JP3513159B2 - 大豆発酵物由来抗酸化物質 - Google Patents
大豆発酵物由来抗酸化物質Info
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Description
化粧品等への広い適用範囲を有する大豆発酵物由来抗酸
化物質に関する。
ee radical)が生体内における諸現象に深く
関与していることが明らかになつてきた。その中で活性
酸素の炎症への関与と、抗炎症作用における脂質過酸化
の重要性を示唆するような報告がされている。生体内の
脂質過酸化を防御する天然の抗酸化物質としてはビタミ
ンE(以下VEとする)が古くから知られており、フリ
−ラジカルのスカベンジヤ−であることは周知の事実で
ある。このVEを代表とする天然の抗酸化物質は、最近
食品における機能性物質として注目されるようになつて
きた。
化物質として大豆発酵物からナチユラルプロダクトフリ
−ラジカルスカベンジヤ−(NT−40)を得た。この
NT−40のラツトクロトンオイル(croton o
il)足浮腫に対する抗炎症作用について、VEを対照
に、足蹠部の浮腫度、過酸化脂質、プロスタグランジン
(PG)と病理組織学的検索を行ない、検討した。
大豆をBacillus nattoで45゜C、24
時間発酵させた後、メタノ−ル、エタノ−ル、アセト
ン、ヘキサン、酢酸エチル、n−ブタノ−ルのうちの一
種類の有機溶媒で抽出し、濃縮した後、0.1N HC
l(pH3.5)に懸濁し、n−ブタノ−ルを加え攪拌
して、n−ブタノ−ル又はヘキサンのいずれかを得、減
圧下でこのn−ブタノ−ル又はヘキサンを完全に除去し
た後、pHを8.5に調整した0.1N NaOHに懸
濁し、その後エ−テル又はヘキサンで分配し、水層を
得、pHを3.5に調整し、100%エ−テルで抽出
し、得られたエ−テル層を濃縮し、親水系ODSを用い
バツチ法で分画し、得られた画分を高速液体クロマトグ
ラフイ−(HPLC,ODSカラム)により分画し、こ
の分画物を更にHPLC(NH2カラム)で分画(図
1)し、得られた画分を高速液体クロマトグラフイ−
(HPLC,ODSカラム)により分画し、得られた画
分を凍結乾燥してなることを特徴とする大豆発酵物由来
抗酸化物質及びおからにB.Natto(スタ−タ)を
添加し、45°Cで24時間、好気的条件下で発酵さ
せ、これにメタノ−ル、エタノ−ル、アセトン、ヘキサ
ン、酢酸エチル、n−ブタノ−ルのうちの一種類の有機
溶媒を最終濃度が80%になるように加え、室温で20
分間撹拌し、遠心分離又は濾過法により抽出液を得、エ
タノ−ル濃度が20%以下になるように加水するか又は
減圧下でエタノ−ルを蒸散させ、かくして生じた不溶物
を遠心分離又は濾過法により集めた画分をNT−100
とすると、このNT−100を25%(v/v)エタノ
−ルに溶解し、親水性ODS樹脂に吸着させ、50%
(v/v)エタノ−ルで洗浄し、その後吸着物を99.
5%エタノ−ルで溶出させて画分NT−150を得るこ
とを特徴とする大豆発酵物由来抗酸化物質を提案するも
のである。
食品、化粧品等への適用によつて抗酸化作用が得られる
ものである。この発明で得られたNT−40はマススペ
クトルとNMRの解析から、分子量は1.064で、フ
エノ−ル(又は脂質)と糖の存在が示唆されている。
100%までのリニアグラデイエントで溶出した。 B:Aの保持時間37〜39分に溶出される画分をOD
Sカラム、93%MeOHで再クロマトグラフイ−し
た。 C:Bを更にNH2カラムに負荷し、73%MeOHで
溶出した。
トンオイル足浮腫に対する抗炎症作用に関連して説明す
る。 (1)ラツトのクロトンオイル足浮腫モデルの作製 LEW系ラツト(3週齢、雄)を離乳直後より、VE欠
乏食、コントロ−ル食(普通食)、VE投与食を1箇月
以上を与え、VE欠乏群、コントロ−ル群、VE投与群
を作製した。VE欠乏群の血清中のVEが0.1μg/
mlになつたことを確認した後、飲料水に懸濁したNT
−40(300μg/kg of bodyweigh
t)を隔日に3週間強制経口投与した。上記3群とNT
−40を投与した3群を加え、合計6群を実験群とし
た。これら実験群の左足蹠部皮下にクロトンオイル2.
5μlを投与し、起炎させ、足蹠部浮腫モデルを作製し
た。
部の容積(幅×厚み)を計測し、浮腫係数(Edema
Index)と浮腫度(Ratio ofEdem
a)を算出した。その後、エ−テル麻酔下で股動脈から
全採血した後、常法により遠心分離し、血清とした。足
蹠の浮腫部と対照足の非浮腫部の組織は解剖用メスで切
り出した。組織の一部はホルマリン固定を行ない、常法
により、パラフイン包埋後、パラフイン切片を作製し、
ヘマトキリシン.エオジン(HE)染色を行なつた。残
りの組織は切り出した直後に−80゜Cに保存した。
光分光光度計を用いて定量した。組織中の過酸化脂質は
−80゜Cに保存しておいた組織を解凍後、10%ホモ
ジネ−トを調製し、硫酸基(SDS)を加えた後、オオ
カワらの法に準じて測定した。
ツト(NEM社)を用いたラジオイムノアツセイ(RI
A)法で定量した。組織中のPGE2は95%エタノ−
ルでホモジネ−トした後、エタノ−ル抽出液を用いて上
記と同様の方法でRIA法で測定した。
の足蹠部組織では図2で見られるように、著明な炎症像
が認められ、多数のマクロフア−ジと多核白血球(PM
N)が浸潤している。しかし、NT−40を投与した群
は、総体的に浮腫度が低く、組織学的にも浮腫度の低い
ものは細胞浸潤は少なかつた(図3)。各群の足蹠炎症
部の浮腫度と対照足の非炎症部は、図4に示したよう
に、浮腫係数から炎症部は非炎症部の約2倍の大きさと
なり、VE欠乏群、コントロ−ル群、VE投与群の浮腫
度を比較すると、VE欠乏群が108%と最も高く、V
E投与群とは顕著な差が認められた。またNT−40投
与群と非投与群を比較すると、3群ともNT−40投与
群の方が浮腫度は低かつた。
酸化脂質にはあまり顕著な差は見られなかつたが、VE
欠乏群は炎症のあるなしにかかわらず、他群と比較する
と高値を示し、NT−40を投与した群はすべての群
で、非投与群よりも若干、低値を示す傾向にあつた(図
5)。しかし組織中の過酸化脂質に関しては、浮腫部と
対照足の非浮腫部とでは顕著な差がみられ、浮腫度と相
関が認められた。またNT−40投与群と非投与群とで
は投与群の方が約20〜40%低値を示した(図6)。
群、VE投与群ともに、有意差は見られなかつたが、N
T−40投与群と非投与群とでは顕著な差が認められ、
NT−40投与群が2.0〜2.5倍高値を示した(図
7)。また組織中のPGE2は総体的に浮腫部の方が高
い傾向にあり、NT−40投与群は非投与群に比較する
と著明な高値を示した(図8)。
によるほか、次のようにしても得られる。すなわち、お
からにB.Natto(スタ−タ)を添加し、45°C
で24時間、好気的条件下で発酵させ、これにエタノ−
ルを最終濃度が80%になるように加え、室温で20分
間撹拌し、遠心分離又は濾過法により抽出液を得、エタ
ノ−ル濃度が20%以下になるように加水するか又は減
圧下でエタノ−ルを蒸散させ、かくして生じた不溶物を
遠心分離又は濾過法により集めた画分をNT−100と
すると、このNT−100を25%(v/v)エタノ−
ルに溶解し、親水性ODS樹脂に吸着させ、50%(v
/v)エタノ−ルで洗浄し、その後吸着物を99.5%
エタノ−ルで溶出させて画分NT−150を得る。
mol/mg/min)は次のとおりである。 画分 活性酸素消去能 NT−100 13 NT−150 1300
所にマクロフア−ジが集まり、細胞膜でのNADPHオ
キシダ−ゼ系による活性酸素の生成が起こり、種々のc
hemotatic factorが産生され、好中球
の集積を引き起こし、さらに好中球が活性酸素を産生す
ることにより、過度の活性酸素が組織、細胞を損傷させ
てゆく。本実験からも図2にみられるように、炎症局所
に多数のマクロフア−ジや、PMNが認められ、これら
炎症細胞が炎症のプロモ−タとして重要な役割を担つて
いると示唆される。VE(トコフエロ−ル)は天然の低
分子抗酸化物質で他にフエノ−ル類、アスコルビン酸、
カロチノド類等、非常に多くの物質が見い出される。中
でもトコフエロ−ル類については広く研究されており、
生体膜に分布し、LOO・やLO・、O2−及び・OH
を捕獲して脂質過酸化の誘導反応や連鎖拡大反応を停止
させることにより、虚血障害や炎症等のフリ−ラジカル
が関与する各種疾病の防御に関わつている。
群が最も著明で、VE投与群とは明らかな差が認められ
た。これはα−トコフエロ−ルを投与したことによる抗
酸化作用が示唆される。さらに炎症による過酸化脂質の
沈着は、血清中では殆んど差は認められなかつたが、組
織中では浮腫度との相関性が認められ、起炎部組織の過
酸化脂質の生成は有意に抑制されていた(図8)。また
PGE2についてはVE欠乏群、VE投与群、コントロ
−ル群とも、有意差が認められず、α−トコフエロ−ル
はPGE2の合成系には関与していないと推察された。
有意に抑制されており、特にVE欠乏群とコントロ−ル
群においては顕著な差が認められた。しかし、浮腫部組
織の過酸化脂質量や血清の過酸化脂質量に有意差は認め
られなかつた。PGE2量はNT−40非投与に比して
2.5〜3.0倍高く、その産生が促進されていた。従
来からPGEは初期の炎症では炎症のchemical
mediatorとして深く関与しているとされてい
るが、その作用起序は明らかにされていない。
ロスマリ−酸(Rosmaricacid)がO2−除
去作用を示し、PGE2の産生を促進させることにより
抗炎症作用を示すことから、NT−40もこれらと同様
な機序により抗炎症作用を示すと考えられる。
来坑酸化物質は、クロトンオイルによる炎症を有意に抑
制することができ、医薬品、医薬部外品、化粧品等への
広汎な適用範囲において有用性を発揮しうるものであ
る。
ンを示す図である。
トンオイル足蹠浮腫部組繊の顕微鏡写真である。
のクロトンオイル足蹠浮腫部組織の顕微鏡写真である。
を示すグラフである。
Claims (2)
- 【請求項1】 大豆をBacillus nattoで45゜C、 24時間
発酵させた後、メタノ−ル、エタノ−ル、アセトン、ヘ
キサン、酢酸エチル、n−ブタノ−ルのうちの一種類の
有機溶媒で抽出し、濃縮した後、0.1N HCl(pH3.5)
に懸濁し、n−ブタノ−ル又はヘキサンを加え攪拌し
て、n−ブタノ−ル又は又はヘキサンのいずれかの層を
得、減圧下でこのn−ブタノ−ル又はヘキサンを完全に
除去した後、pHを8.5に調整した0.1N NaOHに懸濁し、
その後エ−テル又はヘキサンで分配し、水層を得、pHを
3.5に調整し、エ−テル又はヘキサンで抽出し、得られ
たエ−テル又はヘキサン層を濃縮し、浸水型オクタデシ
ルシリル基(ODS)結合樹脂を用いバツチ法で分画し、
この分画物を更にHPLC(NH2カラム)で分画し、得られ
た画分を高速液体クロマトグラフイ−(HPLC,ODSカラ
ム)により分画し、得られた画分を凍結乾燥してなるこ
とを特徴とする大豆発酵物由来抗酸化物質。 - 【請求項2】 おからにB.Natto(スタ−タ)を添加
し、45°Cで24時間、好気的条件下で発酵させ、これに
メタノ−ル、エタノ−ル、アセトン、ヘキサン、酢酸エ
チル、n−ブタノ−ルのうちの一種類の有機溶媒を最終
濃度が80%になるように加え、室温で20分間撹拌し、遠
心分離又は濾過法により抽出液を得、有機溶媒濃度が20
%以下になるように加水するか又は減圧下で有機溶媒を
蒸散させ、かくして生じた不溶物を遠心分離又は濾過法
により集めた画分をNT−100とすると、このNT−100を25
%(v/v)エタノ−ルに溶解し、浸水型オクタデシルシ
リル基(ODS)結合樹脂に吸着させ、50%(v/v)エタ
ノ−ルで洗浄し、その後吸着物を99.5%エタノ−ルで
溶出させて画分NT−150を得ることを特徴とする大豆発
酵物由来抗酸化物質。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP26693591A JP3513159B2 (ja) | 1991-09-19 | 1991-09-19 | 大豆発酵物由来抗酸化物質 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26693591A JP3513159B2 (ja) | 1991-09-19 | 1991-09-19 | 大豆発酵物由来抗酸化物質 |
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---|---|
JPH0680579A JPH0680579A (ja) | 1994-03-22 |
JP3513159B2 true JP3513159B2 (ja) | 2004-03-31 |
Family
ID=17437732
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26693591A Expired - Fee Related JP3513159B2 (ja) | 1991-09-19 | 1991-09-19 | 大豆発酵物由来抗酸化物質 |
Country Status (1)
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Families Citing this family (5)
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JP5984512B2 (ja) * | 2011-09-13 | 2016-09-06 | 株式会社ラフィーネインターナショナル | 大豆発酵組成物の利用、及び飲食品 |
JP6050644B2 (ja) * | 2011-10-28 | 2016-12-21 | 株式会社ラフィーネインターナショナル | βセクレターゼの活性阻害用組成物、β−アミロイドの凝集抑制用組成物、小胞体ストレス誘導細胞傷害の抑制用組成物、及び神経細胞の突起伸長誘導用組成物、並びに抗アルツハイマー用飲食品 |
KR102499756B1 (ko) * | 2020-03-20 | 2023-02-14 | (주)오케이바이오랜드 | 유용 미생물을 이용한 티로신 함량, 항산화 활성, 단백질 분해 활성 및 혈전 분해 활성이 증가된 곡류 발효물의 제조 방법 |
CN113049348A (zh) * | 2021-03-15 | 2021-06-29 | 深圳市易瑞生物技术股份有限公司 | 溶剂置换的磁性固相萃取方法 |
-
1991
- 1991-09-19 JP JP26693591A patent/JP3513159B2/ja not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (2)
Title |
---|
Hideo ESAKI et al,Antixidative Activity of Natto,Nippon Shokuhin Kogyo Gakkaishi ,1990年,Vol.37,No.7,pp.474−477 |
河端 真 他,おからを原料とした納豆及びテンペーの食品化学的評価,京都府立大学学術報告(理学・生活科学),1986年,第37号,B系列,pp.9−15 |
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---|---|
JPH0680579A (ja) | 1994-03-22 |
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