JP3557389B2 - 多段遠心圧縮機 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、流量がきわめて少ない状態まで制御が可能な多段遠心圧縮機に関する。
【0002】
【従来技術】
従来1本の回転軸に取付けられた複数の羽根車によりガスなどの流体を多段に圧縮する、いわゆる1軸多段遠心圧縮機は、機器をコンパクトに構成することができるなどの利点があることから広く使用されており、この種の一軸多段遠心圧縮機としては、例えば社団法人 日本冷凍協会発行 冷凍空調便覧II巻 機器編70頁図1.3.4、同71頁図1.3.7に記載されているように、回転軸に外径が等しい羽根車を多段に取付けたものが公知である。
【0003】
また従来の一軸多段遠心圧縮機では、前段に設けられた羽根車の吐出体積流量は、前段の羽根車の吸込体積流量と圧力比の両方の変化の影響を受けるため、後段の羽根車の吸込体積流量は前段の羽根車の吸込体積流量以上に変化が大きく、圧縮機全体としての作動範囲を確保するためには、いわゆる段マッチングと呼ばれる各段の設計点の設定に多大の実績と解析を必要とし、特に1軸多段遠心圧縮機は前段の羽根車も後段の羽根車も回転数が同一であるため、一層精緻な段マッチングが必要になる。
【0004】
このため1軸多段遠心圧縮機の多くは、ディフューザ部分に流体をガイドするための羽を持たない羽根なしディフューザを採用しており、この羽根なしディフューザは段落の作動範囲が広くなるので、段マッチング設計の所要精度を軽減できるなどの利点が得られる。
【0005】
一方機器の安定した運転状態を確保するため、回転軸系の固有振動数は回転周波数より高くするか、一致しないようにする必要があり、機器のコンパクト化が重要な1軸多段遠心圧縮機、例えばターボ冷凍機などの用途に使用される1軸多段遠心圧縮機には、回転軸の先端側に羽根車を取付けた片持ち構造が採用されることが多く、このため回転軸系の高い固有振動数を確保する上で、羽根車を取付ける回転軸の先端側の荷重を低減することが望ましい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし1軸多段遠心圧縮機の多くは、ディフィーザ部分には流れをガイドするための羽根を持たない羽根なしディフューザを採用しているため、流れをガイドするための羽根を持つ羽根付きディフューザを採用した場合に比較して、流体的な効率が数パーセント低下する問題がある。
【0007】
また機器のコンパクト化が重要な1軸多段遠心圧縮機、例えばターボ冷凍機などの用途に使用される片持ち構造の1軸多段遠心圧縮機では、圧縮機の性能上望ましい回転速度を確保できない場合、回転軸系の所要固有振動数を確保するために、羽根車を取付ける回転軸の径や、これを支承する軸受けを大型にするか、望ましい回転速度より低い回転速度で使用するよう設計せざるを得ない場合があり、この点の対策として固有振動が減少しないように、羽根車、戻り流路の軸方向長さを減少させる方法がとられている。
【0008】
しかし遠心羽根車では、基本的に羽根車の回転軸方向から流体を吸入し、回転軸に垂直ないし垂直に近い面内に流体を吐出することから、羽根車、戻り流路の軸方向長さを減少させることは、要素内の流路の曲率が大きくなって流体損失が増加するため、軸方向の長さを減少させることには限界があり、このため1軸多段遠心圧縮機をコンパクト化する上で障害となるなどの問題もある。
【0009】
本発明はかかる問題点を解決するためになされたもので、後段羽根車の出口羽根角を前段羽根車の出口羽根角より小さくすると共に、前段羽根車に対して後段羽根車の外径を大きくすることにより、流量がきわめて少ない状態まで制御が可能で、かつコンパクト化も容易な多段遠心圧縮機を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため本発明の多段遠心圧縮機は、ケーシング内に回転自在に支承された1本の回転軸に、羽根車を多段に設けた多段遠心圧縮機であって、後段羽根車の出口羽根角を前段羽根車の出口羽根角より小さくすると共に、後段羽根車の外径を前段羽根車の外径より大きくしたものである。
【0011】
前記構成により、前段羽根車の羽根出口角が後段羽根車の羽根出口角より大きいため、前段羽根車の圧力上昇の変化は、後段羽根車の圧力上昇の変化より小さくなると共に、吐出し体積流量と吸込み体積流量の比の変化も小さいため、前段の流出体積流量の変化も小さくなり、これによって後段吸込み体積流量の変化を前段羽根車と後段羽根車の外径及び羽根出口角を等しくした従来のものに比べて小さくできるため、後段羽根車と前段羽根車のマッチングが容易になる。
【0012】
前記目的を達成するため本発明の多段遠心圧縮機は、ケーシング内に回転自在に支承された片持ち構造の回転軸の先端側に、羽根車を多段に設けたものである。
【0013】
前記構成により、両持ち構造に比べて軸方向の長さを短縮することができるため、機器のコンパクト化が容易に行える。
【0014】
前記目的を達成するため本発明の多段遠心圧縮機は、各羽根車の外周側に、円形翼列により構成された羽根付ディフューザを設けると共に、円形翼列の弦節比を1より小さくさたものである。
【0015】
前記構成により、羽根付ディフューザを設けても、羽根なしディフューザ並みの性能が良好な流量範囲が得られると共に、羽根付ディフューザを設けることによって、流体の運動エネルギーを圧力に変換する流体効率を大幅に向上させることができる。
【0016】
前記目的を達成するため本発明の多段遠心圧縮機は、後段羽根付ディフューザに設けられた羽根の枚数を、前段羽根付ディフューザに設けられた羽根の枚数より多くしたものである。
【0017】
前記構成により、ディフューザを形成する羽根の弦長を過大にしない設計が可能となる。
【0018】
前記目的を達成するため本発明の多段遠心圧縮機は、前段羽根車の吸込流路に、流量を制御する可動ベーンを設けたものである。
【0019】
前記構成により、可動吸込ベーン上流側の流量がきわめて少ない状態までサージングに入ることがないため、流量がきわめて少ない状態まで制御が可能になる。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施の形態を図面を参照して詳述する。
図1は1軸多段遠心圧縮機の縦断面、図2は羽根車の正面図を示す。
図1において1は前段羽根車、2は後段羽根車、3は前段羽根付ディフューザで、前段羽根車1の接線方向と角度を成して設けられた羽根3aを有している。4は後段羽根付ディフューザで、後段羽根車2の接線方向と角度を成して設けられた羽根4aを有しており、前段羽根車1及び後段羽根車2は、それぞれケーシング5内に前後して収容されていると共に、基端側がケーシング5の軸受け6に支承された回転軸7の先端側にそれぞれ固着されている。
【0021】
また後段羽根車2の外径Dbは、前段羽根車1の外径Daより大きく構成されていおり、前段羽根付ディフューザ3の出口と後段羽根車2の入口は、羽根8aを有する戻り流路8により接続されている。
【0022】
次に前記構成された1軸多段遠心圧縮機の作用を説明すると、図示しない回転駆動源により回転軸7が回転されるのにともない、前段羽根車1を流出した流体の運動エネルギーの一部は前段羽根付ディフューザ3内で圧力に変換されるが、前段羽根付ディフューザ3を流出する流体は、なお前段羽根車1の回転方向の旋回速度成分を持ったまま戻り流路8に流入すると共に、戻り流路8では、羽根8aの作用によって流体の前段羽根車1の回転方向の成分が相殺され、後段羽根車2に流入する。
【0023】
後段段羽根車2を流入した流体は、後段羽根付ディフィーザ4によって流体の運動エネルギーの一部が、後段羽根付ディフィーザ4内の羽根8aによって圧力に変換される。
後段羽根車2の外径Dbは、前段羽根車1の外径Daより予め大きく形成されているので、設計点流量で後段羽根車2の羽根出口角β(図2に示す)を前段羽根車1より小さくしても、後段羽根車2は前段羽根車1と同等のヘッドを発生できるように設計できる。
【0024】
すなわち図3に示すように流量が設計点から変化した場合に、前段羽根車1の羽根出口角βが後段羽根車2の羽根出口角より大きいため、前段羽根車1の圧力上昇の変化は、後段羽根車2の圧力上昇の変化より小さい(このことは遠心羽根車における流量の変化と理論ヘッドの関係に対する羽根出口角の影響から明らかである)。
【0025】
また段前後の圧力上昇の変化が小さい場合、吐出し体積流量と吸込み体積流量の比の変化も小さいため、前段の流出体積流量の変化も小さくなり、従って後段吸込み体積流量の変化を前段羽根車1と後段羽根車2の外径Da、Db及び羽根出口角を等しくした場合より小さくでき、これによって後段羽根車2と前段羽根車1のマッチングが容易になる。
【0026】
一方各羽根車についてのマッチングは容易になるが、圧縮機段は羽根車とディフィーザによって構成されていることから、ディフューザの性能が高い流量範囲が羽根車と同等以上に広くできると、前段羽根車1と後段羽根車2の外径Da,Db及び出口羽根角を変えた効果が一層大きくなる。
【0027】
またディフューザ流路内に羽根を備えない羽根なしディフューザは、性能が良好な流量範囲は広いが、最高性能はディフューザ流路内に羽根を備えた羽根付ディフューザより流体効率が低く、羽根付ディフューザは、性能が良好な流量範囲が狭い上、組み合わせる羽根車とのマッチングの問題が発生する。
【0028】
そこで羽根付ディフューザ3,4を図2に示すように円形翼列により構成し、円形翼列を構成する羽根3a,4aの弦長Cを、平均半径位置ピッチで割った値(円形翼列を構成する羽根3a,4aの前縁位置半径Riと後縁位置半径Reの平均半径を持つ円周を円形翼列を構成する羽根枚数Zで割った値)を弦節比σと定義するとき、
【0029】
【数1】
【0030】
となり、σを1より小さく形成すると、羽根なしディフューザ並みの性能が良好な流量範囲を維持しながら羽根付ディフューザレベルの性能が得られる(妹尾ほか2名、小弦節比円形翼列ディフューザ、日本機械学会論文集B編、45巻396号、1099頁(昭和54年)、速水ほか4名、還音速遠心圧縮機の小弦節比円形翼列ディフューザ、日本機械学会論文集B編、55巻511号、758頁(1989年3月)参照)。
【0031】
Ri、Reは羽根車の外径に比例して設計するから、σの定義式から後段羽根車2の外径が前段羽根車1の外径より大きくなるよう形成すると、後段羽根付ディフューザ4を構成する羽根4aの枚数が前段羽根付ディフューザ3を形成する羽根3aの枚数以上であると、ディフューザを形成する羽根の弦長を過大にしない設計が可能となることが理解できる。
【0032】
図4及び図5は本発明の第2の実施の形態になる1軸多段遠心圧縮機を示すもので、次にこれを説明する。
なお前記第1の実施の形態と同一の部分は同一符号を付して、その説明は省略する。
ケーシング5の前部に設けられた吸込み流路5a内には、流量を制御する可動吸込ベーン10が開閉自在に設けられており、回転軸7には増速歯車11を介して電動機よりなる回転駆動源12が接続されていて、回転駆動源12により増速歯車11を介して回転軸7が増速回転されるようになっている。
【0033】
また後段羽根車2の外径Dbは前段羽根車1の外径Daより予め大きくなるよう形成されているので、羽根車軸系の固有振動数は前段、後段とも同一の外径の羽根車を使用している場合に比べて、回転軸系の固有振動数を高くすることができ、圧縮機の性能上望ましい羽根車回転速度を採用することが可能となる。
【0034】
一方流量制御すべく可動吸込ベーン10の開度を減少させると、各部の圧力は図5に示すようになる。
すなわち可動吸込ベーン10の発生する圧力損失と、可動吸込ベーン10によって流体に旋回成分が与えられることにより流速が増加するため、前段羽根車1の入口の圧力は低くなり、従って可動吸込ベーン10の開度を減少させて、流量を減少させた状態では、前段羽根車1の吸込体積流量は可動吸込ベーン10の上流側程は減少せず、また後段羽根車2と後段羽根付ディフューザ4の吐出圧力は高いが、後段羽根車2の外径Dbが前段羽根車1の外径Daより大きく、かつ後段羽根車2の出口羽根角が前段羽根車1の出口羽根角より小さく形成されているので、前段、後段とも外径が同一の羽根車、同一の出口羽根角の場合に比較して、可動吸込ベーン10上流側の流量がきわめて少ない状態までサージングに入ることがなく、これによって流量がきわめて少ない状態まで制御が可能になる。
【0035】
なお前記実施の形態では、シュラウドを有する羽根車を用いた場合について説明したが、シュラウドのない羽根車を使用しても勿論よい。
【0036】
【発明の効果】
本発明は以上詳述したように、前段羽根車の羽根出口角を後段羽根車の羽根出口角より大きくし、かつ後段羽根車の外径を前段羽根車の外径より大きくしたことから、前段羽根車の圧力上昇の変化は、後段羽根車の圧力上昇の変化より小さいと共に、吐出し体積流量と吸込み体積流量の比の変化も小さいため、前段の流出体積流量の変化も小さくなり、これによって後段吸込み体積流量の変化を、前段羽根車と後段羽根車の外径及び羽根出口角を等しくした従来のものより小さくできるため、後段羽根車と前段羽根車のマッチングが容易になる。
【0037】
またケーシング内に回転自在に支承された片持ち構造の回転軸の先端側に、羽根車を多段に設けたことから、両持ち構造に比べて軸方向の長さを短縮することができるため、機器のコンパクト化が容易に行えると共に、各羽根車の外周側に、円形翼列により構成された羽根付ディフューザを設けたことから、羽根なしディフューザ並みの性能が良好な流量範囲が得られる上、羽根付ディフューザを設けることによって、流体の運動エネルギーを圧力に変換する流体効率を大幅に向上させることができる。
【0038】
さらに前段羽根車の吸込流路に、可動ベーンを設けて流量制御することにより、可動吸込ベーン上流側の流量がきわめて少ない状態までサージングに入ることがないため、流量がきわめて少ない状態まで制御が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の第1の実施の形態になる多段遠心圧縮機の断面図である。
【図2】
本発明の第1の実施の形態になる多段遠心圧縮機に使用する遠心羽根車の正面図である。
【図3】
流量が設計点から変化した場合の羽根出口角の大小による圧力上昇の変化を示す線図である。
【図4】
本発明の第2の実施の形態になる多段遠心圧縮機の断面図である。
【図5】
本発明の実施の形態になる多段遠心圧縮機の吸込流路に設けた可動吸込ベーンにより流量を制御した状態の圧縮機各部の圧力を示す線図である。
【符号の説明】
1 前段羽根車
2 後段羽根車
3 前段羽根付ディフューザ
4 後段羽根付ディフュー
5 ケーシング
5a 吸込流路
7 回転軸
10 可動ベーン
【発明の属する技術分野】
本発明は、流量がきわめて少ない状態まで制御が可能な多段遠心圧縮機に関する。
【0002】
【従来技術】
従来1本の回転軸に取付けられた複数の羽根車によりガスなどの流体を多段に圧縮する、いわゆる1軸多段遠心圧縮機は、機器をコンパクトに構成することができるなどの利点があることから広く使用されており、この種の一軸多段遠心圧縮機としては、例えば社団法人 日本冷凍協会発行 冷凍空調便覧II巻 機器編70頁図1.3.4、同71頁図1.3.7に記載されているように、回転軸に外径が等しい羽根車を多段に取付けたものが公知である。
【0003】
また従来の一軸多段遠心圧縮機では、前段に設けられた羽根車の吐出体積流量は、前段の羽根車の吸込体積流量と圧力比の両方の変化の影響を受けるため、後段の羽根車の吸込体積流量は前段の羽根車の吸込体積流量以上に変化が大きく、圧縮機全体としての作動範囲を確保するためには、いわゆる段マッチングと呼ばれる各段の設計点の設定に多大の実績と解析を必要とし、特に1軸多段遠心圧縮機は前段の羽根車も後段の羽根車も回転数が同一であるため、一層精緻な段マッチングが必要になる。
【0004】
このため1軸多段遠心圧縮機の多くは、ディフューザ部分に流体をガイドするための羽を持たない羽根なしディフューザを採用しており、この羽根なしディフューザは段落の作動範囲が広くなるので、段マッチング設計の所要精度を軽減できるなどの利点が得られる。
【0005】
一方機器の安定した運転状態を確保するため、回転軸系の固有振動数は回転周波数より高くするか、一致しないようにする必要があり、機器のコンパクト化が重要な1軸多段遠心圧縮機、例えばターボ冷凍機などの用途に使用される1軸多段遠心圧縮機には、回転軸の先端側に羽根車を取付けた片持ち構造が採用されることが多く、このため回転軸系の高い固有振動数を確保する上で、羽根車を取付ける回転軸の先端側の荷重を低減することが望ましい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし1軸多段遠心圧縮機の多くは、ディフィーザ部分には流れをガイドするための羽根を持たない羽根なしディフューザを採用しているため、流れをガイドするための羽根を持つ羽根付きディフューザを採用した場合に比較して、流体的な効率が数パーセント低下する問題がある。
【0007】
また機器のコンパクト化が重要な1軸多段遠心圧縮機、例えばターボ冷凍機などの用途に使用される片持ち構造の1軸多段遠心圧縮機では、圧縮機の性能上望ましい回転速度を確保できない場合、回転軸系の所要固有振動数を確保するために、羽根車を取付ける回転軸の径や、これを支承する軸受けを大型にするか、望ましい回転速度より低い回転速度で使用するよう設計せざるを得ない場合があり、この点の対策として固有振動が減少しないように、羽根車、戻り流路の軸方向長さを減少させる方法がとられている。
【0008】
しかし遠心羽根車では、基本的に羽根車の回転軸方向から流体を吸入し、回転軸に垂直ないし垂直に近い面内に流体を吐出することから、羽根車、戻り流路の軸方向長さを減少させることは、要素内の流路の曲率が大きくなって流体損失が増加するため、軸方向の長さを減少させることには限界があり、このため1軸多段遠心圧縮機をコンパクト化する上で障害となるなどの問題もある。
【0009】
本発明はかかる問題点を解決するためになされたもので、後段羽根車の出口羽根角を前段羽根車の出口羽根角より小さくすると共に、前段羽根車に対して後段羽根車の外径を大きくすることにより、流量がきわめて少ない状態まで制御が可能で、かつコンパクト化も容易な多段遠心圧縮機を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため本発明の多段遠心圧縮機は、ケーシング内に回転自在に支承された1本の回転軸に、羽根車を多段に設けた多段遠心圧縮機であって、後段羽根車の出口羽根角を前段羽根車の出口羽根角より小さくすると共に、後段羽根車の外径を前段羽根車の外径より大きくしたものである。
【0011】
前記構成により、前段羽根車の羽根出口角が後段羽根車の羽根出口角より大きいため、前段羽根車の圧力上昇の変化は、後段羽根車の圧力上昇の変化より小さくなると共に、吐出し体積流量と吸込み体積流量の比の変化も小さいため、前段の流出体積流量の変化も小さくなり、これによって後段吸込み体積流量の変化を前段羽根車と後段羽根車の外径及び羽根出口角を等しくした従来のものに比べて小さくできるため、後段羽根車と前段羽根車のマッチングが容易になる。
【0012】
前記目的を達成するため本発明の多段遠心圧縮機は、ケーシング内に回転自在に支承された片持ち構造の回転軸の先端側に、羽根車を多段に設けたものである。
【0013】
前記構成により、両持ち構造に比べて軸方向の長さを短縮することができるため、機器のコンパクト化が容易に行える。
【0014】
前記目的を達成するため本発明の多段遠心圧縮機は、各羽根車の外周側に、円形翼列により構成された羽根付ディフューザを設けると共に、円形翼列の弦節比を1より小さくさたものである。
【0015】
前記構成により、羽根付ディフューザを設けても、羽根なしディフューザ並みの性能が良好な流量範囲が得られると共に、羽根付ディフューザを設けることによって、流体の運動エネルギーを圧力に変換する流体効率を大幅に向上させることができる。
【0016】
前記目的を達成するため本発明の多段遠心圧縮機は、後段羽根付ディフューザに設けられた羽根の枚数を、前段羽根付ディフューザに設けられた羽根の枚数より多くしたものである。
【0017】
前記構成により、ディフューザを形成する羽根の弦長を過大にしない設計が可能となる。
【0018】
前記目的を達成するため本発明の多段遠心圧縮機は、前段羽根車の吸込流路に、流量を制御する可動ベーンを設けたものである。
【0019】
前記構成により、可動吸込ベーン上流側の流量がきわめて少ない状態までサージングに入ることがないため、流量がきわめて少ない状態まで制御が可能になる。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施の形態を図面を参照して詳述する。
図1は1軸多段遠心圧縮機の縦断面、図2は羽根車の正面図を示す。
図1において1は前段羽根車、2は後段羽根車、3は前段羽根付ディフューザで、前段羽根車1の接線方向と角度を成して設けられた羽根3aを有している。4は後段羽根付ディフューザで、後段羽根車2の接線方向と角度を成して設けられた羽根4aを有しており、前段羽根車1及び後段羽根車2は、それぞれケーシング5内に前後して収容されていると共に、基端側がケーシング5の軸受け6に支承された回転軸7の先端側にそれぞれ固着されている。
【0021】
また後段羽根車2の外径Dbは、前段羽根車1の外径Daより大きく構成されていおり、前段羽根付ディフューザ3の出口と後段羽根車2の入口は、羽根8aを有する戻り流路8により接続されている。
【0022】
次に前記構成された1軸多段遠心圧縮機の作用を説明すると、図示しない回転駆動源により回転軸7が回転されるのにともない、前段羽根車1を流出した流体の運動エネルギーの一部は前段羽根付ディフューザ3内で圧力に変換されるが、前段羽根付ディフューザ3を流出する流体は、なお前段羽根車1の回転方向の旋回速度成分を持ったまま戻り流路8に流入すると共に、戻り流路8では、羽根8aの作用によって流体の前段羽根車1の回転方向の成分が相殺され、後段羽根車2に流入する。
【0023】
後段段羽根車2を流入した流体は、後段羽根付ディフィーザ4によって流体の運動エネルギーの一部が、後段羽根付ディフィーザ4内の羽根8aによって圧力に変換される。
後段羽根車2の外径Dbは、前段羽根車1の外径Daより予め大きく形成されているので、設計点流量で後段羽根車2の羽根出口角β(図2に示す)を前段羽根車1より小さくしても、後段羽根車2は前段羽根車1と同等のヘッドを発生できるように設計できる。
【0024】
すなわち図3に示すように流量が設計点から変化した場合に、前段羽根車1の羽根出口角βが後段羽根車2の羽根出口角より大きいため、前段羽根車1の圧力上昇の変化は、後段羽根車2の圧力上昇の変化より小さい(このことは遠心羽根車における流量の変化と理論ヘッドの関係に対する羽根出口角の影響から明らかである)。
【0025】
また段前後の圧力上昇の変化が小さい場合、吐出し体積流量と吸込み体積流量の比の変化も小さいため、前段の流出体積流量の変化も小さくなり、従って後段吸込み体積流量の変化を前段羽根車1と後段羽根車2の外径Da、Db及び羽根出口角を等しくした場合より小さくでき、これによって後段羽根車2と前段羽根車1のマッチングが容易になる。
【0026】
一方各羽根車についてのマッチングは容易になるが、圧縮機段は羽根車とディフィーザによって構成されていることから、ディフューザの性能が高い流量範囲が羽根車と同等以上に広くできると、前段羽根車1と後段羽根車2の外径Da,Db及び出口羽根角を変えた効果が一層大きくなる。
【0027】
またディフューザ流路内に羽根を備えない羽根なしディフューザは、性能が良好な流量範囲は広いが、最高性能はディフューザ流路内に羽根を備えた羽根付ディフューザより流体効率が低く、羽根付ディフューザは、性能が良好な流量範囲が狭い上、組み合わせる羽根車とのマッチングの問題が発生する。
【0028】
そこで羽根付ディフューザ3,4を図2に示すように円形翼列により構成し、円形翼列を構成する羽根3a,4aの弦長Cを、平均半径位置ピッチで割った値(円形翼列を構成する羽根3a,4aの前縁位置半径Riと後縁位置半径Reの平均半径を持つ円周を円形翼列を構成する羽根枚数Zで割った値)を弦節比σと定義するとき、
【0029】
【数1】
【0030】
となり、σを1より小さく形成すると、羽根なしディフューザ並みの性能が良好な流量範囲を維持しながら羽根付ディフューザレベルの性能が得られる(妹尾ほか2名、小弦節比円形翼列ディフューザ、日本機械学会論文集B編、45巻396号、1099頁(昭和54年)、速水ほか4名、還音速遠心圧縮機の小弦節比円形翼列ディフューザ、日本機械学会論文集B編、55巻511号、758頁(1989年3月)参照)。
【0031】
Ri、Reは羽根車の外径に比例して設計するから、σの定義式から後段羽根車2の外径が前段羽根車1の外径より大きくなるよう形成すると、後段羽根付ディフューザ4を構成する羽根4aの枚数が前段羽根付ディフューザ3を形成する羽根3aの枚数以上であると、ディフューザを形成する羽根の弦長を過大にしない設計が可能となることが理解できる。
【0032】
図4及び図5は本発明の第2の実施の形態になる1軸多段遠心圧縮機を示すもので、次にこれを説明する。
なお前記第1の実施の形態と同一の部分は同一符号を付して、その説明は省略する。
ケーシング5の前部に設けられた吸込み流路5a内には、流量を制御する可動吸込ベーン10が開閉自在に設けられており、回転軸7には増速歯車11を介して電動機よりなる回転駆動源12が接続されていて、回転駆動源12により増速歯車11を介して回転軸7が増速回転されるようになっている。
【0033】
また後段羽根車2の外径Dbは前段羽根車1の外径Daより予め大きくなるよう形成されているので、羽根車軸系の固有振動数は前段、後段とも同一の外径の羽根車を使用している場合に比べて、回転軸系の固有振動数を高くすることができ、圧縮機の性能上望ましい羽根車回転速度を採用することが可能となる。
【0034】
一方流量制御すべく可動吸込ベーン10の開度を減少させると、各部の圧力は図5に示すようになる。
すなわち可動吸込ベーン10の発生する圧力損失と、可動吸込ベーン10によって流体に旋回成分が与えられることにより流速が増加するため、前段羽根車1の入口の圧力は低くなり、従って可動吸込ベーン10の開度を減少させて、流量を減少させた状態では、前段羽根車1の吸込体積流量は可動吸込ベーン10の上流側程は減少せず、また後段羽根車2と後段羽根付ディフューザ4の吐出圧力は高いが、後段羽根車2の外径Dbが前段羽根車1の外径Daより大きく、かつ後段羽根車2の出口羽根角が前段羽根車1の出口羽根角より小さく形成されているので、前段、後段とも外径が同一の羽根車、同一の出口羽根角の場合に比較して、可動吸込ベーン10上流側の流量がきわめて少ない状態までサージングに入ることがなく、これによって流量がきわめて少ない状態まで制御が可能になる。
【0035】
なお前記実施の形態では、シュラウドを有する羽根車を用いた場合について説明したが、シュラウドのない羽根車を使用しても勿論よい。
【0036】
【発明の効果】
本発明は以上詳述したように、前段羽根車の羽根出口角を後段羽根車の羽根出口角より大きくし、かつ後段羽根車の外径を前段羽根車の外径より大きくしたことから、前段羽根車の圧力上昇の変化は、後段羽根車の圧力上昇の変化より小さいと共に、吐出し体積流量と吸込み体積流量の比の変化も小さいため、前段の流出体積流量の変化も小さくなり、これによって後段吸込み体積流量の変化を、前段羽根車と後段羽根車の外径及び羽根出口角を等しくした従来のものより小さくできるため、後段羽根車と前段羽根車のマッチングが容易になる。
【0037】
またケーシング内に回転自在に支承された片持ち構造の回転軸の先端側に、羽根車を多段に設けたことから、両持ち構造に比べて軸方向の長さを短縮することができるため、機器のコンパクト化が容易に行えると共に、各羽根車の外周側に、円形翼列により構成された羽根付ディフューザを設けたことから、羽根なしディフューザ並みの性能が良好な流量範囲が得られる上、羽根付ディフューザを設けることによって、流体の運動エネルギーを圧力に変換する流体効率を大幅に向上させることができる。
【0038】
さらに前段羽根車の吸込流路に、可動ベーンを設けて流量制御することにより、可動吸込ベーン上流側の流量がきわめて少ない状態までサージングに入ることがないため、流量がきわめて少ない状態まで制御が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の第1の実施の形態になる多段遠心圧縮機の断面図である。
【図2】
本発明の第1の実施の形態になる多段遠心圧縮機に使用する遠心羽根車の正面図である。
【図3】
流量が設計点から変化した場合の羽根出口角の大小による圧力上昇の変化を示す線図である。
【図4】
本発明の第2の実施の形態になる多段遠心圧縮機の断面図である。
【図5】
本発明の実施の形態になる多段遠心圧縮機の吸込流路に設けた可動吸込ベーンにより流量を制御した状態の圧縮機各部の圧力を示す線図である。
【符号の説明】
1 前段羽根車
2 後段羽根車
3 前段羽根付ディフューザ
4 後段羽根付ディフュー
5 ケーシング
5a 吸込流路
7 回転軸
10 可動ベーン
Claims (5)
- ケーシング内に回転自在に支承された1本の回転軸に、羽根車を多段に設けた多段遠心圧縮機であって、後段羽根車の出口羽根角を前段羽根車の出口羽根角より小さくすると共に、後段羽根車の外径を前段羽根車の外径より大きくしたことを特徴とする多段遠心圧縮機。
- ケーシング内に回転自在に支承された片持ち構造の回転軸の先端側に、羽根車を多段に設けてなる請求項1記載の多段遠心圧縮機。
- 各羽根車の外周側に、円形翼列により構成された羽根付ディフューザを設けると共に、円形翼列の弦節比を1より小さくしてなる請求項1または2に記載の多段遠心圧縮機。
- 後段羽根付ディフューザに設けられた羽根の枚数を、前段羽根付ディフューザに設けられた羽根の枚数より多くしてなる請求項1ないし3の何れか1項に記載の多段遠心圧縮機。
- 前段羽根車の吸込流路に、流量を制御する可動ベーンを設けてなる請求項1ないし4の何れか1項に記載の多段遠心圧縮機。
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