JP3507550B2 - プリンタ装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、偏向ガイドで搬送方向
を曲折し対向ガイドで横幅方向に位置規制して印刷用紙
を搬送するプリンタ装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般的にプリンタ装置は、印刷用紙を順
次搬送して画像を印刷するようになっている。そこで、
このようなプリンタ装置は、印刷用紙を順次搬送する用
紙搬送機構を、回転自在なフィードローラなどで形成し
ており、この用紙搬送機構で順次搬送される印刷用紙に
画像を印刷する画像印刷機構をサーマルヘッドなどで形
成している。

【０００３】このようなプリンタ装置では、通常は各種
横幅の印刷用紙に対応するために、一対の対向ガイドを
スライド機構で自在に近接離反するよう対向配置してお
り、これらの対向ガイドを印刷用紙のセット時に移動さ
せて適正位置に固定するようになっている機種がある。
さらに、印刷用紙として大径のロール紙などを利用する
ラベルプリンタ等のプリンタ装置では、印刷機構と印字
ヘッドとの間隔を短縮する内部レイアウトの必要などか
ら、印刷用紙の搬送路を装置内部で曲折している機種も
多く、このように搬送路を曲折するため、偏向ガイドを
湾曲したプレートなどで形成している。

【０００４】そこで、上述のようなプリンタ装置では、
例えば、特開平3-128254号公報に開示されているよう
に、偏向ガイドで表面を位置規制した印刷用紙を対向ガ
イドで横幅方向に位置規制し、この状態で用紙搬送機構
で順次搬送して画像印刷機構で画像印刷を実行するなど
している。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上述したプリンタ装置
では、用紙搬送機構で順次搬送する印刷用紙を、一対の
対向ガイドで横幅方向に位置規制すると共に、偏向ガイ
ドで搬送方向を曲折するようになっている。

【０００６】例えば、印刷用紙の搬送方向に偏向ガイド
と対向ガイドとを順次配列することがあるが、これでは
プリンタ装置の小型軽量化を阻害することになる。

【０００７】このような課題を解決したプリンタ装置と
しては、印刷用紙の側縁部を包囲するコ字型の偏向ガイ
ドと対向ガイドとを一体に形成したガイド部材で、印刷
用紙の両側縁部をガイドするものがあるが、これではガ
イド部材の形状が複雑で生産性が低下することになる。

【０００８】さらに、このようなコ字型のガイド部材を
設けたプリンタ装置では、連続紙からなる印刷用紙をセ
ットする場合には、この印刷用紙をガイド部材に後方か
ら挿通する必要があり、印刷用紙を側方からセットする
ことができないので操作が煩雑で好ましくない。特に、
このようなガイド部材の近傍にロール紙の保持部がある
と、作業する領域がないために用紙セットの操作が極め
て煩雑である。

【０００９】また、偏向ガイドの表面に対向ガイドをス
ライド自在に突設したプリンタ装置なども存在するが、
これでは偏向ガイドにスライド機構を一体に設ける必要
があるので、その構造が複雑化して生産性が低下するこ
とになり、印刷用紙が搬送不良により湾曲したり振動に
より波打つなどして対向ガイドを乗り越えるようなこと
も発生するので好ましくない。

【００１０】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の発明は、
印刷用紙の搬送方向を曲折する偏向ガイドを設け、接離
自在に移動するように支持されて前記印刷用紙の両側縁
部を位置規制する対向ガイドを設け、この対向ガイドと
前記偏向ガイドとを具備して前記印刷用紙を順次搬送す
る用紙搬送機構を設け、この用紙搬送機構で順次搬送さ
れる前記印刷用紙に画像を印刷する画像印刷機構を設け
たプリンタ装置において、前記対向ガイドを移動させて
接離自在に支持するスライド機構と前記偏向ガイドとを
前記印刷用紙の搬送路を介して側方を開放した間隙を持
たせて対向配置し、前記印刷用紙が接する前記偏向ガイ
ドの表面に凹部を形成し、この凹部に先端部が近接して
非接触で対向する形状に前記対向ガイドを形成した。

【００１１】請求項２記載の発明は、請求項１記載の発
明において、偏向ガイドの凹部に近接する対向ガイドの
対向面の先端部に凸部を突設した。

【００１２】

【作用】請求項１記載の発明は、偏向ガイドの凹部の内
部で印刷用紙を直線状に張架することができるので、こ
の直線状に張架された印刷用紙を対向ガイドが横幅方向
に位置規制することで、別個の部材として相対向する偏
向ガイドと対向ガイドとで印刷用紙を良好に誘導するこ
とができる。

【００１３】請求項２記載の発明は、偏向ガイドの凹部
で直線状に張架して対向ガイドで横幅方向に位置規制す
る印刷用紙を凸部で保持する。

【００１４】

【実施例】本発明の一実施例を図面に基づいて以下に説
明する。なお、本実施例で云う前後や上下などの方向
は、説明を簡略化するために便宜的に定義するものであ
り、これは実際の装置の設置や使用の方向を限定するも
のではない。

【００１５】まず、本実施例で例示するプリンタ装置で
あるラベルプリンタ１では、図２に例示するように、連
続紙からなる台紙２の表面に多数のラベル３を剥離自在
に一定間隔で貼付した印刷用紙であるラベルシート４
や、多数のタグを連設した印刷用紙であるタグシート
（図示せず）が、用紙搬送機構であるシート搬送機構５
に選択的にセットされるようになっている。このシート
搬送機構５は、ここでは供給ローラ６、偏向ガイドであ
るシートガイド７、対向ガイドであるシートガイド８、
フィードローラ９、ピンチローラ１０、プラテンローラ
１１、及び、ステッピングモータ（図示せず）で構成さ
れている。なお、このシート搬送機構５では、前記シー
トガイド７は前記ラベルシート４の表面に接して搬送方
向を曲折するようになっており、前記シートガイド８は
センタ基準で近接離反自在な一対の部材からなり前記ラ
ベルシート４の位置を横幅方向で位置規制するようにな
っている。

【００１６】さらに、前記プラテンローラ１１の前方に
は、前記ラベルシート４の前記台紙２を急角度に曲折し
て前記ラベル３を剥離させるラベル剥離部材１２が設け
られている。また、前記フィードローラ９の下方の後方
には、前記ラベルシート４の前記ラベル３が剥離した前
記台紙２を巻き取る台紙巻取機構１３が設けられ、この
台紙巻取機構１３は前記シート搬送機構５に近接配置さ
れている。そして、この台紙巻取機構１３は、台紙ガイ
ド１４，１５、巻取ローラ１６、この巻取ローラ１６を
回転駆動するステッピングモータ（図示せず）等で構成
されており、前記台紙ガイド１４は前記ラベルシート４
の台紙２を表面で案内し、前記台紙ガイド１５はセンタ
基準で近接離反する一対の部材からなり前記台紙２の両
側縁部を案内するようになっている。

【００１７】前記プラテンローラ１１には、画像印刷機
構であるサーマルヘッド１７が接離自在に圧接されてお
り、このサーマルヘッド１７と前記プラテンローラ１１
との間隙を前記ラベルシート４が通過するようになって
いる。このラベルプリンタ１では、供給ローラ１８、巻
取ローラ１９、この巻取ローラ１９を回転駆動するＤＣ
(Direct Current)モータ（図示せず）、リボンガイド２
０等により、ロール状に巻回されたインクリボン２１を
順次搬送するリボン搬送機構２２が構成されている。そ
こで、このリボン搬送機構２２は、前記供給ローラ１８
に巻回された前記インクリボン２１を前記リボンガイド
２０に掛け渡して前記巻取ローラ１９で巻取るようにな
っており、このようにすることで順次搬送される前記イ
ンクリボン２１は、前記ラベルシート４に重複した状態
で前記サーマルヘッド１７と前記プラテンローラ１１と
の間隙を通過するようになっている。

【００１８】また、このラベルプリンタ１では、前記サ
ーマルヘッド１７の後方で前記インクリボン２１を検知
する透過型のフォトセンサ２３が配置されており、前記
サーマルヘッド１７の後方で前記フィードローラ９の前
方に前記ラベルシート４を検知する透過型と反射型とを
一体に組み合わせたフォトセンサ２４が並設されてい
る。

【００１９】そして、このラベルプリンタ１では、図１
ないし図３に例示するように、前記シート搬送機構５の
シートガイド８と前記台紙巻取機構１３の台紙ガイド１
５とが一体に連結されてガイド部材２５となっており、
このガイド部材２５は、スライド機構であるガイドレー
ル２６にセンタ基準で移動自在に支持されている。さら
に、前記ガイド部材２５は、前記シートガイド８と前記
台紙ガイド１５との間隙に手動で移動するための操作ノ
ブ２７が後部に突設されており、この下方で前記台紙ガ
イド１５より上方には位置固定用のロックボルト２８が
設けられている。

【００２０】なお、前記ガイドレール２６は、下端に前
記台紙ガイド１４が設けられたレールフレーム２６ａに
装着されている。また、前記ガイド部材２５は、前記ガ
イドレール２６に内蔵されたラックアンドピニオン（図
示せず）により、センタ基準で接離自在に移動するよう
になっている。

【００２１】前記ガイドレール２６と前記シートガイド
７とが前記ラベルシート４の搬送路を介して対向配置さ
れており、前記シートガイド７の前記ラベルシート４が
接する表面には、図１に例示したように、ａ部とｂ部と
を結ぶ平面より上方に引っ込んだ凹部２９が形成されて
いる。そこで、前記シートガイド８は、前記凹部２９に
先端部が近接して非接触で対向し、前記ａ部とｂ部とを
結ぶ平面と交差する形状に形成されており、その対向面
の先端部には搬送路側に凸部３０が突設されている。

【００２２】前記シートガイド７、前記シートガイド
８、前記リボンガイド２０、前記レールフレーム２６ａ
は、このラベルプリンタ１の装置内部に立設した本体フ
レーム（図示せず）に片持ち状態で支持されている。ま
た、前記フィードローラ９、前記プラテンローラ１１、
前記サーマルヘッド１７、前記供給ローラ１８、前記巻
取ローラ１９等は、前記本体フレームに片持ち状態で回
動自在に軸支されている。

【００２３】このような構成において、このラベルプリ
ンタ１は、ラベルシート４の搬送とインクリボン２１の
搬送とに同期して、サーマルヘッド１７の発熱素子（図
示せず）が印字データに従って選択的に発熱駆動され
る。このようにすることで、サーマルヘッド１７の発熱
走査によりインクリボン２１のインクがラベル３に選択
的に転写されるので、このラベル３にインクでドットマ
トリクスの画像が印刷される。

【００２４】そして、このラベルプリンタ１は、サーマ
ルヘッド１７の位置を通過したラベルシート４をラベル
剥離部材１２で急角度に曲折して台紙２からラベル３の
前半部を剥離させ、このラベル３の前半部を外部に突出
させた状態で停止するようになっている。そこで、この
ラベル３を利用者が取り出すと、これをフォトセンサ
（図示せず）で検知し、ラベル３を発行する動作を再開
する。さらに、このようにしてラベル３が剥離した台紙
２を台紙巻取機構１３で順次巻き取るので、不要な台紙
を装置外部に排出して周囲を乱雑にすることがない。

【００２５】そして、このラベルプリンタ１では、各種
横幅のラベルシート４に対応するために、シート搬送機
構５で順次搬送するラベルシート４を近接離反する一対
のシートガイド８で横幅方向に位置規制するようになっ
ている。さらに、印字面が内側となるように巻回された
内巻きロールのラベルシート４と、印字面が外側となる
ように巻回された外巻きロールのラベルシート４とを、
使用可能とするために、供給ローラ６で支持した位置か
らサーマルヘッド１７の位置までラベルシート４を搬送
する場合に、内巻きでは略直線状に搬送し、外巻きでは
シートガイド７で搬送方向を曲折している。

【００２６】このようにすることで、このラベルプリン
タ１では、内巻きのラベルシート４はシートガイド８で
横幅方向に位置規制して略直線状に搬送するようになっ
ており、外巻きのラベルシート４はシートガイド７で搬
送方向を曲折してシートガイド８で横幅方向に位置規制
することで搬送するようになっている。この時、直線状
に張架されたラベルシート４をシートガイド７の凹部２
９の内部でシートガイド８が横幅方向に位置規制するこ
とで、別個の部材として相対向するシートガイド７，８
でラベルシート４を誘導するようになっている。

【００２７】このため、このラベルプリンタ１では、上
述のように別部材として相対向するシートガイド７，８
には間隙が位置するのでラベルシート４を側方から容易
にセットすることができ、シートガイド８の先端部はシ
ートガイド７の凹部２９に沿った形状で近接して非接触
で対向しているので、ラベルシート４が搬送不良や、そ
の他の影響で湾曲したり振動で波打った場合などに、シ
ートガイド８を乗り越えるようなことは発生しにくくな
っており、このことはシートガイド８の対向面の先端部
に突設された凸部３０により、簡易な構造で効果的に強
化されている。

【００２８】特に、このラベルプリンタ１において、例
えば、シートガイド７をラベルシート４より幅狭に形成
して中央に配置することも想定できるが、このような場
合にはシートガイド８の凸部３０によるラベルシート４
の保持は極めて有効である。なお、このシートガイド８
の凸部３０はシートガイド７の凹部２９で直線状に張架
したラベルシート４に上方から非接触に対向するように
なっているので、ラベルシート４の表面をシートガイド
８の凸部３０が擦過してラベル３を剥離することもな
い。

【００２９】なお、このラベルプリンタ１では、上述の
ように各種横幅のラベルシート４に対応するために、シ
ート搬送機構５で順次搬送するラベルシート４は近接離
反する一対のシートガイド８で誘導するようになってお
り、台紙巻取機構１３で順次巻き取る台紙２は近接離反
する台紙ガイド１５で誘導するようになっている。この
時、これらシートガイド８と一対の台紙ガイド１５とが
ガイド部材２５として一体化されているので、ラベルシ
ート４のセット時にシートガイド８と台紙ガイド１５と
を個々に位置調整する必要がなく、その操作が簡易で作
業能率の向上に寄与するようになっている。また、シー
トガイド８と台紙ガイド１５とを、ガイド部材２５にラ
ベルシート４の挿入方向に設けたロックボルト２８によ
り、固定できるので操作性が良好である。

【００３０】

【発明の効果】請求項１記載の発明は、印刷用紙の搬送
方向を曲折する偏向ガイドを設け、接離自在に移動する
ように支持されて前記印刷用紙の両側縁部を位置規制す
る対向ガイドを設け、この対向ガイドと前記偏向ガイド
とを具備して前記印刷用紙を順次搬送する用紙搬送機構
を設け、この用紙搬送機構で順次搬送される前記印刷用
紙に画像を印刷する画像印刷機構を設けたプリンタ装置
において、前記対向ガイドを移動させて接離自在に支持
するスライド機構と前記偏向ガイドとを前記印刷用紙の
搬送路を介して側方を開放した間隙を持たせて対向配置
し、前記印刷用紙が接する前記偏向ガイドの表面に凹部
を形成し、この凹部に先端部が近接して非接触で対向す
る形状に前記対向ガイドを形成したことにより、別部材
として独立した偏向ガイドと対向ガイドとで印刷用紙の
搬送方向を曲折すると共に横幅方向に位置規制すること
で、構造が簡易で生産性の向上に寄与することができ、
連続紙からなる印刷用紙を偏向ガイドと対向ガイドとの
間隙から横幅方向に挿入してセットすることもでき、そ
の操作が良いので作業能率の向上に寄与することがで
き、このように印刷用紙を挿入できる偏向ガイドと対向
ガイドとの間隙は幅狭で湾曲しているので印刷用紙が、
搬送不良で湾曲したり振動で波打つなどした場合に対向
ガイドを乗り越えるようなことも防止することができる
等の効果を有するものである。

【００３１】請求項２記載の発明は、請求項１記載の発
明において、偏向ガイドの凹部に近接する対向ガイドの
対向面の先端部に凸部を突設したことにより、搬送不良
で湾曲した印刷用紙が対向ガイドを乗り越えるようなこ
とを凸部で防止することができる効果を有するものであ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のプリンタ装置の一実施例であるラベル
プリンタの要部を例示する側面図である。

【図２】ラベルプリンタの内部構造を例示する縦断側面
図である。

【図３】ラベルプリンタの要部を例示する斜視図であ
る。

【符号の説明】

１ プリンタ装置 ４ 印刷用紙 ５ 用紙搬送機構 ７ 偏向ガイド ８ 対向ガイド １７ 画像印刷機構 ２６ スライド機構 ２９ 凹部 ３０ 凸部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平２−48353（ＪＰ，Ａ) 特開 平５−181339（ＪＰ，Ａ) 実開 平２−57858（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) B65H 23/28 B41J 15/04

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 印刷用紙の搬送方向を曲折する偏向ガイ
   ドを設け、接離自在に移動するように支持されて前記印
   刷用紙の両側縁部を位置規制する対向ガイドを設け、こ
   の対向ガイドと前記偏向ガイドとを具備して前記印刷用
   紙を順次搬送する用紙搬送機構を設け、この用紙搬送機
   構で順次搬送される前記印刷用紙に画像を印刷する画像
   印刷機構を設けたプリンタ装置において、前記対向ガイ
   ドを移動させて接離自在に支持するスライド機構と前記
   偏向ガイドとを前記印刷用紙の搬送路を介して側方を開
   放した間隙を持たせて対向配置し、前記印刷用紙が接す
   る前記偏向ガイドの表面に凹部を形成し、この凹部に先
   端部が近接して非接触で対向する形状に前記対向ガイド
   を形成したことを特徴とするプリンタ装置。
2. 【請求項２】 偏向ガイドの凹部に近接する対向ガイド
   の対向面の先端部に凸部を突設したことを特徴とする請
   求項１記載のプリンタ装置。