JPH11219073A - 画像形成材料除去装置 - Google Patents

画像形成材料除去装置

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JPH11219073A
JPH11219073A JP10023173A JP2317398A JPH11219073A JP H11219073 A JPH11219073 A JP H11219073A JP 10023173 A JP10023173 A JP 10023173A JP 2317398 A JP2317398 A JP 2317398A JP H11219073 A JPH11219073 A JP H11219073A
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JP
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layer
image forming
thickness maintaining
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JP10023173A
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English (en)
Inventor
Hirakazu Ezure
平和 江連
Tetsuo Kodera
哲郎 小寺
Tomoo Kobayashi
智雄 小林
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カラー画像が形成された画像保持体から、画
像形成材料を連続して、かつ低コストで安定して除去で
きる画像形成材料除去装置を得る。 【解決手段】 加熱ロール12、14及び用紙分離プレ
ート16に、画像剥離ベルト18が巻き掛けられてい
る。画像剥離ベルト18が循環すると、画像剥離ベルト
18の熱溶融性樹脂層の表層近傍の部分が加熱ロール1
2の下方に固定された層厚維持ブレード34に接触す
る。層厚維持ブレード34の裏面に取り付けられたセラ
ミックヒータ36の熱が熱溶融性樹脂層28に伝わり、
熱溶融性樹脂層28は常に安定して溶融状態となるの
で、駆動手段等に大きな負荷をかけることなく、熱溶融
性樹脂層28を一定厚に維持することができる。カラー
画像等トナーの量が多い場合であっても、熱溶融性樹脂
層28と用紙Pとの接触性が低下することがなく、用紙
Pからトナー30を連続して安定的に除去できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は画像形成材料除去装
置に関し、さらに詳しくは、熱溶融性樹脂を含む画像形
成材料によって画像形成された画像保持体から画像形成
材料を除去する画像形成材料除去装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自然環境保護等の観点より、複写
機やプリンタ等の画像形成装置によって画像が形成され
た紙等の画像保持体から、インクやトナー等の画像形成
材料を除去して画像保持体を再利用可能とする試みがな
されている。この試みの1つとして、画像が形成された
紙を古紙として回収し、いったん繊維に叩解したのち、
さらにインクやトナー等を除去し、抄紙により紙として
再利用可能とする方法が一般的となっている。
【0003】しかし、この方法では、古紙を再度パルプ
化したときにパルプ品質が低下し、再生される紙の品質
も低下するおそれがある。また、古紙を叩解する工程
や、叩解後の繊維からインクやトナーを除去する工程等
に、新たに紙を製造するのとほぼ同等のエネルギーが必
要になる。さらに、古紙を回収する際等にも新たなエネ
ルギーが消費され、コストの増加を招くおそれがある。
【0004】かかる不都合を解消すべく、特開平6−2
50569号では、簡易に画像保持体から画像形成材料
を除去する画像保持体の再生方法が開示されている。す
なわち、この方法では、画像が形成された画像保持体
に、不安定化剤としての水、界面活性剤を含む水溶液、
水溶性ポリマーを含む水溶液および水溶性ポリマーと界
面活性剤とを含む水溶液よりなる群から選ばれた少なく
とも1種の水あるいは水溶液を保持させると共に、画像
剥離体に画像形成材料を加熱接着又は加圧接着させ、イ
ンクが熱溶融している状態で画像剥離体を画像保持体か
ら剥離して、画像保持体から画像形成材料を除去するも
のである。
【0005】しかし、この方法では、画像保持体が水又
は水溶液によって濡れるため、濡れた画像保持体を乾燥
させるために多量のエネルギーを消費し、再生コストが
かかる。また、この方法では、画像形成材料として黒色
トナーのみが使用されている場合には、この黒色トナー
を画像保持体から除去することができるが、画像形成材
料がシアン、マゼンタ、イエロー等のカラートナーを含
んで構成されている場合には、トナーの特性の違いによ
り、カラートナーを画像保持体から除去できない。これ
は、黒色トナーとカラートナーとの特性の違いから、以
下のように説明できる。
【0006】黒色トナーは高弾性樹脂を含んでおり、溶
融温度を越えてもゴム状になっているのに対し、カラー
トナーは、溶融温度を越えると急激に粘度が低下するシ
ャープメルトな樹脂を含んでいる。一般に、トナーは画
像保持体上で加熱されて粘度が低下すると、自らの接着
力で画像剥離体と接着するが、カラートナーでは、加熱
による粘度の低下が著しいために、画像保持体に浸透し
てしまう。このため、カラートナーは画像剥離体と接着
はするものの、画像保持体との定着強度がこれ以上に強
くなり、カラートナーを画像保持体から完全に除去する
ことが難しくなるためである。
【0007】かかる不都合を解消するためには、カラー
トナーの温度を、画像保持体の内部へは浸透せず、かつ
画像剥離体との十分な接着性が得られるような温度に制
御することが考えられる。しかし、この状態ではカラー
トナーの粘度が高いため、画像剥離体上に剥離されたカ
ラートナーが凹凸となって残る。このため、次にカラー
トナーを除去するとき、紙に対しての接触性が悪くな
り、確実に次の紙からカラートナーを除去することがで
きない。
【0008】一方、特開平4−64472号には、上記
したようなカラートナーの熱的特性を利用して、画像保
持体からカラートナーを除去するイレーザが開示されて
いる。
【0009】このイレーザは、加熱ロール及び冷却ロー
ルに懸架された熱溶融性樹脂のエンドレスシートを使用
し、イレーザブルペーパを軟化あるいは溶融した熱溶融
性樹脂に押し当て、その後冷却して熱溶融性樹脂からイ
レーザブルペーパを分離し、イレーザブルペーパからト
ナーを除去するものである。
【0010】しかし、このイレーザでは、多数のイレー
ザブルペーパを連続して処理すると、エンドレスシート
上の熱溶融性樹脂層が厚くなり、その結果、イレーザブ
ルペーパの搬送不良が生じることがある。また、熱溶融
性樹脂層が厚くなることで熱容量も増加するため、温度
制御が不安定となって、除去不良が発生することがあ
る。特に、カラー画像の場合には白黒画像と比較してト
ナー量が多いため、エンドレスシート上の熱溶融性樹脂
層の厚さが白黒画像の場合よりも厚くなり、上記した問
題点がより顕著になる。
【0011】このように、エンドレスシート上に熱溶融
性樹脂が多く堆積した場合には、特開平4−64472
号にも記載されているように、余分な熱溶融性樹脂をブ
レード等の除去手段によって掻き取ることで、エンドレ
スシート上の熱溶融性樹脂層の層厚を一定に維持するこ
とが考えられる。
【0012】しかし、上記した除去手段を、イレーザの
冷却ロールの近傍又は加熱ロールと冷却ロールの間に配
置した場合には、エンドレスシート上でいったん加熱ロ
ールによって溶融された熱溶融性樹脂が自然冷却されて
粘性が高くなっているので、除去手段がこの熱溶融性樹
脂に接した状態でエンドレスシートが循環すると、大き
な負荷がかかる。このため、エンドレスシートを駆動さ
せるための駆動エネルギーも大きくなり、駆動手段とし
ても大型のものが必要となる。また、単に駆動エネルギ
ーを大きくして余分な熱溶融性樹脂を掻き取っても、掻
き取られた熱溶融性樹脂が飛散し、装置内を汚したり、
いったん画像形成材料が除去された画像保持体に付着し
てしまったりすることにもなる。
【0013】一方、除去手段を加熱ロールの近傍に配置
しても、加熱ロールの温度をトナーが溶融する温度とし
た場合には、トナーがエンドレスシートに浸透し、除去
手段で掻き取ることができなかったトナーがエンドレス
シート上に残ってしまう。これに対し、加熱ロールの温
度を、トナーが溶融する温度以下で、かつ軟化する温度
以上とした場合には、トナーの粘度が高くなっているた
めにエンドレスシートの循環に大きな負荷がかかり、エ
ンドレスシートの駆動エネルギーが大きくなって、駆動
手段としても大型のものが必要となる。加えて、エンド
レスシート上に余分な画像形成材料が残ると、画像形成
材料の表面に画像の厚みに対応した凹凸が生じる。従っ
て、この状態で連続してイレーザブルペーパからトナー
の除去を行うと、エンドレスシートとイレーザブルペー
パとの接触性が低下するため、トナーを確実に除去でき
ないおそれがある。
【0014】このように、カラー画像が形成された画像
保持体から、画像形成材料を連続して、かつ低コストで
安定して除去できる画像形成材料除去装置はなかった。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる事実を
考慮し、カラー画像が形成された画像保持体から、画像
形成材料を連続して、かつ低コストで安定して除去でき
る画像形成材料除去装置を得ることを課題とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明で
は、熱溶融性樹脂を含む画像剥離層を備えた画像剥離部
材と、前記画像剥離層を加熱する第1加熱手段と、加熱
により軟化された前記画像剥離層に、熱溶融性樹脂を含
む画像形成材料が溶融固着された画像保持体の画像形成
面を接触させる接触手段と、前記画像剥離層に接触され
た前記画像形成面を、画像剥離層と前記画像形成材料と
の凝集力が画像形成材料と前記画像保持体との接着力よ
りも大きくなった状態で画像剥離層から分離させる分離
手段と、加熱により溶融された前記画像剥離層に対応し
た位置で前記画像剥離部材から所定間隔をあけて配置さ
れ、この所定間隔を維持して画像剥離部材と相対移動す
ることにより溶融状態の画像剥離層の層厚を一定厚に維
持する層厚維持手段と、前記層厚維持手段を加熱する第
2加熱手段と、を有することを特徴とする。
【0017】加熱により軟化された画像剥離部材の画像
剥離層に、接触手段によって画像保持体の画像形成面が
接触される。画像形成面には、熱溶融性樹脂を含む画像
形成材料が溶融固着されて画像が形成されているので、
この画像形成材料が、画像剥離部材の画像剥離層と一体
になる。
【0018】一体となった画像剥離層と画像形成材料と
の凝集力が画像形成材料の画像保持体への接着力よりも
大きくなった状態で、分離手段が画像形成面を画像剥離
層から分離するので、画像形成材料は画像剥離層と一体
で画像剥離部材に付着し、画像保持体から除去される。
【0019】溶融した画像剥離層に対応して設けられた
層厚維持手段は、画像剥離部材との所定間隔を維持しつ
つ相対移動するので、画像剥離部材の表面に、一定厚の
画像剥離層が構成される。
【0020】また、第2加熱手段によって層厚維持手段
が加熱されるので、この熱が層厚維持手段と接触してい
る画像剥離層に伝わる。これにより、画像剥離層は層厚
維持手段と接触している領域の近傍で、例えば外部環境
等に影響されることなく安定して溶融状態に維持され
る。従って、層厚維持手段は確実に画像剥離層の層厚を
一定厚に維持でき、連続して画像保持体から画像形成材
料を除去する場合にも、安定して除去できる。また、層
厚維持手段が画像剥離部材と相対移動する際の負荷が小
さくなるので、相対移動に要するエネルギーを小さくし
て、低コストで画像形成材料を画像保持体から除去でき
る。相対移動させるための装置を小型にすることも可能
となる。
【0021】画像剥離部材の画像剥離層を溶融状態に加
熱するための熱エネルギーは、第1加熱手段又は第2加
熱手段のいずれか一方のみから供給されるようになって
いてもよいが、第1加熱手段及び第2加熱手段の双方か
ら供給されるようになっていてもよい。いずれの場合に
おいても、第2加熱手段によって層厚維持手段が加熱さ
れるので、画像剥離層は層厚維持手段と接触している領
域で安定して溶融状態に維持される。
【0022】なお、本発明における「溶融」とは、画像
剥離層を構成する熱溶融性樹脂の粘度が低下し、微小な
ずれ応力によって容易に外形を変化させる(従って、例
えばこの熱溶融性樹脂を一定形状の容器に入れた場合に
は、容器の形に対応して形状を変える)が、画像剥離部
材との間には十分な接着力が作用しており、重力が作用
しても画像剥離部材から落下しない状態をいう。具体的
には、画像剥離層を構成する熱溶融性樹脂の表面温度
(M)を、この熱溶融性樹脂の融点をmp として、mp
+10≦Mの範囲に制御することで達成することができ
ることが確認されている。
【0023】また、本発明における「軟化」とは、画像
剥離層を構成する熱溶融性樹脂の粘度が低下しているも
のの上記した「溶融」状態よりは粘度が高く、外形を変
化させるためには「溶融」状態よりも大きな力が必要と
されると共に、画像形成材料を構成する熱溶融性樹脂と
の間に接着力をもった状態をいう。具体的には、画像剥
離層を構成する熱溶融性樹脂の表面温度(M)を、この
熱溶融性樹脂の融点をmp 、ガラス転移点をTg とし
て、Tg ≦M≦mp +10の範囲に制御することで達成
することができることが確認されている。
【0024】請求項2に記載の発明では、請求項1に記
載の発明において、前記層厚維持手段が、前記画像剥離
部材と前記層厚維持手段との相対移動で層厚維持手段に
よって前記画像剥離部材から取り除かれた熱溶融性樹脂
を、画像剥離部材に取り残された一定厚の画像剥離層の
表面と接触させて保持可能となる姿勢で設けられている
ことを特徴とする。
【0025】従って、画像剥離部材と層厚維持手段とが
相対移動すると、画像剥離部材の画像剥離層の表面に常
に熱溶融性樹脂が供給され、画像剥離層の表面の劣化を
防止することができる。このため、連続して安定的に画
像保持体から画像形成材料を除去することができる。
【0026】なお、このように画像剥離部材から取り除
かれた熱溶融性樹脂を、画像剥離部材に取り残された一
定厚の画像剥離層の表面と接触させて保持可能となる層
厚維持手段の姿勢は、画像剥離部材の形状や画像剥離部
材と層厚維持手段との相対的な位置関係及び、熱溶融性
樹脂の粘度や層厚維持手段に対する摩擦力等によって決
定される。
【0027】請求項3に記載の発明では、請求項1に記
載の発明において、前記層厚維持手段に、前記画像剥離
部材と前記層厚維持手段との相対移動で層厚維持手段に
よって前記画像剥離部材から取り除かれた熱溶融性樹脂
を、画像剥離部材に取り残された一定厚の画像剥離層の
表面と接触させて保持する保持部が形成されていること
をを特徴とする。
【0028】従って、画像剥離部材から取り除かれ、保
持部に保持された熱溶融性樹脂は、画像剥離部材に取り
残された画像剥離層の表面と接触している。この状態
で、画像剥離部材と層厚維持手段とが相対移動すると、
画像剥離部材の画像剥離層の表面に常に熱溶融性樹脂が
供給され、画像剥離層の表面の劣化を防止することがで
きる。このため、連続して安定的に画像保持体から画像
形成材料を除去することができる。
【0029】請求項4に記載の発明では、請求項1〜請
求項3のいずれかに記載の発明において、前記層厚維持
手段が、前記相対移動の方向と直交する方向への熱溶融
性樹脂の流出を防止する流出防止手段を有することを特
徴とする。
【0030】このため、層厚維持手段によって取り除か
れた熱溶融性樹脂が、層厚維持手段から流出して画像剥
離部材に付着することを防止できる。また、溶融温度に
高められた熱溶融性樹脂が層厚維持手段から流出するこ
とによって層厚維持手段の温度が低下することもないの
で、熱溶融性樹脂の温度を一定に保つことができる。さ
らに、層厚維持手段から流出した画像剥離部材によって
層厚維持手段と画像剥離部材との相対移動に負荷が生じ
ることもない。
【0031】請求項5に記載の発明では、請求項4に記
載の発明において、前記流出防止手段が、前記相対移動
の方向と直交する方向への熱溶融性樹脂の流路の断面積
を減少させる断面積減少部であることを特徴とする。
【0032】従って、層厚維持手段から流出しようとし
た画像形成材料は、断面積減少部によって断面積が減少
された流路を通過し、熱溶融性樹脂の圧力が上昇する。
これにより、断面積減少部を形成するだけの簡単な構成
で、画像形成材料の層厚維持手段からの流出が防止され
る。
【0033】請求項6に記載の発明では、請求項1〜請
求項5のいずれかに記載の発明において、前記層厚維持
手段の前記画像剥離部材との対向部分のうちの少なくと
も前記画像剥離層に接触する部分が、前記相対移動の方
向から見て直線状となるように形成されていることを特
徴とする。
【0034】従って、層厚維持手段が画像剥離部材と所
定間隔を維持して相対移動すると、画像剥離層の表面は
フラットになる。層厚のムラや凹凸がないので、画像保
持体から画像形成材料を確実に除去して層厚を一定厚に
することができる。
【0035】請求項7に記載の発明では、請求項1〜請
求項6のいずれかに記載の発明において、前記第1加熱
手段又は前記第2加熱手段によって、前記層厚維持手段
の少なくとも前記画像剥離部材側に前記熱溶融性樹脂の
溶融温度以上に加熱された溶融領域が構成され、前記溶
融領域において前記層厚維持手段によって前記画像剥離
部材から取り除かれた前記熱溶融性樹脂を回収する回収
部材を有することを特徴とする。
【0036】従って、画像剥離部材から取り除かれた熱
溶融性樹脂は、層厚維持手段の溶融領域において回収部
材によって回収される。溶融領域では熱溶融性樹脂は溶
融温度以上に加熱されて溶融状態となっているので、回
収が容易になる。また、層厚維持手段に必要以上の熱溶
融性樹脂が付着しないので、熱容量が大きくならない。
このため、第1加熱手段又は第2加熱手段の発熱量を必
要以上に大きくすることなく、層厚維持手段に溶融領域
を構成することができる。
【0037】請求項8に記載の発明では、請求項7に記
載の発明において、前記回収部材が、前記画像剥離部材
に対して脱着可能とされていることを特徴とする。
【0038】従って、回収された熱溶融性樹脂が所定量
に達し回収部材が飽和した場合には、回収部材のみを取
り替えて、さらに熱溶融性樹脂を回収することができ
る。
【0039】請求項9に記載の発明では、請求項1〜請
求項8のいずれかに記載の発明において、前記層厚維持
手段が、前記画像剥離部材に対して接離可能とされてい
ることを特徴とする。
【0040】従って、層厚維持手段に堆積した熱溶融性
樹脂の量が多くなった場合に、層厚維持手段を画像剥離
部材に対して離間させることで、堆積した熱溶融性樹脂
が画像剥離部材に過度に接触してしまうことを防止で
き、熱溶融性樹脂の層厚を一定に維持することができ
る。
【0041】また、画像形成材料除去装置の始動直後等
で、画像剥離層を構成する熱溶融性樹脂が硬化している
場合には、一旦、層厚維持手段を画像剥離部材及び画像
剥離層から離間させて画像剥離層を加熱し、その後に、
層厚維持手段を画像剥離部材に接近させ、熱溶融性樹脂
に触れさせて熱溶融性樹脂の層厚を一定厚にすることが
できる。これにより、硬化した熱溶融性樹脂と層厚維持
手段とが干渉してしまうことがないので、層厚維持手段
と画像剥離部材との相対移動に過大な負荷が生じない。
【0042】請求項10に記載の発明では、請求項1〜
請求項9のいずれかに記載の発明において、前記層厚維
持手段と前記画像剥離部材との所定間隔が、前記画像剥
離層の層厚が所定厚に達しない場合には層厚維持手段と
画像剥離層との間に間隙が構成される間隔に設定されて
いることを特徴とする。
【0043】従って、画像剥離層の層厚が所定厚に達し
ない場合には層厚維持手段が画像剥離層に接触すること
はなく、画像剥離部材と層厚維持手段との相対移動に負
荷が生じない。また、画像剥離層の層厚が所定厚に達し
ていないので、第1加熱手段からの熱が画像剥離層の層
厚方向全体にわたって十分に伝わり、画像剥離層を溶融
させることができる。このため、画像剥離層を構成する
熱溶融性樹脂の粘度が低くなり、層厚維持手段が画像剥
離層に接触していなくても、熱溶融性樹脂の表面張力に
より、画像剥離層の凹凸が均されて層厚が一定厚とな
る。
【0044】請求項11に記載の発明では、請求項1〜
請求項10のいずれかに記載の発明において、前記層厚
維持手段の表面に、低表面エネルギー層を形成したこと
を特徴とする。
【0045】このため、層厚維持手段と接触している部
分において、熱溶融性樹脂の移動の抵抗が小さくなる。
また、熱溶融性樹脂が硬化して層厚維持手段に固着した
場合でも、熱溶融性樹脂を層厚維持手段から容易に分離
することができる。
【0046】
【発明の実施の形態】図1には、本発明の第1の実施の
形態に係る画像形成材料除去装置10の概略的構成が示
されている。
【0047】画像形成材料除去装置10は、図示しない
箱体を有しており、この箱体に、同じく図示しない支持
手段によって、加熱ロール12が回転可能に支持されて
いる。また、加熱ロール12の斜め上方には、加熱ロー
ル12と同じ長さを有する加熱ロール14が、加熱ロー
ル12と平行にかつ回転可能に支持されている。さらに
加熱ロール12の上方には、用紙分離プレート16が配
置されており、これら加熱ロール12、14及び用紙分
離プレート16に、画像剥離ベルト18が巻き掛けられ
ている。
【0048】この画像剥離ベルト18は、図2にもその
一部を拡大して示すように、基材であるポリイミド製ベ
ルト19の外面に熱溶融性樹脂層28が形成されて構成
されている。基材としては、強度と耐久性、及び熱に対
する寸法安定性等を考慮して適切な材料を適宜選択でき
る。例えば、ポリイミドの他、樹脂系材料としては、ポ
リアミド、ポリアミドイミド等、金属材料としては、ス
テンレス、ニッケル等から選択することができる。
【0049】また、熱溶融性樹脂層28は、画像形成材
料除去装置10によって除去されるトナー30(画像形
成材料)と同じ熱溶融性樹脂により構成されており、厚
さは、20〜200μm、望ましくは50〜100μm
である。
【0050】加熱ロール12は、略円筒状に形成された
鋼製ロールによって構成されており、その内側には加熱
ロール12を加熱するハロゲンランプ20が配設されて
いる。また、加熱ロール12には、画像剥離ベルト18
と接触しない位置に温度センサー22が配置され、加熱
ロール12の表面に接触している。
【0051】加熱ロール14は、略円筒状に形成された
鋼製ロールと、その外周に被覆された所定の厚さのシリ
コーンゴムで構成されている。また、加熱ロール14の
内側には、加熱ロール14を加熱するハロゲンランプ2
4が配設されている。加熱ロール14には、画像剥離ベ
ルト18と接触しない位置に温度センサー26が配置さ
れ、加熱ロール14の表面に接触している。
【0052】温度センサー22、26によって加熱ロー
ル12、14の表面温度が検知されると、図示しない制
御回路によってハロゲンランプ20、24がフィードバ
ック制御され、加熱ロール12、14の表面が、それぞ
れあらかじめ設定された所定の温度T1、T2に維持さ
れる。これらの温度T1、T2は、画像剥離ベルト18
の表面の熱溶融性樹脂層28を、それぞれ溶融状態、軟
化状態とするのに十分な所定の温度とされている。
【0053】加熱ロール14の軸方向一端には、図示し
ないギヤが加熱ロール14と一体で回転可能に取り付け
られている。このギヤに、同じく図示しない駆動装置か
ら駆動力が伝達されて、加熱ロール14が図1反時計周
り方向に所定の角速度で回転する。これにより、画像剥
離ベルト18も図1反時計周り方向に循環する。また、
画像剥離ベルト18には、図示しない加圧機構によって
加熱ロール12から所定の張力が付与されている。
【0054】熱溶融性樹脂層28は、加熱ロール12か
ら画像剥離ベルト18を経て伝わったハロゲンランプ2
0の熱により、加熱ロール12の近傍において溶融状態
となる。溶融状態となった熱溶融性樹脂層28は、画像
剥離ベルト18の循環により加熱ロール12から次第に
離れて自然冷却されるが、加熱ロール14の近傍では、
加熱ロール14から画像剥離ベルト18を経て伝わった
ハロゲンランプ24の熱により再び加熱され、軟化状態
となる。
【0055】なお、温度センサー22、26は、それぞ
れ加熱ロール12、14に接している必要はなく、所定
間隔をあけて離間していてもよい。
【0056】加熱ロール12の上方に配置された用紙分
離プレート16は、側面視にて所定の中心角で、かつ外
周面16Aが加熱ロール12、14の半径よりも小さな
所定の曲率半径を有する円弧状に形成されている。画像
剥離ベルト18は、用紙分離プレート16の外周面16
Aに巻き掛けられた部分において鋭角的に湾曲してい
る。また、用紙分離プレート16の外周面16Aにはい
わゆるテフロン処理(テフロンは商品名)が施されて低
表面エネルギー層が形成されており、画像剥離ベルト1
8が滑らかに摺動するようになっている。
【0057】図示しない支持手段には、加熱ロール14
に対向して、加圧ロール32が回転可能に支持されてい
る。加圧ロール32は、図示しない加圧機構によって加
熱ロール14に向かって加圧されており、加熱ロール1
4を加圧ロール32とで、画像剥離ベルト18を挟持し
ている。
【0058】加熱ロール12の下方には、この加熱ロー
ル12と対向して、長方形の板状に形成されたステンレ
ス製の層厚維持ブレード34が固定されている。層厚維
持ブレード34は、長手方向が加熱ロール14の軸方向
(図1において紙面の法線方向)と一致し、その上端辺
34Aがポリイミド製ベルト19との間に所定の間隔を
あけている。また、画像剥離ベルト18の搬送方向(矢
印B方向)から層厚維持ブレード34を視ると、上端辺
34は、画像剥離ベルト18と平行でかつ滑らかな直線
状となっている。従って、熱溶融性樹脂層28の層厚が
この間隔よりも厚くなった状態で画像剥離ベルト18が
循環すると、熱溶融性樹脂層28の表層近傍の部分が層
厚維持ブレード34に接触し、熱溶融性樹脂層28は均
されて層厚が一定となる。なお、このように、層厚維持
ブレード34によって熱溶融性樹脂層28の層厚を一定
厚に維持するためには、層厚維持ブレード34の上端辺
34Aとポリイミド製ベルト19との間隔を所定間隔に
維持したまま、層厚維持ブレード34とポリイミド製ベ
ルト19とが相対移動すればよい。例えば、ポリイミド
製ベルト19の循環をとめて、層厚維持ブレード34を
ポリイミド製ベルト19に対して移動するようにして
も、層厚維持ブレード34が移動した範囲内のいて、熱
溶融性樹脂層28の層厚を一定厚に維持できる。
【0059】また、層厚維持ブレード34は、側面視に
て、画像剥離ベルト18の循環方向上流側から測って所
定の取り付け角度θ1となるように固定されている。こ
れにより、層厚維持ブレード34に掻き取られた熱溶融
性樹脂が層厚維持ブレード34と画像剥離ベルト18と
の間で、熱溶融性樹脂層28の表面に接触した状態で貯
留される。
【0060】層厚維持ブレード34の表面には、テフロ
ン処理が施されて、低表面エネルギー層が形成されてい
る。このため、貯留された熱溶融性樹脂と層厚維持ブレ
ード34との摩擦は、熱溶融性樹脂層28との摩擦より
も小さくなる。従って、画像剥離ベルト18が循環する
と、貯留された熱溶融性樹脂は、熱溶融性樹脂層28の
表面との摩擦によって回転する。
【0061】なお、層厚維持ブレード34の取り付け角
度θ1は、熱溶融性樹脂の粘度や熱溶融性樹脂層28の
表面との摩擦係数、及び画像剥離ベルト18の循環速度
等によって適宜決定される。従って、図面では層厚維持
ブレード34の取り付け角度θ1は鋭角となっている
が、上記した条件を満たすように取り付けられていれ
ば、直角あるいは鈍角でもよい。
【0062】層厚維持ブレード34の裏面には、セラミ
ックヒータ36が取り付けられている。また、セラミッ
クヒータ36には、温度センサー38が取り付けられて
いる。温度センサー38によって層厚維持ブレード34
の表面温度が検知されると、図示しない制御回路によっ
てセラミックヒータ36がフィードバック制御され、層
厚維持ブレード34の表面があらかじめ設定された所定
の温度T3に維持される。この温度T3は、熱溶融性樹
脂層28を構成する熱溶融性樹脂を溶融状態とするのに
十分な所定の温度とされている。従って、セラミックヒ
ータ36の熱は、層厚維持ブレード34を経て熱溶融性
樹脂層28に伝わり、熱溶融性樹脂層28を溶融させ
る。また、このように、層厚維持ブレード34がセラミ
ックヒータ36によって加熱されることで、層厚維持ブ
レード34の表面(セラミックヒータ36が取り付けら
れていない面)にも、熱溶融性樹脂の溶融温度以上に加
熱された溶融領域が構成されている。
【0063】なお、温度センサー38は、セラミックヒ
ータ36に接している必要はなく、所定間隔をあけて離
間していてもよい。
【0064】図2〜図4及び図18にも示すように、層
厚維持ブレード34のさらに下方には、支持箱60を介
して、回収ロール40が取り付けられている。回収ロー
ル40は、シャフト62と、このシャフト62の周囲に
形成された円筒状の付着体64と、で構成されている。
層厚維持ブレード34に貯留され、さらに下方に移動し
た熱溶融性樹脂は、この回収ロール40の付着体64の
表面に付着することで回収される。
【0065】支持箱60は、側壁66が略正方形で、全
体として上方に向かって開放された箱状に形成されてい
る。また、支持箱60の内面と回収ロール40の表面と
の間には所定のクリアランスが構成されており、付着体
64の表面に付着した一定量の熱溶融性樹脂が支持箱6
0の内面に接触しないようになっている。
【0066】支持箱60の側壁66には、この側壁66
の上辺の中央から下方に向かって(矢印A方向)一定幅
の案内溝68が形成されており、この案内溝68に、回
収ロール40のシャフト62の端部が差し入れられてい
る。また、側壁66には、シャフト62の端部を支持す
る支持ブラケット61が設けられており、シャフト62
の端部が支持ブラケット61に支持されている。さら
に、支持ブラケット61は、図示しない移動手段によっ
て、案内溝68に沿って移動可能とされている。従っ
て、支持ブラケット61が図示しない移動手段によって
移動すると、これに伴ってシャフト62も案内溝68に
沿って矢印A方向及びその反対方向に移動し、回収ロー
ル全体40として層厚維持ブレード34に対して接離す
る。このように、回収ロール40を層厚維持ブレード3
4から離間させることで、付着した熱溶融性樹脂によっ
て回収ロール40が実質的に太くなっても、常に熱溶融
性樹脂を回収ロール40の表面に安定して付着させるこ
とができる。
【0067】支持箱60は、画像形成材料除去装置10
を構成する箱体(図示省略)に対して、脱着可能に取り
付けられている。従って、支持箱60を箱体から取り外
すことで、箱体からも取り外すことが可能となる。そし
て、この状態でさらに回収ロール40を持ち上げれば、
支持箱60から容易に取り外すことができる。
【0068】なお、図18に二点鎖線で示すように、側
壁66の少なくとも一方を、蝶番67等の回動支持手段
によって回動可能に支持してもよい。これにより、側壁
66を回動させて支持箱60を側方に開放することで、
回収ロール40を軸方向に移動させて、支持箱60から
取り外すことができるようになる。従って、支持箱60
を、画像形成材料除去装置10の箱体(図示省略)から
取り外すことなく、回収ロール40のみを取り外すこと
ができる。
【0069】なお、回収ロール40の軸方向一端には回
転手段を設け、回転手段によって回収ロール40を回転
させるようにしてもよい。これにより、回収ロール40
の周囲に均等に熱溶融性樹脂を付着させることができ
る。
【0070】回収ロール40の材質としては特に限定さ
れず、鉄、ステンレス、銅、銅、アルミニウム等の金属
の他、ポリイミド、セラミック等を使用することができ
る。また、回収ロール40の表面に、トナー30と同系
の材料(例えばポリエステル樹脂等)をコーティング
し、熱溶融性樹脂の付着性(融着性)を高めてもよい。
さらに、回収ロール40の外周の表面粗さを適度に粗く
したり、所定形状の突起を設けたりすることによって、
固化した熱溶融性樹脂が脱落しないようにしてもよい。
【0071】回収ロール40の内側又は内部に加熱手段
(例えば、ハロゲンランプやセラミックヒータ等の発熱
体)を設けることで、回収ロール40の外周面を所定の
温度に維持し、熱溶融性樹脂の粘度を低くして、層厚維
持ブレード34から移行しやすいようにしてもよい。こ
の場合、回収ロール40の外周面の温度を、熱溶融性樹
脂が溶融する温度以下とすることで、熱溶融性樹脂が溶
融状態となって回収ロール40から流下することを防止
できる。
【0072】加熱ロール14の図1右側の位置には、用
紙トレイ42が図示しない箱体に脱着可能に取り付けら
れている。用紙トレイ42には1枚又は複数枚の用紙P
が収容されている。用紙Pには、熱溶融性樹脂を含んで
構成された画像形成材料としてのカラートナーによりカ
ラー画像が形成されており、用紙トレイ42内で、画像
形成面を下側にして収容されている。これら用紙Pは、
用紙トレイ42の上方に配置された送り出しロール44
によって一枚づつ用紙トレイ42から送り出される。さ
らに用紙Pは、送り出しロール44と加熱ロール14及
び加圧ロール32との間に配置された搬送ロール対46
に挟持搬送され、加熱ロール14と加圧ロール32との
間に送り込まれる。
【0073】画像剥離ベルト18の上方には、加圧ロー
ル32と用紙分離プレート16との間に掛け渡された部
分に平行に、板状の用紙シュート48が固定されてお
り、用紙Pを搬送方向(矢印B方向)に案内する。
【0074】次に、本実施の形態に係る画像形成材料除
去装置10の作用を説明する。用紙トレイ42から、送
り出しロール44によって送り出され、搬送ロール対4
8によって搬送された用紙Pは、加熱ロール14と加圧
ロール32との間に送りこまれる。
【0075】加熱ロール14は、図示しない駆動装置に
よって所定の角速度で回転しており、画像剥離ベルト1
8も所定の速度で循環しているので、用紙Pの画像形成
面が画像剥離ベルト18の熱溶融性樹脂層28に圧接さ
れながら、用紙Pが図1矢印B方向に所定の搬送速度で
搬送される。
【0076】このとき、加熱ロール14の近傍では、ハ
ロゲンランプ24からの熱によって熱溶融性樹脂層28
が軟化状態となっており、ゴム状の弾性を維持しつつ用
紙Pのトナー30と凝集力をもっている。このため、用
紙Pの画像形成面が画像剥離ベルト18の熱溶融性樹脂
層28に圧接されると、画像剥離ベルト18の熱溶融性
樹脂がトナー30と接着する。
【0077】画像剥離ベルト18の循環により、用紙P
は画像剥離ベルト18と接触した状態を維持したまま、
用紙シュート48に案内されてさらに矢印B方向へ搬送
される。搬送過程では、熱溶融性樹脂層28の熱がトナ
ー30に伝わって熱溶融性樹脂層28とトナー30とが
同一温度になる。また、熱溶融性樹脂層28及びトナー
30から周囲への放熱が起こり、熱溶融性樹脂層28及
びトナー30が徐々に冷却される。
【0078】用紙Pが用紙分離プレート16の位置に達
すると、熱溶融性樹脂層28及びトナー30は自然冷却
により、熱溶融性樹脂のガラス転移点よりもやや高い温
度になる。この結果、熱溶融性樹脂層28とトナー30
とは粘度が上がり、凝集力がトナー30の用紙Pに対す
る接着力よりも大きくなるが、依然ゴム状の弾性をもっ
ている。このため、用紙Pとトナー30との間に歪みが
生じると、トナー30と用紙Pとの界面が容易に分離し
やすい状態となっている。
【0079】画像剥離ベルト18は、用紙分離プレート
16の外周面16Aを摺動しつつ循環することで、小さ
な曲率半径で屈曲されるため、熱溶融性樹脂層28に接
着したトナー30も小さな曲率半径で屈曲される。熱溶
融性樹脂層28とトナー30との凝集力は、トナー30
の用紙Pに対する接着力よりも大きくなっているので、
トナー30に歪みが生じる。さらに、用紙Pはいわゆる
コシ(紙厚方向の変形に対する弾性)により画像剥離ベ
ルト18よりも大きな曲率半径で屈曲する。これによ
り、トナー30と用紙Pとの界面が分離され、用紙Pか
ら、トナー30が除去される。トナー30が除去された
用紙Pは、図示しない排紙トレイへ排出される。
【0080】用紙Pから除去されたトナー30は、画像
剥離ベルト18の循環により、画像剥離ベルト18の熱
溶融性樹脂層28と共に加熱ロール12の近傍に達す
る。ここで、ハロゲンランプ20からの熱が熱溶融性樹
脂層28及びトナー30に伝わっているので、熱溶融性
樹脂層28及びトナー30は溶融状態となる。これによ
り、トナー30の粘度が低下し、表面張力も低下して熱
溶融性樹脂層28と一体となる。このため、画像剥離ベ
ルト18の外面には、熱溶融性樹脂層28の層厚が厚く
なった凸部28Aが構成される。
【0081】この凸部28Aは、画像剥離ベルト18の
循環により、層厚維持ブレード34の位置に達し、層厚
維持ブレード34の上端辺34Aに接触する。熱溶融性
樹脂層28には、ハロゲンランプ20からの熱に加え
て、セラミックヒータ36からの熱が層厚維持ブレード
34を介して伝わっており、層厚維持ブレード34の近
傍の熱溶融性樹脂層28は常に溶融状態を安定して維持
している。このため、画像剥離ベルト18の凸部28A
が層厚維持ブレード34の上端辺34Aに接触しても過
度の抵抗を受けることなく循環する。そして、この循環
によって凸部28Aが均され、熱溶融性樹脂層28が一
定厚となる。このように、セラミックヒータ36によっ
て層厚維持ブレード34を直接加熱し、この層厚維持ブ
レード34の近傍の熱溶融性樹脂層28を溶融状態に維
持するようにしたので、ハロゲンランプ20のみによっ
て熱溶融性樹脂を加熱して溶融状態とする場合と比較し
て、溶融状態を安定して維持することができる。これに
より、加熱ロール12を回転させる駆動手段等に大きな
負荷をかけることなく、低コストで熱溶融性樹脂層28
を一定厚に維持することができる。
【0082】また、熱溶融性樹脂層28の表面の凹凸や
ムラがなくなるので、熱溶融性樹脂層28と用紙Pとの
接触性が低下することもなく、確実に用紙Pからトナー
30を除去することができる。特に、用紙Pにカラー画
像が形成されている場合等、画像を形成しているトナー
30の量が多くても、用紙Pからトナー30を連続し
て、かつ安定的に除去できる。
【0083】画像剥離ベルト18の循環により、溶融状
態の熱溶融性樹脂層28を構成する熱溶融性樹脂の一部
は層厚維持ブレード34に掻き取られ、層厚維持ブレー
ド34と画像剥離ベルト18との間に貯留される。この
熱溶融性樹脂は、熱溶融性樹脂層28の表面に接触した
状態に維持されるため、画像剥離ベルト18が循環する
と、熱溶融性樹脂層28の表面との摩擦によって図2時
計周り方向に回転しつつ、加熱ロール12と平行な軸を
有する略円柱形の棒状になる。このように棒状となった
熱溶融性樹脂(図2〜図4において符号50で示す)が
回転しながら熱溶融性樹脂層28に接触することで、熱
溶融性樹脂層28の表面が常にリフレッシュされ、劣化
が防止される。
【0084】棒状となった熱溶融性樹脂50の径が大き
くなると、凝集力が弱くなる。このため、さらに熱溶融
性樹脂が層厚維持ブレード34に掻き取られると、熱溶
融性樹脂の一部は凝集することなく、層厚維持ブレード
34に沿って流下する。層厚維持ブレード34には所定
の溶融領域が構成されているので、熱溶融性樹脂は溶融
状態を維持したまま流下し、回収ロール40の付着体6
4の表面に付着する(この熱溶融性樹脂を符号52で示
す)。
【0085】図3に示すように、回収ロール40は、図
示しない回転手段によって回転しつつ、駆動手段によっ
て層厚維持ブレード34から離間する方向(矢印A方
向)に移動するので、熱溶融性樹脂52を回収ロール4
0の表面に安定して、かつその周囲に均等に付着させる
ことができる。熱溶融性樹脂52は、回収ロール40に
付着後、自然冷却されて固化する。
【0086】このように、不要な熱溶融性樹脂を溶融状
態で回収ロール40に回収して層厚維持ブレード34か
ら取り除くので、例えば、熱溶融性樹脂が固化した状態
で取り除く場合と比較して、取り除きに要する負荷が小
さくなる。また、固化した熱溶融性樹脂が飛散して、画
像形成材料除去装置10内の部材や用紙P等に付着して
しまうこともない。
【0087】また、不要な熱溶融性樹脂が層厚維持ブレ
ード34から順次取り除かれるので、層厚維持ブレード
34とこれに付着した熱溶融性樹脂とを一体で考えたと
き、その熱容量が大きくならない。このため、セラミッ
クヒータ36の発熱量が小さくても、層厚維持ブレード
34を所定の温度T3に維持できる。
【0088】回収ロール40は、箱体(図示省略)に対
して脱着可能に取り付けられているので、回収ロール4
0に付着した熱溶融性樹脂が一定量に達すると、箱体か
ら取り外し、熱溶融性樹脂が付着していない回収ロール
40と交換することができる。交換時には、熱溶融性樹
脂は固化しているので、飛び散ったり、作業者に付着し
たりしない。
【0089】また、層厚維持ブレード34には低表面エ
ネルギー層が形成されているので、例えば、層厚維持ブ
レード34に熱溶融製樹脂が付着した状態でセラミック
ヒータ36の通電を止める等の原因により熱溶融製樹脂
が冷却固化したような場合でも、熱溶融製樹脂を層厚維
持ブレード34から容易に分離することができる。
【0090】なお、第1の実施の形態に係る画像形成材
料除去装置10では、層厚維持ブレード34の画像剥離
ベルト18に対する取り付け角度θ1を所定の角度とす
ることで、層厚維持ブレード34に掻き取られた熱溶融
性樹脂が層厚維持ブレード34と画像剥離ベルト18と
の間に貯留されるようにしたが、層厚維持ブレード34
に所定形状の保持部を設けることで、熱溶融性樹脂を貯
留させることも可能である。
【0091】例えば、図5に示すように、層厚維持ブレ
ード34の上端に、保持部として凹部54を形成し、こ
の凹部54に熱溶融性樹脂を貯留させることができる。
【0092】また、図6に示すように、層厚維持ブレー
ド34の画像剥離ベルト18側の一端を画像剥離ベルト
18の循環方向下流側に屈曲させて、保持部として凹部
56を形成し、この凹部56に熱溶融性樹脂を貯留させ
ることができる。
【0093】さらに、図7に示すように、層厚維持ブレ
ード34を、側面視にて端面が長方形状の板部材34B
と、この板部材34Bに固着された端面が略鉤状の板材
34Cとで構成することにより、これら板部材34B、
34Cの間に保持部としての凹部58を形成し、この凹
部58に熱溶融性樹脂を貯留させることができる。
【0094】図5〜図7に示したいずれの構成において
も、層厚維持ブレード34は、セラミックヒータ36、
温度センサ22(図5〜図7では図示省略、図1〜図4
参照)及び制御回路(図示省略)により所定の温度T1
に維持される。
【0095】また、各々の層厚維持ブレード34にテフ
ロン処理を施して低表面エネルギー層を形成することに
より、冷却固化した熱溶融性樹脂を容易に分離すること
が可能となる。
【0096】図8及び図9には、本発明の第2の実施の
形態に係る画像形成材料除去装置70の一部が概略的に
示されている。この画像形成材料除去装置70では、第
1の実施の形態に係る画径材料除去装置10と比較し
て、層厚維持ブレード34に取り付けられたアーム72
と、図示しない箱体に設けられたカム74とによって、
層厚維持ブレード34が画像剥離ベルト18に接離可能
とされている点が異なっている。
【0097】すなわち、この画像形成材料除去装置70
の層厚維持ブレード34は、図示しない取付部材によっ
て、箱体に対して高さ方向(矢印C方向)に移動可能に
取り付けられている。また、層厚維持ブレード34の裏
面の略中央から法線方向にアーム72が延出されてい
る。
【0098】一方、箱体には掛け渡されたカムシャフト
76には、カム74が固定されている。アーム72の先
端はカム74に支持されており、カム74が回転するこ
とによって、層厚維持ブレード34が画像剥離ベルト1
8に接近して所定の隙間をあけた位置(図9参照)と、
層厚維持ブレード34が画像剥離ベルト18から離間し
た位置(図8参照)と、の間で移動するようになってい
る。
【0099】この画像形成材料除去装置70では、例え
ば、電源投入直後等で、熱溶融性樹脂層28の温度が低
い(従って、粘度が高い)場合には、層厚維持ブレード
34を画像剥離ベルト18から離間させておくことで、
熱溶融性樹脂層28の表層で固化された凸部28Aが層
厚維持ブレード34に接触しない。このため、画像剥離
ベルト18の駆動力を大きくする必要がない。また、固
化した凸部28Aを層厚維持ブレード34が無理に掻き
取らないので、熱溶融性樹脂が飛散しない。
【0100】熱溶融性樹脂層28に加熱ロール12から
の熱が伝わり熱溶融性樹脂層28が溶融状態となった時
点で、カム74を回転させて層厚維持ブレード34を画
像剥離ベルト18に接近させれば、画像剥離ベルト18
を循環に過度の負荷を所持させることなく、熱溶融性樹
脂層28の層厚を一定厚に維持することができる。ま
た、溶融状態の熱溶融性樹脂を掻きとるので、熱溶融性
樹脂が飛散することもない。
【0101】図10には、本発明の第3の実施の形態に
係る画像形成材料除去装置80の一部が概略的に示され
ている。第3の実施の形態に係る画像形成材料除去装置
80では、第1の実施の形態に係る画像形成材料除去装
置10と比較して、層厚維持手段の構成のみが異なって
おり、他は全て同一である。以下、第1の実施の形態に
係る画像形成材料除去装置10と同一の要素、部材等に
ついては同一の符号を付して説明を省略する。
【0102】この画像形成材料除去装置80では、層厚
維持手段として、第1の実施の形態に係る層厚維持ブレ
ード34に代えて、略円筒状に形成された層厚維持ロー
ル82が使用されている。層厚維持ロール82は、加熱
ロール12と平行な回転軸を中心として回転可能に、か
つ、外周が画像剥離ベルト18と所定の間隔をあけるよ
うに、図示しない箱体に支持されている。また、この層
厚維持ロール82は、図示しない駆動手段によって、図
10反時計周り方向に回転するようになっている。層厚
維持ロール82の内側には、ハロゲンランプ20が取り
付けられており、図示しない温度センサ及び制御回路に
よって、層厚維持ロール82が所定の温度T3に維持さ
れる。また、層厚維持ロール82の表面にはテフロン処
理が施されて、低表面エネルギー層が形成されている。
【0103】従って、熱溶融樹脂層28の表層に凸部2
8Aが形成された状態で画像剥離ベルト18が循環する
と、凸部28Aが層厚維持ロール82に接触するため、
熱溶融性樹脂層28の層厚が一定に維持される。特に、
層厚維持ロール82を図10反時計回り方向に回転させ
ることで、熱溶融性樹脂層28の層厚維持ロール82に
対する相対速度が大きくなるため、より効果的に、余分
な熱溶融性樹脂を掻き取ることができる。ただし、余分
な熱溶融性樹脂を掻き取ることができれば、層厚維持ロ
ール82の回転方向は特に限定されず、例えば、停止あ
るいは、図10時計回り方向に回転するものでもよい。
【0104】また、この画像形成材料除去装置80にお
いても、層厚維持ロール82の内側に設けられたハロゲ
ンランプ84の熱が熱溶融性樹脂層28に伝わること
で、熱溶融性樹脂層28が常に安定して溶融状態に維持
される。このため、画像剥離ベルト18の循環に過大な
負荷を生じさせることなく、熱溶融性樹脂層28の層厚
を一定厚に維持できる。
【0105】層厚維持ロール82の回転角速度を所定の
回転角速度に設定することで、画像剥離ベルト18と層
厚維持ロール82との間に、掻き取られた熱溶融性樹脂
が貯留される貯留部が構成されるようにすることもでき
る。貯留部に貯留された熱溶融性樹脂が画像剥離ベルト
18との摩擦によって常に回転しながら熱溶融性樹脂層
28に接触することで、熱溶融性樹脂層28の表面が常
にリフレッシュされ、劣化が防止される。
【0106】図11には、本発明の第4の実施の形態に
係る画像形成材料除去装置90の一部が概略的に示され
ている。この画像形成材料除去装置90では、第1の実
施の形態に係る画像形成材料除去装置10と比較して、
層厚維持手段の構成のみが異なっており、他は全て同一
である。以下、第1の実施の形態に係る画像形成材料除
去装置10と同一の要素、部材等については同一の符号
を付して説明を省略する。
【0107】この画像形成材料除去装置80では、層厚
維持手段として、第1の実施の形態に係る層厚維持ブレ
ード34に代えて、側面視にて円弧状の層厚維持曲板9
2が、図示しない箱体に取り付けられている。層厚維持
曲板92は、第3の実施の形態に係る層厚維持ロール8
2の半径よりも大きな一定の曲率半径で湾曲されてお
り、図92において上に凸で、かつ左右対称となるよう
に取り付けられている。また、層厚維持曲板92の上面
92Aと画像剥離ベルト18との間には、所定間隔があ
けられている。さらに、層厚維持曲板92の上面92A
は研磨によって平滑面とされており、特に、矢印D方向
から層厚維持曲板92を視たとき、その上面92Aが画
像剥離ベルト18の外面と平行で、かつ、表面粗さが、
第1の実施の形態に係る層厚維持ブレード34の上端辺
34A(図2〜図4参照)や、第3の実施の形態に係る
層厚維持ロール82の外周面よりもさらに滑らかになっ
ている。
【0108】層厚維持曲板92の下面には、セラミック
ヒータ94が取り付けられており、図示しない温度セン
サ及び制御回路によって、層厚維持曲板92が所定の温
度T3に維持される。
【0109】従って、熱溶融樹脂層28の表層に凸部2
8Aが形成された状態で画像剥離ベルト18が循環する
と、凸部28Aが層厚維持曲板92に接触するため、熱
溶融性樹脂層28の層厚が一定に維持される。特に、層
厚維持曲板92の上面が画像剥離ベルト18の外面と平
行で、かつ表面粗さが滑らかになっているので、熱溶融
性樹脂層28の表面を滑らかにすることができる。
【0110】また、この画像形成材料除去装置90にお
いても、セラミックヒータ94の熱が熱溶融性樹脂層2
8に伝わることで、熱溶融性樹脂層28が常に安定して
溶融状態に維持される。このため、画像剥離ベルト18
の循環に過大な負荷が掛からない。
【0111】なお、例えば、第1の実施の形態に係る層
厚維持ブレード34の上端辺34Aや第3の実施の形態
に係る層厚維持ロール82の外周面を研磨によって滑ら
かにすることも可能であるが、第4の実施の形態に係る
層厚維持曲板92では、曲率半径を層厚維持ロール82
の半径よりも大きくしたことで、研磨を容易に行うこと
ができる。
【0112】図12には、本発明の第5の実施の形態に
係る画像形成材料除去装置100の一部が概略的に示さ
れている。この画像形成材料除去装置100では、第1
の実施の形態に係る画像形成材料除去装置10と比較し
て、層厚維持手段の構成が異なっている。以下、第1の
実施の形態に係る画像形成材料除去装置10と同一の要
素、部材等については同一の符号を付して説明を省略す
る。
【0113】この画像形成材料除去装置100では、層
厚維持手段として、第1の実施の形態に係る層厚維持ブ
レード34に代えて、弾性変形可能な材料によって無端
状に形成された層厚維持ベルト102が使用されてい
る。この層厚維持ベルト102は、加熱ロール12の下
方で図示しない箱体に回転可能に取り付けられた略円筒
状の駆動ロール104と、駆動ロール104の斜め下方
で、同じく図示しない箱体に回転可能に取り付けられた
従動ロール106とに巻き掛けられている。従動ロール
106は、層厚維持ベルト102のうち、駆動ロール1
04から従動ロール106に至る部分102Aと、画像
剥離ベルト18とのなす角θ2が、層厚維持ベルト10
2の搬送方向上流側から測って鋭角となるように、図1
2において駆動ロール104よりも左側の位置に取り付
けられている。また、従動ロール106は駆動ロール1
04よりも小径とされており、画像剥離ベルト18は、
駆動ロール104への巻き掛け部分よりも従動ロール1
06への巻き掛け部分の方がより小さな曲率半径で湾曲
している。
【0114】駆動ロール104は、図示しない駆動手段
からの駆動力を受けて、図12反時計回り方向に回転す
るようになっており、層厚維持ベルト102も図12反
時計回り方向に循環する。
【0115】駆動ロール104の内側には、ハロゲンラ
ンプ109が配設されている。ハロゲンランプ109
は、駆動ロール104の外周のうち層厚維持ベルト10
2が巻き掛けられていない部分に接触する温度センサー
108と図示しない制御手段とによってフィードバック
制御され、駆動ロール104が所定の温度T3に維持さ
れる。
【0116】また、層厚維持ベルト102のうち、駆動
ロール104から従動ロール106に到る部分102A
にもハロゲンランプ109の熱が伝わるようになってお
り、従動ロール106に巻き掛けられた部分では、熱溶
融性樹脂が所定の弾性を回復する温度になっている。
【0117】従動ロール106の下方には、箱状に形成
されると共に上面が開口した回収カートリッジ110
が、図示しない箱体に脱着可能に取り付けられている。
【0118】この画像形成材料除去装置100では、熱
溶融樹脂層28の表層に、用紙Pから除去されたトナー
30によって凸部28Aが形成された状態で画像剥離ベ
ルト18が循環すると、凸部28Aが層厚維持ベルト1
02に接触するため、熱溶融性樹脂層28の層厚が一定
に維持される。層厚維持ベルト102は図12反時計周
り方向に循環しており、熱溶融性樹脂層28と層厚維持
ベルト102との相対速度が大きくなっているので、余
分な熱溶融性樹脂を効果的に掻き取ることができる。
【0119】層厚維持ベルト102のうち、駆動ロール
104から従動ロール106に到る部分102Aにハロ
ゲンランプ109の熱が伝えられているので、掻き取ら
れた熱溶融性樹脂は、溶融状態を維持したまま、画像剥
離ベルト18と共に循環しつつ、下方に流下する。
【0120】従動ロール106の近傍では、熱溶融性樹
脂が冷却され、所定の弾性を回復する。この状態で、従
動ロール106に沿って層厚維持ベルト102が小さな
曲率半径で湾曲すると、層厚維持ベルト102と、所定
の弾性を回復した熱溶融性樹脂との間に歪みが生じ、熱
溶融性樹脂は層厚維持ベルト102から分離されて落下
する。
【0121】落下した熱溶融性樹脂は、回収カートリッ
ジ110に貯留され、冷却により固化する。回収カート
リッジ110に貯留された熱溶融性樹脂が一定量に達し
た場合には、新たな回収カートリッジ110と交換でき
る。
【0122】回収カートリッジ110を水平方向又は上
下方向に移動可能に、図示しない箱体に取り付けてもよ
い。このように回収カートリッジ110を移動させるこ
とで、回収カートリッジ110内に無駄なスペースを生
じさせることなく、熱溶融性樹脂を貯留させることがで
きる。
【0123】なお、余分な熱溶融性樹脂を掻き取ること
ができれば、層厚維持ベルト102の循環方向は特に限
定されず、例えば、停止していてもよいことはもちろん
である。
【0124】また、層厚維持ベルト102の循環速度を
所定の速度に設定し、あるいは従動ロール106の位置
を所定の位置として駆動ロール104から従動ロール1
06に致る層厚維持ベルト102の傾斜角度を調整する
ことで、画像剥離ベルト18と層厚維持ロール82との
間に、掻き取られた熱溶融性樹脂が貯留される貯留部が
構成されるようにすることもできる。貯留部に貯留され
た熱溶融性樹脂が画像剥離ベルト18との摩擦によって
常に回転しながら熱溶融性樹脂層28に接触すること
で、熱溶融性樹脂層28の表面が常にリフレッシュさ
れ、劣化が防止される。
【0125】図13には、本発明の第6の実施の形態に
係る画像形成材料除去装置120の一部が概略的に示さ
れている。以下、第1の実施の形態に係る画像形成材料
除去装置10と同一の要素、部材等については同一の符
号を付して説明を省略する。
【0126】この画像形成材料除去装置120では、用
紙分離プレート16及び加熱ロール12に対して、加熱
ロール12が上方に配置されており、これに対応して、
用紙トレイ42内で、用紙Pは画像形成面を上にして収
容されている。
【0127】加熱ロール12の上方には、画像剥離ベル
ト18から所定の間隔をあけて、層厚維持ブレード12
2が図示しない箱体に取り付けられている。層厚維持ブ
レード122は、側面視にて画像剥離ベルト18に対し
て直角で、かつ略鉛直となる所定の角度で取り付けられ
ている。
【0128】また、層厚維持ブレード122の裏面には
セラミックヒータ124が取り付けられている。また、
セラミックヒータ124には、温度センサー126が取
り付けられている。温度センサー126によって層厚維
持ブレード122の表面温度が検知されると、図示しな
い制御回路によってセラミックヒータ124がフィード
バック制御され、層厚維持ブレード122の表面があら
かじめ設定された所定の温度T3に維持される。セラミ
ックヒータ36の熱は、層厚維持ブレード122を経て
熱溶融性樹脂層28に伝わり、熱溶融性樹脂層28を溶
融させる。
【0129】層厚維持ブレード122にはテフロン処理
が施されて、低表面エネルギー層が形成されている。
【0130】この画像形成材料除去装置120において
も、第1の実施の形態に係る画像形成材料除去装置10
と同様、用紙Pの画像形成面が画像剥離ベルト18の熱
溶融性樹脂層28に圧接されると、画像剥離ベルト18
の熱溶融性樹脂がトナー30と接着する。そして、画像
剥離ベルト18の循環過程で、熱溶融性樹脂層28及び
トナー30が徐々に冷却されて、ガラス転移点よりもや
や高い温度になる。画像剥離ベルト18は、用紙分離プ
レート16の外面を摺動しつつ循環することで、トナー
30に歪みが生じ、さらに、用紙Pのコシ(紙厚方向の
変形に対する弾性)により画像剥離ベルト18よりも大
きな曲率半径で屈曲するため、トナー30と用紙Pとの
界面が分離され、用紙Pからトナー30が除去される。
【0131】用紙Pから除去されたトナー30が溶融状
態となり、画像剥離ベルト18の外面に凸部28Aが形
成されると、この凸部28Aは画像剥離ベルト18が循
環により、層厚維持ブレード122の下端辺122Aに
接触する。熱溶融性樹脂層28には、ハロゲンランプ2
0からの熱に加えて、セラミックヒータ36からの熱が
層厚維持ブレード122を介して伝わることで、常に安
定して溶融状態になっている。このため、画像剥離ベル
ト18の凸部28Aが層厚維持ブレード122の上端辺
122Aに接触しても過度の抵抗を受けることなく循環
する。そして、この循環によって凸部28Aが均され、
熱溶融性樹脂層28が一定厚となる。
【0132】凸部28Aを構成する熱溶融性樹脂の量が
多い場合には、層厚維持ブレード122に掻き取られた
熱溶融性樹脂は層厚維持ブレード122と画像剥離ベル
ト18との間に貯留される。この熱溶融性樹脂は、熱溶
融性樹脂層28の表面に接触した状態に維持されるた
め、画像剥離ベルト18が循環すると、熱溶融性樹脂層
28の表面との摩擦によって回転しながら、加熱ロール
12と平行な軸を有する略円柱形の棒状になる。このよ
うに棒状となった熱溶融性樹脂が回転しながら熱溶融性
樹脂層28に接触することで、熱溶融性樹脂層28の表
面が常にリフレッシュされ、劣化が防止される。
【0133】なお、第6の実施の形態に係る画像形成材
料除去装置120では、層厚維持ブレート122の下端
辺122Aで熱溶融性樹脂層28の層厚を一定厚に維持
するようになっており、しかも、層厚維持ブレート12
2は側面視にて略鉛直となっているので、層厚維持ブレ
ード122に沿って貯留された熱溶融性樹脂が層厚維持
ブレート122に沿って上昇することはなく、熱溶融性
樹脂は層厚維持ブレード122の幅方向両端に移動して
いく。従って、層厚維持ブレード122幅方向両端に回
収部材を設けて、熱溶融性樹脂を回収することができ
る。
【0134】なお、層厚維持ブレード122の幅方向両
端に移動した熱溶融性樹脂が、層厚維持ブレード122
から漏れ出すのを防止するために、図14に示す形状の
層厚維持ブレード132や、図15に示す形状の層厚維
持ブレード142を使用することもできる。
【0135】図14に示す層厚維持ブレード132は、
図13に示す層厚維持ブレード122の幅方向両端に、
画像剥離ベルト18に向かって延出された延出部132
Aが形成されて、全体として略偏平逆U字状に形成され
ている。延出部132Aの延出端(下端)と画像剥離ベ
ルト18との間には、熱溶融性樹脂の流路が狭くなった
断面積減少部134が形成されている。従って、層厚維
持ブレード122の幅方向両端に向かって流動した熱溶
融性樹脂は圧力が上昇し、層厚維持ブレード122から
の漏れ出しが防止される。
【0136】図15に示す層厚維持ブレード142も、
図14に示す層厚維持ブレード132と同様、幅方向両
端から画像剥離ベルト18に向かって延出された延出部
142Aによって、延出部142Aの延出端(下端)と
画像剥離ベルト18との間に、断面積減少部134が形
成されている。従って、層厚維持ブレード122の幅方
向両端に向かって流動した熱溶融性樹脂は圧力が上昇
し、層厚維持ブレード122からの漏れ出しが防止され
る。
【0137】なお、上記した層厚維持ブレード132及
び層厚維持ブレード142を、それぞれの延出部132
A、142Aが画像剥離ベルト18の循環方向上流側に
向かう方向に取り付けて、延出部132A、142Aを
流出防止手段として作用させてもよい。すなわち、この
場合には、層厚維持ブレード122の幅方向両端に向か
って流動した熱溶融性樹脂が延出部132A、142A
に当たって流動を遮られるため、層厚維持ブレード12
2からの漏れ出しが防止される。
【0138】図16には、本発明の第7の実施の形態に
係る画像形成材料剥離装置150の一部が概略的に示さ
れている。この画像形成材料除去装置150では、第6
の実施の形態に係る画像形成材料除去装置120と比較
して、層厚維持ブレードの形状及び、回収プレート15
4を有する点が異なっている。以下、第6の実施の形態
に係る画像形成材料除去装置120と同一の要素、部材
等については同一の符号を付して説明を省略する。
【0139】この画像形成材料除去装置150では、層
厚維持ブレード152の幅が、画像剥離ベルト18の幅
よりも短くなっている。このため、層厚維持ブレード1
22に掻き取られた熱溶融性樹脂が層厚維持ブレード1
22の幅方向両端に移動し、層厚維持ブレード122か
ら漏れ出しても、漏れ出した熱溶融性樹脂は画像剥離ベ
ルト18の幅方向両端近傍に付着するため、画像剥離ベ
ルト18の内面に付着しない。これにより、画像剥離ベ
ルト18が実質的に厚肉となって循環不良を引き起こし
たり、熱容量の増大に伴って加熱ロール12、14から
の熱が熱溶融性樹脂層に伝わらなかったりすることがな
い。
【0140】回収プレート154は、用紙分離プレート
16の下流側で、かつ画像剥離ベルト18の幅方向両端
に対応した位置で、図示しない箱体に取り付けられてい
る。また、回収プレート154は、上に凸の円弧状に形
成されている。
【0141】画像剥離ベルト18の幅方向両端近傍に付
着した熱溶融性樹脂は、画像剥離ベルト18の循環に伴
い、次第に蓄積されて、自然冷却により固化する。この
状態で、画像剥離ベルト18が用紙分離プレート16の
位置で湾曲されると、画像剥離ベルト18から剥がれ
る。そして、剥がれた熱溶融性樹脂は、回収プレート1
54に当たって下方に落とされる。
【0142】回収プレート154の下方には回収カート
リッジ156が図示しない箱体に脱着可能に取り付けら
れており、この回収カートリッジ156の熱溶融性樹脂
が貯留される。回収カートリッジ156に貯留された熱
溶融性樹脂が一定量に達した場合には、新たな回収カー
トリッジ156と交換できる。
【0143】なお、上記した各実施の形態において、加
熱ロール12、14及び層厚維持ブレード122は必ず
しも鋼製あるいはステンレス製である必要はなく、耐熱
性を有する材料であれば、例えば鉄、銅、ニッケル、ア
ルミ等の金属や、セラミック及び耐熱性樹脂等を用いる
ことができる。
【0144】層厚維持手段(層厚維持ブレード34、層
厚維持ロール82、層厚維持曲板92、層厚維持ベルト
102、層厚維持ブレード122、132、142、1
52)と、画像剥離ベルト18との間隔も、常に層厚維
持手段が熱溶融性樹脂層28と接触する間隔とされてい
る必要はなく、例えば、初期状態においては層厚維持手
段が熱溶融性樹脂層28から離れるように、熱溶融性樹
脂層28の層厚を薄くしてもよい。この場合には、熱溶
融性樹脂層28には第2加熱手段(セラミックヒータ3
6、ハロゲンランプ82、セラミックヒータ94、ハロ
ゲンランプ109、セラミックヒータ124)からの熱
が層厚維持手段を介して伝わることはないが、熱溶融性
樹脂層28自体の熱容量が小さくなっているので、第1
加熱手段(ハロゲンランプ20)からの熱が熱溶融性樹
脂層28の層厚方向全体に伝わり、溶融される。これに
より、熱溶融性樹脂の粘度が低下し、表面張力により熱
溶融性樹脂層28の層厚が一定厚となる。そして、画像
形成除去装置を使用して用紙Pからのトナー30の除去
を何回か行うことにより、熱溶融性樹脂層28の層厚が
厚くなって、層厚維持手段に接するようになる。
【0145】また、回収部材(回収ロール40、回収カ
ートリッジ110)の有無に関係なく、層厚維持手段を
図示しない箱体に対して脱着可能としてもよい。これに
より、層厚維持手段を箱体から取り外すことで、層厚維
持手段に付着した余分な熱溶融性樹脂を回収することが
できる(従って、層厚維持手段が回収部材を兼ねてお
り、層厚維持手段が熱溶融性樹脂層28から余分な熱溶
融性樹脂を書き取ることで、実質的に熱溶融性樹脂の回
収が行われていることになる)。
【0146】加熱ロール12、14を加熱する第1加熱
手段としては、上記したハロゲンランプ20、24に限
定されない。また、層厚維持手段を加熱する第2加熱手
段としても、上記したセラミックヒータ36、ハロゲン
ランプ84、セラミックヒータ94、124に限定され
ない。すなわち、第1加熱手段としては、加熱ロール1
2、14がそれぞれ所望の温度T1、T2となるように
加熱できればよく、同様に、第2加熱手段としても、層
厚維持手段が所望の温度T3になるように加熱できれば
よい。従って、例えばラバーヒータ等の発熱体を使用す
ることもできる。
【0147】また、第1加熱手段は、2つの加熱手段
(ハロゲンランプ20、24)で構成されている必要は
なく、要するに、用紙Pが画像剥離ベルト18と接触す
る部分において、熱溶融性樹脂層28が軟化状態となる
ように加熱するものであればよい。例えば、ハロゲンラ
ンプ20を省略し、ハロゲンランプ24のみによって第
1加熱手段を構成してもよい。この場合であっても、層
厚維持手段が第2加熱手段によって加熱されるので、熱
溶融性樹脂層28は層厚維持手段に接触した部分の近傍
で溶融される。また、ハロゲンランプ24を省略し、ハ
ロゲンランプ20のみによって第1加熱手段を構成して
もよい。すなわち、この場合には、ハロゲンランプ20
の発熱量を調整することで、ハロゲンランプ20からの
熱によって溶融された熱溶融性樹脂層28が、画像剥離
ベルト18の循環により自然冷却され、用紙Pが画像剥
離ベルト18と接触する部分において軟化状態となるよ
うにすればよい。
【0148】用紙分離プレート16、層厚維持ブレード
34、層厚維持ロール82及び層厚維持ブレード122
の表面に低表面エネルギー層を形成する方法としても、
上記したテフロン処理はあくまで一例であり、これに限
られないことはもちろんである。
【0149】
【実施例】本発明を実施例によりさらに詳細に説明す
る。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるもので
はない。 (実施例1)第1の実施の形態に係る画像形成材料除去
装置10(図1参照)を用いて、用紙Pからトナー30
の除去を行った。
【0150】この画像形成材料除去装置10によって画
像形成材料が除去される用紙Pとしては、普通紙上にシ
リコーン樹脂を紙の凹凸を損なわない程度(約1μm)
の厚さで形成した専用紙を使用した。この専用紙に、カ
ラー画像形成装置等によって、画像形成材料としてのカ
ラートナーが転写され、さらに加熱定着されてカラー画
像が形成されている。カラートナーは、ポリエステル樹
脂に少なくともイエロー、マゼンタ、シアン、ブラック
の顔料を含有させたもので、ポリエステル樹脂の熱的特
性は、ガラス転移点が約70℃、溶融温度が約115℃
である。図17には、このポリエステル樹脂の温度と粘
度との関係が示されている。このグラフからも明らかな
ように、ガラス転移点を越える温度領域では、温度の上
昇に伴って急激に粘度が減少するシャープメルトな樹脂
である。
【0151】画像剥離ベルト18としては、周方向長さ
300mm、幅340mm、厚さ75μmのポリイミド
製ベルトを基材とし、このポリイミド製ベルトの外面に
熱溶融性樹脂が厚さ50μmで被覆されたものを使用し
た。
【0152】加熱ロール12としては、外径25mm、
肉厚0.3mmの鋼製ロールを使用し、加熱ロール14
としては、外径25mm、肉厚0.3mmの鋼製ロール
の表面に0.1mmの厚さのシリコーンゴムが被覆され
たものを使用した。また、用紙分離プレート16として
は、外周の曲率半径が3mmの曲面をもった鋼製プレー
トの表面にテフロン処理を施したものを使用した。
【0153】層厚維持ブレード34としては、厚さ0.
5mmのステンレス製の板状体を使用し、画像剥離ベル
ト18から100μmの隙間をあけた。
【0154】加熱ロール12の温度T1は150℃、加
熱ロール14の温度T2は110℃、層厚維持ブレード
34の温度T3は150℃とした。
【0155】また、画像剥離ベルト18の循環速度を8
0mm/secにした。以上の条件で、用紙Pに定着さ
れたカラートナーの除去を行ったところ、カラートナー
を良好に除去することができた。また、複数枚の用紙P
から連続してカラートナーの除去を行ったところ、長期
にわたって良好な除去性能を維持することができた。
【0156】また、層厚維持ブレート34に付着したト
ナーを、回収ロール40に回収することが確認できた。 (実施例2)図5に示す層厚維持ブレード34が設けら
れた画像形成材料除去装置を使用して、実施例1と同じ
条件で用紙Pに定着されたカラートナーの除去を行っ
た。この場合においても、実施例1と同様、カラートナ
ーを良好に除去することができた。また、複数枚の用紙
Pから連続してカラートナーの除去を行ったところ、長
期にわたって良好な除去性能を維持することができた。
【0157】さらに、層厚維持ブレード34を、図6に
示す層厚維持ブレード34及び図7に示す層厚維持ブレ
ード34に取り替えて、用紙Pに定着されたカラートナ
ーの除去を行った。いずれの場合においても、実施例1
と同様、カラートナーを良好に除去することができた。
また、複数枚の用紙Pから連続してカラートナーの除去
を行ったところ、長期にわたって良好な除去性能を維持
することができた。 (実施例3)本発明の第6の実施の形態に係る画像形成
材料除去装置120(図13参照)を使用し、実施例1
と同じ条件で用紙Pに定着されたカラートナーの除去を
行った。この場合においても、実施例1と同様、カラー
トナーを良好に除去することができた。また、複数枚の
用紙Pから連続してカラートナーの除去を行ったとこ
ろ、長期にわたって良好な除去性能を維持することがで
きた。
【0158】
【発明の効果】請求項1に記載の発明では、層厚維持手
段を加熱する第2加熱手段を有するので、画像剥離層は
層厚維持手段と接触している領域の近傍で、例えば外部
環境等に影響されることなく安定して溶融状態に維持さ
れる。従って、層厚維持手段は確実に画像剥離層の層厚
を一定厚に維持でき、連続して画像保持体から画像形成
材料を除去する場合にも、安定して除去できる。また、
層厚維持手段が画像剥離部材と相対移動する際の負荷が
小さくなるので、相対移動に要するエネルギーを小さく
して、低コストで画像形成材料を画像保持体から除去で
きる。相対移動させるための装置を小型にすることも可
能となる。
【0159】請求項2に記載の発明では、請求項1に記
載の発明において、層厚維持手段が、画像剥離部材と層
厚維持手段との相対移動で層厚維持手段によって画像剥
離部材から取り除かれた熱溶融性樹脂を、画像剥離部材
に取り残された一定厚の画像剥離層の表面と接触させて
保持可能となる姿勢で設けられているので、画像剥離部
材の画像剥離層の表面に常に熱溶融性樹脂が供給され、
画像剥離層の表面の劣化を防止することができる。
【0160】請求項3に記載の発明では、請求項1に記
載の発明において、層厚維持手段に、画像剥離部材と層
厚維持手段との相対移動で層厚維持手段によって画像剥
離部材から取り除かれた熱溶融性樹脂を、画像剥離部材
に取り残された一定厚の画像剥離層の表面と接触させて
保持する保持部が形成されているので、画像剥離部材の
画像剥離層の表面に常に熱溶融性樹脂が供給され、画像
剥離層の表面の劣化を防止することができる。
【0161】請求項4に記載の発明では、請求項1〜請
求項3のいずれかに記載の発明において、層厚維持手段
が、相対移動の方向と直交する方向への熱溶融性樹脂の
流出を防止する流出防止手段を有するので、層厚維持手
段によって取り除かれた熱溶融性樹脂が、層厚維持手段
から流出して画像剥離部材に付着することを防止でき
る。
【0162】請求項5に記載の発明では、請求項4に記
載の発明において、流出防止手段が、相対移動の方向と
直交する方向への熱溶融性樹脂の流路の断面積を減少さ
せる断面積減少部であるので、簡単な構成で、画像形成
材料の層厚維持手段からの流出が防止される。
【0163】請求項6に記載の発明では、請求項1〜請
求項5のいずれかに記載の発明において、層厚維持手段
の画像剥離部材との対向部分のうちの少なくとも画像剥
離層に接触する部分が、相対移動の方向から見て直線状
となるように形成されているので、画像剥離層の表面が
フラットになり、画像保持体から画像形成材料を確実に
除去して層厚を一定厚にすることができる。
【0164】請求項7に記載の発明では、請求項1〜請
求項6のいずれかに記載の発明において、第1加熱手段
又は第2加熱手段によって、前記層厚維持手段の少なく
とも画像剥離部材側に熱溶融性樹脂の溶融温度以上に加
熱された溶融領域が構成され、溶融領域において層厚維
持手段によって画像剥離部材から取り除かれた前記熱溶
融性樹脂を回収する回収部材を有するので、画像剥離部
材から取り除かれた熱溶融性樹脂を容易に回収できると
共に、第1加熱手段又は第2加熱手段の発熱量を必要以
上に大きくすることなく、層厚維持手段に溶融領域を構
成することができる。
【0165】請求項8に記載の発明では、請求項7に記
載の発明において、回収部材が、画像剥離部材に対して
脱着可能とされているので、回収部材のみを取り替え
て、さらに熱溶融性樹脂を回収することができる。
【0166】請求項9に記載の発明では、請求項1〜請
求項8のいずれかに記載の発明において、層厚維持手段
が、画像剥離部材に対して接離可能とされているので、
硬化した熱溶融性樹脂と層厚維持手段とが干渉してしま
うことがなく、層厚維持手段と画像剥離部材との相対移
動に過大な負荷が生じない。
【0167】請求項10に記載の発明では、請求項1〜
請求項9のいずれかに記載の発明において、層厚維持手
段と画像剥離部材との所定間隔が、画像剥離層の層厚が
所定厚に達しない場合には層厚維持手段と画像剥離層と
の間に間隙が構成される間隔に設定されているので、画
像剥離層の層厚が所定厚に達しない場合には層厚維持手
段が画像剥離層に接触することはなく、画像剥離部材と
層厚維持手段との相対移動に負荷が生じない。
【0168】請求項11に記載の発明では、請求項1〜
請求項10のいずれかに記載の発明において、層厚維持
手段の表面に、低表面エネルギー層を形成したので、層
厚維持手段と接触している部分において、熱溶融性樹脂
の移動の抵抗が小さくなる。また、熱溶融性樹脂が硬化
して層厚維持手段に固着した場合でも、熱溶融性樹脂を
層厚維持手段から容易に分離することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る画像形成材料
除去装置の概略的構成を示す側面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る画像形成材料
除去装置の一部を拡大して示す側面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る画像形成材料
除去装置の一部を拡大して示す側面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る画像形成材料
除去装置の一部を拡大して示す側面図である。
【図5】図1とは異なる層厚維持手段が用いられた本発
明の第1の実施の形態に係る画像形成材料除去装置の一
部を拡大して示す側面図である。
【図6】図1及び図5とは異なる層厚維持手段が用いら
れた本発明の第1の実施の形態に係る画像形成材料除去
装置の一部を拡大して示す側面図である。
【図7】図1、図5及び図6とは異なる層厚維持手段が
用いられた本発明の第1の実施の形態に係る画像形成材
料除去装置の一部を拡大して示す側面図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係る画像形成材料
除去装置の一部を拡大して示す側面図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係る画像形成材料
除去装置の一部を拡大して示す側面図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態に係る画像形成材
料除去装置の一部を拡大して示す側面図である。
【図11】本発明の第4の実施の形態に係る画像形成材
料除去装置の一部を拡大して示す側面図である。
【図12】本発明の第5の実施の形態に係る画像形成材
料除去装置の一部を拡大して示す側面図である。
【図13】本発明の第6の実施の形態に係る画像形成材
料除去装置の概略的構成を示す側面図である。
【図14】本発明の第6の実施の形態に係る画像形成材
料除去装置に使用される層厚維持手段を示す正面図であ
る。
【図15】本発明の第6の実施の形態に係る画像形成材
料除去装置に使用される層厚維持手段を示す正面図であ
る。
【図16】本発明の第7の実施の形態に係る画像形成材
料除去装置の概略的構成を示す斜視図である。
【図17】本発明に係る画像形成材料除去装置によって
除去される画像形成材料を構成するポリエステル樹脂の
温度と粘度との関係を示すグラフである。
【図18】本発明の第1の実施に形態に係る画像形成材
料除去装置の回収ロールの近傍を拡大して示す斜視図で
ある。
【符号の説明】
10 画像形成材料除去装置 16 用紙分離プレート(分離手段) 18 画像剥離ベルト(画像剥離部材) 20 ハロゲンランプ(第1加熱手段) 24 ハロゲンランプ(第1加熱手段) 28 熱溶融性樹脂層(画像剥離層) 32 加圧ロール(接触手段) 34 層厚維持ブレード(層厚維持手段) 36 セラミックヒータ(第2加熱手段) 40 回収ロール(回収部材) 54 凹部(保持部) 56 凹部(保持部) 58 凹部(保持部) 70 画像形成材料除去装置 80 画像形成材料除去装置 82 層厚維持ロール(層厚維持手段) 84 ハロゲンランプ(第2加熱手段) 90 画像形成材料除去装置 92 層厚維持曲板(層厚維持手段) 94 セラミックヒータ(第2加熱手段) 100 画像形成材料除去装置 102 層厚維持ベルト(層厚維持手段) 109 ハロゲンランプ(第2加熱手段) 110 回収カートリッジ(回収部材) 120 画像形成材料除去装置 122 層厚維持ブレード(層厚維持手段) 124 セラミックヒータ(第2加熱手段) 132 層厚維持ブレード(層厚維持手段) 134 断面積減少部 142 層厚維持ブレード(層厚維持手段) 150 画像形成材料除去装置 152 層厚維持ブレード(層厚維持手段)

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱溶融性樹脂を含む画像剥離層を備えた
    画像剥離部材と、 前記画像剥離層を加熱する第1加熱手段と、 加熱により軟化された前記画像剥離層に、熱溶融性樹脂
    を含む画像形成材料が溶融固着された画像保持体の画像
    形成面を接触させる接触手段と、 前記画像剥離層に接触された前記画像形成面を、画像剥
    離層と前記画像形成材料との凝集力が画像形成材料と前
    記画像保持体との接着力よりも大きくなった状態で画像
    剥離層から分離させる分離手段と、 加熱により溶融された前記画像剥離層に対応した位置で
    前記画像剥離部材から所定間隔をあけて配置され、この
    所定間隔を維持して画像剥離部材と相対移動することに
    より溶融状態の画像剥離層の層厚を一定厚に維持する層
    厚維持手段と、 前記層厚維持手段を加熱する第2加熱手段と、 を有することを特徴とする画像形成材料除去装置。
  2. 【請求項2】 前記層厚維持手段が、前記画像剥離部材
    と前記層厚維持手段との相対移動で層厚維持手段によっ
    て前記画像剥離部材から取り除かれた熱溶融性樹脂を、
    画像剥離部材に取り残された一定厚の画像剥離層の表面
    と接触させて保持可能となる姿勢で設けられていること
    を特徴とする請求項1に記載の画像形成材料除去装置。
  3. 【請求項3】 前記層厚維持手段に、前記画像剥離部材
    と前記層厚維持手段との相対移動で層厚維持手段によっ
    て前記画像剥離部材から取り除かれた熱溶融性樹脂を、
    画像剥離部材に取り残された一定厚の画像剥離層の表面
    と接触させて保持する保持部が形成されていることを特
    徴とする請求項1に記載の画像形成材料除去装置。
  4. 【請求項4】 前記層厚維持手段が、前記相対移動の方
    向と直交する方向への熱溶融性樹脂の流出を防止する流
    出防止手段を有することを特徴とする請求項1〜請求項
    3のいずれかに記載の画像形成材料除去装置。
  5. 【請求項5】 前記流出防止手段が、前記相対移動の方
    向と直交する方向への熱溶融性樹脂の流路の断面積を減
    少させる断面積減少部であることを特徴とする請求項4
    に記載の画像形成材料除去手段。
  6. 【請求項6】 前記層厚維持手段の前記画像剥離部材と
    の対向部分のうちの少なくとも前記画像剥離層に接触す
    る部分が、前記相対移動の方向から見て直線状となるよ
    うに形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項
    5のいずれかに記載の画像形成材料除去装置。
  7. 【請求項7】 前記第1加熱手段又は前記第2加熱手段
    によって、前記層厚維持手段の少なくとも前記画像剥離
    部材側に前記熱溶融性樹脂の溶融温度以上に加熱された
    溶融領域が構成され、 前記溶融領域において前記層厚維持手段によって前記画
    像剥離部材から取り除かれた前記熱溶融性樹脂を回収す
    る回収部材を有することを特徴とする請求項1〜請求項
    6のいずれかに記載の画像形成材料除去装置。
  8. 【請求項8】 前記回収部材が、前記画像剥離部材に対
    して脱着可能とされていることを特徴とする請求項7に
    記載の画像形成材料除去装置。
  9. 【請求項9】 前記層厚維持手段が、前記画像剥離部材
    に対して接離可能とされていることを特徴とする請求項
    1〜請求項8のいずれかに記載の画像形成材料除去装
    置。
  10. 【請求項10】 前記層厚維持手段と前記画像剥離部材
    との所定間隔が、前記画像剥離層の層厚が所定厚に達し
    ない場合には層厚維持手段と画像剥離層との間に間隙が
    構成される間隔に設定されていることを特徴とする請求
    項1〜請求項9のいずれかに記載の画像形成材料除去装
    置。
  11. 【請求項11】 前記層厚維持手段の表面に、低表面エ
    ネルギー層を形成したことを特徴とする請求項1〜請求
    項10のいずれかに記載の画像形成材料除去装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010066524A (ja) * 2008-09-11 2010-03-25 Ricoh Co Ltd 画像除去装置、画像形成装置及び画像形成除去システム
US8389076B2 (en) 2007-09-14 2013-03-05 Ricoh Company, Ltd. Peeling member, member for forming peeling member, method of manufacturing peeling member, image remover, image forming and removing system, and image removing method

Cited By (4)

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