JP3508189B2 - 低温用高靱性uoe鋼管のサブマージアーク溶接法 - Google Patents

低温用高靱性uoe鋼管のサブマージアーク溶接法

Info

Publication number
JP3508189B2
JP3508189B2 JP31496093A JP31496093A JP3508189B2 JP 3508189 B2 JP3508189 B2 JP 3508189B2 JP 31496093 A JP31496093 A JP 31496093A JP 31496093 A JP31496093 A JP 31496093A JP 3508189 B2 JP3508189 B2 JP 3508189B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weld metal
less
toughness
steel pipe
submerged arc
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP31496093A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07164150A (ja
Inventor
伸夫 手塚
忠政 山口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
JFE Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp filed Critical JFE Steel Corp
Priority to JP31496093A priority Critical patent/JP3508189B2/ja
Publication of JPH07164150A publication Critical patent/JPH07164150A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3508189B2 publication Critical patent/JP3508189B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Arc Welding In General (AREA)
  • Nonmetallic Welding Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、低温用高靱性UOE鋼
管の製造の際の両面1層サブマージアーク溶接方法に関
し、さらに詳しくは低温用高靱性UOE鋼管の製造の際
の両面1層サブマージアーク溶接において、内面側、外
面側ともに優れた低温靱性を有する溶接金属を得ること
ができるサブマージアーク溶接方法に関するものであ
る。 【0002】 【従来の技術】近年エネルギー開発は極寒地にまで及ん
でおり、そこで使用されるラインパイプには極めて高い
低温靱性が要求される。このラインパイプにおける溶接
金属の低温靱性を確保するために最も効果的な方法とし
ては、たとえば特開昭53-63238号公報に開示されている
ように、Mo、TiそしてB などを含む溶接材料を用いて溶
接を行い、微細な溶接金属組織を得ることが有効である
ことが知られており、Mo-Ti-B 系の溶接金属は低温靱性
を要する鋼管の溶接部に広く用いられている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、Mo-Ti-
B 系の溶接金属とする場合は、両面1 層溶接の場合、内
面側溶接金属は外面側溶接により再熱され、その結果著
しく脆化することが問題となっている。本発明者らはこ
のMo-Ti-B 系の溶接金属の再熱による脆化の原因を鋭意
追求した。その結果の一部を図1に示すが、この図は片
面1 層Mo-Ti-B 系溶接金属に外面の溶接に相当する再現
熱サイクルを付与した際の溶接金属再熱部の靱性と最高
加熱温度の関係を示すものである。これより本発明者ら
は、Mo-Ti-B 系の溶接金属は溶接のまま(以下AWと記
す) では良好な靱性が得られるものの、800 〜1200℃付
近の温度に再熱された領域で靱性が著しく劣化すること
が明らかにした。 【0004】すなわち、この点の詳細な検討の結果、上
に挙げたような従来のMo-Ti-B 系の組成を有する溶接金
属は、溶接ままの部分において微細なアシキュラーフェ
ライト( 以下AFと記す) 組織であり、高靱性を示すが、
800 〜1200℃付近の温度に再熱された部分においては靱
性の劣る上部ベイナイト(以下BFと記す) に変化し、靱
性が大きく劣化することを明らかにしたのである。すな
わち、再熱による靱性の劣化はUB組織の形成によるもの
で、溶接金属の焼入性が高いことに原因があると考えら
れる。 【0005】そこで本発明の目的は低温用高靱性UOE 鋼
管の両面1 層サブマージアーク溶接法における上記従来
技術の欠陥を克服し、外面溶接による加熱によっても脆
化を防止し得る効果的なサブマージアーク溶接方法を提
供するにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明は、低温用高靱性
UOE鋼管に両面1 層のサブマージアーク溶接を施すに
際して、内面側および外面側の溶接金属の成分組成およ
び PCMをそれぞれ下記のように満足するとともに内面側
の溶接金属の PCMを外面側のそれよりも小さくすること
を特徴とする低温用高靱性UOE 鋼管のサブマージアーク
溶接方法である。 【0007】内面側溶接金属の成分範囲 C:0.08wt% 以下、Si:0.5wt% 以下、Mn:0.8〜1.8wt%、M
o:0.2wt% 以下、Ti:0.005〜0.03wt% 、B:0.0005〜0.003
0wt% 、N:0.0080wt% 以下、O:0.035wt%以下残部がFeと
不可避的不純物からなり、かつ下記の式で示される PCM
が0.110 〜0.170%であり、 外面側溶接金属の成分範囲 C:0.10wt% 以下、Si:0.5wt% 以下、Mn:0.8〜1.8wt%、M
o:0.100.40wt% Ti:0.005〜0.05wt% 、B:0.0005〜
0.0060wt% 、N:0.008wt%以下、O:0.035wt%以下残部がFe
と不可避的不純物からなり、かつ下記の式で示される P
CMが0.140 〜0.200%である。 【0008】 【数2】 【0009】 【作用】上記のように、再熱をうける内面側の溶接金属
の焼入性成分含有量を減らす必要がある。しかしなが
ら、焼入性成分はAW部の靱性を確保するためにはある程
度必要であることから、焼入性成分の適正量の添加は必
須である。したがって内面側、外面側ともに溶接金属は
適正な成分範囲内におさめる必要がある。 【0010】そこで本発明において溶接金属の成分組成
を限定した理由について述べる。C:C は高焼入性成分で
あり、その増加により炭化物やマルテンサイトが生成
し、靱性は低下するので、内面側では0.08%以下、外面
側では0.10%以下にする必要がある。Si:Si は脱酸剤と
して添加され、溶接金属中にも含有される成分である
が、内面側、外面側ともに0.5%を超えると靱性は低下す
る。 【0011】Mn:Mn は脱酸剤および焼入性成分として必
要であるが、内面側、外面側ともに0.8%未満ではその効
果に乏しく、一方1.8%を超えるとUBが生成し、靱性が低
下する。 Mo:Mo は焼入性成分であり、組織を微細化して靱性を向
上させるが、再熱によるUBの生成を助長することにより
内面側溶接金属の靱性を低下させるので、内面側では0.
2%以下に抑える必要がある。一方外面側では組織微細化
による靱性改善のため最低0.10% は必要であるが、0.40
% を超えて添加する焼入性が過剰となってマルテンサイ
ト組織となり、靱性を害するので上限を0.40% とする。 【0012】Ti:Ti は微細なフェライトを形成させて靱
性を向上させるが、内面側、外面側ともに0.005%未満で
はこの効果は乏しいので最低限0.005%以上は必要であ
る。一方、内面側では0.03% 、外面側では0.05% を超え
ると固溶Tiが増加して炭化物、窒化物の析出により靱性
は低下する。B:B は高焼入性成分であり、またTiとの相
乗効果で微細なAFを形成させ、靱性を向上させるが、内
面側、外面側ともに0.0005% 未満ではこの効果に乏し
く、内面側では0.0030%、外面側では0.0060%を超える
とマルテンサイトが生成し、靱性は低下する。 【0013】N:N は溶接金属中に不可避的に含まれる成
分であるが、B を窒化して粒界フェライトの生成を促進
し、靱性を低下させるので、内面側、外面側ともに0.00
80%以下とする必要がある。 O:O は溶接金属中に不可避的に含まれる成分であるが、
内面側、外面側ともに0.035%を超えると溶接金属中の介
在物の増加により靱性は低下する。 【0014】PCM : PCMは溶接金属の組成全体としての
焼入性を示すものであり、焼入性が不足すると初析フェ
ライトが析出して靱性が劣化するので、最低限内面側で
は0.110%、外面側では0.140%を必要とする。また0.200%
を超えて過大となると焼入性が過剰となるので溶接のま
までも靱性が劣化する。0.170 〜 0.200% では再熱時に
UBが析出して靱性が劣化するので、内面側では0.110 〜
0.170%、外面側では0.140 〜0.200%を必要とする。すな
わち再熱を受ける内面側では外面側よりも低いPCMで焼
入性が過剰となり、靱性の劣るUB組織が生ずるからであ
る。 【0015】 【実施例】表1に示すような化学組成を有する板厚23.8
mmのAPI 規格X60 クラスUOパイプ鋼板PA、PBを溶接する
に際し、本発明法による実施例と、本発明法の限定要件
を満たさない比較例と同一溶接条件で溶接を実施し、そ
の靱性を比較した。この比較試験には表2に示すような
化学組成の異なる溶融型フラックスと表3に示すような
化学組成の異なるワイヤを組み合わせて4 電極両面1 層
盛りサブマージアーク溶接を行った。この場合の溶接条
件は表4に示すとおりであり、その開先形状は図2に示
すとおりである。 【0016】 【表1】 【0017】 【表2】 【0018】 【表3】 【0019】 【表4】【0020】溶接終了後図3に示すように5mm サイズの
シャルピー衝撃試験片を内面側、外面側溶接金属よりそ
れぞれ採取し、シャルピー衝撃試験を行った。表5に溶
接金属の化学組成を示す。内面側、外面側溶接金属から
採取した試料に基づく衝撃試験結果は表6に示した通り
である。 【0021】 【表5】 【0022】 【表6】 【0023】表6より明らかなように、本発明による溶
接金属では外面により再熱を受ける内面側と外面側とも
に高い靱性を示す。なお、上の実施例の説明では、内面
側と外面側の溶接金属の組成および PCMを変えるのに、
溶接条件は同一としてそれぞれ組成の異なる溶接ワイヤ
を使用して溶接したが、サブマージアーク溶接は母材の
溶け込みが大きいので、溶接条件を変えることによって
もある程度本発明の条件は達成できる。 【0024】 【発明の効果】本発明は低温用高靱性UOE 鋼管の両面1
層サブマージアーク溶接法において形成される溶接金属
の成分を内面側、外面側と区別して限定したのでともに
優れた低温靱性を示す溶接金属を得る効果をあげること
ができた。
【図面の簡単な説明】 【図1】溶接金属の靱性と最高加熱温度との関係を示す
特性図である。 【図2】本発明の実施例における開先形状を示す断面図
である。 【図3】本発明の実施例におけるシャルピー衝撃試験片
採取位置を示す断面図である。 【符号の説明】 1 外面側溶接金属衝撃試験片 2 内面側溶接金属衝撃試験片
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C22C 38/14 C22C 38/14 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 9/18 B21C 37/08 B23K 35/30 B23K 35/362 C22C 38/00

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 低温用高靱性UOE鋼管の製造の際、シ
    ームに両面1 層のサブマージアーク溶接を施すに際し
    て、内面側および外面側の溶接金属の成分組成および P
    CMがそれぞれ下記の範囲を満足するとともに内面側の溶
    接金属の PCMを外面側のそれよりも小さくすることを特
    徴とする低温用高靱性UOE鋼管のサブマージアーク溶
    接方法。 内面側溶接金属の成分範囲 C:0.08wt% 以下、Si:0.5wt% 以下、Mn:0.8〜1.8wt%、M
    o:0.2wt% 以下、Ti:0.005〜0.03wt% 、B:0.0005〜0.003
    0wt% 、N:0.0080wt% 以下、O:0.035wt%以下残部がFeと
    不可避的不純物からなり、かつ下記の式で示される PCM
    が0.110 〜0.170%であり 外面側溶接金属の成分範囲 C:0.10wt% 以下、Si:0.5wt% 以下、Mn:0.8〜1.8wt%、M
    o:0.100.40wt% Ti:0.005〜0.05wt% 、B:0.0005〜
    0.0060wt% 、N:0.0080wt% 以下、O:0.035wt%以下、残部
    がFeと不可避的不純物からなり、かつ下記の式で示され
    る PCMが0.140 〜0.200%である。 記 【数1】
JP31496093A 1993-12-15 1993-12-15 低温用高靱性uoe鋼管のサブマージアーク溶接法 Expired - Fee Related JP3508189B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31496093A JP3508189B2 (ja) 1993-12-15 1993-12-15 低温用高靱性uoe鋼管のサブマージアーク溶接法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31496093A JP3508189B2 (ja) 1993-12-15 1993-12-15 低温用高靱性uoe鋼管のサブマージアーク溶接法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07164150A JPH07164150A (ja) 1995-06-27
JP3508189B2 true JP3508189B2 (ja) 2004-03-22

Family

ID=18059744

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31496093A Expired - Fee Related JP3508189B2 (ja) 1993-12-15 1993-12-15 低温用高靱性uoe鋼管のサブマージアーク溶接法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3508189B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4082464B2 (ja) * 1995-12-28 2008-04-30 Jfeスチール株式会社 高強度高靭性大径溶接鋼管の製造方法
WO2018185853A1 (ja) * 2017-04-04 2018-10-11 新日鐵住金株式会社 縦シーム溶接鋼管
KR20220115622A (ko) * 2020-01-29 2022-08-17 제이에프이 스틸 가부시키가이샤 용접 강관 및 그의 제조 방법

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07164150A (ja) 1995-06-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4252974B2 (ja) クラッド鋼用母材および該クラッド鋼用母材を用いたクラッド鋼の製造方法
CN106736029A (zh) 一种高氮奥氏体不锈钢焊丝及其焊接工艺
JPS629646B2 (ja)
JP2004149821A (ja) 溶接熱影響部の低温靭性に優れたクラッド鋼板用母材および該クラッド鋼板の製造方法
JP4264177B2 (ja) 表層に粗粒フェライト層を有する鋼材の製造方法
JP3546726B2 (ja) 耐hic性に優れた高強度厚鋼板の製造方法
JP3474661B2 (ja) 亀裂伝播停止特性に優れた耐サワー鋼板
JP3508189B2 (ja) 低温用高靱性uoe鋼管のサブマージアーク溶接法
JPH091344A (ja) 低温用高靱性uoe鋼管
JP3887832B2 (ja) 高強度熱間ベンド鋼管の製造方法
JP4038166B2 (ja) 耐震性と溶接性に優れた鋼板およびその製造方法
JP5699798B2 (ja) 大入熱溶接熱影響部の靭性に優れた低降伏比高張力鋼材およびその製造方法
JP4134974B2 (ja) 低温用高靱性uoe鋼管
JP2688312B2 (ja) 高強度高靭性鋼板
WO2011043287A1 (ja) 強度、延性の良好なラインパイプ用鋼およびその製造方法
JP4250113B2 (ja) 耐震性と溶接性に優れた鋼板の製造方法
JP4066850B2 (ja) 溶接部のctod特性に優れる高張力鋼の製造方法
JP2002129288A (ja) 高強度ベンド管およびその製造法
JP5194807B2 (ja) 高降伏強度・高靭性厚鋼板の製造方法
JPH05112823A (ja) 大入熱溶接継手靱性の優れた建築用490N/mm2級耐火鋼材の製造方法
JP2002121642A (ja) 鋼材のレーザ溶接継手およびレーザ溶接方法
JP2012046808A (ja) 溶接部の低温靭性に優れる厚肉高張力鋼板およびその製造方法
JP3335509B2 (ja) 母材および多層溶接熱影響部の靱性に優れる高張力厚鋼板の製造方法
JPS58157594A (ja) 高強度鋼材の溶接方法
JPH09263831A (ja) 低温靭性の優れた極厚高強度ベンド管の製造法

Legal Events

Date Code Title Description
A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20031215

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080109

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090109

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090109

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100109

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110109

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120109

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130109

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees