JP3514371B2 - パッド付き成形品 - Google Patents

パッド付き成形品

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JP3514371B2 JP10262399A JP10262399A JP3514371B2 JP 3514371 B2 JP3514371 B2 JP 3514371B2 JP 10262399 A JP10262399 A JP 10262399A JP 10262399 A JP10262399 A JP 10262399A JP 3514371 B2 JP3514371 B2 JP 3514371B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表皮材、芯材及び
パッドよりなるパッド付き成形品に関し、詳しくは表皮
材が所定形状の角部を有するパッド付き成形品におい
て、表皮材の該角部における熱変形に対して対策を施し
たパッド付き成形品に関する。本発明のパッド付き成形
品は、例えば、自動車のインストルメントパネルやドア
トリム等の車両用内装材として好適に利用することがで
きる。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、自動車のインストルメン
トパネル等の内装部品として、図5に示すように、表皮
材81と、表皮材81の裏側に配設された芯材82と、
表皮材81及び芯材82間に介在されて両者を連結する
パッド83とからなるパッド付き成形品80が用いられ
ている。
【0003】かかるパッド付き成形品80は、通常、一
体発泡成型法により成形される。すなわち、スラッシュ
成形、真空成形等により塩化ビニル樹脂(PVC)等か
らなる表皮材81を予め所定形状に成形し、これを発泡
成形型の雌型キャビティ面に沿わせて配置する。一方、
射出成形等によりポリプロピレン(PP)等からなる芯
材82を予め所定形状に成形し、これを発泡成形型の雄
型コア面に沿わせて配置する。そして、雌型キャビティ
内にポリウレタン等の発泡原液を注入し、型閉め後、こ
の発泡原液を発泡、固化させることにより、所定形状の
パッド83を成形するとともに、このパッド83と表示
材81及び芯材82とを接着する。こうして得られた成
形品は、型開き、脱型後、バリや余分な表皮材等が除か
れて、パッド付き成形品80として完成される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記パッド付き成形品
80を、例えば、図5(a)に示すように、別部品90
に対して隣接して配設させる場合、意匠性や掃除容易性
等を向上させることを考慮すれば、パッド付き成形品8
0と別部品90との境界部の表面側において、隙間及び
段差を可及的に小さくすることが望まれる。
【0005】そこで、図5(a)に示すように、上記境
界部の表面側において、別部品90の角部90aと隣接
する表皮材81の端部に、該角部90aの形状(角度)
に正確に整合した形状(角度)の角部81aを形成する
とともに、この表皮材81の角部81aと別部品90の
角部90aとが同一高さとなり、かつ、両者間の隙間が
できるだけ小さくなるように、別部品90に対してパッ
ド付き成形品80を隣接、配設する手段が考えられる。
【0006】しかしながら、仮に、表皮材81の角部8
1aの成形と、別部品90に対するパッド付き成形品8
0の建付とを高精度に行い得たとしても、以下に示すよ
うな問題があった。すなわち、高温環境下に車両が長時
間さらされること等によって車内温度が過度に上昇する
ことにより、パッド83が熱膨張したり、あるいは表皮
材81が熱収縮したりした場合、パッド付き成形品80
の両端において表皮材81が固定されていれば、表皮材
81には引張応力が作用する。このように表皮材81に
引張応力が作用すれば、表皮材81の角部81aにおい
ては、該角部81aの内側にクッション性の高いパッド
83が存在することから、該角部81aの形状が丸く潰
れるように変形してしまう。その結果、図5(b)に示
すように、別部品90の角部90aと表皮材81の角部
81aとの間の隙間が拡大し、意匠性や掃除容易性等が
低下してしまう。
【0007】本発明は上記実情に鑑みてなされたもので
あり、表皮材の角部における熱変形を防止しうるパッド
付き成形品を提供することを解決すべき技術課題とする
ものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明のパッド付き成形品は、所定形状の角部を有する表皮
材と、該表皮材の裏側に配設された芯材と、該表皮材及
び該芯材間に介在されて両者を連結するパッドとからな
るパッド付き成形品であって、上記表皮材の上記角部の
裏面には、少なくとも上記パッドよりも剛性の高い補強
用剛体が密着しつつ接着されており、該補強用剛体は、
未硬化の熱硬化性樹脂が熱硬化することにより、上記角
部の裏面形状に整合する外面形状に成形されるとともに
該角部の裏面に接着された熱硬化性樹脂体であることを
特徴とするものである。好適な態様において、前記芯材
は前記角部に向かって突出する突起部を有し、該突起部
の少なくとも先端部を接触させつつ未硬化の前記熱硬化
性樹脂を熱硬化させることにより、該突起部の少なくと
も先端部が前記熱硬化性樹脂体に接着されている。
【0009】好適な態様において、前記補強用剛体は、
前記角部の裏面形状に整合する外面形状をもつように予
め成形された後、該角部の裏面に接着された高剛性成形
体である。好適な態様において、前記補強用剛体は、未
硬化の熱硬化性樹脂が熱硬化することにより、前記角部
の裏面形状に整合する外面形状に成形されるとともに該
角部の裏面に接着された熱硬化性樹脂体である。かかる
態様の場合、前記芯材は前記角部に向かって突出する突
起部を有し、該突起部の少なくとも先端部を接触させつ
つ未硬化の前記熱硬化性樹脂を熱硬化させることによ
り、該突起部の少なくとも先端部が前記熱硬化性樹脂体
に接着されていることが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明のパッド付き成形品は、表
皮材と、この表皮材の裏側に配設された芯材と、表皮材
及び芯材間に介在されて両者を連結するパッドとを備え
ている。上記表皮材の材質としては、従来と同様、塩化
ビニル樹脂(PVC)やウレタンエラストマ等を採用す
ることができる。
【0011】上記表皮材は、真空成形法、スラッシュ成
形法やモールドコート法等により所定形状に成形されて
いる。上記芯材の材質としては、従来と同様、ABS、
アクリルニトリル−スチレン共重合樹脂(AS)、ポリ
プロピレン(PP)やポリカーボネート・ABSポリマ
ーアロイ(PC/ABS)等の合成樹脂の他、鉄等の金
属を採用することができる。
【0012】上記芯材は、合成樹脂製の場合は射出成形
法等により、鉄製の場合はプレス成形法等により所定形
状に成形されている。上記パッドの材質としては、従来
と同様、ポリウレタンフォーム等を採用することができ
る。上記パッドは、発泡成形型内において上記表皮材及
び上記芯材間で発泡、硬化させることにより、所定形状
に成形されるとともに、該表皮材及び該芯材と接着され
ている。
【0013】本発明のパッド付き成形品は、表皮材に所
定形状の角部が形成されるとともに、この角部の裏面
に、該角部の裏面形状に整合する外面形状を有し、少な
くとも上記パッドよりも剛性の高い補強用剛体が密着し
つつ接着されている。このため、パッドが熱膨張等する
ことで表皮材に引張応力が作用することにより、表皮材
の角部が変形しようとしても、かかる角部の変形を補強
用剛体で規制することができる。
【0014】すなわち、角部の形状が表皮材の表側に凸
の形状の場合は、表皮材に引張応力が作用することによ
り、該凸形状の高さが低くなる方向に該角部が裏側のパ
ッドに向かって潰れるように変形しようとするが、かか
る変形は、角部の裏面に密着された補強用剛体の剛性に
より規制することができる。一方、角部の形状が表皮材
の表側に凹の形状の場合は、表皮材に引っ張り応力が作
用することにより、該凹形状の深さが浅くなる方向に該
角部が表側に向かって張り出すように変形しようとする
が、かかる変形は、角部の裏面に密着しつつ接着された
補強用剛体の剛性により規制することができる。
【0015】したがって、本発明のパッド付き成形品
は、高温環境下にさらされることによりパッドが熱膨張
等して表皮材に引張応力が作用したとしても、表皮材の
角部における熱変形を補強用剛体により効果的に防止す
ることができる。よって、本発明のパッド付き成形品で
あって、例えば表側に凸となる角部が表皮材に形成され
たものを、該角部と別部品の角部とが同一高さとなり、
かつ、両者間の隙間ができるだけ小さくなるように、該
別部品に対して隣接、配設させた場合、高温環境下にさ
らされたとしても、表皮材の角部が熱変形することがな
いため、表皮材の角部と該別部品の角部との隙間が拡大
するようなことがなく、このパッド付き成形品と別部品
との境界部表面側における意匠性及び掃除容易性等を長
期にわたって良好に維持することが可能となる。
【0016】
【0017】上記高剛性成形体としては、鉄板等のプレ
ス成形品、あるいはガラス繊維で複合、強化したアクリ
ルニトリル−スチレン共重合樹脂(ASG)やポリカー
ボネート(PC)等の射出成形品とすることができる。
また、前記補強用剛体は、未硬化の熱硬化性樹脂が熱硬
化することにより、前記角部の裏面形状に整合する外面
形状に成形されるとともに該角部の裏面に接着された熱
硬化性樹脂体である。未硬化で自由変形可能な熱硬化性
樹脂を表皮材の角部の裏面に配置した状態で、ポリウレ
タンフォーム等を発泡成形することにより、発泡、硬化
時の硬化反応熱により未硬化の熱硬化性樹脂を反応硬化
させることができる。このため、熱硬化性樹脂体を表皮
材の角部の裏面形状に正確に整合した外面形状とするこ
とができるとともに、該熱硬化性樹脂体を表皮材及びパ
ッドと接着、一体化することができる。したがって、熱
硬化性樹脂体を表皮材の角部の裏面に容易、かつ、確実
に密着させつつ接着させることが可能となる。
【0018】上記熱硬化性樹脂としては、ポリウレタン
やエポキシ樹脂等を採用することができるが、パッドと
の接着性を向上させる観点より、パッドと同系統の樹脂
を用いることが好ましい。例えば、パッドにポリウレタ
ンフォームを採用した場合は、上記熱硬化性樹脂として
ポリウレタンを用いることが好ましい。さらに、前記芯
材は前記角部に向かって突出する突起部を有し、該突起
部の少なくとも先端部を接触させつつ未硬化の前記熱硬
化性樹脂を熱硬化させることにより、該突起部の少なく
とも先端部が前記熱硬化性樹脂体に接着されていること
が好ましい。こうすれば、芯材の突起部と熱硬化性樹脂
体との接着及び熱硬化性樹脂体と表皮材の角部における
裏面との接着を介して、芯材、熱硬化性樹脂体及び表皮
材の角部裏面を剛体として一体化させることができる。
したがって、表皮材の角部における変形をより確実に防
止することが可能となる。
【0019】
【実施例】以下、本発明のパッド付き成形品の具体的
実施例について、図面を参照しつつ説明する。 (参考例) 図1及び図2に示す本参考例のパッド付き成形品10
、パッド付き成形品を自動車用インストルメントパネ
ルに適用したものである。
【0020】本参考例のパッド付き成形品10は、所定
形状の角部1aを有する表皮材1と、この表皮材1の裏
側に配設された芯材2と、表皮材1及び芯材2間に介在
されて両者を連結するパッド3と、表皮材1の角部1a
の裏面に密着されつつ接着された高剛性成形体4とから
構成されている。このパッド付き成形品10は、図1に
示すように、車室内で別部品(例えば、メーターカバー
部)20と隣接、配設されて使用に供される。このと
き、パッド付き成形品10と別部品20との境界部表面
側において、意匠性や掃除容易性等を向上させるべく、
別部品20の角部20aと隣接する表皮材1の端部に、
該角部20aの形状(角度)に正確に整合した形状(角
度)の角部1aが形成されるとともに、この表皮材1の
角部1aと別部品20の角部20aとが同一高さとな
り、かつ、両者間の隙間ができるだけ小さくなるように
(1mm程度)、別部品20に対してパッド付き成形品
10が隣接、配設される。
【0021】なお、図1には、本参考例のパッド付き成
形品10及び別部品20の一部分のみを示しているが、
このパッド付き成形品10の端部であって、この別部品
20や他の別部品と隣接する部位においても、表皮材1
に同様の角部1aが形成されるとともに、この角部1a
の裏面に同様の高剛性成形体4が密着されつつ接着され
ている。
【0022】上記表皮材1は、PVCよりなり、真空成
形法により予め所定形状に成形されたものである。この
表皮材1には、パッド付き成形品10の端部に相当する
部分に、表皮材1の表側が凸となるように略90度の角
度で屈曲された角部1aが形成されている。上記芯材2
は、ガラス繊維で複合強化したアクリルニトリルースチ
レン共重合樹脂(ASG)よりなり、射出成形法により
予め所定形状に成形されたものである。
【0023】上記パッド3は、ポリウレタンフォームよ
りなり、表皮材1及び芯材2とともに一体発泡成形によ
り成形されたものである。すなわち、発泡成形型内にお
いて上記表皮材1及び上記芯材2間で発泡、硬化させる
ことにより、所定形状に成形されるとともに、該表皮材
1及び該芯材2と接着されている。上記高剛性成形体4
は、鉄板よりなり、プレス成形により表皮材1の角部1
aの裏面形状に整合する外面形状をもつように予め成形
されたものであり、角部1aの裏面形状に整合する屈曲
部4aを有している。この高剛性成形体4は、アクリル
系若しくはゴム系接着剤を用いた両面テープ又はウレタ
ン系接着剤により表皮材1の角部1aの裏面及びパッド
3に接着されている。
【0024】本参考例のパッド付き成形品10は、一体
発泡成形により、以下のようにして製造した。まず、ロ
ール状のPVCシートから真空成型法により所定形状の
表皮材1を予め成形した。すなわち、ロール状のPVC
シートを所定長さにカットしてからヒータによりPVC
の軟化温度以上に加熱した後、所定形状の型面をもつ真
空成形型の該型面上に配置した。この状態で型の内部か
ら真空引きすることにより、軟らかくなったPVCシー
トを大気圧との差圧を利用して型面に引きつけて該型面
形状に成形した。そして、エアや水で冷却した後、余剰
部分をカッターでトリミングして、PVCよりなり角部
1aをもつ所定形状の表示材1を得た。一方、射出成形
法により、ASGよりなる所定形状の芯材2を成形し
た。さらに、プレス成形法により屈曲部4aをもつ所定
形状の高剛性成形体4を成形した。
【0025】こうして得られた表皮材1及び高剛性成形
体4は、図2(a)に示すように、表皮材1を発泡成形
型5の雌型キャビティ面5aに沿わせて配置するととも
に、外表面全体に接着剤を塗布した高剛性成形体4をこ
の表皮材1の角部1aの裏面に該角部1aと屈曲部4a
とが整合するように配置、固着した。一方、芯材2を発
泡成形型5の雄型コア面5bに沿わせて配置した。そし
て、雌型キャビティ内にポリウレタンフォームの原液を
注入してから、図2(b)に示すように型閉め後、この
発泡原液を発泡、固化させることにより、所定形状のパ
ッド3を成形するとともに、このパッド3と表示材1、
芯材2及び高剛性成形体4とを接着した。
【0026】なお、型閉めした状態で、雄型コア面5b
に配設された芯材2と、雌型キャビティ面5aに配設さ
れた表皮材1及び高剛性成形体4とが相互に干渉し合わ
ないように、芯材2と表皮材1及び高剛性成形体4との
間には微小隙間(0.5〜1mm程度)Sを形成してお
いた。これにより、型閉め時に、表皮材1が直接又は高
剛性成形体4を介して間接的に芯材2と干渉することを
回避して、表皮材1の位置ずれや変形等を防止すること
ができる。また、パッド3の発泡、成形時における高剛
性成形体4の位置ずれは、高剛性成形体4が予め接着剤
等により表皮材1に接着されていることから、確実に防
止される。
【0027】こうして得られた成形品は、型開き、脱型
後、バリや余分な表皮材1等を除去して、パッド付き成
形品10として完成した。かかるパッド付き成形品10
は、表皮材1に形成された角部1aの裏面に、該角部1
aの裏面形状に整合する外面形状を有し、パッド3及び
表皮材1よりも剛性の高い補強用剛体としての高剛性成
形体4が密着しつつ接着されている。このため、パッド
3が熱膨張等することで表皮材1に引張応力が作用する
ことにより、表皮材1の角部1aが変形しようとして
も、かかる角部1aの変形を高剛性成形体4で確実に規
制することができる。
【0028】すなわち、表皮材1に引張応力が作用する
ことにより、角部1aの凸形状の高さが低くなる方向に
該角部1aが裏側のパッド3に向かって潰れるように変
形しようとするが、かかる変形は、角部1aの裏面に密
着された高剛性成形体4の剛性により規制することがで
きる。したがって、本参考例のパッド付き成形品10
は、高温環境下にさらされることによりパッド3が熱膨
張等して表皮材1に引張応力が作用したとしても、表皮
材1の角部1aにおける熱変形を高剛性成形体4により
確実に防止することができる。
【0029】よって、本参考例のパッド付き成形品10
は、高温環境下にさらされたとしても、表皮材1の角部
1aと別部品20の角部20aとの隙間が拡大するよう
なことがなく、このパッド付き成形品10と別部品20
との境界部表面側における意匠性及び掃除容易性等を長
期にわたって良好に維持することが可能となる。 (実施例) 図3及び図4に示す本実施例のパッド付き成形品10
は、請求項1又は2記載のパッド付き成形品を具現化し
たものであって、自動車用インストルメントパネルに適
用したものである。
【0030】すなわち、このパッド付き成形品10で
は、補強用剛体として熱硬化性樹脂体6を採用してお
り、またこの熱硬化性樹脂体6と接着された突起部2a
が芯材2に設けられている。表皮材1は、PVCよりな
り、スラッシュ成形法により予め所定形状に成形された
ものであり、参考例と同様、パッド付き成形品10の端
部に相当する部分に、表皮材1の表側が凸となるように
略90度の角度で屈曲された角部1aが形成されてい
る。
【0031】芯材2は、参考例と同様、ASGよりな
り、射出成形法により予め所定形状に成形されたもので
ある。この芯材2の端部には、表皮材1の角部1aに向
かって突出する突起部2aが一体に形成されている。そ
して、この突起部2aの先端部は、未硬化の熱硬化性樹
脂中に該先端部を埋入させつつ未硬化の該熱硬化性樹脂
を熱硬化させることにより、熱硬化性樹脂体6内に埋設
されつつ接着されている。
【0032】パッド3は、参考例と同様、ポリウレタン
フォームよりなり、表皮材1及び芯材2とともに一体発
泡成形により成形されたものである。補強用剛体として
の熱硬化性樹脂体6は、未硬化の熱硬化性樹脂が熱硬化
することにより、表皮材1の角部1aの裏面形状に整合
する外面形状に成形されるとともに、該角部1aの裏面
及びパッド3に接着されている。本実施例では、この熱
硬化性樹脂としてポリウレタンを採用した。
【0033】このパッド付き成形品10は、一体発泡成
形により、以下のようにして製造した。まず、所定形状
の電鋳型を用いて、充填・加熱・排出・加熱溶融・冷却
の各工程を経て、PVC製のプラスチゾル又はパウダー
から角部1aをもつ所定形状の表皮材1をスラッシュ成
形した。一方、射出成形法により、ASGよりなり突起
部2aをもつ所定形状の芯材2を成形した。
【0034】こうして得られた表皮材1及び芯材2は、
図4(a)に示すように、表皮材1を発泡成形型5の雌
型キャビティ面5aに沿わせて配置する一方、芯材2を
発泡成形型5の雄型コア面5bに配置した。そして、雌
型キャビティ面5aに配置された表皮材1の角部1aの
部分に、未硬化の熱硬化性樹脂(ポリウレタン)6aを
注入、配置した。その後、雌型キャビティ内にポリウレ
タンフォームの原液を注入してから、図4(b)に示す
ように型閉め後、この発泡原液を発泡、固化させた。な
お、この型閉め時に芯材2の突起部2aの先端部は、未
硬化の熱硬化性樹脂中に埋入されている。こうしてポリ
ウレタンフォームを発泡、硬化させるとともに、この硬
化反応熱で未硬化の熱硬化性樹脂を熱硬化させることに
より、所定形状のパッド3及び熱硬化性樹脂体6を成形
すると同時に、このパッド3と表皮材1、芯材2及び熱
硬化性樹脂体6とを接着するとともに、この熱硬化性樹
脂体6と表皮材1及び芯材2の突起部2aとを接着し
た。
【0035】なお、型閉めした状態で、雄型コア面5b
に配設された芯材2と、雌型キャビティ面5aに配設さ
れた表皮材1とが相互に干渉し合わないように、芯材2
と表皮材1との間には微小隙間Sを形成しておいた。こ
うして得られた成形品は、型開き、脱型後、バリや余分
な表皮材1等を除去して、パッド付き成形品10として
完成した。
【0036】かかるパッド付き成形品10は、上記参考
のパッド付き成形品10と同様、表皮材1の角部1a
における熱変形を補強用剛体としての熱硬化性樹脂体6
により確実に防止することができる。したがって、本実
施例のパッド付き成形品10は、高温環境下にさらされ
たとしても、表皮材1の角部1aと別部品20の角部2
0aとの隙間が拡大するようなことがなく、このパッド
付き成形品10と別部品20との境界部表面側における
意匠性及び掃除容易性等を長期にわたって良好に維持す
ることが可能となる。
【0037】また、本実施例のパッド付き成形品10で
は、未硬化で自由変形可能な熱硬化性樹脂6aを表皮材
1の角部1aの裏面に配置した状態で、ポリウレタンフ
ォームを発泡成形することにより、ポリウレタンフォー
ムの硬化反応熱により未硬化の熱硬化性樹脂6aを反応
硬化させて熱硬化性樹脂体6としている。かかる態様に
よれば、以下に示すように種々の作用効果が奏される。
【0038】すなわち、熱硬化性樹脂体6を表皮材1の
角部1aの裏面形状に正確に整合した外面形状とするこ
とができるとともに、接着剤を用いることなく、熱硬化
性樹脂体6を表皮材1及びパッド3と接着させることが
できる。特に、本実施例では、パッド3の材質としてポ
リウレタンフォームを採用するとともに、熱硬化性樹脂
体6の材質としてポリウレタンを採用しており、両者は
同系統の樹脂同士であることから、両者間における接着
性に優れる。
【0039】また、補強用剛体としての熱硬化性樹脂体
6を予め成形する必要がなく、かつ、ポリウレタンフォ
ームの硬化反応熱を利用して未硬化の熱硬化性樹脂6a
を反応硬化させているので、製造工程の簡略化及び低コ
スト化を図ることができる。さらに、本実施例のように
表皮材1をスラッシュ成形した場合、表皮材1の裏面に
は微小凹凸が存在している。このため、上記実施例1の
ように予め成形した高剛性成形体4を、スラッシュ成形
した表皮材1の角部1aの裏面に密着させつつ接着させ
ようとした場合、上記微小凹凸の存在により、該角部1
aに対する高剛性成形体4の正確な配置が困難となるた
め、パッド3を一体発泡成形する際の型閉め時に角部1
aの裏面に配設された高剛性成形体4と芯材2とが干渉
するおそれがあり、表皮材1の位置ずれや変形が発生す
るという問題がある。また、表皮材1と高剛性成形体4
との接合界面における密着性を向上させることも困難で
ある。この点、本実施例のように補強用剛体として熱硬
化性樹脂体6を採用すれば、かかる問題を解消すること
ができる。したがって、表皮材1をスラッシュ成形によ
り成形する場合は、補強用剛体として熱硬化性樹脂体6
を採用することが好ましい。
【0040】加えて、芯材2の突起部2aと補強用剛体
としての熱硬化性樹脂体6とを容易に接着させることが
可能となる。しかも、未硬化で自由変形可能な熱硬化性
樹脂6a中にこの突起部2aを埋入させつつ熱硬化性樹
脂6aを熱硬化させれば、突起部2aが埋設された状態
で熱硬化性樹脂体6を成形することができるので、芯材
2の突起部2aと熱硬化性樹脂体6とを凹凸嵌合により
係合させつつ両者を確実に接着させることができる。し
たがって、表皮材1の角部1aの裏面に配置した、芯材
2の突起部2aと熱硬化性樹脂体6との接着・凹凸係合
及び熱硬化性樹脂体6と表皮材1との接着を介して、芯
材2、熱硬化性樹脂体6及び表皮材1の角部1a裏面を
剛体として一体化させることができ、表皮材1の角部1
aにおける変形をより確実に防止することが可能とな
る。
【0041】なお、上記参考例及び実施例では、表皮材
1の角部1aの形状が表皮材1の表側に凸の形状の場合
について説明したが、この角部1aの形状は表皮材1の
表側に凹の形状であってもよい。ただし、表皮材1の表
側に凹形状の角部とする場合は、この角部の裏面に固着
させる補強用剛体として、上記参考例のように鉄板等の
高剛性成形体4を採用することが望ましい。
【0042】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明のパッド付
き成形品は、表皮材の角部における熱変形を補強用剛体
により確実に防止することができる。したがって、この
パッド付き成形品を別部品に対して隣接、配設した場
合、高温環境下にさらされたとしても、表皮材の角部が
熱変形することがないため、表皮材の角部と該別部品の
角部との隙間が拡大するようなことがない。よって、こ
のパッド付き成形品と別部品との境界部表面側における
意匠性及び掃除容易性等を長期にわたって良好に維持す
ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】参考例のパッド付き成形品に係り、別部品に対
して隣接、配設された状態を示す部分断面図である。
【図2】参考例のパッド付き成形品を一体発泡成形によ
り製造する様子を説明する部分断面図であり、(a)は
表皮材、芯材をそれぞれ雌型キャビティ面、雄側コア面
に配置した状態を示し、(b)は雌型キャビティ内に発
泡原液を注入後、型閉めして、発泡、硬化させた状態を
示す。
【図3】本実施例のパッド付き成形品に係り、別部品に
対して隣接、配設された状態を示す部分断面図である。
【図4】本実施例のパッド付き成形品を一体発泡成形に
より製造する様子を説明する部分断面図であり、(a)
は表皮材、芯材をそれぞれ雌型キャビティ面、雄側コア
面に配置するとともに、未硬化の熱硬化性樹脂を所定部
位に配置した状態を示し、(b)は雌型キャビティ内に
発泡原液を注入後、型閉めして、発泡、硬化させた状態
を示す。
【図5】従来のパッド付き成形品に係り、(a)は従来
のパッド付き成形品を別部品に対して隣接、配設した状
態を示す部分断面図であり、(b)は表皮材の角部が熱
変形した状態を示す部分断面図である。
【符号の説明】
10…パッド付き成形品 20…別部品
1…表皮材
1a…角部 2…芯材 2a…突起部 3…パッド 4…高剛性成形体 6…熱硬化性樹脂体(補強用剛体)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定形状の角部を有する表皮材と、該表
    皮材の裏側に配設された芯材と、該表皮材及び該芯材間
    に介在されて両者を連結するパッドとからなるパッド付
    き成形品であって、 上記表皮材の上記角部の裏面には、少なくとも上記パッ
    ドよりも剛性の高い補強用剛体が密着しつつ接着されて
    おり、該補強用剛体は、未硬化の熱硬化性樹脂が熱硬化
    することにより、上記角部の裏面形状に整合する外面形
    状に成形されるとともに該角部の裏面に接着された熱硬
    化性樹脂体であることを特徴とするパッド付き成形品。
  2. 【請求項2】 前記芯材は前記角部に向かって突出する
    突起部を有し、該突起部の少なくとも先端部を接触させ
    つつ未硬化の前記熱硬化性樹脂を熱硬化させることによ
    り、該突起部の少なくとも先端部が前記熱硬化性樹脂体
    に接着されていることを特徴とする請求項記載のパッ
    ド付き成形品。
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