JP3513729B2 - 羽根付ディフューザを備えた遠心圧縮機とその制御方法 - Google Patents

羽根付ディフューザを備えた遠心圧縮機とその制御方法

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  • Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、羽根車の回転によ
り流体の圧縮を行う遠心圧縮機の制御方法に関し、特
に、羽根付ディフューザを備えた遠心圧縮機の制御方法
に関する。 【0002】 【従来の技術】羽根車の回転により冷却ガスなどの流体
の圧縮を行う遠心圧縮機は、例えばヒートポンプなどに
おいて用いられており、一般に、高速回転して流体に運
動エネルギを与える羽根車と、羽根車の上流側に配置さ
れて流体の入力量を調整するインレットガイドベーンあ
るいはサクションダンパと、羽根車の外周を囲うように
設けられ、羽根車により与えられた流体の運動(速度)
エネルギの一部を圧力に変換するための静止羽根を複数
備えたディフューザなどにより構成されている。また、
かかる遠心圧縮機のディフューザの中には、その複数の
静止羽根の一部の羽根が可動である羽根付ディフューザ
も既に知られている。 【0003】かかる従来技術の一例として、例えば、特
開平4−116299号公報によれば、複数個存在する
静止羽根の羽根の間に回転可動な羽根(可動静止羽根)
を部分的に偏在させたディフューザの構造が既に知られ
ており、さらに、小流量側の運転をする場合には、当該
可動静止羽根を回転させて羽根付ディフューザの静止羽
根間の流路面積を減少させる方法が示されている。さら
に、従来技術における遠心圧縮機の羽根付ディフューザ
の構造及びかかる遠心圧縮機の制御方法として、例え
ば、特開平1−219397号公報によれば、高速回転
する羽根車の上流側にインレットガイドベーンを設ける
と共に、上記羽根車と羽根付ディフューザの静止翼との
間、すなわち、静止翼の内側に摺動自在な補助翼を配置
し、もって、二重円形翼列により構成することが示され
ている。かかる二重円形翼列構造のディフューザを備え
た遠心圧縮機では、小流量側の運転をする場合には、イ
ンレットガイドベーンの開度を減少させると共に、当該
二重円形翼列構造のディフューザの内側の補助翼を上記
羽根車の回転軸と平行な方向に移動する方法が示されて
いる。 【0004】また、上記のような単数の遠心圧縮機とは
異なり、複数台の遠心圧縮機を連設した多段遠心圧縮機
における制御方法としては、例えば、特公平7−398
40号公報により、初段圧縮機の上流側に設けられたイ
ンレットガイドベーンにより小流量側の限界まで流量を
制御し、更に、小流量側の運転をする場合は2段目以降
の任意の段の可変ディフューザベーンの角度を変化させ
る多段遠心圧縮機の制御方法が既に知られている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来技術においては、以下のような問題点が指摘
される。まず、複数個存在する静止羽根の羽根の間に前
記可動静止羽根を部分的に偏在させ、小流量側の運転を
する場合には、当該可動静止羽根を回転させて羽根付デ
ィフューザの静止羽根間の流路面積を減少させる方法で
は、羽根付ディフューザ部分のみの制御であるため、お
のづと小流量側の運転範囲拡大に限界があった。 【0006】これに対し、上述のようなインレットガイ
ドベーンの開度を減少させると共に、二重円形翼列構造
のディフューザの内側の補助翼を上記羽根車の回転軸と
平行な方向に移動する方法では、運転範囲拡大の効果は
大きいが、インレットガイドベーン開度を減少させた場
合のエネルギー消費の点で未だ問題があった。 【0007】さらに、上述の複数台の遠心圧縮機を連設
した多段遠心圧縮機における制御方法は、初段圧縮機上
流側のインレットガイドベーンと2段目以降の段の可変
ディフューザベーンを組み合わせて制御することから、
多段圧縮機の流量制御に対しては効果的であるが、これ
をそのまま、多段式以外の遠心圧縮機に適用することは
出来ず、ましてや、単段式の遠心圧縮機には適用できな
い。 【0008】そこで、本発明は、上記の従来技術におけ
る問題点などに鑑み、単段式の遠心圧縮機にも適用可能
であり、さらに、小流量側での運転範囲の拡大が可能
で、かつ、エネルギー消費が少ない羽根付ディフューザ
を備えた遠心圧縮機の制御方法を提供することをその目
的とする。 【0009】 【課題を解決するための手段】本発明は、高速回転して
流体に運動エネルギを与える羽根車と、前記羽根車の上
流側に設けられた吸入流量制御手段と、前記羽根車によ
り与えられた運動エネルギの一部を圧力に変換するため
の羽根付ディフューザとからなる遠心圧縮手段を少なく
とも1段有した遠心圧縮機において、少なくとも1段の
前記遠心圧縮手段を構成する前記羽根付ディフューザの
一部の羽根を可動羽根とするとともに、流量を減少させ
る場合にまず、前記ディフューザの可動羽根の開度を最
大に保った状態で前記吸入流量制御手段の開度を減少す
るように制御し、次いで、前記ディフューザの可動羽根
の開度を減少させるように制御するためのコントローラ
を設けたことを特徴とする羽根付ディフューザを備えた
遠心圧縮機を開示する。 【0010】更に本発明は、高速回転して流体に運動エ
ネルギを与える羽根車と、前記羽根車の上流側に設けら
れた吸入流量制御手段と、前記羽根車により与えられた
運動エネルギの一部を圧力に変換するための羽根付ディ
フューザとからなる遠心圧縮手段を少なくとも1段有し
た遠心圧縮機であって、かつ少なくとも1段の前記遠心
圧縮手段を構成する前記羽根付ディフューザの一部の羽
根を可動羽根とした遠心圧縮機を制御するための羽根付
ディフューザを備えた遠心圧縮機の制御方法において、
その流量を減少させる場合、まず前記ディフューザの可
動羽根の開度を最大に保った状態で前記吸入流量制御手
段の開度を減少させ、次いで、前記ディフューザの可動
羽根の開度を減少させることを特徴とする羽根付ディフ
ューザを備えた遠心圧縮機の制御方法を開示する。 【0011】上記の本発明により提起される羽根付ディ
フューザを備えた遠心圧縮機及びその制御方法によれ
ば、羽根付ディフューザの可動羽根が全開の状態で、イ
ンレットガイドベーンあるいはサクションダンパからな
る吸入流量制御手段の角度、すなわち、開度を変化させ
て、これにより、遠心圧縮機の安定な運転が可能な流量
範囲内で制御し、加えて、この状態よりさらに小流量側
の運転をする場合には、前記ディフューザの可動羽根の
開度を減少させる。この時、前記吸入流量制御手段であ
るインレットガイドベーンあるいはサクションダンパの
開度を固定するか、あるいは、ディフューザの可動羽根
の開度と同期させて減少させる。このように、羽根付デ
ィフューザの一部の可動な羽根、及び、前記吸入流量制
御手段であるインレットガイドベーンあるいはサクショ
ンダンパの開度を制御することにより、かかる遠心圧縮
機を単段に、あるいは、多段に設けた場合にも、簡便な
制御方法で、広い流量範囲を実現できると共に、小流量
運転時のエネルギー消費を低減できることとなる。 【0012】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。まず、
本発明の一の実施の形態を、図1〜図4により示す。図
2は、本発明の羽根付ディフューザを備えた遠心圧縮機
の断面図である。同図において、高速回転することによ
り冷却ガスなどの気体を含む流体に、運動(速度)エネ
ルギーを与える羽根車1は、ハブ側側壁7を貫通し、ベ
アリングなどにより回動可能に支承され、高速で回転駆
動する回転軸100の先端部に取り付けられており、そ
の形状は、図中の一点鎖線B−B方向から見た状態を示
す図3にも明らかなように、外形略三角形状101、1
01…の翼が複数枚互いに一部重ね合った状態で、外形
略円錐形に形成されている。 【0013】また、上記図3にも明らかなように、羽根
車1の周囲を羽根付ディフューザ200が取り囲んでお
り、この羽根付ディフューザ200は、上記羽根車1の
外周に配置された複数の静止羽根2、2…と、これら複
数の静止羽根の間に設けられた回転可能に支承された複
数の可動羽根3、3とにより構成されている。なお、こ
の図3中に示される符号8、8’は、上記静止羽根2、
2の間、あるいは、上記静止羽根2と可動羽根3との間
に形成された通路である。 【0014】ここで、再び、図2の断面図に戻り、回転
軸100を含む羽根車1の上流側(図では左側)の入口
側には、いわゆる、吸入流量制御手段としてのインレッ
トガイドベーン4が設置されている。なお、このインレ
ットガイドベーン4は、図からも明らかなように、外形
扇状(この例では、挟角45度)の中央部に回転軸を取
り付けたインレットガイドベーン4を複数(8個)、シ
ュラウド側側壁6から羽根車1の上流に延長して形成し
た円筒状の側壁の複数箇所(8箇所)に回動可能に取り
付けて構成したものである。そして、これらの各インレ
ットガイドベーン4は、それぞれ、インレットガイドベ
ーンアクチュエータ17によって、その設定角度、従っ
て、その開度が制御されるように構成されている。 【0015】さらに、上記羽根車1の周囲(図2では上
下方向)には、羽根付ディフューザ200を構成する静
止羽根2と可動羽根3とが配置されており、後者の可動
羽根3には、これを回転駆動するための可動羽根アクチ
ュエータ9が側壁7の外側に設けられている。そして、
この羽根付ディフューザ200の外周には、渦巻状のス
クロールが、上記のシュラウド側側壁6とハブ側側壁7
とにより形成されている。また、図中の符号18は、本
発明の羽根付ディフューザを備えた遠心圧縮機の制御方
法を実施するためのコントローラであり、図からも明ら
かなように、上記インレットガイドベーン4の開度を制
御するインレットガイドベーンアクチュエータ17と共
に、羽根付ディフューザ200に取り付けられた可動羽
根3の開度を制御するための可動羽根アクチュエータ9
に制御信号を出力する構成となっている。すなわち、イ
ンレットガイドベーンアクチュエータ17と可動羽根ア
クチュエ−タ9は、コントローラ18によって制御され
ており、これにより、インレットガイドベーン4と可動
羽根3の開度(設定角)が圧縮機の運転状態に応じて適
切な値に設定されるように構成されている。 【0016】続いて、上記のその詳細な構成を説明した
遠心圧縮機の動作について説明すると、インレットガイ
ドベーン4を介して入力された冷却ガスなどの気体を含
む流体は、高速回転する羽根車1により運動(速度)エ
ネルギを与えられる。この運動(速度)エネルギが与え
られた流体の流れ(図中では、白抜きの矢印5で示す)
は、羽根付ディフューザ200の複数の静止羽根2、2
…、あるいは、可動羽根3、さらには、シュラウド側側
壁6とハブ側側壁7により構成される通路8、8’を通
過する際に、その運動エネルギの一部を圧力に変換され
る。この時、羽根付ディフューザ200の可動羽根3
は、可動羽根アクチュエ−タ9により、その設定角度、
従って、その開度が制御されるが、流体の流れの対称性
が著るしく損なわれると、羽根車1には、その半径方向
に強大な合成力が作用する。このため、本実施例では、
図3にも示すように、上記可動羽根3は、羽根車1を取
り囲むように複数の静止羽根2、2…が配置される周を
ほぼ当分する位置に、この例では180度離れた位置に
2個所設けられている。 【0017】なお、上記羽根付ディフューザ200の可
動羽根3は、最も開度が大きい状態である全開位置で
は、図3に実線で示すように、静止羽根2、2の羽根間
の流路を確保できる位置に設定される。他方、最も開度
が小さい状態である全閉位置は、図3に破線で示すよう
に、静止羽根2、2の羽根間の流路を閉鎖しなくとも良
いが、流路面積が十分に減少するように設定される。こ
の可動羽根3の設定位置(開度)は、既述のように、可
動羽根アクチュエ−タ9により制御されるが、この可動
羽根アクチュエ−タ9は、インレットガイドベーン4の
開度(設定角)を圧縮機の運転状態に応じて適切な値に
設定するインレットガイドベーンアクチュエータ17を
も同時に制御するコントローラ18によって制御されて
いる。なお、このコントローラは、例えば論理回路ある
いはマイクロコンピュータなどにより容易に構成するこ
とが可能である。 【0018】ここで、上記のコントローラ18による遠
心圧縮機の制御方法を、添付の図1及び図4を参照しな
がら説明する。まず、図1により、本発明の制御方法に
よるインレットガイドベーン4と可動羽根3の開度と、
遠心圧縮機の運転状態(流量)との関係を示す。すなわ
ち、図1(a)には、上記の図2及び図3に示した遠心
圧縮機で流量制御する場合の、上記羽根付ディフューザ
200の可動羽根3の開度と流量との関係が、また、図
1(b)には、インレットガイドベーン4の開度と流量
の関係が示されている。そして、図4には、上記のコン
トローラ18による遠心圧縮機の制御方法により得られ
る流量と圧力上昇の関係、すなわち、流量−圧力特性を
示す。 【0019】まず、設計流量では、図1のグラフの右端
に示されるように、羽根付ディフューザの可動羽根3
と、インレットガイドベーン4とは、共に、全開であ
る。そして、この状態でのインレットガイドベーン4を
含めた遠心圧縮機の流量−圧力特性は、図4において、
曲線αにより示されている。すなわち、遠心圧縮機が供
給する圧縮ガスの流量と圧力との関係が、図4において
直線Sで示される時、はじめに羽根付ディフューザの可
動羽根3は、全開の状態、すなわち、上記図1(a)の
点αを保ちつつ(点β及び点γでも同様に全開)、一
方、図1(b)に示すように、インレットガイドベーン
4の開度を徐々に点β及び点γを通過して減少させる。
この状態でのインレットガイドベーン4を含めた圧縮機
の流量−圧力特性が、図4において、それぞれ、曲線
β、曲線γにより示される。また、図4において、一点
鎖線Aは、上記図1(a)及び(b)に示したパターン
での安定運転限界を示している。 【0020】図4にも明らかなように、上記の曲線γの
作動限界と線Sは互いに近接しており、そのため、イン
レットガイドベーン4の開度をさらに減少させることは
困難である。そこで、図1(b)に示すように、インレ
ットガイドベーン4の開度をγ点の状態に固定し、一
方、図1(a)に示すように、上記羽根付ディフューザ
の可動羽根3の開度を、図の点δを通過しながら徐々に
減少させ、点εまで変化させる。すなわち、点εは羽根
付ディフューザの可動羽根3の全閉の状態である。この
状態でのインレットガイドベーン4を含めた遠心圧縮機
の流量−圧力特性が、図4において、それぞれ曲線δ、
曲線εにより示されている。 【0021】ところで、図1における点εは、上記羽根
付ディフューザの可動羽根3が全閉の状態であることを
示していることから、さらに流量を減少させるために
は、図1(b)に示したインレットガイドベーン4の開
度を、点γの状態に保ってあった状態から、さらに、限
界開度である点ζまで減少させる。図4には、インレッ
トガイドベーン4の開度を点ζまで減少させた状態で
の、インレットガイドベーン4を含めた遠心圧縮機の流
量−圧力特性が、曲線ζにより示されている。この様に
して、本発明の制御方法によれば、羽根付ディフューザ
の可動羽根3とインレットガイドベーン4の開度を、上
記のコントローラ18の働きにより、一方を固定して他
方を変化させ、交互に制御することにより、広い運転流
量範囲を実現することができる。 【0022】なお、上記の実施例では、羽根車1の上流
の入口側には、空気等の流体の入力流量を制御するため
の、いわゆるインレットガイドベーン4に設けられたも
のについてのみ説明したが、しかしながら、本発明は、
このような構成だけに限定されるものではない。特に、
インレットガイドベーン4は多数の可動羽根(この例で
は8枚)を必要とするが、小型の遠心圧縮機の場合に
は、これに代え、例えば1枚の円板で流路を閉鎖するサ
クションダンパを設置しても良い。この場合、小流量運
転時のエネルギー消費は若干増加するが、構造が大幅に
単純化するという利点がある。 【0023】次に、図5及び図6を参照しながら、本発
明の第2及び第3の実施例になる制御方法を説明する。
なお、これらの遠心圧縮機の制御方法は、上記図1に示
した制御方法を簡略化したものである。まず、図5
(a)及び(b)に示す制御方法(パターン)では、設
計流量である点αから点γまでの羽根付ディフューザの
可動羽根3とインレットガイドベーン4の開度の制御状
態は、上記図1に示したものと同じであるが、点γの状
態よりさらに流量を減少させる場合、羽根付ディフュー
ザの可動羽根3の開度と共に、インレットガイドベーン
4の開度をも同時に減少させるものである。このため、
羽根付ディフューザの可動羽根3の開度と、インレット
ガイドベーン4の開度の制御シークエンスが簡略化され
るが、他方、この図5のパターンでの安定運転範囲は、
図4に破線Bで示すようになり、特に、小流量領域での
圧力調整可能な範囲である安定運転範囲が、上記図1の
パターンにより得られる特性(一点鎖線Aで示す)より
も狭くなっている。なお、この場合、ディフューザの可
動羽根3の開度が最大に保持されている期間(点αから
点γまで)におけるインレットガイドベーン4の開度の
減少率は、ディフューザの可動羽根3の開度が減少して
いる期間(点γから点ζまで)におけるインレットガイ
ドベーン4の開度の減少率よりも大きくなっている。 【0024】図6(a)及び(b)に示す制御方法(パ
ターン)は、設計流量(点α)と小流量限界の中間領域
(点)で高い圧力上昇を必要とする場合の、羽根付ディ
フューザの可動羽根3の開度とインレットガイドベーン
4の開度の制御パターンである。図に示されたパターン
からも明らかなように、この第3の制御方法では、流量
を減少させる場合、最初は、インレットガイドベーン4
の開度のみを減少させる。ところで、上記図1や図5に
示した羽根付ディフューザの可動羽根開度とインレット
ガイドベーン開度のパターンでは、インレットガイドベ
ーン4の開度のみで小流量側の限界まで制御したが、こ
れに対し、図6に示すパターンでは、インレットガイド
ベーン4の開度が小流量側の限界より十分に大きい状
態、例えば全開の80%から、羽根付ディフューザの可
動羽根3の開度を減少させる。 【0025】このような制御方法によれば、図4に二点
鎖線Cで示すように、限界流量までの制御運転限界の圧
力は高くなる。しかしながら、ディフューザの可動羽根
3の開度を減少させて運転する状態が多くなるため、図
1及び図5で示したディフューザの可動羽根3の開度と
インレットガイドベーン4の開度のパターンに比較し
て、エネルギー消費が大きくなる。 【0026】上記の実施例では、羽根車1を取り囲むよ
うに配置され、流体の運動エネルギを圧力に変換するデ
ィフューザは、上記図3に示すように、複数の静止羽根
2、2…の一部の間に可動羽根3、3を挿入配置した羽
根付ディフューザ200であったが、本発明では、かか
る可動羽根3の構造のディフューザのみに限定すること
なく、その他の構造のディフューザを採用することが可
能である。そこで、図7〜図11により、本発明の制御
方法により流量を制御する遠心圧縮機の、特にディフュ
ーザの可動羽根を回転可動に構成する他の実施例を示
す。 【0027】図7は、羽根付ディフューザ200を構成
する複数の固定静止羽根2のうちの一部(小数のもの)
の前縁側を分割し、この前縁側を回転可動として前縁可
動羽根10を構成したものである。かかる可動羽根の構
造によれば、可動部分をコンパクトにできるという特長
がある。 【0028】また、遠心圧縮機の制御においては、羽根
付ディフューザ200の静止羽根2、2…間に設けられ
た可動羽根3、3の開度を減少させて流量を低減させる
と、インレットガイドベーン4(あるいは、サクション
ダンパ)の開度を減少させて流量を低減させた場合よ
り、圧縮機の効率低下が大きい。ほとんどの場合、羽根
付ディフューザの失速が発生する限界が、遠心圧縮機の
安定運転限界である。このため、羽根付ディフューザの
失速が発生する限界を小流量側に移して、インレットガ
イドベーン(あるいは、サクションダンパ)の開度によ
る制御限界を小流量側に移すことができれば本発明の効
果が一層大きくなる。 【0029】そこで、図8〜図11により、羽根付ディ
フューザの失速が発生する限界が小流量側になるように
構成した、羽根付ディフューザの羽根構造を示す。ま
ず、図8に示す羽根付ディフューザの羽根は、図からも
明らかなように、静止羽根2の前縁(図の左側)のシュ
ラウド側側壁6に近い側(図の下側)を、静止羽根2と
一体に突出させて先端部11を形成し、もって、静止羽
根2の先端部11をさらに羽根車1に接近させた形状と
した点に特徴がある。なお、図の符号3は、上記と同様
の可動羽根3である。 【0030】さらに、図9及び図10には、シュラウド
側側壁6上の静止羽根2の前縁付近の内周に近い箇所
に、この静止羽根2より弦長が短く、かつ、高さが同等
以下(好ましくは、低い)である補助羽根12を設け、
補助羽根12の一方の羽根面のみを静止羽根2に対向さ
せたうえ可動羽根3を設けた実施例を示す。特に、図9
は、上記ディフューザの静止羽根2、2とその間に回転
可能に支承された可動羽根3、さらには、静止羽根2の
前縁付近に設けた前記補助羽根12、12を含む、ディ
フューザの一部拡大斜視図であり、図10は、羽根車1
の回転軸の方向から、上記羽根車1とこのディフューザ
200を見た図である。 【0031】また、図11は、上記図9及び図10に示
した補助羽根12の形状を変形したものであり、この変
形例では、図示のように、静止羽根2の前縁付近に配置
した補助羽根13の前縁を傾斜させて切り欠いたもので
ある。かかる構造の補助羽根13を採用することによ
り、補助羽根13による騒音の低減の効果と共に、補助
羽根の強度確保の効果が大きいことが指摘される。 【0032】さらに、上記に示した種々の実施例では、
上記羽根付ディフューザ200による遠心圧縮機の流量
の制御(減少)は、その何れにおいても、可動羽根3を
回転することによりおこなうものであるが、しかしなが
ら、本発明は、かかる流量の制御方式にのみ限定される
ものではなく、他の方式によっても同様の効果を達成す
ることが可能である。例えば、図12〜図14に示すよ
うに、上記の可動羽根3に代え、遠心圧縮機の羽根付デ
ィフューザ200を構成する複数の静止羽根2の内側先
端付近に、羽根車1の回転軸と平行な方向に可動な羽根
を配置し、これらの平行可動羽根14、14…を移動す
ることによりディフューザの開度を制御する。 【0033】図12には、羽根車1の回転軸100を含
む断面図が示されており、この実施例でも、図2と同様
に、羽根車1の入口側にはインレットガイドベーン4が
設置され、インレットガイドベーン4はインレットガイ
ドベーンアクチュエータ17によって設定角度、従っ
て、開度が制御される。そして、羽根車1により運動エ
ネルギを与えられた流体の流れ(白抜きの矢印5)は、
ディフューザを構成する複数の静止羽根2、2…、さら
に、シュラウド側側壁6とハブ側側壁7により構成され
る通路を通過する際に、その運動エネルギの一部を圧力
に変換されるのは上記の実施例と同様である。 【0034】ところで、上記の平行可動羽根14は、図
にも示すように、支持リング15に取り付けられてお
り、この支持リング15は並進アクチュエータ16によ
り羽根車の回転軸と平行な方向に可動に構成されてい
る。なお、この平行可動羽根14の静止羽根2に対する
位置関係と形状は、上記の図9に示した補助羽根12、
あるいは、図11に示した補助羽根13と同様にするこ
とにより、大きな効果が得られる。 【0035】そして、図12では、上記の平行可動羽根
14が全開の状態が示されている。この平行可動羽根1
4が全開の状態では、図示のように、平行可動羽根14
が取り付けられた支持リング15は、シュラウド側側壁
6の内部に形成された凹部に完全に収容された状態とな
る。一方、上記平行可動羽根14の全閉の状態では、上
記支持リング15が水平移動して静止羽根2の高さ全部
を閉じるのではなく、例えば図13に示すように、平行
可動羽根14の先端とハブ側側板7の間に隙間が存在す
る状態とするか、あるいは、図14に示すように、平行
可動羽根14の先端がハブ側側板7に達した状態とす
る。なお、この実施例でも、図12のインレットガイド
ベーンアクチュエータ17と並進アクチュエータ16
は、コントローラ18によって制御され、インレットガ
イドベーン4と平行可動羽根14の開度(位置)は、遠
心圧縮機の運転状態に応じた適切な値、すなわち、上記
図1あるいは図5及び図6に示した関係(パターン)に
なるように設定され、制御される。この図12の実施例
では、平行可動羽根14が閉鎖された状態でも、羽根車
1の出口下流の流路形状が周方向に急変しないので、特
に、羽根車1に作用する半径方向の合成力が増加しない
という特徴がある。 【0036】最後に、上記の実施例では、羽根付ディフ
ューザを備えた遠心圧縮機が単段で設けられた実施例に
ついてのみ説明したが、しかしながら、本発明は、さら
に、かかる遠心圧縮機を多段に構成したものにも適用す
ることが可能であり、その場合、その初段に設けられた
遠心圧縮機、あるいは、それ以降の段のインレットガイ
ドベーンあるいはサクションダンパの開度、そして、羽
根付ディフューザの開度を上記のようなパターンで制御
することにより、広い運転流量範囲を実現することがで
きる。 【0037】 【発明の効果】以上の詳細な説明からも明らかなよう
に、本発明の羽根付ディフューザを備えた遠心圧縮機の
制御方法によれば、単段あるいは多段に設けられた遠心
圧縮機にかかわらず、その流量を減少させて制御する場
合、従来のインレットガイドベーンあるいはサクション
ダンパのみによる流量制御に比較し、より小流量の範囲
まで遠心圧縮機を運転可能にすると共に、可動羽根を備
えた羽根付ディフューザの開閉制御のみによる流量制御
よりも小流量運転時のエネルギ消費を低減でき、もっ
て、小流量側での運転範囲の拡大が可能で、かつ、エネ
ルギー消費が少ない羽根付ディフューザを備えた遠心圧
縮機とその制御方法を提供することが可能であるとい
う、技術的にも優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の遠心圧縮機の制御方法の一例を示す図
である。 【図2】本発明の羽根付ディフューザを備えた遠心圧縮
機の内部構成を示す断面図である。 【図3】上記図2におけるB−B断面から羽根車とディ
フューザを見た図である。 【図4】上記図2及び図3に示した遠心圧縮機を、上記
図1を含む本発明の制御方法によって運転した場合の圧
力上昇特性を示すグラフである。 【図5】本発明の他の実施例になる遠心圧縮機の流量制
御方法を示す図である。 【図6】本発明のさらに他の実施例になる遠心圧縮機の
流量制御方法を示すである。 【図7】本発明を適用した他の実施例になる遠心圧縮機
の羽根車とディフューザの構造を示す一部拡大図であ
る。 【図8】本発明を適用した他の実施例になる遠心圧縮機
のディフューザの構造を示す一部拡大斜視図である。 【図9】本発明を適用したさらに他の実施例になる遠心
圧縮機のディフューザの構造を示す一部拡大斜視図であ
る。 【図10】上記図9に示したディフューザと羽根車を見
た正面図である。 【図11】上記図9に示したディフューザの他の変形例
を示す一部拡大斜視図である。 【図12】本発明を適用した上記図2の遠心圧縮機とは
異なる構造の遠心圧縮機の内部構成を示す断面図であ
る。 【図13】上記図12に示した遠心圧縮機の羽根付ディ
フューザを構成する可動羽根が全閉である時の状態を示
す一部拡大断面図である。 【図14】上記図13とは異なる、上記図12の遠心圧
縮機の羽根付ディフューザの可動羽根の全閉状態を示す
一部拡大断面図である。 【符号の説明】 1 羽根車 2 静止羽根 3 可動羽根 4 インレットガイドベーン 5 流れ 6 シュラウド側側壁 7 ハブ側側壁 8 通路 9 可動羽根アクチュエータ 10 前縁可動羽根 11 静止羽根の先端部 12 補助羽根 13 前縁を傾斜させた補助羽根 14 平行可動羽根 15 支持リング 16 並進アクチュエータ 17 インレットガイドベーンアクチュエータ 18 コントローラ 200 羽根付ディフューザ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−126399(JP,A) 特開 平4−116299(JP,A) 特開 平1−219397(JP,A) 特開 昭59−15695(JP,A) 特公 平7−39840(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F04D 27/00 101 F04D 17/08

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 高速回転して流体に運動エネルギを与え
    る羽根車と、前記羽根車の上流側に設けられた吸入流量
    制御手段と、前記羽根車により与えられた運動エネルギ
    の一部を圧力に変換するための羽根付ディフューザとか
    らなる遠心圧縮手段を少なくとも1段有した遠心圧縮機
    であって、かつ少なくとも1段の前記遠心圧縮手段を構
    成する前記羽根付ディフューザの一部の羽根を可動羽根
    とした遠心圧縮機を制御するための羽根付ディフューザ
    を備えた遠心圧縮機の制御方法において、 その流量を減少させる場合、まず前記ディフューザの可
    動羽根の開度を最大に保った状態で前記吸入流量制御手
    段の開度を減少させ、次いで、前記吸入流量制御手段の
    開度を減少させながら前記ディフューザの可動羽根の開
    度を減少させると共に、前記ディフューザの可動羽根の
    開度を減少させるように制御する際の前記吸入流量制御
    手段の開度の減少率を、前記ディフューザの可動羽根の
    開度を最大に保った状態での前記吸入流量制御手段の開
    度の減少率を同じか小さく設定して制御することを特徴
    とする 羽根付ディフューザを備えた遠心圧縮機の制御方
    法。
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