JP3517905B2 - 金属材料の接合法 - Google Patents

金属材料の接合法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はろう接による金属材料の
接合方法に関し、特に電子材料の接合に好適な金属材料
の接合方法に関する。
【0002】
【従来の技術】金属材料は保存あるいは輸送中に空気に
触れると金属表面に容易に酸化膜が形成されるため、ロ
ウ付又はハンダ付など、ろう接による金属の接合性は急
速に低下する。この金属表面の酸化膜を除去して金属の
接合を容易にするために、金属材料のろう接に際しフラ
ックスが用いられる。しかしながら、通常、ハロゲン活
性剤の含まれるフラックスを用いてろう接が行われるた
め、ろう接した金属材料にハロゲン活性剤が残留し、金
属の腐食や電気絶縁性の低下の原因になる。このため、
フラックス残渣を除去するためには、ろう接後、有機ハ
ロゲン系溶剤や界面活性剤を含む水で洗浄処理する必要
がある。ところが、ハロゲン系溶剤は、フロンに代表さ
れるように、地球環境の破壊を防ぐために使用が禁止さ
れる方向にあり、洗浄能力の高いハロゲン系溶剤がフラ
ックス残渣の洗浄除去に使用できなくなってきている。
また、水洗浄には、洗浄後の重金属や有機物を含む排水
処理、さらには乾燥に、多額のコストを要する問題があ
る。
【0003】洗浄処理をなくして上記問題を解決する方
法として、特開平3−161191号公報に有機溶剤と
多価アルコール及び有機酸、更には有機ハロゲン活性剤
からなるフラックスを用いた金属の接合法が提案され、
また、本発明者らも特願平5−105457号に低活性
フラックスによる半田接着方法を提案しているが、これ
らはいずれも有機ハロゲン活性剤の量をできるだけ減ら
す方法である。また、ハロゲン活性剤が含まれないRタ
イプ、例えば、ロジンのアルコール溶液からなるフラッ
クス(Rタイプ)を用いた金属の接合方法がMIL規格
などに記載されている。しかし、この方法には、フラッ
クスが電子部品等に浸透し、電気特性に障害を与えると
か、又、フラックスの金属酸化膜の除去能力が低く、接
合性にバラツキが生ずると言った問題がある。
【0004】このような事情から、近年、フラックスの
使用を全く必要としないろう接方法の開発が強く望まれ
ている。フラックスを使用することなくろう接によって
金属を接合するには、少なくとも母材金属の表面の酸化
を防止して清浄に保つ必要がある。このため、接合すべ
き金属材料を保存するに際し、金属材料を乾燥剤と共に
密封包装する方法や保存容器内を不活性ガスに置換する
方法などの保存方法が採られているが、このような方法
では酸化の防止効果が小さく、満足すべき結果は得られ
ていない。
【0005】本発明者らは防錆剤による金属材料の保存
効果を追求し、前記特願平5−105457号に、金属
材料を酸素、水分および腐食性ガスを吸収する防錆剤包
装体と共にガスバリアー性の容器に密封し、酸素、水分
および腐食性ガスが実質的に存在せず、かつ、還元性雰
囲気の密封保存系に保持することにより母材金属に酸化
膜の形成を防止し、低活性フラックスによる半田接着を
可能とする方法を提案した。本発明らはさらに上記技術
を改良して、フラックスの使用を必要としないろう接に
よる金属の接合法である本発明を開発したのである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記、金属
のろう接技術の問題解決を目的とし、フラックスを使用
しなくても極めて接合性に優れるろう接による金属材料
の接合法を提供するにある。本発明者らは、上記の従来
技術の問題点に鑑み鋭意研究を重ねた結果、金属材料を
酸素、水分および腐食性ガスを吸収する防錆剤包装体と
共にガスバリアー性の容器に密封保存するに際し、炭素
数4以上10以下のカルボキシル基又はアルデヒド基を
有する有機化合物を共存させることによって、容易に問
題の解決できることを見い出し、本発明を完成した。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は金属材料のろう
接方法に関し、詳しくは、ガスバリアー性の容器内に防
錆剤包装体とカルボキシル基又はアルデヒド基を有し炭
素数4以上10以下の有機化合物の共存下に密封し保存
した金属材料をろう接することを特徴とする金属材料の
ろう接方法に関する。
【0008】本発明の金属材料のろう接方法は、ガスバ
リアー性容器に金属材料を酸素、水分および腐食性ガス
を吸収する防錆剤包装体とカルボキシル基又はアルデヒ
ド基を有し炭素数4以上10以下の有機化合物と共に密
封して、酸素、水分および腐食性物質が実質的に存在せ
ず還元性物質の存在する雰囲気下に金属材料を保つこと
により、金属表面の酸化を防止し、更には、密封系に共
存させたカルボキシル基又はアルデヒド基を有し炭素数
4以上10以下である有機化合物により溶加材の容易に
濡れる金属表面に改質し、もって、フラックスを使用す
ることなくろう接を可能とした金属材料のろう接方法で
ある。以下に本発明を詳しく説明する。
【0009】本発明方法の対象として、金属材料はろう
接が適用できる金属を母材として含むものであればすべ
て対象とすることができ、金属材料が金属単体であって
もよい。接合の対象となる金属は、銅、銀、鉄、亜鉛、
鉛、錫、ニッケル、金などの金属が挙げられ、これらの
金属を2種以上含む合金であってもよい。これらの金属
の多くは、酸素が存在するとその表面に酸化膜が形成さ
れ易く、これは水分および硫黄化合物やハロゲン化合物
などの腐食性物質の存在によってより促進されるものと
思われ、金属表面の酸化膜がろう接による金属の接合性
を損なうものと考えられる。
【0010】本発明の適用できる金属材料としては、特
に電子材料が好適である。電子材料は、主に金属および
プラスチック材料から構成され、金属部分で接合され
る。電子材料として、基本的素子や配線基板が挙げられ
る。基本的素子としては、ケーブル、抵抗器、コンデン
サー、継電器、半導体装置、導波管等の電子部品があ
る。配線基板は、銅箔等の金属箔をパターン状に形成
し、プラスチック層と積層したものである。この配線基
板には、さらに、銀、錫、ハンダ等をメッキすることも
できる。
【0011】本発明に用いられる防錆剤包装体は、乾燥
系で容易に酸素を吸収する作用を有し、好ましくは、酸
素を吸収すると共に更に水分および硫黄化合物やハロゲ
ン化合物などの腐食性物質を吸収する作用を有する防錆
剤の包装体である。防錆剤包装体は、金属材料をカルボ
キシル基又はアルデヒド基を有し炭素数4以上10以下
である有機化合物と共に密封した保存容器内の酸素、水
分および腐食性物質を吸収して、酸素濃度を0.5%以
下、好ましくは0.1%以下にし、密封系内の雰囲気を
金属の酸化を抑制できる実質的に無酸素の状態に保持す
ることができるものである。特に、該防錆剤包装体は、
金属の酸化を促進することが知られている水分および硫
黄化合物やハロゲン化合物などの腐食性物質を5時間以
内に容器内から除去することにより、また、容器外から
透過してくるこれらの物質の浸入を防ぐことによって、
酸素が無くなる間に起こる金属酸化も抑制することがで
きるものである。
【0012】防錆剤包装体の酸素吸収速度が遅いと、無
酸素状態に達するまでに先に金属が酸化されることがあ
る。一方、酸素吸収速度が速すぎると、防錆剤包装体の
取扱い時の大気暴露による失効が大きくなったり、発熱
が大きくなったりする。このため、防錆剤包装体の酸素
吸収速度は、密封系内の酸素を吸収して実質的に無酸素
状態に達する時間が、2時間〜5日、好ましくは3時間
〜3日、より好ましくは5時間〜2日の範囲になる速度
に調整される。
【0013】防錆剤包装体として用いられる防錆剤は、
不飽和脂肪酸化合物、または不飽和脂肪酸化合物および
不飽和基を有する鎖状炭化水素化合物を主剤とする防錆
剤組成物からなる。防錆剤組成物は、具体的には、酸素
と反応する主剤以外に、酸化促進物質、塩基性物質およ
び吸着剤からなる組成物である。また、防錆剤包装体と
して、後に説明するように、カルボキシル基又はアルデ
ヒド基を有し炭素数4以上10以下の有機化合物を防錆
剤に混合し、包装体とすることもできる。
【0014】ここに用いられる不飽和脂肪酸化合物と
は、炭素数が10以上の不飽和脂肪酸、該不飽和脂肪酸
のエステルおよび塩である。不飽和脂肪酸化合物の例と
して、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキド
ン酸、パリナリン酸、ダイマー酸、リシノール酸などの
不飽和脂肪酸、これら不飽和脂肪酸のエステルおよびこ
れらエステル類を含有する油脂、上記不飽和脂肪酸の金
属塩が挙げられる。
【0015】不飽和基を有する鎖状炭化水素化合物と
は、炭素数が10以上で炭素原子間の二重結合一つ以上
を有する鎖状炭化水素もしくはそのオリゴマーや重合物
およびその誘導体である。該誘導体の置換基として、例
えば水酸基、ホルミル基、等が存在してもよい。不飽和
基を有する鎖状炭化水素化合物の例としては、ブタジエ
ン、イソプレン、1,3−ペンタジエンなどのオリゴマ
ーや重合物およびスクアレンが挙げられる。
【0016】上記の不飽和脂肪酸化合物および不飽和基
を有する鎖状炭化水素化合物は、防錆剤組成物において
酸素吸収反応の主剤となるものであるが、好ましくは、
主剤として、不飽和脂肪酸の遷移金属塩、不飽和脂肪酸
の遷移金属塩と不飽和脂肪酸の混合物、あるいは、これ
らの混合物に更に不飽和基を有する炭化水素重合物を加
えたものからなるものが用いられる。
【0017】酸化促進物質は、主剤による酸素吸収反応
の触媒の役割を果たすものである。酸化促進物質とし
て、鉄、コバルト、クロム、銅、ニッケルなどの遷移金
属の化合物が用いられる。遷移金属化合物として、例え
ば、硫酸塩、塩酸塩、硝酸塩などの無機酸塩、脂肪酸
塩、不飽和脂肪酸塩などの有機酸塩、あるいは遷移金属
のアミン錯体が挙げられる。酸化促進物質として遷移金
属化合物は、上記のように、主剤に用いられる不飽和脂
肪酸の金属塩であってもよい。そして、酸化促進物質は
主剤と均一に混合されることが望ましい。
【0018】塩基性物質は、保存容器を通して拡散して
来る硫黄化合物やハロゲン化合物などの腐食性物質およ
び不飽和脂肪酸化合物などの主剤の酸素吸収反応によっ
て生成する酸性物質を吸収するものであり、この目的を
達成するものであれば特に限定されない。好ましい塩基
性物質として、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の
酸化物、水酸化物、炭酸塩および有機酸塩、並びに有機
アミン類が挙げられる。
【0019】吸着物質は、水分を吸収するものであり、
好ましくは、さらに酸性物質をも吸収するものである。
吸着物質は、また、担体の役割を果たし、不飽和脂肪酸
化合物および不飽和基を有する鎖状炭化水素化合物など
の主剤を担持して、酸素との接触面積を増し酸素吸収速
度を増大させることができる。吸着物質として、具体的
には、天然パルプからなる紙、シリカゲル、活性炭、ゼ
オライト、活性白土などが例示される。
【0020】防錆剤組成物は、以上のごとく、主剤、酸
化促進物質、塩基性物質および吸着剤からなるが、各成
分の比率は、主剤100重量部に対して、通常、酸化促
進物質0.01〜10重量部、塩基性物質1〜1000
重量部、吸着物質10〜1000重量部の範囲が好まし
い。防錆剤組成物の各成分は混合して用いられ、液状物
質は吸着物質に担持されることが望ましい。防錆剤の形
状は特に限定されることはなく、適宜、顆粒状、錠剤状
あるいはシート状にして用いられる。
【0021】本発明に用いられるカルボキシル基又はア
ルデヒド基を有し炭素数4以上10以下の有機化合物
は、金属材料とあらかじめ共存させておくことにより、
金属材料のろう接に際し、金属の接合を容易にする作用
を有するものである。該有機化合物は、ろう接する金属
材料とあらかじめ共存させておくことによって蒸散し、
金属材料の表面に薄層を形成し、この薄層が、ろう接に
際し、金属表面を改質することによってろう接を容易に
するのではないかと考えられる。その作用機構は明らか
でないが、ろう接の加熱によって該有機化合物の薄層が
還元性雰囲気をつくり出したり、金属の酸化膜を除去し
たりすることによって、母材金属の表面が融解した溶加
材に濡れ易くなり、金属の接合性が向上すると考えられ
る。
【0022】カルボキシル基又はアルデヒド基を有する
有機化合物は、炭素数が10をこえる合には、必要とす
る濃度に達せず、本発明では所期の効果が得られない。
また、炭素数が4以下の化合物の場合には、密封容器内
の濃度が高くなり、金属表面を変色するという問題が生
じるので、本発明には適しない。このため、カルボキシ
ル基又はアルデヒド基を有する有機化合物は、炭素数4
以上10以下であって、カルボキシル基あるいはアルデ
ヒド基のいずれか少なくとも一つを有し、例えば、香料
のような若干揮発性をもつものが好ましく使用できる。
カルボキシル基又はアルデヒド基を有し炭素数4以上1
0以下の有機化合物として、具体的には、次のようなカ
ルボン酸あるいはアルデヒドが挙げられるが、カルボン
酸は酸無水物であってもよく、必ずしも記載例に限定さ
れるものではない。
【0023】脂肪族カルボン酸としては、酪酸、フマル
酸、マレイン酸(以上C4)、イタコン酸、バレリアン
酸(以上C5)、カプロン酸(C6)、エナント酸(C
7)、カプリル酸(C8)、ペラルゴン酸(C9)、カプ
リン酸(C10)の如きもの。芳香族カルボン酸として
は、安息香酸、サリチル酸(以上C7)、バニリン酸、
アニス酸、フエニル酢酸、フタル酸(以上C8)、肉桂
酸(C9)、トリメリット酸(C9)、ベラツルム酸、ピ
ロメリット酸(以上C10)の如きもの。
【0024】脂肪族アルデヒドとしては、ブチルアルデ
ヒド、クロトンアルデヒド(以上C4)、バレルアルデ
ヒド(C5)、ヘキシルアルデヒド(C6)、ヘプチルア
ルデヒド(C7)、オクチルアルデヒド(C8)、ノニル
アルデヒド(C9)、デシルアルデヒド、シトラール、
シトロネラール、ジヒドロキシシトロネラール、ペリラ
アルデヒド、シクロシトラール(以上C10)の如きも
の。なお、上記の脂肪族化合物には脂環族化合物も含ま
れる。芳香族アルデヒドとしては、ベンズアルデヒド、
サリチルアルデヒド(以上C7)、アニスアルデヒド、
バニリン(以上C8)、ホモアニスアルデヒド、シンナ
ムアルデヒド(以上C9)、クミンアルデヒド、メチル
ホモバニリン、メトキシシナミツクアルデヒド(以上C
10)の如きもの。
【0025】カルボキシル基又はアルデヒド基を有し炭
素数4以上10以下の有機化合物(以下、単に有機化合
物ということがある)は、金属材料および防錆剤包装体
と共に保存系内に存在させればよく、目的を達成するこ
とが出来れば、共存させる方法は問わない。例えば、有
機化合物を保存容器に保持させておき、容器から保存系
に揮散させる方法をとることもできるが、有機化合物を
そのまま容器内に入れることができ、特に有機化合物を
包装体として保存系内に共存させる方法が好ましい。こ
の場合、有機化合物を防錆剤組成物と混合し有機化合物
を含む防錆剤包装体として、保存系に共存させることも
できる。
【0026】該有機化合物は、通常は、多孔物質に担持
して用いられる。多孔物質としては、具体的には、天然
パルプからなる紙、シリカゲル、活性炭、ゼオライト、
活性白土など挙げられ、有機化合物100重量部に対し
て、多孔物質は、0.1〜500重量部の割合で用いら
れる。
【0027】上記の防錆剤あるいは有機化合物は、通
常、酸素透過速度1000ml/m2・atm ・Day 以上
の通気性を有する材料を一部又は全部に用いた通気性包
装体とされる。包装体の包装材料および構成は特に限定
はされないが、例えば、紙または不織布を基材とし孔を
あけたプラスチックフイルムやシートなどを積層した通
気性包装材料に防錆剤又は有機化合物を充填し周縁部を
ヒートシールして包装体とされる。包装体の形態は、特
に限定しないが、例えば、小袋状、シート状、あるいは
ブリスター包装した形態が挙げられる。防錆剤又は有機
化合物の包装体は、さらには、酸素透過度1000ml
/m2・atm ・Day 以上、透湿度1g/m2 ・Day 以上
であり、かつ空気を通したとき0.3μm以上のダスト
の捕集効率が50%以上の通気性包装材料に2重包装さ
れることがある。
【0028】本発明において電子材料の収納されるガス
バリアー性容器として、材料がガスバリアー性のプラス
チック、金属などからなる袋、ケース、缶等が用いられ
る。ガスバリアー性容器として、その酸素透過速度が、
容積100ml当たり5ml/Day以下、好ましくは
1ml/Day 以下であり、かつ、水分の透過速度が容積
100ml当たり5g/Day 以下、好ましくは1g/Da
y 以下であることが望ましい。
【0029】ガスバリアー性容器の具体例として、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエステル、
塩化ビニル、ポリスチレン、ポリカーボネート等のプラ
スチックケース、あるいは、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化
ビニリデン、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリエステル等のプラスチックフィルムやシートの
積層材料よりなる袋などが挙げられる。材料がプラスチ
ックフィルムやシートの場合、ガスバリアー性を強化す
るために、アルミニウム、酸化珪素、酸化セレン等を蒸
着して用いられることがある。また、アルミニウム箔の
ような金属箔がプラスチックフィルムに積層して用いら
れることもある。また、ガスバリアー性容器として、
鉄、ブリキ、ステンレス、アルミニウムからなる金属缶
があり、金属缶にはプラスチックスのパッキン材料も用
いられる。これらの容器には、静電気防止処理を施すこ
とができる。
【0030】なお、防錆剤包装体および有機化合物と共
に金属材料の収納されたガスバリアー性容器は、有機化
合物を密封容器内に揮散させるために、支障のない程度
の温度に一旦、加熱してから、輸送又は保存することも
本発明の態様に含まれる。
【0031】以上のごとく、ガスバリアー性容器に防錆
剤包装体および有機化合物と共に密封保存された金属材
料は、密封容器から取り出すと出来るだけ空気に触れさ
せることなく、加熱してろう接により、母材金属同志が
加溶材を介し接合される。ろう接の種類としては、ロウ
付およびハンダ付があり、特にハンダ付が好ましい。加
溶材のハンダとしては、常用のハンダ合金が使用でき、
好ましくは錫の合金、より好ましくは錫−鉛合金が用い
られる。錫−鉛合金の錫の比率は、通常、5〜95%の
ものである。ろう接処理は、不活性ガス雰囲気下、還元
性雰囲気下、真空下など、空気を全く遮断した雰囲気下
に加溶材の融点以上の温度に加熱して行われることもあ
る。
【0032】
【実施例】さらに実施例により本発明を説明する。な
お、本発明は実施例に限定されるものではない。 実施例 (テストピースの作成)銅板(サイズ幅1.27mm×
長さ60mm×厚み0.5mm)に、銅を5μmの厚さ
で鍍金した。鍍金の終わった銅板は水洗し、続いて23
℃のエタノール浸積した後、24℃の送風で乾燥して、
テストピースとした。
【0033】(防錆剤包装体および組成の製造)ポリプ
タジエン(粘度200ポイズ)10重量部と大豆油脂肪
酸10重量部の混合物にナフテン酸コバルト4重量部を
溶かした溶液を、粒状珪藻土100重量部に含浸した
後、消石灰2重量部を被覆し顆粒状の防錆剤組成物
(A)を調製した。カルボキシル基を有した有機化合物
を使用する実施例1〜実施例9の組成物(B)として、
それぞれ、下記のカルボン酸1重量部に対し粒状珪藻土
を50重量部の割合で混合し、顆粒状組成物を得た。フ
マル酸(実施例1)、カプロン酸(実施例2)、エナン
ト酸(実施例3)、カプリル酸(実施例4)、カプリン
酸(実施例5)、安息香酸(実施例6)、サリチル酸
(実施例7)、フタル酸(実施例8)、ベラツルム酸
(実施例9)実施例1〜実施例9には、防錆剤組成物
(A)6.3gおよび上記の顆粒状組成物(B)5.1
gを用い、それぞれを、通気性包装袋(紙/開孔ポリエ
チレンフィルム積層包材、70×70mm)に包装し、
防錆剤組成物(A)の包装体と組成物(B)の包装体の
2種の包装体を準備した。
【0034】アルデヒド基を有した有機化合物を使用す
る実施例10〜実施例18の組成物(B)として、それ
ぞれ、下記のアルデヒド1重量部に対し粒状珪藻土を1
0重量部の割合で混合し、顆粒状組成物を得た。ブチル
アルデヒド(実施例10)、バレルアルデヒド(実施例
11)、ヘキシルアルデヒド(実施例12)、オクチル
アルデヒド(実施例13)、ノニルアルデヒド(実施例
14)、シトラール(実施例15)、ベンズアルデヒド
(実施例16)、バニリン(実施例17)、クミンアル
デヒド(実施例18)実施例10〜実施例18には、防
錆剤組成物(A)6.3gおよび組成物(B)1.1g
を混合した後、顆粒状酸化カルシウム2.5gと共に、
通気性包装袋(紙/開孔ポリエチレンフィルム積層包
材、70×70mm)に包装し、防錆剤組成物(A)と
組成物(B)よりなる1袋の包装体を準備した。
【0035】(テストピースの保存)前記の銅鍍金した
テストピース1枚と、防錆剤組成物(A)と組成物
(B)の包装体とを酸化珪素蒸着複合フイルム(酸素透
過速度0.5ml/m2 ・24Hr・Atm 、透湿度0.1g
/m2 ・24Hr)の3方シール袋(サイズ220×300
mm)に空気500mlと共に密封した。なお、それぞ
れ、実施例1〜実施例9では防錆剤組成物(A)と組成
物(B)の2袋の包装体を、また、実施例10〜実施例
18では防錆剤組成物(A)と組成物(B)よりなる1
袋の包装体を用いた。上記のテストピースを密封した袋
は、一旦、25℃に1日保持した後、40℃、RH95
%以上の雰囲気下に14日間保存した。
【0036】(金属の接合性試験)次に、上記のごとく
14日間密封保存したテストピースを袋から取り出し、
直ちに次の方法でテストピースのハンダ接着性試験を実
施し、金属の接合性を評価した。テストピースについ
て、窒素雰囲気下、メニスコグラフ法によりハンダ接着
性試験を実施した。 1.測定装置:レスカ(株)製、SAT−5000型 2.測定条件 14日間保存したテストピースのハンダ接着性試験結果
(ゼロクロス時間)を表1に示す。この試験法によれ
ば、テストピースをハンダ浴に浸漬すると、浸漬したテ
ストピースには最初浮力がかかるが、その後、表面張力
で溶融したハンダが盛り上がり浮力がなくなる。ゼロク
ロス時間は、浸漬開始から浮力がなくなるまでの時間で
あり、自動的に測定される。したがって、ゼロクロス時
間の逆数が溶融ハンダの盛り上がり速度を示すことにな
り、ゼロクロス時間の数値が小さいほど、溶融ハンダの
濡れが良好で、金属の接合性の良くなることを示す。
【0037】比較例1 実施例の包装体の内容物をシリカゲル(A型)3gに代
え、同様に作成した乾燥剤包装体1袋を共存させ、実施
例と同様、酸化珪素蒸着複合フイルムの3方シール袋に
空気500mlと共に銅を鍍金したテストピースを密封
し、一旦、25℃に1日保持した後、40℃、RH95
%以上の雰囲気下に14日間保存した。
【0038】比較例2 銅を鍍金したテストピースを、実施例と同じ酸化珪素蒸
着複合フイルムの保存袋に窒素ガス500mlと共に密
封した。この場合、保存袋内の空気は窒素ガスで完全に
置換しなかったので、密封した時の袋内の酸素濃度は
0.7%であった。テストピースを密封した保存袋を、
実施例と同様にして14日間保存した。
【0039】比較例3 防錆剤組成物(A)6.3gの包装体を用いた以外は実
施例と全く同様にして、銅を鍍金したテストピースを保
存した。比較例1と比較例2及び比較例3の保存テスト
ピースは、袋から取り出すと、実施例と同様、ハンダ接
着性試験を実施して比較した。結果は表1に示す。
【0040】
【表1】 14日間保存したテストピースのハンダ接着
性試験結果
【0041】ハンダ接着性はゼロクロス時間で評価する
ことができ、ゼロクロス時間は金属によっても異なる
が、短い方が望ましい。表1の結果によれば、本発明の
方法により保存されたテストピースは、そのハンダ接着
性は全く良好であり、フラックスを使用する必要がない
と判断される。これに対して、比較例1、比較例2及び
比較例3のものは、いずれもゼロクロス時間が長く、ハ
ンダ接着性は極めて悪かった。
【0042】
【発明の効果】本発明の方法によれば、金属材料と共に
密封した防錆剤包装体の作用により金属表面の酸化を防
止し、さらに、共存するカルボキシル基又はアルデヒド
基を有する有機化合物の作用により母材金属の表面が溶
加材に濡れ易い表面に改質されることによって、フラッ
クスを用いることなくろう接による金属材料の接合がで
きる。言い換えれば、本発明の方法によれば、極めて簡
便で低コストな方法で、金属材料を酸素、水分および腐
食性物質が実質的に存在せず、かつ、カルボキシル基叉
はアルデヒド基を有する有機化合物の共存する雰囲気下
に保持して、ろう付けやはんだ付けなどのろう接による
金属の接合性を損なうことなく、金属材料の保存や輸送
が可能となるのである。本発明の方法によれば、特に電
子材料の分野では、ろう接による接合後、有機ハロゲン
系溶剤あるいは界面活性剤を含む水による洗浄処理を必
要とせず、洗浄工程の簡略化ができコスト低減が図れ
る。引いては、有機ハロゲン系溶剤を用いないことによ
り地球環境の保全にも寄与することができる。また、フ
ラックスを用いなくてもろう接による金属接合の信頼性
が高く、フラックスの浸透による電気特性の低下と言っ
たことも起こらないのである。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−148471(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23F 11/00 B23K 1/20 B23K 3/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガスバリアー性の容器内に防錆剤包装体
    とカルボキシル基又はアルデヒド基を有し炭素数4以上
    10以下の有機化合物との共存下に密封し保存した金属
    材料をろう接により接合することを特徴とする金属材料
    の接合方法。
  2. 【請求項2】 カルボキシル基又はアルデヒド基を有し
    炭素数4以上10以下の有機化合物を包装体として共存
    させることを特徴とする請求項第1項の金属材料の接合
    方法。
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