板速度、(b)はその時の測定成功率を
示す。
Claims (15)
- 【請求項1】 複数のミルスタンドを有する熱間仕上げ
圧延工程において、熱延鋼板の通板速度を測定する装置
であって、光のドップラー効果を利用して通板速度を測
定するレーザードップラー速度計をミルスタンド間に設
置し、このレーザードップラー速度計には、検出した受
光生信号中の低周波ノイズをカットすべくハイパスフィ
ルター若しくはバンドパスフィルターを設け、レーザー
ドップラー速度計の熱延鋼板側に、レーザードップラー
速度計の光軸とほぼ同軸に、熱延鋼板に向けてパージ用
エアーを噴出するパージノズルを設け、このパージノズ
ルから熱延鋼板の表面又は裏面に向けて噴出したパージ
用エアーにより、パージノズルと熱延鋼板の間にパージ
領域を形成し、このパージ領域を測定光路となすように
したことを特徴とする熱延鋼板の通板速度測定装置。 - 【請求項2】 ハイパスフィルター若しくはバンドパス
フィルターは、レーザードップラー速度計により検出し
た受光生信号の内、50kHz以下をカットするもので
あることを特徴とする請求項1記載の熱延鋼板の通板速
度測定装置。 - 【請求項3】 レーザードップラー速度計は、片側のレ
ーザー光の周波数をもう片方のレーザー光の周波数に対
してF M (Hz)だけ変調させた周波数変調型のレーザ
ードップラー速度計を用い、かつ、その変調周波数F M
が50kHz超であることを特徴とする請求項1又は2
記載の熱延鋼板の通板速度測定装置。 - 【請求項4】 レーザードップラー速度計は、予想され
るルーパ角度変動による鋼板角度変動域のほぼ半分の角
度だけ同方向に傾けて設置されていることを特徴とする
請求項1〜3の何れか記載の熱延鋼板の通板速度測定装
置。 - 【請求項5】 請求項1〜4の何れか記載の熱延鋼板の
通板速度測定装置を用いて、圧延中の熱延鋼板の通板速
度をミルスタンド間において測定する方法であって、測
定値に、ルーパ角度実績に応じてcosθの補正を行う
ことを特徴とする熱延鋼板の通板速度測定方法。 - 【請求項6】 レーザードップラー速度計は、ルーパ角
度変動による鋼板パスライン変動幅が100mm以内と
なる場所に設置されていることを特徴とする請求項1〜
4の何れか記載の熱延鋼板の通板速度測定装置。 - 【請求項7】 レーザードップラー速度計は、ミルスタ
ンド間に配置されたルーパを挟んでストリップクーラン
トノズルと反対側に設置されていることを特徴とする請
求項1〜4、6の何れか記載の熱延鋼板の通板速度測定
装置。 - 【請求項8】 レーザードップラー速度計は、ミルスタ
ンドの出側に配置された出口下ガイドの下方に設けら
れ、前記出口下ガイドの隙間、若しくは、出口下ガイド
に設けられた測定孔を通してパスラインの下面から熱延
鋼板の通板速度を測定すべく、出口下ガイドの下方に設
けられていることを特徴とする請求項1〜4、6、7の
何れか記載の熱延鋼板の通板速度測定装置。 - 【請求項9】 出口下ガイドの測定孔内に筒体を設けた
ことを特徴とする請求項8記載の熱延鋼板の通板速度測
定装置。 - 【請求項10】 パージノズルの先端が、出口下ガイド
の測定孔内に設けた筒体に1cm以上挿入した状態で設
置されていることを特徴とする請求項9記載の熱延鋼板
の通板速度測定装置。 - 【請求項11】 少なくともノズル先端部がゴム製であ
ることを特徴とする請求項10記載の熱延鋼板の通板速
度測定装置。 - 【請求項12】 ワークロールを冷却したクーラント
を、駆動側又はワーク側のどちらか一方に向かって流
し、前記クーラントの流れと反対の側に偏心した位置に
設けた測定孔を通してパスライン下面側から熱延鋼板の
通板速度を測定することを特徴とする請求項8〜11の
何れか記載の熱延鋼板の通板速度測定装置を用いた熱延
鋼板の通板速度測定方法。 - 【請求項13】 請求項1記載の熱延鋼板の通板速度測
定装置において、外箱と内箱からなる内外二重構成され
た環境箱の内箱に、レーザードップラー速度計を内装し
たことを特徴とする請求項7〜11の何れか記載の熱延
鋼板の通板速度測定装置。 - 【請求項14】 外箱は、側壁の所定位置に測定時にお
けるパージ用エアーの供給部を、底面に開閉可能な水抜
孔を、天井にパージ用エアーの噴出部を兼ねたレーザー
光路を設け、また、内箱は、天井に開閉可能な蓋を、側
壁の所定位置或いは底面に非測定時におけるパージ用エ
アーの供給部を設けたことを特徴とする請求項13記載
の熱延鋼板の通板速度測定装置。 - 【請求項15】 外箱の天井を取外し可能な構成とした
ことを特徴とする請求項13又は14記載の熱延鋼板の
通板速度測定装置。
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