JP3505809B2 - 電動車両の駆動減速装置 - Google Patents

電動車両の駆動減速装置

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JP3505809B2
JP3505809B2 JP24984594A JP24984594A JP3505809B2 JP 3505809 B2 JP3505809 B2 JP 3505809B2 JP 24984594 A JP24984594 A JP 24984594A JP 24984594 A JP24984594 A JP 24984594A JP 3505809 B2 JP3505809 B2 JP 3505809B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電動車両の駆動減速装
置に関し、例えば電動三輪車の駆動減速装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の電動三輪車の駆動減速装置を図1
3〜図16に示す。図13は、該駆動減速装置のギヤケ
ースを切断して見た断面図、図14は、該駆動減速装置
の分解斜視図、図15は、該駆動減速装置の伝達経路を
概略的に示す断面図、図16は、該駆動減速装置におけ
る内歯ドッグおよびスライドギヤの斜視図である。この
駆動減速装置は、図13〜図16に示すように、モータ
ーに設けられた駆動ピニオンaと、カウンターシャフト
bに設けられて駆動ピニオンaに噛み合うカウンターギ
ヤcと、カウンターギヤcに形成された内歯ドッグd
と、カウンターシャフトbに摺動自在に設けられると共
に内歯ドッグdに対して係合・離脱するスライドギヤe
と、スライドギヤeが内歯ドッグdに係合する方向にス
ライドギヤeを付勢する圧縮コイルスプリングfと、ク
ラッチシャフトgに移動可能に設けられると共にスライ
ドギヤeに係合し、かつ、クラッチシャフトgの回動に
より軸方向に移動してスライドギヤeを内歯ドッグdか
ら離脱させるシフトフォークhと、リヤアクスルシャフ
トiに設けられると共にスライドギヤeに噛み合うデフ
ギヤ(デファレンシャルギヤ)jとを備えたものであ
る。また、クラッチシャフトgの軸端には、クラッチシ
ャフトgを回動させてシフトフォークhを移動させるた
めの操作レバーkが取り付けられている。また、クラッ
チシャフトgにはシフトカムg1が形成されており、ク
ラッチシャフトgの回動時には、このシフトカムg1に
よってシフトフォークhが移動し、スライドギヤeが内
歯ドッグdから離脱するようになっている。
【0003】そして、この従来の駆動減速装置では、駆
動ピニオンaおよびカウンターギヤcは、ヘリカルギヤ
(斜歯歯車)で構成されていて、スライドギヤeおよび
デフギヤjは、スパーギヤ(平歯車)で構成されてい
る。内歯ドッグdは、スライドギヤeのスパーギヤに対
応する形状であって横断面が三角形状を呈する三角内歯
ドッグである。
【0004】このような構成を有する従来の駆動減速装
置によれば、車両走行時はスプリングfの付勢力により
スライドギヤeが内歯ドッグdに噛み合っており、カウ
ンターギヤcを介して駆動ピニオンaからカウンターシ
ャフトbに伝達された動力は、デフギヤjに伝わりリヤ
アクスルシャフトiを駆動する。一方、操作レバーkが
操作されてスライドギヤeが内歯ドッグdから離脱した
状態では、当該動力は、デフギヤjおよびリヤアクスル
シャフトiには伝わらないため、クラッチの切れた状態
が保持されるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
駆動減速装置においては、大きなトルクを伝達するスラ
イドギヤeおよびデフギヤjがスパーギヤで構成されて
いるため、ギヤの強度面および動力伝達面で装置が不利
なものとなってしまっている。また、内歯ドッグdは、
その形状が三角内歯ドッグであるため、スライドギヤe
との接触が点当たりになっており、内歯ドッグdに十分
な強度を持たせようとすると、その分装置がコスト高に
なってしまう。また、三角内歯ドッグは、寸法精度が出
しにくいものであることから、内歯ドッグdとスライド
ギヤeとのクリアランス(遊び)が大きくなってしま
い、このクリアランスが車両の乗り心地や制動距離に影
響を及ぼす恐れもある。
【0006】そこで、円滑に動力が伝達されてギヤの強
度も高いヘリカルギヤをスライドギヤeおよびデフギヤ
jに採用すると共に、内歯ドッグdをヘリカルギヤ形状
に形成することも考えられるが、単にヘリカルギヤを採
用しただけでは、ヘリカルギヤ特有のスラスト力によ
り、スライドギヤeが内歯ドッグdに十分に噛み合わな
くなったり、内歯ドッグdから外れてしまったりする恐
れがある。すなわち、スライドギヤeがデフギヤjおよ
び内歯ドッグdそれぞれから受けるスラスト力は略釣り
合うが、実際には当該釣り合いは不安定なものであるた
め、駆動トルク変動時にスラスト力に差が生じたり、ス
ライドギヤeが離脱する方向に外力が作用したりする
と、スライドギヤeがスプリングfの付勢力に抗して移
動してしまう恐れがある。
【0007】本発明は、前記従来の電動車両の駆動減速
装置における問題点に鑑みてなされたものであって、各
ギヤの強度および内歯ドッグの強度を向上させると共に
車両の乗り心地や制動距離を改善させ、しかも、スライ
ドギヤが内歯ドッグから外れることを確実に防止する電
動車両の駆動減速装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成するため、次のような構成を有する。すなわち、請求
項1の発明は、モーターに設けられた駆動ピニオンと、
該駆動ピニオンに噛み合うカウンターギヤと、該カウン
ターギヤに形成された内歯ドッグと、前記カウンターギ
ヤを支持するカウンターシャフトに摺動自在に設けられ
ると共に前記内歯ドッグに対して係合・離脱する外歯ド
ッグ部を備えたスライドギヤと、該スライドギヤの外歯
ドッグ部が前記内歯ドッグに係合する方向に該スライド
ギヤを付勢する弾性体と、前記スライドギヤに係合し、
前記クラッチシャフトの回動により軸方向に移動して前
記弾性体の付勢力に抗して前記スライドギヤの外歯ドッ
グ部前記カウンターギヤの内歯ドッグから離脱させる
シフトフォークと、後輪が軸着されたリヤアクスルシャ
フトに設けられると共に前記スライドギヤに噛み合う最
終ギヤとを備えた電動車両の駆動減速装置において、
終ギヤをヘリカルギヤで形成すると共に、この最終ギヤ
に噛み合うスライドギヤの歯車とカウンターギヤの内歯
ドッグと係合する外歯ドッグ部を一体のヘリカルギヤで
形成し、前記内歯ドッグを前記スライドギヤのドッグ部
に対応したヘリカルギヤ状に形成したことを特徴とする
電動車両の駆動減速装置である。請求項2の発明は、前
記カウンターギヤの内歯ドッグとスライドギヤの外歯ド
ッグ部との係合時においてシフトフォークに係合してそ
の軸方向への移動を規制するストッパーをクラッチシャ
フトに設けたことを特徴とする請求項1に記載の電動車
両の駆動減速装置である
【0009】
【作用】発明によれば、前記スライドギヤおよび前記
最終ギヤをヘリカルギヤで構成すると共に前記内歯ドッ
グをスライドギヤに対応したヘリカルギヤ形状に形成し
たので、各ギヤの強度および動力伝達の状態がスパーギ
ヤを用いた従来のものに比べて大幅に向上すると同時
に、内歯ドッグとスライドギヤとが歯全体で接触するこ
とになるため、内歯ドッグの強度も向上する。
【0010】また、前記内歯ドッグと前記スライドギヤ
との係合時において、駆動トルク変動時に、最終ギヤか
ら受けるスラスト力よりも内歯ドッグから受けるスラス
ト力が大きくなることなどにより、スライドギヤが内歯
ドッグから外れる方向にスライドギヤに力が作用して
も、前記クラッチシャフトに設けたストッパーによって
前記シフトフォークが軸方向に係止される。したがっ
て、スライドギヤが内歯ドッグから外れる方向に摺動す
ることがなくなり、内歯ドッグとスライドギヤとの係合
が確実に保持される。
【0011】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。図1は本実施例に係る電動車両の左側面図、図2
は該電動車両の平面図、図3は該電動車両の断面図であ
る。図4は本実施例に係るギヤケースの周囲の構造を示
す左側面図、図5は図4の裏面側から見た該ギヤケース
の右側面図、図6は図4におけるVI−VI断面図、図7は
図5におけるVII−VII断面図、図8は本実施例に係る内
歯ドッグおよびスライドギヤの斜視図である。
【0012】図9は本実施例に係るシフトフォークを示
す図であって、(a)は図7においてA方向から見た右
側面図、(b)は(a)においてB方向から見た断面
図、(c)は(a)を裏面側から見た左側面図、(d)
は(c)におけるD−D断面図である。図10は本実施
例に係るクラッチシャフトを示す図であって、(a)は
図7においてA方向から見た右側面図、(b)は(a)
においてB方向から見た正面図、(c)は(a)を裏面
側から見た左側面図、(d)は(a)におけるD−D断
面図、(e)は(a)におけるE−E断面図である。な
お、本実施例における前後・左右の向きは、車両前進方
向に対する前後・左右をいう。
【0013】本実施例に係る電動車両26は、図1ない
し図3に示すように、いわゆる電動三輪車であって、前
輪28および二つの後輪30と、後輪の斜め前上方に配
置された座席32とを備える。
【0014】この電動車両26の駆動減速装置は、二つ
の後輪30の間に配置された図4および図5に示すギヤ
ケース36内に収容されたものであって、図6および図
7に示すように、モーター2に設けられた駆動ピニオン
4と、駆動ピニオン4に噛み合ってカウンターシャフト
6を従動させるカウンターギヤ8と、カウンターギヤ8
に形成された内歯ドッグ10と、カウンターシャフト6
に摺動自在に設けられると共に内歯ドッグ10に対して
係合・離脱するスライドギヤ12と、スライドギヤ12
が内歯ドッグ10に係合する方向にスライドギヤ12を
付勢する圧縮コイルスプリング(弾性体の一例)14
と、クラッチシャフト16に移動可能に設けられると共
にスライドギヤ12に係合し、かつ、クラッチシャフト
16の回動により軸方向に移動してスプリング14の付
勢力に抗してスライドギヤ12を内歯ドッグ10から離
脱させるシフトフォーク18と、後輪30が軸着された
リヤアクスルシャフト20Lに設けられると共にスライ
ドギヤ12に噛み合うデフギヤ(最終ギヤに相当)22
とを備えている。
【0015】また、この駆動減速装置は、図7に示すよ
うに、左右に分割されたリヤアクスルシャフト20L,
20Rにデファレンシャル(差動装置)を備えるもので
ある。このデファレンシャルは、左側のリヤアクスルシ
ャフト20Lに設けられた前記デフギヤ22と、このデ
フギヤ22の右側面に6本のボルト38aで締着された
デフケース38と、左右のリヤアクスルシャフト20
L,20Rの対向するそれぞれの軸端に設けられた左右
一対の差動大ギヤ(サイドギヤ)40と、この一対の差
動大ギヤ40それぞれに噛み合った一対の差動小ギヤ
(ピニオン)42と、一対の差動小ギヤ42を軸支して
デフケース38に両端が支持されたデフシャフト44
と、デフシャフト44とデフケース38とに渡って挿入
された抜け止めピン46とから基本構成されており、こ
のデファレンシャルによって、カーブ走行時などに電動
車両26の左右の後輪30,30の通過距離に差が生じ
ても、左右の後輪30,30の相対運動が許されるた
め、電動車両26が円滑に走行できるようになってい
る。
【0016】さらに、本実施例では、スライドギヤ12
およびデフギヤ22をヘリカルギヤで構成すると共に内
歯ドッグ10をスライドギヤ12に対応したヘリカルギ
ヤ形状に形成し、内歯ドッグ10とスライドギヤ12と
の係合時においてシフトフォーク18を軸方向に係止す
るストッパー24をクラッチシャフト16に設けてあ
る。
【0017】以下、各部の構成について説明する。ギヤ
ケース36は、図5または図7に示すように、左右分割
型のケースであって、左右二つのギヤケース36L,3
6Rを6本のボルト48で締結することで組み立てられ
る。
【0018】モーター2は、図6に示すように、その駆
動ピニオン4が左側のギヤケース36Lからケース内に
臨むようにギヤケース36Lにボルト等で固定されてい
る。駆動ピニオン4は、モーター2の出力軸2aの端部
に嵌合されると共に、スプライン等により回転方向が固
定され、かつ、ピニオンボルト50によりスラスト方向
が固定されている。また、駆動ピニオン4はヘリカルギ
ヤで構成されており、その歯すじの向きは、車両前進時
にカウンターギヤ8から受けるスラスト力の向きがピニ
オンボルト50の締め付け方向(ピニオンボルト50の
頭部側から先端側に向く方向)になるように設定されて
いる。
【0019】カウンターシャフト6は、図7に示すよう
に、左右のギヤケース36L,36Rそれぞれの内壁に
圧入されたボールベアリング52,52によって両端部
が回転自在に支持されている。また、カウンターシャフ
ト6の左軸端に嵌合されたカウンターギヤ8は、駆動ピ
ニオン4に対応したヘリカルギヤで構成され、左側のボ
ールベアリング52の内輪に左側面が当接している。
【0020】内歯ドッグ10は、前述のようにヘリカル
ギヤ形状を呈するものであるが、必ずしも図8に示した
ようにスライドギヤ12の歯数と同じ歯数にする必要は
なく、スライドギヤ12に比して歯数を減らすなどし、
スライドギヤ12が内歯ドッグ10に対して係合・離脱
し易い形状とすることも可能である。要は、内歯ドッグ
10の歯形がスライドギヤ12の歯形に対応したヘリカ
ルギヤ形状であればよい。
【0021】スライドギヤ12は、図8に示すように、
ヘリカルギアであると共にシフトーフォーク18の先端
が係合する環状の溝部12aを右軸端部に有する。
【0022】圧縮コイルスプリング14は、図7に示す
ように、スライドギヤ12の右側面と前記右側のボール
ベアリング52の内輪との間でカウンターシャフト6に
嵌装されており、常時スライドギヤ12を内歯ドッグ1
0側に所定の弾発力で付勢している。なお、圧縮コイル
スプリング14の右端面は、カウンターシャフト6の溝
に設けられたサークリップ58に隣接するスラストワッ
シャー60に弾接している。
【0023】クラッチシャフト16は、カウンターシャ
フト6の直上に配設されていて、その左右の小径の軸端
が左右のギヤケース36L,36Rの内壁に設けられた
孔に回動自在に嵌入している。また、ギヤケース36R
の外部に突出した右側の軸端には、運転者等がクラッチ
シャフト16の回動を操作してクラッチを切り離すため
の操作レバー54がボルト56により軸着されている。
【0024】また、クラッチシャフト16の軸方向略中
央部には、図10(a)ないし同(e)に示すように、
シフトフォーク18の左側面に隣接するシフトカム16
aが設けられており、このシフトカム16aの右側面に
は、クラッチシャフト16の回動時にシフトフォーク1
8に摺接し、かつ、シフトフォーク18を軸方向に移動
させるカム部16a1が形成されている。したがって、
クラッチを切り離す際には、クラッチシャフト16と共
にこのシフトカム16aが回動することにより、シフト
フォーク18の左側面にカム部16a1の押圧力が作用
し、シフトフォーク18が右方向(スライドギヤ12を
内歯ドッグ10から離脱させる方向)に移動するように
なっている。
【0025】ストッパー24は、図10(a)ないし同
(e)に示すように、シフトカム16aの下部後縁をシ
フトフォーク18側に折り曲げ、さらに該折り曲げ部を
前方に折り返してなる断面略コの字形状の爪であって、
スライドギヤ12が内歯ドッグ10に係合するときに
は、シフトカム16aの回動に伴ってシフトフォーク1
8の内側に折り返し部が差し込まれてシフトフォーク1
8を係止する。一方、操作レバー54が操作されてシフ
トカム16aが回動すると、ストッパー24は、シフト
フォーク18から外れてシフトフォーク18をクラッチ
シャフト16から解放し、カム部16a1の回動に伴う
シフトフォーク18の移動を可能にする。
【0026】シフトフォーク18は、図9(a)ないし
同(d)に示すように、正面視で概略逆しの字形になる
ように板材をプレス成形したものであり、シフトフォー
ク18がクラッチシャフト16に対して回転自由となる
ような程度の大きさの嵌合孔18aと、スライドギヤ1
2の環状の溝部12aに対応した半円弧形状を呈して該
溝部12aに嵌まる挟持部18bを有する。また、シフ
トフォーク18の左側面には、前記カム部16a1に摺
接してカム部16a1を案内すると共に、クラッチの解
除状態を保持するための段部を有するガイド溝18cが
形成されている。
【0027】以上のような構成を有する本実施例によれ
ば、スライドギヤ12およびデフギヤ22をヘリカルギ
ヤで構成すると共に内歯ドッグ10をスライドギヤ12
に対応したヘリカルギヤ形状に形成したので、各ギヤの
強度および動力伝達の状態がスパーギヤを用いた従来の
ものに比べて大幅に向上する。これと同時に、内歯ドッ
グ10とスライドギヤ12とが歯全体で接触することに
なるため、内歯ドッグ10の強度も向上する。あるい
は、従来と同程度の強度に設定した場合は安価にクラッ
チ構造を構成することができるようになる。
【0028】また、図11に示すように、内歯ドッグ1
0とスライドギヤ12との係合状態における駆動トルク
変動時に、デフギヤ22から受けるスラスト力Fs1よ
りも内歯ドッグ10から受けるスラスト力Fs2が大き
くなってしまうことなどによって、図12に示すように
スライドギヤ12が内歯ドッグ10から外れる方向にス
ライドギヤ12に力Fs’が加わってスライドギヤ12
の溝部12aがシフトフォーク18の挟持部18bを押
圧したとしても、シフトカム16aのストッパー24が
シフトフォーク18を保持しているので、シフトフォー
ク18は、その軸方向の移動が規制される。したがっ
て、内歯ドッグ10およびスライドギヤ12をヘリカル
ギヤとしても、スライドギヤ12が内歯ドッグ10から
外れる方向に摺動することがなくなり、これらの係合を
確実に保持することができるようになる。
【0029】なお、図11において矢印で示した各シャ
フトの回転方向は、紙面に対して右側から見た駆動ピニ
オン4の回転方向が時計回りとなるような車両前進時の
回転方向であり、各スラスト力Fs1、Fs2も車両前
進時において生じる方向を示している。もちろん、内歯
ドッグ10とスライドギヤ12との係合を確実に保持す
る作用効果は、車両後進時においても同様に得られるも
のであり、この場合は、前記スラスト力Fs1、Fs2
等の向きは反対側に向くようになる。また、図11でF
s3で示すものは、車両前進時にデフギヤ22がスライ
ドギヤ12から受けるスラスト力である。
【0030】また、本実施例によれば、駆動ピニオン4
およびカウンターギヤ8もヘリカルギヤとし、さらに、
図11に示すように車両前進時に駆動ピニオン4がカウ
ンターギヤ8から受けるスラスト力Fs4の向きがピニ
オンボルト50の締め付け方向になるように駆動ピニオ
ン4の歯すじ方向を設定したので、ネジ部に加わるスラ
スト方向の剪断力に対してのピニオンボルト50の負担
を低減することができる。なお、図11でFs5で示す
ものは、車両前進時にカウンターギヤ8が駆動ピニオン
4から受けるスラスト力である。
【0031】本実施例は、本発明の好適な実施の態様で
あり、本発明の技術的範囲は、この実施例に限定されな
い。例えば、ヘリカルギヤで構成されたスライドギヤ1
2、デフギヤ22および内歯ドッグ10それぞれの歯す
じの向きは、本実施例における向きに限定されることな
く適宜設定可能なものである。
【0032】
【発明の効果】以上の説明の通り、本発明によれば、電
動車両の駆動減速装置において、各ギヤの強度および内
歯ドッグの強度を従来に比して向上させることができる
と共に車両の乗り心地や制動距離を改善させることがで
き、しかも、スライドギヤが内歯ドッグから外れること
を確実に防止することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例に係る電動車両の左側面図である。
【図2】本実施例に係る電動車両の平面図である。
【図3】本実施例に係る電動車両の正面図である。
【図4】本実施例に係るギヤケースの周囲の構造を示す
左側面図である。
【図5】図4の裏面側から見た該ギヤケースの右側面図
である。
【図6】図4におけるVI−VI断面図である。
【図7】図5におけるVII−VII断面図である。
【図8】本実施例に係る内歯ドッグおよびスライドギヤ
の斜視図である。
【図9】本実施例に係るシフトフォークを示す図であっ
て、(a)は図7においてA方向から見た右側面図、
(b)は(a)においてB方向から見た断面図、(c)
は(a)を裏面側から見た左側面図、(d)は(c)に
おけるD−D断面図である。
【図10】本実施例に係るクラッチシャフトを示す図で
あって、(a)は図7においてA方向から見た右側面
図、(b)は(a)においてB方向から見た正面図、
(c)は(a)を裏面側から見た左側面図、(d)は
(a)におけるD−D断面図、(e)は(a)における
E−E断面図である。
【図11】本実施例の駆動減速装置の伝達経路を概略的
に示す断面図である。
【図12】本実施例に係るシフトフォーク周辺の構造を
示す斜視図である。
【図13】従来の駆動減速装置のギヤケースを切断して
見た断面図である。
【図14】従来の駆動減速装置の分解斜視図である。
【図15】従来の駆動減速装置の伝達経路を概略的に示
す断面図である。
【図16】従来の駆動減速装置に係る内歯ドッグおよび
スライドギヤの斜視図である。
【符号の説明】
2 モーター 4 駆動ピニオン 6 カウンターシャフト 8 カウンターギヤ 10 内歯ドッグ 12 スライドギヤ 14 圧縮コイルスプリング(弾性体の一例) 16 クラッチシャフト 18 シフトフォーク 20L リヤアクスルシャフト 22 デフギヤ(最終ギヤに相当) 24 ストッパー 30 後輪
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 3/00 - 3/78 F16D 1/00 - 9/00 B60L 15/00 - 15/42

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モーターに設けられた駆動ピニオンと、
    該駆動ピニオンに噛み合うカウンターギヤと、該カウン
    ターギヤに形成された内歯ドッグと、前記カウンターギ
    ヤを支持するカウンターシャフトに摺動自在に設けられ
    ると共に前記内歯ドッグに対して係合・離脱する外歯ド
    ッグ部を備えたスライドギヤと、該スライドギヤの外歯
    ドッグ部が前記内歯ドッグに係合する方向に該スライド
    ギヤを付勢する弾性体と、前記スライドギヤに係合し、
    前記クラッチシャフトの回動により軸方向に移動して前
    記弾性体の付勢力に抗して前記スライドギヤの外歯ドッ
    グ部前記カウンターギヤの内歯ドッグから離脱させる
    シフトフォークと、後輪が軸着されたリヤアクスルシャ
    フトに設けられると共に前記スライドギヤに噛み合う最
    終ギヤとを備えた電動車両の駆動減速装置において、最終ギヤをヘリカルギヤで形成すると共に、この最終ギ
    ヤに噛み合うスライドギヤの歯車とカウンターギヤの内
    歯ドッグと係合する外歯ドッグ部を一体のヘリカルギヤ
    で形成し、前記内歯ドッグを前記スライドギヤのドッグ
    部に対応したヘリカルギヤ状に形成した ことを特徴とす
    る電動車両の駆動減速装置。
  2. 【請求項2】 前記カウンターギヤの内歯ドッグとスラ
    イドギヤの外歯ドッグ部との係合時においてシフトフォ
    ークに係合してその軸方向への移動を規制するストッパ
    ーをクラッチシャフトに設けたことを特徴とする請求項
    1に記載の電動車両の駆動減速装置
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