JP3512513B2 - 可逆性感熱記録材料 - Google Patents

可逆性感熱記録材料

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JP3512513B2
JP3512513B2 JP08705795A JP8705795A JP3512513B2 JP 3512513 B2 JP3512513 B2 JP 3512513B2 JP 08705795 A JP08705795 A JP 08705795A JP 8705795 A JP8705795 A JP 8705795A JP 3512513 B2 JP3512513 B2 JP 3512513B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、加熱により画像形成及
び消去が可能な可逆性感熱記録材料に関するものであ
る。 【0002】 【従来の技術】感熱記録材料は一般に支持体上に電子供
与性の通常無色ないし淡色の染料前駆体と電子受容性の
顕色剤とを主成分とする感熱記録層を設けたものであ
り、熱ヘッド、熱ペン、レーザー光等で加熱することに
より、染料前駆体と顕色剤とが瞬時反応し記録画像が得
られるもので、特公昭43−4160号、特公昭45−
14039号公報等に開示されている。 【0003】一般にこのような感熱記録材料は、一度画
像を形成するとその部分を消去して再び画像形成前の状
態に戻すことは不可能であるため、さらに情報を記録す
る場合には画像が未形成の部分に追記するしかなかっ
た。このため感熱記録部分の面積が限られている場合に
は、記録可能な情報が制限され必要な情報を全て記録で
きないという問題が生じていた。 【0004】近年、この様な問題に対処するため画像形
成・画像消去が繰り返して可能な可逆性感熱記録材料が
考案されており、例えば、特開昭54−119377号
公報、特開昭63−39377号公報、特開昭63−4
1186号公報では、樹脂母材とこの樹脂母材中に分散
された有機低分子から構成された感熱記録材料が記載さ
れている。しかしこの方法は、熱エネルギーによって感
熱記録材料の透明度を可逆的に変化させるものであるた
め、画像形成部と画像未形成部のコントラストが不十分
であった。 【0005】また、特開昭50−81157号公報、特
開昭50−105555号公報に記載された方法におい
ては、形成する画像は環境温度に従って変化するもので
あるため、画像形成状態と消去状態を保持する温度が異
なっており、常温下ではこの2つの状態を任意の期間保
持することが出来なかった。 【0006】さらに、特開昭59−120492号公報
には、呈色成分のヒステリシス特性を利用し、記録材料
をヒステリシス温度域に保つことにより画像形成状態・
消去状態を維持する方法が記載されているが、この方法
では画像形成及び消去に加熱源と冷却源が必要な上、画
像の形成状態及び消去状態を保持できる温度領域がヒス
テリシス温度領域内に限られる欠点を有しており、日常
生活の温度環境で使用するには未だ不十分であった。 【0007】一方、特開平2−188293号公報、特
開平2−188294号公報、国際公開番号WO90/
11898号には、ロイコ染料と加熱によりロイコ染料
を発色及び消色させる顕減色剤から構成される可逆性感
熱記録媒体が記載されている。顕減色剤は、ロイコ染料
を発色させる酸性基と、発色したロイコ染料を消色させ
る塩基性基を有する両性化合物で、熱エネルギーの制御
により酸性基による発色作用または塩基性基による消色
作用の一方を優先的に発生させ、発色と消色を行うもの
である。しかしこの方法では、熱エネルギーの制御のみ
で完全に発色反応と消色反応を切り換えることは不可能
で、両反応がある割合で同時に起こるため、十分な発色
濃度が得られず、また、消色が完全には行えないために
十分な画像のコントラストが得られなかった。また、塩
基性基の消色作用は常温で発色部にも作用するため、経
時的に発色部の濃度が低下する現象が避けられなかっ
た。そして、特開平5−124360号公報には加熱に
よりロイコ染料を発色及び消色させる可逆性感熱記録媒
体が記載されており、電子受容性化合物として有機リン
酸化合物、α−ヒドロキシ脂肪族カルボン酸、脂肪酸ジ
カルボン酸及び炭素数10以上の脂肪族基を有するアル
キルチオフェノール、アルキルオキシフェノール、アル
キルカルバモイルフェノール、没食子酸アルキルエステ
ルなどの特定のフェノール化合物が例示されている。し
かし、この記録媒体でもやはり発色濃度が低い、また
は、消色が不完全というふたつの問題を同時に解決する
ことはできなかった。 【0008】一方、本出願人は先に特開平6−2109
54号公報において、これら従来技術の持つ問題点を解
決した新規な可逆性感熱記録材料を提案している。ここ
では特定の新規な可逆性顕色剤を用いることにより、加
熱という手段のみで画像の形成と消去を良好なコントラ
ストで行うことが可能な、従来にない性能を持つ可逆性
感熱記録材料が得られている。 【0009】当該公報に例示されている新規な可逆性顕
色剤のなかでも、分子中に尿素結合を含むフェノール誘
導体は発色性、消色性共に優れている上、合成も容易で
あり、特に好ましい可逆性顕色剤のひとつである。しか
しながら、これを用いて作成した可逆性感熱記録材料に
おいては、画像を完全に消去するためには100℃以上
の高温度を必要とするため、画像消去用の装置が大型に
なること、繰り返し使用時に記録材料の熱劣化が進行す
ること等、実用化する上での大きな問題点が残ってい
る。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、加熱
により画像の形成と消去を良好なコントラストで行うこ
とが可能で、かつ公知の材料より低い温度で画像の消去
が可能な、実用性の高い可逆性感熱記録材料を提供する
ことである。 【0011】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、この課題
を解決するため研究を行った結果、通常無色ないし淡色
の電子供与性染料前駆体に加熱により可逆的な色調変
化、すなわち発色及び消色を生じせしめる可逆性顕色剤
として、下記一般式化2で表される電子受容性化合物を
用いることにより、画像形成能と消去性を損なうことな
く、100℃以下の低温度で画像を消去することが可能
であることを見いだし、本発明を完成するに至った。 【0012】 【化2】【0013】式化2中、nは1から3の整数を示す。X
はCH2基またはO原子を表し、R1は炭素数が2から1
2の2価の脂肪族炭化水素基を表し、R2は炭素数が1
0から22の炭化水素基を表す。 【0014】上記一般式で表される化合物のうち、n=
1で、かつR2として炭素数14以上の炭化水素基を持
つものが好ましい。 【0015】
本発明に用いる、通常無色ないし淡色の電子供与性染料
前駆体に可逆的な色調変化を生じせしめる一般式化2で
示される電子受容性化合物の具体例としては、下記に挙
げるものなどがあるが、本発明はこれに限定されるもの
ではない。 【0016】N−(4−ヒドロキシフェニル)−N′−
〔3−(n−テトラデカノイルオキシ)−n−プロピ
ル〕尿素、N−(4−ヒドロキシフェニル)−N′−
〔4−(n−ヘキサデカノイルオキシ)−n−ブチル〕
尿素、N−(4−ヒドロキシフェニル)−N′−〔3−
(n−オクタデカノイルオキシ)−n−プロピル〕尿
素、N−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−N′−
〔3−(n−オクタデカノイルオキシ)−n−プロピ
ル〕尿素、N−(4−ヒドロキシフェニル)−N′−
〔5−(n−オクタデカノイルオキシ)−n−ペンチ
ル〕尿素、N−(4−ヒドロキシフェニル)−N′−
〔6−(n−ドコサノイルオキシ)−n−ヘキシル〕尿
素、N−(3,4,5−トリヒドロキシフェニル)−
N′−〔6−(n−ドコサノイルオキシ)−n−ヘキシ
ル〕尿素、N−(4−ヒドロキシフェニル)−N′−
〔12−(n−ドデカノイルオキシ)−n−ドデシル〕
尿素、N−(4−ヒドロキシフェニル)−N′−〔3−
(n−ヘキサデシルオキシカルボニルオキシ)−n−プ
ロピル〕尿素、N−(4−ヒドロキシフェニル)−N′
−〔5−(n−ヘキサデシルオキシカルボニルオキシ)
−n−ペンチル〕尿素。 【0017】本発明の電子受容性化合物はよく知られた
有機合成の手法に則り、入手容易な各種原料から極めて
容易に合成することができ、この点からも本発明の実用
性は高い。 【0018】本発明による電子受容性化合物はそれぞれ
1種または2種以上を混合して使用してもよく、通常無
色ないし淡色の染料前駆体に対する本発明による電子受
容性化合物の使用量は、5〜5000重量%、好ましく
は10〜3000重量%である。 【0019】本発明に用いられる通常無色ないし淡色の
電子供与性染料前駆体としては一般に感圧記録紙や感熱
記録紙等に用いられるものに代表されるが、特に制限さ
れるものではない。具体的な例としては、例えば下記に
挙げるものなどがあるが、本発明はこれに限定されるも
のではない。 【0020】(1)トリアリールメタン系化合物 3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジ
メチルアミノフタリド(クリスタルバイオレットラクト
ン)、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フ
タリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−
(1,2−ジメチルインドール−3−イル)フタリド、
3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メチ
ルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチ
ルアミノフェニル)−3−(2−フェニルインドール−
3−イル)フタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチル
インドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリ
ド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−
イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス
(9−エチルカルバゾール−3−イル)−5−ジメチル
アミノフタリド、3,3−ビス(2−フェニルインドー
ル−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3−p
−ジメチルアミノフェニル−3−(1−メチルピロール
−2−イル)−6−ジメチルアミノフタリド等。 【0021】(2)ジフェニルメタン系化合物 4,4′−ビス(ジメチルアミノフェニル)ベンズヒド
リルベンジルエーテル、N−クロロフェニルロイコオー
ラミン、N−2,4,5−トリクロロフェニルロイコオ
ーラミン等。 【0022】(3)キサンテン系化合物 ローダミンBアニリノラクタム、ローダミンB−p−ク
ロロアニリノラクタム、3−ジエチルアミノ−7−ジベ
ンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−オ
クチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−フ
ェニルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフ
ルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−メチ
ルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(3,4−ジ
クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7
−(2−クロロアニリノ)フルオラン、 【0023】3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ア
ニリノフルオラン、3−(N−エチル)トリルアミノ−
6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ
−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エ
チル)トリルアミノ−6−メチル−7−フェネチルフル
オラン、3−ジエチルアミノ−7−(4−ニトロアニリ
ノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7
−アニリノフルオラン、3−(N−メチル)プロピルア
ミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N
−エチル)イソアミルアミノ−6−メチル−7−アニリ
ノフルオラン、3−(N−メチル)シクロヘキシルアミ
ノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−
エチル)テトラヒドロフリルアミノ−6−メチル−7−
アニリノフルオラン等。 【0024】(4)チアジン系化合物 ベンゾイルロイコメチレンブルー、p−ニトロベンゾイ
ルロイコメチレンブルー等。 【0025】(5)スピロ系化合物 3−メチルスピロジナフトピラン、3−エチルスピロジ
ナフトピラン、3,3′−ジクロロスピロジナフトピラ
ン、3−ベンジルスピロジナフトピラン、3−メチルナ
フト−(3−メトキシベンゾ)スピロピラン、3−プロ
ピルスピロベンゾピラン等。 【0026】前記通常無色ないし淡色の染料前駆体はそ
れぞれ1種または2種以上を混合して使用してもよい。 【0027】次に本発明の可逆性感熱記録材料の具体的
製造方法について述べるが、本発明はこれに限定される
ものではない。 【0028】本発明の可逆性感熱記録材料の製造方法の
具体例としては、通常無色ないし淡色の染料前駆体と本
発明による電子受容性化合物を主成分とし、これらを支
持体上に塗布或いは印刷して可逆性感熱記録層を形成す
る方法が挙げられる。 【0029】通常無色ないし淡色の染料前駆体と、本発
明による電子受容性化合物を可逆性感熱記録層に含有さ
せる方法としては、各々の化合物を単独で溶媒に溶解も
しくは分散媒に分散してから混合する方法、各々の化合
物を混ぜ合わせてから溶媒に溶解もしくは分散媒に分散
する方法、各々の化合物を加熱溶解し均一化した後冷却
し、溶媒に溶解もしくは分散媒に分散する方法等が挙げ
られるが特定されるものではない。 【0030】また、可逆性感熱記録層の強度を向上する
等の目的でバインダーを可逆性感熱記録層中に添加する
事も可能である。バインダーの具体例としては、デンプ
ン類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイ
ン、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコー
ル、ポリアクリル酸ソーダ、アクリル酸アミド/アクリ
ル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド/アクリル酸
エステル/メタクリル酸3元共重合体、スチレン/無水
マレイン酸共重合体のアルカリ塩、エチレン/無水マレ
イン酸共重合体のアルカリ塩等の水溶性高分子、ポリ酢
酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸エステル、ス
チレン/ブタジエン共重合体、アクリロニトリル/ブタ
ジエン共重合体、アクリル酸メチル/ブタジエン共重合
体、エチレン/酢酸ビニル共重合体等のラテックスなど
があげられるが、これらに限定されるものではない。 【0031】また、可逆性感熱記録層の発色感度及び消
色温度を調節するための添加剤として、熱可融性物質を
可逆性感熱記録層中に含有させることができる。60℃
〜200℃の融点を有するものが好ましく、特に80℃
〜180℃の融点を有するものが好ましい。一般の感熱
記録紙に用いられている増感剤を使用することもでき
る。例えば、N−ヒドロキシメチルステアリン酸アミ
ド、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミドなどのワ
ックス類、2−ベンジルオキシナフタレン等のナフトー
ル誘導体、p−ベンジルビフェニル、4−アリルオキシ
ビフェニル等のビフェニル誘導体、1,2−ビス(3−
メチルフェノキシ)エタン、2,2′−ビス(4−メト
キシフェノキシ)ジエチルエーテル、ビス(4−メトキ
シフェニル)エーテル等のポリエーテル化合物、炭酸ジ
フェニル、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸ビス(p−メ
チルベンジル)エステル等の炭酸またはシュウ酸ジエス
テル誘導体等を併用して添加することができる。 【0032】本発明の可逆性感熱記録材料に用いられる
支持体としては、紙、各種不織布、織布、合成樹脂フィ
ルム、合成樹脂ラミネート紙、合成紙、金属箔、ガラス
等、あるいはこれらを組み合わせた複合シートを目的に
応じて任意に用いることができ、更に、透明、半透明或
いは不透明いずれであっても良い。また、これらに限
定されるものでもない。 【0033】本発明の可逆性感熱記録材料の層構成は、
可逆性感熱記録層のみであっても良い。必要に応じて、
可逆性感熱記録層上に保護層を設けることも又、可逆性
感熱記録層と支持体の間に中間層を設けることもでき
る。この場合、保護層および/または中間層は2層ない
しは3層以上の複数の層から構成されていてもよい。更
に可逆性感熱記録層中および/または他の層および/ま
たは可逆性感熱記録層が設けられている面および/また
は反対側の面に、電気的、磁気的、光学的に情報が記録
可能な材料を含んでも良い。また、可逆性感熱記録層が
設けられている面と反対側の面にカール防止、帯電防止
を目的としてバックコート層を設けることもできる。 【0034】可逆性感熱記録層は、各発色成分を微粉砕
して得られる各々の分散液を混合し、支持体上に塗布、
印刷して乾燥する方法、各発色成分を溶媒に溶解して得
られる各々の溶液を混合し、支持体上に塗布、印刷して
乾燥する方法などにより得ることができる。この場合、
例えば、各発色成分を一層ずつに含有させ、多層構造と
してもよい。 【0035】また、可逆性感熱記録層及び/または保護
層及び/または中間層には、ケイソウ土、タルク、カオ
リン、焼成カオリン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウ
ム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ケイ素、水酸化アルミ
ニウム、尿素−ホルマリン樹脂等の顔料、その他に、ス
テアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪
酸金属塩、パラフィン、酸化パラフィン、ポリエチレ
ン、酸化ポリエチレン、ステアリン酸アミド、カスター
ワックス等のワックス類を、また、ジオクチルスルホコ
ハク酸ナトリウム等の分散剤、さらに界面活性剤、蛍光
染料などを含有させることもできる。 【0036】 【作用】本発明による電子受容性化合物は、ロイコ染料
を発色させる能力を持つにも関わらず、特異的に消色効
果すなわち可逆効果も持ち合わせている。このことは全
く予期しないことであり、通常の感熱記録材料に用いて
いる電子受容性化合物、即ち、2,2−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)スルホン、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル等で
はこのような可逆効果は全く見られない。 【0037】本発明の感熱記録材料の画像形成及び消去
原理は未だ明確ではないが、以下の様に考えられる。通
常無色ないし淡色の染料前駆体は、フェノール性化合物
のような電子受容性化合物と共に加熱すると染料前駆体
から電子受容性化合物への電子移動が起こり発色する。
この時、電子受容性化合物分子は発色した染料分子の極
めて近傍に存在していると考えられる。また、発色した
染料分子から電子受容性化合物分子を引き離すと、発色
した染料分子は再び電子を受け取り、発色前の染料前駆
体の状態となる。本発明は加熱により、電子受容性化合
物分子と染料分子との距離を変化させ発色及び消色を行
うものと考えられる。 【0038】さらに詳しく述べるならば、本発明による
電子受容性化合物は、その構造の中に大きな炭化水素鎖
を持つため、染料前駆体分子および発色した染料分子と
の相溶性が低く、凝固した状態では互いに殆ど溶け合わ
ないと考えられる。また、加熱溶融状態の様に染料前駆
体分子と本発明による電子受容性化合物分子が自由に運
動できる状態では、染料前駆体分子と本発明による電子
受容性化合物分子は互いにある割合で溶け合い、発色状
態となる。それ故、発色している溶融状態の混合物をゆ
っくり冷却すると、降温するに従い本発明による電子受
容性化合物と染料分子は互いに溶け合わなくなって相分
離し、消色する。この時、本発明による電子受容性化合
物は分子内に、水素結合能力を持つ尿素結合を含有して
いるため、分子間水素結合により速やかに結晶化してし
まう。一方、急速に冷却を行うと、相分離する前、即ち
発色状態のままで固化するため、発色状態が固定され固
化後も発色状態が安定に保持される。 【0039】この発色状態にある固化物を再度加熱して
いくと、ある温度以上で上記と同様の相分離が始まり、
消色が進行していく。即ち、発色物を一定時間以上この
消色温度以上に保持すれば、完全に消色させることがで
きる。その際、本発明の電子受容性化合物が従来公知の
類縁体に比べて、より低い消色温度を示す理由は明確で
はないが、炭化水素鎖中に特定の官能基を導入すること
で分子のモビリティが向上し、相分離開始温度が低下し
たものとも考えられる。 【0040】以上のように、本発明による可逆性感熱記
録材料は、染料分子と本発明による電子受容性化合物と
の相溶状態および相分離状態を作りだし、発色および消
色状態を発現させるものと考えられる。発色を行うに
は、加熱に引き続き急速な冷却が起これば良く、例えば
サーマルヘッド、レーザー光等による加熱により可能で
ある。また、消色の手段としては、例えば熱ロール、熱
スタンプ、サーマルヘッド、高周波加熱、熱風、電熱ヒ
ーター或いはハロゲンランプ等の光源からの輻射熱等を
用いることが可能である。 【0041】次に、化2で表される電子受容性化合物の
具体的合成例を以下に示すが、本発明化合物の製造法は
これに限定されるものではない。 【0042】合成例1N−(4−ヒドロキシフェニル)−N′−〔3−(n−
オクタデカノイルオキシ)−n−プロピル〕尿素の合成 攪拌機、冷却器を付けた300mlのフラスコ内に、N
−(4−ヒドロキシフェニル)カルバミド酸フェニル
5.5g、3−アミノ−n−プロパノール2.0g、
N,N−ジメチルアセトアミド70mlを仕込み、室温
雰囲気下で16時間攪拌した後、70〜73℃に1時間
加熱した。ここにピリジン2.0gを添加し、水冷下に
n−オクタデカン酸クロリド7.3gのN,N−ジメチ
ルアセトアミド50ml溶液を60分かけて滴下した。
滴下終了後60〜65℃に1時間加熱攪拌した後反応液
を氷水にあけ、析出物を濾取、洗浄した。これをメタノ
ールから繰り返し再結晶して目的物7.1gを得た。融
点112℃。 【0043】合成例2N−(4−ヒドロキシフェニル)−N′−〔5−(n−
オクタデカノイルオキシ)−n−ペンチル〕尿素の合成 攪拌機、冷却器を付けた300mlのフラスコ内に、N
−(4−ヒドロキシフェニル)カルバミド酸フェニル
5.0g、5−アミノ−n−ペンタノール2.3g、
N,N−ジメチルアセトアミド60mlを仕込み、室温
雰囲気下で16時間攪拌した後、70〜73℃に1時間
加熱した。ここにピリジン1.8gを添加し、水冷下に
n−オクタデカン酸クロリド6.7gのN,N−ジメチ
ルアセトアミド50ml溶液を60分かけて滴下した。
滴下終了後60〜65℃に1時間加熱攪拌した後反応液
を氷水にあけ、析出物を濾取、洗浄した。これをメタノ
ールから繰り返し再結晶して目的物6.6gを得た。融
点111℃。 【0044】合成例3N−(4−ヒドロキシフェニル)−N′−〔5−(n−
ヘキサデシルオキシカルボニルオキシ)−n−ペンチ
ル〕尿素の合成 攪拌機、冷却器を付けた300mlのフラスコ内に、N
−(4−ヒドロキシフェニル)カルバミド酸フェニル
5.0g、5−アミノ−n−ペンタノール2.3g、
N,N−ジメチルアセトアミド50mlを仕込み、室温
雰囲気下で16時間攪拌後、70〜73℃に1時間加熱
した。ここにピリジン1.8gを添加し、氷冷下にクロ
ロギ酸n−ヘキサデシル6.7gのアセトン25ml溶
液を60分かけて滴下した。次いで45〜50℃で1時
間攪拌した後、反応液を氷水にあけ、析出物を濾取、洗
浄した。これをエタノールから繰り返し再結晶して目的
物6.8gを得た。融点109℃。 【0045】 【実施例】以下実施例によって本発明を更に詳しく説明
する。 【0046】実施例1 (A)可逆性感熱塗液の作成 染料前駆体である3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチ
ル−7−アニリノフルオラン40部を2.5%ポリビニ
ルアルコール水溶液90部と共にボールミルで24時間
粉砕し、染料前駆体分散液を得た。次いでN−(4−ヒ
ドロキシフェニル)−N′−〔3−(n−オクタデカノ
イルオキシ)−n−プロピル〕尿素100部を2.5%
ポリビニルアルコール水溶液400部と共にボールミル
で24時間粉砕し分散液を得た。 上記2種の分散液を
混合した後、10%ポリビニルアルコール水溶液200
部、水400部を添加、よく混合し、可逆性感熱塗液を
作成した。 【0047】(B)可逆性感熱記録材料の作成 (A)で調製した可逆性感熱塗液をポリエチレンテレフ
タレート(PET)シートに、 固形分塗抹量4g/m2
となる様に塗抹し、乾燥後、スーパーカレンダーで処理
して可逆性感熱記録材料を得た。 【0048】実施例2 実施例1で用いたN−(4−ヒドロキシフェニル)−
N′−〔3−(n−オクタデカノイルオキシ)−n−プ
ロピル〕尿素のかわりに、N−(4−ヒドロキシフェニ
ル)−N′−〔5−(n−オクタデカノイルオキシ)−
n−ペンチル〕尿素を使用した他は、実施例1と同様に
して可逆性感熱記録材料を得た。 【0049】実施例3 実施例1で用いたN−(4−ヒドロキシフェニル)−
N′−〔3−(n−オクタデカノイルオキシ)−n−プ
ロピル〕尿素のかわりに、N−(4−ヒドロキシフェニ
ル)−N′−〔5−(n−ヘキサデシルオキシカルボニ
ルオキシ)−n−ペンチル〕尿素を使用した他は、実施
例1と同様にして可逆性感熱記録材料を得た。 【0050】比較例1 実施例1で用いたN−(4−ヒドロキシフェニル)−
N′−〔3−(n−オクタデカノイルオキシ)−n−プ
ロピル〕尿素のかわりに、没食子酸とステアリルアミン
との塩を使用した他は、実施例1と同様にした。 【0051】比較例2 実施例1で用いたN−(4−ヒドロキシフェニル)−
N′−〔3−(n−オクタデカノイルオキシ)−n−プ
ロピル〕尿素のかわりに、2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)プロパンを使用した他は、実施例1と同様
にした。 【0052】比較例3 実施例1で用いたN−(4−ヒドロキシフェニル)−
N′−〔3−(n−オクタデカノイルオキシ)−n−プ
ロピル〕尿素のかわりに、p−(n−オクタデシルチ
オ)フェノールを使用した他は、実施例1と同様にし
た。 【0053】比較例4 実施例1で用いたN−(4−ヒドロキシフェニル)−
N′−〔3−(n−オクタデカノイルオキシ)−n−プ
ロピル〕尿素のかわりに、N−(4−ヒドロキシフェニ
ル)−N′−n−オクタデシル尿素を使用した他は、実
施例1と同様にした。 【0054】試験1(発色濃度=熱応答性) 実施例1〜3および比較例1〜4で得た感熱記録材料
を、京セラ製印字ヘッドKJT−256−8MGF1付
き大倉電気製感熱ファクシミリ印字試験機TH−PMD
を用いて印加パルス1.1ミリ秒で印加電圧26ボルト
の条件で印字し、得られた発色画像の濃度を濃度計マク
ベスRD918を用いて測定した。結果を表1に示し
た。 【0055】試験2(画像の消去性) 実施例1〜3および比較例1〜4で得た感熱記録材料
を、京セラ製印字ヘッドKJT−256−8MGF1付
き大倉電気製感熱ファクシミリ印字試験機TH−PMD
を用いて印加パルス1.1ミリ秒で印加電圧26ボルト
の条件で印字し、得られた発色画像部に熱スタンプを用
いて70℃で1秒間加熱した後、試験1と同様にして濃
度を測定した。結果を表1に示した。 【0056】 【表1】 【0057】表1中、○は消去部の濃度が発色部の濃度
の20%未満で発色部と消去部のコントラストが良好、
△は消去部の濃度が発色部の濃度の20%以上80%未
満でコントラストが不十分、×は消去部の濃度が発色部
の濃度の80%以上で可逆性が認められないことを表
す。 【0058】 【発明の効果】表1に示したように、通常無色ないし淡
色の電子供与性染料前駆体と、加熱により該染料前駆体
に可逆的な色調変化を生じせしめる前記一般式化2で表
される電子受容性化合物とを含有する可逆性感熱記録材
料により、良好なコントラストで画像の形成と消去を行
うことが可能な、極めて実用性の高い可逆性感熱記録材
料を得ることができた。

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 通常無色ないし淡色の電子供与性染料前
    駆体と、加熱により該染料前駆体に可逆的な色調変化を
    生じせしめる下記一般式化1で表される電子受容性化合
    物とを含有する可逆性感熱記録材料。 【化1】 (式化1中、nは1から3の整数を示す。XはCH2
    またはO原子を表し、R1は炭素数が2から12の2価
    脂肪族炭化水素基を表し、R2は炭素数が10から2
    2の炭化水素基を表す。)
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