JP3513169B2 - 車両用トランスミッション装置 - Google Patents

車両用トランスミッション装置

Info

Publication number
JP3513169B2
JP3513169B2 JP03441593A JP3441593A JP3513169B2 JP 3513169 B2 JP3513169 B2 JP 3513169B2 JP 03441593 A JP03441593 A JP 03441593A JP 3441593 A JP3441593 A JP 3441593A JP 3513169 B2 JP3513169 B2 JP 3513169B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
case
gear
differential
shaft
transmission
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP03441593A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06229446A (ja
Inventor
宣広 石井
利恭 長谷川
敦生 吉名
勝 飯田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanzaki Kokyukoki Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Kanzaki Kokyukoki Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kanzaki Kokyukoki Manufacturing Co Ltd filed Critical Kanzaki Kokyukoki Manufacturing Co Ltd
Priority to JP03441593A priority Critical patent/JP3513169B2/ja
Publication of JPH06229446A publication Critical patent/JPH06229446A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3513169B2 publication Critical patent/JP3513169B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Retarders (AREA)
  • Transmission Devices (AREA)
  • Structure Of Transmissions (AREA)
  • Arrangement Of Transmissions (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】この発明はモア・トラクタ等の比
較的小型の作業車両用のトランスミッション装置、特に
ミッションケース内において左右方向に延びる駆動軸、
及びこの駆動軸により回転駆動される差動ケースを有し
左右の車軸を差動的に駆動する差動装置を備えたトラン
スミッション装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】上記のような車両用トランスミッション
装置の典型的な従来例は、米国特許No.5,046,
994及びNo.5,142,940に開示されてい
る。これらの各米国特許が開示するトランスミッション
装置には車速を無段に変更制御する油圧伝動装置が設け
られ、ミッションケース内への走行動力の入力伝導は、
油圧伝動装置の油圧モータをミッションケースの前面上
に設置し該油圧モータのモータ軸から傘歯車機構を介し
て行なうこととされている。これらの両米国特許のうち
No.5,064,994が開示するトランスミッショ
ン装置ではミッションケース内でさらに2段の変速を行
うべく、左右方向に沿わせた駆動軸上に短長の中空入力
軸を遊嵌設置して上記モータ軸から該入力軸に対し入力
伝導すると共に、駆動軸に平行する他1本の中間軸を設
け、入力軸から中間軸を経て駆動軸に至る減速歯車列に
より駆動軸を駆動する状態と入力軸を駆動軸に対し結合
して入力軸により駆動軸を直接に駆動する状態とを、駆
動軸上に摺動のみ自在に設けたクラッチ金物により選択
的に得て、このように2段に変速される駆動軸の回転を
差動装置の差動ケースに減速して伝達することとされて
いる。一方、米国特許No.5,142,940が開示
するトランスミッション装置は、左右方向に沿わせた駆
動軸に対し上記モータ軸から直接に伝動し、この駆動軸
の回転を差動装置の差動ケースに減速して伝達すること
として、ミッションケース内での変速は行わない構造と
されている。 【0003】車速を無段に変更可能とする油圧伝動装置
を設けてあるトランスミッション装置においても、油圧
伝動装置の低速回転域ではモータ軸の回転数が比較的不
安定である事実からしてモータ軸の回転を大幅減速して
差動装置及び車軸に伝え、油圧伝動装置をその比較的高
速の回転域で使用するようにするのが望ましく、またそ
の場合に単なる減速のみではなく車速を2以上の回転域
に設定する有段の変速を行えることとするのが望まし
い。この点で上記両米国特許のものを比較するとNo.
5,064,994のものの方が優れているが、逆に本
特許のものは歯車個数が多くなるのはもとより軸本数が
増し、部品点数の増加でコストが高くつくと共に、他1
本の前記中間軸のためにそれだけ装置が大型化する難点
がある。 【0004】そこで考えられることは、例えば実開平1
−167921号公報に開示され公知であるようにミッ
ションケース内に横架した駆動軸と差動装置との間に、
駆動軸の回転を例えば2段に変速して差動ケースに伝達
する、減速機能を兼備する歯車変速機構を配設する構造
である。しかし本公知構造では変速歯車列の駆動側歯車
が駆動軸上に遊嵌設置されクラッチ機構によって駆動軸
へと選択的に結合されるため、クラッチ機構に制約され
て駆動側歯車の径をあまり小さくできず、駆動軸と差動
装置間での減速比を大きくとれない。上記公報のもので
はさらに、差動装置の左右の出力軸と左右の車軸間に左
右の歯車減速機構を設けて減速比を高めることとしてい
る。減速装置を兼ねた歯車変速装置では低速で回転する
こととなる従動側歯車にクラッチ機構を配設するのが変
速操作時のショック防止、及び部材損傷を避ける点で望
ましく、上記公知構造はこの点でも不利である。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】したがってこの発明の
主たる目的とするところは、ミッションケース内に横架
した駆動軸から差動装置に対し大幅な減速比で変速伝動
可能とする変速機構を、コストを抑制すると共に装置を
大型化せず、かつ変速操作時のショック防止を得させる
態様で設けてある新規な車両用トランスミッション装置
を、提供するにある。 【0006】 【発明の要約】そのためにこの発明はミッションケース
内において左右方向に延びる駆動軸、及びこの駆動軸に
より回転駆動される差動ケースを有し左右の車軸を差動
的に駆動する差動装置を備えた車両用トランスミッショ
ンにおいて、次のような技術的手段を講じた。 【0007】すなわちこの発明は前記駆動軸上に固定設
置した複数個の歯車と、前記差動ケース上に遊嵌設置し
た複数個の歯車を互に噛合せて成る減速兼変速用の複数
歯車列を、前記駆動軸と前記差動装置間に配設する。そ
して上記した差動ケース上の歯車を差動ケースに対し択
一的に結合するための環状クラッチ金物を、該差動ケー
ス上に相対回転不能かつ摺動自在に設置するのである。 【0008】したがって差動ケース上で上記クラッチ金
物を摺動操作し該差動ケース上の複数歯車を、択一的に
差動ケースに対し結合することにより、差動ケースを複
数の回転数のうちの1つで減速回転させることができ
る。 【0009】この発明によれば複数歯車列の駆動側歯車
を駆動軸上に固定設置し従動側歯車を差動ケース上に遊
嵌設置して、変速シフト操作を差動ケース上のクラッチ
金物により行うこととしたから、クラッチ金物により制
約を受けることのない駆動軸上の歯車を難なく小径のも
のとし、駆動軸と差動ケース間で得られる複数減速比を
大幅に高めることができる。軸本数は何ら増大せず、歯
車個数も変速段数の2倍の個数といった最小限の個数で
済み、また大径のものとなる差動ケース上の歯車に配設
するクラッチ金物は無理の無い構造のものとできて、総
じてコストが抑制されると共に、減変速機構が余分のス
ペースをとらないコンパクトなものとなる。駆動軸と差
動ケース間に配設する減速兼変速機構を、大幅な減速機
能を有しつつ、なお駆動軸上で変速シフト用のクラッチ
金物を備える構造とすることは不可能ではないも、本構
造によると駆動軸に関連した構造が著しく複雑となるも
ので、この点については後に図14を参照して説明す
る。 【0010】差動ケース上に遊嵌設置する複数歯車は、
それぞれカラー部材を介して差動装置に支承させるのが
適当している。すなわちこのようにすると大型の差動ケ
ースについて歪みを防止し、精密な歯車噛合せ状態を維
持するための焼入れをする必要が無くされ、小型のカラ
ー部材によって精密な歯車噛合せを維持してコストを低
減できることになる。 【0011】前記歯車列を2列設ける構造においてはこ
れらの歯車列を、該歯車列における差動ケース上の2個
の歯車が差動ケースの両側端付近に位置するように配置
し、これらの2個の歯車間に前記クラッチ金物を配置す
るのが良い。本構造によると2個の歯車の荷重が、差動
ケースの両側壁に近く支持強度が大である2部分で支持
され、歯車姿勢の変更が有効に阻止される。 【0012】前記歯車列を2列設ける構造においては上
記した歯車及びクラッチ金物の配置に加えて、差動ケー
ス上の2個の歯車間で該差動ケース上に、前記クラッチ
金物を相対回転不能かつ摺動自在に支持するカラー部材
を固定設置している。 【0013】変速機構のみならず差動装置までの組立て
を容易とするためにはさらに差動ケースを左右のケース
半部から形成し、これらのケース半部を、その間に前記
カラー部材を挟持させて締付け固定するのが良い。すな
わち本構造によると差動ケース内への差動歯車機構の組
込みが簡単に行え、両ケース半部間の締付け固定によっ
て差動装置と差動ケース上の変速機構部分とが一挙に組
立てられるからである。 【0014】差動ケースに対するカラー部材の相対回転
を阻止することはキーその他の係合部材を差動ケースと
カラー部材間に配設することによっても行えるが、部品
点数を減らし組立てを容易とするためには上記した各ケ
ース半部とカラー部材とに、互に係合して上記相対回転
を阻止する係合部をそれぞれ一体形成するとよい。 【0015】 【実施例】図1−5が第1の実施例を示し、図6は同実
施例を装備したモア・トラクタを示している。同トラク
タは左右1対宛の前輪31と後輪32間で機体の下面位
にモアMを装備させるものに、構成されている。 【0016】図6に示すように駆動源としてのエンジン
33は機体前部に搭載され、左右の後輪32間に後輪3
2の車軸15を装備するミッションケース11が設置さ
れている。エンジン33の動力は前後方向に沿わせた伝
動軸34によってミッションケース11内へ伝えられ、
左右の後輪32の駆動により車両走行が行われる。 【0017】ミッションケース11内の低レベルから前
方に突出させたミッドPTO軸35を設けてあり、この
ミッドPTO軸35から伝動軸36によってモアMのギ
ヤボックスMaに対しモア駆動力を伝えることとしてあ
る。シート37はミッションケース11の上方位置に設
置してあり、その前方位置に、左右の前輪31を操舵旋
回させるためのステアリング・ホイール38を臨ませて
ある。 【0018】図2,6に示すようにミッションケース1
1の前面には下方部分を残して厚手の板体40を装着し
てあり、この板体40の上半部背面に装着してミッショ
ンケース11内の上部に設置した可変容積式の油圧ポン
プ42と板体40の下半部前面に装着してミッションケ
ース11外に設置した定容積式の油圧モータ43とを備
える油圧伝動装置41が設けられている。油圧ポンプ4
2ののポンプ軸44を自らのポンプ軸とするトロコイド
型の油ポンプ45を板体40の前面に装着してあり、ポ
ンプ軸44は油ポンプ45の前方側で伝動軸34に接続
されている。油圧モータ43のモータ軸46は板体40
を貫通させてミッションケース11内に臨ませてあり、
後端に小径の傘歯車47を装備する。ポンプ軸44は後
述するように、前記ミッドPTO軸35を駆動するため
にも用いられている。 【0019】図1,2に示すようにミッションケース内
には油圧ポンプ42の設置空間と走行系トランスミッシ
ョン機構の設置空間とを仕切る仕切り壁11aが設けら
れ、該仕切り壁11aの下方側でミッションケース11
内に左右方向に延びた駆動軸12を設けてある。そして
該駆動軸12の下方側でミッションケース11内に差動
装置13を、該差動装置13の中心線が駆動軸12の中
心線よりも後方に位置するように配して設置してある。
駆動軸12はその一端部上に前記傘歯車47に噛合せた
大径の傘歯車49を固定設置して、ポンプ軸46に対し
減速連動連結されている。差動装置13は左右の前記車
軸15を左右の出力軸とするものに構成され、該左右の
車軸15を差動的に駆動する。 【0020】同様に図1,2に示すように駆動軸12と
差動装置13間にはこの発明に従って、駆動軸12上に
固定設置した2個の歯車17,18と差動ケース14上
に遊嵌設置した2個の歯車20,21を互に噛合せて成
る減速兼変速用の2列の歯車列を、配設してある。駆動
軸12上の小径側の歯車17は、該駆動軸12の周面に
スプライン状として一体形成されている。差動ケース1
4上の2個の歯車20,21は該差動ケース14の両側
端付近に位置するように配置されており、互い方向に張
出させたボス延出部上でスプライン20a,21aを有
するものとされている。これらの両歯車20,21間で
差動ケース14上にカラー部材24を固定設置してあ
り、このカラー部材24は外周面に、上記スプライン2
0a,21aに整列するスプライン24cを有するもの
に形成されている。カラー部材24はまた、両側端に左
右方向に張出す1対のスリーブ部材24a,24bを一
体形成してあるものとされており、歯車20,21はそ
れぞれ該スリーブ部材24a,24bを介して差動ケー
ス14に支承させてある。そしてカラー部材24にはそ
のスプライン24cを利用して環状のクラッチ金物23
を相対回転不能かつ摺動自在にスプライン嵌めしてあ
り、このクラッチ金物23はその内周面のスプラインが
カラー部材24のスプライン24cのみに噛合う位置
と、図1の下側に示すようにカラー部材24のスプライ
ン24cと歯車20のスプライン20aにまたがって噛
合い歯車20をカラー部材24を介して差動ケース14
に対し結合する位置と、図1の上側に示すようにカラー
部材24のスプライン24cと歯車21のスプライン2
1aにまたがって噛合い歯車21をカラー部材24を介
して差動ケース14に対し結合する位置とに、選択的に
摺動変位させるものとされている。 【0021】より具体的な構造を説明すると、第1の実
施例では図1,3に示すように差動ケース14が左右の
ケース半部14a,14bに分割形成されている。カラ
ー部材24の内周面には周方向で間欠配置した4個の係
合凸部28を一体形成してあり、これらの係合凸部28
が嵌合する係合凹部27が各ケース半部14a,14b
の外周面に形成されている。差動装置13は通例によう
に差動ケース14に支持させるピニオン軸51上で1対
の差動小歯車52(図1では1個を省略)を、左右の車
軸15上で2個の差動大歯車53を、それぞれ設けて互
に噛合せて成るものとされているが、ピニオン軸51の
各端部はブッシュ54を介して差動ケース14に支承さ
せることとしてあり、該各ブッシュ54の半部宛を抱持
する半円状支承溝55を各ケース半部14a,14bに
形成してある。両ケース半部14a,14bは図1,2
に示すように、カラー部材24の係合凸部28をケース
半部14a,14bの係合凹部27に嵌合させると共に
ブッシュ54をケース半部14a,14bの支承溝55
に抱持させた状態の下で両ケース半部14a,14bに
よりカラー部材24を挟持して、ケース半部14a側か
らケース半部14b側へと螺込まれるボルト56によっ
て締付け固定するものとされている。これによりカラー
部材24は係合凹部27と係合凸部28間の係合によっ
て差動ケース14に対する相対回転を阻止された状態
で、差動ケース14上に設置される。歯車20,21の
スリーブ部材24a,24b上からの抜止めは図1に示
すように、スリーブ部材24a,24b上のリング57
と止輪58とによって行われている。 【0022】図1に示すように差動装置13にはデフロ
ック・クラッチ60を附設してある。このデフロック・
クラッチ60はケース半部14bのボス部上に摺動自在
に設置され、該ケース半部14b側壁の貫通穴を通して
一側の差動大歯車53のボス部の係合溝53aに突入さ
せうる複数ロックピン60aを備え、該差動大歯車53
を差動ケース14に対し相対回転不能に結合することに
より差動装置13の機能を解除する。 【0023】図2,4に示すようにクラッチ金物23は
それに係合させてある、シフトフォークに形成されてい
るシフタ部材30によって摺動操作することとされてい
る。そして同シフタ部材30を支持するための支持シャ
フト39は特に、前述のようにミッションケース11内
で駆動軸12の中心線と差動装置13の中心線とを前後
にずらして配置することにより差動装置13の上方側で
駆動軸12の後方に形成された空所29内に、左右方向
に沿わせて配置されている。図例では支持シャフト39
を摺動自在にミッションケース11に支持させてあり、
シフタ部材30は該シャフト39にピン62によって固
着されている。図4,5に示すように支持シャフト39
の一端部はミッションケース11のサイドカバー11b
を通して外部に突出させてあり、外端に操作ピン39a
を植設して、該操作ピン39aに係合するベルクランク
状のシフタアーム63を、サイドカバー11bの外面上
のブラケットに鉛直ピン64まわりで回動自在に支持さ
せてある。シフタアーム63は図外の変速レバーによっ
て回動操作され、これにより係合ピン39aを介し支持
シャフト39が摺動変位せしめられてシフタ部材30を
変位させ、カラー部材24上でのクラッチ金物23の摺
動変位が得られる。支持シャフト39とサイドカバー1
1b間には、クラッチ金物23を中立位置と歯車20を
結合する1速位置と歯車21を結合する2速位置とに拘
束することとなるデテント手段65を、配設してある。 【0024】図2に示すようにデフロック・クラッチ6
0を摺動操作するためのクラッチフォーク67を支持す
る支持シャフト68も、前記空所29内に左右方向に沿
わせて配置されている。この支持シャフト68もミッシ
ョンケース11に摺動自在に支持させてあり、図5に示
すようにクラッチフォーク67は該シャフト68上で両
側1対のスプリング69,70で附勢して摺動可能に支
持されている。支持シャフト68は前記支持シャフト3
9の反対側でミッションケース11外へ突出させてあ
り、外端面に、ミッションケースの外側面上で回動可能
に支持したクラッチアーム71を係合させてある。クラ
ッチアーム71は図外のデフロック・クラッチペダルへ
と接続されており、同ペダルの踏込みにより回動せしめ
られて支持シャフト68を押込むように働く。このとき
図1のロックピン60aと係合溝53a間の位相が合致
していないと一側のスプリング70が圧縮して操作力を
貯え、位相合致により貯えられた操作力によりクラッチ
フォーク67が変位せしめられて、デフロック・クラッ
チ60を所要のように摺動変位させる。 【0025】図1,5に示すように駆動軸12の一端部
にはブレーキ73を附設してある。このブレーキ73は
ミッションケース11の一側壁外面上に形成したブレー
キケース74内に配置され、駆動軸12とブレーキケー
ス74とに一方及び他方の摩擦エレメント75,76を
それぞれ摺動のみ自在に支持させてなる摩擦板式のもの
に構成されている。摩擦エレメント75,76群にはプ
レッシャ・プレート77を対面させてあり、ブレーキケ
ース74のケース蓋74aと該プレート77間にはカム
機構78を介装してある。プレッシャ・プレート77は
ケース蓋74aを貫通させてある操作軸79によって回
転変位せしめられ、これによりカム機構78により摺動
変位せしめられて摩擦エレメント75,76間の係合を
生じさせブレーキ73を作動させる。操作軸79を回転
させるブレーキアーム79aに対し接続具80aを介し
て接続された第2のクラッチアーム80を、前記クラッ
チアーム71と並列配置してデフロック・クラッチ60
用の前記支持シャフト68に対し係合させてあり、ブレ
ーキ73の作動時にも第2のクラッチアーム80を介し
てデフロック・クラッチ60を作動させることとしてい
る。 【0026】前記油圧伝動装置41は図2に示す前記板
体40内に油圧ポンプ42及び油圧モータ43間の油路
及びバルブ類(以上、図示せず)を設けてあるものに、
構成されている。可変容積式の油圧ポンプ42の斜板4
2aの傾角を変更するための操作軸81は図1に示すよ
うに、一端部をミッションケース11外へと突出させて
ある。ミッションケース11内の低部は油タンクとして
用いられ、同低部内から前記油ポンプ45に導かれる油
を清浄化するためのフィルタ82が、板体40の下方で
ミッションケース11の前面に装着されている。油ポン
プ45は油圧伝動装置41に対し作動油を補給するよう
に用いられる。 【0027】図2に示すように油圧ポンプ42のポンプ
軸44は後方向きに延長してあり、ミッションケース1
1内の後端部上方レベルで同心配置した伝動軸83に対
し、油圧多板式のPTOクラッチ84を介して接続され
ている。伝動軸83上には歯車85を固定設置してあ
る。前記ミッドPTO軸35は図1に示すように一側の
車軸15の下方位置を通過させてミッションケース11
内の後端位置まで延長させてあり、図2に示すように上
記歯車85は中間歯車86を介し、ミッドPTO軸35
の後端部上に固定設置の歯車87を駆動するものとされ
ている。PTOクラッチ84に対する作動油の供給も油
ポンプ45により行うこととされており、ミッションケ
ース11の壁には同ポンプ45から後方向きに油を導
く、図1,4に図示の油通路88を穿設してある。同油
通路88はミッションケース11のリヤカバー11cの
内面側で伝動軸83の後端面との間で形成された、図2
に図示の油室89へと導かれており、同油室89が図4
に示す伝動軸83内の油通路90によりPTOクラッチ
84へと接続されている。油通路88と油室89間には
PTOクラッチ84に対する油の給排を切替え制御する
電磁弁91を、図2に示すようにリヤカバー11cの外
面上に装着して介装してある。PTOクラッチ84には
該クラッチ84の切り状態でその従動側を制動する、図
4に示すブレーキ92が附設されている。このブレーキ
92は伝動軸83上の歯車85のボス部85aに対し係
合可能なブレーキシュー92aを備え、同ブレーキシュ
ー92aはミッションケース11の側壁に内装させたピ
ストン92bによって進退せしめられるものとされてい
る。ピストン92bはその正面側の油室92cに作用さ
せるPTOクラッチの作動油圧により後退せしめられ、
スプリング92dの作用で前進せしめられる。以上に説
明したPTO機構は概して、前述の米国特許No.5,
142,900に開示のものと同一である。 【0028】図7,8は第2の実施例の一部分を示して
いる。本実施例でも両側端に一体的なスリーブ部材24
a,24bを設けてあるカラー部材24を用いている
が、差動ケース14は一体物に形成されて分割はされて
いない。この差動ケース14には差動歯車52,53を
組込むための開口14e、及びピニオン軸51を挿通支
承させるための1対の支承穴14fを形成してある。差
動ケース14に対しカラー部材24を相対回転不能とす
るためには、ピニオン軸51の両端に切欠き偏平部51
aを形成すると共に、該偏平部51aを嵌合する1対の
溝穴24dをカラー部材24の内面に形成している。差
動ケース14の一端には凸縁14gを一体形成してあ
り、カラー部材24と歯車20,21は凸縁14gに接
当させるリング57と差動ケース14に装着する止輪5
8に接当させるもう1個のリング57との間で軸線方向
変位を阻止して、差動ケース14上に配置されている。
他の部分の構造は第1の実施例におけるのと変わりな
い。 【0029】図9,10は第3の実施例の一部分を示し
ている。本実施例では第1の実施例同様に差動ケース1
4を左右のケース半部14a,14bから形成し、これ
らのケース半部14a,14bをその間にカラー部材2
4を挟持させた状態でボルト58により締付け固定する
こととしている。しかし本第3の実施例ではカラー部材
24とは別に形成した1対のスリーブ部材25,26を
設けて、該スリーブ部材25,26を介して歯車20,
21を差動ケース14に支承させることとしている。カ
ラー部材24の差動ケース14に対する相対回転の阻止
は第2の実施例同様に、ピニオン軸51両側の偏平切欠
き部51aをカラー部材24内面の1対の溝穴24dに
嵌合させることで、行っている。一側のケース半部14
a端には凸縁14gが形成され、第2の実施例の場合同
様に歯車20,21及びカラー部材24の軸縁方向変位
の阻止のために利用されている。他の部分の構造は第1
の実施例におけるのと変わりない。 【0030】図11,12は第4の実施例の一部分を示
している。本実施例は図7,8の第2の実施例と、カラ
ー部材24に前記スリーブ部材24a,24bを一体形
成せずして、別のスリーブ部材25,26を設け歯車2
0,21の支承用に用いている点でのみ、実質的に相違
している。 【0031】図13は第5の実施例の一部分を示し、本
実施例では前述の各実施例とは異なり駆動軸12と差動
装置13間に、減速兼変速用の3列の歯車列を配設して
いる。すなわち1─3速の歯車117,118,119
を駆動軸12上に固定設置すると共に1─3速用の歯車
120,121,122を差動ケース14上に遊嵌設置
して、対応する歯車同士を噛合わせている。駆動軸12
上の最小径の1速用歯車117は第1の実施例における
歯車17同様に、駆動軸12の周面にスプライン状とし
て一体形成されている。2,3速用の歯車118,11
9は互に接踵させて駆動軸12にスプライン嵌めされて
いる。差動ケース14上の1速用の歯車120はスリー
ブ部材125を介して該ケース14に支承され、また2
速用歯車121はスリーブ部材126を介して差動ケー
ス14に支承され、この歯車121のボス部に3速用歯
車122を支承させてある。差動ケース14は第4の実
施例同様に形成され、同実施例におけると同様に支持し
てカラー部材24が設けられている。歯車120,12
1,122のボス部にはカラー部材24のスプライン2
4cに整列するスプライン120a,121a,122
aを形成してあり、このうち2速用歯車121ボス部の
スプライン121aは3速用歯車122ボス部のスプラ
イン122aよりもカラー部材24に対し近接位置させ
てある。 【0032】カラー部材24上には環状のクラッチ金物
123がスプライン24cを利用したスプライン嵌めに
よりカラー部材24及び差動ケース14に対し相対回転
不能かつ摺動自在に設置されている。このクラッチ金物
123内周面のスプラインは、カラー部材24のスプラ
イン24cと歯車120のスプライン120aとにまた
がらせて噛合せうるスプライン123aと、カラー部材
24のスプライン24cと歯車121のスプライン12
1a又は歯車122のスプライン122aとにまたがら
せて噛合せうるスプライン123bとに、軸線方向で分
断して形成されている。したがってクラッチ金物123
を図13に示す中立位置から摺動させて歯車120,1
21或は122を択一的に差動ケース14へと結合する
ことができる。クラッチ金物123のスプライン123
bが2,3速用歯車121,122のスプライン121
a,122aにまたがって噛合うことを確実に防止する
ため、スプライン121a,122a間にはスペーサリ
ング99を介装してある。 【0033】図13に示す第5の実施例の他の部分は図
11,12に図示の前述第4の実施例に準じたものとさ
れている。第5の実施例における1速用歯車120側で
他1個の歯車を差動ケース14上に遊嵌設置し対応して
設ける駆動軸12上の歯車と噛合せ、減速兼変速用の歯
車列を4列とすることも簡単に行える。 【0034】図14は比較例を示し、本比較例は駆動側
の歯車を駆動軸12上に遊嵌設置した関係としつつ前述
実施例におけると同様の減速を得る構造がどのようにな
るかを、示すためのものである。図14の構造では駆動
軸12上に直接に前記歯車17に対応する小径の歯車を
遊嵌設置すると同歯車を駆動軸12上のクラッチ金物2
23によって駆動軸12に対し結合することが不可能と
なることから、駆動軸12を分断した形で該駆動軸12
の延長線上に第2駆動軸212を回転自在に支持して設
け、該第2駆動軸212に前記歯車17対応の小径歯車
217を一体形成している。そして駆動軸12上に前記
歯車18対応の歯車218を遊嵌設置し、歯車217,
218を差動ケース14上に固定設置した、前記歯車2
0,21対応の歯車220,221と噛合せている。ク
ラッチ金物223は駆動軸12上に固定設置したカラー
部材224上に、該カラー部材224外周面のスプライ
ン224cを利用して相対回転不能かつ摺動自在に設置
されている。第2駆動軸212端と歯車218ボス部に
はカラー部材224のスプライン224cと整列するス
プライン212a,218aが形成されており、クラッ
チ金物223は中立位置から図14の上側に示すように
スプライン224c,212aにまたがって係合する位
置と同図の下側に示すようにスプライン224c,21
8aにまたがって係合する位置とに摺動操作されて、そ
れぞれ1速及び2速の変速比を選択的に得させるものと
されている。なお図14の比較例において歯車220,
221は、2分割された差動ケース14の両ケース半部
14a,14b間を締付け固定するボルト56を利用し
て差動ケース14に固定されている。 【0035】図14に示す比較例の構造によると第2駆
動軸212とその軸受け構造が余分に必要となり、部品
点数と組立工数の増加によってコストが高められる。し
かも比較的高速で回転する駆動軸12に対し第2駆動軸
212ないし歯車218をクラッチ金物223によって
結合することから、変速操作時のショックが大きくスプ
ライン等の損傷が生じ易い。本発明の前述長所が顕著で
あることは、本比較例との対比から明瞭に理解されよ
う。
【図面の簡単な説明】 【図1】第1の実施例を装備したトラクタのミッション
ケースを示す一部展開縦断背面図である。 【図2】図1に示したミッションケースの一部展開縦断
側面図である。 【図3】図1,2に示したミッションケース内に設けら
れている差動装置の概略の分解斜視図である。 【図4】図2のIV−IV線にほぼ沿った縦断面図であ
る。 【図5】図4のV−V線にほぼ沿った横断面図である。 【図6】図1─5に図示した第1の実施例を装備するモ
ア・トラクタの一部欠き模式的側面図である。 【図7】第2の実施例の一部分を示す一部省略縦断背面
図である。 【図8】第7に示した差動装置の概略の分解斜視図であ
る。 【図9】第3の実施例の一部分を示す一部省略縦断背面
図である。 【図10】図9に示した差動装置の概略の分解斜視図で
ある。 【図11】第4の実施例の一部分を示す縦断背面図であ
る。 【図12】図11に示した差動装置の概略の分解斜視図
である。 【図13】第5の実施例の一部分を示す縦断背面図であ
る。 【図14】この発明におけるのとは異なった構造の変速
機構を設けてある車両用トランスミッションを比較のた
めに示す縦断背面図である。 【符号の説明】 11 ミッションケース 12 駆動軸 13 差動装置 14 差動ケース 14a,14b ケース半部 15 車軸 17,18 歯車 20,21 歯車 23 クラッチ金物 24 カラー部材 24a,24b スリーブ部材 25,26 スリーブ部材 27 係合凹部 28 係合凸部 29 空所 30 シフタ部材 39 支持シャフト 117,118,119 歯車 120,121,122 歯車 123 クラッチ金物 125,126 スリーブ部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 飯田 勝 兵庫県尼崎市猪名寺2丁目18番1号 株 式会社神崎高級工機製作所内 (56)参考文献 特開 平3−159821(JP,A) 特開 昭60−164049(JP,A) 実開 昭60−124337(JP,U) 実開 平1−167921(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 3/00 - 3/78 F16H 1/28 - 1/48 F16H 19/00 - 31/00 F16H 33/00 - 37/16 F16H 48/00 - 48/30 F16H 49/00 B60K 17/00 - 17/36

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 駆動軸(12)上に固定設置した複数個
    の歯車(17,18)と、差動ケース(14)上に遊嵌
    設置した複数個の歯車(20,21)を互に噛合せて成
    る減速兼変速用の複数歯車列を配設し、上記した差動ケ
    ース(14)上の歯車(20,21)を択一的に結合す
    るための環状クラッチ金物(23)を、該差動ケース
    (14)上に相対回転不能かつ摺動自在に設置し、前記
    差動ケース(14)上の歯車(20,21)を、それぞ
    れカラー部材(24)を介して差動ケース(14)に支
    承させ、前記差動ケース(14)は左右のケース半部
    (14a,14b)から形成し、該ケース半部の間に前
    記カラー部材(24)を挟持させて締付け固定し、前記
    各ケース半部(14a,14b)と前記カラー部材(2
    4)とに、相対回転を阻止する係合部(27,28)を
    形成したことを特徴とする車両用トランスミッション装
    置。
JP03441593A 1993-01-29 1993-01-29 車両用トランスミッション装置 Expired - Fee Related JP3513169B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP03441593A JP3513169B2 (ja) 1993-01-29 1993-01-29 車両用トランスミッション装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP03441593A JP3513169B2 (ja) 1993-01-29 1993-01-29 車両用トランスミッション装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06229446A JPH06229446A (ja) 1994-08-16
JP3513169B2 true JP3513169B2 (ja) 2004-03-31

Family

ID=12413572

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP03441593A Expired - Fee Related JP3513169B2 (ja) 1993-01-29 1993-01-29 車両用トランスミッション装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3513169B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06229446A (ja) 1994-08-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5564518A (en) Four-wheel drive transmission for working vehicles
US5385513A (en) Transmission assembly with separateable halves differential casing with gears and clutch mounted on casing for vehicles
US5031473A (en) Automotive transmission
US5617764A (en) Drive device for power working vehicle
US6551211B2 (en) Transmission for four wheel drive vehicle
US4856355A (en) Transmission for a tractor
JP4885349B2 (ja) トランスミッション
US5584775A (en) Automatic transmission for transverse engine vehicle
WO2000039486A1 (en) Transmission for cars
JP3513169B2 (ja) 車両用トランスミッション装置
JP3445381B2 (ja) トラクタの伝動構造
JP3406421B2 (ja) トランスミッション
JP3993739B2 (ja) 自動変速装置
JPS621473Y2 (ja)
JPH106792A (ja) トラクタのミッション
JP2609904B2 (ja) 農用トラクタにおける伝動装置
JPH11310047A (ja) 車両用駆動装置
JP2006029418A (ja) 走行作業機における動力伝達装置
JP2002127771A (ja) トランスミッション
JP4516655B2 (ja) 発進クラッチ
JP3136877B2 (ja) 四輪駆動車のトランスファ装置
JP3643502B2 (ja) トラクターの変速装置
JP4378794B2 (ja) 移動車両の動力伝達装置
JP2006103634A (ja) 作業車両
JP4009336B2 (ja) デファレンシャル装置

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040106

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040109

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees