JP3514143B2 - 画像形成材料除去装置 - Google Patents

画像形成材料除去装置

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JP3514143B2 JP32001398A JP32001398A JP3514143B2 JP 3514143 B2 JP3514143 B2 JP 3514143B2 JP 32001398 A JP32001398 A JP 32001398A JP 32001398 A JP32001398 A JP 32001398A JP 3514143 B2 JP3514143 B2 JP 3514143B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、電子写真方式あ
るいは熱転写方式など、熱溶融性樹脂を含む画像形成材
料の付着により画像が形成された記録媒体から画像形成
材料を除去し、記録媒体の再生・再利用を可能とする画
像形成材料除去装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真方式の画像形成装置は複写機、
プリンタ、ファクシミリ等としてオフィスや家庭に広く
普及している。これにともない、使用されるPPC用紙
の量が著しく増加しており、廃棄される用紙の量も膨大
となっている。このため環境問題への配慮から複写機、
プリンタ等で使用された用紙の再利用が行なわれてお
り、一度利用した用紙を古紙として回収し、製紙工場で
一旦紙繊維に分解した後、不純物を除去して再び紙に再
生されている。
【0003】しかしながら、このような方法では新たに
紙を製造するのと同等のエネルギーが必要となり、さら
に古紙回収のためのエネルギーやコストも必要となる。
このため環境にとって必ずしも負荷が低いものとは言え
ず、採算性にも困難がともなう場合が多い。
【0004】このような事情から、画像形成材料が溶融
固着した記録用紙から画像形成材料を剥離して、そのま
ま記録用紙を再利用する方法が提案されており、記録用
紙から画像形成材料を取り去る画像形成材料除去装置
が、例えば特開平4−64472号公報に記載されてい
る。
【0005】この画像形成材料除去装置では、図9に示
すように、表面に熱溶融性樹脂からなる画像剥離層10
2を設けた無端状シート101を加熱ロール103およ
び冷却ロール104に張架し、加熱ロールと対向して設
けられた押圧ロール105と上記画像剥離層102との
間に画像107が形成されている記録媒体106を送り
込む。そして、記録媒体106の画像がある面を、押圧
ロール105によって画像剥離層102に押し付けると
ともに、加熱ロール103によって画像剥離層及びこれ
と接触している記録媒体106を加熱する。記録媒体上
に付着して画像107を形成している画像形成材料は加
熱により軟化し、画像剥離層102の熱溶融樹脂と一体
化され、記録媒体106を上記無端状シート101から
剥離したときに画像形成材料は画像剥離層102に付着
して記録媒体106から除去される。なお、このように
画像を除去する記録媒体106は、あらかじめ離型性が
付与されたものを用いるのが望ましい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような画像形成材料除去装置では次のような問題点があ
る。画像107が記録された記録用紙106を連続して
処理すると、無端状シート101上の画像剥離層102
に記録媒体から剥離された画像形成材料が大量に付着
し、その結果、記録媒体106の搬送不良が生じること
がある。また、画像剥離層及び画像形成材料を構成して
いる熱溶融性樹脂が厚くなると、画像剥離ベルトの熱容
量も増加するため、温度制御が不安定となり、剥離不良
が発生することがある。特に、カラー画像の場合には白
黒画像と比較してトナー量が多いため、無端状シート上
の熱溶融性樹脂の厚さが白黒画像の場合よりも厚くな
り、上記した問題点がより顕著になる。
【0007】このように無端状シート上に熱溶融性樹脂
が多く堆積した場合には、例えば、特開平4−1160
00号公報に開示されているように、回収シートを画像
剥離層より高い温度で接触させ、画像剥離層の一部を回
収シートに転移させて除去する方法がある。
【0008】しかし、このような方法では、画像剥離層
の一部を回収シートに転移させて取り除いているため、
回収シートへの転移の前後で画像剥離層の厚さが大幅に
変化してしまい、剥離性能を維持することが困難とな
る。また、回収シートからトナーを分離することが難し
く、回収シートが再利用できないため、用紙を再利用す
る反面、大量の回収シートを廃棄することになり、環境
への負荷が低減されるとは言い難い。また、回収シート
の搬送タイミングも画像剥離層の厚さを検知して行う必
要があり、回収シートの収納トレイや剥離層厚測定装置
の設置など、装置全体の複雑化を招くことになる。
【0009】一方、画像剥離層を連続して使用するとき
の問題点として、画像剥離層上に画像形成材料が蓄積さ
れて層の厚さが全体的に増していくとともに、記録媒体
上の画像の形成状態によっては、画像形成材料が多く蓄
積するところと、少ないところが形成され、表面の凹凸
が大きくなっていく。このように画像剥離層の層厚が不
均一になると、記録媒体との接触性が悪くなり、記録媒
体上の画像と画像剥離層とを十分に密着させることがで
きない。このため、記録媒体から画像形成材料を確実に
除去することが困難となり、剥離不良が発生するという
問題がある。
【0010】本願発明は、上記のような問題点に鑑みて
なされたものであり、その目的は、画像剥離ベルト上に
ほぼ一定の層厚の画像剥離層を形成するとともに、簡単
な構成で画像剥離ベルト上に堆積した余分な熱溶融性樹
脂を回収することができ、長期にわたって安定した剥離
性能を維持することができる画像形成材料除去装置を提
供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記のような問題点を解
決するために、請求項1に記載の発明は、 複数の部材
に張架され、周回駆動される無端ベルトであって、耐熱
性ベルト基材の該表面に熱溶融性樹脂からなる画像剥離
層が設けられた画像剥離ベルトと、 前記画像剥離層を
加熱する加熱手段とを有し、 熱溶融性樹脂をバインダ
ーとする画像形成材料が付着した画像記録材を、加熱さ
れた前記画像剥離ベルトに圧接し分離して、該画像記録
材上の画像形成材料を前記画像剥離ベルトに転移させる
画像形成材料除去装置において、 前記画像剥離ベルト
の幅方向に近接対向して配置され、端縁が該画像剥離ベ
ルトの表面と平行となるように支持された板状の部材で
あって、前記画像剥離層の層厚を規制する層厚維持部材
と、 該層厚維持部材の上流側に熱溶融性樹脂が滞留し
たときに、該滞留する樹脂を回収する余剰樹脂回収手段
とを有し、 前記画像剥離ベルトを張架する複数の部材
は、加熱手段を内蔵した二つの加熱ロールを含み、 前
記画像記録材は、前記二つの加熱ロールのうちの第1の
加熱ロールに対向する位置で前記画像剥離ベルトに圧接
され、 前記層厚維持部材は、前記二つの加熱ロールの
うちの第2の加熱ロールと対向する位置に設けられてい
るものとする。
【0012】画像剥離ベルトの幅方向に近接対向するよ
うに支持された層厚維持部材は、画像剥離ベルトと所定
間隔を維持しながら相対移動するので、層厚維持部材と
の対向部を通過すると画像剥離層の一部が層厚維持部材
の上流側に溜り、通過後の画像剥離ベルトの表面にほぼ
一定の層厚の画像剥離層を形成することができる。この
ため、画像剥離ベルト上の画像剥離層が一定以上に厚く
なるのを防止でき、良好な剥離性能を得ることが可能と
なる。
【0013】ところが、このような層厚維持部材のみを
設けた場合は、画像記録材を連続して処理した際に、画
像記録材から除去された画像形成材料が層厚維持部材の
上流側に大量に付着する可能性がある。特に、再生エネ
ルギーをより少なくするために、層厚維持部材の規制部
の温度を熱溶融性樹脂が溶融する温度近傍に設定する
と、熱溶融性樹脂の流動性が低下するため、層厚維持部
材への付着がより顕著となる。熱溶融性樹脂の付着量が
極端に多くなると、層厚維持部材の熱容量が増加し、規
制部の温度を一定に保つためにより多くのエネルギーが
必要となり、再生時のエネルギー損失が多くなる。ま
た、規制部の温度制御として、層厚維持部材を温度検知
手段により所定の温度に制御する場合は、熱容量が増す
と、層厚維持部材の温度を上昇させるときは、層厚維持
部材に付着した熱溶融性樹脂の表面温度が、温度検知手
段による検知温度より高くなる(温度制御時のオーバー
シュート)。また、層厚維持部材の温度を低下させると
きには、層厚維持部材に付着した熱溶融性樹脂の表面温
度が、温度検知手段による検知温度より低くなる(温度
制御時のアンダーシュート)。このように制御部の温度
が不安定になると、この影響で画像剥離ベルトの表面が
不均一になり、剥離性能の低下を招く可能性がある。
【0014】このような問題に対し、請求項1に記載の
発明では、層厚維持部材の上流側に滞留した熱溶融性樹
脂を回収するための余剰樹脂回収手段が設けられている
ので、熱溶融性樹脂の余剰分を回収することにより、層
厚維持部材に付着する熱溶融性樹脂をほぼ一定量以下に
抑えることができる。このため、再生時のエネルギー損
失を抑えることができるとともに、層厚維持部材の温度
をほぼ一定に保つことが可能となり、剥離性能を長期に
わたり安定して維持することができる。
【0015】また、このような装置では、画像記録材を
第1の加熱ロールに対向する位置で画像剥離ベルトと圧
接させ、層厚維持部材を第2の加熱ロールと対向する位
置に設けることにより、画像記録材を圧接させる部分の
温度と、画像剥離層の層厚を規制する部分の温度とを、
それぞれ別個に制御することができる。これにより、層
厚維持部材の上流側に滞留した熱溶融性樹脂の温度を適
切に制御することができ、層厚維持部材による層厚規制
を良好に行うことができる。例えば、層厚維持部材との
対向部を一時的に高温にすると、層厚維持部材と画像剥
離ベルトとが接触する領域(以降、規制領域と称する)
において、熱溶融性樹脂の分子間力が層厚維持部材から
受ける抵抗力よりも弱くなるために、層厚維持部材によ
り熱溶融性樹脂の層厚を薄くすることができる。また、
画像剥離ベルトの熱溶融性樹脂を表面から所定の厚さで
入れ替えることができ、画像剥離ベルトの画像剥離層を
再生させることも可能となる。
【0016】請求項2に記載の発明は、 前記層厚維持
部材は、前記画像剥離ベルトに対して下方から対向する
ように配置され、 前記余剰樹脂回収手段は、前記層厚
維持部材の上流側に滞留した熱溶融性樹脂が、自重で落
下する温度まで該樹脂を加熱する加熱手段であるものと
する。
【0017】このような装置では、加熱手段により層厚
維持部材の上流側に滞留した熱溶融性樹脂が加熱される
ので、粘度が低下し、流動性が増した熱溶融性樹脂が重
力方向に力を受け、画像剥離ベルトから離れる方向に移
動しやすくなる。このため、加熱手段の温度を適切に制
御することによって、熱溶融性樹脂を自重で落下させる
ことが可能となり、これらの余剰樹脂を簡単な構成で回
収することができる。
【0018】前記加熱手段としては、例えば請求項3に
記載したように、前記層厚維持部材の下流側の面に取り
付けられたヒーターなどを用いることができる。これに
より、簡単な構成で層厚維持部材の上流側に滞留した熱
溶融性樹脂の温度を調整することができる。
【0019】請求項4に記載の発明は、 前記余剰樹脂
回収手段は、前記層厚維持部材の上流側に滞留した熱溶
融性樹脂を加熱する加熱手段と、 加熱されて軟化した
樹脂を前記層厚維持部材の上流側から排除する掻き取り
部材とを有するものとする。
【0020】このような装置では、加熱手段により層厚
維持部材の上流側に滞留した熱溶融性樹脂を適切な温度
に加熱することができ、粘度が低下して流動性を有する
熱溶融性樹脂を、掻き取り部材により強制的に回収する
ことができる。これにより、層厚維持部材に付着する熱
溶融性樹脂の量をほぼ一定以下に抑えることができ、剥
離性能を安定して維持することができる。
【0021】請求項5に記載の発明は、 請求項1から
請求項4までのいずれかに記載の画像形成材料除去装置
において、 前記画像剥離ベルトとの圧接部に搬送され
る画像記録材の枚数を計数するカウンターと、 該カウ
ンターの計数値が所定値となったときに、前記余剰樹脂
回収手段を駆動する制御手段を有するものとする。
【0022】このような装置では、画像記録材の再生を
連続して行い、層厚維持部材の上流側に滞留する熱溶融
性樹脂が多くなったときに、画像記録材の処理枚数に応
じて熱溶融性樹脂の量をある程度予測しておき、カウン
ターの計数値に基づいて余剰樹脂回収手段を駆動させる
ことができる。これにより、層厚維持部材に多量の熱溶
融性樹脂が付着するのを防止でき、剥離性能を安定して
維持することができる。また、画像記録材の枚数を計測
するカウンターを用いることにより、簡単な構成で熱溶
融性樹脂の付着量を制御することが可能となり、装置の
低コスト化を図ることもできる。
【0023】請求項6に記載の発明は、 請求項1から
請求項4までのいずれかに記載の画像形成材料除去装置
において、 前記層厚維持部材の上流側に滞留した熱溶
融性樹脂の量を検知するセンサと、 該センサによって
得られる情報に基づいて、前記余剰樹脂回収手段を駆動
する制御手段を有するものとする。
【0024】このような装置では、画像記録材の再生を
連続して行い、層厚維持部材の上流側に熱溶融性樹脂が
滞留しても、センサにより熱溶融性樹脂の付着量を検知
し、その量に応じて余剰樹脂回収手段を駆動させること
ができる。このため、層厚維持部材に付着した熱溶融性
樹脂の余剰分をより確実に除去することができ、長期に
わたり剥離性能を安定して維持することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の実施の形態を図
に基づいて説明する。図1は請求項1、請求項2、請求
項3又は請求項6に記載の発明の一実施形態である画像
形成材料除去装置の概略構成図である。この装置は、外
周面に熱溶融性樹脂からなる画像剥離層が形成された無
端状の画像剥離ベルト1と、この画像剥離ベルトを張架
する第1の加熱ロール2および第2の加熱ロール3と、
上記画像剥離ベルト1の内側に当接され、画像剥離ベル
トを所定の曲率で曲げ回すガイドプレート4と、上記第
1の加熱ロール2と対向し、画像剥離ベルトに圧接され
る押圧ロール5と、上記第2の加熱ロール3と対向する
位置に設けられ、端縁が画像剥離ベルト1の周面と近接
するように支持された層厚維持ブレード6と、この層厚
維持ブレード6よりも画像剥離ベルト1の周回方向上流
側に配置され、画像剥離ベルト1の両端付近に当接され
る2つの幅規制ブレード7と、画像が形成されている用
紙8を用紙トレイ9から上記押圧ロール5と画像剥離ベ
ルト1との圧接部に送り込む用紙搬送装置10とを備え
ている。
【0026】また上記層厚維持ブレード6の下流側
は、該層厚維持ブレード6の上流側に滞留した熱溶融性
樹脂を加熱するセラミックヒータ11と、このセラミッ
クヒータ11の温度を検知する温度センサ12とを備え
ている。さらに装置内には、上記層厚維持ブレード6の
上流側に滞留した熱溶融性樹脂の量を検知するセンサ1
3と、上記セラミックヒータ11に通電する電源14
と、上記センサ13からの信号に基づいてセラミックヒ
ータ11への通電を制御する制御装置15と、層厚維持
ブレード6から流下した熱溶融性樹脂を受け止める回収
ボックス16とを備えている。
【0027】上記画像剥離ベルト1は、図2に示される
ように、厚さが75μmのポリイミド製のベルト基材2
1上に、厚さ50μmの熱溶融性樹脂、例えばポリエス
テル樹脂からなる画像剥離層22を設けたものである。
この画像剥離ベルト1の幅は340mmで、周長は30
0mmとなっている。ベルト基材21としては、強度、
耐久性、及び熱に対する寸法安定性を考慮して適切な材
料を適宜に選択することができる。例えば、上記ポリイ
ミドの他、ポリアミド、ポリアミドイミド等の樹脂系材
料や、ステンレス、ニッケル等の金属材料を用いること
もできる。上記画像剥離層22は、画像形成材料除去装
置によって除去されるトナーのバインダー樹脂と同じ熱
溶融性樹脂により形成されており、厚さは20〜200
μm、特に50〜100μmの範囲内が望ましい。
【0028】上記第1の加熱ロール2は、外径が25m
mで、厚さが0.3mmの鋼製筒状部材の外周面に、厚
さが0.1mmのシリコーンゴム層を形成したものであ
る。上記筒状部材の内側には加熱源としてハロゲンラン
プ17が設置されており、この第1の加熱ロール2の周
面に当接するように配置された温度センサ18の出力に
基づいて点滅制御され、該加熱ロールの周面を所定温度
に維持するようになっている。このときの温度は、画像
剥離ベルト1上の画像剥離層22を加熱して軟化状態と
するような温度に設定されている。温度センサ18は必
ずしも画像剥離ベルト1に接している必要はなく、所定
の間隔をあけて配置してもよい。この第1の加熱ロール
2は、駆動装置(図示しない)によって回転駆動される
ものであり、この回転によって、張架された画像剥離ベ
ルト1を周回移動させるようになっている。
【0029】上記第2の加熱ロール3は、第1の加熱ロ
ール2と同じ鋼製筒状部材が用いられており、内側にハ
ロゲンランプ19が設置され、温度センサ20の出力に
基づいて第1の加熱ロール2と同様に温度制御がなされ
る。この第2の加熱ロール3の温度は、画像剥離ベルト
1上の画像剥離層22を溶融状態とするに十分な温度に
設定されている。なお、この第2の加熱ロール3は、第
1の加熱ロール2と異なり、筒状部材の周面にシリコー
ン樹脂層は形成されていない。
【0030】上記ガイドプレート4は、装置本体のフレ
ーム(図示しない)に固定支持され、画像剥離ベルト1
と当接される部分が加熱ロール2,3の半径よりも小さ
な曲率半径を有する円弧状に形成されている。この円弧
状の周面にはフッ素樹脂からなる低表面エネルギー層が
形成されており、画像剥離ベルト1が滑らかに摺動する
ようになっている。このガイドプレート4としては、例
えば、外周の曲率半径が3mmの曲面を持った鋼製プレ
ートの表面にテフロン(商品名、以下同じ)処理を施し
たものが用いられる。このガイドプレート4により、画
像剥離ベルト1は所定の位置に張架されるとともに上記
円弧状の周面に沿って曲げ回される。
【0031】上記押圧ロール5は、円筒状部材の周面に
弾性体層が形成されたものであり、図示しない加圧機構
によって第1の加熱ロール2に向かって加圧されてい
る。そして第1の加熱ロール2と押圧ロール5とで、画
像剥離ベルト1を挟持するようになっている。
【0032】上記層厚維持ブレード6は、画像剥離ベル
ト1の幅方向に端縁6aが対向するように設けられたス
テンレス製の板状部材であり、この板状部材の厚さは
0.5mmとなっている。層厚維持ブレードの端縁6a
は画像剥離ベルト1の周面と平行で滑らかな平面状とな
っており、この端縁が画像剥離ベルト1の幅方向に対向
し、ベルト基材21と100μmの間隔を均一に保持す
るように支持されている。このような構成により、画像
剥離層22の厚さが所定値より大きくなったときには、
余分な熱溶融性樹脂を堰き止め、画像剥離層を均一な厚
さに規制する。
【0033】また層厚維持ブレード6は、図1に示すよ
うに、画像剥離ベルト1の周面の接線に対して周回方向
上流側の角度θ1 が所定の取り付け角度となるように固
定支持されている。これにより、図2に示すように、層
厚維持ブレード6に掻き取られた熱溶融性樹脂が、層厚
維持ブレード6と画像剥離ベルト1との間で画像剥離層
22の表面に接触した状態で貯留される。この角度θ1
は、画像剥離層22を構成する熱溶融性樹脂の粘度、熱
溶融性樹脂の表面との摩擦係数、及び画像剥離ベルト1
の周回移動速度によって適宜に決定される。図1では層
厚維持ブレード6の取り付け角度θ1 は鈍角となってい
るが、上記の条件を満たすように取り付けられていれば
直角あるいは鋭角でもよい。
【0034】また、層厚維持ブレード6の表面にはテフ
ロン処理が施され、低表面エネルギー層が形成されてい
る。このため、貯留された熱溶融性樹脂と層厚維持ブレ
ード6との摺擦は、画像剥離層22との摩擦よりも小さ
くなる。したがって、画像剥離ベルト1が周回移動する
と、貯留された熱溶融性樹脂は画像剥離層22の表面と
の摩擦によって回転する。
【0035】上記セラミックヒータ11は、層厚維持ブ
レード6の下流側のほぼ全域に配置されており、温度セ
ンサ12の出力に基づいて制御装置15により電源14
がON/OFF状態とされ、セラミックヒータ11への
通電が制御されるようになっている。このセラミックヒ
ータ11の温度は、熱溶融性樹脂の溶融温度より充分高
い温度(例えば150°C)に設定されている。このよ
うな構成により、セラミックヒータ11の熱は層厚維持
ブレード6を経て熱溶融性樹脂に伝わり、熱溶融性樹脂
は層厚維持ブレード6上の位置では溶融温度より充分高
い温度まで加熱され、溶融状態となる。
【0036】また、このように層厚維持ブレード6がセ
ラミックヒータ11により加熱されることで、層厚維持
ブレード6の表面(セラミックヒータ11が取り付けら
れていない面)にも、熱溶融性樹脂の溶融温度以上に加
熱された溶融領域が構成されている。なお、温度センサ
12は、セラミックヒータ11に接している必要はな
く、所定の間隔をあけてもよい。
【0037】また、上記センサ13は耐熱性の接触セン
サからなり、層厚維持ブレード6の上流側に熱溶融性樹
脂が蓄積していき、センサ13に接触すると、制御装置
15によりセラミックヒータ11への通電が開始される
ようになっている。セラミックヒータ11の通電により
層厚維持ブレード6が所定温度(150℃)に加熱さ
れ、その付近に滞留する熱溶融性樹脂も加熱される。
【0038】上記幅規制ブレード7は、板状の弾性部材
からなり、図3に示すように、画像剥離ベルト1の幅方
向における両端部付近に、画像剥離ベルトの周回移動方
向に向かってハの字に設置されている。この幅規制ブレ
ード7は、図2(a)に示すように、画像剥離ベルト周
面の接線に対して上流側の角度θ2 が所定の取り付け角
度となるように支持されている。また幅規制ブレード7
は、図2(b)に示すように、画像剥離ベルト1の周回
移動方向と直角方向(図中に示す破線)に対する角度θ
3 が、0<θ3 <90°を満足するように設置されてい
る。上記幅規制ブレード7としては、例えば、ゴム硬度
70度のシリコーンゴムを、厚さ5mm、幅30mm、
高さ10mmに成型したものが用いられ、先端部がナイ
フエッジ加工されている。そして、上記取り付け角度θ
2 は120°に、上記角度θ3 は30°に設定され、先
端部が画像剥離ベルト1に突き当てられるように設置さ
れている。画像剥離ベルト1上の画像剥離層22は周回
移動する間に加熱により流動し、幅方向に広がるが、幅
規制ブレード7との当接部を通過する際に、画像剥離層
22が画像剥離ベルト1の中央部側へ押し戻されるよう
になっている。
【0039】なお、画像剥離ベルト1の周回移動方向と
直角方向に対する上記取り付け角度θ3 は、幅規制ブレ
ード7の材質、形状、画像剥離層22を構成する熱溶融
性樹脂の粘度、熱溶融性樹脂の表面との摩擦係数、及び
画像剥離ベルト1の周回移動速度によって適宜に決定さ
れる。また、画像剥離ベルト1の接線に対する取り付け
角度θ2 も同様に、熱溶融性樹脂の粘度、熱溶融性樹脂
の表面との摩擦係数、及び画像剥離ベルト1の周回移動
速度によって適宜に決定される。図2(a)では幅規制
ブレード7の取り付け角度θ2 は鈍角となっているが、
上記の条件を満たすように取り付けられていれば直角あ
るいは鋭角でもよい。また、幅規制ブレード7が画像剥
離ベルト1の周回移動方向に厚みを持つ場合は、幅規制
ブレード7の上流側のエッジが画像剥離ベルト1に突き
当たるように設置することにより、より少ない圧力で幅
規制ブレード7を画像剥離ベルト1に押し付けることが
可能である。
【0040】次に上記画像形成材料除去装置の動作につ
いて説明するこの画像形成材料除去装置による画像形成
材料除去の対象となるのは、一般的なPPC用紙上に、
シリコーン樹脂層を紙の凹凸を損なわない程度(約1μ
m)の厚さで形成した専用紙であり、この専用紙にトナ
ー等の付着により画像を形成したものである。画像の形
成は、この専用紙上に、一般的に用いられている電子写
真式画像形成装置により、カラートナーまたは黒色トナ
ーを転写し、加熱定着することによって行われる。トナ
ーは、熱溶融性樹脂としてポリエステル樹脂をバインダ
ーとし、これにイエロー、マゼンタ、シアン、ブラック
の顔料をそれぞれ含有させたもので、使用されているポ
リエステル樹脂は画像剥離層に用いられている熱溶融性
樹脂と同じものである。このポリエステル樹脂の熱的特
性は、ガラス転移点が約70°C、溶融温度が約115
°Cとなっている。図4には、このポリエステル樹脂の
温度と粘度との関係が示されている。このグラフからも
明らかなように、ガラス転移点を越える温度領域では、
温度の上昇に伴って急激に粘度が減少しており、シャー
プメルトな樹脂といえる。
【0041】画像が記録されている用紙8は、装置本体
に着脱可能に取り付けられた用紙トレイ9内に、画像形
成面を下側にして収容されている。これらの用紙8は、
送り出しロール23により、用紙トレイ9から一枚ずつ
所定の間隔で送り出される。さらに用紙8は搬送ロール
24により挟持搬送され、図示しない用紙ガイドに沿っ
て画像剥離ベルト1と押圧ロール5との対向部へと送ら
れる。
【0042】画像剥離ベルト1は、第1の加熱ロール2
の回転により速度80mm/sで周回駆動されており、
第1の加熱ロール2及び第2の加熱ロール3に巻き回さ
れた位置で加熱される。第2の加熱ロール3は熱溶融性
樹脂の溶融温度に近い110°Cとなっており、画像剥
離層の熱溶融性樹脂は加熱ロール3上の位置では加熱さ
れて軟化状態となっている。また、セラミックヒータ1
1は熱溶融性樹脂の溶融温度より充分高い150°Cと
なっており、熱溶融性樹脂は層厚維持ブレード6上の位
置では溶融温度より充分高い温度まで加熱され、溶融状
態となる。一方、第1の加熱ロール2は熱溶融性樹脂の
溶融温度に近い110°Cに温度制御されており、画像
剥離ベルト1上の画像剥離層22は、層厚維持ブレード
6との対向部から第1の加熱ロール上まで搬送される間
に放熱して、一旦温度が低下するが、第1の加熱ロール
上で溶融温度近くまで再び加熱され、次第に軟化状態と
なる。
【0043】画像が記録されている用紙8は、用紙トレ
イ9から第1の加熱ロール2と押圧ロール5との圧接部
へと搬送され、第1の加熱ロール2と対向する位置で画
像剥離ベルト1と押圧ロール5との間に送り込まれる。
そして、用紙8の画像形成面が画像剥離層22に押しつ
けられる。
【0044】このとき、画像剥離層22の熱溶融性樹脂
は、第1の加熱ロール2からの熱により軟化状態となっ
ており、ゴム状の弾性を維持しつつ用紙8上の画像形成
材料(トナー)と凝集力を持っている。このため、用紙
8の画像形成面が画像剥離層22と圧接されると、画像
剥離層22の熱溶融性樹脂が用紙8の凹凸に応じて容易
に変形し、用紙上の画像形成材料と密着する。なお、こ
のときの画像剥離層及び用紙上の画像形成材料に含まれ
る熱溶融性樹脂は、用紙の内部に浸透するほどには加熱
されていない。
【0045】押圧ロール5が圧接されている部分を通過
した用紙は、画像剥離ベルト1と接触した状態を維持し
たまま画像剥離ベルト1の周回移動により搬送される。
画像剥離ベルト1の上方には、押圧ロール5とガイドプ
レート4との間に掛け渡された部分と平行に、板状の用
紙プレート25が支持されており、用紙が画像剥離ベル
ト1から剥れるのを防止しながら、ガイドプレート4と
の対向位置まで案内する。この搬送過程で、画像剥離層
22の熱が用紙上に付着している画像形成材料に伝わ
り、画像剥離層22と画像形成材料とがほぼ同じ温度と
なる。また、画像剥離層22及び画像形成材料から周囲
への放熱が起こり、画像剥離層22及び画像形成材料が
徐々に冷却される。
【0046】用紙8がガイドプレート4との対向部に達
すると、画像剥離層22及び画像形成材料の熱溶融性樹
脂はガラス転移点よりやや高い温度(80°C〜90°
C程度)になる。この温度では、上記熱溶融性樹脂の粘
度が上昇し、凝集力が像形成材料の用紙に対する接着力
よりも大きくなっているが、依然ゴム状の弾性を維持し
た状態となっている。このような状態では、熱溶融性樹
脂に引き離そうとする力が作用したときに、用紙との界
面が分離しやすい状態となっている。
【0047】画像剥離ベルト1は、ガイドプレート4の
外周面に沿って摺動しつつ周回移動することで、小さな
曲率半径で屈曲されるため、画像剥離層22に接着した
画像形成材料も小さな曲率半径で屈曲される。画像剥離
層22と画像形成材料との凝集力は、画像形成材料の用
紙に対する接着力よりも大きくなっているので、画像形
成材料に歪みが生じる。さらに、用紙はそれ自体の剛性
(紙厚方向の変形に対する弾性)によって画像剥離ベル
ト1よりも大きな曲率半径で屈曲する。これにより、用
紙上にあった画像形成材料は画像剥離層22と一体とな
って剥離され、用紙上の画像は除去される。画像形成材
料が除去された用紙8は、用紙シュート26により所定
の搬送方向へ案内され、図示しない排紙トレイへ排出さ
れる。
【0048】一方、画像剥離ベルト1に付着した画像形
成材料は、画像剥離層22の熱溶融性樹脂とともに搬送
され、画像剥離ベルト1が第2の加熱ロール3に巻き回
された位置で再び加熱されて軟化状態となる。そして、
画像形成材料の粘度が低下して画像剥離層22と一体化
される。これらの熱溶融性樹脂は、画像剥離ベルト1の
両端部に配置された幅規制ブレード7に当接されること
により、熱溶融性樹脂がベルト基材21の中央部側へ押
し戻される。これにより、熱溶融性樹脂が加熱及び加圧
されて幅方向に広がっても、幅規制ブレード7との当接
部を通過することにより、画像剥離層22の幅は一定値
以下、すなわち2つの幅規制ブレード7の間隔以下に抑
えられる。
【0049】その後、ベルト基材21上の画像剥離層2
2は層厚維持ブレード6との対向位置に搬送され、層厚
維持ブレード6の端縁6aに接触する。その際、画像剥
離層22の所定厚さ以上となる部分の熱溶融性樹脂が、
層厚維持ブレード6の上流側に堰き止められて溜り、ブ
レード6の下流側に一定の厚さの画像剥離層22が連続
的に維持される。
【0050】つまり、上記のように画像が記録されてい
る用紙から剥離した、熱溶融性樹脂を含む画像形成材料
が画像剥離層22に取り込まれ、これを繰り返すことに
よって画像剥離層22の層厚が増大することになるが、
上記層厚維持ブレード6によって余剰となった熱溶融性
樹脂を堰き止め、画像剥離層22の層厚を常に一定に維
持するものである。なお、層厚維持ブレード6の対向部
を通過した画像剥離層22は、画像剥離ベルト1上に初
めからある樹脂と、用紙から剥離した画像形成材料とが
混合したものとなるが、どちらの樹脂も同じ材料を用い
ているため相溶性が高く、剥離性能は剥離後も変化しな
い。
【0051】用紙8を連続的に処理すると、画像剥離ベ
ルト1の画像剥離層22の余剰分が層厚維持ブレード6
の上流側に堰き止められて貯留される。これらの熱溶融
性樹脂は、層厚維持ブレード6の表面上でセラミックヒ
ータ11からの熱により、熱溶融性樹脂の溶融温度より
十分に高い温度に加熱され、溶融状態となる。これらの
熱溶融性樹脂は、画像剥離ベルト1の画像剥離層22と
接触した状態で維持されるため、画像剥離ベルト1が周
回移動すると、画像剥離層22の表面との摩擦によって
図5(a)中に示す矢印Aの方向に回転し、第2の加熱
ロール3と平行な軸を有するほぼ円柱形の棒状になる。
このように棒状となった熱溶融性樹脂が回転しながら画
像剥離層22と接触することで、画像剥離層22の表面
が常にリフレッシュされ、劣化が防止される。
【0052】層厚維持ブレード6を通過して層厚がほぼ
一定となった画像剥離層22は、画像剥離ベルト1の周
回移動により、再び第1の加熱ロール2と押圧ロール5
との間に搬送され、画像が形成された用紙8に押し付け
られて加熱される。そして、この加熱及び加圧により画
像剥離層22が幅方向に広がっても、第2の加熱ロール
3との対向位置で、幅規制ブレード7により画像剥離層
22が中央部方向に押し戻され、層幅が狭められる。さ
らに、層厚維持ブレード6により均一な層厚となった画
像剥離層22が周回移動する。
【0053】一方、用紙を連続的に処理することで、層
厚維持ブレード6の上流側に熱溶融性樹脂が蓄積されて
いくと、ある一定量となったところでセンサ13と接触
する。そして、このセンサ13からの信号に基づいて電
源14がON状態となり、セラミックヒータ11が通電
され、層厚維持ブレード6が150℃に加熱される。こ
れと同時に第2の加熱ロール3も所定温度に加熱され
る。このとき、用紙8の画像除去動作、及び画像剥離ベ
ルト1の周回移動は停止される。
【0054】これにより、層厚維持ブレード6の上流側
に滞留した熱溶融性樹脂は溶融温度より十分に高い温度
に加熱され、図5(a)に示すように矢印Aの方向に回
転する。このとき、棒状となった熱溶融性樹脂は、径が
大きく、凝集力が弱くなっている。このため、図5
(b)に示すように、熱溶融性樹脂の一部21aは凝集
することなく、層厚維持ブレード6に沿って流下する。
層厚維持ブレード6はセラミックヒータ11によって1
50°に加熱されているので、滞留している熱溶融性樹
脂は溶融状態を維持したまま流下し、回収ボックス16
上に落下する。このようにして、層厚維持ブレード6で
堰き止められた熱溶融性樹脂の余剰分が回収される。
【0055】上記のような画像形成材料除去装置を用い
て、用紙8に定着されたカラー画像の除去を行ったとこ
ろ、カラー画像を良好に除去できることが確認された。
また、複数枚の用紙8からカラー画像の除去を連続して
行うと、層厚維持ブレード6の上流側に熱溶融性樹脂が
多く付着したが、熱溶融性樹脂の量がセンサ13で検知
され、第2の加熱ロール3及びセラミックヒータ11が
加熱されると、熱溶融性樹脂が重力を受ける方向に流下
し、回収ボックス上に落下した。これにより、層厚維持
ブレードから熱溶融性樹脂の余剰分を良好に回収できる
ことが確認された。また、回収後、複数枚の用紙8から
カラー画像の除去を連続して行ったところ、長期にわた
って良好な画像剥離層を維持することができ、また安定
した除去性能を維持することができた。
【0056】図6は、請求項1、請求項2、請求項3又
は請求項5に記載の発明の一実施形態である画像形成材
料除去装置を示す概略構成図である。この装置は、画像
剥離ベルト31、第1の加熱ロール32、第2の加熱ロ
ール33、ガイドプレート34、押圧ロール35、層厚
維持ブレード36、幅規制ブレード37、用紙搬送装置
40、セラミックヒータ41及び温度センサ42等とし
て、図1に示す装置で用いられているものと同じものを
採用しているが、層厚維持ブレード36の上流側に滞留
した熱溶融性樹脂を回収する手段が異なる。
【0057】この装置では、押圧ロール35と画像剥離
ベルト31との圧接部の上流側に、用紙38の枚数を計
数するカウンター43が備えられ、このカウンター43
の計数値に基づいてセラミックヒータ41への通電を制
御する制御装置45が設けられている。
【0058】このような装置では、カウンター43によ
り計数された用紙38の枚数が所定値に達すると、制御
装置45により電源44がON状態にされ、セラミック
ヒータ41が通電される。このセラミックヒータ41に
より層厚維持ブレード36が約150℃に加熱される。
これと同時に、第2の加熱ロール33のヒータも通電さ
れ、所定温度に加熱される。
【0059】これにより、層厚維持ブレード36の上流
側に滞留した熱溶融性樹脂は、溶融温度より十分に高い
温度に加熱され、図5(a)に示す矢印Aと同じ方向に
回転する。そして、熱溶融性樹脂の一部が凝集すること
なく層厚維持ブレード36に沿って流下し、回収ボック
ス46上に落下して回収される。
【0060】上記画像形成材料除去装置を用いて、用紙
38に定着されたカラー画像の除去を行ったところ、カ
ラー画像を良好に除去できることが確認された。また、
複数枚の用紙38からカラー画像を連続して除去したと
きは、層厚維持ブレード36の上流側に熱溶融性樹脂が
多く付着したが、カウンター43で計数された用紙38
の枚数が所定値に達すると、第2の加熱ロール33及び
セラミックヒータ41が所定温度まで加熱され、熱溶融
性樹脂が流動化して回収ボックス46内に回収されるこ
とが確認できた。また、回収後、複数枚の用紙38から
カラー画像の除去を連続して行ったところ、長期にわた
って良好な画像剥離層を維持することができ、また安定
した除去性能を維持することができた。
【0061】なお、以上の実施形態では、層厚維持ブレ
ードの上流側に滞留した熱溶融性樹脂の量を検知するセ
ンサや、処理する用紙の枚数を計数するカウンターを用
いてセラミックヒータや第2の加熱ロールへの通電を制
御したが、これらのセンサやカウンターを用いずに、操
作者がある程度熱溶融性樹脂が溜まったのを見て、操作
パネルによりセラミックヒータ及び第2の加熱ロールを
加熱するような構成としてもよい。これにより、高価な
センサ等が不要となり、画像形成材料除去装置の低コス
ト化が可能である。
【0062】図7は、請求項1、請求項2、請求項3又
は請求項4に記載の発明の一実施形態である画像形成材
料除去装置を示す概略構成図である。この装置は、画像
剥離ベルト61、第1の加熱ロール62、第2の加熱ロ
ール63、ガイドプレート64、押圧ロール65、層厚
維持ブレード66、幅規制ブレード67、用紙搬送装置
70、セラミックヒータ71、温度センサ72及びカウ
ンター73等として、図6に示す装置で用いられている
ものと同じものを採用しているが、層厚維持ブレード6
6の上流側に滞留した熱溶融性樹脂を回収する手段が異
なり、層厚維持ブレード66の上流側付近に、熱溶融性
樹脂の一部を取り除く掻き取り手段76が設けられてい
る。この掻き取り手段76は、図8に示すように、一定
方向に回転することによって熱溶融性樹脂の一部を掻き
取る翼体77と、この翼体77を駆動させるモーター7
8とを備えている。この翼体77は、くの字型に曲折さ
れた板状部材からなり、層厚維持ブレード66の幅方向
のほぼ全域にわたって設けられている。
【0063】このような装置では、カウンター73で所
定枚数の用紙68が計数されると、この数値に基づき制
御装置75により電源74がON状態にされ、セラミッ
クヒータ71が通電される。これとともに、第2の加熱
ロール63のヒータも加熱される。これにより、層厚規
制ブレード66の上流側に滞留した熱溶融性樹脂が加熱
され、溶融状態となる。この状態で、制御装置75によ
りモーター78が駆動され、翼体77の回転により熱溶
融性樹脂の余剰分が掻き取られる。このような構成で
は、上記実施形態のように熱溶融性樹脂が自重により落
下するのを待つことなく、強制的に余剰樹脂を除去する
ことができ、回収時間を短縮できるという利点がある。
【0064】上記画像形成材料除去装置を用いて、用紙
68に定着されたカラー画像の除去を行ったところ、カ
ラー画像を良好に除去できることが確認された。また、
複数枚の用紙68からカラー画像を連続して除去したと
きに、層厚維持ブレード66の上流側に熱溶融性樹脂が
多く付着したが、用紙68の枚数が所定値に達すると、
第2の加熱ロール66及びセラミックヒータ71が加熱
されるとともに、掻き取り手段76が駆動され、熱溶融
性樹脂の余剰分が短時間で回収されることが確認でき
た。また、回収後、複数枚の用紙68からカラー画像の
除去を連続して行ったところ、長期にわたって良好な画
像剥離層を維持することができ、安定した除去性能を維
持することができた。
【0065】以上に説明した実施形態では、いずれも二
つの加熱ロールとガイドプレートにより画像剥離ベルト
を張架し、一方の加熱ロール上の位置で記録媒体を画像
剥離ベルトに圧接し、もう一方の加熱ロールに対向する
位置に層規制ブレードを設けるものであるが、本願発明
は熱溶融性樹脂層を有するベルトを用いて記録媒体上の
画像形成材料を除去する装置であれば、画像剥離ベルト
の張架の態様は限定されるものではない。したがって、
一つの加熱ロールとガイドプレート等の固定支持された
部材とに張架されるものであってもよいし、一つの加熱
ロールと加熱されない他のロールとを有するものであっ
てもよい。また、加熱手段は加熱ロールに内蔵されるハ
ロゲンランプの他、異なるタイプのヒーターを用いるも
のであってもよいし、画像剥離ベルトに含まれる発熱体
に、画像剥離ベルトを支持するロールから給電するもの
であってもよい。
【0066】さらに、上記実施形態の装置では、画像剥
離層の熱溶融性樹脂として、記録媒体上に付着している
画像形成材料に含まれる樹脂と同一のものを用いている
が、熱特性がほぼ同じで溶融状態で互いに混じり合うも
のであれば、他の樹脂を用いることもできる。この場合
には記録媒体からの画像形成材料の剥離を繰り返すうち
に最初に画像剥離層を形成していた樹脂と剥離した画像
形成材料とが混合され、この混合された樹脂を画像剥離
層として用いることになる。
【0067】この画像形成材料除去装置で画像の除去を
行なう記録媒体は、上記実施の形態では、接着性を低減
するためにシリコーン樹脂層を形成したものであった
が、画像形成時に接着性が低い樹脂を含むトナー等を用
いる場合には、普通のPPC用紙に画像が形成されたも
のであってもよい。
【0068】
【発明の効果】以上説明したように、本願発明に係る画
像形成材料除去装置は、層厚維持部材の上流側に付着し
た熱溶融性樹脂を定期的に回収することができ、層厚維
持部材の上流側に必要以上に熱溶融性樹脂が付着するの
を防止することができる。また、画像剥離ベルトに設け
られた画像剥離層を新たな熱溶融性樹脂と入れ替えるこ
とが可能となり、良好な画像剥離層を安定して形成し、
剥離性能を長期にわたって維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1、請求項2、請求項3又は請求項6に
記載の発明の一実施形態である画像形成材料除去装置を
示す概略構成図である。
【図2】図1に示す画像形成材料除去装置で用いられる
層厚維持ブレードと画像剥離ベルトとの対向部近傍を示
す拡大図である。
【図3】図1に示す画像形成材料除去装置で用いられる
幅規制ブレード及び層厚維持ブレードと画像剥離ベルト
との対向部近傍を示す斜視図である。
【図4】図1に示す画像形成材料除去装置で用いられる
熱溶融性樹脂の温度と粘度との関係を示すグラフであ
る。
【図5】図1に示す画像形成材料除去装置における層厚
維持ブレードの上流側に滞留した熱溶融性樹脂の挙動を
示す概略図である。
【図6】請求項1、請求項2、請求項3又は請求項5に
記載の発明の一実施形態である画像形成材料除去装置を
示す概略構成図である。
【図7】請求項1、請求項2、請求項3又は請求項4に
記載の発明の一実施形態である画像形成材料除去装置を
示す概略構成図である。
【図8】図7に示す画像形成材料除去装置で用いられる
掻き取り手段を示す拡大図である。
【図9】従来の画像形成材料除去装置を示す概略構成図
である。
【符号の説明】
1、31、61 画像剥離ベルト 2、32、62 第1の加熱ロール 3、33、63 第2の加熱ロール 4、34、64 ガイドプレート 5、35、65 押圧ロール 6、36、66 層厚維持ブレード 7、37、67 幅規制ブレード 8、38、68 用紙 9、39、69 用紙トレイ 10、40、70 用紙搬送装置 11、41、71 セラミックヒータ 12、42、72 温度センサ 13 センサ 14、44、74 電源 15、45、75 制御装置 16、46 回収ボックス 17、19 ハロゲンランプ 18、20 温度センサ 21 ベルト基材 22 画像剥離層 23 送り出しロール 24 搬送ロール 25 用紙プレート 26 用紙シュート 43、73 カウンター 76 掻き取り手段

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の部材に張架され、周回駆動され
    る無端ベルトであって、耐熱性ベルト基材の表面に熱溶
    融性樹脂からなる画像剥離層が設けられた画像剥離ベル
    トと、 前記画像剥離層を加熱する加熱手段とを有し、 熱溶融性樹脂をバインダーとする画像形成材料が付着し
    た画像記録材を、加熱された前記画像剥離ベルトに圧接
    し分離して、該画像記録材上の画像形成材料を前記画像
    剥離ベルトに転移させる画像形成材料除去装置におい
    て、 前記画像剥離ベルトの幅方向に近接対向して配置され、
    端縁が該画像剥離ベルトの表面と平行となるように支持
    された板状の部材であって、前記画像剥離層の層厚を規
    制する層厚維持部材と、 該層厚維持部材の上流側に熱溶融性樹脂が滞留したとき
    に、該滞留する樹脂を回収する余剰樹脂回収手段とを有
    し、 前記画像剥離ベルトを張架する複数の部材は、加熱手段
    を内蔵した二つの加熱ロールを含み、 前記画像記録材は、前記二つの加熱ロールのうちの第1
    の加熱ロールに対向する位置で前記画像剥離ベルトに圧
    接され、 前記層厚維持部材は、前記二つの加熱ロールのうちの第
    2の加熱ロールと対向する位置に設けられていることを
    特徴とする 画像形成材料除去装置。
  2. 【請求項2】 前記層厚維持部材は、前記画像剥離ベ
    ルトに対して下方から対向するように配置され、 前記余剰樹脂回収手段は、前記層厚維持部材の上流側に
    滞留した熱溶融性樹脂が、自重で落下する温度まで該樹
    脂を加熱する加熱手段であることを特徴とする請求項1
    記載の画像形成材料除去装置。
  3. 【請求項3】 前記加熱手段は、前記層厚維持部材の
    下流側の面に取り付けられたヒーターであることを特徴
    とする請求項2に記載の画像形成材料除去装置。
  4. 【請求項4】 前記余剰樹脂回収手段は、前記層厚維
    持部材の上流側に滞留した熱溶融性樹脂を加熱する加熱
    手段と、 加熱されて軟化した樹脂を前記層厚維持部材の上流側か
    ら排除する掻き取り部材とを有することを特徴とする
    求項1に記載の画像形成材料除去装置。
  5. 【請求項5】 請求項1から請求項4までのいずれか
    に記載の画像形成材料除去装置において、 前記画像剥離ベルトとの圧接部に搬送される画像記録材
    の枚数を計数するカウンターと、 該カウンターの計数値が所定値となったときに、前記余
    剰樹脂回収手段を駆動する制御手段を有することを特徴
    とする画像形成材料除去装置。
  6. 【請求項6】 請求項1から請求項4までのいずれか
    に記載の画像形成材料除去装置において、 前記層厚維持部材の上流側に滞留した熱溶融性樹脂の量
    を検知するセンサと、 該センサによって得られる情報に基づいて、前記余剰樹
    脂回収手段を駆動する制御手段を有することを特徴とす
    る画像形成材料除去装置。
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