JP3510215B2 - 傾斜角度検出装置および1次元測定方向の傾斜角度測定方法 - Google Patents

傾斜角度検出装置および1次元測定方向の傾斜角度測定方法

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JP3510215B2
JP3510215B2 JP2001075576A JP2001075576A JP3510215B2 JP 3510215 B2 JP3510215 B2 JP 3510215B2 JP 2001075576 A JP2001075576 A JP 2001075576A JP 2001075576 A JP2001075576 A JP 2001075576A JP 3510215 B2 JP3510215 B2 JP 3510215B2
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裕幸 井上
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、傾斜角度を検出す
る傾斜角度検出装置、傾斜角度検出方法に係り、特に、
重力方向を基準とした微小な傾斜角度を検出するに最適
な傾斜角度検出装置、傾斜角度検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、建設機材や精密装置、各種測定機
器等の水平を出す目的で、測定面が水平から傾斜してい
るか否かを目視で確認するための気泡管水準器が広く用
いられている。この気泡管水準器は、密閉されたガラス
管の中に、例えば目立つ色に着色された液体が入れられ
ており、この液体の密閉に際して所定の気泡を含ませて
いる。また、このガラス管に対して気泡の基準線等の目
印が設けられ、この目印に対して人間が目視により気泡
の位置を確認することで、被測定体の水平度を測定する
ことが可能である。
【0003】しかしながら、この気泡管水準器では、人
間の目視に頼らなければならず、詳細な測定の用途には
不十分である。特に近年、測定される傾斜角度を装置の
制御や監視に便利な電気信号として検出したいという要
求が強い。そこで、光を液面(重力により水平に形成さ
れる自由液面)に反射させ、その反射光の位置を検出す
ることで、傾斜角度を測定する技術が検討されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように、光を液面
に反射させ、その反射光の位置を検出することで、傾斜
角度を測定する技術が存在するが、従来の技術では、十
分な精度が得られない場合や、測定装置が大型化する等
の問題があった。
【0005】図6(a),(b)は、従来、検討されている
傾斜角測定装置の問題点を説明するための図である。図
6(a)は、密閉容器201に含まれる液体202に対し
て斜め上方から入射光を与えて測定する場合を示してお
り、図6(b)は、密閉容器201に含まれる液体202
に対して斜め下方から入射光を与えて測定する場合を示
している。斜め方向から液面に対して照射することで、
例えばレーザ光を発生させる光源と、反射光を測定する
センサ等からなる測定部との場所を確保することが可能
となる。
【0006】図6(a)に示すように、液面の上方より光
を液面に照射し、その液面からの反射光の光位置を検出
することができれば、入射光と液体202の表面とのな
す角度が明らかになり、傾斜角度を検出することができ
る。しかしながら、図6(a)に示すように、密閉容器2
01の内側には付着液体203が存在している。その結
果、液面の上方より照射された光は、密閉容器201の
付着液体203によって屈折され、得られる反射光は、
この光の屈折により本来の反射光に対して所定の誤差を
有している。そのために、正確な傾斜角度の測定が困難
となり、例えば、1mあたり0.01mm程度の傾斜角
である微小な傾斜角度を測定することが困難となる。
【0007】一方、図6(b)に示すように、光を液面の
下方より照射させることで、付着液体203の問題は解
決することができる。しかしながら、密閉容器201や
液体202は温度上昇による膨張等によって変化し、液
体202における液面の高さも変化する。また、製造誤
差等により、液面の高さが当初からばらつく場合もあ
る。図6(b)では、液面高さの変化hが生じた状態を示
しており、光源と測定部との場所を確保する目的で液面
に対して斜め方向から光を入射すると、図6(b)に示す
ように反射位置がずれてしまい、その反射位置のずれが
誤差となって、正確な傾斜角度を測定することができな
い。
【0008】更に、測定対象方向以外の傾き、即ち、測
定対象方向と直交する方向に傾きがある場合には、反射
光はその傾きに応じても反射してしまうことから、反射
光は測定方向に直交する方向にも偏向し、光位置検出が
困難となる。
【0009】また、特開2000−266545号公
報、特開2000−105119号公報等には、レーザ
光からなる光源からの光に対して、光の断面を大きくと
り、暗視野パターンを介して自由表面を有する液面に下
面から照射し、反射光を2次元の傾斜センサで読み取ら
せることで、傾斜センサの傾きを測定する技術が示され
ている。しかし、これら公報記載の技術では、暗視野パ
ターンを介して光を照射させることから、全ての光を液
面の同一位置に照射させることができず、正確な反射角
を得ることができない。また、暗視野パターンを用いて
光をドットマトリックスにし、そのドットマトリックス
の変化によって測定していることから、計算が非常に大
掛かりとなり、装置の高コスト化は否めない。更には、
例えば、振動による液面の波立ち等に対して対応するこ
とができず、かかる場合には演算処理も困難となる。
【0010】本発明は、以上のような技術的課題を解決
するためになされたものであって、その目的とするとこ
ろは、液体を密閉する容器の状態に左右されず、また、
液面の高さのバラツキや変化に対して誤差を少なくし
て、傾斜角度を測定することにある。また他の目的は、
測定方向に対して直角方向に傾いた場合であっても、1
次元の光位置検出素子上に光を集光することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】かかる目的のもと、本発
明が適用される傾斜角度検出装置は、光を出射する出射
手段と、この出射手段によって略鉛直下方から出射され
る光を反射させるための液面を形成する液面形成手段
と、この液面形成手段により形成された液面から反射さ
れる光の向きを変える偏向手段と、この液面形成手段に
より形成された液面から反射され傾斜角度を検出したい
と欲する測定方向に対して直交する方向成分にある光を
光学的に補正して集光する集光手段と、偏向手段により
向きが変えられ集光手段により集光された光の位置の変
化を、1次元の光位置検出素子に照射される位置の変化
によって測定する位置測定手段とを備えたことを特徴と
している。
【0012】ここで、この集光手段は、例えば2枚のシ
リンドリカルレンズ等、複数のレンズにより形成される
ことを特徴とすれば、設計上の自由度を向上させ、調整
を楽にすることができる点で好ましい。
【0013】また、この液面形成手段は、透明な材質で
形成される円筒管に液面が形成されるように液体が封入
されることを特徴とすることができる。この円筒管は、
ガラスまたは樹脂等により構成され、必ずしも全体が透
明である必要はなく、例えば窓等、少なくとも光が透過
する部分に対して透明な材質を備えていれば構わない。
更に、液面は、水平面を形成できるものであれば足り、
液体と気体との間に形成される場合の他、比重が異なり
分離する液体同士によって形成される液面であっても構
わない。
【0014】他の観点から把らえると、本発明が適用さ
れる傾斜角度検出装置は、液体が入った容器と、レーザ
光を出射する発光部と、この発光部から出射されるレー
ザ光を液体における液面の下方から透過し、この液面を
反射したレーザ光の向きを変えるハーフミラーと、向き
が変えられたレーザ光を平行な光に偏向する第1のシリ
ンドリカルレンズと、この第1のシリンドリカルレンズ
により平行な光に偏向されたレーザ光を集光する第2の
シリンドリカルレンズと、この第2のシリンドリカルレ
ンズにより集光されたレーザ光の光照射位置の変化を測
定する光位置検出素子とを備えたことを特徴としてい
る。
【0015】ここで、このシリンドリカルレンズは、傾
斜角度を検出したいと欲する測定方向に対して直交する
方向成分にあるレーザ光を集光することを特徴とすれ
ば、安価な1次元の光位置検出素子を用いることができ
る点で好ましい。更には、対象としない方向の向きが検
出誤差として出力されない点で優れている。
【0016】また、この容器は、透明な材質で形成され
る円筒管に液面が形成されるように液体が封入されると
共に、円筒管からの反射光と液面からの反射光とを区別
するために円筒管を水平面に対して所定角度、傾かせて
取り付けられることを特徴とすることができる。この円
筒管を斜めに配置することで、円筒管に照射され反射さ
れる光が光位置検出素子に入光することを阻止すること
が可能となる。
【0017】一方、本発明は、1次元の測定方向におけ
る傾斜角度を測定する傾斜角度測定方法であって、容器
に封入される液体の液面に対して略鉛直下方から光を照
射し、液面により反射された光を偏向し、液面を反射し
測定方向と直交する方向に偏向、拡散された光を第1の
レンズにより平行な光に補正し、第1のレンズにより補
正された光を第2のレンズにより集光し、集光された光
における光照射位置の変化によって傾斜角度を測定する
ことを特徴としている。
【0018】ここで、この液面により反射された光は、
測定方向に偏向されることを特徴とすれば、液面と光照
射位置との距離を長くとることが可能となり、検出感度
を高めることができる点で好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に示す実施の形態
に基づいて本発明を詳細に説明する。図1は、デジタル
水準器である傾斜角度検出装置10の全体構成を示した
説明図である。本実施の形態における傾斜角度検出装置
10は、ベース11の上に、出射手段としての発光部2
0、偏向手段としてのハーフミラー30、光反射部であ
るガラス管40、集光手段としての複数のシリンドリカ
ルレンズである第1のシリンドリカルレンズ51および
第2のシリンドリカルレンズ52、位置測定手段として
の光位置検出素子60が固定的に設けられている。更
に、光位置検出素子60からの電気信号を扱いやすい電
圧出力に変換して出力する電気信号処理部70とを備え
ている。
【0020】発光部20は、発光素子である半導体レー
ザ21、平行光を形成するコリメータレンズ22、光を
絞る絞り部23を備えている。半導体レーザ21は、例
えば波長を赤色可視光とする出力5mWのレーザダイオ
ードであり、この半導体レーザ21から発光された光
は、例えば焦点距離5mmであるコリメータレンズ22
によりコリメーション(平行光化)される。コリメーショ
ンされた光は、例えば径0.6mmになるように絞り部
23によって絞られる。本実施の形態では、この発光部
20から射出されるレーザ光は、ベース11の基準面に
対して垂直に出射されるように構成されている。
【0021】発光部20から出射されたレーザ光は、ハ
ーフミラー30によって直進するガラス管40の方向
と、その方向から90度である直交方向(図の右方向)に
分光される。但し、この直交方向に曲げられた(偏向さ
れた)レーザ光は使用されない。透過して直進したレー
ザ光は、ガラス管40に対して照射される。
【0022】ガラス管40は、外形約10mm、肉厚約
0.8mmの円筒形のガラスであり、液体41が密封さ
れている。液体41の揮発や漏れを防ぐために、液体4
1を入れた後に、両端または一端がガラスで溶着されて
密封形成される。尚、ガラス管40は、ガラスでなくと
も良く、例えば、透明な樹脂によって構成することも可
能である。また、光が透過する領域だけを窓状に開口し
ても構わない。液体41は適当な粘度が要求されてい
る。これは、粘度が高いと応答性が悪くなり、また、粘
度が低いと泡が発生して正確な測定に支障となるためで
ある。本実施の形態では、無色透明なアルコールとエー
テルの混合液が用いられている。
【0023】ガラス管40の中には、約半分程度の液体
41が入れられている。即ち、ガラス管40の下半分は
液体41で満たされ、上半分には気層があり、その境界
面に液面が存在している。ハーフミラー30を通過した
レーザ光は、このガラス管40に入射され、液体41を
通過して、ガラス管40内の液面にて反射される。
【0024】ここで、ベース11の基準面が水平に設置
されている場合においては、レーザ光はベース11の基
準面に対して垂直に出射されているので、出射されるレ
ーザ光は、重力により水平に形成されている液面(自由
液面)に対して垂直に入射され、垂直に反射される。こ
こで、液面により反射されるレーザ光の光量は、その入
射光量の約2%程度である。一方、ベース11の基準面
が傾いていた場合には、発光部20およびハーフミラー
30はベース11に対して固定的に設けられているの
で、レーザ光はその傾きだけ傾いて液面に入射される。
従って、液面からの反射光は、その傾きに応じて変化す
る。ここで、傾斜角度検出装置10が角度θだけ傾いた
場合には、液体41の屈折率をnとすると、液体層と気
体層との境界である液面にて反射される光は2nθだけ
傾く。
【0025】尚、実際には、重力によって形成される液
面は、常に水平であり、ベース11が傾いた場合、ベー
ス11上に設けられた各機構およびレーザ光が傾いてい
る。しかしながら、説明の煩雑さを避けるために、ベー
ス11が水平に置かれており、液面がベース11の傾き
に応じて傾くものとして説明を行っても相対的に同値と
なる。従って、以後の説明では、説明の都合に応じて、
これらを使い分けている。
【0026】更に、本実施の形態におけるガラス管40
は、意図的に水平に対して傾けて取り付けられている。
図2は、ガラス管40が傾けられて取り付けられた状態
を示した図である。図2に示すようにガラス管40は、
水平面から傾きR(例えば1°〜2°程度)だけ傾けて取
り付けられている。光源である発光部20から出射され
るレーザ光は、液面のみならず、ガラス面(ガラス管4
0の外側および内側)においても反射される。このガラ
ス面からの反射率は4〜5%程度である。本実施の形態
では、ガラス管40を傾かせて取り付けていることか
ら、その反射光は、液面からの反射光とは異なった方向
に反射され、本来、必要となる液面からの反射光に対し
て悪影響を及ぼすことを防止することができる。
【0027】このように、本実施の形態では、レーザ光
は、ガラス管40の下側より照射されるので、ガラス管
40の上部のガラス面内側に液体41が付着していて
も、測定に悪影響を及ぼすことがない。また、液面に対
し、レーザ光は垂直に照射されるので、液面の高さが変
化してもその反射光の光路には変化をもたらさず、測定
誤差とはならない。
【0028】次に、図1に示すように、ガラス管40の
液面より反射されたレーザ光は、ハーフミラー30に入
射され、直進方向とその直交方向である光位置検出素子
60方向(図の左方向)とに分光される。ここでは、直進
方向の光は使用されない。直交方向(図の左方向)に分光
して偏向されたレーザ光は、第1のシリンドリカルレン
ズ51および第2のシリンドリカルレンズ52を経て光
位置検出素子60に入射される。このように、ハーフミ
ラー30により分光することで、反射面である液面に対
して光をほぼ(略)垂直に照射する場合であっても、光位
置検出素子60を発光部20とは別の位置に設けること
が可能となる。
【0029】本実施の形態においては、ハーフミラー3
0と光位置検出素子60との光路に、第1のシリンドリ
カルレンズ51と第2のシリンドリカルレンズ52とを
設けている。ハーフミラー30により分光された光は、
ガラス管40により、測定方向と直交する方向にも光の
偏向および拡散が生じている。図3は、図1に示す傾斜
角度検出装置10を右方向から見た図である。この図3
では測定方向と直交する方向が示されており、この直交
する方向に対する水平面からの傾きについて示されてい
る。このように、液面が測定する方向と直角の方向に、
所定の角度で傾いた場合、液面からのレーザ反射光は、
その傾きに応じて偏向されてしまう。また、ガラス管4
0は円筒形状であることから、その曲面形状により、反
射されたレーザ光は屈折され、ライン状に拡散されてい
る。
【0030】図4は、第1のシリンドリカルレンズ51
と第2のシリンドリカルレンズ52との関係を説明する
ための図である。図4に示すように、第1のシリンドリ
カルレンズ51は、測定方向と垂直な方向に偏向、拡散
されたレーザ光を平行光とすべく設置されている。尚、
本実施の形態に用いられる第1のシリンドリカルレンズ
51および第2のシリンドリカルレンズ52は、焦点距
離が約40mmであり、第1のシリンドリカルレンズ5
1から光拡散位置、即ち、ガラス管40までの距離が焦
点距離である約40mmに設定されている。
【0031】第1のシリンドリカルレンズ51を通過し
たレーザ光は、第2のシリンドリカルレンズ52に入射
される。第2のシリンドリカルレンズ52は、入射され
たレーザ光を集光位置である光位置検出素子60に対し
て集光するように配置されている。尚、第2のシリンド
リカルレンズ52から光位置検出素子60までの距離
は、焦点距離に応じて定められ、本実施の形態では約4
0mmである。
【0032】この第1のシリンドリカルレンズ51およ
び第2のシリンドリカルレンズ52により、図3に示し
たような測定方向と直交する方向の光の偏向、拡散を光
学的に補正し、レーザ光を光位置検出素子60上に集光
することができる。ここで、シリンドリカルレンズは、
1方向のみの屈折力を備えおり、本実施の形態における
測定方向の光の偏向に関しては何ら影響をもたらさな
い。即ち、測定方向に関する傾きのみを検出し、それに
直交する方向の傾きの影響を除外し、測定誤差を無くす
役目を果たしている。これにより、光位置検出素子60
は、安価な1次元のものを採用することができ、かつ、
液体41を封入するための容器であるガラス管40も、
曲面を有する安価な円筒ガラス管を用いることが可能と
なる。
【0033】尚、本実施の形態では、複数個のシリンド
リカルレンズ(51および52)を用いたが、必ずしも2
個のレンズを必要とするものではない。例えば、液面お
よびガラス管40による測定方向と直交する方向の偏
向、拡散に対し、1つのシリンドリカルレンズにて光路
上の位置を調整し、光位置検出素子60上に集光させる
ように構成すれば、同等の効果を得ることが可能とな
る。シリンドリカルレンズを減らすことができれば、装
置全体のコスト低減を図ることができる点で好ましい。
但し、1つのシリンドリカルレンズで行う場合には、そ
のレンズの焦点距離に応じて、ガラス管40、光位置検
出素子60、およびシリンドリカルレンズの位置関係が
一義的に決定されてしまい、設計上の自由度は少なくな
る。
【0034】一方、液面の傾きに対し、液面と光位置検
出素子60との距離が長い程、光位置検出素子60上に
照射される変位、即ち、光の位置の変化が大きくなる。
その結果として、検出するための角度に関する感度や分
解能が大きくなる。本実施の形態では、液面と光位置検
出素子60との距離を約100mmとしている。本実施
の形態のごとく、2枚のシリンドリカルレンズ(51お
よび52)を用いれば、第1のシリンドリカルレンズ5
1によりレーザ光を平行光とすることができ、第1のシ
リンドリカルレンズ51および第2のシリンドリカルレ
ンズ52の距離を任意に設定することができる。
【0035】従って、本実施の形態のごとく、2枚のシ
リンドリカルレンズ(51および52)を用いれば、必要
とする感度や分解能に応じて、液面と光位置検出素子6
0との間の距離を自由に設計できることとなる。また、
レンズ光学系を、ガラス管40と第1のシリンドリカル
レンズ51、光位置検出素子60と第2のシリンドリカ
ルレンズ52、にそれぞれ分割できるので、組立調整が
容易になる利点も生じる。
【0036】次に、光位置検出素子60について説明す
る。光位置検出素子60は、光が照射される位置に応じ
て電気信号が発せられる素子である。前述のごとく、1
つまたは複数のシリンドリカルレンズを用いることで、
1次元の光位置検出素子(PSD:Position Sensitive
Device)60を用いることができる。光位置検出素子6
0は、液面が傾いていない状態(即ち、ベース11の基
準面が水平に保たれている状態)で、レーザ光が光位置
検出素子60の中央に照射されるように配置されてい
る。液面が傾いた際(即ち、ベース11の基準面が傾い
た際)、レーザ光は液面からの反射方向が変化するの
で、光位置検出素子60上に照射される位置が変化す
る。
【0037】本実施の形態では、液面から光位置検出素
子60までの距離は、約100mmであるので、例え
ば、液面が1/1000傾いた(1mに対して1mmだけ
傾いた)場合、光位置検出素子60の光照射位置は、 100mm×(1/1000)×2×1.5 = 0.3mm 変化することとなる。尚、液面に対し、入射角は1/1
000であるので、反射角は同じく1/1000の角度
となる。そのため、傾きの2倍の変化量となり、更に、
液体41およびガラス管40の屈折力により、1.5
倍、角度が変化するものとしている。
【0038】本実施の形態で用いる光位置検出素子60
においては、このような測定条件を勘案して、光位置検
出素子60上の光照射位置が0.3mm変化すると、光
位置検出素子60からの電気出力は5%程度、変化する
ものを採用している。この光位置検出素子60を用いる
と、例えば、0.01/1000傾いた場合には、光位置
検出素子60上の光照射位置は3μm変化し、電圧出力
は0.05%変化する。
【0039】尚、本実施の形態では、シリンドリカルレ
ンズを通過したレーザ光は、直接、光位置検出素子60
に照射されているが、光位置検出素子60とシリンドリ
カルレンズとの間にレンズ系を設けて光照射位置変化を
拡大し、更に光を集光することも可能である。
【0040】次に、電気信号処理部70について説明す
る。図5は、電気信号処理部70の構成を示したブロッ
ク図である。光位置検出素子60から得られる電気信号
の変化量は、上述のように非常に微弱であり、かつ、外
乱による振動により発生する液面の波立ち等により、ノ
イズが混入する場合がある。本実施の形態では、このよ
うな信号の特性を考慮し、まず、光位置検出素子60か
らの電気信号を電流−電圧変換回路71によって所定の
電圧に変換し、増幅回路72によって増幅した後、フィ
ルタ回路73によってノイズ除去が実行される。このノ
イズ除去された信号は、電圧出力変換回路74によっ
て、扱い易い電圧出力に変換され、出力端子に出力され
る。この電気信号は、用途によって種々の信号処理が可
能となる。
【0041】また、電気信号処理部70では、例えば、
所定のソフトウェアによって、補正のための演算処理が
なされる。例えば、傾斜角度検出装置10が振動し、ガ
ラス管40の液面が波打っている場合には、光位置検出
素子60にて得られる信号波形も波打った状態となる。
しかしながら、電気信号処理部70にて、例えば、平均
値を取る等、所定の演算を行うことにより、必要な傾き
に関する測定値を求めることが可能となる。
【0042】尚、本実施の形態では、ガラス管40の鉛
直下にハーフミラー30を介して発光部20を設け、ハ
ーフミラー30を直進した光をガラス管40に入射する
ように構成したが、例えば、ガラス管40の鉛直下に光
位置検出素子60を設け、発光部20から発せられたレ
ーザ光を折れ曲がらせ、偏向されてガラス管40に入射
するように構成することも可能である。但し、感度や分
解能を稼ぐために、液面から光位置検出素子60の距離
を大きく設定しようとすると、装置全体を縦長にする必
要がある。また、微小な角度を検出する装置の場合に
は、被測定面にベース11の基準面を正確に配置する必
要性から、その角度の検出方向に横長なものが好まし
い。従って、図1に示したように各構造物を配置し、横
長な構造にすることが優れている。
【0043】以上、詳述したように、本実施の形態で
は、液面に対して垂直下方から光を入射するように構成
したので、液面の高さのバラツキや変化に対して誤差を
少なくすることができる。また、ハーフミラー30を用
いることで、液面に垂直に光を入射した場合であって
も、発光部20と光位置検出素子60とを別の場所に設
けることが可能となる。更には、ハーフミラー30を設
けることで、液面と光位置検出素子60との間の距離を
多く確保することが可能となり、液面からの反射光の位
置変化が光位置検出素子60で大きくなり、検出感度を
高めることが可能となる。尚、かかる効果を更に高める
ために、ミラー等を設けて光路を長くすることも有効で
ある。
【0044】また、本実施の形態では、液面と光位置検
出素子60との間に、少なくとも1枚のシリンドリカル
レンズ(実施の形態では、第1のシリンドリカルレンズ
51と第2のシリンドリカルレンズ52)を配置した。
これによって、測定方向に直交する方向(図3参照)にベ
ース11が傾いた場合でも、1次元の光位置検出素子6
0上に光を集光することができる。その結果、安価な1
次元の光検出素子を用いることができると共に、対象と
しない方向の傾きが検出誤差とならない。例えば、光路
上に2次元の暗視野パターンを配置しその位置ずれにて
傾斜角度を測定する装置に比べて、誤差が非常に小さく
なり、また、装置を小型化できると同時に、簡易な信号
処理にて正確な測定値を得ることができる。
【0045】更には、例えば、振動等により液面が波立
った場合には、上述の2次元の暗視野パターン測定で
は、光の断面を大きくとることから、等間隔のパターン
を得ることが困難となり、演算処理を行うことができな
くなる。しかしながら、本実施の形態による点(光の断
面が小さい)の光をシリンドリカルレンズ(51および5
2)で集光して1次元で測定することで、簡単な演算に
より正確な傾きを測定することが可能となる。
【0046】また、シリンドリカルレンズ(51および
52)を設けることで、液体41を入れる密閉容器をガ
ラス管40で説明したような、曲面を有する安価な管を
用いることが可能となる。一般には、容器側面は、光が
真っ直ぐに透過するように平面である必要があり、曲率
のない平面を有する密閉容器を製造するためには、非常
に多くのコストがかかる。コストの安い曲面を有するガ
ラス管40では、液面からの反射光は、曲面にて拡散さ
れ、広がった状態となるが、シリンドリカルレンズを設
けることで、光位置検出素子60に対して正しく集光す
ることができる。尚、ガラス管40に照射され反射され
る光は、ガラス管40を斜めに配置することで、光位置
検出素子60への入光を阻止することができる。更に、
複数のシリンドリカルレンズ(51と52)を設けて、一
度、平行光に変換することで、設計上の自由度を増し、
調整を楽にすることができる。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
液体を密閉する容器の状態に左右されず、また、液面の
高さのバラツキや変化に対して誤差を少なくして、傾斜
角度を測定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 デジタル水準器である傾斜角度検出装置の全
体構成を示した説明図である。
【図2】 ガラス管が傾けられて取り付けられた状態を
示した図である。
【図3】 図1に示す傾斜角度検出装置を右方向から見
た図である。
【図4】 第1のシリンドリカルレンズと第2のシリン
ドリカルレンズとの関係を説明するための図である。
【図5】 電気信号処理部の構成を示したブロック図で
ある。
【図6】 (a),(b)は、従来、検討されている傾斜角
測定装置の問題点を説明するための図である。
【符号の説明】
10…傾斜角度検出装置、11…ベース、20…発光
部、21…半導体レーザ、22…コリメータレンズ、2
3…絞り部、30…ハーフミラー、40…ガラス管、4
1…液体、51…第1のシリンドリカルレンズ、52…
第2のシリンドリカルレンズ、60…光位置検出素子、
70…電気信号処理部、71…電流−電圧変換回路、7
2…増幅回路、73…フィルタ回路、74…電圧出力変
換回路

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光を出射する出射手段と、 前記出射手段によって略鉛直下方から出射される光を反
    射させるための液面を形成する液面形成手段と、 前記液面形成手段により形成された前記液面から反射さ
    れる光の向きを変える偏向手段と、 前記液面形成手段により形成された前記液面から反射さ
    傾斜角度を検出したいと欲する測定方向に対して直交
    する方向成分にある光を光学的に補正して集光する集光
    手段と、 前記偏向手段により向きが変えられ前記集光手段により
    集光された光の位置の変化を、1次元の光位置検出素子
    に照射される位置の変化によって測定する位置測定手段
    とを備えたことを特徴とする傾斜角度検出装置。
  2. 【請求項2】 前記液面形成手段は、透明な材質で形成
    される円筒管に液面が形成されるように液体が封入され
    ることを特徴とする請求項1記載の傾斜角度検出装置。
  3. 【請求項3】 液体が入った容器と、 レーザ光を出射する発光部と、 前記発光部から出射されるレーザ光を前記液体における
    液面の下方から透過し、当該液面を反射したレーザ光の
    向きを変えるハーフミラーと、 前記ハーフミラーにより向きが変えられたレーザ光を平
    行な光に偏向する第1のシリンドリカルレンズと、 前記第1のシリンドリカルレンズにより平行な光に偏向
    されたレーザ光を集光する第2のシリンドリカルレンズ
    と、 前記第2のシリンドリカルレンズにより 集光されたレー
    ザ光の光照射位置の変化を測定する光位置検出素子とを
    備えたことを特徴とする傾斜角度検出装置。
  4. 【請求項4】 前記容器は、透明な材質で形成される円
    筒管に液面が形成されるように液体が封入されると共
    に、当該円筒管からの反射光と当該液面からの反射光と
    を区別するために当該円筒管を水平面に対して所定角
    度、傾かせて取り付けられることを特徴とする請求項3
    記載の傾斜角度検出装置。
  5. 【請求項5】1次元の測定方向における傾斜角度を測定
    する傾斜角度測定方法であって、 容器に封入される液体の液面に対して略鉛直下方から光
    を照射し、 前記液面により反射された光を偏向し、前記液面を反射し前記測定方向と直交する方向に偏向、
    拡散された光を第1のレンズにより平行な光に補正し、 前記第1のレンズにより補正された光を第2のレンズに
    より集光し、 集光された光における光照射位置の変化によって傾斜角
    度を測定することを特徴とする1次元測定方向の傾斜角
    度測定方法。
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