JP3516995B2 - 被覆用組成物 - Google Patents

被覆用組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塗料に用いることがで
きる被覆用組成物に関する。詳しく説明すると、極めて
良好な貯蔵安定性を有し、かつ耐酸性、耐候性等の屋外
耐久性に優れた塗膜を形成することができる被覆用組成
物、及び該被覆用組成物を含む一液型塗料に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車外板をクリアー塗装する場
合、貯蔵安定性及び塗装作業性が良く、優れた塗膜物性
が得られるので、アクリルポリオールとメラミン樹脂と
を組み合わせた、一液型の熱硬化性塗料が使われてい
る。しかしながら、メラミン樹脂は耐酸性が弱いため、
このメラミン樹脂を含む熱硬化性塗料で形成した塗膜
は、屋外暴露時、特に酸性雨により著しく劣化する。一
方、メラミン系以外の樹脂で同じ用途に用いることがで
きる樹脂には、アクリルポリオールとイソシアネート化
合物(樹脂)からなるイソシアネート系樹脂がある。こ
の樹脂硬化系は、良好な耐酸性を有するが、成分のイソ
シアネート化合物に毒性があり、さらにポットライフが
短いために、一液型としては用いることが困難であり、
このため自動車塗装ラインには適さないものである。こ
のような問題点を解決するため、耐酸性に優れ、しか
も、一液型である塗料の開発が進められているものの、
有用性の高い優れた塗料は実現されていない。例えば、
特開平5-239403号公報に開示されている、カルボキシル
基、エポキシ基、酸無水基及び水酸基の付加反応を利用
した熱硬化性塗料や、特開平5-132650号公報に開示され
ている、エポキシ基含有化合物、フェニルシラノール化
合物、アルミニウム化合物を含む低温硬化性塗料組成物
が知られているが、何れの塗料も硬化性と貯蔵安定性の
両立は不十分なものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】良好な貯蔵安定性を有
し、かつ、耐酸性、耐候性等に優れた塗膜を形成するこ
とができ、さらに、イソシアネート化合物のような毒性
を有さない、一液型塗料として利用可能な被覆用組成物
を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために研究した結果、分子内にシロキシ基を
有し、該シロキシ基がリン原子上に直接結合しているリ
ン系化合物が、大気に晒されると、このシロキシ基が、
大気中の水分によって加水分解されて活性な酸基に変わ
り、この酸基が共重合体中のエポキシ基に作用して架橋
反応を進行させ、硬化塗膜が形成されることを見い出し
た。そして、このシロキシ基を有するリン系化合物と、
エポキシ基を有するα,β−エチレン性不飽和基含有単
量体を含む共重合体とを組み合わせることにより、密閉
し大気に晒らさない限り安定であり、逆に大気に晒すと
速やかに硬化する硬化性組成物が得られるという知見を
得た。本発明はこの知見に基づき完成されたものであ
る。したがって、本発明は、(A)エポキシ基を有する
α,β−エチレン性不飽和基含有単量体と、その他の
α,β−エチレン性不飽和基含有単量体とを含む共重合
体と、(B)分子内にシロキシ基を有し、該シロキシ基
がリン原子上に直接結合しているリン系化合物とを含む
被覆用組成物、及び該被覆用組成物を含む一液型塗料を
提供するものである。さらに、本発明は、共重合体
(A)及びリン系化合物(B)に加えて、安定剤として
の水分捕捉剤(C)を含む被覆用組成物、及び該被覆用
組成物を含む一液型塗料を提供するものである。次に、
本発明の被覆用組成物について詳細に説明する。
【0005】本発明の共重合体(A)を構成する、エポ
キシ基を有するα,β−エチレン性不飽和基含有単量体
単量体は、特に制限することなく使用することができ
る。その例を挙げると、グリシジルメタクリレート、グ
リシジルアクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシ
ルメチルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル等
があり、これらを単独で、又は2種以上を組み合わせて
使用する。また、本発明の共重合体(A)を構成する、
その他のα,β−エチレン性不飽和基含有単量体単量体
とは、エポキシ基を含まない単量体をいい、特に制限さ
れるものではない。その例を挙げると、メチル(メタ)
アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチ
ル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレ
ート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチル
ヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アク
リレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘ
キシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリ
レート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、
2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のメタ
クリル酸、及び、アクリル酸のエステル類がある。な
お、メチル(メタ)アクリレートとは、メチルメタクリ
レートとメチルアクリレートの双方を意味する。さらに
例を挙げると、2−ヒドロキシエチルメタクリレート又
は2−ヒドロキシエチルアクリレートのε−カプロラク
トン付加物、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチ
ルスチレン、ビニルトルエン、アクリロニトリル、酢酸
ビニル、プロピオン酸ビニル、アクリルアミド、N−メ
チロールアクリルアミド、N−n−ブトキシメチルアク
リルアミド、マレイン酸ジ−n−ブチルやフマル酸ジイ
ソブチルの如き不飽和ジカルボン酸のジエステル類、ヘ
キサフルオロプロピレンやテトラフルオロエチレンの如
き含フッ素ビニル単量体、塩化ビニル、プロピレン、エ
チレン、炭素数4〜10のα−オレフィン等がある。そ
して、これらの単量体を単独で又は2種以上組み合わせ
て用いることができる。
【0006】本発明の組成物の共重合体(A)は、エポ
キシ当量を200〜1500g/eq、好ましくは25
0〜1300g/eq、さらに好ましくは300〜12
00g/eqとするのが適当である。このように該共重
合体のエポキシ当量を限定するのは、該当量が200よ
り小さいと、貯蔵安定性が悪くなり、かつ、塗膜の表面
平滑性が低下して、好ましい塗膜外観を得ることができ
ないからであり、また、該当量が1500より大きい
と、硬化性が低くなり、塗膜物性が悪くなるからであ
る。なお、ここで、エポキシ当量とは、1グラム当量の
エポキシ基を含む共重合体の重量グラム数を表わし、そ
の単位はg/eqである。また、共重合体(A)の数平
均分子量は1500〜18000、好ましくは1600
〜17000、特に好ましくは1900〜15000が
適当である。このように数平均分子量を限定するのは1
500より小さいと塗膜物性が低下し、逆に18000
より大きいと、塗装時の固形分濃度が低くなり、加え
て、塗膜外観が悪くなるからである。なお、ここで、数
平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフを使
用して、ポリスチレンを標準とした測定によって得られ
る値である。更に、共重合体(A)のガラス転移点は0
〜60℃、好ましくは5〜55℃、特に好ましくは10
〜50とするのが適当である。このように範囲を限定す
るのは、ガラス転移点が0℃より低いと、塗膜が熱軟化
し易くなり、塗膜物性が低下するからであり、逆に、ガ
ラス転移点が60℃より高いと、塗装時の固形分濃度が
低くなり、加えて、塗膜外観が悪くなるからである。
【0007】なお、本発明の共重合体(A)は、溶液重
合法のような常法により合成することができる。その際
使用できる重合開始剤の例を挙げると、2,2′−アゾ
ビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス−2,4
−ジメチルバレロニトリルなどのアゾ化合物、ベンゾイ
ルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシベンゾエー
ト、tert−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネー
ト、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエー
ト、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、クメンハイドロ
パーオキサイド、カリウムパーサルフェート、過酸化水
素などの過酸化物等があり、これらを単独又は2種以上
組み合わせて使用することができる。また、必要に応じ
て、ドデシルメルカプタン、メルカプトエタノール、α
−メチルスチレンダイマー等の連鎖移動剤を用いること
ができる。また、合成に際して、溶剤を必要とするとき
は、例えば、n−ヘプタンの如き脂肪族炭化水素、トル
エン、キシレン、ミネラルスピリットの如き芳香族炭化
水素、主として脂肪族炭化水素からなり、若干の芳香族
炭化水素を含有する種々の沸点範囲の石油留分、ソルベ
ッソ#100(エッソ社製)の如き芳香族炭化水素から
なる種々の沸点範囲の石油留分、酢酸−n−ブチルの如
きエステル類、メチルイソブチルケトンの如きケトン
類、n−ブタノールの如きアルコール類を用いることが
できる。
【0008】次に、本発明で用いるリン系化合物
(B)、すなわち、分子内にシロキシ基の有し、該シロ
キシ基がリン原子上に直接結合しているリン系化合物に
ついて説明する。本発明のリン系化合物(B)は、下記
式で表されるシロキシ基をリン原子上に直接結合してい
るリン系化合物である: −O−Si (R1) (R2) (R3) (式中のR1 及びR2 は、それぞれ同一であっても異な
っていてもよく、水素原子、塩素原子、フッ素原子、ア
ルキル基又はフェニル基を表し、R3 はアルキル基又は
フェニル基を表す。)。通常、本発明のリン系化合物
(B)は、ピリジンやトリエチルアミン等の、いわゆ
る、塩化水素捕捉剤の存在下で、又は不存在下で、公知
のシリル化剤を、後述する各種のリン酸基含有物質と反
応させて得られる。塩化水素捕捉剤の存在下で使用する
シリル化剤の例を挙げると、トリメチルクロロシラン、
トリフェニルクロロシラン、フェニルジメチルクロロシ
ラン、tert−ブチルジメチルクロロシラン、エチルジフ
ェニルクロロシラン、tert−ブチルジフェニルクロロシ
ラン、ビス(ジメチルクロロシリル)エタン、テトラメ
チルジクロロジシロキサン、ジメチルジクロロシラン等
のクロロシラン類などがある。また、塩化水素捕捉剤の
不存在下で使用するシリル化剤の例を挙げると、シリル
アミン類、シリルアミド類、シリルウレア類等がある。
【0009】また、前記リン酸基含有物質の例を挙げる
と、オルトリン酸、亜リン酸、ピロリン酸、ホスフォン
酸の如き無機リン酸類、モノブチルホスフェート、モノ
イソデシルホスフェートの如きオルトリン酸のモノアル
キルエステル類、2−エチルヘキシルアシッドホスフェ
ート(AP−8(大八化学工業(株)製))のようなオ
ルトリン酸のモノアルキルエステル体とジアルキルエス
テル体との混合物、ジブチルピロホスフェートの如きピ
ロリン酸のジアルキルエステル類、及びフェニルホスフ
ォン酸の如きホスフォン酸の誘導体などがある。次に本
発明のリン系化合物(B)のうち、好ましいリン系化合
物を挙げる。 下記一般式(I) で表されるリン系化合物: P(O)(R4 3-m 〔O−Si (R1) (R2) (R3)〕m (I) (式中、R1 及びR2 は、それぞれ同一であっても異な
っていてもよく、水素原子、塩素原子、フッ素原子、ア
ルキル基又はフェニル基を表し、R3 はアルキル基又は
フェニル基を表し、R4 は水素原子、アルキル基、フェ
ニル基、アルコキシ基、又はフェノキシ基を表し、mは
2又は3を表わす。) 下記一般式(II)で表されるリン系化合物: P(OR5 )3-m〔O−Si (R1) (R2) (R3)〕m (II) (式中、R5 はアルキル基又はフェニル基を表す。な
お、R1 〜R3 及びmはそれぞれ式(I) と同じ基又は整
数を表す。) 下記一般式(III) で表されるリン系化合物: {P(O)(OR6 2-n 〔O−Si (R1) (R2) (R3)〕n 2 O (III) (式中、R6 はアルキル基又はフェニル基を表し、nは
1又は2を表す。なお、R1 〜R3 はそれぞれ式(I) と
同じ基を表す。) 下記一般式(IV)で表されるリン系化合物: P(O)(OR7 )(R8 )〔O−Si (R1) (R2) (R3)〕 (IV) (式中、R7 はアルキル基又はフェニル基を表し、R8
は水素原子、アルキル基、フェニル基、アルコキシ基又
はフェノキシ基を表す。R1 〜R3 はそれぞれ式(I) と
同じ基を表す。) 下記一般式(V) で表されるリン系化合物: P(OR9 )(OR10)〔O−Si (R1) (R2) (R3)〕 (V) (式中、R9 及びR10は、それぞれ同一であっても異な
っていてもよく、アルキル基又はフェニル基を表す。R
1 〜R3 はそれぞれ式(I) と同じ基を表す。) この一般式(I) 〜(V) で表されるリン系化合物(B)の
具体例を挙げると、トリス(トリメチルシリル)ホスフ
ェート、トリス(トリフェニルシリル)ホスフェート、
トリス(tert−ブチルジメチルシリル)ホスフェート、
ビス(トリメチルシリル)ブチルホスフェート、ビス
(トリメチルシリル)オクチルホスフェート、ビス(ト
リフェニルシリル)イソデシルホスフェート、ビス(フ
ェニルジメチルシリル)ブチルホスフェート、ビス(te
rt−ブチルジメチルシリル)オクチルホスフェート、ビ
ス(tert−ブチルジメチルシリル)イソデシルホスフェ
ート、ビス(トリメチルシリル)フェニルホスフォネー
ト、テトラ(トリメチルシリル)ピロホスフェート、ビ
ス(トリメチルシリル)ジブチルピロホスフェート等が
ある。本発明では、これらを単独で又は2種以上組み合
わせて使用することができる。
【0010】このようにリン系化合物(B)は、前記リ
ン酸基含有物質の酸基と、前記シリル化剤とを反応させ
て、該酸基をシロキシ基の形で保護(ブロック)した構
造を有するものである。本発明の被覆用組成物の硬化性
を高くするためには、リン系化合物(B)で、リン原子
上に直接結合しているシロキシ基が、一分子当たり2個
以上であることが望ましい。リン系化合物(B)1分子
あたりのシロキシ基数が2個未満の場合は、若干の硬化
性の低下を招くが、1分子あたりに平均1.2個以上のシ
ロキシ基を有していれば、本発明で特に問題なく使用す
ることができる。したがって、シロキシ基を分子中に1
個しか含まないリン系化合物(B)を使用する場合は、
シロキシ基を複数個含むリン系化合物(B)と組み合わ
せて、リン原子上に直接結合しているシロキシ基数が、
1分子あたりに、少なくとも平均で1.2個以上となるよ
うにしなければならない。本発明においては、リン系化
合物(B)の使用量は、共重合体(A)エポキシ基と、
リン系化合物(B)のシロキシ基との当量比が、10
0:10〜100:150、好ましくは100:50〜
100:130、特に好ましくは、100:80〜10
0:120とするのが望ましい。このように使用量を限
定するのは、100:10より少ないと、硬化性が低下
し、十分な塗膜物性が得られないからであり、また、使
用量が100:150より多いと、貯蔵安定性が低下し
たり、耐水性などの塗膜物性が悪くなるからである。
【0011】本発明の被覆用組成物は、被塗物に塗布さ
れ、大気中に暴露されると、リン系化合物(B)中のシ
ロキシ基が、大気中の水分によって加水分解されて、活
性な酸基へと変化する。かかる酸基は、本組成物の共重
合体(A)中のエポキシ基と反応し、これらのエポキシ
基と酸基との架橋反応が進行して硬化塗膜が形成され
る。この架橋反応は、加熱によって促進される。逆に、
本発明の被覆用組成物は、大気中に暴露されたり、高温
に晒されない限り、リン系化合物(B)中のシロキシ基
が分解されて活性な酸基にはならないので安定である。
また、何らかの原因で微量の酸基が生成したとしても、
常温ならば、架橋反応の進行は遅いため、貯蔵安定性は
極めて良好である。しかしながら、保存温度が50℃を
超える条件下で、長期の貯蔵安定性を確保するために
は、何らかの理由によって塗料系内に侵入する微量の水
分を、捕捉するような形で取り除く成分を加えておくこ
とが望ましい。したがって、水分と反応する、いわゆる
水分捕捉剤を被覆用組成物に添加することが賢明であ
る。したがって、本発明の被覆用組成物は、共重合体
(A)とリン系化合物(B)に加えて、必要に応じて安
定剤としての水分捕捉剤(C)を添加する。この水分捕
捉剤(C)として、加水分解性基含有化合物及び/又は
イソシアネート基含有化合物を用いることができる。加
水分解性基含有化合物の具体例を挙げると、オルトギ酸
トリエチルの如きオルトギ酸トリアルキルエステル類、
オルト酢酸トリメチルの如きオルト酢酸トリアルキルエ
ステル類、オルトホウ酸トリブチルの如きオルトホウ酸
トリアルキルエステル類、及び下記式(VI)で表わされる
シリケート類の単体を挙げることができる: Si(R114-p-q (OR12p (R13q (VI) (式中、R11は水素原子、アルキル基、フェニル基、ベ
ンジル基又はビニル基を表し、R12はアルキル基、フェ
ニル基、ベンジル基、ビニル基、イソプロペニル基、ア
セチル基又はベンゾイル基を表し、R13はアルキル基又
はγ−グリシドキシプロピル基を表し、pは1〜4の整
数を表し、qはpが4のとき0及びpが1〜3の整数の
とき0又は1を表す。)。
【0012】これらの水分捕捉剤のうち、水分を捕捉し
てもアルコール成分を生成しない化合物が、本発明の水
分捕捉剤(C)として好ましい。具体的な例を挙げる
と、イソプロペノキシトリメチルシラン、γ−グリシド
キシプロピルメチルジイソプロペノキシシラン、メチル
トリイソプロペノキシシラン、テトラアセトキシシラン
などや、また、イソシアネート基含有化合物、例えば、
フェニルイソシアネートの如きモノイソシアネート化合
物がある。これらの水分捕捉剤(C)を単独で又は組み
合わせて用いることができる。この水分捕捉剤(C)
は、共重合体(A)とリン系化合物(B)とを混合する
ときに添加してもよいが、共重合体(A)又はリン系化
合物(B)に、溶剤の一部として予め混ぜておいてよ
い。なお、水分捕捉剤(C)の使用量は、共重合体
(A)とリン系化合物(B)の全量100重量部に対し
て、0.5〜40重量部、好ましくは0.8〜30重量
部、特に好ましくは1〜20重量部であることが望まし
い。このように水分捕捉剤(C)の使用量を限定するの
は、0.5重量部よりも少ないと、塗料原料中より混入す
る水分、塗料製造上混入する水分を十分に除去し、安定
な塗料とする事ができないからであり、40重量部より
も多いと、シリル基の吸水加水分解反応が塗布されてか
らも残り、塗膜の日ボケ、艶引等の原因となるからであ
る。
【0013】さらに必要に応じて、塗膜物性の向上等を
図る目的で、本発明の被覆用組成物に適当な添加物等を
加えて、塗料を調製することができる。ここで加える添
加物等には、例えば、メラミン樹脂やイソシアネート樹
脂等の他の樹脂類、各種慣用の塗料用添加剤、表面調整
剤、ハジキ防止剤、流動性調整剤、紫外線吸収剤、光安
定化剤、酸化防止剤等がある。なお、本発明の被覆用組
成物は、塗料、インキ、接着剤等として使用できるが、
特に塗料として用いるのが最も適している。塗料として
使用する場合、被塗物への塗装方法には、特に制限はな
い。例えば、本発明の共重合体(A)を合成する際に使
用する溶剤を、本発明の被覆用組成物に加え所定の粘度
に調整し、スプレー塗装、刷毛塗り、浸漬塗装、流し塗
り、ロール塗装等の常法を適用することができる。ま
た、塗装膜厚は、塗料の用途により異なるが、通常で5
〜100μm、好ましくは15〜50μmとするのが適
当であって、塗膜の乾燥は、通常で80〜200℃、好
ましくは120〜180℃で30分以内に終わらせるの
が好ましい。本発明の被覆用組成物の被塗物は特に制限
されないが、例を挙げると、スチール、アルミニウム、
銅、更に、スチールの表面に亜鉛、スズ、クロム等をメ
ッキしたメッキ鋼、スチールの表面をクロム酸やリン酸
で化学処理又は電解処理したもの等がある。
【0014】以上、本組成物は、良好な貯蔵安定性と硬
化性を有し、加えて、耐酸性、耐候性等の屋外耐久性に
優れた塗膜を形成し得るため、とりわけ、一液型塗料と
して有用なものである。
【0015】
【発明の効果】本発明の被覆用組成物は、貯蔵安定性が
優れているだけでなく、容易に耐久性を有する塗膜、特
に耐酸性、及び耐候性に優れた塗膜を形成し得るもので
ある。したがって、本発明の被覆用組成物により、極め
て有用な一液型塗料を得ることができる。次に、本発明
を、製造例、実施例、比較例によって、一層具体的に説
明する。ここで、「部」及び「%」は、特に断らない限
り、すべて重量を基準とする。
【0016】
【実施例】エポキシ基を含む共重合体(A)の製造例を
以下に示す。 (製造例1) 共重合体(A1)の製造 攪拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロートを備えた反応
容器に、窒素ガスをパージした後、溶剤としてソルベッ
ソ#100(エッソ社製)43部と酢酸−n−ブチル1
1部とを仕込み、攪拌しながら反応容器の内部温度を1
30℃にした後、表1に示した製造例1の単量体と重合
開始剤との混合液を、同温度のまま5時間かけて、滴下
ロートから等速滴下した。滴下終了後、同温度で3時間
熟成し、熟成後、ソルベッソ#100を10部と酢酸−
n−ブチルを2.5部加えて、表1に記載の共重合体(A
1)の溶液を得た。 (製造例2及び3) 共重合体(A2)及び(A3)の製造 表1に示した製造例2及び3の単量体と重合開始剤を用
いて、製造例1と同様の手順によって、エポキシ当量が
それぞれ所望範囲の下限及び上限に近い、表1に記載の
共重合体(A2)及び(A3)の溶液を得た。 (製造例4) 共重合体(A4)の製造 表1に示した製造例4の単量体と重合開始剤を用いて、
溶剤をソルベッソ#100のみ54部、反応容器の内部
温度を140℃及び、熟成後の溶剤を未添加とした他
は、製造例1と同様の手順によって共重合体を製造し
た。これにより数平均分子量が所望範囲の下限である表
1に記載の共重合体(A4)の溶液を得た。
【0017】(製造例5) 共重合体(A5)の製造 表1に示した製造例5の単量体と重合開始剤を用いて、
溶剤をトルエンのみ54部、反応容器の内部温度を11
0℃、及び熟成後の溶剤をトルエンのみ46部とした他
は、製造例1と同様の手順によって共重合体を製造し
た。これにより、数平均分子量が所望範囲の上限であ
る、表1に記載の共重合体(A5)の溶液を得た。 (製造例6及び7) 共重合体(A6)及び(A7)の製造 表2に示した製造例6及び7の単量体と重合開始剤を用
いて、熟成後の溶剤を、製造例6については未添加、製
造例7についてはソルベッソ#100を37部と酢酸n
−ブチルを9部とした他は、製造例1と同様の手順によ
って共重合体を製造した。これにより、ガラス転移点が
それぞれ所望範囲の下限と上限である、表2に記載の共
重合体(A6)及び(A7)の溶液を得た。 (製造例8) 共重合体(A8)の製造 表2に示した製造例8の単量体と重合開始剤を用いて、
製造例1と同様の手順によって、脂環式のエポキシ基を
含む、表2に記載の共重合体(A8)の溶液を得た。次
いで、比較例に用いる、エポキシ基を含まない共重合体
の製造例を示す。
【0018】(製造例9) 共重合体溶液(A9)の製造 表2に示した製造例9の単量体と重合開始剤を用いて、
製造例1と同様の手順によって、エポキシ基を含まな
い、共重合体(A9)の溶液を得た。続いて、比較例に
用いるアクリルポリオールの製造例を以下に示す。 (製造例10) 共重合体(A10)の製造 表2に示した製造例10の単量体と重合開始剤を用い
て、溶剤をソルベッソ#100を43部とn−ブタノー
ルを11部、熟成後の溶剤をキシレンを10部とn−ブ
タノールを2.5部とした他は、製造例1と同様の手順に
よって共重合体(A10)(アクリルポリオール)の溶液
を得た。次に、リン系化合物(B)の製造例を以下に示
す。
【0019】(製造例11) リン系化合物(B1)の製造 (2−エチルヘキシルアシッドホスフェートのトリメチ
ルシリル化物)攪拌機、温度計、2つの滴下ロートを備
えた反応容器に、乾燥窒素ガスをパージした後、表3の
製造例11に示した通り、溶剤としてn−ヘプタン70
部、2−エチルヘキシルアシッドホスフェート(実測酸
価310 KOH mg /g)100部を仕込み、容器を氷冷
しながら攪拌し、トリメチルクロロシラン65.8部とn
−ヘプタン70部との混合液、及び、発生する塩化水素
を捕捉するためのピリジン45.8部を、別々の滴下ロー
トから同時に、2時間かけて等速滴下した。滴下終了
後、n−ヘプタン70部を追加し、滴下ロートにかえて
還流冷却器と窒素導入管を取り付けて、生成したピリジ
ンと塩化水素の不溶性の塩とともに、高速攪拌しなが
ら、窒素を気相に吹き込み、室温で2時間、続いて、5
0℃で2時間、熟成と残留塩化水素の追い出しを行なっ
た。次に、得られた反応液を遠心分離によって、不溶塩
と上澄液を分離後、この上澄液を0.45μmフィルター
に2回通してから、減圧下で液中のn−ヘプタンを留去
し、目的のリン系化合物(B1)を収率83%で得た。
このリン系化合物は1分子あたりのシロキシ基数が平均
1.5個であり、外観は無色透明の液状物であった。 (製造例12) リン系化合物(B2)の製造 (モノイソデシルホスフェートのトリメチルシリル化
物)表3の製造例12に示した通り、モノイソデシルホ
スフェート(実測酸価417 KOH mg /g)100部、
トリメチルクロロシラン88.7部、及びピリジン61.5
部を用いて、製造例11と同様の手順によって、目的の
リン系化合物(B2)を収率85%で得た。このリン系
化合物は、1分子あたりのシロキシ基数が平均1.8個で
あり、外観が淡黄色透明の液状物であった。
【0020】(製造例13) リン系化合物(B3)の製造 (モノフェニルホスフェートのトリメチルシリル化物)
表3の製造例13に示した通り、モノフェニルホスフェ
ート(実測酸価653KOH mg /g)100部、トリメ
チルクロロシラン139部、及びピリジン96.7部を用
いて、製造例11と同様の手順によって、目的のリン系
化合物(B3)を収率89%で得た。このリン系化合物
は、1分子あたりのシロキシ基数が2個であり、外観は
無色透明の液状物であった。 (製造例14) リン系化合物(B4)の製造 (ジブチルピロホスフェートのtert−ブチルジメチルシ
リル化物)表3の製造例14に示した通り、ジブチルピ
ロホスフェート(実測酸価422KOH mg /g)100
部、tert−ブチルジメチルクロロシラン119部、及び
ピリジン62.5部を用いて、製造例11と同様の手順に
よって、目的のリン系化合物(B4)を収率85%で得
た。このリン系化合物は、1分子あたりのシロキシ基数
が平均1.7個であり、外観が淡黄色透明の液状物であっ
た。 (製造例15) リン系化合物(B5)の製造 (モノイソデシルホスフェートのtert−ブチルジメチル
シリル化物)表3の製造例15に示した通り、モノイソ
デシルホスフェート(実測酸価417 KOH mg /g)1
00部、tert−ブチルジメチルクロロシラン117.6
部、及びピリジン61.7部を用いて、製造例11と同様
の手順によって、目的のリン系化合物(B5)を収率8
9%で得た。このリン系化合物は、1分子あたりのシロ
キシ基数が平均1.8個であり、外観が淡黄色透明の液状
物であった。
【0021】(実施例1)製造例1の共重合体(A1)
の溶液と製造例11のリン系化合物(B1)を用いて、
表4に示した実施例1のクリアー塗料を調製し、同塗料
を、20℃のときの粘度がフォードカップ#4で30秒
になるように、ソルベッソ#100/酢酸−n−ブチル
(80/20部)の混合溶剤で希釈した。この希釈塗料
を、ブリキ板とアルミ板にスプレー塗装し、150℃で
20分間焼き付けた後、硬化塗膜のゲル分率と塗膜物
性、及び、希釈塗料の貯蔵安定性の評価を後述の方法で
行ない、表4に記載の結果を得た。表4に示したよう
に、エポキシ当量が475g/eq、数平均分子量が5
000、ガラス転移点が30℃である共重合体(A1)
の溶液と、1分子あたり平均1.5個のシロキシ基を有す
るリン系化合物(B1)(2−エチルヘキシルアシッド
ホスフェートのトリメチルシリル化物)を、エポキシ基
とシロキシ基との当量比が100:80になるように配
合した。さらに水分捕捉剤(C)としてイソプロペノキ
シトリメチルシランを、共重合体(A)とリン系化合物
(B)の全量100部に対して15部添加し、本発明の
被覆用組成物を得た。この被覆用組成物は、良好な貯蔵
安定性と優れた耐酸性を有していた。
【0022】次に、評価方法を説明する。 (1)貯蔵安定性 希釈塗料を入れた密閉缶を、50℃の恒温器に貯蔵し
て、10日後の粘度変化を調べた。 ◎:粘度変化5秒未満 ○:粘度変化5〜15秒以内 △:粘度変化15秒以上 ×:ゲル化 (2)ゲル分率 ブリキ板から水銀アマルガム法によって単離した硬化塗
膜を、200メッシュのステンレス網に包み、アセトン
中還流温度で7時間抽出した後の重量変化を測定して、
次式から算出した。 ゲル分率(%)=(抽出後の塗膜重量÷抽出前の塗膜重
量)×100 (3)耐酸性 5%硫酸の液滴0.5cc を塗面上に落とし、密閉容器中
85℃で45分間保持した後、液滴を水洗してその跡を
観察した。 ◎:全く異常なし ○:微かに滴の円周跡あり △:明瞭な痕跡あり ×:著しい侵食あり (4)耐水性 40℃の恒温水槽に試験片を浸漬し、240時間後に取
り出し、塗面の艶引け、膨れ等の異常を観察した。 ◎:全く異常なし ○:概ね異常なし △:やや異常あり ×:著しく異常あり (5)促進耐候性 カーボンアークサンシャインウェザオメーター(スガ試
験機(株)製)中で、ブラックパネル温度63℃、60
分間中降水12分間の条件で、1000時間暴露した
後、塗面の艶引け、黄変、割れ等の異常を観察した。 ◎:全く異常なし ○:概ね異常なし △:やや異常あり ×:著しく異常あり
【0023】(実施例2)製造例2の共重合体(A2)
の溶液と製造例11のリン系化合物(B1)を用いて、
表4に示した実施例2のクリアー塗料を調製し、実施例
1と同様にして評価を行ない、表4に記載の結果を得
た。表4に示したように、エポキシ当量が所望範囲の下
限に近い205g/eqである共重合体(A2)の溶液
と、リン系化合物(B1)を、エポキシ基とシロキシ基
との当量比が100:80になるように配合した。さら
に水分捕捉剤(C)としてイソプロペノキシトリメチル
シランを、共重合体(A2)とリン系化合物(B1)の
全量100部に対して、15部添加した。得られた被覆
用組成物は、優れた塗膜物性を有していた。
【0024】(実施例3)製造例3の共重合体(A3)
の溶液と製造例11のリン系化合物(B1)を用いて、
表4に示した実施例3のクリアー塗料を調製し、実施例
1と同様にして評価を行ない、表4に記載の結果を得
た。表4に示したように、エポキシ当量が所望範囲の上
限に近い1450g/eqである共重合体(A3)の溶
液と、リン系化合物(B1)を、エポキシ基とシロキシ
基との当量比が100:80になるように配合した。さ
らに水分捕捉剤(C)としてイソプロペノキシトリメチ
ルシランを、共重合体(A3)とリン系化合物(B1)
の全量100部に対して、15部添加した。得られた被
覆用組成物は、良好な貯蔵安定性と実用レベルの耐酸性
を有していた。 (実施例4)製造例4の共重合体(A4)の溶液と製造
例11のリン系化合物(B1)を用いて、表4に示した
実施例4の配合のクリアー塗料を調製し、実施例1と同
様にして評価を行ない、表4に記載の結果を得た。表4
に示したように、数平均分子量が所望範囲の下限である
1500である共重合体(A4)の溶液と、リン系化合
物(B1)を、エポキシ基とシロキシ基との当量比が1
00:80になるように配合した。さらに、水分捕捉剤
(C)としてイソプロペノキシトリメチルシランを、共
重合体(A4)とリン系化合物(B1)の全量100部
に対して、15部添加した。得られた被覆用組成物は、
良好な貯蔵安定性と実用レベルの耐酸性を有していた。
【0025】(実施例5)製造例5の共重合体(A5)
の溶液と製造例11のリン系化合物(B1)を用いて、
表4に示した実施例5の配合のクリアー塗料を調製し、
実施例1と同様にして評価を行ない、表4に記載の結果
を得た。表4に示したように、数平均分子量が所望範囲
の上限である18000である共重合体(A5)の溶液
と、リン系化合物(B1)を、エポキシ基とシロキシ基
との当量比が100:80になるように配合した。さら
に水分捕捉剤(C)としてイソプロペノキシトリメチル
シランを、共重合体(A5)とリン系化合物(B1)の
全量100部に対して、15部添加した。得られた被覆
用組成物は、優れた塗膜物性を有していた。 (実施例6)製造例6の共重合体(A6)の溶液と製造
例11のリン系化合物(B1)を用いて、表4に示した
実施例6の配合のクリアー塗料を調製し、実施例1と同
様にして評価を行ない、表4に記載の結果を得た。表4
に示したように、ガラス転移点が所望範囲の下限である
0℃である共重合体(A6)の溶液と、リン系化合物
(B1)を、エポキシ基とシロキシ基との当量比が10
0:80になるように配合した。さらに水分捕捉剤
(C)としてイソプロペノキシトリメチルシランを、共
重合体(A6)とリン系化合物(B1)の全量100部
に対して、15部添加した。得られた被覆用組成物は、
高塗装固形分であって、その被膜は優れた耐酸性を有し
ていた。
【0026】(実施例7)製造例7の共重合体(A7)
の溶液と製造例11のリン系化合物(B1)を用いて、
表4に示した実施例7の配合のクリアー塗料を調製し、
実施例1と同様にして評価を行ない、表4に記載の結果
を得た。表4に示したように、ガラス転移点が所望範囲
の上限である60℃のある共重合体(A7)の溶液と、
リン系化合物(B1)を、エポキシ基とシロキシ基との
当量比が100:80になるように配合した。さらに水
分捕捉剤(C)としてイソプロペノキシトリメチルシラ
ンを、共重合体(A7)とリン系化合物(B1)の全量
100部に対して、15部添加した。得られた被覆用組
成物は、良好な貯蔵安定性と高い硬化性を有していた。 (実施例8)製造例8の共重合体(A8)の溶液と製造
例11のリン系化合物(B1)を用いて、表4に示した
実施例8の配合のクリアー塗料を調製し、実施例1と同
様にして評価を行ない、表4に記載の結果を得た。表4
に示したように、脂環式エポキシ基を含み、そのエポキ
シ当量が475g/eqである共重合体(A8)の溶液
と、リン系化合物(B1)を、エポキシ基とシロキシ基
との当量比が100:80になるように配合した。さら
に水分捕捉剤(C)としてイソプロペノキシトリメチル
シランを、共重合体(A8)とリン系化合物(B1)の
全量100部に対して、15部添加した。得られた被覆
用組成物、実施例1の組成物と比べて少しも遜色なく、
優れた耐酸性を有していた。
【0027】(実施例9)製造例1の共重合体(A1)
の溶液と製造例12のリン系化合物(B2)を用いて、
表5に示した実施例9の配合のクリアー塗料を調製し、
実施例1と同様にして評価を行ない、表5に記載の結果
を得た。表5に示したように、エポキシ当量が475g
/eq、数平均分子量が5000、ガラス転移点が30
℃である共重合体(A1)の溶液と、1分子あたりに平
均1.8個のシロキシ基を有するリン系化合物(B2)
を、エポキシ基とシロキシ基との当量比が100:80
になるように配合した。次いで、水分捕捉剤(C)とし
てイソプロペノキシトリメチルシランを、共重合体(A
1)とリン系化合物(B2)の全量100部に対して、
30部添加した。得られた被覆用組成物は、優れた塗膜
物性を有していた。 (実施例10)製造例1の共重合体(A1)の溶液と製
造例13のリン系化合物(B3)を用いて、表5に示し
た実施例10の配合のクリアー塗料を調製し、実施例1
と同様にして評価を行ない、表5に記載の結果を得た。
表5に示したように、共重合体(A1)の溶液と、1分
子あたりに2個のシロキシ基を有するリン系化合物(B
3)を、エポキシ基とシロキシ基との当量比が100:
80になるように配合した。さらに水分捕捉剤(C)と
してイソプロペノキシトリメチルシランを、共重合体
(A1)とリン系化合物(B3)の全量100部に対し
て、30部添加した。得られた被覆用組成物は、優れた
塗膜物性を有していた。
【0028】(実施例11)製造例1の共重合体(A
1)の溶液と、市販のリン系化合物(B)として本組成
物の目的に適う化合物を用いて、表5に示した実施例1
1の配合のクリアー塗料を調製し、実施例1と同様にし
て評価を行ない、表5に記載の結果を得た。この市販の
リン系化合物(B)は信越化学工業(株)製LS−82
00であって、1分子あたりに3個のシロキシ基を有す
る、オルトリン酸のトリメチルシリル化物である。表5
に示したように、共重合体(A1)の溶液と、市販のリ
ン系化合物LS−8200とを、エポキシ基とシロキシ
基との当量比が100:80になるように配合した。さ
らに水分捕捉剤(C)としてイソプロペノキシトリメチ
ルシランを、共重合体(A1)と市販のリン系化合物L
S−8200の全量100部に対して、30部添加し
た。得られた被覆用組成物は、高い硬化性と優れた耐酸
性を有するものであった。 (実施例12)製造例1の共重合体(A1)の溶液と製
造例14のリン系化合物(B4)を用いて、表5に示し
た実施例12の配合のクリアー塗料を調製し、実施例1
と同様にして評価を行ない、表5に記載の結果を得た。
表5に示したように、共重合体(A1)の溶液と、1分
子あたりに平均1.7個のシロキシ基を有するリン系化合
物(B4)を、エポキシ基とシロキシ基との当量比が1
00:80になるように配合した。本実施例においては
水分捕捉剤(C)を添加しなかった。得られた被覆用組
成物は、良好な貯蔵安定性と優れた耐酸性を有するもの
であった。
【0029】(実施例13)製造例1の共重合体(A
1)の溶液と製造例15のリン系化合物(B5)を用い
て、表5に示した実施例13の配合のクリアー塗料を調
製し、実施例1と同様にして評価を行ない、表5に記載
の結果を得た。表5に示したように、共重合体(A1)
の溶液と、1分子あたりに平均1.8個のシロキシ基を有
するリン系化合物(B5)を、エポキシ基とシロキシ基
との当量比が100:80になるように配合した。本実
施例においては水分捕捉剤(C)を添加しなかった。得
られた被覆用組成物は、良好な貯蔵安定性と優れた耐酸
性を有するものであった。 (実施例14)製造例1の共重合体(A1)の溶液と製
造例15のリン系化合物(B5)を用いて、表5に示し
た実施例14の配合のクリアー塗料を調製し、実施例1
と同様にして評価を行ない、表5に記載の結果を得た。
表5に示したように、共重合体(A1)の溶液と、1分
子あたりに平均1.8個のシロキシ基を有するリン系化合
物(B5)を、エポキシ基とシロキシ基との当量比が所
望範囲の下限である100:10になるように配合し
た。本実施例においては水分捕捉剤(C)を添加しなか
った。得られた被覆用組成物は、良好な貯蔵安定性と実
用レベルの耐酸性を有するものであった。 (実施例15)製造例1の共重合体(A1)の溶液と製
造例15のリン系化合物(B5)を用いて、表5に示し
た実施例15の配合のクリアー塗料を調製し、実施例1
と同様にして評価を行ない、表5に記載の結果を得た。
表5に示したように、共重合体(A1)の溶液とリン系
化合物(B5)を、エポキシ基とシロキシ基との当量比
が、所望範囲の上限である100:150になるように
配合した。本実施例においては水分捕捉剤(C)を添加
しなかった。得られた被覆用組成物は、優れた耐酸性と
実用レベルの貯蔵安定性を有するものであった。
【0030】(比較例1)製造例1の共重合体(A1)
の溶液と製造例11のリン系化合物(B1)を用いて、
表6に示した比較例1の配合のクリアー塗料を調製し、
実施例1と同様にして評価を行ない、表6に記載の結果
を得た。表6に示したように、エポキシ当量が475g
/eq、数平均分子量が5000、ガラス転移点が30
℃である共重合体(A1)の溶液と、1分子あたりに平
均1.5個のシロキシ基を有するリン系化合物(B1)
を、エポキシ基とシロキシ基との当量比が100:80
になるように配合した。さらに水分捕捉剤(C)として
イソプロペノキシトリメチルシランを、共重合体(A
1)とリン系化合物(B1)の全量100部に対して、
所望範囲の下限より少ない0.1部添加した。得られた被
覆用組成物は、硬化性は十分であり、優れた耐酸性を有
するものであったが、貯蔵安定性が劣っていた。 (比較例2)製造例1の共重合体(A1)の溶液と製造
例11のリン系化合物(B1)を用いて、表6に示した
比較例2の配合のクリアー塗料を調製し、実施例1と同
様にして評価を行ない、表6に記載の結果を得た。表6
に示したように、共重合体(A1)の溶液、リン系化合
物(B1)を、エポキシ基とシロキシ基との当量比が1
00:80になるように配合した。さらに水分捕捉剤
(C)としてイソプロペノキシトリメチルシランを、共
重合体(A1)とリン系化合物(B1)の全量100部
に対して、所望範囲の上限より多い45部添加した。得
られた被覆用組成物は、貯蔵安定性は良好だったが、塗
膜物性が劣っていた。
【0031】(比較例3)製造例1の共重合体(A1)
の溶液と、何ら保護(ブロック)されていない酸基を分
子内に有するリン系化合物を用いて、表6に示した比較
例3の配合のクリアー塗料を調製し、実施例1と同様に
して評価を行ない、表6に記載の結果を得た。本比較例
では、リン系化合物として、シロキシ基の形で保護され
ていない酸基を1分子あたりに平均1.5個有する、2−
エチルヘキシルアシッドホスフェートを用いた。表6に
示したように、共重合体(A1)の溶液と該リン系化合
物を、エポキシ基と酸基との当量比が100:80にな
るように配合した。さらに、水分捕捉剤(C)としてイ
ソプロペノキシトリメチルシランを、共重合体(A1)
の溶液と該リン系化合物の全量100部に対して15部
添加してた。得られた被覆用組成物は、リン系化合物の
酸基が何ら保護されていないため、粘度増加が著しく、
4〜5日でゲル化した。 (比較例4)製造例1の共重合体(A1)の溶液を用い
て、表6に示した比較例4の配合のクリアー塗料を調製
し、実施例1と同様にして評価を行ない、表6に記載の
結果を得た。表6に示したように、共重合体(A1)の
溶液に、リン系化合物(B)を配合しないと、まったく
硬化せず、そのために塗膜物性を測定することができな
かった。
【0032】(比較例5)製造例9の共重合体(A9)
の溶液と製造例11のリン系化合物(B1)を用いて、
表6に示した比較例5の配合のクリアー塗料を調製し、
実施例1と同様にして評価を行ない、表6に記載の結果
を得た。表6に示したように、エポキシ基を含まない共
重合体(A9)の溶液に、リン系化合物(B1)を、実
施例1と同じ量だけ配合した。得られた組成物は、まっ
たく硬化せず、エポキシ基を含まない共重合体は、本発
明の被覆用組成物とはなり得なかった。 (比較例6)製造例10の共重合体(A10)(アクリルポ
リオール)の溶液とn−ブチル化メラミン樹脂ユーバン
20SE(三井東圧化学(株)製)を用いて、表6に示
した比較例6の配合のクリアー塗料を調製した。希釈溶
剤をソルベッソ#100/n−ブタノール/キシレン
(60/20/15部)とした他は、実施例1と同じ手
順で評価を行ない、表6に記載の結果を得た。表6に示
したように、代表的な一液型熱硬化性塗料であるアクリ
ルメラミン樹脂塗料は、一般に言われている通り、貯蔵
安定性には優れているものの、耐酸性が著しく劣ってい
た。
【0033】
【表1】 表 1 (共重合体(A)の製造例1〜5) 製 造 例 1 2 3 4 5 グリシジルメタクリレート 30 70 10 30 30 3,4−エポキシシクロヘ 単 キシルメチルメタクリレート 2−ヒドロキシエチル 5 5 5 5 メタクリレート 量 メチルメタクリレート 13 20 13 13 n−ブチルメタクリレート 12 25 12 12 2−エチルヘキシル 20 16 20 20 20 体 アクリレート スチレン 20 14 20 20 20 α−メチルスチレンダイマー 3 メタクリル酸 重 tert−ブチルパーオキシ 1 1 1 2 1 合 イソプロピルカーボネート 開 tert−ブチルパーオキシ 2 2 2 5 始 2−エチルヘキサノエート 合 計 103 103 103 110 101 共重合体(溶液) A1 A2 A3 A4 A5 エポキシ当量(g/eq) 475 205 1450 475 475 数平均分子量 5000 5000 5000 1500 18000 ガラス転移点(℃) 30 30 30 30 30 不揮発分(%) 60 60 60 65 50
【0034】
【表2】 表 2 (共重合体(A)の製造例6〜10) 製 造 例 6 7 8 9 10 グリシジルメタクリレート 30 30 3,4−エポキシシクロヘキシル 42 メチルメタクリレート 単 2−ヒドロキシエチル 5 15 メタクリレート メチルメタクリレート 40 26 15 量 n−ブチルメタクリレート 13 16 27 28 体 2−エチルヘキシル 40 11 22 22 20 アクリレート スチレン 17 19 20 20 20 メタクリル酸 2 重 tert−ブチルパーオキシ 1 1 1 1 1 合 イソプロピルカーボネート 開 tert−ブチルパーオキシ 2 2 2 2 2 始 2−エチルヘキサノエート 合 計 103 103 103 103 103 共重合体(溶液) A6 A7 A8 A9 A10 エポキシ当量(g/eq) 475 475 475 数平均分子量 5000 5000 5000 5000 5000 ガラス転移点(℃) 0 60 30 30 30 不揮発分(%) 65 50 60 60 60
【0035】
【表3】 表 3 (リン系化合物(B)の製造例11〜15) 製 造 例 11 12 13 14 15 2−エチルヘキシル 100 仕 アシッドホスフェート 込 モノイソデシル 100 100 成 ホスフェート 分 モノフェニルホスフェート 100 ジブチルピロホスフェート 100 n−ヘプタン 70 77 92 93 92 滴下成分 トリメチルクロロシラン 65.8 88.7 139 1 tert−ブチルジメチル 119 117.6 クロロシラン n−ヘプタン 70 77 92 93 92 滴下成分2 ピリジン 45.8 61.5 96.7 62.5 61.7 追加成分 n−ヘプタン 70 77 92 93 92 リン系化合物(B) B1 B2 B3 B4 B5 1分子あたりのシロキシ数 1.5 1.8 2 1.7 1.8
【0036】
【表4】 表 4 実施例1〜8(クリヤー塗料配合と評価結果) 実 施 例 1 2 3 4 5 6 7 8 A1 166.7 A2 166.7 共重合体(A) A3 166.7 の溶液 A4 153.8 A5 200 A6 153.8 A7 200 A8 166.7 リン系化合物 B1 42.8 99.2 14 42.8 42.8 42.8 42.8 42.8 (B) 水分捕捉剤(C) 21.4 29.9 17.1 21.4 21.4 21.4 21.4 21.4※イソプロペノキシトリメチルシラン 当量比 エポキシ基 100 100 100 100 100 100 100 100 シロキシ基 80 80 80 80 80 80 80 80 ─────────────────────────────────── 重量比 (A)+(B) 成分 100 100 100 100 100 100 100 100 (C) 成分 15 15 15 15 15 15 15 15 塗料固形分 (%) 43 44 42 54 33 55 32 43 評 貯蔵安定性 ◎ ○ ◎ ◎ ○ ○ ◎ ◎ 価 ゲル分率 (%) 93 98 85 85 98 91 95 91 結 耐酸性 ◎ ◎ ○ ○ ◎ ◎ ◎ ◎ 果 耐水性 ○ ◎ ○ ○ ◎ ○ ○ ○ 耐候性 ○ ○ ○ ○ ◎ ○ ○ ○
【0037】
【表5】 表 5 実施例9〜15(クリヤー塗料配合と評価結果) 実 施 例 9 10 11 12 13 14 15 共重合体(A) A1 166.7 166.7 166.7 166.7 166.7 166.7 166.7 の溶液 リン系化合物 B2 33.4 (B) B3 26.4 B4 41.8 B5 39.8 5 74.6 LS82001) 17.7 水分捕捉剤(C) 40 37.9 35.3※イソプロペノキシトリメチルシラン 当量比 エポキシ基 100 100 100 100 100 100 100 シロキシ基 80 80 80 80 80 10 150 重量比 (A)+(B) 成分 100 100 100 100 100 100 100 (C) 成分 30 30 30 0 0 0 0 塗料固形分 (%) 44 44 43 42 42 43 41 評 貯蔵安定性 ○ ○ ○ ◎ ◎ ◎ ○ 価 ゲル分率 (%) 96 96 98 88 88 84 91 結 耐酸性 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ○ ◎ 果 耐水性 ◎ ◎ ○ ○ ○ ○ ○ 耐候性 ◎ ◎ ○ ○ ○ ○ ○
【0038】
【表6】 表 6 比較例1〜6(クリヤー塗料配合と評価結果) 比 較 例 1 2 3 4 5 6 共重合体(A)の A1 166.7 166.7 166.7 166.7 溶液 A9 166.7 A10 116.7 (B) リン系化合物B1 42.8 42.8 42.8 成 2-エチルヘキシル 30.5分 アシッドホスフェート (C) イソプロペノキシ 0.14 64.3 19.6 15 21.4成分 トリメチルシラン その他 ユーバン 50 の成分 20 SE60 当量比 エポキシ基 100 100 100 100 0 シロキシ基 80 80 0 80 酸 基 80 重量比 (A) 成分 100 70 (A)+(B) 成分 100 100 100 100 (C) 成分 0.1 45 15 15 15 ユーバン20 SE60 30 塗料固形分 (%) 42 45 42 44 44 48 評 貯蔵安定性 × ◎ × ◎ ◎ ◎ 価 ゲル分率 (%) 95 91 93 0 0 96 結 耐酸性 ◎ ○ ◎ 測定不能 測定不能 × 果 耐水性 ○ △ ○ 測定不能 測定不能 ◎ 耐候性 ○ △ ○ 測定不能 測定不能 ○ 次に本発明の特徴的な構成を記載する。
【0039】
【構成1】 (A)エポキシ基を有するα,β−エチレ
ン性不飽和基含有単量体とその他のα,β−エチレン性
不飽和基含有単量体からなる共重合体と、(B)分子内
にシロキシ基を有し、該シロキシ基がリン原子上に直接
結合しているリン系化合物を含んでいることを特徴とす
る被覆用組成物。
【0040】
【構成2】 共重合体(A)のエポキシ当量が200〜
1500g/eqの範囲内である構成1に記載の被覆用
組成物。
【0041】
【構成3】 共重合体(A)の数平均分子量が1500
〜18000の範囲内である構成1に記載の被覆用組成
物。
【0042】
【構成4】 共重合体(A)のガラス転移点が0〜60
℃の範囲内である構成1に記載の被覆用組成物。
【0043】
【構成5】 リン系化合物(B)のシロキシ基が、下記
の式で表わされる、構成1〜4に記載の被覆用組成物: −O−Si (R1) (R2) (R3) (式中、R1 及びR2 は、それぞれ同一であっても異な
っていてもよく、水素原子、塩素原子、フッ素原子、ア
ルキル基又はフェニル基を表し、R3 はアルキル基又は
フェニル基を表す。)
【0044】
【構成6】 リン系化合物(B)が下記一般式(I) で表
されるリン系化合物である構成1〜4に記載の被覆用組
成物: P(O)(R4 3-m 〔O−Si (R1) (R2) (R3)〕m (I) (式中、R1 及びR2 は、それぞれ同一であっても異な
っていてもよく、水素原子、塩素原子、フッ素原子、ア
ルキル基又はフェニル基を表し、R3 はアルキル基又は
フェニル基を表し、R4 は水素原子、アルキル基、フェ
ニル基、アルコキシ基、又はフェノキシ基を表し、mは
2又は3を表わす。)。
【0045】
【構成7】 リン系化合物(B)が、下記一般式(II)で
表されるリン系化合物である構成1〜4に記載の被覆用
組成物 P(OR5 )3-m〔O−Si −(R1) (R2) (R3)〕m (II) (式中、R5 はアルキル基又はフェニル基を表す。な
お、R1 〜R3 及びmはそれぞれ式(I) と同じ基又は整
数を表す。)
【0046】
【構成8】 リン系化合物(B)が、下記一般式(III)
で表されるリン系化合物である、構成1〜4に記載の被
覆用組成物: {P(O)(OR6 2-n 〔O−Si (R1) (R2) (R3)〕n 2 O (III) (式中、R6 はアルキル基又はフェニル基を表し、nは
1又は2を表す。なお、R1 〜R3 はそれぞれ式(I) と
同じ基を表す。)
【0047】
【構成9】 リン系化合物(B)が、 下記一般式(IV)
で表されるリン系化合物である、構成1〜4に記載の被
覆用組成物: P(O)(OR7 )(R8 )[ O−Si (R1) (R2) (R3)] (IV) (式中、R7 はアルキル基又はフェニル基を表し、R8
は水素原子、アルキル基、フェニル基、アルコキシ基又
はフェノキシ基を表す。R1 〜R3 はそれぞれ式(I) と
同じ基を表す。)
【0048】
【構成10】 リン系化合物(B)が、下記一般式(V) で
表されるリン系化合物である、構成1〜4に記載の被覆
用組成物: P(OR9 )(OR10)〔O−Si (R1) (R2) (R3)〕 (V) (式中、R9 及びR10は、それぞれ同一であっても異な
っていてもよく、アルキル基又はフェニル基を表す。R
1 〜R3 はそれぞれ式(I) と同じ基を表す。)
【0049】
【構成11】 リン系化合物(B)が、構成5〜10に記載
されたリン系化合物からなる群より選ばれる、少なくと
も1種のリン系化合物であって、リン原子上に直接結合
しているシロキシ基数が、1分子あたりに少なくとも平
均で1.2個以上である、構成1〜10に記載の被覆用組成
物。
【0050】
【構成12】 リン系化合物(B)が、共重合体(A)中
のエポキシ基とリン系化合物(B)中のシロキシ基との
当量比において、100:10〜100:150の範囲
内で配合される、構成1〜11に記載の被覆用組成物。
【0051】
【構成13】 共重合体(A)とリン系化合物(B)に加
えて、安定剤としての(C)水分捕捉剤を含んで成る、
構成1〜12に記載の被覆用組成物。
【0052】
【構成14】 前記水分捕捉剤(C)が、加水分解性基含
有化合物又は/及びイソシアネート基含有化合物であ
る、構成13に記載の被覆用組成物。
【0053】
【構成15】 前記加水分解性基含有化合物が、下記式の
化合物である構成14に記載の被覆用組成物: Si(R114-p-q (OR12p (R13q (式中、R11が水素原子、アルキル基、フェニル基、ベ
ンジル基又はビニル基を表し、R12がアルキル基、フェ
ニル基、ベンジル基、ビニル基、イソプロペニル基、ア
セチル基又はベンゾイル基を表し、R13はアルキル基又
はγ−グリシドキシプロピル基を表し、pは1〜4の整
数を表し、qはpが4のとき0、及びpが1〜3の整数
のとき0又は1を表す。)
【0054】
【構成16】 前記水分捕捉剤(C)が、共重合体(A)
とリン系化合物(B)の全量100重量部に対して、0.
5〜40重量部の範囲内で配合される、構成13〜15に記
載の被覆用組成物。
【0055】
【構成17】 構成1〜16に記載の被覆用組成物を含む一
液型塗料。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小野瀬 芳則 神奈川県平塚市御殿1−17−8 ハイツ ヤマB−101 (56)参考文献 特開 平5−132650(JP,A) 特開 平2−228381(JP,A) 特開 昭63−221123(JP,A) 特開 平2−289611(JP,A) 特開 平3−207713(JP,A) 特開 平7−216091(JP,A) 特開 平3−177401(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 133/14 C08K 5/5419 C08L 33/14 C09D 163/00 - 163/10

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)エポキシ基を有するα,β−エチ
    レン性不飽和基含有単量体と、その他のα,β−エチレ
    ン性不飽和基含有単量体とからなる共重合体、及び
    (B)分子内にシロキシ基を有し、該シロキシ基がリン
    原子上に直接結合しているリン系化合物を含み、共重合
    体(A)のエポキシ基と、リン系化合物(B)のシロキ
    シ基との当量比が100:10〜100:150である
    ことを特徴とする被覆用組成物。
  2. 【請求項2】 リン系化合物(B)が、下記一般式 (I)
    〜(V) で示される化合物からなる群より選ばれた、少な
    くとも1種のリン系化合物である請求項1に記載の被覆
    用組成物: P(O)(R4 3-m 〔O−Si (R1) (R2) (R3)〕m (I) P(OR5 )3-m〔O−Si (R1) (R2) (R3)〕m (II) [ P(O)(OR6 2-n 〔O−Si (R1) (R2) (R3)n 〕]2O (III) P(O)(OR7 )(R8 )〔O−Si (R1) (R2) (R3)〕 (IV) P(OR9 )(OR10)〔O−Si (R1) (R2) (R3)〕 (V) (前記式中、R1 及びR2 は、それぞれ同一であっても
    異なっていてもよく、水素原子、塩素原子、フッ素原
    子、アルキル基又はフェニル基を表し、R3 はアルキル
    基又はフェニル基を表し、R4 は水素原子、アルキル
    基、フェニル基、アルコキシ基又はフェノキシ基を表
    し、R5 、R6 及びR7 はアルキル基又はフェニル基を
    表し、R8 は水素原子、アルキル基、フェニル基、アル
    コキシ基又はフェノキシ基を表し、R9 及びR10は、そ
    れぞれ、同一であっても異なっていてもよく、アルキル
    基又はフェニル基を表わし、mは2又は3を表し、かつ
    nは1又は2を表わす。)。
  3. 【請求項3】 安定剤として、さらに(C)水分捕捉剤
    を含んでいる請求項1又は2に記載の被覆用組成物。
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