JP3517935B2 - 曲げ加工装置 - Google Patents

曲げ加工装置

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JP3517935B2 JP05541394A JP5541394A JP3517935B2 JP 3517935 B2 JP3517935 B2 JP 3517935B2 JP 05541394 A JP05541394 A JP 05541394A JP 5541394 A JP5541394 A JP 5541394A JP 3517935 B2 JP3517935 B2 JP 3517935B2
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  • Bending Of Plates, Rods, And Pipes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、真直なワークを所定の
角度に曲げ加工する方法及び、その装置に関する。 【0002】特に、パッケージエアコンの熱交換器の曲
げ加工方法及びその装置に関する。 【0003】 【従来の技術】従来のワークの曲げ加工方法としては特
開平2−71091号公報に記載のように、ワークを所
定の位置まで供給し、曲げたい箇所に所定の曲げ半径の
曲げ型を当てがい、曲げ型を挾んだ両側のワークを把持
または支持して、曲げ型にワークを沿わせて押しあてる
ように一方もしくは両方の把持部材を曲げ型中心に回転
移動させて所定の角度に曲げるものがあった。具体的に
は、ワークを縦に供給して、曲げ型を所定の曲げ箇所の
横に当てがい、ワークの下端を支持して、ワークの曲げ
型より上の部分を曲げ型の中心を中心に回転移動させて
曲げ型に沿って成形するようにしている。 【0004】また、特開平1−258819号公報に記
載のように、ワークを横に寝かした状態で曲げたい箇所
の上方に曲げ型が位置するように供給し、加工後ワーク
の平面部となる曲げ型の両側をクランプした後に一方の
把持部をアクチュエータを駆動して持ち上げてワークを
曲げ型に沿わせる構造のものがあった。この装置におい
ては、曲げ型を偏心させたり、ワークの端面を加圧して
ワークの曲げ型にかかる力を軽減させる工夫がなされて
いる。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】曲げ型に沿わせてワー
クを所定の曲げ半径、角度に曲げ加工する上記従来技術
は、曲げ型にワークを押しあてるため、薄板フィンの通
孔中に複数本のパイプを通したような座屈しやすいワー
クでは、薄板フィンが倒れたり、つぶれるという問題が
あった。 【0006】また、薄板フィンの通孔中に複数本のパイ
プを通した構造のワークを2枚重ねしたものの場合、同
時に曲げようとするとワーク同志の薄板フィンが干渉し
倒れたり、つぶれるという問題もあった。 【0007】さらに、設計変更に伴って曲げ半径が変わ
った場合、曲げ半径は曲げ型の半径で決まってしまうた
め、高価な曲げ型を造り直さなければならないという問
題もあった。 【0008】本発明の第一の目的は、ワークの曲げ部に
曲げモーメント以外の力をかけずに曲げることにある。
これにより薄板フィンのつぶれや倒れが防止できる曲げ
加工方法及び装置を提供することにある。 【0009】本発明の第二の目的は、同一形状のワーク
を2枚重ねにした場合、その2枚重ねのワークを同時に
曲げ加工する曲げ加工方法及び装置を提供することにあ
る。本発明の第三の目的は、ワークの設計変更に伴って
生じる曲げ半径の変化に対応して数値制御だけで曲げ半
径を変えられる装置を提供することにある。 【0010】本発明の第四の目的は、上記曲げ加工方法
及び装置で加工可能の新構造のワークを提供することに
ある。 【0011】 【課題を解決するための手段】上記第一の目的を達成す
るために、長尺のワークに対し、曲げ箇所の両脇の平面
部を把持する2つの把持機構と、両把持機構のおりなす
角度を変えさせる曲げ機構と、両把持機構を曲げ角度に
応じた距離だけ曲げ機構の中心より法線方向に移動させ
る移動手段とを備えた曲げ加工装置とした。 【0012】また、上記曲げ加工装置において、長尺の
ワークの曲げ箇所の両脇を把持する把持機構のおりなす
角度を変えて曲げる際に、ワークに曲げモーメントだけ
作用し、引張力や圧縮力が作用しないように、把持機構
の位置を制御する手段を設けたものである。 【0013】上記第二の目的を達成するために、同じ姿
勢で2枚重ねた長尺のワークの曲げ箇所の両脇を把持す
る2つの把持機構と、両把持機構のおりなす角度を変化
させる曲げ機構と、両把持機構を曲げ角度に応じた量だ
け曲げ機構の中心より法線方向に移動させる移動手段
と、前記少なくとも一方の把持手段内に、内側と外側の
2枚のワークの相対位置をずらせる手段を設けたもので
ある。 【0014】上記第三の目的を達成するために、把持手
段の位置制御のみで曲げ加工するようにした。この時、
ワークを把持する把持機構の位置と移動手段の移動距離
の制御によって曲げ半径が決定される。 【0015】 【作用】把持手段は、供給されたワークの曲げ箇所を挾
んだ両脇の平面部を把持する。曲げ機構の曲げ回転中心
はワークの中立面内の軸で、曲げ部を2等分する線であ
る。その中心軸を中心に把持手段をワークごと回転させ
る。それにより、把持手段同志のおりなす角度が変化
し、結果としてワークが曲げ加工される。この時、両把
持手段は当初曲げ機構の中心からワークの曲げ半径に応
じた距離だけ等しく離れているが、曲げ加工が進行する
につれて、その距離は曲げ角度に応じて同じだけ変化す
る。その変化する距離はワークを曲げる際、ワークに曲
げモーメントだけがかかる位置となるように制御する。
それにより、ワークの曲げ加工時にワークに曲げモーメ
ントのみ作用することになり、曲げ型なしで曲げ加工が
可能になると共に曲げ半径の変更に数値制御で対応でき
ることになる。 【0016】さらに、2枚のワークを重ねて曲げる場
合、内側のワークと外側のワークに2つの中立面が存在
するため、外側のワークを曲げ角度に応じて直線部を曲
線部に(但し、ワークが平板である場合、直線部は平面
部に、曲線部は曲面部となる。)押し出してやらなけれ
ばならない。そのため、外側のワークの押し出し機構を
曲げ加工部の曲げ角度に応じた量だけ内側のワークとず
らして、曲げ加工部へと供給する。それにより、内側の
ワークと外側のワークの中立面の長さの差を補間し、ワ
ーク同志は干渉することがない。 【0017】 【実施例】以下、本発明の実施例を図1から図9を用い
て説明する。 【0018】図1に本発明の対象製品である天カセ4方
向パッケージエアコン用室内機の基本構成を示す。内側
に断熱材の貼られたキャビネットの中央部には、ファン
モータが固定されており、ファンにより4方向に送風さ
れる。熱交換器はそのファンをロの字形に取囲むように
セットされ、キャビネットの上板とドレンパン(露受
け)に挾まれて固定されている。また、室内機下面には
風向きを決めるフィルタグリルが取付けられ、この面が
天井面となり、キャビネットは天井内に埋め込まれる形
となる。 【0019】図2〜図4に本発明の一実施例の曲げ加工
装置全体の3面図を示す。また図5(a)〜(d)に
は、本発明の実施例での曲げ加工の対象の一例のワーク
の加工前後の状態を示す。図5(a)に示すように、加
工前のワークは厚さ0.115mmの薄板フィンW1が
1.8mmピッチでスタックされた通孔中に複数本のφ
7銅パイプW2を通した後にパイプW2を拡管して固定
したものである。それが一箇所ずつ曲げられ、加工後は
図5(d)に示すように、パイプW2の通る方向にロの
字に曲げられ、端部は固定される。 【0020】図6〜図8は本発明の一実施例の曲げ加工
装置の曲げ加工部のみの拡大図で、曲げ加工部の一連の
動作を示す説明図である。 【0021】図2において図2(a)は、本発明の一実
施例の曲げ加工装置の正面図、図1(b)は平面図、図
1(c)は側面図である。本装置は架台A上に曲げ加工
部B、持上部C、スペーサ挿入部D、ワーク供給位置決
め押出し部E、排出部Fより構成される。 【0022】ワークW0(a)〜W0(b)は把持手段
及び回転手段である、ウィング部B20〜B28、ワー
ク送り出し手段である押出部E1〜E8,E15〜E1
6、及び位置決め部E17〜E25上にセットされ、曲
げ加工部B14〜B19内の曲げ加工中心軸B18〜B
19を中心にウィング部B20〜B28を回転させて曲
げ加工される。この時、ウィング部B20〜B28内の
把持手段である押え部B24〜B28及びテーブル部B
1〜7内の把持手段である押え部B5〜7でワークW0
(a)〜W0(b)をクランプし、曲げ加工時は、ウィ
ング部B20〜B28の回転角度に応じた量だけ曲げ加
工中心軸B18〜B19から離れる方向に移動する。ま
た、送り出し手段である押出部E1〜E8,E15〜E
16もウィング部B20〜B28の回転角度に応じた量
だけ外側ワークW0(b)を曲げ加工中心軸B18〜B
19方向に押出すように移動する。曲げ加工する箇所
は、位置決め部E17〜E25を所定の位置にくるよう
に押出部E1〜E8,E15〜E16上を移動すること
によって決定する。ワーク持上部C1〜C7及びスペー
サ挿入部D1〜D12は、位置決め部E17〜E25と
共に移動し、ワークW0(a)〜W0(b)間の干渉を
防ぐスペーサD5〜D6を挿入する。中間押え部B8〜
B13,E9〜E14はワークW0(a)〜W0(b)
の長さ及びたわみに応じてワークW0(a)〜W0
(b)を支持する。これらのユニット全ては架台部A1
〜A2上に固定される。 【0023】8個のレベルアジャスタA2に支えられた
架台A1上に、テーブル駆動ステージB1とガイド脚B
2上のガイドB3を介してY方向に駆動可能にテーブル
部B4が固定されている。テーブル部B4にはワーク押
出ステージE1を介してワーク押出部E2がY方向に駆
動可能に固定されている。ワーク押出部E2は、ガイド
脚E3上のガイドE4を介して架台A1にも固定されて
いる。さらに、テーブル部B4上には、支持部材B5を
介してテーブル押え上板B6がZ方向に可動に取付けら
れ、空圧アクチュエータB7により駆動する。またテー
ブル部B4には、支持部材B8,B9を介して中間押え
B10,B11が上下可動に取付けられ、空圧アクチュ
エータB12,B13により駆動する。 【0024】一方、ワーク押出部E2上には、支柱E5
を介してテーブル押え下板E6が固定され、テーブル押
え下板E6内には、空圧アクチュエータE7により駆動
する固定供給ステージE8があり、X方向に移動可能に
取付けられている。また固定供給ステージE8内には上
下方向にワークを持上げられる空圧アクチュエータ及び
持上板(図示せず)も固定されている。また、ワーク押
出部E2上には、支持部材E9,E10を介して中間押
えE11,E12がZ方向に可動に取付けられ、空圧ア
クチュエータE13,E14により駆動する。さらに、
ガイドE15を介してワークエンドテーブルE16が、
Y方向に移動可能に取付けられ、ボールネジ(図示せ
ず)により駆動する。ワークエンドテーブルE16上に
は垂直板E17上のガイドE18を介してワークエンド
保持部E19が取付けられ、空圧アクチュエータ(図示
せず)によりX方向に駆動する。ワークエンド保持部E
19には、Z方向にワークを持上げる空圧アクチュエー
タE20が固定され、ワーク持上げ板E21をガイド
(図示せず)に沿って駆動する。また、ワークエンドテ
ーブルE16上には、支持部材C1を介して、持上げ部
支持板C2がガイドC3を介して取付けられ、空圧アク
チュエータC4によりZ方向に駆動する。持上げ部支持
板C2にはガイドC5を介して持上げ部C6がY方向に
可動に支持され、空圧アクチュエータC7により駆動す
る。さらに、支持部材D1を介してトルクモータD2に
より回転可能に取付けられたスペーサ巻取ドラムD3,
D4がワークエンドテーブルE16に固定されており、
スペーサ巻取ドラムD3,D4には厚さ0.2mmのス
テンレス製薄板のスペーサD5,D6が巻付けられてい
る。スペーサD5,D6の両脇には、固定具D7〜D1
0が取付けられ、連結具D11により固定具D7,D9
が連結されている。固定具D7,D8はワーク押出部E
2上に固定された空圧アクチュエータD12によってY
方向に駆動する。 【0025】中間押えB10,B11及び中間押えE1
1,E12は空圧アクチュエータ(図示せず)により前
後に駆動可能となっており、ワーク供給時にX方向に逃
げることができる。 【0026】また、架台A1上にはハウジングB14,
B15,B16及びモータブラケットB17を通るシャ
フトB18,B19に支持されたウィングB20はAC
サーボモータB21により揺動可能に取付けられてお
り、ウィングB20上には、ウィング駆動ステージB2
2を介してウィング押え下板B23がY方向に可動に取
付けられている。ウィング押え下板B23には、支持部
材B24が空圧アクチュエータ(図示せず)によりX方
向に可動に取付けられており、支持部材B24にはウィ
ング押え上板B25がガイドB26,B27に支持され
て空圧アクチュエータB28でZ方向に駆動する。ま
た、ウィング押え下板B23にはワーク支持板B29が
5本取付けられており、ワークW0を曲げ加工時に支持
できるようになっている。さらに、架台A1には、支持
台E22を介して空圧アクチュエータE23が固定され
ており、空圧アクチュエータE24上には位置決め板E
25がY方向可動に取付けられている。 【0027】装置の前面にコンベアV0があり、ここか
ら曲げ加工前のワークW0を受け取り、架台A1上の取
出しロボットエリアF1に取付けられるロボットによっ
てコンベアV0に取出す。 【0028】図12、図13に、本発明による曲げ方式
の成形原理を示す。図12には基本原理、図13には設
備への応用を示す。図12において、ワーク上であっ
て、ワークの曲げ加工部から離れた位置をP0,P4とし
直線P04を曲げ加工時の中立軸とする。中立軸とは曲
げ加工の際に引張も圧縮もされない箇所のことである。
直線P01及び直線P204がテーブル駆動ステージB
1、及びウィング駆動ステージB22上の押え板E6,
B6,B23,B25でワークW0を把持する把持範
囲、直線P120が曲げ加工範囲である。曲げ加工の完
了した時点の中立軸を曲線P124とすると、中立軸の
長さは変化しないため、 直線P120=曲線P124 となる。さらに、曲げ加工途中の点P20の軌跡をP21
22,P23とすると、中立軸の長さはやはり変わらない
ため、 直線P120=曲線P121=曲線P122=曲線P123
=曲線P124 となる。曲げモーメントを均一に曲げ加工部にかけると
中立軸は円弧の一部を形成する。その時の扇形をOn1
2nとすると扇形の中心角と曲げ角度は等しくθnとな
り、半径はlnである。曲げ加工中心P3nを中立軸の直
線部の延長線上に設けると、 直線P13n=曲線P2n3n=mn となる。曲げ加工完了時の曲げ加工中心と把持部の間隔
4=直線P134は、中立軸の曲げ半径ρと一致する。
その増分Δmは、テーブル駆動ステージB1、及びウィ
ング駆動ステージB22の移動量即ち、把持手段が回転
手段により回転させられる回転量に応じた移動手段によ
る把持手段の曲げ加工中心部からの移動量と一致し、 【0029】 【数3】 【0030】となる。 【0031】これを設備化するときに曲げ加工中心を移
動させるのは機構が複雑となるため、図13に示すよう
に、曲げ加工中心を固定して、テーブル駆動ステージB
1、及びウィング駆動ステージB22の初期位置は、中
立軸の曲げ加工部の距離の半分だけ曲げ加工中心から離
して、順次曲げ加工中心からΔmだけ遠ざけていく方式
とすることもできる。 【0032】また、2枚のワークW0を同時に曲げる場
合は、2つの中立軸が存在するため、外側ワークW0
(b)を内側ワークW0(a)との長さの差分だけ曲げ
加工範囲内に送り込む必要がある。内外のワークW0の
中立軸の間隔をhとすると、送り込み量ΔRは、 ΔR=hθ となる。 【0033】図12,13による説明では、曲げ加工中
心と中立軸と指定曲げ半径位置が一致している場合を考
えていたが、実際の曲げ加工では、図14に示すように
ズレている場合が多い。そこで、パイプ中心(指定曲げ
半径位置)から曲げ加工中心までの距離をc、曲げ加工
中心から中立軸までの距離をbとすると(但し、bは曲
げ加工中心を原点として、曲げ中心方向(ここでは紙面
上方向)を正とする)、テーブル駆動ステージB1、及
びウィング駆動ステージB22の移動量Δmは次式で表
される。 【0034】 【数4】【0035】図6〜8に曲げ加工部のみの動きを示す連
続説明図を示す。 【0036】まず、コンベアよりワークW0を受取り、
ワークW0の左側をワークエンド保持部E19で位置決
めする。持上部を用いて内側ワークW0(a)を持上げ
た後、スペーサD5,D6を内側ワークW0(a)と外
側ワークW0(b)との間に挿入する(図6(a))。
その後、ウィング押え上板B25、ウィング押え下板B
23、テーブル押え上板B6、テーブル押え下板E6で
ワークW0をクランプして図6(b)の状態となる。次
に図7(a)に示すように、回転手段である曲げ加工用
ACサーボモータB21を駆動して曲げ加工を開始する
と同時に、曲げ角度に対応した量だけウィング押えB2
5,B23、及びテーブル押えB6,E6をそれぞれの
駆動ステージB22,B1(移動手段)を駆動させて曲
げ加工中心から遠ざける。さらに、外側ワークW0
(b)を送り出し手段であるワーク押出ステージE1を
駆動して曲げ加工中心の方へ近付ける。スプリングバッ
クを考慮して90°より多目に曲げ加工した後、90°
に戻して図7(b)のようになる。その後、図8(a)
に示すように持上部で内側ワークW0(a)を持上げ、
スペーサD5,D6を抜取る。そして図8(b)のよう
にウィング押え上板B25を解除して元の位置に戻し、
ワーク押出し部E2を駆動してワークW0を送った後、
次に曲げ加工する位置に位置決めする。この後、図6
(a)の状態から繰り返し、結果として図5(d)に示
すようなロ形のワークを成形する。 【0037】図10は本設備を用いた曲げ加工時のシー
ケンスフローを示す流れ図である。 【0038】ワーク供給工程においては、ワーク位置決
め押出し部Eの空圧アクチュエータE7,E20等によ
り固定供給ステージE8、持上板E21等を駆動してコ
ンベアV0よりワークW0を受け取り、テーブル押え下
板E6とウィング押え下板B23、及び持上板E21上
に搭載する。 【0039】ワーク位置決め工程においては、空気アク
チュエータE7等を駆動して、ワークW0をテーブル押
えE6と持上板E21の一端に押し当てて、Y方向の位
置決めを行う。また、架台A1に脚E22を介して固定
されている空圧アクチュエータB23を駆動してワーク
W0をワークエンド保持部E19に押し当てて、X方向
の位置決めを行う。 【0040】ワーク持上げ工程においては、空圧アクチ
ュエータC4,C7を駆動させて持上部C6で内側ワー
クW0(a)を引掛けて持上げる。 【0041】スペーサ挿入工程においては、空圧アクチ
ュエータD12を駆動させてスペーサ巻取ドラムD3,
D4に巻かれたスペーサD5,D6をY方向に引張り出
して所定位置に固定する。 【0042】ワーク下げ工程はワーク持上げ工程の逆動
作となる。これにより内側ワークW0(a)と外側ワー
クW0(b)の間に2枚のスペーサD5,D6が挿入さ
れる。 【0043】ワーククランプ工程においては、空圧アク
チュエータB7,B28,B12,B13等を駆動し
て、テーブル押え上板B6、ウィング押え上板B25、
中間押えB10,B11でワークW0をクランプする。 【0044】曲げ工程においては、ACサーボモータB
21、ウィング駆動ステージB22、テーブル駆動ステ
ージB1、ワーク押出ステージE1を4軸制御で駆動
し、成形角度が直角になるようにワークW0を曲げる。
このとき、ウィング駆動ステージB22、テーブル駆動
ステージB1は、(数3)もしくは(数4)に示す軌跡
で動くように制御する。 【0045】アンクランプ1工程においては、空圧アク
チュエータB7,B12,B13を駆動して、テーブル
押え上板B6及び中間押えB10,B11を持上げ、ワ
ークW0を開放する。 【0046】アンクランプ2工程においては、空圧アク
チュエータB28を駆動して、ウィング押え上板B25
を持上げ、ワークW0を開放する。このように、アンク
ランプ工程を2つに分けることにより、後に出てくるス
ペーサ抜取工程をワークW0を固定したまま行うことが
できる。 【0047】ワーク移動工程においては、図示していな
いACサーボモータにより、ワークエンドテーブルE1
6をY方向に駆動し、その結果、ワークW0を次の曲げ
箇所にまで送り動作を行う。 【0048】再びワーク位置決めを行った後、図8に示
すようにスペーサ抜取工程を行ってもよいが、タクトタ
イムを稼ぐ目的でスペーサD5,D6を挿入したままワ
ークW0を移動させて、スペーサD5,D6と滑らせる
方法もある。この場合、図10に示すように、ワークク
ランプ工程に戻るようにする。1回目、2回目の曲げ加
工はこの手順に沿って行われるが、3回目の曲げ加工は
アンクランプ1工程の後、ワーク持上げ工程、スペーサ
挿入工程、ワーク下工程の逆動作であるワーク持上工
程、スペーサ抜取工程、ワーク下げ工程、及びアンクラ
ンプ2工程を経てワーク排出工程を行い、加工されたワ
ークW0をコンベアV0上に取出す。 【0049】図11に制御部の構成を示す。 【0050】稼動時には操作パネルよりシーケンサに操
作指令が与えられ、その指令を受けたシーケンサは、曲
げ加工の4軸のサーボモータコントローラに曲げ指令
と、ワークエンドテーブルE16を駆動するサーボモー
タコントローラにワーク位置指令、及び各空圧アクチュ
エータに圧縮空気を送り込むバルブに、省配線システム
を通して、適当な指令を出す。指令を受け取ったサーボ
モータコントローラはパソコンからの曲げ加工に要する
NCデータをもとにサーボモータドライバにパルス指令
し、4個のACサーボモータと同時制御する。また、バ
ルブは指令された空圧アクチュエータを駆動すべく開閉
する。さらに、装置の駆動箇所に設けられた各センサの
信号を省配線システムを通してシーケンサが受け取り、
図10に示す動作シーケンスの制御を行う。 【0051】図19に本発明の別の実施例の成形原理を
示す。直線P040は曲げ加工時の中立軸で、直線P0
1及び直線P2040がワークW0を把持する把持範囲を
示す。曲げ加工範囲は直線P120で、この中立軸の長
さは曲げ加工中変化しない。回転中心Oは点P1からm
=ρ(曲げ半径)の距離のところに固定設定する。 【0052】曲げ角度をθ1とするには、回転中心Oを
軸に把持範囲直線P2040をθ1だけ回転させる。この
とき、曲線P121が点P51を中心として短径が直線P
511の長さの楕円の一部になるように、直線OP21
長さを水平時のm0からm1とする。同様に、曲げ角度θ
2のときは、曲線P122が点P52を中心として、短径が
直線P521の長さの楕円の一部になるように直線OP
22の長さをm2とする。これを繰り返して、楕円を徐々に
円に近付けるように動かせば、θ4=90°の時には、
曲線P124は点P54を中心とする半径ρ(=m4)の円
の一部を形成するようになる。 【0053】半径ρより小さい半径の曲げ成形部を形成
するには、把持範囲を回転中心Oにより近い位置に寄せ
て曲げ、半径ρより大きい半径の曲げ成形部を形成する
ためには、把持範囲を回転中心Oからより遠い位置に移
動させて曲げ加工する。これにより、曲げ加工軸と把持
範囲P2040の移動軸の2軸を制御することで曲げ加工
そのものが可能となる。2枚同時曲げを行なうときに必
要な外側の熱交換器W0(b)を押出す駆動軸を含めて
も3軸で2枚同時曲げが可能となる。 【0054】図16〜図18は、本発明の図19の原理
を用いた別の実施例の、装置の曲げ加工部の一連の動作
を示す説明図である。 【0055】図16(a)に示すように2枚のワークW
0(a)及びW0(b)をウィング押え下板B23及び
テーブル押え下板E6上に設置されたワーク押出ステー
ジを1上に位置決めし、内側のワークW0(a)を持上
部(図示せず)で持上げ、2枚のt0.2mmのステンレ
ス製スペーサD5,D6をテーブル押え上板B6の先端
の曲げ加工部との境界まで挿入し、固定する。そして、
内側のワークW0(a)を下げた後、ウィング押え上板
B25及びテーブル押え上板B6をおろしてワークW0
を把持する(図16(b))。その後図17(a)〜
(b)に示すように、曲げ加工部Bの回転手段である曲
げ加工用ACサーボモータB21を駆動し、回転中心O
を中心にウィングB20を回転させ、ワークW0を曲げ
加工する。この時、ウィング押えB23,B25は、曲
げ角度θ及び曲げ形状に応じた量だけウィング駆動ステ
ージB22により回転中心Oから遠ざける方向に移動さ
せる。また、ワーク供給位置決め押出し部Eのワーク押
出しステージE1も同様に、曲げ角度θと内外のワーク
W0(a),W0(b)間の距離hに応じた量だけ外側
のワークW0(b)を回転中心O側に押出し、内外のワ
ークW0(a),W0(b)を相対的にずらしていく。 【0056】最後に、図18に示すようにウィング押え
上板B25とテーブル押え上板B6を持上げてワークW
0を解放し、次の曲げ加工するところまでワーク押出し
ステージE1を駆動してワークW0を送り、位置決め
し、曲げ動作を繰り返す。ワークW0を位置決めする
時、スペーサD5、D6は、テーブル押え上板B6の先
端の曲げ加工部との境界より前には進まず、ワークW0
との相対位置はずれていく。全ての曲げ加工が行われれ
た後、スペーサD5、D6を引抜き、ワークW0を装置
より取出す。 【0057】図15に、曲げ型を使用する場合の一実施
例を示す。把持手段B6,E6でワークWの一端を、ま
た把持手段B25,B23でワークWの他端を把持し、
曲げ加工したい箇所に曲げ型BDを添える。その後、把
持手段B6,E6は固定したまま、把持手段B25,B
23をワークWが曲げ型BDに倣うように位置を変えて
いく。この時、曲げ型BDに沿ったワークWの曲げ加工
部は曲げ型BDの半径と同じ半径の円弧の一部、その他
のワークWは直線となるように、把持手段B25,B2
3を曲げ型BDに対するインボリュート曲線に相当する
動きの位置制御を行う。それにより、ワークWの軸方向
に余計な力がかからなくなり、ワークWの座屈を防ぐこ
とができる。 【0058】 【発明の効果】本発明によれば、曲げ型を使わずに曲げ
加工を行なうので曲げ型等から受ける力によるワークの
変形がない。このため、以下の形状のワークが加工でき
る効果がある。これは製品設計の自由度を広げるもので
ある。 【0059】(1)曲げ部における風通しをよくするた
めに薄板フィンの曲げ部を鋭利にした構造のワーク(図
9(a))。 【0060】(2)曲げ部の形状が平面部と異なる形状
のワーク(図9(b),(c))。 【0061】(3)曲げ加工部内面が円弧形状でないワ
ーク(図20(a))。 【0062】(4)曲げ加工部に電子部品,電気配線,
固定具,機械部品,配管等が取付けられたワーク(図2
0(b))。ロ形に成形された後に部品を取付けるより、
平板状の時に取付ける方が容易に作業できる効果があ
る。 【0063】(5)曲げ加工部から冷媒の分枝となるよ
うなパイプが出ている形状のワーク(図20(c))。冷
媒の流量の調整や消音器の取付け等が可能となる効果が
ある。 【0064】(6)曲げ加工部のパイプが、それを挾む
平面部と連続的につながらず、段差でもってつながる形
状のワーク(図20(d))。これにより、冷媒流量を調
整したり、ヒータを製品の角部に取付られる等の効果が
ある。 【0065】(7)曲げ加工部のフィンのピッチが平面
部より粗い構造のワーク(図20(e))これにより、ワ
ークの内面で、曲げ加工した後のフィンピッチを平面部
と曲げ加工部とで同じにできる。 【0066】(8)曲げ加工部のフィンピッチが平面部
より内面で粗、外面で密となるワーク(図21(a))。
これにより、ワークの内面と外面で、曲げ加工した後の
フィンピッチを平面部と曲げ加工部とで同じにできる。 【0067】(9)曲げ加工部のみ、針状フィンとなる
ワーク(図21(b))。 【0068】(10)曲げ加工部のみ、綿状金属フィン
をつけたワーク(図21(c))。 【0069】(11)曲げ加工部のみ、フィンの幅が平
面部よりも広いもしくは狭いワーク(図21(d)
(e))。 【0070】(12)曲げ加工部が楕円の一部を形成す
るワーク(図21(f))。 【0071】また、本発明によれば、設計変更に伴う曲
げ半径の変更には数値制御だけで対応できる効果もあ
る。また、2枚重ねのワークに対しても外側のワークを
押し出す機構が作用するため、ワーク同志の干渉を防ぐ
ことができる。2枚のワークを同時に曲げるということ
は、製造工程の削減(6工程→1工程)も可能となり、
コスト減につながる。 【0072】さらに、2枚のワーク間の密着性を良くし
て、特に曲げ加工部におけるワーク間の隙間を除去でき
空調機の熱交換器の場合、熱交換率を向上させることが
できる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の適用対象製品である天カセ4方向パッ
ケージエアコン用室内機の基本構成を示す図である。 【図2】本発明の曲げ加工装置の正面図である。 【図3】本発明の曲げ加工装置の平面図である。 【図4】本発明の曲げ加工装置の側面図である。 【図5】(a)(b)(c)(d)は、曲げ対象ワーク
を示す図である。 【図6】(a)(b)は、曲げ加工部の動きを説明する
図である。 【図7】(a)(b)は、曲げ加工部の動きを説明する
図である。 【図8】(a)(b)は、曲げ加工部の動きを説明する
図である。 【図9】(a)(b)(c)は、曲げ加工対象ワークを
示す図である。 【図10】曲げ加工の動作シーケンスを示す流れ図であ
る。 【図11】曲げ加工装置の制御部の構成図である。 【図12】曲げ加工の原理図である。 【図13】曲げ加工の原理図である。 【図14】本発明の曲げ加工装置を用いる場合の一般例
を示す図である。 【図15】曲げ型を使用した他の実施例を示す図であ
る。 【図16】(a)(b)は、別の実施例の曲げ加工の動きを
説明する図である。 【図17】(a)(b)は、別の実施例の曲げ加工の動きを
説明する図である。 【図18】別の実施例の曲げ加工の動きを説明する図で
ある。 【図19】別の実施例の原理図である。 【図20】(a)(b)(c)(d)(e)は、曲げ加工対象ワー
クを示す図である。 【図21】(a)(b)(c)(d)(e)(f)は、曲げ加工対象
ワークを示す図である。 【符号の説明】 W0…ワーク、 A…架台、 B…曲げ加工部、 C…持上部、 D…スペーサ挿入部、 E…ワーク供給・位置決め・押出し部、 F…排出部、 V0…コンベア。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新家 達弥 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地株 式会社日立製作所生産技術研究所内 (72)発明者 宮川 正威 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地株 式会社日立製作所生産技術研究所内 (72)発明者 倉賀野 満 静岡県清水市村松390番地清水工場内 (72)発明者 佐藤 実 静岡県清水市村松390番地清水工場内 (56)参考文献 特開 昭63−36927(JP,A) 特開 昭61−283429(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21D 7/00 B21D 53/08

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】ワークの少なくとも2か所を別個に把持す
    る第1及び第2の把持手段と、 前記ワークを曲げるように前記第1及び第2の把持手段
    の内の少なくとも1つを回転軸回りに回転させる回転手
    段と、 前記第1及び第2の把持手段を前記第1及び第2の把持
    手段により曲げられる前記ワークの曲げ加工中心から前
    記第1及び第2の把持手段の回転軸の法線方向に移動さ
    せる移動手段と、 前記ワークの曲げ加工部に均一な曲げモーメントを加え
    るよう前記回転手段により回転する前記把持手段の回転
    角θ、曲げ加工半径ρ、前記移動手段により前記把持手
    段を前記ワークの曲げ加工中心から移動させる量Δが、 【数1】 なる関係を保つように制御する制御手段とを有すること
    を特徴とする曲げ加工装置。
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