JP3510262B2 - 粒子又は粉末の製造方法 - Google Patents

粒子又は粉末の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は粒子又は粉末の製造方法に関する。
従来の技術 化学・技術的プロセスで発生する固体物質の粒子分布
又は粒度分布は通常、これらの物質を後段で利用するた
めに望ましい又は必要な粒子又は粒子分布ではない。従
ってこのような物質はしばしば分解されるか再結晶化さ
れる。粒度及び粒度分布を変える通常の方法は、破砕/
粉砕、粉塵化/噴霧結晶化、冷凍乾燥、昇華、溶液から
の再結晶化である。前述のプロセスの利用は、異なるプ
ロセス工学的欠点を伴う。機械的方法では、処理する物
質及び物質混合物が部分的に非常に加熱され、この加熱
により、熱的に不安定な物質又は物質混合物においては
内容物質の分解が発生することもある。熱的方法例えば
昇華又は冷凍乾燥等は、僅かな数の物質にしか適用でき
ない。結晶化法では、固体から分離するのが困難であり
しばしば廃棄物質を発生する、溶媒が使用される。
圧縮性流体例えば近臨界流体又は超臨界流体を、粒子
又は粉末を製造するときに使用することも公知である。
次にこれに関して3つの例を説明する。
1. 超臨界溶液からの結晶化 従来の溶媒結晶化法に比してこの方法はとりわけ、難
揮発性で熱的に不安定な物質を結晶化する場合に有利で
ある。無毒な溶媒として、周囲温度の領域内の臨界温度
を有する物体が、古典的な有機溶媒に対する好適な代替
として使用される。(文献1。) 従来の断続的に行われる冷却結晶化では飽和溶液は、
溶媒が良好な溶解能力を有する高い温度から開始して最
適な冷却曲線に沿って冷却されて最終温度に到達する。
溶解能力はこれにより低減され、溶解された物質は少な
くとも部分的に沈澱する。冷却曲線の最適化は、できる
だけ一定の過飽和と一定の結晶成長を得るために必要で
ある。
溶媒が、結晶化する物質が溶解されている超臨界流体
である場合、過飽和度及び結晶成長率も最適化されなけ
ればならない。この場合、従来の結晶化と異なり、結晶
化容器の中の圧力が、結晶形成を制御する別の1つのパ
ラメータとして使用可能である。典型的な結晶化時間は
30分〜数時間である。容器内容物を減圧した後に結晶
は、溶媒が除去されたしっかりと固まった形状をとる。
2. RESSプロセス[Rapid Expansion of Spercritical
Solution(超臨界溶液の急速な膨張)] RESS法では固体は、超臨界流体の中で圧力下で溶解さ
れ、このようにして形成された超臨界溶液は迅速に減圧
されて、低い圧力有利には大気圧に到達する。超臨界流
体の溶解能力はこれにより非常に急速に低減され、結晶
化する物質は固体物質として沈澱する。この方法は、い
くつかの物質クラスに適用できることが分かった。これ
にはポリマー(文献2)、色素(文献3)、薬品(文献
4)及びその他の物質(文献5)等がある。プロセス条
件を変えることにより過飽和及び核生成速度を制御でき
る。これにより、粒度、粒度分布及び形態学が出発原料
とは大幅に異なる粒子を得ることができる。このプロセ
スの特徴は、超臨界流体が減圧の際の冷却及び密度の大
幅な低下により得られる非常に高い過飽和である。
3. GASRプロセス[Gas Antisolvent Recrystallizatio
n(ガス逆溶剤再結晶)] この技術は好んで、超臨界媒体の中で溶解しない物質
に適用される。この方法では圧力下で有機溶媒の中でガ
スを溶解させ、ガスが溶解すると、この有機溶媒の、そ
の中に溶解されている物質に対する溶解能力が低減する
ことが利用される。ガスを添加することにより沈澱が発
生する。このプロセスでも圧力、温度及びガスの種類を
変えることにより粒子集団の特性を大幅に変えることが
できる。しかし高圧法の1つの重要な利点、すなわち溶
媒が無いことはGASR法では放棄される。
固体を生成するために超臨界流体を公知の方法で使用
することは、異なる欠点を有する。結晶化法(超臨界流
体からの結晶化及びガス逆溶剤結晶化)は、断続的にし
か行うことができず、長い冷却又は圧力変化時間(部分
的には数時間)を必要とする。固体生成物として内容物
を搬出することを可能とするために、結晶化フェーズを
終了するとオートクレーブ内容物は減圧されなければな
らない。GASRプロセスの場合にはこの内容物は減圧さ
れ、次いでガスが分離されると、溶媒の中に懸濁状態と
なるか又は湿気含有固体ケークとなる。この固体は適切
な手段により分離及び乾燥される。超臨界流体からの結
晶化の場合、非常に高い圧力及び大きいガス量が必要で
ある、何故ならば超臨界流体の中の当該の物質はしばし
ば難溶性であるからである。Tavana及びRandolph(文献
1)により例えば二酸化炭素の中での溶液の中からの安
息香酸の結晶化が説明されている。282.8バールの圧力
及び55℃の温度で2重量%の安息香酸が二酸化炭素の中
で溶解可能である。安息香酸全体が結晶として得られる
ことを前提とすると、1kgの生成物に対して49kgのガス
が35℃の結晶化温度に冷却されなければならない。熱的
なエネルギの必要性の外に大量のエネルギ量が、大量の
ガスを機械的に再圧縮するために必要である。
同様のことがRESSプロセスにも当てはまる。この場合
にも、固体を超臨界溶液の中で溶解するためには、部分
的には600バールを越える非常に高い圧力(文献5)
と、大きい過剰ガスが必要である。数百キログラムのガ
スが、1kgの粉末を得るのに必要である方法が開示され
ている。
ガス抽出の技術分野から、超臨界媒体が非常に多数の
物質に対して劣悪な溶解能力を有することも知られてい
る。従ってガス抽出においても、前述の粒子生成方法に
おいても、非常に高い圧力及び大きい溶媒量が必要であ
る。
本発明の説明 本発明の課題は、従来の方法及び高圧法の前述の欠点
を除去した方法を提供することにある。
上記課題は本発明により、請求の範囲第1項の特徴部
分に記載のステップを有する方法により解決される。本
発明の有利な実施の形態は、従属項に記載されている。
本発明の方法は、粒子を生成するために超臨界溶液を
基礎とすることは不要であるとの意外な認識が基礎とな
っている。ガス又は一般的に圧縮性流体を、処理する物
質の中で溶解するだけで充分である。有利には圧縮性流
体により飽和されているこのようにして生成された溶液
は、適切な減圧装置で迅速に減圧される。使用される圧
縮性流体がガスである限り、このガスは減圧の際に放出
されて、処理される物質の凝固温度を下回る程に強く冷
却する。物質は微粒子の形で沈澱し、適切な方法(例え
ば沈降、サイクロン、ろ過、電気ろ過)によりガス流か
ら分離され、希望する場合には分別される。前述のやり
方に起因して本発明の方法は以下においてPGSSプロセス
[Particles from Gas Saturated Slutions(ガス飽和
溶液からの粒子)]と呼ばれる。
処理される物質は、常温常圧条件においては固体であ
ることも液体であることもある。処理する物質又は処理
する物質混合物が固体である場合、圧縮性流体の溶解に
より、圧力下にある液体溶液が生成される。圧縮性流体
と処理する物質との間の質量比は、0.1:1〜4:1であり、
従って固体生成のためのその他の高圧法技術の場合に比
して2〜3のオーダだけ小さい。
液体の中のガスの溶解度は、ガスの中の液体/固体の
溶解度に比して大幅に大きい。液体の中のステアリン酸
の溶解度は、80℃の温度及び37バールの圧力において0.
002重量%である。しかし、同一の圧力及び温度条件に
おいてステアリン酸の中のエタンの溶解度は、5.62重量
%と大きい。ステアリン酸の中のエタンから成るガス含
有液体溶液の減圧を適切な装置例えば市販の高圧ノズル
の中で減圧する場合、圧縮された流体すなわちこの場合
にはエタンは、再びガス状態に移行する。意外なこと
に、そして専門家にとっても予測外なことに、冷却作用
が、ガス成分が非常に少ないにもかかわらず、減圧装置
の後では処理する物質の凝固温度を下回る程に強いこと
が分かった。処理する物質は微粒子固体として沈澱す
る。凝固温度に到達するために、圧縮流体が溶解するた
めの温度に関するある特定の境界条件を守らなければな
らない。減圧前の温度のための標準値は、明確に定めら
れている融点温度を有する物質又は物質混合物の場合、
大気圧において融点の上又は下の+/−50K有利には+
/−20Kの領域内に位置する。本発明の方法により、物
質又は物質混合物の溶液が、この物質又は物質混合物が
通常の条件においてすなわち大気圧において有する融点
より低い温度においても生成される。従って明らかに物
質又は物質混合物の融点は、圧縮性流体を圧力下で溶解
することにより低められる。従って例えば、大気圧で75
℃であるグリセリン−1−ステアリン酸−エステルは、
150バールの二酸化炭素雰囲気の中では58℃になること
が分かった。プロパノール雰囲気の下では58℃の融点
は、20バールの圧力で既に到達される。
この事実は、融点に到達する前に既に分解する物質を
処理する場合に重要である。適切な圧縮可能流体を選択
することにより本発明では液体溶液が、分解点より大幅
に低い温度において得られる。
本発明の方法の1つの別の実施の形態では物質の融点
は、非圧縮性助剤の添加により低下される。非圧縮性助
剤はそれが、噴霧する物質として共働して低融点共晶を
形成するように選択される。次いで、このようにして形
成された共融混合物すなわち共晶の中で、前述のやり方
で圧縮性流体が溶解され、生成された液体溶液が迅速に
減圧される。共融混合物は、減圧の後に冷却に起因して
凝固する。
圧縮性流体として一連の多数の物質が使用可能であ
る。1つの有利な実施の形態では二酸化炭素、短鎖アル
カン、一酸化二窒素(亜酸化窒素)、窒素のみ又は混合
物の中の窒素が使用される。しかし原理的には、表1に
記載の物質及びこれらの物質の混合物のそれぞれの蒸気
相を圧縮性流体として使用できる。
本発明のPGSS法により、従来の粒子生成プロセスに対
するとりわけ重要で汎用性のある代替が提供される。従
来の方法に対する主な利点は次の点である。
− 超臨界溶液からの結晶化又はRESSプロセスの場合に
比して圧力が大幅に低い。
− 液体の中の圧縮性流体の良好な溶解度に起因して融
通性が優れ、ガス需要が大幅に小さく、典型的には生成
固体物質1キログラム当り0.1〜1kgのガスが消費され、
この値は、固体物質生成の古典的方法、例えば噴霧乾
燥、噴霧結晶化及び低温粉砕等に比しても大幅に低い、
何故ならば前述のプロセスではガスが乾燥媒体の形で又
は冷却剤として必要であるからである。従ってこの場合
の典型的なガス消費量は、2〜20kgのガス/1kgの固体物
質である。
− 固体物質を分離した後にガスを循環路の中を案内で
きる。
− 排出しなければならない廃棄流又は残留溶媒が発生
しない。
− 生成された固体物質粒子は、溶媒を含有しない。
− PGSSプロセスは、その他の方法により粉砕できない
生成物(例えばワックス及び樹脂又は特異なレオロジー
的特性を有するポリマー化合物)のために適用し好結果
を得ることができる。
− このプロセスは、熱で性質が変わる物質に適する、
何故ならば低温で作業できるからである。
− 本方法は、物質混合物を粉砕するにも適し、ガスの
溶解が行われる温度は、非圧縮性助剤を的確に選択する
ことにより広い範囲で制御できる。
− 粉塵爆発の防止が、不活性ガスを圧縮性媒体として
使用することにより可能である。
− 本発明の方法の有利な実施の形態が以下において、
添付図面を参照して詳細に説明される。
第1図は本発明を実施するのに適した装置を概念的に
示すブロック回路図、第2図は試験(例4参照)におい
て得られた粒度分布を示す線図である。
本発明の方法を実施するために適する装置が、第1図
に基づいて説明される。処理する物質又は処理する物質
混合物が、フィード容器Aの中で溶融される。オートク
レーブC(V=5リットル,pmax=400バール,Tmax=250
℃)が試験開始の前に排気される。次いで、溶融された
物質及又は物質混合物が吸込まれる。圧縮性流体が、圧
縮空気により駆動される高圧ポンプBにより、オートク
レーブの中の圧力が所望の圧力になるまで供給される。
圧力は、アナログ圧力計(0〜600バール)により測定
される。
高圧循環ポンプDによりオートクレーブの底面の液相
は吸出され、オートクレーブCの頭部に搬送される。液
相循環により液相と気相との間の物質交換が促進され
る。液体の中のガスの溶解速度が高められる。ガスが溶
解する間、圧力及び温度は、必要な場合には手動で閉ル
ープ制御回路を介して補正される。オートクレーブには
試料採取装置が設けられており、試料採取装置を用いて
液相の中のガス含量が測定される。所望のガス含量に到
達すると、噴霧動作が開始される。これを実現するため
にガス含有液体は、恒温化された導管を介して噴霧塔E
の頭部に供給され、噴霧塔Fは酸素による粉塵爆発の危
険性を除去するために、前もって真空ポンプにより排気
され及び/又は不活性ガス(例えばCO2,N2)によりすす
がれている。ガス含有液体は、適切な減圧装置例えば高
圧ノズルを介して減圧される。代替的に別の減圧機構
(手動弁、調整弁、毛細管、絞り等)も使用できる。1
つの別の実施の形態ではノズルの直接前に又はノズルの
中に付加的なガス流を調量供給する。このようにして低
い粒度を得ることができる。
噴霧塔に供給されたガス含有液体の質量流量は、コリ
オリの原理を用いた質量流量計により測定される。噴霧
動作の間のオートクレーブの中の圧力低下を防止するた
めに、新鮮な予熱されたガスがオートクレーブの頭部に
高圧ポンプBを用いて調量供給される。
圧縮された液体を含有する溶液を減圧する際、圧縮性
液体はガス状態に変換される。これにより混合物は冷却
されて、圧縮性液体から、粉末化する物質又は物質混合
物に変換され、固体は沈澱する。噴霧塔の中の温度及び
温度分布は、移動可能な熱電素子により測定される。噴
霧塔は、優先的に直径10μm程度の粒径の粒子が沈降に
より沈澱するように寸法決めされている。粒子は搬出容
器の中に捕捉されるか、又は適切な装置(ゲート、スク
リューコンベヤ、オーバーフロー付きの攪拌ベッド等)
により連続的に搬出される。噴霧塔は、噴霧動作を観察
するための目視窓を設けることができる。
高い粒度の粒子が除去されたガス流は、噴霧塔を上端
から出て、サイクロンに供給される。サイクロンは、優
先的に1μmより大きい粒子が沈澱されるように寸法決
めされている。粒子は、サイクロンの下端に固定されて
いる搬出容器の中に捕捉される。
1μmより小さい粒子を分離するために、サイクロン
を出たガス流は、電気フィルタの中を電界により案内さ
れる。供給電圧は20kVである。粒子は中央ワイヤに沈澱
し、規則的な間隔で震い落される。電気フィルタの代り
にその他の微細フィルタ(例えば織物フィルタ等)を使
用することもできる。
残留ガスは体積流量計を介して本装置から導出され、
圧縮してオートクレーブに再び供給できる。必要な場合
にはガスはブロワにより本装置から連続的に吸出すこと
も可能である。
前述の装置及び作動方法は、本発明の方法の1つの可
能な実施の形態を示す。いくつかの別の実施の形態及び
変更を指摘する。別の技術的に重要な代替は、とりわ
け、圧縮性液体及び処理する物質又は物質混合物から所
望の溶液を製造する製造方法を含む。この場合、オート
クレーブCの代りに例えば静的ミキサを使用でき、この
ような静的ミキサの中では液体と圧縮性流体との間の物
質交換がとりわけ効果的である。静的ミキサを使用する
場合には本発明の方法は、連続的に作動できる。
例 例1: 椰子種油から成るグリセリド混合物、すなわち乳化剤
及び洗剤を製造するための原料生成物が、プロパンを使
用して噴霧される。モノグリセリド60%、ジグリセリド
37%及びトリグリセリド2%及び遊離脂肪酸1%から成
るこの生成物の融点は、44℃である。この生成物は、オ
ートクレーブで45℃の温度及び260バールの気圧でプロ
パンにより飽和され、ノズルを介して噴霧される。ノズ
ル出口開口の後の自由落下高さは0.25mである。10.5μ
mの中間の粒度の微粒子粉末が得られる。噴霧の直接後
の粉末の温度は0℃である。粉末のかさ密度は80g/lで
ある。
例2: 例1からの混合物は、37℃の温度で(すなわち大気条
件における融点より7℃低い温度で)プロパンにより23
0バールの圧力の下で液状溶液を形成する。プロパン含
有(約35重量%)グリセリドはノズルを介して噴霧され
る。ノズル出口開口の後の落下高さは1.0mである。平均
粒度は9.5μmである。減圧の後の温度は−3℃であ
る。得られた粉末のかさ密度は55g/lである。
例3: 例1のグリセリドの中で47℃の温度及び20バールの圧
力でプロパンが溶解された。プロパン含量は22重量%で
ある。このようにして形成された液状溶液がノズルを介
して噴霧される。ノズル出口開口の後の落下高さは1.0m
である。平均粒度は25μmである。減圧の後の温度は30
℃である。
例4: ステアリン酸のモノグリセリドが食料品技術で大規模
に、生理的に危険の無い非常に効率的な乳化剤として使
用される。融点75℃で99重量%の純度のグリセリン−1
−ステアリン酸エステルが噴霧される。モノステアリン
酸塩の中で85℃の温度で二酸化炭素が80バールの圧力の
下で溶解される。二酸化炭素とモノステアリン酸塩との
間の質量比は0.18:1である。ノズルを介しての噴霧(落
下高さ約1.8m)の後に12.8μmの平均粒度及び39g/lの
かさ密度の微粒子白色粉末が得られる。サイクロンから
7.8μmの平均粒度の粉末が取出される。電気フィルタ
の中で1μmより小さい粒度の数mgの粒子が沈澱され
る。噴霧塔から取出された粉末の粒度及び粒度分布が第
2図に示され、数値が表2に示されている。
例5: クエン酸は大気圧で156℃の融点を有する。クエン酸
は1:3の質量比で、1500g/molの平均分子量及び44〜48℃
の融点領域のポリエチレングリコールと混合される。こ
のようにして形成された混合物は、+2〜+5℃の温度
領域内で溶融する、すなわちこれら2つの物質は、これ
ら2つの純粋物質の融点より低い融点の共晶を形成す
る。圧力容器の中で20℃の温度でクエン酸とポリエチレ
ングリコールとの混合物の中で二酸化炭素が200バール
の圧力の下で溶解される。このようにして形成されたガ
ス含有溶液は、ノズルの中で減圧される。粉末状の共沈
(Koprezipitat)が、−5℃のクエン酸とポリエチレン
グリコールとから生成される。平均粒度は300μmであ
る。適切な助剤を添加することにより、所望の生成物
(この場合にはクエン酸)がガスにより飽和される温度
は、大気圧条件でのこの生成物の融点より大幅に低くで
きる。
例6: 3500g/molの平均分子量及び42℃の融点のポリエーテ
ルの中で45℃の温度で二酸化炭素が200バールの圧力の
下で溶解される。ガス含有溶液は、手動可能な調量弁を
介して捕捉容器の中に減圧されて供給される。捕捉容器
の底面までの落下高さは約0.4mである。200μm〜2000
μmの幅広い粒度分布の粉末が得られる。1mmを越える
クラスはろ過されて除去され、再びプロセスに供給され
る。
例7: 薬学的作用物質(1,4−ジヒドロ−2,6−ジメチル−4
−(2−ニトロフェニール)−3,5−ピリジン−カルボ
キシル酸、俗称:ニフェジピン)が、PGSS法により処理
された。145℃の温度及び200バールの圧力で二酸化炭素
が前述の生成物の中で溶解された。ノズルによる噴霧に
より10μmの平均粒度の粉末が得られる。ガス対固定の
質量比はこの場合には0.1:1である。
例8: グリセリン−1−ステアリン酸エステルの中で85℃の
温度で二酸化炭素が80バールの圧力の下で溶解される。
二酸化炭素とモノステアリン酸塩との質量比は、0.18:1
である。ノズルを介しての噴霧の直接前にガス含有液体
に窒素が調量供給される。窒素質量流量対ガス含有液体
質量流量の比は0.5:1である。ノズルによる減圧(落下
高さ約1.8m)の後に8.2μmの平均粒度の微粒子白色粉
末が得られる。この例は実質的に例4に相応する。しか
し外部ガス流の調量供給により、より微細な粒子が得ら
れる。
文献: /1/ Tavana A.,Randolph A.D.,Aiche Journal 1989,35
(10)1625 /2/ Bush P.J.,Pradhan D.,Ehrlich P.,Macromolecule
s 1991,24(6)1439 /3/ Chang C.J.,Randolph A.D.,Aiche Journal 1990,3
6(6)939 /4/ Tom W.J.,Debenedetti P.G.,Biotechnol.Prog.199
1,7,403 /5/ Matson D.W.,Petersen R.G.,Smith R.;Advances i
n Ceramics 1987,21,1090
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ヴァイドナー,エックハルト ドイツ連邦共和国、 91056 エアラン ゲン、アム・ドルフヴァイアー 9 (72)発明者 クネズ,ゼリコ スロヴェニア国、 62000 マリボル、 ウィルソノヴァ 15 (72)発明者 ノヴァク,ゾラン スロヴェニア国、 62000 マリボル、 アスケルセヴァ 11 (56)参考文献 特開 平7−705(JP,A) 特開 平1−176437(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23P 1/02 A61J 3/06 C07B 63/00 C07D 251/36 C08J 3/12 C10G 73/40 B01J 2/04

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】− 処理する物質又は物質混合物を収容す
    る圧力容器を準備するステップと、 − 供給された物質又は物質混合物の中で圧縮性流体を
    圧力下で溶解して、溶液を形成するステップと、 − 得られた溶液を噴霧装置により、噴霧装置を出た物
    質又は物質混合物の凝固温度を下回り粒子形成が行なわ
    れるように減圧するステップと、 − 形成された粒子を、圧縮解除された圧縮性流体の流
    れから分離することを特徴とする粒子又は粉末の製造方
    法。
  2. 【請求項2】溶解の間の圧力が5〜500バールの領域内
    にあることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の粒子
    又は粉末の製造方法。
  3. 【請求項3】溶解の間の圧力が10〜200バールの領域内
    にあることを特徴とする請求の範囲第2項に記載の粒子
    又は粉末の製造方法。
  4. 【請求項4】圧縮流体の溶解の後に得られる溶液が、50
    ゜Kまでの領域内で、処理する物質又は物質混合物の大
    気圧での融点より高い又は低い温度に保持されることを
    特徴とする請求の範囲第1項から第3項のうちのいずれ
    か1項に記載の粒子又は粉末の製造方法。
  5. 【請求項5】圧縮流体の溶解の後に得られる溶液が、20
    ゜Kまでの領域内で、処理する物質又は物質混合物の大
    気圧での融点より高い又は低い温度に保持されることを
    特徴とする請求の範囲第4項に記載の粒子又は粉末の製
    造方法。
  6. 【請求項6】圧縮流体の溶解の後に得られる溶液が、10
    ゜Kまでの領域内で、処理する物質又は物質混合物の大
    気圧での融点より高い又は低い温度に保持されることを
    特徴とする請求の範囲第4項に記載の粒子又は粉末の製
    造方法。
  7. 【請求項7】物質又は物質混合物が大気圧で加熱すると
    溶融する前に分解する場合、圧縮性流体を溶解して得ら
    れる溶液が、処理する物質又は物質混合物の大気圧での
    分解温度より低い温度に保持されることを特徴とする請
    求の範囲第1項から第6項のうちのいずれか1項に記載
    の粒子又は粉末の製造方法。
  8. 【請求項8】処理する物質又は物質混合物の融点が、圧
    縮性流体の溶解の前又は間又は後に添加される助剤によ
    り低下されることを特徴とする請求の範囲第1項から第
    7項のうちのいずれか1項に記載の粒子又は粉末の製造
    方法。
  9. 【請求項9】非圧縮性助剤が、処理する物質又は物質混
    合物と一緒に、融点の低い共晶を形成することを特徴と
    する請求の範囲第8項に記載の粒子又は粉末の製造方
    法。
  10. 【請求項10】圧縮流体が、メタンとエタンとプロパン
    とブタンとペンタンとn−ヘキサンとi−ヘキサンに例
    示される1〜6個のC原子を有する炭化水素、二酸化炭
    素、フレオン、窒素、希ガス、N2OとSO2に例示されるガ
    ス状酸化物、アンモニア、メタノールとエタノールとイ
    ソプロパノールとn−プロパノールとブタノールに例示
    される1〜4個のC原子を有するアルコール、ハロゲン
    化炭化水素、又は前述の物質の混合物から選択されるこ
    とを特徴とする請求の範囲第1項から第9項のうちのい
    ずれか1項に記載の粒子又は粉末の製造方法。
  11. 【請求項11】形成された粒子がクラス分類されて分離
    されることを特徴とする請求の範囲第1項から第10項の
    うちのいずれか1項に記載の粒子又は粉末の製造方法。
  12. 【請求項12】粒子流がクラス分類のための分離のため
    にまず初めに噴霧塔を貫流案内され、次いでサイクロン
    を貫流案内され、最後に微細フィルタ例えば電気フィル
    タを貫流案内されることを特徴とする請求の範囲第11項
    に記載の粒子又は粉末の製造方法。
  13. 【請求項13】上記得られた溶液が、ノズル又は弁又は
    ディフューザ又は毛細管により噴霧されることを特徴と
    する請求の範囲第1項から第12項のうちのいずれか1項
    に記載の粒子又は粉末の製造方法。
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