JP3735376B2 - 遠心圧縮機及びこの遠心圧縮機を用いるターボ冷凍機 - Google Patents
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Description
技術分野
本発明は羽根車入口に流量制御装置と羽根付ディフューザとを備えた遠心圧縮機に関し、特に流量が極めて少ない状態まで制御し、小流量運転時の消費動力を低減する遠心圧縮機及びこの遠心圧縮機を用いるターボ冷凍機に係る。
背景技術
遠心圧縮機の羽根車入口の上流流路に設けた流量制御装置として、吸込ダンパあるいは吸込ベーンなどの流量調整板が広く用いられている。
吸込ダンパは、たとえばエッカート著「アキシャル ウント ラディアルコンプレッソーレン」第2版スプリンガー1961年418頁の図435に示されているように、羽根車上流の流路に設けた可変断面積の絞り機構であり、圧力損失を発生させて、吸込ダンパを含めた遠心圧縮機の圧力上昇を減少させて流量を制御するものである。
また吸込ベーンは、たとえば生井、井上著「ターボ送風機と圧縮機」(初版コロナ社昭和63年8月発行)第676頁、図15.16に示されているように、羽根車上流の流路に設けた複数のベーンによって、流体の流れに羽根車の回転方向と同じ方向の旋回を与える機構であり、羽根車の消費動力と昇圧作用を同時に減少させることにより、遠心圧縮機の圧力上昇を減少させて流量を制御するものである。多くは4ないし5枚以上の可動ベーンによって構成され、エネルギー損失が少なく、また羽根車入口断面流れの均一性が良く、騒音、振動、効率いずれの点でも望ましい。
さらにまた、遠心圧縮機では効率を向上させるため、前記「ターボ送風機と圧縮機」の第254頁、図6.66に示されているように、羽根車外周の流路に設けた複数のベーンにより流れの運動エネルギーを効率的に圧力に変換するため、複数の羽根あるいは流路を配置した羽根付ディフューザが広く用いられている。
しかし、「アキシャル ウント ラディアルコンプレッソーレン」に記載のものでは、吸込ダンパで発生させた圧力損失に対応してエネルギー損失が発生し、特に大容量の機種ではエネルギー損失が大きくなる。また流れが羽根車入口断面の片方の側に偏ることにより騒音、振動が発生する。
また、「ターボ送風機と圧縮機」第676頁、図15.16に示すのものでは、多数のベーンを同期して回転させるため構造が複雑となり、小容量の機種では用途が限られている。
さらにまた、第254頁、図6.66に示すものでは、羽根が互いに近接して羽根間が両側を羽根面に囲まれた通路部を構成するため、流れの運動エネルギーが効率的に圧力に変換される。その反面、流量を減少させると通路で大規模な逆流が生じ、通路内の圧力上昇が低下(いわゆる失速の発生)してサージングなどの不安定現象が発生する。吸込ダンパあるいは吸込ベーンを備えた遠心圧縮機は、設計点流量の50%以下の流量で運転されることが多く、吸込ダンパあるいは吸込ベーンの抵抗あるいは予旋回作用による圧縮機の安定運転化作用のみでは、所要最低運転流量で圧縮機を運転できない場合がある。
本発明の目的は、小流量運転時のエネルギー損失と、騒音、振動の低減を単純な構造で実現するとともに、小流量側の運転流量範囲の拡大を図れる遠心圧縮機及びこの遠心圧縮機を用いるターボ冷凍機を提供することにある。
発明の開示
上記目的は、羽根車入口の吸込流路に流体の吸込流量を制御する流量制御装置と、ディフューザに配置した羽根が円形翼列を構成している羽根付ディフューザとを備える遠心圧縮機において、前記流量制御装置は前記吸込流路に垂直な方向から吸込流路に平行な方向までに回転可能であって分割されて流量調整板と、この流量調整板を互いに逆方向に回転駆動する駆動源とで構成し、羽根付ディフューザの羽根は、当該羽根の前縁と隣接する他の羽根の表面間の距離が前記羽根の前縁と前記他の羽根の後縁との間で最小となるように配置する、ことによって達成される。
また上記目的は、羽根車入口の吸込流路に流体の吸込流量を制御する流量制御装置と、ディフューザに配置した羽根が円形翼列を構成している羽根付ディフューザとを備える遠心圧縮機において、前記流量制御装置は前記吸込流路に垂直な方向から吸込流路に平行な方向までに回転可能であって分割されて流量調整板と、この流量調整板を互いに逆方向に回転駆動する駆動源とで構成し、羽根付ディフューザの羽根は、当該羽根の前縁と隣接する他の羽根の表面間の距離が前記羽根の前縁と前記他の羽根の後縁との間で最小となるように配置するとともに、円形翼列を構成隣接する内周の羽根のそり線の前縁位置に法線を立てたとき、外周方向に向かう法線は内周の円形翼列の外周に円形翼列を構成して配置する羽根と交差する、ことによって達成される。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1の実施例の遠心圧縮機の縦断面図である。
第2図は第1図に示す実施例の流量調整板を、流量調整板の上流側から見た図である。
第3図は第1図に示す実施例の流量調整板を、流量調整板の下流側から見た図である。
第4図は第1図に示す実施例の羽根車を、羽根車の回転軸方向から見た図である。
第5図は第1図に示す実施例の羽根付ディフューザの効果を示す図である。
第6図は本発明の第2実施例の遠心圧縮機の、羽根車と羽根付ディフューザにおける羽根の配置を示す図である。
第7図は本発明の第3実施例の遠心圧縮機の、羽根車と羽根付ディフューザにおける羽根の配置を示す図である。
第8図は本発明の第4の実施例の遠心圧縮機を縦断面図である。
第9図は第8図に示す実施例の流量調整板を中間開度にし、流量調整板の上方から見た図である。
第10図は第8図に示す実施例の流量調整板を中間開度にし、流量調整板の下流側から見た図である。
第11図は本発明の第5の実施例の遠心圧縮機の縦断面図である。
第12図は第11図に示す実施例の流量調整板を全開にし、流量調整板の上方から見た図である。
第13図は第11図に示す実施例の流量調整板を全開にし、流量調整板の下流側から見た図である。
第14図は第11図に示す実施例の流量調整板を中間開度にし、流量調整板の上方から見た図である。
第15図は第11図に示す実施例の流量調整板を中間開度にし、流量調整板の下流側から見た図である。
第16図は第11図に示す実施例の流量調整板を全閉にし、流量調整板の上方から見た図である。
第17図は第11図に示す実施例の流量調整板を全閉にし、流量調整板の下流側から見た図である。
第18図は本発明の第6の実施例の流量調整板を全開にし、流量調整板の上方から見た図である。
第19図は第18図に示す実施例の流量調整板を全開にし、流量調整板の下流側から見た図である。
第20図は第18図に示す実施例の流量調整板を中間開度にし、流量調整板の上方から見た図である。
第21図は第18図に示す実施例の流量調整板を中間開度にし、流量調整板の下流側から見た図である。
第22図は第18図に示す実施例の流量調整板を全閉にし、流量調整板の上方から見た図である。
第23図は第18図に示す実施例の流量調整板を全閉にし、流量調整板の下流側から見た図である。
発明を実施するための最良の形態
第1図ないし第5図に本発明の第1の実施例を示す。
本実施例は、羽根車入口の上流に設けられた吸込流路と2枚の互いに逆方向に回転可動な流量調整板とからなる流量制御装置と、円形翼列を構成する羽根の前縁と隣接する羽根表面間の距離が、隣接する他の羽根の後縁で最小となる1重の円形翼列により構成された羽根付ディフューザとを備え、ターボ冷凍機に用いる遠心圧縮機の例である。
第1図は遠心圧縮機の羽根車回転軸を含む縦断面図を示す。遠心圧縮機は羽根車1、ディフューザ2、これらを収容するケーシング3、吸込流路4によって構成されている。流量調整板5、この流量調整板5を回転駆動するためのアクチュエータ6(駆動源)からなる流量調整装置7を備えている。流量調整板5はアクチュエータ6により回転可能に支持、駆動される。ディフューザ2は複数のディフューザ羽根8を備えている。流体は矢印の方向に流れる。
第2図及び第3図は流量調整装置7の動作を示す図である。
第2図は、第1図の流量調整板5の部分を回転軸の上方から見た図、第3図は流量調整板5の部分をその下流側から見た図である。流体は矢印のように流入する。全開もしくは全閉の状態では、従来から多用されている流量調整板が1枚のダンパとほぼ同じ流れ状態である。
しかし、中間開度では違いが著しい。すなわち吸込ベーンと同様の旋回流が発生する。矢印a、b、c、a′、b′、c′は代表的な流れを示す。a、b、c、は断面の上半分の流量調整板5に流入する流れ、a′、b′、c′は断面の下半分の流量調整板に流入する流れである。初めに上半分の流量調整板5に流入する流れa、b、cについて説明すると、壁面近くの流れa、cは、流量調整板5と壁面の間の隙間を通過できるので、流量調整板5に沿う方向にガイドされ右から左に向かう速度成分を持って流れる。流量調整板5と壁面の間の隙間にはすでに流れa、cがあるため、中央付近の流れbは壁面に向わず下側に潜り込む。下側に潜り込んだ後、下半分の流量調整板5′に沿う方向にガイドされ左から右に向かう速度成分を持って流れる。下半分の流量調整板5′に流入する流れa′、b′、c′は、下流側から見て流路断面の中心に関して点対象になるので旋回流が発生する。この点で吸込ダンパと異なり、吸込ベーンと同様に羽根車1上流の予旋回による流量調整が可能となり、このため大幅な省エネルギーが可能となる。
なお、多くの遠心圧縮機では駆動電動機の起動電流を低減するために、起動時に吸込ベーン(あるいは吸込ダンパ)により吸込流路をほぼ全閉の状態とする。このため、本実施例でも全閉が可能なように構成してある。2枚の流量調整板5、5′の同期回転駆動は、たとえばサーボモータによる電動式、リンク機構、ギヤ機構あるいはこれらの組み合わせが可能である。従来の4ないし5枚以上の可動ベーンを使用する吸込ベーンと比較すると構造は著しく単純である。
第4図は、羽根車1とディフューザ羽根8とを羽根車1の回転軸方向から見た図である。ディフューザ羽根8の前縁と他の隣接する羽根表面間距離btは、隣接する他の羽根の後縁で最小となるように構成されているから、両側を羽根面に囲まれた通路を構成しない。
第5図は、ディフューザ羽根8の前縁と他の隣接する羽根表面間の距離btが隣接する羽根の後縁で最小となるように構成された円形翼列から成る羽根付ディフューザと、羽根車入口の吸込流路に設けられた流量調整板5との組み合わせによる複合効果を説明する図である。
図は、流量調整板5の開度100%と40%とのそれぞれにおける吸込流量QとヘッドHとの関係を、従来の羽根面に囲まれた通路部を持つ羽根付ディフューザを備えた場合と、本実施例の通路部を持たない羽根付ディフューザを備えた場合とについて示したものである。
図から明らかなように、本実施例の遠心圧縮機の方が通路部を構成する遠心圧縮機に比較して、小流量側の運転範囲を拡大できる。
また、羽根付ディフューザが両側を羽根面に囲まれ通路を構成する従来の遠心圧縮機と、通路を構成しない本実施例の遠心圧縮機とを比較した場合に最大圧力回復性能に差が少ないことを示している。このため、流量調整板5の開度100%の最高ヘッドH1は同一となる。
さらに、羽根面に囲まれた通路を構成する従来の遠心圧縮機と、通路を構成しないように本実施例の遠心圧縮機との大きな違いは、ヘッド低下が最高ヘッドH1となる流量Q1より小流量側で顕著に現れることである。
その理由は、羽根面に囲まれた通路を構成する羽根付ディフューザの場合、流量Q1より小流量側では、羽根面に囲まれた通路全体に及ぶ大規模かつ強力な逆流が発生し、このためディフューザの圧力回復性能が低下し、ヘッド上昇が破線のように急激に低下するためである。
これに対し、羽根面に囲まれた通路を構成しない羽根付ディフューザの場合、流量Q1より小流量側ではディフューザ羽根8の羽根車1に面した側に逆流が発生しても、ディフューザ羽根8が羽根車1に対面しない面側では逆流が発生しない。このため、ディフューザにおける圧力回復性能低下は少なく、ヘッド上昇低下は一点鎖線のように緩やかになる。しかし、流量調整板5が開度100%の場合、流量Q1より小流量側では遠心圧縮機の配管系を含んだサージングなどの不安定現象を起こすので、羽根付ディフューザの通路部の有無による運転流量範囲に差は現れない。
流量調整板5が開度40%の場合は、羽根付ディフューザの前記通路部の有無により運転流量範囲に明瞭な差が現れる。流量調整板5の開度を減少させると、流量調整板5による圧力損失の増加と予旋回発生作用によりヘッドは低下する。流量調整板5を含んだ遠心圧縮機の流量ーヘッド上昇特性は、流量調整板5が開度100%の場合の特性から、開度40%時のヘッド低下を差し引いたものになり、流量調整板5が開度100%の場合より流量ーヘッド上昇特性の右下がり傾向が強くなる。このため、サージングなどの不安定現象抑制傾向が強い。その結果、流量調整板5の開度100%の場合の流量Q1より小流量側のヘッド低下の差により前記通路部が有する羽根付ディフューザを備えた場合は、流量Q1′より小流量側で流量ーヘッド上昇特性が右上がりとなり、このためサージングなどの不安定現象が発生し、実際上、遠心圧縮機の運転が困難になる。
これに対し、前記通路部の無い羽根付ディフューザを備えた本実施例の遠心圧縮機では、流量Q1′より小流量側の流量Q2まで流量ーヘッド上昇特性が右下がりとなり、そのため遠心圧縮機の運転が可能となる。
上述するように、前記通路部の無い羽根付ディフューザ2と流量調整板5とを備えた遠心圧縮機の流量を、流量調整板5の開度の制御により減少させると、流量調整板5の不安定現象抑制作用と前記通路部の無い羽根付ディフューザ2の特性の複合作用によって、小流量側の運転範囲が大幅に拡大する。
図6は第2の実施例を示す。
ディフューザ羽根8前縁と隣接する羽根表面間の距離btは隣接する羽根の後縁で最小となるように構成し、羽根面に囲まれた通路を構成しない2重円形翼列により羽根付ディフューザを構成し、さらに圧力回復性能を強化するものである。本実施例では、内周の円形翼列を構成するディフューザ羽根8にそり線iを引いたとき、このそり線iの前縁位置に立てた外周方向に向かう法線fは、外周に配設された円形翼列を構成するディフューザ羽根8と交差せず、かつ、そり線iの後縁位置に立てた外周方向に向かう法線gは外周に配設された円形翼列を構成するディフューザ羽根8と交差するように構成してある。また、設計点付近の流量では、内周と外周の円形翼列の間の羽根面に囲まれた通路は高い圧力回復性能を持つとともに、小流量の状態では、羽根面に囲まれた通路の流れの一部分に運動エネルギーが不足して外周側へ流体が流出できなくても、前記法線fが外周に配設された円形翼列を構成するディフューザ羽根8と交差しないよう構成されているので、流体は矢印hのように内周側に戻ることができる。このため、羽根面に囲まれた通路全体にわたる大規模な逆流が発生せず、したがって、圧力回復性能にも大幅な低下はない、という特徴を備えている。
第7図は第3の実施例を示す。
第6図の第2の実施例の圧力回復性能をさらに高めるため、羽根付ディフューザ8を3重翼列で構成したもので、高い性能と広い流量範囲を実現できる。
第8図ないし第10図に本発明の第4の実施例を示す。
第8図は遠心圧縮機の羽根車回転軸を含む縦断面図、第9図は第8図の流量調整板5の部分を回転軸の上方から見た図、第10図は流量調整板5の部分をその下流側から見た図である。
第4の実施例は、中間開度における流量調整板5の旋回流発生作用をさらに強化するため、整流板9を流量調整板5の回転軸を含む吸込流路4の下流側横断面に配置したものである。整流板9の作用を前記第1の実施例の第2図、第3図を利用して説明する。
前記第1の実施例では、吸込流路4が分割されていないので、流れbとb′は流量調整板5の下流側で直接接触し、このため吸込流路4の長さ方向以外の速度成分、従って旋回流が減殺される。しかし、整流板9があると、流れbとb′の直接の接触が防止されて旋回流が減殺されず、上側から下側に潜り込む流れbと下側から上側に湧き上がる流れb′とが旋回流の生成に寄与する。このため、旋回流が第1の実施例よりさらに強力になる、という特徴をもつ。
第11図ないし第17図に、本発明の第5の実施例を示す。
第11図は遠心圧縮機の羽根車回転軸を含む縦断面図、第12図は図の流量調整板5の全開時を回転軸の上方から見た図、第13図は流量調整板5の全開時を流量調整板5の下流側から見た図である。第14図、第15図は流量調整板5の中間開度、第16図、第17図は流量調整板5の全閉時を示す。
本実施例は、第4の実施例と同様の作用をする整流板10を、流量調整板5と一体に形成したものである。すなわち、半円形に2分割した流量調整板5のそれぞれに、好ましくはそれぞれの端部に、流量調整板5に対して概ね直角であって、かつ流体の流れ方向と平行な方向に整流板10を取り付けるものである。好ましくは、取り付け構造は、流量調整板5と整流板10とを一体に形成する。
この結果、構造が単純化されて製造、組立てが容易になる。
第18図ないし第23図は第6の実施例である。
本実施例は、第6の実施例の旋回流発生作用をさらに強化する場合の実施例で、流量調整板5と一体に形成された整流板10に誘導板11を取り付けるものである。第18図、第19図は流量調整板5の全開時である。図に示すように、誘導板11は流量調整板5と平行に取り付け、全開時に流れの抵抗にならないようにする。また、第20図、第21図の中間開度に示すように、流体は流量調整板5の中央付近に向かって流れた後、潜り込む流れb、湧き上がる流れb′がいずれも誘導板11によって確実にガイドされるので、旋回がさらに強化される。
なお、第22図、第23図は流量調整板5の全閉時を示す。
羽根車入口に流量制御装置を設けた遠心圧縮機において、2枚の流量調整板からなる単純な構造の流量制御装置により、小流量運転時の消費動力、不均一流れに起因する騒音と振動を大幅に低減されるとともに、小流量側の運転流量範囲の拡大をはかれる。
本発明は羽根車入口に流量制御装置と羽根付ディフューザとを備えた遠心圧縮機に関し、特に流量が極めて少ない状態まで制御し、小流量運転時の消費動力を低減する遠心圧縮機及びこの遠心圧縮機を用いるターボ冷凍機に係る。
背景技術
遠心圧縮機の羽根車入口の上流流路に設けた流量制御装置として、吸込ダンパあるいは吸込ベーンなどの流量調整板が広く用いられている。
吸込ダンパは、たとえばエッカート著「アキシャル ウント ラディアルコンプレッソーレン」第2版スプリンガー1961年418頁の図435に示されているように、羽根車上流の流路に設けた可変断面積の絞り機構であり、圧力損失を発生させて、吸込ダンパを含めた遠心圧縮機の圧力上昇を減少させて流量を制御するものである。
また吸込ベーンは、たとえば生井、井上著「ターボ送風機と圧縮機」(初版コロナ社昭和63年8月発行)第676頁、図15.16に示されているように、羽根車上流の流路に設けた複数のベーンによって、流体の流れに羽根車の回転方向と同じ方向の旋回を与える機構であり、羽根車の消費動力と昇圧作用を同時に減少させることにより、遠心圧縮機の圧力上昇を減少させて流量を制御するものである。多くは4ないし5枚以上の可動ベーンによって構成され、エネルギー損失が少なく、また羽根車入口断面流れの均一性が良く、騒音、振動、効率いずれの点でも望ましい。
さらにまた、遠心圧縮機では効率を向上させるため、前記「ターボ送風機と圧縮機」の第254頁、図6.66に示されているように、羽根車外周の流路に設けた複数のベーンにより流れの運動エネルギーを効率的に圧力に変換するため、複数の羽根あるいは流路を配置した羽根付ディフューザが広く用いられている。
しかし、「アキシャル ウント ラディアルコンプレッソーレン」に記載のものでは、吸込ダンパで発生させた圧力損失に対応してエネルギー損失が発生し、特に大容量の機種ではエネルギー損失が大きくなる。また流れが羽根車入口断面の片方の側に偏ることにより騒音、振動が発生する。
また、「ターボ送風機と圧縮機」第676頁、図15.16に示すのものでは、多数のベーンを同期して回転させるため構造が複雑となり、小容量の機種では用途が限られている。
さらにまた、第254頁、図6.66に示すものでは、羽根が互いに近接して羽根間が両側を羽根面に囲まれた通路部を構成するため、流れの運動エネルギーが効率的に圧力に変換される。その反面、流量を減少させると通路で大規模な逆流が生じ、通路内の圧力上昇が低下(いわゆる失速の発生)してサージングなどの不安定現象が発生する。吸込ダンパあるいは吸込ベーンを備えた遠心圧縮機は、設計点流量の50%以下の流量で運転されることが多く、吸込ダンパあるいは吸込ベーンの抵抗あるいは予旋回作用による圧縮機の安定運転化作用のみでは、所要最低運転流量で圧縮機を運転できない場合がある。
本発明の目的は、小流量運転時のエネルギー損失と、騒音、振動の低減を単純な構造で実現するとともに、小流量側の運転流量範囲の拡大を図れる遠心圧縮機及びこの遠心圧縮機を用いるターボ冷凍機を提供することにある。
発明の開示
上記目的は、羽根車入口の吸込流路に流体の吸込流量を制御する流量制御装置と、ディフューザに配置した羽根が円形翼列を構成している羽根付ディフューザとを備える遠心圧縮機において、前記流量制御装置は前記吸込流路に垂直な方向から吸込流路に平行な方向までに回転可能であって分割されて流量調整板と、この流量調整板を互いに逆方向に回転駆動する駆動源とで構成し、羽根付ディフューザの羽根は、当該羽根の前縁と隣接する他の羽根の表面間の距離が前記羽根の前縁と前記他の羽根の後縁との間で最小となるように配置する、ことによって達成される。
また上記目的は、羽根車入口の吸込流路に流体の吸込流量を制御する流量制御装置と、ディフューザに配置した羽根が円形翼列を構成している羽根付ディフューザとを備える遠心圧縮機において、前記流量制御装置は前記吸込流路に垂直な方向から吸込流路に平行な方向までに回転可能であって分割されて流量調整板と、この流量調整板を互いに逆方向に回転駆動する駆動源とで構成し、羽根付ディフューザの羽根は、当該羽根の前縁と隣接する他の羽根の表面間の距離が前記羽根の前縁と前記他の羽根の後縁との間で最小となるように配置するとともに、円形翼列を構成隣接する内周の羽根のそり線の前縁位置に法線を立てたとき、外周方向に向かう法線は内周の円形翼列の外周に円形翼列を構成して配置する羽根と交差する、ことによって達成される。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1の実施例の遠心圧縮機の縦断面図である。
第2図は第1図に示す実施例の流量調整板を、流量調整板の上流側から見た図である。
第3図は第1図に示す実施例の流量調整板を、流量調整板の下流側から見た図である。
第4図は第1図に示す実施例の羽根車を、羽根車の回転軸方向から見た図である。
第5図は第1図に示す実施例の羽根付ディフューザの効果を示す図である。
第6図は本発明の第2実施例の遠心圧縮機の、羽根車と羽根付ディフューザにおける羽根の配置を示す図である。
第7図は本発明の第3実施例の遠心圧縮機の、羽根車と羽根付ディフューザにおける羽根の配置を示す図である。
第8図は本発明の第4の実施例の遠心圧縮機を縦断面図である。
第9図は第8図に示す実施例の流量調整板を中間開度にし、流量調整板の上方から見た図である。
第10図は第8図に示す実施例の流量調整板を中間開度にし、流量調整板の下流側から見た図である。
第11図は本発明の第5の実施例の遠心圧縮機の縦断面図である。
第12図は第11図に示す実施例の流量調整板を全開にし、流量調整板の上方から見た図である。
第13図は第11図に示す実施例の流量調整板を全開にし、流量調整板の下流側から見た図である。
第14図は第11図に示す実施例の流量調整板を中間開度にし、流量調整板の上方から見た図である。
第15図は第11図に示す実施例の流量調整板を中間開度にし、流量調整板の下流側から見た図である。
第16図は第11図に示す実施例の流量調整板を全閉にし、流量調整板の上方から見た図である。
第17図は第11図に示す実施例の流量調整板を全閉にし、流量調整板の下流側から見た図である。
第18図は本発明の第6の実施例の流量調整板を全開にし、流量調整板の上方から見た図である。
第19図は第18図に示す実施例の流量調整板を全開にし、流量調整板の下流側から見た図である。
第20図は第18図に示す実施例の流量調整板を中間開度にし、流量調整板の上方から見た図である。
第21図は第18図に示す実施例の流量調整板を中間開度にし、流量調整板の下流側から見た図である。
第22図は第18図に示す実施例の流量調整板を全閉にし、流量調整板の上方から見た図である。
第23図は第18図に示す実施例の流量調整板を全閉にし、流量調整板の下流側から見た図である。
発明を実施するための最良の形態
第1図ないし第5図に本発明の第1の実施例を示す。
本実施例は、羽根車入口の上流に設けられた吸込流路と2枚の互いに逆方向に回転可動な流量調整板とからなる流量制御装置と、円形翼列を構成する羽根の前縁と隣接する羽根表面間の距離が、隣接する他の羽根の後縁で最小となる1重の円形翼列により構成された羽根付ディフューザとを備え、ターボ冷凍機に用いる遠心圧縮機の例である。
第1図は遠心圧縮機の羽根車回転軸を含む縦断面図を示す。遠心圧縮機は羽根車1、ディフューザ2、これらを収容するケーシング3、吸込流路4によって構成されている。流量調整板5、この流量調整板5を回転駆動するためのアクチュエータ6(駆動源)からなる流量調整装置7を備えている。流量調整板5はアクチュエータ6により回転可能に支持、駆動される。ディフューザ2は複数のディフューザ羽根8を備えている。流体は矢印の方向に流れる。
第2図及び第3図は流量調整装置7の動作を示す図である。
第2図は、第1図の流量調整板5の部分を回転軸の上方から見た図、第3図は流量調整板5の部分をその下流側から見た図である。流体は矢印のように流入する。全開もしくは全閉の状態では、従来から多用されている流量調整板が1枚のダンパとほぼ同じ流れ状態である。
しかし、中間開度では違いが著しい。すなわち吸込ベーンと同様の旋回流が発生する。矢印a、b、c、a′、b′、c′は代表的な流れを示す。a、b、c、は断面の上半分の流量調整板5に流入する流れ、a′、b′、c′は断面の下半分の流量調整板に流入する流れである。初めに上半分の流量調整板5に流入する流れa、b、cについて説明すると、壁面近くの流れa、cは、流量調整板5と壁面の間の隙間を通過できるので、流量調整板5に沿う方向にガイドされ右から左に向かう速度成分を持って流れる。流量調整板5と壁面の間の隙間にはすでに流れa、cがあるため、中央付近の流れbは壁面に向わず下側に潜り込む。下側に潜り込んだ後、下半分の流量調整板5′に沿う方向にガイドされ左から右に向かう速度成分を持って流れる。下半分の流量調整板5′に流入する流れa′、b′、c′は、下流側から見て流路断面の中心に関して点対象になるので旋回流が発生する。この点で吸込ダンパと異なり、吸込ベーンと同様に羽根車1上流の予旋回による流量調整が可能となり、このため大幅な省エネルギーが可能となる。
なお、多くの遠心圧縮機では駆動電動機の起動電流を低減するために、起動時に吸込ベーン(あるいは吸込ダンパ)により吸込流路をほぼ全閉の状態とする。このため、本実施例でも全閉が可能なように構成してある。2枚の流量調整板5、5′の同期回転駆動は、たとえばサーボモータによる電動式、リンク機構、ギヤ機構あるいはこれらの組み合わせが可能である。従来の4ないし5枚以上の可動ベーンを使用する吸込ベーンと比較すると構造は著しく単純である。
第4図は、羽根車1とディフューザ羽根8とを羽根車1の回転軸方向から見た図である。ディフューザ羽根8の前縁と他の隣接する羽根表面間距離btは、隣接する他の羽根の後縁で最小となるように構成されているから、両側を羽根面に囲まれた通路を構成しない。
第5図は、ディフューザ羽根8の前縁と他の隣接する羽根表面間の距離btが隣接する羽根の後縁で最小となるように構成された円形翼列から成る羽根付ディフューザと、羽根車入口の吸込流路に設けられた流量調整板5との組み合わせによる複合効果を説明する図である。
図は、流量調整板5の開度100%と40%とのそれぞれにおける吸込流量QとヘッドHとの関係を、従来の羽根面に囲まれた通路部を持つ羽根付ディフューザを備えた場合と、本実施例の通路部を持たない羽根付ディフューザを備えた場合とについて示したものである。
図から明らかなように、本実施例の遠心圧縮機の方が通路部を構成する遠心圧縮機に比較して、小流量側の運転範囲を拡大できる。
また、羽根付ディフューザが両側を羽根面に囲まれ通路を構成する従来の遠心圧縮機と、通路を構成しない本実施例の遠心圧縮機とを比較した場合に最大圧力回復性能に差が少ないことを示している。このため、流量調整板5の開度100%の最高ヘッドH1は同一となる。
さらに、羽根面に囲まれた通路を構成する従来の遠心圧縮機と、通路を構成しないように本実施例の遠心圧縮機との大きな違いは、ヘッド低下が最高ヘッドH1となる流量Q1より小流量側で顕著に現れることである。
その理由は、羽根面に囲まれた通路を構成する羽根付ディフューザの場合、流量Q1より小流量側では、羽根面に囲まれた通路全体に及ぶ大規模かつ強力な逆流が発生し、このためディフューザの圧力回復性能が低下し、ヘッド上昇が破線のように急激に低下するためである。
これに対し、羽根面に囲まれた通路を構成しない羽根付ディフューザの場合、流量Q1より小流量側ではディフューザ羽根8の羽根車1に面した側に逆流が発生しても、ディフューザ羽根8が羽根車1に対面しない面側では逆流が発生しない。このため、ディフューザにおける圧力回復性能低下は少なく、ヘッド上昇低下は一点鎖線のように緩やかになる。しかし、流量調整板5が開度100%の場合、流量Q1より小流量側では遠心圧縮機の配管系を含んだサージングなどの不安定現象を起こすので、羽根付ディフューザの通路部の有無による運転流量範囲に差は現れない。
流量調整板5が開度40%の場合は、羽根付ディフューザの前記通路部の有無により運転流量範囲に明瞭な差が現れる。流量調整板5の開度を減少させると、流量調整板5による圧力損失の増加と予旋回発生作用によりヘッドは低下する。流量調整板5を含んだ遠心圧縮機の流量ーヘッド上昇特性は、流量調整板5が開度100%の場合の特性から、開度40%時のヘッド低下を差し引いたものになり、流量調整板5が開度100%の場合より流量ーヘッド上昇特性の右下がり傾向が強くなる。このため、サージングなどの不安定現象抑制傾向が強い。その結果、流量調整板5の開度100%の場合の流量Q1より小流量側のヘッド低下の差により前記通路部が有する羽根付ディフューザを備えた場合は、流量Q1′より小流量側で流量ーヘッド上昇特性が右上がりとなり、このためサージングなどの不安定現象が発生し、実際上、遠心圧縮機の運転が困難になる。
これに対し、前記通路部の無い羽根付ディフューザを備えた本実施例の遠心圧縮機では、流量Q1′より小流量側の流量Q2まで流量ーヘッド上昇特性が右下がりとなり、そのため遠心圧縮機の運転が可能となる。
上述するように、前記通路部の無い羽根付ディフューザ2と流量調整板5とを備えた遠心圧縮機の流量を、流量調整板5の開度の制御により減少させると、流量調整板5の不安定現象抑制作用と前記通路部の無い羽根付ディフューザ2の特性の複合作用によって、小流量側の運転範囲が大幅に拡大する。
図6は第2の実施例を示す。
ディフューザ羽根8前縁と隣接する羽根表面間の距離btは隣接する羽根の後縁で最小となるように構成し、羽根面に囲まれた通路を構成しない2重円形翼列により羽根付ディフューザを構成し、さらに圧力回復性能を強化するものである。本実施例では、内周の円形翼列を構成するディフューザ羽根8にそり線iを引いたとき、このそり線iの前縁位置に立てた外周方向に向かう法線fは、外周に配設された円形翼列を構成するディフューザ羽根8と交差せず、かつ、そり線iの後縁位置に立てた外周方向に向かう法線gは外周に配設された円形翼列を構成するディフューザ羽根8と交差するように構成してある。また、設計点付近の流量では、内周と外周の円形翼列の間の羽根面に囲まれた通路は高い圧力回復性能を持つとともに、小流量の状態では、羽根面に囲まれた通路の流れの一部分に運動エネルギーが不足して外周側へ流体が流出できなくても、前記法線fが外周に配設された円形翼列を構成するディフューザ羽根8と交差しないよう構成されているので、流体は矢印hのように内周側に戻ることができる。このため、羽根面に囲まれた通路全体にわたる大規模な逆流が発生せず、したがって、圧力回復性能にも大幅な低下はない、という特徴を備えている。
第7図は第3の実施例を示す。
第6図の第2の実施例の圧力回復性能をさらに高めるため、羽根付ディフューザ8を3重翼列で構成したもので、高い性能と広い流量範囲を実現できる。
第8図ないし第10図に本発明の第4の実施例を示す。
第8図は遠心圧縮機の羽根車回転軸を含む縦断面図、第9図は第8図の流量調整板5の部分を回転軸の上方から見た図、第10図は流量調整板5の部分をその下流側から見た図である。
第4の実施例は、中間開度における流量調整板5の旋回流発生作用をさらに強化するため、整流板9を流量調整板5の回転軸を含む吸込流路4の下流側横断面に配置したものである。整流板9の作用を前記第1の実施例の第2図、第3図を利用して説明する。
前記第1の実施例では、吸込流路4が分割されていないので、流れbとb′は流量調整板5の下流側で直接接触し、このため吸込流路4の長さ方向以外の速度成分、従って旋回流が減殺される。しかし、整流板9があると、流れbとb′の直接の接触が防止されて旋回流が減殺されず、上側から下側に潜り込む流れbと下側から上側に湧き上がる流れb′とが旋回流の生成に寄与する。このため、旋回流が第1の実施例よりさらに強力になる、という特徴をもつ。
第11図ないし第17図に、本発明の第5の実施例を示す。
第11図は遠心圧縮機の羽根車回転軸を含む縦断面図、第12図は図の流量調整板5の全開時を回転軸の上方から見た図、第13図は流量調整板5の全開時を流量調整板5の下流側から見た図である。第14図、第15図は流量調整板5の中間開度、第16図、第17図は流量調整板5の全閉時を示す。
本実施例は、第4の実施例と同様の作用をする整流板10を、流量調整板5と一体に形成したものである。すなわち、半円形に2分割した流量調整板5のそれぞれに、好ましくはそれぞれの端部に、流量調整板5に対して概ね直角であって、かつ流体の流れ方向と平行な方向に整流板10を取り付けるものである。好ましくは、取り付け構造は、流量調整板5と整流板10とを一体に形成する。
この結果、構造が単純化されて製造、組立てが容易になる。
第18図ないし第23図は第6の実施例である。
本実施例は、第6の実施例の旋回流発生作用をさらに強化する場合の実施例で、流量調整板5と一体に形成された整流板10に誘導板11を取り付けるものである。第18図、第19図は流量調整板5の全開時である。図に示すように、誘導板11は流量調整板5と平行に取り付け、全開時に流れの抵抗にならないようにする。また、第20図、第21図の中間開度に示すように、流体は流量調整板5の中央付近に向かって流れた後、潜り込む流れb、湧き上がる流れb′がいずれも誘導板11によって確実にガイドされるので、旋回がさらに強化される。
なお、第22図、第23図は流量調整板5の全閉時を示す。
羽根車入口に流量制御装置を設けた遠心圧縮機において、2枚の流量調整板からなる単純な構造の流量制御装置により、小流量運転時の消費動力、不均一流れに起因する騒音と振動を大幅に低減されるとともに、小流量側の運転流量範囲の拡大をはかれる。
Claims (10)
- 羽根車入口の吸込流路に流体の吸込流量を制御する流量制御装置と、ディフューザに配置した羽根が円形翼列を構成している羽根付ディフューザとを備える遠心圧縮機において、前記流量制御装置は前記吸込流路に垂直な方向から吸込流路に平行な方向までに回転可能であって分割された流量調整板と、この流量調整板を互いに逆方向に回転駆動する駆動源とで構成し、前記羽根付ディフューザの羽根は、当該羽根の前縁と隣接する他の羽根の表面間の距離が、前記羽根の前縁と前記他の羽根の後縁の間とで最小となるように配置したことを特徴とする遠心圧縮機。
- 請求の範囲1に記載の遠心圧縮機において、流量調整板は半円形状に2分割されたものであって、吸込流路に平行な方向に位置したとき吸込流路を全開にし、吸込流路に垂直な方向に位置したとき吸込流路を全閉にするものであることを特徴とする特徴とする遠心圧縮機。
- 請求の範囲2に記載の遠心圧縮機において、半円形状に2分割する流量調整板の間に、流れを整流する整流板を配置することを特徴とする遠心圧縮機。
- 請求の範囲3に記載の遠心圧縮機において、整流板は流量調整板の回転軸を含む横断面の下流側に配置することを特徴とする遠心圧縮機。
- 請求の範囲4に記載の遠心圧縮機において、整流板は吸込流路に固定するものであることを特徴とする遠心圧縮機。
- 請求の範囲4に記載の遠心圧縮機において、整流板は流量調整板にの内側端部に固定するものであることを特徴とする遠心圧縮機。
- 請求の範囲4に記載の遠心圧縮機において、整流板は流量調整板の内側端部に一体に形成するものであることを特徴とする遠心圧縮機。
- 羽根車入口の吸込流路に流体の吸込流量を制御する流量制御装置と、ディフューザに配置した羽根が円形翼列を構成している羽根付ディフューザとを備える遠心圧縮機において、前記流量制御装置は前記吸込流路に垂直な方向から吸込流路に平行な方向までに回転可能であって分割された流量調整板と、この流量調整板を互いに逆方向に回転駆動する駆動源とで構成し、前記羽根付ディフューザの羽根は、当該羽根の前縁と隣接する他の羽根の表面間の距離が、前記羽根の前縁と前記他の羽根の後縁の間とで最小となるように配置した遠心圧縮機を用いることを特徴とするターボ冷凍機。
- 羽根車入口の吸込流路に流体の吸込流量を制御する流量制御装置と、ディフューザに配置した羽根が2重以上の円形翼列を構成している羽根付ディフューザとを備える遠心圧縮機において、前記流量制御装置は前記吸込流路に垂直な方向から吸込流路に平行な方向までに回転可能であって分割された流量調整板と、この流量調整板を互いに逆方向に回転駆動する駆動源とで構成し、最内周の円列翼列を構成する羽根は、当該羽根の前縁とこの前縁に隣接する最内周の円形翼列の他の羽根の表面間の距離が前記羽根の前縁と前記他の羽根の後縁の間とで最小となるように配置するとともに、円形翼列を構成隣接する内周の羽根のそり線の前縁位置に法線を立てたとき、外周方向に向かう法線は内周の円形翼列の外周に円形翼列を構成して配置する羽根と交差することを特徴とする遠心圧縮機。
- 羽根車入口の吸込流路に流体の吸込流量を制御する流量制御装置と、ディフューザに配置した羽根が2重以上の円形翼列を構成している羽根付ディフューザとを備える遠心圧縮機において、前記流量制御装置は前記吸込流路に垂直な方向から吸込流路に平行な方向までに回転可能であって半円形状に2分割される流量調整板と、この流量調整板を互いに逆方向に回転駆動するアクチュエータとで構成し、最内周の円形翼列を構成する羽根は、当該羽根の前縁とこの前縁に隣接する最内周の円列翼列の他の羽根の表面間の距離が、前記羽根の前縁と隣接する前記他の羽根の後縁の間とで最小となるように配置するとともに、円形翼列を構成する内周の羽根のそり線の後縁位置に法線を立てたとき、外周方向に向かう法線は内周の円形翼列の外周に円形翼列を構成して配置する羽根と交差し、前記半円形に2分割した流量調整板のそれぞれの内側端部に、流量調整板に対して直角であって、かつ流体の流れ方向と平行な方向に整流板を前記流量調整板と一体に形成することを特徴とする遠心圧縮機。
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