JP3514335B2 - シリンダブロックの成形用金型 - Google Patents

シリンダブロックの成形用金型

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JP3514335B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シリンダブロックを成
形するための金型に関する。
【0002】
【従来の技術】ダイカスト鋳造機を用いてアルミのシリ
ンダブロックを形成するには、図2に示したように、ス
ライドコア20.20を挟むようにしてその両側から型
締めし、可動型板10に固定したボアピン1の先端を固
定型板14のクランクケ−ス形成用コア15に圧接させ
ることによって、スライドコア20.20と、両型板1
0、14間に形成されるキャピティ−18にアルミの溶
湯を流し込むようにしているが、この際、コア15に圧
接したボアピン1がコア15の傾きに追従して傾いたよ
うな場合には、ボアピン1に支持されてシリンダブロッ
クBに鋳込まれたシリンダライナ−Lが、その後の切削
加工により、図4に示したように偏肉を起こして、不良
品となりかねない問題を有している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような問
題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、
金型同士の圧接によってもボアピンの倒れを最小限に抑
えることのできる新たなシリンダブロックの形成用金型
を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、上記した課題
は、シリンダブロックの成形用金型を、シリンダ形成部
円柱状の基端部とによって構成したボアピンを型板の
背面側から挿通して、上記基端部の上半を、ウォータジ
ャケット形成用中子の基部のテーパー状孔と嵌合するテ
−パ−状嵌合部として形成し、上記型板前面の嵌合凹部
に嵌合させた上記ウォータジャケット形成用中子の上記
基部を上記基端部の上半で固定するように構成すること
により解決される。
【0005】
【実施例】そこで以下に図示した実施例について説明す
る。図1は本発明の一実施例をなす可動側の金型を示し
たものである。
【0006】図において符号1は、固定型板14側のク
ランクケ−ス形成用コア15の頂部に圧接してシリンダ
部分を形成するボアピンで、このボアピン1は、その基
端部3が可動型板10に一体的に固定されている。
【0007】さらに詳しく説明すると、このボアピン1
は、可動型板10に埋め込まれるフランジ2付きの円柱
状基端部3と、可動型板10上にオス型として突出する
円柱状のシリンダ形成部5とによって構成され、さらに
基端部3の上半は、ジャケット中子との嵌合部4として
シリンダ形成部5に向かう緩いテ−パ状に形成されてい
る。
【0008】さらにこのボアピン1は、最も倒れた場合
でも切削加工後のシリンダライナ−の偏肉量が実用上問
題にならない程度、つまり、ボアピン1先端の振れ量δ
が0.5mm以内に納るように、シリンダ形成部5と円
柱状基端部3の各長さの比L1 :L2 が1:0.3程度
になるように形成されている。
【0009】一方、図中符号6は冷却液の通路を形成す
るウータジャケット形成用中子で、この中子6の可動
型板10に固定される基部7には、ボアピン1のテーパ
ー状の嵌合部4嵌合するテ−パ−状の孔8が形成され
ていて、可動型板10の背面11側から挿通したボアピ
ン1に対し、そのシリンダ形成部5を通して型板前面1
嵌合凹部13に嵌合させたウータジャケット形成
用中子6の基部7をボアピン1に結合させた上、ボアピ
ン1のフランジ部2とウータジャケット形成用中子6
の基部7とをボルト9により締付けて固定するように構
成されている。
【0010】したがって、可動型板10の背面から嵌め
込んだボアピン1の基端部3上半を、可動型板10前面
の嵌合凹部13に圧入したウータジャケット形成用中
子6の基部7によって固定すると、ボアピン1は、基
部3の長さをシリンダ形成部5の30%程度にまで短く
形成した場合でも、径の大なるウータジャケット形成
用中子6の基部7によって強固に支えられる。
【0011】図3は、自動二輪車用エンジンブロックの
形成用金型を対象として、シリンダ形成部5と筒状基端
部3の比(L1 +L2 )/L1 に対するボアピン先端の
最大振れ量δの関係を示したもので、ボアピン1先端の
振れ量δが実用上問題にならない0.5mm程度に抑え
るには、(L1 +L2 )/L1 を1.3程度、つまり
端部3の長さL2 をシリンダ形成部5の長さL1 の3
0%程度にすればよいことが判明し、このような比率に
することにより、可動型板10の肉厚を少なくして、金
型の寸法及び重量を大幅に削減することができる。
【0012】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、径
対して長さが大なるこの種のボアピンを、径の大なるウ
ォタ−ジャケット形成用中子の基部によって型板に強固
に固定することができ、型締めの際のボアピンの倒れに
伴うシリンダライナの傾きを最小限に抑えて、研削後の
偏肉を可能な限小さくすることができる。
【0013】しかも、ウォタ−ジャケット形成用の中子
を利用したボアピンの固定により、シリンダ形成部と筒
状基端部の各長さの比を1:0.3程度にすることを可
能とし、型板の肉厚をその分薄くして、金型のより小型
化とより軽量化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例をなす金型の断面図である。
【図2】同上金型を用いたダイキャスト鋳造装置の一例
を示した図である。
【図3】シリンダ形成部と筒状基端部の各長さの比とボ
アピン先端の振れ量との関係を示した図である。
【図4】ボアピンの倒れによって生じるシリンダライナ
の偏肉形成状態を示した図である。
【符号の説明】
1 ボアピン 3 筒状基端部 5 シリンダ形成部 6 ウォタ−ジャケット形成用形成用中子 7 基部 10 可動型板 15 クランク形成用コア
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−307658(JP,A) 特開 平4−59162(JP,A) 特開 平1−258858(JP,A) 実開 平3−95148(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22D 17/00 B22D 17/22 B22D 17/24 B22C 9/24

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダ形成部と円柱状の基端部とによ
    って構成したボアピンを型板の背面側から挿通して、上
    記基端部の上半を、ウォータジャケット形成用中子の基
    部のテーパー状孔と嵌合するテ−パ−状嵌合部として形
    成し、上記型板前面の嵌合凹部に嵌合させた上記ウォー
    タジャケット形成用中子の上記基部を上記基端部の上半
    で固定したことを特徴とするシリンダブロックの成形用
    金型。
  2. 【請求項2】 上記ボアピンのシリンダ形成部と上記円
    柱状の基端部との各長さの比を1:0.3程度に形成し
    たことを特徴とする請求項1記載のシリンダブロックの
    成形用金型。
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JP5551999B2 (ja) * 2010-08-10 2014-07-16 本田技研工業株式会社 ウオータジャケット中子
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