JP3511353B2 - 燃料ポンプ制御装置 - Google Patents

燃料ポンプ制御装置

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JP3511353B2
JP3511353B2 JP14807797A JP14807797A JP3511353B2 JP 3511353 B2 JP3511353 B2 JP 3511353B2 JP 14807797 A JP14807797 A JP 14807797A JP 14807797 A JP14807797 A JP 14807797A JP 3511353 B2 JP3511353 B2 JP 3511353B2
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    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の燃料噴
射弁へ燃料を供給するための燃料ポンプの駆動を制御す
る燃料ポンプ制御装置に関する。さらに詳細には、内燃
機関の各運転状態における要求燃料圧力に対して、燃料
噴射弁への供給燃料の圧力を応答性よく変更することが
できる燃料ポンプ制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、内燃機関の燃料噴射弁へ燃料
を供給する燃料ポンプの制御は、容易に制御ができ、し
かも省消費電力化が可能であることから、一般的にはポ
ンプの入力電流をオンオフ制御する、いわゆるPWM制
御やデューティ制御により行われている。そして、内燃
機関の運転状態を把握するために各種センサを内燃機関
の各所に取り付け、この各種センサからの出力信号に基
づき、燃料ポンプ制御装置が燃料ポンプの駆動を制御す
ることにより、内燃機関が必要とする燃料圧力で燃料が
燃料噴射弁へ供給されるようになっている。また、内燃
機関の運転状態や環境温度等の変化により機関の必要と
する燃料圧力が変化したときには、その変化に追従して
必要な燃料圧力になるように変更する必要がある。
【0003】そこで、燃料噴射弁への供給燃料の圧力を
変更するための技術がいろいろ開示されている。このよ
うな燃料圧力変更の技術としては、例えば特開平8−2
32790号公報に記載されているものがある。以下、
これについて簡単に説明する。まず、この燃料供給装置
の概略構成を図5に示す。燃料タンク32に燃料ポンプ
30が付設され、この燃料ポンプ30と内燃機関の吸気
管4に設けられた燃料噴射弁6とが、燃料供給管34に
よって連結されている。そして、燃料タンク32内の燃
料が燃料ポンプ30により吸い出され、燃料供給管34
及び燃料レール34aを通じて燃料噴射弁6に圧送され
るようになっている。
【0004】また、燃料ポンプ30と燃料レール34a
との間にはリターン通路38が配置されており、余剰な
燃料は、このリターン通路38を介して燃料タンク32
に戻されるようになっている。さらに、リターン通路3
8にはプレッシャレギュレータ36と弁35が配設さ
れ、この弁35に並列に絞り33が設けられている。こ
れらプレッシャレギュレータ36と弁35とにより供給
燃料の圧力を調整・変更できるようになっている。ま
た、この燃料系の適当な位置に供給燃料の圧力を測定す
るための燃圧センサ3が設置され、燃料圧力に関する情
報がエンジンコントロールユニット(ECU)20に取
り込まれるようになっている。
【0005】かかる燃料系における燃料圧力の制御は、
内燃機関の各所に取り付けられた各種センサからの出力
信号Cに基づきエンジンコントロールユニット(EC
U)20により行われるようになっている。このときの
制御に使用されている制御信号には例えば、燃料噴射弁
6を開閉させて噴射を行うために燃料噴射弁6に対して
送信される制御信号C1や、弁35を開閉するための制
御信号C2、あるいは燃料ポンプ30の駆動を制御する
制御信号C3がある。そして、供給燃料の圧力調整は弁
35を開放または閉鎖させることにより行うようになっ
ている。すなわち、弁35を開放することにより、供給
燃料の圧力Pfはプレッシャレギュレータ36によって
調整された圧力Prに等しくなる。一方、弁35を閉鎖
することにより、供給燃料の圧力Pfはプレッシャレギ
ュレータ36によって調整される圧力Prよりも大きく
なる。
【0006】また、実開平3−63764号公報に記載
されているように、複数の調整圧力の異なるプレッシャ
レギュレータを燃料系に配置して、余剰な燃料の流量に
よってプレッシャレギュレータを使い分けることによ
り、供給燃料の燃料圧力を変更(調整)する技術も知ら
れている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た供給燃料の燃料圧力の変更・調整に関する技術には、
次のような問題点があった。すなわち、特開平8−23
2790号公報のものでは、弁35の開閉によって燃料
噴射弁6への供給燃料の圧力を変更しているため、燃料
圧力の変更にはまず弁35の開閉動作が行われる。そし
て、燃料ポンプ30の駆動制御が行われるために、燃料
圧力が変更されるまでに時間がかかり応答性に問題があ
った。特に、燃料圧力を高圧にする場合には、弁35が
閉鎖された上で燃料ポンプが一定の吐出能力で駆動され
るので、燃料圧力変更の要求を受けてから、実際に燃料
圧力が上昇するまでに時間がかかる。このように、特開
平8−232790号公報の燃料圧力の変更制御におい
ては、応答性と安定性に関しての問題を抱えている。
【0008】また、実開平3−63764号公報のもの
では、複数のプレッシャレギュレータを使用するため
に、コストアップが伴うばかりでなく、燃料系全体が大
型化するため限られたエンジンルームまたは燃料タンク
内に収めるのが困難となり、燃料系の配管設計に大きな
制約が加わるという問題があった。さらに、燃料圧力を
高圧に変更するときには、高圧用に設定されたプレッシ
ャレギュレータの設定圧よりも大きな圧力で燃料を吐出
できる燃料ポンプが必要である。このため、ポンプ容量
(吐出能力)の大きい燃料ポンプが必要となるため、燃
料ポンプが大型化し消費電力も大きくなるという問題も
あった。このことを図6を用いて説明する。図6は、燃
料ポンプの特性を示したグラフであり、燃料圧力をパラ
メータとして燃料ポンプに与える印加電圧に対する吐出
流量を示したものである。また、図中のPf=Pr1
低圧側のプレッシャレギュレータによって設定される燃
料圧力が一定であるラインを示し、Pf=Pr2 は高圧
側のプレッシャレギュレータによって設定される燃料圧
力が一定であるラインを示している。このグラフより、
燃料圧力Pfを高くするためには燃料ポンプへの印加電
圧を大きくすればよいこと、燃料圧力が一定の状態で吐
出流量を多くするためにも燃料ポンプへの印加電圧を大
きくすればよいことがわかる。
【0009】ここで、燃料圧力を高圧(Pr2 )に変更
するときに着目すると、このとき内燃機関が要求する燃
料流量Qと実開平3−63764号公報のシステムで要
求する燃料流量qに差がある。これは、燃料流量qが低
圧側のプレッシャレギュレータにおける余剰燃料流量と
高圧側のプレッシャレギュレータにおける余剰燃料流量
とを含んでいるためである。このように、内燃機関が要
求する燃料流量Qよりも多く燃料を供給する必要がある
ため、ポンプ容量(吐出能力)の大きい燃料ポンプが必
要となり、燃料ポンプが大型化してしまい消費電力も大
きくなるのである。
【0010】そこで、本発明は上記した問題点を解決す
るためになされたものであり、低コスト化と省スペース
化を可能にしつつ、内燃機関が要求する燃料圧力の変更
に対して良好に追従することができるように燃料ポンプ
の駆動を制御する燃料ポンプ制御装置を提供することを
課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、請求項1の発明によれば、内燃機関の燃料噴射弁
へ燃料を供給するために、前記内燃機関の運転状態に関
する信号と前記燃料噴射弁への供給燃料の圧力に関する
信号とに基づき燃料ポンプの駆動を制御する燃料ポンプ
制御装置において、前記運転状態に関する信号から目標
燃料圧力を演算する目標燃圧演算手段と、前記目標燃料
圧力の変更の有無を判断する変更判断手段と、最大ある
いは最小の駆動信号により前記燃料ポンプを駆動する限
界駆動手段とを有し、前記変更判断手段により変更あり
と判断された場合に、前記目標燃料圧力と前記供給燃料
の圧力の差が一定値になるまで、前記限界駆動手段によ
って前記燃料ポンプを駆動することを特徴とする。
【0012】この燃料ポンプ制御装置では、まず、内燃
機関の運転状態に関する信号を受けて、目標燃圧演算手
段により燃料噴射弁への供給燃料の目標燃料圧力が演算
される。次いで、変更判断手段により、前サイクルと現
サイクルとにおける目標燃料圧力に変更があったか否か
が判断される。すなわち、内燃機関の運転状態が定常状
態にあるか過渡状態にあるかが判断される。そして、定
常状態か過渡状態かによって異なる演算処理によって燃
料ポンプの駆動信号が設定される。ここで、この駆動信
号の算出の演算は、マップやテーブルあるいはルーチン
プログラム等に従って行うことができる。また、駆動信
号はデューティ比あるいは印加電圧値で算出されること
が望ましい。
【0013】そして、過渡状態にあると判断された場合
には、目標燃料圧力と実際の燃料圧力の差が一定値にな
るまで限界駆動手段により駆動信号の最大値(デューテ
ィ比100%あるいは最大電圧値)または最小値(デュ
ーティ比0%あるいは最小電圧値)にて、燃料ポンプが
駆動される(以下、この制御を「過渡時制御」とい
う。)。一方、定常状態にあると判断された場合には、
内燃機関の運転状態に関する信号と前記燃料噴射弁への
供給燃料の圧力に関する信号とに基づき燃料ポンプの駆
動が制御(以下、この制御を「定常時制御」という。)
される。
【0014】ここで、前記した目標燃料圧力の演算は、
マップやルーチンプログラム等により実行されるが、一
定範囲内の変化では同一値になるように演算される。従
って、内燃機関の運転状態が変化しても、ある一定範囲
内であれば目標燃料圧力は変化しない。すなわち、かか
る一定範囲内での運転状態の変化では、前記判断手段で
は定常状態であると判断される。つまり、前記判断手段
により過渡状態と判断されるのは、前記の一定範囲を超
える運転状態の変化が起こった場合である。
【0015】このように請求項1の発明では、内燃機関
の運転状況によって燃料ポンプの駆動信号の演算が異な
る。すなわち、発進時や加速時等のようにすばやく燃料
圧力を変更する必要がある場合と、アイドル時や一定速
度での走行時のように一定の燃料圧力を必要とする場合
とを判別し、それぞれに合った演算方法により燃料ポン
プの駆動信号を設定している。これにより、内燃機関の
運転状態に見合うように高精度に駆動信号を設定するこ
とができる。従って、リターンレス構成にしても燃料圧
力の余計な変動(制御に悪影響を及ぼす変動)を起こさ
ずに燃料噴射弁への燃料供給を行うことが可能となる。
しかも、燃料圧力変更時には、限界駆動手段により燃料
ポンプを最大(あるいは最小)能力で作動(あるいは停
止)させるので、迅速に目標燃料圧力に変更することが
でき応答性が向上する。また、リターンレス構成にする
ことにより、低コスト化と省スペース化を図ることがで
きる。さらに、プレッシャレギュレータによる燃料圧力
調整を行わないから、大容量の燃料ポンプを使用する必
要がなくなり、燃料ポンプの小型化と消費電力の低減が
可能となっている。
【0016】請求項2の発明によれば、請求項1に記載
する燃料ポンプ制御装置において、前記目標燃料圧力の
変化方向を判断する方向判断手段を有し、前記限界駆動
手段は、前記方向判断手段により昇圧方向と判断された
場合には、前記供給燃料の圧力が前記目標燃料圧力より
低めに設定した所定値に達するまで最大駆動信号により
前記燃料ポンプを駆動し、前記方向判断手段により降圧
方向と判断された場合には、前記供給燃料の圧力が前記
目標燃料圧力より高めに設定した所定値に下がるまで最
小駆動信号により前記燃料ポンプを駆動することを特徴
とする。
【0017】この燃料ポンプ制御装置では、請求項1の
発明と同様に、目標燃圧演算手段により燃料噴射弁への
供給燃料の目標燃料圧力が演算され、次いで、変更判断
手段により、内燃機関の運転状態が定常状態か過渡状態
かが判断される。そして、過渡状態にあると判断された
場合には、方向判断手段により目標燃料圧力の変化方向
が昇圧方向か降圧方向かが判断される。続いて、昇圧方
向と判断された場合には限界駆動手段により駆動信号の
最大値にて燃料ポンプが駆動され、降圧方向と判断され
た場合には限界駆動手段により駆動信号の最小値にて燃
料ポンプが駆動される。一方、定常状態にあると判断さ
れた場合には定常時制御が行われる。
【0018】ここで、燃料圧力を変更する場合、すなわ
ち、変更判断手段により過渡状態にあると判断された場
合には、応答性を向上させるために限界駆動手段により
駆動信号の最大値または最小値にて、目標燃料圧力と実
際の燃料圧力の差が一定値になるまで燃料ポンプが駆動
される。ただし、この場合において、目標燃料圧力付近
でのオーバーシュート等を防止する必要がある。
【0019】そこで、請求項2の発明では、まず方向判
断手段を有することにより、目標燃料圧力の変更方向を
判断する。そして、昇圧方向と判断された場合には限界
駆動手段により供給燃料の圧力が目標燃料圧力より低め
に設定された所定値に達するまで最大駆動信号で燃料ポ
ンプを駆動させ、一方、降圧方向と判断された場合には
限界駆動手段により供給燃料の圧力が目標燃料圧力より
高めに設定された所定値に下がるまで最小駆動信号で燃
料ポンプを駆動させるようにした。これにより、燃料圧
力を迅速に変更することができ、しかも確実に目標燃料
圧力に達する前に限界駆動手段による燃料ポンプの駆動
から通常の駆動に移行するので、オーバーシュートは防
止される。
【0020】また、本発明の燃料ポンプ制御装置におい
て、前記変更判断手段により前記目標燃料圧力の変更あ
りと判断された場合に、前記限界駆動手段による処理の
後、前記燃料噴射弁からの噴射流量と前記目標燃料圧力
とに基づき決定される初期決定値に前記燃料ポンプの駆
動信号を所定時間固定して前記燃料ポンプを駆動する初
期決定値駆動手段を有することを特徴とする。
【0021】ここで、「初期決定値」とは、新たな目標
燃料圧力になったときの定常状態において、燃料噴射弁
からの噴射流量と目標燃料圧力とに基づき決定される駆
動信号のことである。そして、この燃料ポンプ制御装置
では、上記説明と同様に、変更判断手段により目標燃料
圧力に変更ありと判断された場合に、限界駆動手段によ
る過渡時制御が行われる。次いで、初期値決定駆動手段
により初期決定値が決定され、その後所定時間だけ、こ
の初期決定値(一定)で燃料ポンプが駆動される。すな
わち、過渡時制御から定常時制御に移行する際に、燃料
ポンプの駆動信号を初期決定値に所定時間だけ固定し
て、この固定値に基づき燃料ポンプを駆動するようにな
っている。そして、所定時間経過後には、定常時制御に
よって燃料ポンプを制御している。
【0022】また、過渡時制御から定常時制御に移行し
た場合のように、運転状況によっては燃料ポンプの出力
が大きく変化することもある。これは、過渡時制御では
大きな制御量を燃料ポンプに与え、定常時制御では小さ
な制御量を燃料ポンプに与えているため、燃料ポンプに
与える制御量が急激に変化するためである。このような
場合には、燃料配管内の燃料圧力は変動している。従っ
て、燃料圧力に関する信号は安定したものではなく正確
性を欠いている。よって、このような状態において、過
渡時制御を終了してすぐに定常時制御を行うと、正確性
に欠ける燃料圧力に関する信号に基づき燃料ポンプを駆
動することになり、正確かつ安定した燃料圧力制御を行
うことができない場合が生じる。
【0023】そこで、発明では、過渡時制御から定常
時制御に移行する際に、駆動信号を初期決定値に固定し
て燃料ポンプを所定時間駆動する初期決定値駆動手段を
有している。これにより、過渡時制御終了直後に燃料圧
力が変動していても、燃料圧力に関する信号に関わらず
燃料ポンプを一定出力で駆動させるので、供給燃料の圧
力変動はすばやく収束し安定する。なお、この所定時間
は任意に設定することができるが、各燃料系で燃料圧力
の変動がある程度に収束するまでの時間よりは長くする
必要がある。また、このように過渡時制御が終了してか
ら定常時制御に移行する判断手段としては、時間(タイ
マー)だけではなく、直接燃料圧力値から判断すること
ももちろん可能である。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の最適な実施の形態
として、本発明を適用したガソリンエンジンの燃料系に
ついて添付図面に基づき説明する。
【0025】まず、燃料ポンプ制御装置が使用されてい
るエンジン2の燃料系の概略構成について、図2を参照
して説明していく。なお、従来例と同様のものについて
は同符号を付している。燃料が貯留された燃料タンク3
2には、燃料ポンプ30が付設されている。また、吸気
管4には燃料噴射弁6が設けられ、燃料噴射弁6が開弁
することによりエンジン2内に燃料が噴射される。さら
に、吸気管4には吸気管内圧力を測定するための吸気圧
センサ5が設置されている。また、燃料噴射弁6への供
給燃料の圧力を計測するための燃圧センサ3が燃料レー
ル34aに設置されている。この燃料レール34aは、
エンジン2の各気筒ごとに設置されている燃料噴射弁6
へ供給燃料を分配するものである。
【0026】燃料タンク32から燃料噴射弁6へ燃料を
供給するための燃料配管は、燃料ポンプ30を介して燃
料供給管34と燃料レール34aとによって形成されて
いる。そして、燃料タンク32内の燃料が燃料ポンプ3
0により吸い出され、燃料供給管34に供給される。次
いで、燃料供給管34に供給された燃料は、燃料レール
34aへ供給され、ここからエンジン2の各気筒へ分配
されて燃料噴射弁6に圧送されるようになっている。本
実施の形態に係る燃料系は、プレッシャレギュレータ3
6とリターン通路38がないリターンレス構成になって
いる。すなわち、供給燃料の圧力をプレッシャレギュレ
ータによらず、燃料ポンプの駆動によって変更(調整)
している。なお、この燃料圧力の変更(調整)制御の方
法は後述する。
【0027】そして、燃料ポンプ30の出力を制御する
ための燃料ポンプ制御装置は、エンジンコントロールユ
ニット(ECU)20内に組み込まれている。このエン
ジンコントロールユニット(ECU)20は公知のCP
UにROMやRAMが付設されたものである。このRO
Mには、CPUでの演算処理に必要なプログラム等が予
め格納されている。例えば、目標燃圧の演算や初期決定
値の演算に使用するプログラム等もこの中に格納されて
いる。一方、RAMは、CPUで実行された演算処理の
結果を一時的に記憶し、随時読み出すためのものであ
る。なお、燃料ポンプ制御装置とエンジンコントロール
ユニット(ECU)を別々の構成にしても良い。
【0028】また、エンジン2に取り付けられた燃圧セ
ンサ3、吸気圧センサ5等の各種センサからの出力信号
は、エンジンコントロールユニット(ECU)20に取
り込まれる。そして、エンジン2の運転状態と運転者か
らの要求とから、エンジンコントロールユニット(EC
U)20により各種の信号処理が行われ、燃料噴射弁6
への開弁信号や燃料ポンプ30の駆動信号等を出力しエ
ンジン2の燃料系における燃料圧力(燃料流量)の制御
を行っている。なお、燃料噴射弁6への開弁信号や燃料
ポンプ30の駆動信号は従来から使用されている制御信
号と同じである。
【0029】このような構成からなる燃料系に使用され
ている燃料ポンプ制御装置における制御の処理ルーチン
について図1のフローチャートを参照しながら説明して
いく。ここに示すフローチャートでの演算処理は所定時
間ごとに繰り返し実行されている。
【0030】(ステップ(以下、「S」と記す。)1)
まず、S1において、吸気管圧力とエンジン回転数とか
ら目標燃料圧力(目標燃圧)が演算される。すなわち、
S1が目標燃圧演算手段における処理に相当する。ここ
で、吸気管圧力は吸気圧センサ5により、エンジン回転
数はクランク角センサ(不図示)により測定されてい
る。この目標燃料圧力は、エンジンコントロールユニッ
ト(ECU)20のROMに格納されたマップ等によっ
て演算されるが、一定範囲内におけるエンジン2の運転
状態の変化では同一値になるようになっている。
【0031】(S2)次に、S2において、前サイクル
での目標燃料圧力と現サイクルでの目標燃料圧力に変更
があったか否かが判断される。すなわち、エンジン2の
運転状態が定常状態か過渡状態かが判断される。このS
2が変更判断手段における処理に相当する。そして、S
2にて目標燃料圧力に変更ありと判断されると(S2:
Yes)、S3へ進み過渡時制御が実行される。一方、
目標燃料圧力に変更なしと判断されると(S2:N
o)、S3からS9までをバイパスしてS10に進み定
常時制御が実行される。
【0032】(S3)続いて、S3においては、目標燃
料圧力の変更が昇圧方向か降圧方向かが判断される。す
なわち、S3が請求項にいう方向判断手段における処理
に相当する。例えば、加速時などエンジンへの負荷が増
大したときに昇圧方向と判断され、減速時などエンジン
への負荷が減少したときに降圧方向と判断されることに
なる。そして、目標燃料圧力の変更が昇圧方向と判断さ
れると(S3:Yes)、S4に進む。一方、目標燃料
圧力の変更が降圧方向と判断されると(S3:No)、
S6に進む。
【0033】(S4、S5)S4においては、この目標
燃料圧力の変化に対応して迅速に追従できるように燃料
ポンプ30を駆動させる必要があるので、燃料ポンプ3
0を最大吐出能力で駆動させる。すなわち、デューティ
比を100%に設定して、燃料ポンプ30を駆動させ
る。これにより、迅速に目標燃料圧力に変更することが
できる。
【0034】ところで、燃料ポンプ30を目標燃料圧力
に到達するまで最大吐出能力で駆動して、その後すぐに
定常時制御に移行しても、実際の燃料圧力は目標燃料圧
力よりも高くなりオーバーシュートを起こしてしまう。
このオーバーシュートにより燃料圧力に余計な変動が起
こるため、燃料圧力の変動が収束して安定するまでに一
定の時間がかかり制御の安定性に欠けることになる。そ
こで、この問題を解決するために、S5において、燃料
ポンプ30の最大吐出能力での駆動を目標燃料圧力より
低めに設定した所定値までとした。具体的な処理として
は、目標燃料圧力の90%に実際の燃料圧力が到達した
ら、燃料ポンプ30の最大吐出能力での駆動を止めて過
渡時制御を終了し、S8の処理に進む。すなわち、本実
施の形態においては目標燃料圧力の90%の値が目標燃
料圧力より低めに設定された所定値となる。
【0035】(S6、S7)S6においては目標燃料圧
力の変更が降圧方向であるので、S4とは反対に燃料ポ
ンプ30の駆動信号を最小に設定する。すなわち、燃料
ポンプ30の駆動を停止させる。そうすると、燃料は燃
料噴射弁へ供給されなくなり、消費されるだけなので燃
料圧力が下がり始める。そして、S7において実際の燃
料圧力が目標燃料圧力の110%まで下がったら、燃料
ポンプ30の停止を止めてS8の処理に進む。このよう
な制御により、S4、S5での制御で得られる効果と同
様の効果が得られる。なお、以上のS4〜S6が請求項
にいう限界駆動手段における処理に相当する。また、本
実施の形態においては目標燃料圧力の110%の値が目
標燃料圧力より高めに設定した所定値となる。
【0036】(S8)S8においては、噴射流量と目標
燃料圧力とから燃料ポンプ30を駆動するためのデュー
ティ比を演算し、そのデューティ比に固定して燃料ポン
プ30を駆動させる。言い換えれば、実際の燃料圧力が
新たな目標燃料圧力になったときに行われる燃料圧力制
御において設定されるであろうデューティ比に基づき燃
料ポンプ30が駆動される。このデューティ比が初期決
定値に相当する。このように、過渡時制御が終了した後
に、デューティ比(初期決定値)を固定するのは、燃料
圧力制御の安定性を向上させるためである。すなわち、
過渡時制御は目標燃料圧力になる前に終了するから、過
渡時制御終了直後においては、まだ燃料圧力は変更され
つつある。従って、この状態で定常制御に移行すると燃
料圧力制御がうまく行われず(デューティ比が安定しな
い)、燃料圧力が不安定である状態が続いてしまうおそ
れがある。このため、燃料圧力制御が不安定になるのを
回避するためにデューティ比を初期決定値に固定してい
る。従って、燃料ポンプ30は一定の出力で駆動される
ので、燃料圧力の変動はすばやく収束し安定する。
【0037】(S9)そして、定常時制御に移行できる
か否かがS9にて判断される。S9における判断処理と
して、例えば本実施の形態では、ディレイタイマを用い
てS8の処理から一定時間が経過したか否かを判定して
いる。具体的には、S8で設定されたデューティ比(初
期設定値)で燃料ポンプ30が駆動され始めると、この
ディレイタイマがリセットされ、S9において、ディレ
イ時間が計測される。このディレイ時間は、実験等によ
り燃料圧力を変更した際に圧力変動がある程度までに収
束する時間を測定して、この結果に基づきエンジンごと
に設定される時間である。ちなみに、本実施の形態で
は、ディレイ時間を40msecに設定している。従っ
て、ディレイ時間が40msecになるまでは、S8で
設定されたデューティ比(初期設定値)で燃料ポンプ3
0が一定出力で駆動され、ディレイ時間が40msec
になると、S10に進み定常時制御が実行される。以上
S8とS9の処理により、過渡時制御から定常時制御に
移行する際に、燃料圧力をスムーズに変更することがで
き、また、燃料圧力が安定した状態で定常時制御に移行
することができる。従って、安定した燃料圧力変更制御
を実現することができる。なお、S8,S9が請求項に
いう初期設定値駆動手段における処理に相当する。
【0038】(S10)S10においては、エンジン2
の運転状態は定常状態にあることから、燃料レール34
a内の燃料圧力はほぼ一定になっている。だから、燃圧
センサ3の出力信号は安定しているため、燃圧センサ3
にて目標燃料圧力とのズレを正確に測定することがで
き、そのズレを修正するように燃料ポンプ30の駆動を
制御することが可能となる。そこで、S10ではS1で
演算された目標燃料圧力と燃圧センサ3の出力信号とに
基づき燃料ポンプ30を駆動するためのデューティ比を
演算して燃料ポンプ30を制御する定常時制御が行われ
る。
【0039】以上のS1〜S10の処理ルーチンがごく
短時間のサイクルタイムで繰り返されることにより、燃
料ポンプ30の駆動制御が行われ、エンジン2が要求す
る燃料圧力に対して迅速に応答することができ、かつ安
定した燃料圧力制御が可能となる。
【0040】さらに、その1サイクル分の処理に着目
し、このときの制御信号と燃料圧力の変化の様子につい
て、図3及び図4を参照しながら説明していく。図3は
目標燃料圧力の変更が昇圧方向の場合、図3は目標燃料
圧力の変更が降圧方向の場合を示している。
【0041】まず、図3を参照しながら目標燃料圧力の
変更が昇圧方向の場合について説明する。ここでは、発
進時の現象(アイドルから定常走行)を例に挙げてい
る。時刻t0 以前においては、吸気圧センサ5により測
定された吸気管圧力とクランク角センサ(不図示)によ
り測定されたエンジン回転数とが、エンジンコントロー
ルユニット(ECU)20に入力され、これらの信号に
基づきS1において目標燃料圧力が100kPaと設定
される。そして、定常状態にあるからS2において、N
oと判断されS10に進み定常時制御が実行される。す
なわち、S1で設定された目標燃料圧力と燃圧センサ3
の出力信号により、デューティ比が20%付近と設定さ
れ燃料ポンプ30が駆動される。よって、燃料圧力は1
00kPaで一定に保たれている。
【0042】次に、時刻t0 後においては、加速状態に
入っているため、S1において新たな目標燃料圧力(=
500kPa)が設定される。そうすると、S2におい
てYesと判断されてS3に進む。続いて、目標燃料圧
力の変更は昇圧方向(100kPaから500kPaに
変更)に行われているから、S3においてはYesと判
断されてS4に進む。そして、S4において、デューテ
ィ比が100%と設定され燃料ポンプ30が駆動され
る。従って、燃料圧力は急激に上昇し始める。その後、
燃料圧力が新たな目標燃料圧力である500kPaの9
0%(=450kPa)に到達したか否かがS5におい
て判定される。S5の判定でYesとなるまで、すなわ
ち燃料圧力が450kPaに到達するまで(時刻t1
で)は、S4での処理が継続されることになる。よっ
て、時刻t0からt1までの間は、デューティ比100%
で燃料ポンプ30が駆動される。すなわち、燃料ポンプ
30は最大吐出能力で駆動されているため、燃料圧力は
短時間で迅速に目標に向かって上昇する。
【0043】そして、燃料圧力が450kPaに到達し
た時刻t1 において、S5でYesと判断されてS8に
進む。そうすると、S8においては、目標燃料圧力と噴
射流量とから初期設定値が80%と演算され、その後デ
ューティ比が80%に固定されて燃料ポンプ30が駆動
されると同時に、ディレイタイマがクリアされる。この
駆動は所定のディレイ時間(=40msec)が経過す
るまで続けられる。このときのディレイ時間はS9にて
チェックされている。従って、時刻t1 から40mse
c経過するまでは、初期設定値(デューティ比80%)
による一定の出力によって燃料ポンプ30が駆動されて
いるから、燃料圧力は500kPaに向かって緩やかに
上昇していく。これにより、燃料圧力がオーバーシュー
トすることを防止している。
【0044】最後に、時刻t1から40msec経過し
た時刻t2になると、S9においてYesと判断され、
S10に進み定常時制御が行われる。すなわち、目標燃
料圧力(=500kPa)と燃圧センサ3の出力信号と
に基づきデューティ比が設定され、そのデューティ比で
燃料ポンプ30が駆動される。従って、図3に示すよう
に時刻t2 以降は目標燃料圧力の変更がなければ、この
定常時制御が継続されるので、燃料圧力は安定して50
0kPaに保たれる。
【0045】続けて、図4を参照しながら目標燃料圧力
の変更が降圧方向の場合について説明する。ここでは、
上記定常走行からの停止の現象(定常走行からアイド
ル)を例に挙げている。時刻t3 以前においては、上記
したように目標燃料圧力が500kPaと設定されて定
常時制御が実行されている。すなわち、S1で設定され
た目標燃料圧力と燃圧センサ3の出力信号により、デュ
ーティ比が80%付近に設定され燃料ポンプ30が駆動
されているから、燃料圧力は100kPaで一定に保た
れている。
【0046】次に、時刻t3 後においては、減速状態に
入っているため、S1において新たな目標燃料圧力(=
100kPa)が設定される。そうすると、S2におい
てYesと判断されてS3に進む。続いて、目標燃料圧
力の変更は降圧方向(500kPaから100kPaに
変更)に行われているから、S3においてはNoと判断
されてS6に進む。そして、S6において、デューティ
比が0%と設定されて燃料ポンプ30は停止する。従っ
て、燃料噴射弁6への燃料の供給がなくなり、燃料は消
費されていくので、燃料圧力は急激に下降し始める。そ
の後、燃料圧力が新たな目標燃料圧力である100kP
aの110%(=110kPa)にまで下がったか否か
がS7において判定される。S7の判定でYesとなる
まで、すなわち燃料圧力が110kPaに到達するまで
(時刻t4 まで)は、S6での処理が継続されることに
なる。よって、時刻t3からt4までの間は、デューティ
比0%と設定され燃料ポンプ30は停止して燃料の供給
がなくなり、燃料配管内の燃料が消費されるだけなので
燃料圧力は短時間で迅速に下降する。
【0047】そして、燃料圧力が110kPaまで下が
った時刻t4 において、S7でYesと判断されS8に
進む。そうすると、S8においては、目標燃料圧力と噴
射流量とから初期設定値が20%と演算され、その後デ
ューティ比が20%で固定されて燃料ポンプ30が駆動
されると同時に、ディレイタイマがクリアされる。この
駆動は所定のディレイ時間(=40msec)が経過す
るまで続けられる。このときのディレイ時間はS9にて
チェックされている。従って、時刻t4 から40mse
c経過するまでは、初期設定値による一定の出力によっ
て燃料ポンプ30が駆動されているから、燃料圧力は1
00kPaに向かって緩やかに下降していく。
【0048】最後に、時刻t4から40msec経過し
た時刻t5になると、S9においてYesと判断され、
S10に進み定常時制御が行われる。すなわち、目標燃
料圧力(=100kPa)と燃圧センサ3の出力信号と
に基づきデューティ比が設定され、そのデューティ比で
燃料ポンプ30が駆動される。従って、時刻t5 以降は
目標燃料圧力の変更がなければ、この定常時制御が継続
されるので、燃料圧力は安定して100kPaに保たれ
ている。
【0049】以上詳細に説明したように本実施の形態の
燃料ポンプ制御装置によれば、目標燃料圧力の変更、す
なわちエンジン2の運転状況の変更がある場合とない場
合とに分けて、それぞれの運転状態に見合う演算方法に
て燃料ポンプ30を駆動するためのデューティ比を演算
して燃料ポンプ30を駆動しているので、エンジン2が
要求する燃料圧力(燃料流量)で正確に燃料を供給する
ことができる。さらに、目標燃料圧力に変更があったと
きには、迅速に燃料圧力を変更できるように、駆動信号
のデューティ比を100%(あるいは0%)に設定して
燃料ポンプ30を駆動している。これにより、目標燃料
圧力に変更があったときには、その目標値に迅速に燃料
圧力を変更することができる。このように燃料ポンプ3
0の駆動制御のみで正確に燃料圧力を変更することがで
きるので、燃料圧力を変更するための部品類(弁やプレ
ッシャレギュレータ等)が不要になる。これにより、リ
ターンレス構成にすることができ、燃料系に関して低コ
スト化と省スペース化を図ることが可能となる。さら
に、弁やプレッシャレギュレータ等が燃料系にないの
で、エンジン2が要求する燃料流量のみを供給すれば良
くなり、燃料ポンプ30のポンプ容量を小さくでき、消
費電力の低減も図ることができる。
【0050】以上、本発明の実施の形態について説明し
たが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではな
く、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が
可能であることはもちろんである。例えば、上記の実施
の形態では燃料ポンプの駆動をデューティ比によって制
御しているが、DC−DCコンバータにより燃料ポンプ
への印加電圧を調整することにより制御することも可能
である。また、エンジン回転数の検出にはクランク角セ
ンサを用いずに、点火プラグに与えられる点火信号から
算出するようにしてもよい。なお、目標燃料圧力に対し
て設定する所定値(目標燃料圧力の90%や110%)
やディレイ時間(40msec)等について示した具体
的数値は、単なる例示にすぎない。
【0051】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明の
燃料ポンプ制御装置によれば、内燃機関の運転状態の変
化に伴い目標燃料圧力を変更する際に、最大または最小
の吐出能力によりに燃料ポンプを駆動することにより、
新たな目標燃料圧力に対して迅速に追従して燃料圧力を
変更することができる。さらに、燃料圧力を変更するた
めの制御から定常運転時での燃料圧力制御に移行する際
にも、燃料圧力が変動することなく安定した燃料圧力変
更制御を燃料ポンプの駆動制御により実現することがで
きる。従って、燃料圧力変更のための部品類が不要とな
り、リターンレス構成にすることができ、燃料系に関し
て低コスト化と省スペース化を図るこも可能となる。さ
らには、燃料ポンプの小型化が図られるため、消費電力
の低減にもつながる。
【図面の簡単な説明】
【図1】燃料ポンプ制御装置における制御の処理ルーチ
ンを示したフローチャートである。
【図2】燃料ポンプ制御装置を適用したエンジンの燃料
系の構成図である。
【図3】目標燃料圧力が昇圧方向に変化したときのに設
定されるデューティ比とそのときの燃料圧力の変化を説
明するための図である。
【図4】目標燃料圧力が降圧方向に変化したときのに設
定されるデューティ比とそのときの燃料圧力の変化を説
明するための図である。
【図5】従来の燃料ポンプ制御装置を適用したエンジン
の燃料系の一例を示した構成図である。
【図6】燃料ポンプの特性を示したグラフである。
【符号の説明】
2 エンジン(内燃機関) 3 燃圧センサ 4 吸気管 5 吸気圧センサ 6 燃料噴射弁 20 エンジンコントロールユニット(燃料ポンプ制
御装置を含む) 30 燃料ポンプ 32 燃料タンク 34 燃料供給管 34a 燃料レール

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の燃料噴射弁へ燃料を供給する
    ために、前記内燃機関の運転状態に関する信号と前記燃
    料噴射弁への供給燃料の圧力に関する信号とに基づき燃
    料ポンプの駆動を制御する燃料ポンプ制御装置におい
    て、 前記運転状態に関する信号から目標燃料圧力を演算する
    目標燃圧演算手段と、 前記目標燃料圧力の変更の有無
    を判断する変更判断手段と、前記変更判断手段により変更ありと判断された場合に、
    前記目標燃料圧力と前記供給燃料圧力との差が一定値に
    なるまで、 最大あるいは最小の駆動信号により前記燃料
    ポンプを駆動する限界駆動手段と、 前記限界駆動手段により前記燃料ポンプを駆動した後、
    前記燃料噴射弁における噴射流量と前記目標燃料圧力と
    に基づき決定される初期決定値に前記燃料ポンプの駆動
    信号を所定時間固定して、その固定値によって前記燃料
    ポンプを駆動する初期決定値駆動手段とを有することを
    特徴とする燃料ポンプ制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載する燃料ポンプ制御装置
    において、 前記目標燃料圧力の変化方向を判断する方向判断手段を
    有し、 前記限界駆動手段は、 前記方向判断手段により昇圧方向と判断された場合に
    は、前記供給燃料の圧力が前記目標燃料圧力より低めに
    設定した所定値に達するまで最大駆動信号により前記燃
    料ポンプを駆動し、 前記方向判断手段により降圧方向と判断された場合に
    は、前記供給燃料の圧力が前記目標燃料圧力より高めに
    設定した所定値に下がるまで最小駆動信号により前記燃
    料ポンプを駆動することを特徴とする燃料ポンプ制御装
    置。
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