JP3511526B2 - コーティング用組成物 - Google Patents

コーティング用組成物

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JP3511526B2 JP21794194A JP21794194A JP3511526B2 JP 3511526 B2 JP3511526 B2 JP 3511526B2 JP 21794194 A JP21794194 A JP 21794194A JP 21794194 A JP21794194 A JP 21794194A JP 3511526 B2 JP3511526 B2 JP 3511526B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はコーティング用組成物に
関する。更に詳しくはポリエステル樹脂塗料の鉄等の金
属への密着性が向上し、且つ表面硬度および耐汚染性が
改善された塗膜を形成できるコーティング用組成物に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来から、耐擦傷性の改良を目的として
種々のシリコン化合物含有のコーティング用組成物が検
討されている。例えば、アルコキシシラン加水分解物を
用いた方法として、特開昭53−2565、特開昭56
−22365、特開昭61−166824号公報等があ
る。またオルガノアルコキシシランとコロイド状のシリ
カまたはコロイド状のアルミナを主成分とするコーティ
ング用組成物として特公昭52−39691、特公昭5
3−5042、特開昭54−87736、特開昭55−
94971、特開昭56−99236、特開昭59−6
8377号公報等に提案されている。更には、アルコキ
シシリル基を含有したアクリル系共重合体を使用したコ
ーティング用組成物が特開平3−47871、特開平3
−54278号公報等に提案されている。更に両者の特
徴をそれぞれ発揮させるため上記のアルコキシシランの
加水分解物とアクリル系共重合体を混合した組成物をコ
ーティング用途に用いることも注目されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
混合物よりなるコーティング用組成物では、得られる塗
膜の透明性や耐沸水性に改善の余地があるので、本出願
人は先に有機溶媒中でシリケートオリゴマーの存在下
に、アルコキシシリル基含有(メタ)アクリル酸アルキ
ルエステルを重合して得られる組成物が、鉄等の金属、
プラスチック、木材、コンクリート等の表面に透明性や
耐沸水性の良好な塗膜を形成させることが出来、更に該
組成物が本来有している耐擦傷性、耐熱性、耐候性、密
着性も兼ね備えたことを見出し特許出願を行った。本出
願人はこの組成物の新規用途を更に開拓すべく鋭意検討
を行った。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、鋭意検討した結果、アルコキシシリル基含有エチ
レン性不飽和単量体の重合時に特定のシリケートオリゴ
マーを共存させて得られる組成物に、ポリエステル樹脂
を混合することにより塗膜の物性を改良できることを見
出し、本発明に到達した。即ち、本発明は、有機溶媒中
で下記一般式[I]で示されるシリケートオリゴマーの
存在下に、アルコキシシリル基含有エチレン性不飽和単
量体を重合して得られる組成物と、ポリエステル樹脂
、ポリエステル樹脂100重量部に対して共存重合し
た組成物を固形分換算で5〜50重量部混合することを
特徴とするコーティング用組成物にある。
【化1】 (式中、nは1〜20の整数、Rは水素又は炭素数1〜
4のアルキル基、フェニル基を示す)
【0005】以下、本発明につき詳細に説明する。本発
明で使用するシリケートオリゴマーとしては下記一般式
〔I〕で示されるものであれば、特に限定されない。
【化1】 (式中、nは1〜20の整数、Rは水素又は炭素数1〜
4のアルキル基、フェニル基を示す)
【0006】該シリケートオリゴマーは例えば、テトラ
メトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロピ
オキシシラン、テトラブトキシシラン等のテトラアルコ
キシシラン又はテトラフェノキシシランを加水分解する
ことにより得られる。nはこの場合の加水分解率を制御
することにより調整できる
【0007】加水分解反応自体は、公知の方法によるこ
とができ、例えば、上記テトラアルコキシシランに所定
量の水を加えて酸触媒の存在下に、副生するアルコール
を留去しながら通常、室温程度〜100℃で反応させ
る。この反応によりアルコキシシランは加水分解し、さ
らに縮合反応によりヒドロキシル基を2以上有する液状
のシリケートオリゴマー(通常平均重合度2〜8程度、
好ましくは3〜6)が加水分解物として得られる。加水
分解の程度は、使用する水の量により適宜調節すること
ができるが、コーティング用組成物の物性あるいは塗膜
の硬化を考慮すると、本発明においては通常40〜90
%程度、好適には60〜80%程度から選ばれる。上記
範囲以上の場合は接着性が低下しそれ以下の場合はnが
0のものが含まれ、硬度の低下のために好ましくない。
【0008】こうして得られたテトラアルコキシシリケ
ートオリゴマーにはモノマーが通常2〜10%程度含有
されている。このモノマーが含有されているとコート用
組成物の貯蔵安定性が欠け、保存中に増粘し、薄膜形成
が困難となるので、モノマー含有量が1%以下、好まし
くは0.3%以下になるように、このモノマー除去をフ
ラシュ蒸留、真空蒸留で行う。
【0009】共存重合時のシリケートオリゴマーの使用
量はアルコキシシリル基含有エチレン性不飽和単量体1
00重量部に対して5〜500重量部、好ましくは10
〜400重量部、特に好ましくは10〜300重量部で
ある。これ未満では塗膜の硬度が著しく低下し、これを
越えると基材との接着性が著しく低下する。尚、上記範
囲内でアルコキシシリル基含有エチレン性不飽和単量体
量が多いと、耐アルカリ性及び保存安定性が向上し、シ
リケートオリゴマーの含有量が多いと硬度、耐溶剤性、
耐候性、密着性が向上する傾向にある。
【0010】本発明で用いるアルコキシシリル基含有エ
チレン性不飽和単量体とは、γ−(メタ)アクリロキシ
プロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキ
シプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロ
キシジメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロ
キシトリメトキシシシラン、γ−(メタ)アクリロキシ
トリエトキシシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビ
ニルトリプロポキシシラン、ビニルメチルジエトキシシ
ラン、ビニルトリ(エトキシメトキシ)シラン、アリル
トリメトキシシラン、P−ビニルフェニルトリメトキシ
シラン等が挙げられる。中でも、γ−メタアクリロキシ
プロピルトリメトキシシラン、γ−メタアクリロキシプ
ロピルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン
等が好適に用いられる。
【0011】共存重合に当たっては、アルコキシシリル
基含有エチレン性不飽和単量体の単独でも良いが、(メ
タ)アクリル酸アルキルエステル及び/又はカルボキシ
ル基含有不飽和単量体との共重合も可能である。(メ
タ)アクリル酸アルキルエステルのアルキル基の炭素数
は、特に制限はなく1〜20程度の任意のものが使用で
きるが、アルキル基の炭素数が1〜3の物と、アルキル
基の炭素数が4以上の物との組合わせでの使用が、塗膜
物性のバランスの点で好ましい。 (a)アルキル基の炭素数1〜3の(メタ)アクリル酸
アルキルエステルとしては、(メタ)アクリル酸メチ
ル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プ
ロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピルなどが挙げら
れ、単独又は2種以上併用される。
【0012】(b)アルキル基の炭素数が4以上の(メ
タ)アクリル酸アルキルエステルとしては、(メタ)ア
クリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メ
タ)アクリル酸sec−ブチル、(メタ)アクリル酸t
−ブチル、(メタ)アクリル酸アミル、(メタ)アクリ
ル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)
アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘ
キシル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル
酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリルなどが挙げ
られ、単独又は2種以上併用される。上記以外の多価の
単量体として必要に応じてスチレン、ビニルトルエン等
の芳香族モノマー、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルな
どのビニル化合物等が併用される。
【0013】アルコキシシリル基礎含有エチレン性不飽
和単量体と(メタ)アクリル酸アルキルエステル及び/
又はカルボキシル基含有不飽和単量体とを併用する時、
単量体の合計量100重量部中におけるアルコキシシリ
ル基含有エチレン不飽和単量体の割合は1〜30重量
%、(メタ)アクリル酸アルキルエステル及び/又はカ
ルボキシル基含有不飽和単量体の割合は70〜99重量
%であることが有利である。又、(メタ)アクリル酸ア
ルキルエステル中におけるアルキル基の炭素数1〜3の
(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a)とアルキル
基の炭素数4以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステ
ル(b)との割合は(a)/(b)が重量基準で2/8
〜8/2、好ましくは3/7〜7/3が望ましい。
【0014】かかる単量体を用いることにより、シリケ
ートオリゴマーとの架橋性が改善される。また塗膜を硬
化させる際に収縮して、内部応力が生じて、ひび割れ等
の問題が起きる可能性があるが、これを回避するには、
上記重合体の組成比により、ガラス転移点を低く設定す
ることが好ましい。好適なガラス転移点(Tg)の具体
的な温度範囲は−20〜60℃である。
【0015】かかる共存重合の方法としては、特に限定
されないが、例えば、各成分を混合して、通常のラジカ
ル重合法により製造できる。本発明に使用される有機溶
剤としては特に限定されず、原料単量体及び重合体とシ
リケートオリゴマーを溶解するものが使用でき、コーテ
ィング対象となる基材あるいは塗布方法により適宜選定
が可能である。使用できる有機溶剤を具体的に示すと、
メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n
−ブタノール、オクタノール等のアルコールやエチレン
グリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、
エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリ
コールモノn−プロピルエーテル、エチレングリコール
モノn−ブチルエーテル等のグリコール誘導体やベンゼ
ン、ケロシン、トルエン、キシレン等の炭化水素や酢酸
メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセト酢酸メチル、
アセト酢酸エチル等のエステル類やアセトン、メチルエ
チルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセト
ン等のケトン類やエチルエーテル、ブチルエーテル、メ
チルセロソルブ、エチルセロソルブ、ジオキサン、フラ
ン、テトラヒドロフラン等のエーテル類が挙げられる。
これら有機溶剤は単独でも複数を組合わせても使用可能
である。
【0016】また、溶媒の使用量は、単量体及びシリケ
ートオリゴマーの合計量100重量部に対して20〜2
00重量部の範囲で可能である。この組成比は使用目的
に応じて適宜選択できる。上記範囲以下では均一の塗膜
をえるのが難しい等の塗装時の問題が生じる可能性があ
る。
【0017】重合触媒としては、公知のラジカル重合触
媒、例えばアゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパ
ーオキサイド、ジターシャリーブチルパーオキサイド、
クメンハイドロパーオキサイドなどが用いられる。重合
時の温度は60〜150℃が適当であり、又重合時間は
6〜20時間程度が実用的である。本発明の組成物は、
前記の如く重合時に用いた有機溶剤がそのまま溶剤とな
った状態で、塗料用として実用に供せられるが、必要で
あれば、それを任意の溶剤に置換して用いても差し支え
ない。
【0018】本発明において使用されるポリエステル樹
脂は塗料用として公知のものはいずれも実用可能であ
る。つまり、多価アルコ−ルと多塩基酸を縮合して製造
されるものであれば良く、多価アルコール成分として
は、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエ
チレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピ
レングリコール、1,3−ブチレングリコール、2,3
−ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、2
−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2,4−ト
リメチル−1,3−ペンタンジオール、ネオペンチルグ
リコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロ
パン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ビスフェノ
ール・アルキレンオキシド付加物などが挙げられる。
【0019】多塩基酸成分としては、無水フタル酸、フ
タル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、テトラヒドロフ
タル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテ
トラヒドロ無水フタル酸、ヘット酸、シトラコン酸、ア
ジピン酸、セバシン酸などの飽和多塩基酸が挙げられ、
無水マレイン酸、マレイン酸、無水イタコン酸、イタコ
ン酸、フマール酸などの不飽和多塩基酸も飽和多塩基酸
と共に併用することもできる。更に、桐油、アマニ油、
大豆油、綿実油、サフラワ油、やし油など公知の油変性
ポリエステル樹脂の使用も可能である。ポリエステル樹
脂の分子量は500〜50000、好ましくは1000
〜30000が、また酸価は0.1〜500程度、水酸
基価は2〜200程度が実用的である。
【0020】ポリエステル樹脂と共存重合組成物の混合
割合は、組成物中のアクリル系樹脂とシリケートオリゴ
マーの組成比で若干の幅はあるが、固形分換算でポリエ
ステル樹脂100重量部に対して組成物を5〜50重量
部である。5重量部以下ではポリエステル樹脂の物性改
善効果に乏しく50重量部以上では相溶性不良となる傾
向がある。
【0021】更にかくして得られる本発明のコーティン
グ用組成物には硬化触媒を使用することが望ましい。該
硬化触媒は、使用時に添加して使用すること(2液型)
も可能であり、最初から添加した状態(1液型)でも保
存は可能である。硬化触媒の具体例としては塩酸、硝
酸、リン酸、硼酸等の無機酸類、酢酸、ギ酸、マレイン
酸、フタル酸、安息香酸、パラトルエンスルホン酸等の
有機酸類、ジブチルスズラウリレート、ジブチルスズオ
クチエート、ジブチルスズアセテート、ジオクチルスズ
ラウレート等の有機スズ化合物類、テトラブチルチタネ
ート、テトラプロピルチタネート、テトラブトキシチタ
ネート等の有機チタン化合物類、モノメチルホスフェー
ト、モノエチルホスフェート等のリン酸エステル類、γ
−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−アミノ
エチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−
ウレイドプロピルトリエトキシシラン等のシランカップ
リング剤類がある。
【0022】その他トリス(アセチルアセトナート)ア
ルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミ
ニウム等の有機アルミニウム化合物類、テトラブチルジ
ルコネート、ブトキシトリス(アセチルアセトナート)
ジルコニウム等の有機ジルコニウム類、エチレンジアミ
ン、ジエチレントリアミン、ピペラジン、メタフェニレ
ンジアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミ
ン等のアミン類、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等
のアルカリ化合物、エポキシ化合物等が挙げられるが、
特に無機酸、有機スズ化合物、有機酸、有機アルミニウ
ム化合物が好ましい。これら触媒の使用量は触媒により
異なるが、例えば塩酸を使用する場合はシリケートオリ
ゴマー100重量部に対して0.1〜2重量部程度が好
ましい。
【0023】本発明のコーティング用組成物の使用方法
につき、より具体的に説明する。上記共存重合した(メ
タ)アクリル系共重合体組成物を通常濃度調整し、次に
硬化触媒を添加して、更にポリエステル樹脂と混合さ
れ、その後基材に塗布を行い加熱乾燥を行う。シリケー
トオリゴマーのRがアルキル基やフェニル基である場
合、必要に応じて加水分解しておくことも可能である。
この場合の基材としては鉄、ステンレス、アルミニウ
ム、その他の金属、合金、プラスチック、木材、セメン
ト、コンクリート等に適用できる。また、塗布の方法と
しては刷毛塗り、スピンコート、スプレーコート、デッ
ピング、ロールコート、グラビア印刷法等の通常の塗布
方法が挙げられる。この時の皮膜の膜厚は0.1〜20
0μmが好ましく、より好ましくは1〜100μmであ
る。本発明の組成物は塗膜の厚膜化に特に有効で、従来
のものは50μmを越えるとクラック等の発生する可能
性が高かったが、本発明ではより厚膜化が可能となっ
た。上記範囲より薄い場合には十分な耐擦傷性を得るこ
とが難しく、また、上記範囲より厚い場合はクラック等
の発生する可能性があるため好ましくない。
【0024】また、本発明の組成物を使用して塗料を調
製する時には必要に応じて、塗料の安定性を考慮して脱
水剤やアルキル基の炭素数1〜10のアルキルアルコー
ルを添加することもできる。この場合の脱水剤として
は、オルトギ酸トリメチル、オルトギ酸トリエチル、オ
ルトギ酸トリプロピル、オルト酢酸トリメチル、オルト
酢酸トリエチル、オルト酢酸トリプロピル、オルトプロ
ピオン酸トリメチル、オルトプロピオン酸トリエチル、
オルトイソプロピオン酸トリメチル、オルトイソプロピ
オン酸トリエチル、オルト酪酸トリメチル、オルト酪酸
トリエチル、オルトイソ酪酸トリメチル、オルトイソ酪
酸トリエチル等のオルトカルボン酸エステルが用いら
れ、その添加量としては、(メタ)アクリル系共重合体
100重量部に対して0〜30重量部、好ましくは0.
5〜30重量部、特に好ましくは5〜25重量部であ
る。
【0025】更に、塗料に使用する顔料としては、酸化
チタン、炭酸カルシウム、タルク、リトボン、硫酸バリ
ウム、硫酸カルシウム、アルミナ、クレーなどの白顔
料、カーボンブラック、鉄黒などの黒顔料、フタロシア
ニンブルー、紺青、群青などの青顔料、レーキイエロ
ー、黄鉛、オーカイエロー、ハンザイエローなどの黄顔
料、ベンガラ、レーキレッドなどの赤顔料、クロムバー
ミリオンなどの橙顔料、フタロシアニングリーン、酸化
クロムなどの緑顔料などが挙げられる。
【0026】また、本発明の組成物には発明の硬化を損
なわない範囲において、他の樹脂用添加剤を加えること
ができる。例えば、紫外線安定剤、酸化防止剤、帯電防
止剤、導電性付与剤、耐擦傷性付与剤、相溶化剤、接着
性付与剤、着色剤、流動性改善剤、可塑剤、タレ防止
剤、沈殿防止剤、消泡剤等が挙げられる。塗料の調製に
は通常使用されるサンドミル、ディスパー、ボールミル
など使用される。この塗料は、コンクリート、モルタル
建築物、瓦、サイデングボードなどの外装材の上塗り塗
料として、更に建築物の内装、床用の塗料として用いる
ことができ、特に、外装用途では、耐候性に優れた塗料
として利用することができる。
【0027】
【作用】本発明においては鉄等の金属への密着性が向上
し、且つ表面硬度および耐汚染性が改善されたポリエス
テル樹脂系の塗膜を与えるコーティング用組成物が得ら
れる。
【0028】
【実施例】次に実施例および比較例に基づいて、本発明
を更に詳細に説明をするがその要旨を越えない限り以下
の実施例に限定されるものではない。尚、塗膜の評価は
下記の方法で行った。 (1)金属接着性(セロテープ剥離):塗膜の接着強度
を評価するため、塗膜面の中央に直交する縦横11本ず
つの平行線を1mmの間隔で基材面に達するまで引いて
1cmの中に100個のます目ができるように碁盤目
をつけた。セロハン粘着テープ(商品名:“セロテー
プ”ニチバン製)を碁盤目上に強くはりつけ、90度方
向に急速に剥がした時の、剥離しないます目の数を測定
した。
【0029】(2)鉛筆硬度:傷付度合いをJIS K
5400に従った鉛筆硬度試験により評価した。 (3)耐汚染性:塗膜上に市販の赤及び黒の速乾性油性
インクで線引きし、室温下に24時間放置後、エタノ−
ルで拭き取り線跡がない場合を○、線跡が僅かに残る場
合を△、線跡がはっきりと残る場合を×と判定した。
【0030】〔シリケートオリゴマーの調製〕 シリケートオリゴマーA 撹拌機と還流用コンデンサー及び温度計を付けた500
mlの3つ口丸底フラスコに、テトラメトキシシラン2
34gとメタノール74gを加えて混合した後、0.0
5%塩酸22.2gを加え、内温度65℃、2時間加水
分解反応を行った。次いでコンデンサーを抽出管に取り
替え、内温度が150℃になるまで昇温し、メタノール
で抽出させ更に150℃、3時間加熱し縮合して加水分
解物を得た。重合度は3〜6でヒドロキシル基10以上
であった。テトラメトキシシランオリゴマー中のモノマ
ー量は5%であった。
【0031】シリケートオリゴマーB 上記に引き続き100〜150℃に加熱したジャケット
でテトラメトキシシランオリゴマーを煮沸させて、気化
したモノマーを不活性ガスと共に系外に排出する。こう
して得られたテトラメトキシシランオリゴマー中のモノ
マー量は0.2%であった。 シリケートオリゴマーC 前記のテトラメトキシシランに代えてテトラエトキシシ
ランを使用してオリゴマー中のモノマー量が0.3%以
下のテトラエトキシシランオリゴマー(重合度3〜6)
を得た。
【0032】[共存重合組成物の製造] 組成物1 窒素導入管、還流冷却器、温度計及び撹拌装置を備えた
フラスコにγ−メタアクリロキシプロピルトリメトキシ
シラン100重量部、メタクリル酸メチル550重量
部、アクリル酸n−ブチル 350重量部、シリケート
オリゴマーA〜Cをそれぞれ500重量部(純分換算)
及びキシレン420重量部、イソプロピルアルコール8
0重量部、ベンゾイルパーオキサイド2重量部を仕込
み、90℃に加温して重合を開始した。重合開始2時間
後にキシレン30重量部にベンゾイルパーオキサイド8
重量部を溶解した溶液を添加しながら10時間重合を続
けた。樹脂分72重量%、粘度2000cps(25
℃)の共存重合品を得た。Tgは20℃であった。上記
共存重合品にキシレン600重量部を加え樹脂分を54
重量%とした。この溶液に1N塩酸0.95gを加え6
5℃で30分撹拌する。
【0033】組成物2 上記に準じてγ−メタアクリロキシプロピルトリメトキ
シシラン200重量部、メタクリル酸メチル400重量
部、アクリル酸n−ブチル250重量部、スチレン15
0重量部の組成からなる共存重合組成物(Tg40℃)
を得た。
【0034】組成物3 上記に準じてγ−メタアクリロキシプロピルトリエトキ
シシラン50重量部、メタクリル酸メチル400重量
部、アクリル酸n−ブチル450重量部、スチレン11
0重量部の組成からなる共存重合組成物(Tg8℃)を
得た。
【0035】[ポリエステル樹脂の製造] 樹脂a 撹拌器、精留塔、窒素導入管付きのフラスコにイソフタ
ル酸1モル、エチレングリコール0.6モル及びネオペ
ンチルグリコール0.415モルを仕込み240℃にて
酸価5KOHmg/gになるまで反応を行い分子量20
00、組成比イソフタル酸/エチレングリコール/ネオ
ペンチルグリコール=1/0.4/0.4の樹脂を得
た。 樹脂b 同様にして上記に更に0.1モル%の大豆油で変性した
ポリエステル樹脂を得た。
【0036】樹脂c 同様の装置にイソフタル酸0.8モル、アジピン酸0.
2モル、エチレングリコール0.8モル、ネオペンチル
グリコール0.7モルを仕込み240℃で5時間エステ
ル化反応を行った後、0.1Torr、250℃で3時
間更に反応を続けた。組成比イソフタル酸/アジピン酸
/エチレングリコール/ネオペンチルグリコール=0.
8/0.2/0.45/0.55、酸価1KOHmg/
g、水酸基価4.6KOHmg/g、分子量20000
の樹脂を得た。
【0037】実施例1〜5 共存重合組成物とポリエステル樹脂を混合した。この溶
液をSUS板(70mm×150mm×0.5mm)に
アプリケーターを用いて塗布後、110℃で30分間熱
処理を行った。この塗膜(100μ)の物性を前記の方
法により評価し、その結果を表1及び表2に示した。
【0038】実施例6〜7 実施例2において、シリケートオリゴマーの使用量を1
000重量部、(実施例5)及び1500重量部に(実
施例6)に変更した。結果を表1及び表2に示した。 実施例8 塩酸に代えてジブチルスズジラウレートを使用した以外
は実施例2と同様の操作を行った。結果を表1及び表2
に示した。
【0039】実施例9 塩酸に代えてトリス(アセチルアセテート)アルミニウ
ムを使用した以外は実施例2と同様の操作を行った。結
果を表1及び表2に示した。 対照例1 実施例2において共存重合組成物の使用を省略した。そ
の結果も表1及び表2に示した。
【0040】
【表1】 ポリエステル樹脂 共存重合組成物 種類 使用量 組成物種 オリゴマー種 使用量 実施例1 樹脂a 100 1 A 20 〃 2 〃 〃 1 B 〃 〃 3 〃 〃 1 C 〃 〃 4 樹脂b 〃 2 B 30 〃 5 樹脂c 〃 3 B 40 〃 6 樹脂a 〃 1 B 20 〃 7 〃 〃 1 B 〃 〃 8 〃 〃 1 B 〃 〃 9 〃 〃 1 B 〃対照例1 〃 〃 − − −
【0041】
【表2】 金属密着性 鉛筆硬度 耐汚染性 実施例1 100/100 H ○ 〃 2 〃 H ○ 〃 3 〃 H ○ 〃 4 〃 H ○ 〃 5 〃 2H ○ 〃 6 〃 H ○ 〃 7 〃 H ○ 〃 8 〃 H ○ 〃 9 〃 H ○対照例1 〃 F ×
【0042】
【発明の効果】本発明のコーティング用組成物は各基材
特に金属との接着性が高く、硬度が十分であり、かつ耐
汚染性に優れた塗膜を形成できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C09D 143/04 C09D 143/04 183/02 183/02 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 1/00 - 10/00 C09D 101/00 - 201/10

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機溶媒中で下記一般式[I]で示され
    るシリケートオリゴマーの存在下に、アルコキシシリル
    基含有エチレン性不飽和単量体を重合して得られる組成
    物と、ポリエステル樹脂を、ポリエステル樹脂100重
    量部に対して共存重合した組成物を固形分換算で5〜5
    0重量部混合することを特徴とするコーティング用組成
    物。 【化1】 (式中、nは1〜20の整数、Rは水素又は炭素数1〜
    4のアルキル基、フェニル基を示す)
  2. 【請求項2】 共存重合時にアルコキシシリル基含有エ
    チレン性不飽和単量体と共に(メタ)アクリル酸アルキ
    ルエステルを使用し、かつ単量体の合計量100重量部
    中におけるアルコキシシリル基含有エチレン不飽和単量
    体の割合が1〜30重量%、アクリル酸アルキルエステ
    ルが70〜99重量%であることを特徴とする請求項
    記載の組成物。
  3. 【請求項3】 シリケートオリゴマーとしてテトラメト
    キシシラン部分加水分解物を使用することを特徴とする
    請求項1又は2記載の組成物。
  4. 【請求項4】 シリケートオリゴマーとしてテトラメト
    キシシラン部分加水分解物であって、モノマー量が1重
    量%以下の物を使用することを特徴とする請求項1〜3
    いずれか記載の組成物。
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