JP3507568B2 - 磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents

磁気共鳴イメージング装置

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JP3507568B2
JP3507568B2 JP00714995A JP714995A JP3507568B2 JP 3507568 B2 JP3507568 B2 JP 3507568B2 JP 00714995 A JP00714995 A JP 00714995A JP 714995 A JP714995 A JP 714995A JP 3507568 B2 JP3507568 B2 JP 3507568B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、比較的広い範囲の撮影
のために天板移動を要求するいわゆる短軸コイルアセン
ブリを備えた磁気共鳴イメージング装置に係り、特に天
板移動に伴う高周波磁場の変動を抑えて所定のフリップ
角の安定的化技術に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、廉価普及版として軸長の短い、い
わゆる短軸コイルアセンブリが登場している。コイルア
センブリとは静磁場磁石と傾斜磁場コイルとRFコイル
とを一体化したものである。この短軸コイルアセンブリ
は、線形磁場領域(ここで撮影がなされる)がZ方向に
狭いため、例えば胸部等比較的広い範囲を撮影するとき
には、短軸コイルアセンブリに対して天板、つまり被検
体を移動させながら各位置で撮影を繰り返す必要があ
る。
【0003】この種の磁気共鳴イメージング装置におい
て、磁気共鳴現象を引き起こさせる部分は、被検体の近
傍に設置されるコイルと、このコイルと共に直列共振回
路を構成するキャパシタとから構成される。一般にこの
ような装置では、電源インピーダンスと負荷インピーダ
ンスとを整合させて、電源から負荷装置(共振回路)へ
の電力の供給効率が最大になるように、電源と共振回路
間に整合器を挿入している。
【0004】ところで、被検体とRFコイル間には浮遊
容量が存在し、この浮遊容量は被検体により、さらには
同一の被検体であっても部位により変わり、これに依存
してキャパシタの静電容量も変化する。これは、上述し
たように短軸コイルアセンブリに対して天板を移動させ
るとき、一度、整合状態に調整しても、その移動に伴っ
て負荷インピーダンスが変化し電源と負荷との間の整合
状態がずれて、電力の供給効率が低下するので、磁化ス
ピンを例えば90°倒すような所定の振幅の高周波磁場が
得られなくなり、磁化スピンのフリップ角が90°以外に
なって、90°印加後に磁化スピンに横磁化成分が含まれ
ることになり、再構成画像のコントラストが変化した
り、S/Nが低下してしまう不具合が生じてしまう。な
お、負荷インピーダンスは被検体の組成等予測不可能な
パラメータに依存するので、各位置での整合調整値を予
測することは不可能であり、また天板移動に伴ってその
各位置で整合調整を繰り返すことは撮影を極端に長時間
化するため非現実的である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、天板
移動に伴う高周波磁場の振幅の変動を抑えてフリップ角
を安定化を実現する磁気共鳴イメージング装置を提供す
ることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、撮影
領域と被検体とを相対的に移動しながら第1から第nま
での各位置で順番に高周波磁場により被検体を励起し、
且つ励起後、被検体から誘起される磁気共鳴信号を収集
する磁気共鳴イメージング装置において、高周波電流を
出力するものであって、前記第1の位置で所定の高周波
磁場の振幅が得られるように出力電流の振幅が初期調整
されている電源と、前記電源からの出力電流を受けて高
周波磁場を被検体に印加するコイルと、前記電源と前記
コイルとの間に挿入され、前記第1の位置で前記電源と
前記コイルとの整合条件を満足するように調整されてい
る整合手段と、前記コイルから発生する高周波磁場の振
幅を検出する検出手段と、第m−1(m≦n)の位置で
前記検出手段を介して取り込んだ高周波磁場の振幅を前
記第1の位置での高周波磁場の振幅に近付けるように第
mの位置での前記電源の出力電流の振幅を修正する手段
とを具備する。 請求項2の発明は、撮影領域と被検体
とを相対的に移動しながら第1から第nまでの各位置で
順番に高周波磁場により被検体を励起し、且つ励起後、
被検体から誘起される磁気共鳴信号を収集する磁気共鳴
イメージング装置において、高周波電流を出力するもの
であって、前記第1の位置で所定の高周波磁場の振幅が
得られるように出力電流の振幅が初期調整されている電
源と、前記電源からの出力電流を受けて高周波磁場を被
検体に印加するコイルと、前記電源と前記コイルとの間
に挿入され、前記第1の位置で前記電源と前記コイルと
の整合条件を満足するように調整されている整合手段
と、前記コイルに入力する高周波電流の振幅を検出する
検出手段と、第m−1(m≦n)の位置で前記検出手段
を介して取り込んだ前記コイルの入力電流の振幅を前記
第1の位置での前記コイルの入力電流の振幅に近付ける
ように第mの位置での前記電源の出力電流の振幅を修正
する手段とを具備する。
【0007】
【0008】
【作用】本発明では、コイルと被検体の相対位置が変位
して整合条件がずれても、長時間を要する整合条件の再
調整を行わないで、高周波磁場の振幅の変動を抑えるこ
とができる。つまり、コイルと被検体の相対位置が変位
すると、被検体の浮遊容量が変化することがあり、これ
に伴ってコイル側の負荷インピーダンスが変化する。こ
れにより第1の位置で調整した整合条件が他の位置では
ずれてしまい、電流供給効率が低下して所定の高周波磁
場の振幅が得られなくなってしまう。本発明では、それ
を整合条件不一致のままで、電源の出力を上げること
で、電流供給効率の低下を補償して、第1の位置での理
想的なフリップ角の高周波磁場の振幅を他の位置でも確
保しようとするものである。なお、本発明では、現在の
撮影位置(第mの位置)における電源の出力を、1つ前
の第m−1の位置での高周波磁場の振幅が第1の位置で
の高周波磁場の振幅に近付くように調整する。したがっ
て、調整後の第mの位置での高周波磁場の振幅は、第1
の位置での理想的な高周波磁場の振幅とは若干の差異が
生じる可能性があると考えられるが、この差異は非常に
小さい。なぜなら、第m−1と第mの両位置は距離的に
接近しており、両位置間での負荷インピーダンスが近似
しているからである。
【0009】
【0010】
【実施例】以下、図面を参照して本発明による磁気共鳴
イメージング装置の一実施例を説明する。図1に本発明
による磁気共鳴イメージング装置の一実施例の主要部で
あるところの高周波磁場の送信系の構成を示す。RFコ
イルユニット1は、磁化スピンを励起して磁気共鳴現象
を起こさせるためにラジオ周波数域の高周波磁場をパル
ス状に被検体に印加するコイルと、このコイルと共に直
列共振回路を構成するキャパシタとから構成される。実
際には、RFコイルユニット1は、被検体Pを挿入可能
なように円筒状の内部空間を有する短軸コイルアセンブ
リとして、この種の磁気共鳴イメージング装置に一般的
に備わっている静磁場磁石及び傾斜磁場コイルと共に一
体化されている。なお、短軸コイルアセンブリとは、磁
石軸長が短く、XYZの全ての軸に関して磁場強度が線
形をなす線形磁場領域(ここで撮影がなされる)がZ方
向に比較的狭いものをいい、例えば胸部等比較的広い範
囲を撮影するときには、短軸コイルアセンブリに対して
スライド可能に設けられた天板2をスライドさせ、つま
り被検体を移動させながら各位置で撮影(データサンプ
リング)を繰り返すことを要求するものである。天板2
の位置は、例えば天板2の移動と共に回転するロータリ
エンコーダから一定角度毎に出力されるパルスを天板位
置検出器12で計数することにより測定され、測定され
た天板位置情報はディジタルデータとしてAPCコント
ローラ11に取り込まれる。
【0011】短軸コイルアセンブリの内部空間内であっ
て、RFコイルユニット1による高周波磁場内には、ピ
ックアップコイル13が設けられる。この高周波磁場の
振幅は、ピックアップコイル13を介して高周波磁場検
出器14で測定され、この振幅を示すディジタルデータ
としてAPCコントローラ11に取り込まれる。
【0012】撮影時では、高周波磁場による励起後に磁
気共鳴現象により生じる磁気共鳴信号は、上記コイル又
はそれとは別に設けられた受信専用のコイル(図示せ
ず)に誘起され、コンピュータシステム(図示せず)に
取り込まれ、画像再構成に使用される。
【0013】RFコイルユニット1から高周波磁場を発
生させるためにRFコイルユニット1に高周波電流を供
給する電源2は、被検体Pの特定原子核に固有の共鳴周
波数の連続波を発生する発信器4と、この発信器4から
の信号を減衰する減衰器5と、この減衰器5からの信号
を増幅し、共鳴周波数の高周波電流を出力するパワーア
ンプ6とから構成される。減衰器5は減衰量を変化でき
るように可変抵抗器を含んでいる。APCコントローラ
11からの制御電圧に応じて、可変抵抗器の抵抗値が変
化して、結果的にパワーアンプ6からの出力電流の振幅
が変化するようになっている。
【0014】APCコントローラ11は、整合状態下に
おける減衰量とパワーアンプ6からの出力電流(高周波
電流)の振幅との対応表データを保持している。APC
コントローラ11はこの対応表データを用いて、必要な
振幅の高周波電流に対応する減衰量に減衰器5を設定す
る。
【0015】パワーアンプ6からの高周波の出力電流
は、切替器7及び整合器8を介してRFコイルユニット
1に供給される。これによりRFコイルユニット1から
高周波磁場が発生する。整合器8は整合調整できるよう
に可変キャパシタを含んでいる。APCコントローラ1
1からの制御電圧に応じて、可変キャパシタの静電容量
が変化して、結果的に整合調整がなされるようになって
いる。整合調整は、整合器8の静電容量を変化させなが
ら、磁気共鳴信号の信号値変化に基づき行われ、この磁
気共鳴信号の信号値が最も強いときの静電容量に調整さ
れる。この整合調整はAPCコントローラ11を制御主
体ととして自動で行ってもよいし、信号値変化をモニタ
表示してそれをオペレータが見ながら手動で整合器8の
静電容量を調整するようにしてもよい。ここでは自動整
合調整として説明する。
【0016】整合調整は、1回の撮影につき1回のみ行
われる。通常、図2(a)に示すように、撮影を開始す
る最初の位置S0 で、撮影前に行われる。整合調整時に
は、天板2は位置S0 に固定される。整合調整は、マッ
チングコントローラ15により減衰器5を所定の減衰量
に固定した状態で行われる。マッチングコントローラ1
5は、切替器7を方向性結合器16側に接続し、アンプ
17からある一定振幅の連続した高周波電流を出力させ
る。マッチングコントローラ15は、方向性結合器16
から得られた反射波を検波した振幅値が最小になるよう
に、静電容量に整合器8を設定することで自動整合調整
が終了する。この整合器8の静電容量は、撮影中固定さ
れる。したがって、天板位置(被検体位置)によっては
この整合状態がずれる可能性が十分考えられる。本発明
では、整合状態がずれて、RFコイルユニット1への入
力電流が低下し、これにより高周波磁場の振幅が低下し
て、所定のフリップ角(例えば90°)が得られなくなる
という事態を、時間のかかる整合調整及び後述のオート
パワーコントロールを再実行することなく、不整合状態
(供給効率低下)のままで減衰器5の減衰量を低下させ
て、不整合に伴うRFコイルユニット1への入力電流の
低下を強制的に抑えようとするものである。
【0017】また、この整合調整に前後して、オートパ
ワーコントロール(APCと呼ばれる)がAPCコント
ローラ11を主体として実行され、所定のフリップ角
(通常は、90°)が得られるようないわゆる90°条件を
満足する電源3出力(高周波電流振幅)が選定される。
オートパワーコントロールは、1回の撮影につき1回の
み行われる。通常、図2(a)に示すように、撮影を開
始する最初の位置S0 で、撮影前に行われる。オートパ
ワーコントロール時には、天板2は位置S0 に固定され
る。オートパワーコントロールは、APCコントローラ
11により整合器8を固定した状態で行われる。APC
コントローラ11は、切替器7を電源3側に接続し、減
衰器5の初期的減衰量のもとで電源3から初期的振幅の
高周波電流を出力させる。これによりRFコイルユニッ
ト1から静磁場の存在下(傾斜磁場は印加する必要がな
い)で、初期的振幅の高周波磁場が被検体に印加されて
磁気共鳴現象が生じる。高周波磁場の印加終了後、切替
器7がプリアンプ9側に切替えられて、RFコイルユニ
ット1を介して受信された磁気共鳴信号がプリアンプ9
で増幅された後、2系統の信号に分岐されて検波器10
に与えられ、90°位相の異なる共鳴周波数と同じ2つの
参照周波数とそれぞれ別々に位相検波され、さらにアナ
ログディジタル変換器でディジタル化され磁気共鳴信号
の強度に応じた磁気共鳴信号データ(MR信号データ)
としてAPCコントローラ11に送られる。このような
磁気共鳴信号データの収集動作を減衰器5の減衰量(抵
抗値を変えることに対応)を変えて電源出力を変えなが
ら所定回数繰り返し、図4に示すような電源出力(減衰
量を変えることに対応)の変化に対する磁気共鳴信号の
強度変化の情報を得る。APCコントローラ11は、こ
の磁気共鳴信号が最大強度になる減衰量を特定し、この
減衰量に減衰器5を初期設定する。
【0018】このような整合調整及びオートパワーコン
トロールの初期設定が終了した後、胸部全体等の比較的
広い範囲の撮影動作が開始される。撮影期間中は、上述
した整合調整により得られた静電容量、つまり初期位置
S0 で整合条件を満足する静電容量に整合器8が固定さ
れる。撮影は、天板2が連続的に又は間欠的に移動しな
がら、図2(a)の初期位置S0 から同図(b)のSm
の位置を経て同図(c)の最終位置Sn に至までの各位
置でスピンエコー法等周知の撮影法のいずれかで繰り返
される。以下の表に、各天板位置に対する高周波磁場振
幅、電源3のパワーレベル(出力電流振幅)を示す。
【0019】
【表1】
【0020】この表において、天板位置S0 では整合条
件が満足されており、この状態で90°条件を満足する
高周波磁場振幅B0 を得るには電源出力としてパワーレ
ベルP0 が必要になることを確認されたい。理想的に
は、位置S0 から位置Sn までの全ての位置で高周波磁
場振幅B0 に一定していること、換言するとRFコイル
ユニット1への入力電流の振幅が90°条件を満足する
B0 の対応値で一定していることである。しかし、被検
体PとRFコイルユニット1のコイル間には浮遊容量が
存在し、この浮遊容量は被検体Pにより、さらには同一
の被検体Pであっても部位により変わり、これに依存し
てRFコイルユニット1のキャパシタの静電容量も変化
し、負荷インピーダンスの変化により電源3と負荷(R
Fコイルユニット1)との間の整合状態がずれて、電力
の供給効率が低下し、減衰量と実際のパワーアンプ6の
出力電流の振幅(RFコイルユニット1への入力電流の
振幅)との関係が対応表のそれに対してずれが生じてし
まい、90°条件を満足する高周波磁場の振幅が得られな
くなってしまう。しかも、撮影中に整合状態がずれたと
き、上述したような整合調整を再実行することは、撮影
時間を極端に長時間化するために好ましくない。さら
に、整合調整を再実行せず、整合状態がずれたままで、
つまり電流の供給効率が低下したままで、上述したオー
トパワーコントロールを再実行して、90°条件を満足す
る高周波磁場振幅B0 が得られる電源出力を詮索するこ
とは、やはり撮影時間を極端に長時間化するために好ま
しくない。本実施例では、整合調整及びオートパワーコ
ントロールの再実行を不要にして、撮影シーケンスに時
間的に影響を及ぼすこと無く、90°条件を満足する高周
波磁場振幅B0 をほぼ安定的に得ようとするものであ
る。
【0021】このために撮影のためにRFコイルユニッ
ト1から発生される高周波磁場の振幅が、ピックアップ
コイル13を介して高周波磁場検出器14で検出され
る。この高周波磁場の振幅データは、天板位置検出器1
2からの天板位置データと共に、APCコントローラ1
1に取り込まれる。APCコントローラ11は、現在位
置Sm (m≦n)の撮影に際して、この直前の位置Sm-
1 を撮影したときに実測した高周波磁場の振幅Bm-1 を
用いて、現在位置Sm を撮影するときに電源3から出力
される高周波電流の振幅(パワーレベル)Pm を予測決
定し、このPm に対応する減衰量に減衰器5を調整す
る。このPm は、直前の位置Sm-1 を撮影したときの電
源3からの高周波電流の振幅(パワーレベル)をPm-1
とすると、以下の(1)式にしたがって計算される。 Pm =Pm-1 ・(B0 /Bm-1 )2 …(1) APCコントローラ11は、対応表からこのPm に対応
する減衰量に減衰器5を調整する。この減衰量では、整
合状態では電源出力がPm となるが、不整合状態では初
期位置S0 での電源出力P0 に近似する。つまり、初期
位置S0 での理想的な高周波磁場振幅B0 に対する直前
の位置Sm-1 での高周波磁場振幅Bm-1のずれが、現在
位置Sm では是正される。換言すると、直前の位置Sm-
1 において電源3からの高周波電流が振幅Pm に対応す
る減衰量で出力されていたとしたら、その高周波磁場の
振幅Bm-1 が、初期位置S0 での理想的な高周波磁場振
幅B0 に一致する。したがって、現在位置Sm での高周
波磁場の振幅Bm は、必ずしも初期位置S0 での理想的
な高周波磁場振幅B0 に一致するとは限らないが、現在
位置Sm と直前の位置Sm-1 とでは被検体Pの組織組成
が類似しており、浮遊容量が近似しているので、B0 に
対するBm のずれは少ないと考えられる。さらに、位置
が変位する毎に順次直前の位置におけるB0 に対するB
m-1 のずれが解消されていくので、このずれが累積して
いくという不具合が生じない。
【0022】このように本実施例によれば、非常に時間
を要する整合調整及びオートパワーコントロールの再実
行を不要にして、90°条件を満足する高周波磁場振幅B
0 をほぼ安定的に得ることが可能になる。
【0023】なお本実施例では、次のように変形でき
る。この変形例は、その構成図を図3に示しているよう
に、高周波磁場検出器14に代えて、整合器8からRF
コイルユニット1への入力電流の振幅を抵抗を介して検
出する高周波電流検出器15を設けたものである。変形
例では、RFコイルユニット1への入力電流の振幅は、
実際に形成される高周波磁場の振幅に比例することに着
目して、電源3から出力される高周波電流の振幅を制御
するための入力データとして、RFコイルユニット1へ
の入力電流の振幅データを取り扱うものである。
【0024】さらに、人体に印加される高周波電力(S.
A.R.(specific absorption ratio))を管理するため
に、切換器7と整合器8の間に方向性整合器を入れて、
電力をモニターしつつ制限を加えてもよい。その他、本
発明は上述した実施例に限定されることなく種々変形し
て実施可能である。
【0025】
【発明の効果】本発明では、コイルと被検体の相対位置
が変位して整合条件がずれても、長時間を要する整合条
件の再調整を行わないで、高周波磁場の振幅の変動を抑
えることができる。つまり、コイルと被検体の相対位置
が変位すると、被検体の浮遊容量が変化することがあ
り、これに伴ってコイル側の負荷インピーダンスが変化
する。これにより第1の位置で調整した整合条件が他の
位置ではずれてしまい、電流供給効率が低下して所定の
高周波磁場の振幅が得られなくなってしまう。本発明で
は、それを整合条件不一致のままで、電源の出力を上げ
ることで、電流供給効率の低下を補償して、第1の位置
での理想的なフリップ角の高周波磁場の振幅を他の位置
でも確保しようとするものである。なお、本発明では、
現在の撮影位置(第mの位置)における電源の出力を、
1つ前の第m−1の位置での高周波磁場の振幅が第1の
位置での高周波磁場の振幅に近付くように調整する。し
たがって、調整後の第mの位置での高周波磁場の振幅
は、第1の位置での理想的な高周波磁場の振幅とは若干
の差異が生じる可能性があると考えられるが、この差異
は非常に小さい。なぜなら、第m−1と第mの両位置は
距離的に接近しており、両位置間での負荷インピーダン
スが近似しているからである。
【0026】
【0027】
【0028】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による磁気共鳴イメージング
装置の主要部である送受信系の構成図。
【図2】天板の移動について示す図。
【図3】本発明の他の実施例による磁気共鳴イメージン
グ装置の主要部である送受信系の構成図。
【図4】初期位置で実行されるRFパルスのパワーレベ
ル調整の説明図。
【符号の説明】
1…RFコイルユニット、 2…天板、3…電源、
4…発信器、5…減衰器、
6…パワーアンプ、7…切替器、
8…整合器、9…プリアンプ、
10…検波器、11…APCコントローラ、 12
…天板位置検出器、13…ピックアップコイル、 1
4…高周波磁場検出器、15…マッチングコントロー
ラ、16…方向性整合器、17…アンプ、
18…検波器。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 撮影領域と被検体とを相対的に移動しな
    がら第1から第nまでの各位置で順番に高周波磁場によ
    り被検体を励起し、且つ励起後、被検体から誘起される
    磁気共鳴信号を収集する磁気共鳴イメージング装置にお
    いて、 高周波電流を出力するものであって、前記第1の位置で
    所定の高周波磁場の振幅が得られるように出力電流の振
    幅が初期調整されている電源と、 前記電源からの出力電流を受けて高周波磁場を被検体に
    印加するコイルと、 前記電源と前記コイルとの間に挿入され、前記第1の位
    置で前記電源と前記コイルとの整合条件を満足するよう
    に調整されている整合手段と、 前記コイルから発生する高周波磁場の振幅を検出する検
    出手段と、 第m−1(m≦n)の位置で前記検出手段を介して取り
    込んだ高周波磁場の振幅を前記第1の位置での高周波磁
    場の振幅に近付けるように第mの位置での前記電源の出
    力電流の振幅を修正する手段とを具備することを特徴と
    する磁気共鳴イメージング装置。
  2. 【請求項2】 撮影領域と被検体とを相対的に移動しな
    がら第1から第nまでの各位置で順番に高周波磁場によ
    り被検体を励起し、且つ励起後、被検体から誘起される
    磁気共鳴信号を収集する磁気共鳴イメージング装置にお
    いて、 高周波電流を出力するものであって、前記第1の位置で
    所定の高周波磁場の振幅が得られるように出力電流の振
    幅が初期調整されている電源と、 前記電源からの出力電流を受けて高周波磁場を被検体に
    印加するコイルと、 前記電源と前記コイルとの間に挿入され、前記第1の位
    置で前記電源と前記コイルとの整合条件を満足するよう
    に調整されている整合手段と、 前記コイルに入力する高周波電流の振幅を検出する検出
    手段と、 第m−1(m≦n)の位置で前記検出手段を介して取り
    込んだ前記コイルの入力電流の振幅を前記第1の位置で
    の前記コイルの入力電流の振幅に近付けるように第mの
    位置での前記電源の出力電流の振幅を修正する手段とを
    具備することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
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