JP3517605B2 - アルミニウム鋳造スラグの急速冷却凝固製造方法とそれに使用される凝固ロール及び成形ロールとアルミニウム鋳造スラグの急速冷却凝固製造装置 - Google Patents

アルミニウム鋳造スラグの急速冷却凝固製造方法とそれに使用される凝固ロール及び成形ロールとアルミニウム鋳造スラグの急速冷却凝固製造装置

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JP3517605B2
JP3517605B2 JP12528399A JP12528399A JP3517605B2 JP 3517605 B2 JP3517605 B2 JP 3517605B2 JP 12528399 A JP12528399 A JP 12528399A JP 12528399 A JP12528399 A JP 12528399A JP 3517605 B2 JP3517605 B2 JP 3517605B2
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貢 本村
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貢 本村
矢内精工株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアルミニウム鍛造素
材(鋳造スラグ)の急速冷却製造凝固(鋳造)方法と、
それに使用される凝固ロール及び成形ロールと、その製
造方法に使用される製造(鋳造)装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム鍛造品は製品の機械的性質
及び信頼性が高い点から、自動車、産業機械、家電等の
部品として広く使用されている。しかし、アルミニウム
鍛造品は他の製品に比してコスト高であるという難点が
ある。その原因は、従来のアルミニウム鋳造スラグの製
造方法は、加工工程が多く、素材コストの高いものを使
用していることによる。
【0003】従来のアルミニウム鋳造スラグの製造方法
の一つに双ロール方式がある。これは図15の様に対向
配置させた2つの回転ロール51間にアルミニウムの溶
湯52を流し込んで回転ロール51間から板状の鋳造ス
ラグ53を送り出す(鋳造する)ものである。従来はこ
の他に、丸棒状のアルミニウム鋳造スラグを製造する水
平連続鋳造法もあった。双ロール方式で鋳造される鋳造
スラグ53は最大で厚さ5mm〜30mm、幅900m
m程度であり、前記水平連続鋳造法で鋳造される丸棒状
の鋳造スラグは直径15mm〜20mm程度であった。
これら鋳造スラグを使用して鍛造素材とする場合、板状
の鋳造スラグは切断してブロックにし、丸棒状の鋳造ス
ラグは輪切りにしてブロックにしている。
【0004】しかし、薄い板状のものは鍛造用途に限度
がある。鍛造素材には加工し易い(変形し易い)ことが
望まれる。そのためにはアルミニウムの結晶粒を微細化
する必要がある。しかし、丸棒状のものは太くなると鋳
造時に表面は急冷されるが、中心部は急冷されにくいた
め、中心部の結晶粒が微細化しにくくなり、加工性の良
い鍛造素材となる鋳造スラグが得られにくい。
【0005】双ロール方式ではロールを2つ使用するた
め構造が複雑になり、装置が大型化し、設備費が高くな
る。また、図15の様に溶湯52が凝固しながら2つの
ロール51間を通過する場合に、凝固先端部54の位置
が低いと凝固前に2つのロール51による圧縮が解放さ
れるため凝固が遅くなり、品質が不均一になる。凝固先
端部54の位置が高いとロール圧が掛かり過ぎて鋳造ス
ピードが低下する。このため凝固先端部54の位置を調
節する必要がある。凝固先端部54の位置調節は対向す
る2つのロール51間の間隔を調節することにより行な
うが、凝固先端部54の位置が外部から見えないため位
置調整が難しい。更に、冷却速度が30cm/分程度と
遅く、生産性が低かった。冷却速度を上げ過ぎるとアル
ミニウムが凝固する前にロール51間を通過してしまっ
て急冷できず、得られる鋳造スラグの品質が低化するた
め、冷却速度を速くするにも限度がある。
【0006】これらの課題を解決するために、アルミニ
ウム鋳造スラグの製造方法として、本件発明者は先にメ
ルトドラッグ法を開発した。これは図16に示すように
凝固ロール55を一つだけ(単ロール)使用し、その凝
固ロール55の外周面にノズル56内のアルミニウムの
溶湯52を接触させて急冷して、アルミニウムの薄板5
7を鋳造するものである。この方法は凝固ロール55を
一つしか使用しないため構造が簡潔で、装置が小型化
し、設備費も安価になる。また、冷却速度が100m/
分程度と速く生産性が向上し、急冷によりアルミニウム
の結晶粒が微細化し、品質も向上するという利点があ
る。また、ノズル56の位置、溶湯52の高さ、凝固ロ
ール55の回転速度を調節することにより冷却速度を容
易に調整できるという利点もある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、メルトドラッ
グ法では、得られるアルミニウムの板厚が最大で2mm
程度であるため、薄過ぎてアルミニウム鋳造スラグとし
て使用するには不適であった。また、従来のいずれの方
式で製造した鋳造スラグも鍛造素材とするには、通常
は、鋳造スラグ−切断−熱間押出し−切断−熱処理−引
き抜き−熱処理−鍛造用素材の工程を経るか、連続鋳造
棒−切断−スラグ−熱処理−鍛造用素材の工程を経なけ
ればならないため、作業が面倒であり、コスト高になる
という難点もあった。更に、それら加工には丸鋸、帯鋸
等が使用されるため、切り粉が発生し、それが無駄にな
り、コスト高の一因となる。更に、中小鍛造企業が目指
す21世紀のゼロエミッション(廃棄物ゼロ、工場内リ
サイクル)実現の弊害にもなっている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明はメルトドラッグ
法を改良発展させて、単ロールにより肉厚のアルミニウ
ム鋳造スラグを個別に又は連続して鋳造できるアルミニ
ウム鋳造スラグの製造方法と、それに使用される製造装
置と、それら装置に使用される凝固ロール及び成形ロー
ルを提供するものである。また、本発明は急冷凝固によ
り鋳造スラグの組織を微細化して素材の鍛造性を向上さ
せ、押出し、圧延などの工程を省略してコストを低減
し、更には、得られる鋳造スラグの形状をニアネット形
状にして、鍛造素材とする場合の機械加工工程の短縮化
をも図り、アルミニウムの無駄を無くし、ゼロエミッシ
ョンにも寄与できるようにしたものである。
【0009】
【0010】本願の請求項記載のアルミニウム鋳造ス
ラグの急速冷却凝固製造方法は、ロール9の外周に間隔
を開けて多数の鋳造キャビティ1を形成した凝固ロール
2を回転させて、鋳造キャビティ1内にノズル3内のア
ルミニウムの溶湯4を掻き上げて凝固ロール2により急
冷し、鋳造キャビティ1内の半凝固状のアルミニウムの
自由凝固面6に成形ロール7により圧力を負荷させて自
由凝固面6をも急冷し、凝固したアルミニウムの鋳造ス
ラグ5を鋳造キャビティ1から個別に取り出すように
た方法である。
【0011】
【0012】本願の請求項記載のアルミニウム鋳造ス
ラグの急速冷却凝固製造方法は、ロール9の外周に間隔
を開けて多数の鋳造キャビティ1を形成した凝固ロール
2を回転させて、鋳造キャビティ1内にノズル3内のア
ルミニウムの溶湯4を掻き上げて凝固ロール2により急
冷凝固して鋳造スラグ5とし、同時に前記掻き上げ時に
鋳造キャビティ1からはみ出た溶湯4をも凝固ロール2
により急冷凝固して薄板8として、鋳造スラグ5を薄板
8により連結すると共に半凝固状の薄板8の自由凝固面
6に成形ロール7により圧力を負荷させて当該自由凝固
面6をも急冷し、薄板8を凝固ロール2から剥離するこ
とにより当該薄板8により連結された鋳造スラグ5を鋳
造キャビティ1内から連続して取り出すようにした方法
である。
【0013】本願の請求項記載のアルミニウム鋳造ス
ラグ急速冷却用凝固ロールは、請求項1又は請求項2に
記載のアルミニウム鋳造スラグの急速冷却凝固製造方法
に使用される凝固ロール2であり、ロール9の外周にア
ルミニウムの溶湯4を掻き上げる鋳造キャビティ1を、
凝固ロール2の回転方向に間隔を開けて設けたものであ
る。
【0014】本願の請求項記載のアルミニウム鋳造ス
ラグ急速冷却用凝固ロールは、請求項1又は請求項2に
記載のアルミニウム鋳造スラグの急速冷却凝固製造方法
に使用される凝固ロール2であり、鋳造キャビティ1内
の掻き上げ方向先方隅寄りに凝固ロール2の外周面に開
口する空気抜き孔10を有するものである。
【0015】本願の請求項記載のアルミニウム鋳造ス
ラグ急速冷却用成形ロールは、請求項1又は請求項2に
記載のアルミニウム鋳造スラグの急速冷却凝固製造方法
に使用される成形ロール7であり、ロール11の外周面
の一部に凝固ロール2で急冷された半凝固状態のアルミ
ニウムに接触する突出部12が形成されたものである。
【0016】本願の請求項記載のアルミニウム鋳造ス
ラグの急速冷却用凝固製造装置は、アルミニウムの溶湯
4を供給するノズル3と、ロール9の外周に間隔を開け
て多数の鋳造キャビティ1を形成した凝固ロール2と
凝固ロール2の回転方向先方に設けられた成形ロール7
を備え、凝固ロール2は回転により鋳造キャビティ1内
にノズル3内のアルミニウムの溶湯4を掻き上げて急冷
し、急冷により鋳造キャビティ1内で凝固させ、成形ロ
ール7は鋳造キャビティ1内の半凝固状のアルミニウム
の自由凝固面6に圧力を負荷させて当該自由凝固面6を
急冷し、急冷されたアルミニウムの鋳造スラグ5が凝固
ロール2の回転により鋳造キャビティ1から取り出され
るようにしたものである。
【0017】本願の請求項記載のアルミニウム鋳造ス
ラグの急速冷却用凝固製造装置は、アルミニウムの溶湯
4を供給するノズル3と、ロール9の外周に間隔を開け
て多数の鋳造キャビティ1を形成した凝固ロール2と
凝固ロール2の回転方向先方に設けられた成形ロール7
を備え、凝固ロール2は回転により鋳造キャビティ1内
にノズル3内のアルミニウムの溶湯4を掻き上げて急冷
し、急冷により鋳造キャビティ1内のアルミニウムを鋳
造スラグ5とし、同時に前記掻き上げ時に鋳造キャビテ
ィ1からはみ出た溶湯4をも急冷凝固して薄板8として
鋳造スラグ5を薄板8により連結し、成形ロール7は薄
板8の自由凝固面6に圧力を負荷させて当該自由凝固面
6を急冷し、その薄板8を凝固ロール2から剥離するこ
とにより当該薄板8により連結された鋳造スラグ5が鋳
造キャビティ1内から連続して取り出されるようにした
ものである。
【0018】
【0019】
【0020】
【発明の実施の形態】(実施形態1) 図1は本発明のアルミニウム鍛造素材(鍛造スラグ)の
急速冷却凝固製造方法及びそれに使用する製造装置の一
例を示す実施形態である。この製造装置では図3の様に
凝固ロール2の外周に多数の鋳造キャビティ1を設け、
凝固ロール2を回転させながらキャビティ1内にノズル
3内のアルミニウムの溶湯4を掻き上げて、その溶湯4
を凝固ロール2により急冷して鋳造スラグ5を鋳造す
る。キャビティ1の形状は、真円とすることも、真円以
外の所望の形状とすることもできる。このとき、キャビ
ティ1内に掻き上げられてキャビティ1からはみ出した
溶湯4をも凝固ロール2により同時に急冷してアルミニ
ウムの薄板8を成形し、図2に示す様にその薄板8で鋳
造スラグ5を連結して数珠つなぎの状態に鋳造するもの
である。この場合、凝固ロール2の外周に接近させて成
形ロール7を配置し、その成形ロール7により、凝固ロ
ール2で急冷されて半凝固状態となった薄板8の自由凝
固面6に圧力を負荷させて、当該の自由凝固面6をも滑
らかに綺麗に仕上げる(成形する)ようにしてある。
【0021】ノズル3内の溶湯4の液面の位置が低過ぎ
ると、鋳造キャビティ1に掻き上げられた溶湯4が凝固
ロール2の回転に伴って頂上まで回転して来た時にノズ
ル3内に逆流してしまうことがある。逆に、溶湯4の液
面の位置が高過ぎると溶湯4が鋳造キャビティ1から回
転方向先方に流れ出てしまうため、その液面位置を調節
する必要がある。鋳造キャビティ1に掻き上げられた溶
湯4が逆流も、流れ出しもしない程度の高さ、例えば、
凝固ロール2の頂点位置よりも2mm程度低い位置に調
整するのが好ましい。
【0022】前記成形ロール7には凝固ロール2の方向
に圧下荷重をかけて、半凝固状態のアルミニウムを加圧
する必要があるが、アルミニウムが半凝固状態であるた
めその荷重(圧力)はさほど強くする必要はない。成形
ロール7の配置位置によってそれにより加圧する時のア
ルミニウムの半凝固状態が異なるため、成形ロール7の
配置位置にも注意をする必要がある。図1の凝固ロール
2の縦軸と成形ロール7の縦軸の角度(成形ロール角
度)θが小さ過ぎると、半凝固前にアルミニウムを加圧
することになり、成形ロール7の前にバドル(はみ出
し)ができる。成形ロール角度θが大き過ぎると半凝固
状態よりも凝固し過ぎたアルミニウムを加圧することに
なり、成形ロール7による加圧が不十分になるため好ま
しくない。半凝固状態によってアルミニウムの固相率が
異なる。60から70%の固相率で成形ロール7により
成形すると結晶粒が微細になり、品質の良好な鋳造スラ
グ5が得られるため、成形ロール7の位置をこの位置に
設定するのが好ましい。
【0023】成形ロール7には図5(a)の様に軸方向
全長が均一外径であるフラット型のものとか、図5
(b)の様に軸方向中央部の外径をその両側の外径より
も大きくして突出部12を形成した一部突出型のものを
使用することができる。フラット型の成形ロール7は幅
が凝固ロール2の幅と同じであるため図6(a)の様に
凝固ロール2の表面の全て、即ち、キャビティ1内のス
ラグ部分及び薄板部分の全てを圧下することができる
が、一部突出型の成形ロール7は突出部12の幅が鋳造
キャビティ1の幅と同じであるため、図6(b)の様に
鋳造キャビティ1内のスラグ部分だけを圧下することが
できる。
【0024】成形ロール7を使用せずに鋳造キャビティ
1内の溶湯4を自然凝固させると、当該溶湯4のうち鋳
造キャビティ1への接触面側は急冷されるが、大気側
(外側)は冷却されにくいため凝固が遅くなる。特に外
側中央部の凝固が遅くなり、その部分が後から凝固する
と、その部分の体積が減少して引けが生じて窪んでしま
う。この難点を解決するために本発明では、成形ロール
7により半凝固状態のアルミニウムに負荷をかけること
により、外側も急冷させて引けが発生せず、窪みが発生
しないようにしてある。
【0025】凝固ロール2を回転させて鋳造キャビティ
1に溶湯4を掻き上げる場合、掻き上げられる溶湯4に
より鋳造キャビティ1内の空気が鋳造キャビティ1の底
の回転方向先方隅部に押し寄せられ、その空気が邪魔し
て溶湯4がその隅まで十分に充填されにくくなる(図8
の様に未充填部ができる)。このため鋳造キャビティ1
内で急冷される鋳造スラグ5の形状が鋳造キャビティ1
の形状に近いニアネット形状にはならない。この問題を
解消してキャビティの形状に近いニアネット形状の鋳造
スラグを成形するため、この実施例では図4(a、b)
の様に、鋳造キャビティ1の当該角部底面に空気抜き孔
10を開けた。空気抜き孔10は3本とし、それを凝固
ロール2の側面16に開口する抜け孔17に連通させる
ことにより、鋳造キャビティ1に溶湯4が掻き上げられ
ると、同キャビティ1内の空気が空気抜き孔10から抜
け孔17を通して凝固ロール2の外部に押し出されて、
溶湯4が鋳造キャビティ1の前方隅部まで確実に充填さ
れ、キャビティ1の形状と同じ又はそれに近い形状(ニ
アネットシェイプ)の鋳造スラグが製作されるようにし
てある。
【0026】鋳造スラグ5は限界圧縮率が大きい(変形
し易い)ことが望まれる。限界圧縮率は圧縮が進んだと
きに素材の外周に亀裂や割れが入る限界を言う。本発明
ではアルミニウムを半凝固状態で急冷するため、アルミ
ニウムの結晶粒が微細となり限界圧縮率が高まる。限界
圧縮率を高める方法としては、鋳造スラグを熱処理する
方法とか、アルミニウム溶湯に微細化剤を入れる方法等
がある。熱処理を施すと10%程度の限界圧縮率の向上
が見られる。微細化剤を入れた場合も限界圧縮率の多少
の向上が見られるが、これは微細化剤を入れることによ
りデンドライトアームスペーシング(DAS)には変化
はないが、アルミニウムが柱状晶から等軸晶に組織が変
化したためと考えられる。DASとは樹枝状晶間隔のこ
とであり、結晶の組織状態をいう。DASは小さい方が
望ましく、限界圧縮率が高まり加工し易い。DASを小
さくするためには急冷が必要となる。鋳造スラグとして
はDAS20μ以下が望ましい。微細化剤としてはスト
ロンチウムやチタニウム等がある。
【0027】鋳造キャビティ1内で急冷凝固されて薄板
8で連結された鋳造スラグ5を鋳造キャビティ1から取
出すには、ナイフエッジ方式によると便利である。ナイ
フエッジ方式の概略を図9(a、b)に示す。これは鋳
造キャビティ1の外側に凝固ロール2の表面に沿って、
先端が鋭利な2枚の板(ナイフエッジ)20を設置した
ものである。製作された薄板8がナイフエッジ20の上
を滑り、ナイフエッジ20と凝固ロール2の接線方向と
の角度αによって薄板8を引上げ、それにより鋳造スラ
グ5を鋳造キャビティ1から引上げて離型させる。ナイ
フエッジ20の先端の角度αは図9(a、b)に示すよ
うにナイフエッジ20の先端が鋳造キャビティ20の回
転後方に達した時に鋳造スラグ5の回転方向前方がキャ
ビティ1から完全に出るだけの角度(ロールの接線から
ナイフエッジ上面までの角度)が必要である。この場
合、図9(c)に示す様にナイフエッジ20の後端に下
向き(矢印A方向)の力を加えると、ナイフエッジ20
が支点21より先端が上方(矢印B方向)に動く様にす
ると、薄板8に強制的に上方への力を加えることがで
き、鋳造スラグ5にも離型される方向への力が加わり、
離型され易くなる。この場合、凝固ロールの回転とナイ
フエッジ20の上下動とを同期させると、個々の鋳造キ
ャビティ内の鋳造スラグ5を連続して確実に離型するこ
とができる。
【0028】鋳造スラグ5を鋳造キャビティ1から取出
すには、ベルト式にすることもできる。これは図10に
示す様に、凝固ロール2とテンションプーリ25との間
にベルト26を掛け、そのベルト26の外側で凝固ロー
ル2の近くに補助ロール27を配置してある。ベルト2
6はSUS430製とし、それに凝固ロール2の鋳造キ
ャビティ1に合わせて、鋳造キャビティ1よりやや大き
めの穴28をあけて、溶湯4がベルト26の裏面に廻り
込まないようにしてある。補助ロール27は離型地点に
おいてベルト26に角度を付けて、鋳造キャビティ1か
らの鋳造スラグ5の離型を容易にするためのものであ
る。このベルト式では鋳造キャビティ1に汲み取られて
鋳造キャビティ1から溢れた溶湯がベルト26の上に流
れ出し、その上で凝固して薄板8となる。ベルト26を
回転させると薄板8が持ち上げられ、それに伴って、薄
板8で連結されている鋳造スラグ5も持ち上げられ、連
続して離型される。
【0030】(実施形態2) 実施形態1はキャビティ1内で鋳造されたアルミニウム
の鋳造スラグ5を、キャビティ1から溢れ出て急冷され
たアルミニウムの薄板8で連結したものであるが、実施
形態2はキャビティ1内で鋳造された鋳造スラグ5を薄
板8で連結せずに、鋳造スラグ5を個別に単独でキャビ
ティ1から取り出す様にした製造方法である。この場
合、キャビティ1内で凝固した鋳造スラグ5を図示され
ていないノックピンで突き出すなどしてキャビティ1か
ら取り出す。他の条件は実施形態1の場合と同様であ
る。
【0040】(実験例) (実験設備) この実験では図3(a、b)に示す様に凝固ロール2の
表面に鋳造キャビティ(φ25×5mm)1を15度お
きに24個設け、アルミニウムの鋳造スラグ5をアルミ
ニウムの薄板8で連結するものである。鋳造スラグ5の
自由凝固面6には成形ロール7を装備して、アルミニウ
ムの余分な未凝固層をキャビティ1の外部に押出し、ま
た鋳造スラグ5の上部(外面)を半凝固状態のフラット
とするようにした。鋳造キャビティ1の底の回転方向先
方にはアルミニウム溶湯4の汲み取り時に、キャビティ
1内の残留空気を逃がして溶湯4の充填性を向上させる
ために、図4(a、b)に示す様に凝固ロール2の側面
からφ7.4mmの抜け孔17をあけ、それに連通する
φ0.5mmの空気抜き孔10をキャビティ1から3本
開けた。
【0041】(実験条件) 実験条件を表1に示す。液面位置は150mm(ロール
頂上) 未満の場合、鋳造キャビティ1への溶湯4の注湯
が不十分になるため150mmとした。成形ロール7の
幅はキャビティ1内の鋳造スラグ5を効率的に圧下する
ために、キャビティ1の幅と同じ25mmとした。成形
ロール7による圧下荷重はバネ初期圧縮量を変化させる
ことで調節した。鍛造性はアムスラー型万能試験機を用
いて室温で2mm/minの静的圧縮を加え、割れが発
生する限界圧縮率によって評価した。
【0042】
【表1】
【0043】(実験結果) バネ初期圧縮量10mmにおいて成形ロール角度θを変
化させたとき、成形ロール角度θが30度ではキャビテ
ィ1内の溶湯4の外側中心部に引けが発生し、窪んだ。
これは、30度の場合は、完全に凝固が完了してから成
形ロール7を通過していることによる。成形ロール角度
θが10度では鋳造スラグ5の前方が厚くなっている。
これは成形ロール7による圧下時期が早いために、未凝
固層によって成形ロール部にバドル(膨らみ)が発生
し、板厚が厚くなるためである。また、成形ロール7側
からも凝固が進行するため、鋳造スラグ5の中心部が最
終凝固部になり、ポロシティが発生する。ポロシティは
アルミニウム内に混入している空気の気泡である。成形
ロール角度θが20度の場合は、スラグ上面が半凝固状
態のときに圧下が行われているためポロシティもなく、
比較的フラットな上面が得られた。この結果を図12に
示す。
【0044】成形ロール角度θが20度において、成形
ロール圧下荷重を変化させたときの限界圧縮率は、熱処
理を施さなかった場合は圧下荷重によってほとんど変化
が見られないが、熱処理を施した場合は約4.5kNの
圧下で10%程度の限界圧縮率の向上が見られた。これ
は、圧下によって成形ロール7と鋳造スラグ5間の接触
が良好になって冷却状態が良くなったこと、ミクロポロ
シティを抑えたことなどが考えられる。この結果を図1
3に示す。
【0045】成形ロール角度20度、バネ初期圧縮量1
0mmにおいて、微細化剤を添加したときの限界圧縮率
は熱処理を施さなかった場合はほとんど変化が見られな
いが、熱処理を施した場合は10%程度の限界圧縮率の
向上が見られた。これは微細化剤の添加によってデンド
ライトアームスペーシング(Dendrite Arm Speacing :
DAS)には変化がないものの(共に約14μm)、鋳
造スラグ5の組織が柱状晶から等軸晶に変化したためと
考えられる。以上の結果から、本実験によって作製した
鋳造スラグで最大約60%の限界圧縮率が得られ、良好
な鍛造が可能となり、本願発明の鍛造方法の有効性が確
認された。この結果を図14に示す。
【0046】また、アルミニウムの鍛造加工・押出加工
などの塑性加工性も、機械的性質と同様に金属組織因子
の大きさによって影響を受け、特に、鍛造性に代表され
る塑性加工性はDASが20μmになると飛躍的に良好
になると報告されている。本発明では溶湯を急冷凝固さ
せることで鋳造スラグの機械的性質、及び鍛造性の向上
が期待でき、鍛造素材として適したものとなる。
【0047】本発明によれば、急冷凝固により組織を微
細にした鋳造スラグの作製技術が可能であるため、これ
まで困難だった過共晶Al−Si系合金をはじめとし
た、Al−Si系合金の鋳造スラグへの適応が容易とな
り、産業界への応用・展開が可能となる。過共晶Al−
Si系合金を含めたAl−Si系合金は耐摩耗性、低熱
膨張係数、高強度等の特性が良好なため、新しいアルミ
ニウム鍛造の適用範囲が広がることが考えられる。
【0050】
【発明の効果】本願の請求項1、2記載のアルミニウム
鋳造スラグの急速冷却凝固製造方法は次のような効果が
ある。 1.ロールの外周に間隔を開けて多数の鋳造キャビティ
を形成した凝固ロールを使用するので、個々の鋳造キャ
ビティの形状と同等又はそれに近い形状の鋳造スラグを
得ることができる。 2.アルミニウムの溶湯を凝固ロールにより急冷するの
で、結晶粒が微細な品質の良好な鋳造スラグを得ること
ができる。 3.品質が良く、鍛造に適したサイズ、形状の鋳造スラ
グを個別に得ることができるため、鋳造スラグを均質処
理してから、或は、そのまま鍛造素材として使用でき、
従来の様に切断、押出し・圧延、切断灯の下降を行なう
必要がないため、鍛造素材として使用できるまでの工程
が大幅に短縮され、コストの低減につながる。
【0051】本願の請求項1、2記載のアルミニウム鋳
造スラグの急速冷却凝固製造方法には前記効果の他に次
のような効果もある。 1.半凝固状態のアルミニウムの外面に成形ロールを圧
接するので、当該外面が平滑で、奇麗な面となる。
【0052】本願の請求項2記載のアルミニウム鋳造ス
ラグの急速冷却凝固製造方法には前記効果の他に次のよ
うな効果もある。 1.鋳造スラグが薄板により連結されて数珠つなぎにな
るため、鋳造スラグを連続成形することができ、その後
の工程、例えば加熱処理などで、鋳造スラグを熱処理ラ
インさらには切断ラインに送り込んで連続して処理する
ことができ、自動化し易く、取扱いに便利である。 2.鋳造スラグを薄板から打ち抜くだけで、鍛造素材と
して使用することができるため、鋳造スラグから鍛造素
材にするまでの工程が簡略化され、大幅なコストダウン
が実現できる。また、鋳造スラグを薄板から打ち抜くた
め、切削油を必要とせず、従って、使用しないのでその
まま加熱処理することもできる。また、切削せずに打ち
抜くだけであるため、切り粉の発生も殆どなく、アルミ
ニウムの無駄が少なくなり、ゼロエミッションにも寄与
できる。
【0053】本願の請求項3記載のアルミニウム鋳造ス
ラグの急速冷却用凝固ロールは、ロールの外周にアルミ
ニウムの溶湯を掻き上げる鋳造キャビティを、凝固ロー
ルの回転方向に間隔を開けて設けたものであるため、個
々の鋳造キャビティの形状と同等又はそれに近い形状の
鋳造スラグを得ることができる。
【0054】本願の請求項4記載のアルミニウム鋳造ス
ラグの急速冷却用凝固ロールは、鋳造キャビティ1内の
掻き上げ方向先方隅寄りに凝固ロール2の外周面に開口
する空気抜き孔10を有するものであるため、鋳造スラ
グを鋳造キャビティの形状に近い形状(ニアネットシェ
イプ)に鋳造することができる。
【0055】本願の請求項5記載のアルミニウム鋳造ス
ラグの急速冷却用成形ロールは成形ロールの外周面の一
部に、凝固ロールで急冷された半凝固状態のアルミニウ
ムに接触する突出部を設け、その突出部の側方に、凝固
ロールとの間にアルミニウム流出空間を形成する凹部を
設けたので、鋳造キャビティに汲み取られて溢れたアル
ミニウムの溶湯が流出空間に流れ出し、アルミニウムの
薄板が形成される。
【0056】本願の請求項6、7記載アルミニウム鋳造
スラグの急速冷却凝固製造装置は次のような効果があ
る。 1.凝固ロールが、ロールの外周に間隔を開けて多数の
鋳造キャビティを形成したものであるため、鋳造キャビ
ティによりアルミニウムの溶湯を掻き上げて、鋳造スラ
グを得ることができる。
【0057】本願の請求項6、7記載のアルミニウム鋳
造スラグ急速冷却凝固製造装置には次のような効果もあ
る。 1.鋳造キャビティ内の半凝固状のアルミニウムの自由
凝固面に圧力を負荷させて当該自由凝固面を急冷する成
形ロールを備えたので、鋳造キャビティ1内の凝固時に
溶湯の外側に引けが発生せず、窪みが発生しない。ちな
みに、成形ロール7を使用せずに鋳造キャビティ1内の
溶湯4を自然凝固させると、当該溶湯4のうち鋳造キャ
ビティへの接触面側は急冷されるが、大気側(外側)は
冷却されにくいため凝固が遅くなる。特に外側中央部の
凝固が遅くなり、その部分が後から凝固すると、その部
分の体積が減少して引けが生じて窪んでしまう。
【0058】本願の請求項7記載のアルミニウム鋳造ス
ラグ急速冷却凝固製造装置には次のような効果がある。 1.鋳造スラグが薄板により連結されて数珠つなぎにな
るため、鋳造スラグを連続成形することができ、その後
の工程、例えば加熱処理などで、鋳造スラグを熱処理ラ
インさらには切断ラインに送り込んで連続して処理する
ことができ、自動化し易く、取扱いに便利である。 2.鋳造スラグを薄板から打ち抜くだけで、鍛造素材と
して使用することができるため、鋳造スラグから鍛造素
材にするまでの工程が簡略化され、大幅なコストダウン
が実現できる。また、鋳造スラグを薄板から打ち抜くた
め、切削油を必要とせず、従って、使用しないのでその
まま加熱処理することもできる。また、切削せずに打ち
抜くだけであるため、切り粉の発生も殆どなく、アルミ
ニウムの無駄が少なくなり、ゼロエミッションにも寄与
できる。
【0059】本願の請求項6、7記載のアルミニウム鋳
造スラグ急速冷却凝固製造装置には前記効果の他に次の
ような効果もある。 1.半凝固状態のアルミニウムの外面を成形ロールによ
り負荷することができるので、当該外面が平滑で、奇麗
な面となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造装置及び製造方法の説明図。
【図2】本発明の製造方法により製造される鋳造スラグ
の側面説明図。
【図3】(a)は本発明の凝固ロールの側面図、(b)
は正面図。
【図4】(a)は本発明の凝固ロールのキャビティ部分
の側面方向断面図、(b)は正面方向断面図。
【図5】(a)は本発明の凝固ロールとフラット型成形
ロールとの対向状態を示す斜視図、(b)は凝固ロール
と凸型成形ロールとの対向状態を示す斜視図。
【図6】(a)はフラット型成形ロールによる成形状態
を示す縦断面図、(b)は凸型成形ロールによる成形状
態を示す縦断面図。
【図7】(a)はフラット型成形ロールによる成形状態
を示す側面方向縦断面図、(b)は凸型成形ロールによ
る成形状態を示す側面方向成縦断面図。
【図8】鋳造キャビティへの溶湯の充填状態の説明図。
【図9】(a)は固定ナイフエッジ式離型装置の正面説
明図、(b)は同離型装置の側面説明図、(c)は可動
ナイフエッジ式離型装置の側面説明図。
【図10】(a)はベルト式離型装置の側面説明図、
(b)は同離型装置のベルトの正面説明図。
【図11】ベルト式離型装置の斜視図。
【図12】鋳造スラグの回転方向中心部の厚さ分布図。
【図13】圧下荷重の違いによる限界圧縮率の説明図。
【図14】微細化剤添加による限界圧縮率の説明図。
【図15】双ロール方式の概略図。
【図16】メルトドラッグ方式の概略図。
【符号の説明】
1 鋳造キャビティ 2 凝固ロール 3 ノズル 4 アルミニウムの溶湯 5 鋳造スラグ 6 自由凝固面 7 成形ロール 8 薄板 9 ロール 10 空気抜き孔 11 ロール 12 突出部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22D 11/06 330 B22D 11/06 370 B22D 21/04

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ロール(9)の外周に間隔を開けて多数の
    鋳造キャビティ(1)を形成した凝固ロール(2)を回
    転させて、鋳造キャビティ(1)内にノズル(3)内の
    アルミニウムの溶湯(4)を掻き上げて凝固ロール
    (2)により急冷し、鋳造キャビティ(1)内の半凝固
    状のアルミニウムの自由凝固面(6)に成形ロール
    (7)により圧力を負荷させて自由凝固面(6)をも急
    冷し、凝固したアルミニウムの鋳造スラグ(5)を鋳造
    キャビティ(1)から個別に取り出すようにしたこと
    特徴とするアルミニウム鋳造スラグの急速冷却凝固製造
    方法。
  2. 【請求項2】ロール(9)の外周に間隔を開けて多数の
    鋳造キャビティ(1)を形成した凝固ロール(2)を回
    転させて、鋳造キャビティ(1)内にノズル(3)内の
    アルミニウムの溶湯(4)を掻き上げて凝固ロール
    (2)により急冷凝固して鋳造スラグ(5)とし、同時
    に前記掻き上げ時に鋳造キャビティ(1)からはみ出た
    溶湯(4)をも凝固ロール(2)により急冷凝固して薄
    板(8)として鋳造スラグ(5)を薄板(8)により
    連結すると共に半凝固状の薄板(8)の自由凝固面
    (6)に成形ロール(7)により圧力を負荷させて当該
    自由凝固面(6)をも急冷し、薄板(8)を凝固ロール
    (2)から剥離することにより当該薄板(8)により連
    結された鋳造スラグ(5)を鋳造キャビティ(1)内か
    ら連続して取り出すようにしたことを特徴とするアルミ
    ニウム鋳造スラグの急速冷却凝固製造方法。
  3. 【請求項3】請求項1又は請求項2記載のアルミニウム
    鋳造スラグの急速冷却凝固製造方法に使用される凝固ロ
    ール(2)が、ロール(9)の外周にアルミニウムの溶
    湯(4)を掻き上げる鋳造キャビティ(1)を、凝固ロ
    ール(2)の回転方向に間隔を開けて設けたものである
    ことを特徴とするアルミニウム鋳造スラグ急速冷却用凝
    固ロール。
  4. 【請求項4】請求項1又は請求項2記載のアルミニウム
    鋳造スラグの急速冷却凝固製造方法に使用される凝固ロ
    ール(2)が、鋳造キャビティ(1)内の掻き上げ方向
    先方隅寄りに凝固ロール(2)の外周面に開口する空気
    抜き孔(10)を有するものであることを特徴とするア
    ルミニウム鋳造スラグ急速冷却用凝固ロール。
  5. 【請求項5】請求項1又は請求項2記載のアルミニウム
    鋳造スラグの急速冷却凝固製造方法に使用される成形ロ
    ール(7)が、ロール(11)の外周面の一部に凝固ロ
    ール(2)で急冷された半凝固状態のアルミニウムに接
    触する突出部(12)が形成されたものであることを特
    徴とするアルミニウム鋳造スラグ急速冷却用成形ロー
    ル。
  6. 【請求項6】アルミニウムの溶湯(4)を供給するノズ
    ル(3)と、ロール(9)の外周に間隔を開けて多数の
    鋳造キャビティ(1)を形成した凝固ロール(2)と、
    凝固ロール(2)の回転方向先方に設けられた成形ロー
    ル(7)を備え、凝固ロール(2)は回転により鋳造キ
    ャビティ(1)内にノズル(3)内のアルミニウムの溶
    湯(4)を掻き上げて急冷し、急冷により鋳造キャビテ
    ィ(1)内で凝固させ、成形ロール(7)は鋳造キャビ
    ティ(1)内の半凝固状のアルミニウムの自由凝固面
    (6)に圧力を負荷させて当該自由凝固面(6)を急冷
    し、急冷されたアルミニウムの鋳造スラグ(5)が凝固
    ロール(2)の回転により鋳造キャビティ(1)から取
    り出されるようにしたことを特徴とするアルミニウム鋳
    造スラグの急速冷却凝固製造装置。
  7. 【請求項7】 アルミニウムの溶湯(4)を供給するノズ
    ル(3)と、ロール(9)の外周に間隔を開けて多数の
    鋳造キャビティ(1)を形成した凝固ロール(2)と
    凝固ロール(2)の回転方向先方に設けられた成形ロー
    ル(7)を備え、凝固ロール(2)は回転により鋳造キ
    ャビティ(1)内にノズル(3)内のアルミニウムの溶
    湯(4)を掻き上げて急冷し、急冷により鋳造キャビテ
    ィ(1)内のアルミニウムを鋳造スラグ(5)とし、同
    時に前記掻き上げ時に鋳造キャビティ(1)からはみ出
    た溶湯(4)をも急冷凝固して薄板(8)として鋳造ス
    ラグ(5)を薄板(8)により連結し、成形ロール
    (7)は薄板(8)の自由凝固面(6)に圧力を負荷さ
    せて当該自由凝固面(6)を急冷し、その薄板(8)を
    凝固ロール(2)から剥離することにより当該薄板
    (8)により連結された鋳造スラグ(5)が鋳造キャビ
    ティ(1)内から連続して取り出されるようにしたこと
    を特徴とするアルミニウム鋳造スラグの急速冷却凝固製
    造方法に使用されるアルミニウム鋳造スラグの急速冷却
    凝固製造装置。
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