JP3508220B2 - 多気筒内燃機関の制御装置 - Google Patents

多気筒内燃機関の制御装置

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JP3508220B2 JP18934294A JP18934294A JP3508220B2 JP 3508220 B2 JP3508220 B2 JP 3508220B2 JP 18934294 A JP18934294 A JP 18934294A JP 18934294 A JP18934294 A JP 18934294A JP 3508220 B2 JP3508220 B2 JP 3508220B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は多気筒内燃機関の制御装
置に関し、詳細には傾斜マウントされるV型機関等のよ
うに、気筒中心軸線の傾斜角が異なる気筒を有する多気
筒内燃機関の振動を低減する制御装置に関する。 【0002】 【従来の技術】多気筒機関において、各気筒間の爆発力
のばらつきに起因する機関振動を防止するため、各気筒
の燃焼状態を均一になるように制御して爆発力のばらつ
きが生じることを防止する制御装置が知られている。た
とえば、この種の装置としては特開昭60−18773
9号公報に記載されたものがある。同公報の装置は各気
筒のサイクル中の最大回転速度を燃焼状態を表すパラメ
ータとして使用し、この最大回転速度が予め機関回転数
と吸気負圧とにより定まる基準速度に一致するように点
火時期を制御するものである。これにより各気筒の最大
回転速度、すなわち各気筒の燃焼状態が均一化されて気
筒間の爆発力のばらつきがなくなるため、燃焼状態のば
らつきに起因する機関振動の発生が防止される。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】ところが、上記特開昭
60−187739号公報の装置のように各気筒の燃焼
状態を一律に均一化したのでは、機関振動を防止できな
いのみならず、逆に振動発生の原因となる場合がある。
例えば、V型機関等のように複数の気筒列を有する機関
を傾斜マウントした場合がこれに当たる。 【0004】V型機関等は通常両側の気筒列(バンク)
がクランク軸を通る垂直面に対して対称になるように
(すなわち、各気筒の軸線の傾斜角が両側のバンクで同
一になるように)直立状態で車体に搭載される。しか
し、エンジンルームスペースの制限等のため、上記のよ
うに直立状態で車体に搭載することができない場合が有
り、機関全体を上記垂直面に対して傾斜させて車体に搭
載する、いわゆる傾斜マウントが行われる場合がある。 【0005】このような場合には両側の気筒バンクは垂
直面に対して非対称になり、各気筒の軸線傾斜角は両側
のバンクで異なってくる。このため、エンジンを車体に
支持するそれぞれのエンジンマウント部に対する気筒中
心軸線の角度は両側のバンクで異なるようになり、マウ
ント部に加わる両側のバンクの気筒の爆発力のベクトル
は対称でなくなる。従って、各気筒の爆発力が同一であ
っても、各気筒の爆発力のうちエンジンマウント部に加
振力として加わる成分の大きさは両側のバンクでは異な
ってくる。 【0006】このため、V型機関を傾斜マウントした場
合には、前述の特開昭60−187739号公報の装置
のように各気筒の燃焼状態を均一化して各気筒の爆発力
を一律に同一の値にしたのでは、逆に両側の気筒バンク
からエンジンマウント部に加わる加振力が不均一にな
り、機関振動が増大する問題が生じる。本発明は上記問
題に鑑み、軸線の傾斜角が異なる気筒を含む多気筒内燃
機関の振動を軽減可能な制御装置を提供することを目的
としている。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明によれば、気筒中
心軸線の傾斜角が互いに異なる複数の気筒を有する多気
筒内燃機関の制御装置であって、各気筒の爆発行程にお
ける爆発力を検出する検出手段と、前記検出手段により
検出された各気筒の爆発力を、各気筒の中心軸線傾斜角
に応じて補正する補正手段と、各気筒の燃焼状態を調節
して、前記補正手段により補正された各気筒の爆発力を
均一にするように制御する制御手段、とを備えた多気筒
内燃機関の制御装置が提供される。 【0008】 【作用】補正手段は、検出手段の検出した各気筒の爆発
力を各気筒の中心軸線傾斜角に応じて補正し、補正後の
値がそれぞれの気筒からエンジンマウントに加わる加振
力に対応する値になるようにする。制御手段は、この補
正後の各気筒の爆発力、すなわちエンジンマウントに各
気筒から加わる加振力が均一になるように各気筒の燃焼
状態を調節する。 【0009】 【実施例】以下、添付図面を用いて本発明の一実施例に
ついて説明する。図1は本発明を適用する車両用内燃機
関の概略構成を示す図である。図1において、1は内燃
機関本体を示す。本実施例では機関1としてV型6気筒
機関が使用されており、機関1はそれぞれ3気筒ずつか
らなる気筒バンクAと気筒バンクBとが互いにV型に配
置された構成となっている。 【0010】また、図1に2で示すのは気筒バンクAと
Bとに吸入空気を供給する吸気通路である。吸気通路2
には、運転者のアクセルペダル操作に応じた開度をとる
スロットル弁18が設けられている。図に19で示すの
は、スロットル弁18が全閉になったときにアイドル信
号(LL信号)を出力するアイドルスイッチである。ア
イドルスイッチ19からのLL信号は、後述する制御回
路10の入出力インターフェイス102に供給される。 【0011】さらに、吸気通路2に接続される各気筒の
吸気ポートには、加圧燃料を吸気ポートに噴射する燃料
噴射弁7(図1には7A、7Bの2つのみを示す)が設
けられている。機関1のディストリビュータ4には、そ
の軸がたとえばクランク角に換算して720°毎に基準
位置検出用パルス信号を発生するクランク角センサ5、
およびクランク角に換算して30°毎にクランク各検出
用パルス信号を発生するクランク角センサ6がそれぞれ
設けられている。これらクランク角センサ5、6のパル
ス信号は後述する制御回路10の入出力インターフェイ
ス102に供給され、このうちクランク角センサ6の出
力はCPU103の割込み端子に供給される。 【0012】なお、クランク角センサ5、6をディスト
リビュータ4に配置する代わりに、720°毎の基準位
置を検出するクランク角センサ5を機関1のカムシャフ
トに、30°毎のクランク回転角を検出するクランク角
センサ6を機関1のクランク軸3にそれぞれ別個に配置
するようにしても良い。機関本体1のシリンダブロック
のウォータジャケット8には、冷却水の温度を検出する
ための水温センサ9が設けられている。水温センサ9は
冷却水の温度に応じたアナログ電圧の電気信号を発生す
る。この出力はA/D変換器101に供給されている。 【0013】本実施例では、制御回路10は、たとえば
マイクロコンピュータとして構成され、A/D変換器1
01、入出力インターフェイス102、CPU103の
他に、ROM104、RAM105、バックアップRA
M106、クロック発生回路107等が設けられてい
る。制御回路10の入出力インターフェイス102は図
示しない駆動回路を介してそれぞれの燃料噴射弁7に接
続されており、各燃料噴射弁7は制御回路10からの燃
料噴射信号に応じた量の燃料を各気筒の吸気ポートに噴
射する。 【0014】また、入出力インターフェイス102は、
点火回路112を介して各気筒の点火プラグ15に接続
され、機関1の点火時期を制御している。すなわち、制
御回路10は入出力インターフェイス102に入力する
クランク角センサ5の基準クランク角パルス信号とクラ
ンク角センサ6のクランク角パルス信号とから、各気筒
の基準角度位置(例えば、各気筒の圧縮上死点よりクラ
ンク角で60°前の角度、すなわちBTDC60°)を
検出し、後述のルーチンにより設定された各気筒の点火
時期をこの基準角度位置からの回転角に換算する。そし
て、各気筒が上記基準位置に達してから、上記により換
算された回転角だけクランク軸が回転すると点火回路1
12に点火信号を出力し、各気筒の点火プラグ15(図
1には15A、15Bの2つのみを示す)にスパークを
発生させる。 【0015】本実施例では、制御回路10は、機関1の
燃料噴射制御等の基本制御を行う他、後述するように各
気筒の爆発行程における爆発力を検出する検出手段、検
出した各気筒の爆発力を補正する補正手段、各気筒の燃
焼状態を調節する制御手段、としての機能を果たしてい
る。冷却水温度センサ9の冷却水温データ等のアナログ
信号は所定時間もしくは所定クランク角毎に実行される
A/D変換ルーチンによって取込まれてRAM105の
所定領域に格納される。また、回転速度データはクラン
ク角センサ6の30°CA(クランク角)毎の割込みに
よって演算されてRAM105の所定領域に格納され
る。 【0016】次に、本実施例の機関1の車体への搭載姿
勢について説明する。図2に示すように、本実施例の機
関1の気筒バンクA、Bは、クランク軸3を通る平面P
に対してそれぞれ30°の角度を成して対称に配置され
ている。また、本実施例では、エンジンルームのスペー
ス上の制約等により、機関1は上記平面Pが垂直面Qに
対して20°の角度を成すように、すなわち機関全体が
傾斜して車体に搭載されている。 【0017】このため、機関1のバンクAの各気筒は垂
直面Qに対して50°、またバンクBの各気筒は垂直面
Qに対して10°傾斜した状態になっており、気筒バン
クAとBとでは気筒中心軸線の傾斜角が互いに異なって
いる。各気筒の爆発行程時における爆発力は気筒中心軸
線方向のベクトルを有する、従って、機関1が図2に示
すように傾斜して車体に搭載された状態では、バンク
A、Bの各気筒の爆発力のベクトルFA 、FB は垂直面
Qに対して非対称になる。従って、エンジンを車体に搭
載するエンジンマウント(図2にはエンジンマウントの
1つを符号Mで示している)部では、バンクAとバンク
Bから作用する爆発力ベクトルFA 、FB は垂直面に対
して非対称になる。このため、両方のバンクの爆発力F
A 、FB の大きさが同一であっても、各エンジンマウン
トでは爆発力のうち加振力としてエンジンマウントに作
用する力(例えば図2にFVA 、FVB で示す力)の大
きさは異なり、エンジンマウントにバンクAとバンクB
とから作用する力がバランスしなくなる。このように、
両方のバンクからエンジンマウントに作用する力のアン
バランスが生じると運転中の機関振動が大きくなる問題
が生じる。 【0018】本実施例では、以下に説明する方法でこの
問題を解決している。すなわち、制御回路10はクラン
ク軸回転速度の変化に基づいて各気筒の爆発行程におけ
る爆発力を検出し、この爆発力を各気筒の中心軸線の傾
斜角に応じて補正する。各気筒の爆発力のうち、エンジ
ンマウントに加振力として作用する成分の大きさは、図
2に示すように気筒中心軸線の傾斜角に応じて異なって
くる。例えば、図2のような場合にはバンクAの爆発力
のうちエンジンマウントに加振力として作用する力はバ
ンクBより大きくなっている。従って、上記により検出
されたバンクAとバンクBの気筒の爆発力が同一であっ
たとしても、エンジンマウントに加わる加振力はバンク
Aの爆発力によるものの方が大きくなる。そこで、制御
回路10は検出した各気筒の爆発力のうち、バンクAの
気筒の爆発力を、上記加振力の差(気筒傾斜角)に応じ
て増大させる補正を行う。これにより、この補正後の爆
発力の値は各気筒からエンジンマウントに作用する加振
力の大きさに対応する値となる。 【0019】また、本実施例では、制御回路10は各気
筒の点火時期を調整することにより各気筒の燃焼状態、
すなわち爆発力の大きさを制御して上記補正後の爆発力
の値が各気筒で均一になるようにする。これにより、各
気筒からエンジンマウントに作用する加振力の大きさは
均一になるため、前述の加振力アンバランスによる機関
振動の増大が防止される。 【0020】次に、上記制御動作を図3、図4のフロー
チャートを用いて詳細に説明する。なお、本実施例では
エンジンマウントに作用する加振力のアンバランスによ
り最も振動が生じやすいアイドル運転時にのみ上記制御
を行うようにしているが、アイドル運転以外の運転条件
でも同様な制御を行うことができることはいうまでもな
い。 【0021】図3は、各気筒の爆発力の検出及び気筒軸
線の傾斜角の差に基づく爆発力の補正を示すフローチャ
ートである。本ルーチンは制御回路10によりクランク
回転角30°毎に実行される。図3において、ルーチン
がスタートするとステップ301では、現在のクランク
角がいずれかの気筒の、後述する時間T30の演算時期に
相当するか否かが判定される。ここで、T30は気筒の圧
縮上死点から圧縮上死点後30°位置までクランク軸が
回転するのに要する時間を表している。ステップ301
では、いずれかの気筒が圧縮上死点後30°クランク回
転角の位置にあるか否かによりT30の演算タイミングか
否かを判定している。 【0022】ステップ301で、T30の演算タイミング
にある場合、すなわち、いずれかの気筒が圧縮上死点後
30°クランク回転角位置にある場合には、ステップ3
03で、クランク回転角センサ5、6のパルス信号に基
づいて、T30演算タイミングにある気筒の気筒番号n
(n=1〜6)を判別するとともに、この気筒について
のT30時間を演算し、T30n として制御回路10のRA
M105の所定の領域に記憶した後ステップ315で今
回のルーチン実行を終了する。ここで、時間T30は前回
(すなわち、気筒が圧縮上死点にある時)クランク回転
角センサ6のパルス信号が入力してから、今回(圧縮上
死点後30°)センサ6のパルス信号が入力するまでの
時間を計算することにより求められる。 【0023】ステップ301でいずれの気筒もT30の演
算タイミングにない場合には、次にステップ305に進
み、いずれかの気筒が時間T90の演算タイミングにある
か否か(すなわち、いずれかの気筒が圧縮上死点後90
°クランク角の位置にあるか否か)が判定され、演算タ
イミングにある場合にはステップ307で時間T90を計
算して、T90n (nは気筒番号)としてRAM105の
所定領域に記憶する。また、T90の演算タイミングにな
い場合にはステップ315に進み今回のルーチン実行を
終了する。 【0024】ここで、T90は気筒圧縮上死点後60°位
置から圧縮上死点後90°位置までクランク軸が回転す
るのに要する時間であり、T30と同様、前回(すなわ
ち、気筒が圧縮上死点後60°クランク回転角にある
時)クランク回転角センサ6のパルス信号が入力してか
ら、今回(圧縮上死点後90°)センサ6のパルス信号
が入力するまでの時間を計算することにより求められ
る。 【0025】ステップ307でT90を計算後、ルーチン
はステップ309に進み、フラグFDTn の値が1にセ
ットされているか否かが判定される。ここで、フラグF
DTn は後述する各気筒の加振力パラメータDTn の演
算条件が成立したか否かを表すフラグであり、別途制御
回路10により所定時間毎に実行される図示しないルー
チンにより、以下の条件が全て成立したときに1にセッ
トされる。 【0026】前回DTn の演算を行ってからクランク
軸が16回転(16×360°回転)したこと。 機関がアイドル運転中であること(すなわち、アイド
ルスイッチ19からLL信号が出力されていること)。 機関冷却水温度が所定値以上であること。 【0027】前回DTn の演算を行ってから機関負荷
の変動(例えばエアコンのオン、オフ、機関のレーシン
グ(空ぶかし)等)が生じていないこと。 前回DTn の演算を行ってから自動変速機のシフト位
置変更(例えば、NからD、DからNへのレンジ変更)
が生じていないこと。である。 【0028】上記条件は、頻繁なDTn の更新により
後述する爆発力均一化の制御が不安定になることを防止
するため、は本実施例ではアイドル運転中にのみ制御
を実行するためであり、上記〜は機関回転数の安定
した状態でDTn を算出するためである。上記条件のい
ずれかが成立しない場合にはフラグFDTn の値は0に
リセットされる。 【0029】ステップ309でフラグFDTn の値が1
にセットされていた場合には、次いでステップ311に
進み各気筒の加振力パラメータtDTn が計算される。
ここで、tDTn は以下の式で計算される。 tDTn =T30n −T90n +KDT ここで、T30n −T90n の値は各気筒の爆発力の大きさ
に対応したパラメータである。すなわち、各気筒の爆発
力は各気筒の爆発行程におけるクランク軸の回転速度に
より表すことができ、爆発力が大きければ爆発行程時の
クランク軸回転速度は早くなり、爆発力が小さければク
ランク軸回転速度は遅くなる。また、爆発行程中にあっ
てもクランク軸回転速度はクランク回転角に応じて変化
している。 【0030】そこで、本実施例では、各気筒の爆発行程
時においてクランク回転速度が最も遅くなる圧縮上死点
付近のパルス間隔T30と、爆発行程の中間付近における
パルス間隔T90との差を用いて各気筒の爆発力を表すよ
うにしている。圧縮上死点付近のクランク回転速度は爆
発力のばらつきにかかわらず各気筒で略同一の値にな
る。また、圧縮上死点後60°〜90°付近のクランク
回転速度には各気筒の爆発力の差が最も顕著に現れる。
このため、(T30−T90)をパラメータとして用いるこ
とにより、各気筒の爆発力の差が最も良く表されること
になる。すなわち、上記(T30n −T90n )の値が大き
い程その気筒の爆発力は大きく、小さい程その気筒の爆
発力は小さくなる。 【0031】また、上記KDTは各気筒の爆発力(T
30n −T90n )を気筒軸線の傾斜角に応じて補正し、エ
ンジンマウントに作用する加振力に対応する値とするた
めの補正係数である。本実施例では、バンクAの気筒と
バンクBの気筒とでは軸線の傾斜角が異なっているた
め、バンクAの気筒とバンクBの気筒とでは異なるKD
Tの値が使用される。 【0032】前述のように、本実施例ではバンクAの気
筒の爆発力のうち加振力としてエンジンマウントに作用
する成分はバンクBより大きくなっている。このため、
実際の爆発力(T30n −T90n )が各気筒で同一であっ
た場合でもバンクAの気筒の加振力はバンクBの気筒の
加振力より大きくなる。そこで、本実施例では上記KD
Tの値を、バンクAの気筒についてはバンクBの気筒よ
り大きく設定して、上記tDTn の値が実際の加振力に
対応するようにしている。 【0033】なお、補正係数KDTの値はバンクA、B
の気筒軸線の傾斜角により定まるが、実際にはエンジン
マウントの種類や形状、機関の形式により異なってくる
ため実験により求めることが好ましい。例えば、本実施
例ではKDTの値は、バンクAについてはKDT=20
×10-6秒程度に、バンクBについてはKDT=0に設
定されている。 【0034】ステップ313では、上記により求めた各
気筒の加振力パラメータtDTn の値の1/8なまし値
DTn が次の式により計算される。 DTn =(tDTn +7×DTn,i-1 )/8 ここで、DTn,i-1 は前回演算した各気筒のDTn の値
である。これにより、外乱などでtDTn が一時的に大
きく変化した場合でもDTn の値が急変することがな
く、外乱等の制御への影響を小さくすることができる。 【0035】図4は、上記加振力パラメータDTn を用
いた点火時期制御動作を示すフローチャートである。本
実施例では、加振力パラメータDTn の値が各気筒で均
一になるように点火時期制御を行い、各気筒からエンジ
ンマウントに作用する加振力を均一化して機関振動を低
減している。本ルーチンは制御回路10により、メイン
ルーチンの一部として実行される。 【0036】図4において、ステップ401では、現在
いずれかの気筒の点火時期設定タイミングであるか否か
が判定される。ステップ401で点火時期設定タイミン
グでない場合には、ステップ403以下の点火時期制御
動作を実行せずにルーチンは次の処理に移る。また、点
火時期設定タイミングである場合にはステップ403
で、各気筒の点火時期補正量ACYLn の更新条件が成
立しているか否かが判定される。ACYLn の更新条件
は、前回各気筒のACYLn の値を更新してからクラン
ク軸が16回転以上回転していることである。 【0037】上記ACYLn の更新条件が成立していな
い場合にはルーチンは直接ステップ409に進み、更新
条件が成立した場合にのみステップ405、407が実
行される。ステップ405では、図3のルーチンにより
算出した各気筒の加振力パラメータDTn の値に基づい
て各気筒の点火時期補正量ACYLn が更新される。 【0038】本実施例では、点火時期補正量ACYLn
の更新は加振力パラメータDTn の値が最大の気筒と最
小の気筒についてのみ行う。すなわち、DTn が最大の
気筒については補正量ACLYを一定量ΔAだけ減少
(遅角)させ、ACYL←ACYL−ΔAとする。ま
た、DTn が最小の気筒については補正量ACLYを一
定量ΔAだけ増大(進角)させ、ACYL←ACYL+
ΔAとする。 【0039】点火時期を遅角させると気筒の出力トルク
(爆発力)が低下し、それに応じて気筒からエンジンマ
ウントに作用する加振力が低下する。また、逆に点火時
期を進角すると気筒の爆発力が増大し、それに応じて加
振力は増大する。従って、上記のように加振力が最大の
気筒の点火時期を遅角させ、加振力が最小の気筒の点火
時期を進角させる操作を繰り返すことにより各気筒から
エンジンマウントに作用する加振力が均一化されること
になる。 【0040】ステップ405終了後、ステップ407で
は、上記により調整した各気筒の加振力の値のガード処
理が行われる。このガード処理では、以下の2つの操作
が行われる。先ず、上記により計算した各気筒の点火時
期補正量ACYLn の値のうち、最も0に近い値を基準
として、この値がゼロになるように各ACYLn の値が
補正される。例えば、第3気筒のACYLの値ACYL
3 が最も0に近い値であった場合には、各気筒のACY
n の値からACYL3 を引いた値をその気筒のACY
n として設定する。すなわち、ACYLn ←ACYL
n −ACYL3 (n=1〜6)の操作を行う。 【0041】これにより、気筒のうちの1つは常に補正
量ACYLが0に設定されるので、上記補正を繰り返す
ことによって機関の点火時期が全体として進角側または
遅角側にずれてしまうことが防止される。また、上記操
作後、各気筒の点火時期補正量ACYLn が所定の最大
値と最小値の範囲をを越えないように制限される。本実
施例では、例えばACYLn の最大値(進角側)は+1
0°、最小値(遅角側)は−5°とされ、いずれかの気
筒の補正量ACYLn がこの範囲を越える場合には、そ
の気筒の補正量ACYLnは、上記最大値または最小値
のうち近い方の値に設定される。 【0042】これにより、点火時期が無制限に進角また
は遅角されて制御が発散することが防止される。上記ガ
ード処理実行後、ステップ409では、点火時期制御実
行条件が成立しているか否かが判定される。本実施例で
は、点火時期制御実行条件は、図3ステップ309のフ
ラグFDTn のセット(=1)条件と同様である。 【0043】ステップ409で点火時期制御実行条件が
成立している場合には、ルーチンはステップ411に進
み、各気筒の点火時期補正値tAIDLn の値が上記に
より計算された補正量ACYLn にセットされ、ステッ
プ413では現在点火時期を設定すべき気筒番号が判別
され、ステップ415ではその気筒の点火時期An が、
n =A0 +tAIDLn に設定される。 【0044】ここで、A0 は機関1の基本点火時期(全
気筒に共通な値)である。基本点火時期A0 は、機関負
荷(例えば吸気管圧力または機関1回転当たりの吸入空
気量)、機関回転数等の機関運転条件の関数として制御
回路10のROM104に格納されており、上記運転条
件に応じて基本点火時期A0 が決定される。なお、上記
n 、A0 の値はいずれも圧縮上死点前のクランク角
(BTDC)で表しているため、点火時期An はtAI
DLn が正の場合にはA0 より進角され、tAIDLn
が負の場合にはA0 より遅角される。 【0045】また、ステップ409で点火時期制御実行
条件が成立していない場合には、ステップ409から直
接ステップ413が実行される。すなわち、点火時期制
御実行条件が成立していない場合には各気筒の点火時期
補正値tAIDLn は前回ルーチン実行時と同じ値に維
持される。上述の図3、図4のルーチンを実行すること
により各気筒の点火時期は、それぞれの気筒からエンジ
ンマウントに作用する加振力DTn が均一になるように
進角または遅角され、各気筒からエンジンマウントに作
用する加振力のアンバランスが修正されるので機関振動
が低減される。 【0046】 【発明の効果】本発明によれば、上述したように各気筒
の爆発力を検出し、検出した爆発力を各気筒の軸線傾斜
角に応じて補正した値が均一になるように機関燃焼状態
を制御するようにしたことにより、気筒軸線傾斜角が異
なる気筒を有する多気筒機関においても各気筒からエン
ジンマウントに作用する加振力が均一になり機関振動が
低減されるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明を適用する車両用内燃機関の概略構成を
示す図である。 【図2】図1の機関1の車体への搭載姿勢を説明する図
である。 【図3】図1の実施例における各気筒の爆発力の検出及
び、気筒軸線の傾斜角の差に基づく爆発力の補正動作を
示すフローチャートである。 【図4】図1の実施例における点火時期制御動作を示す
フローチャートである。 【符号の説明】 1…内燃機関本体 5、6…クランク回転角センサ 7…燃料噴射弁 10…制御回路 15…点火プラグ 112…点火回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02P 5/15 F02D 45/00 312 F02D 45/00 330 F02B 75/22

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 気筒中心軸線の傾斜角が互いに異なる複
    数の気筒を有する多気筒内燃機関の制御装置であって、 各気筒の爆発行程における爆発力を検出する検出手段
    と、 前記検出手段により検出された各気筒の爆発力を、各気
    筒の中心軸線傾斜角に応じて補正する補正手段と、 各気筒の燃焼状態を調節して、前記補正手段により補正
    された各気筒の爆発力を均一にするように制御する制御
    手段、とを備えた多気筒内燃機関の制御装置。
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