JP3504322B2 - 被測定眼寸法測定装置 - Google Patents

被測定眼寸法測定装置

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JP3504322B2 JP04852394A JP4852394A JP3504322B2 JP 3504322 B2 JP3504322 B2 JP 3504322B2 JP 04852394 A JP04852394 A JP 04852394A JP 4852394 A JP4852394 A JP 4852394A JP 3504322 B2 JP3504322 B2 JP 3504322B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学的に被測定眼の眼
内寸法を非接触で測定することができる屈折力補正機能
付きの被測定眼寸法測定装置の改良に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来から屈折力測定装置と角膜曲率半径
測定装置の複合器械、光学的に被測定眼としての被検眼
の眼内寸法を非接触で計測することができる被測定眼寸
法測定装置として、特開平4−35637号公報に開示
のものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この従来の測
定装置においては、一連の検査・診断を行う際に、検
者、被検者はある測定を行う器械から別の測定を行う器
械への移動を伴うことにより、検者には測定の煩わしさ
を、被検者には度重なる検査・診断に対する苦痛を与え
ることが少なくなく、また、診察室、検査室の限られた
空間を有効に利用することができず、省スペース化の観
点からも問題があった。
【0004】本発明は、上記従来装置の欠点を解決し、
被測定眼の屈折力、角膜曲率半径、および眼内寸法を一
度の測定で短時間に精度よく容易に行うことができる被
測定眼寸法測定装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の被検眼
寸法測定装置は、光源からの光を眼内対象物と参照面と
に向けて射出しかつ該眼内対象物と該参照面とにより反
射された各反射光を合成して干渉させる干渉光学系と、
前記干渉光を受光し干渉信号を出力する受光部と、該受
光部からの信号に基づいて被測定眼の寸法を測定する被
測定眼寸法測定部と、前記干渉信号の強度変化に基づい
て前記眼内対象物への光束の集光状態を変化させて被測
定眼の球面度数及び乱視度数に対する屈折力補正を行う
屈折力補正部と、該屈折力補正部によって補正された際
の前記眼内対象物への光束の集光状態に基づいて前記干
渉信号の振幅又は前記眼内対象物からの反射光量が1つ
の極大値を持つ場合にはその極大値から屈折力を求め、
前記干渉信号の振幅又は前記眼内対象物からの反射光量
が2つの極大値を持つ場合にはそのいずれか一方の極大
値から球面度数を求め、前記他方の極大値についての屈
折力と前記球面度数との差から円柱度数を求める屈折力
測定部と、から構成されていることを特徴とする。請求
項2に記載の被検眼寸法測定装置は、前記屈折力補正部
は、前記干渉信号の強度に基づいて、前記干渉光学系を
形成するレンズ部を光軸方向に移動させることにより、
前記眼内対象物への光束の集光状態を変化させて被測定
眼の屈折力補正を行うことを特徴とする。請求項3に記
載の被検眼寸法測定装置は、前記屈折力補正部は、前記
干渉信号の振幅又は前記眼内対象物からの反射光量が極
値となるように前記眼内対象物への光束の集光状態を変
化させることにより屈折力補正を行う構成であることを
特徴とする。請求項4に記載の被検眼寸法測定装置は、
前記光源は、屈折力補正時には、パルス点灯されること
を特徴とする。請求項5に記載の被検眼寸法測定装置
は、前記被測定眼からの反射光のみが受光部へ入射する
構成とし、前記受光部の前方に回転自在のスリットを設
け、合焦レンズが弱主経線又は強主経線付近に移動した
際に、このスリットを回転させて眼底反射光のみの強度
を求め、該眼底反射光の強度が最大となる角度方向と直
する方向の乱視軸角度として求めることを特徴とす
る。請求項6に記載の被検眼寸法測定装置は、前記参照
面に向かう光路の途中に回転自在の円柱レンズを配置
し、前記合焦レンズが弱主経線又は強主経線に対応する
付近に移動された際に、前記円柱レンズを回転させて干
渉信号の強度を求め、該強度が最大となる前記円柱レン
ズの最大屈折力方向を乱視軸角度として求めることを特
徴とする。
【0006】
【0007】
【0008】
【作用】本発明の被測定眼寸法測定装置によれば、被測
定眼寸法測定部により被測定眼の寸法を測定できる。ま
た同時に、屈折力補正部により被測定眼の屈折力補正を
行い、屈折力測定部により被測定眼の屈折力を測定でき
る。更には、乱視軸角度を測定することもできる。
【0009】
【実施例】以下、図面を参照しながら本発明の被測定眼
寸法測定装置の各実施例を説明する。
【0010】図1は本発明に係わる測定装置の第1実施
例を示すものである。図1において、100は角膜位置
測定系(リング像投影受像光学系)、101は眼底位置
測定系である干渉光学系、102は被検眼角膜に光束を
照射する照射光学系としてのリング状光源投影部、10
3は被検眼(被測定眼)、104は対物レンズである。
【0011】図2は図1に示す二次元イメージセンサ1
07に形成されたリング像を示す図である。リング像投
影受像光学系100の構成は特開平4−35637号と
ほぼ同一であるので、その説明は省略する(具体的に
は、出願番号:平成2年特許願第145107号;平成
2年5月31日出願;発明の名称;眼内長さ測定装置;
の出願当初の明細書の第7頁の「第1図において」から
第14頁の「入射光線である。」までの実施例の記載、
及び第1図から第5図までの記載を参照)。
【0012】干渉光学系101は、レーザダイオード1
30、レンズ133、ピンホール134、ビームスプリ
ッタ135、レンズ136、合焦レンズ137、コリメ
ートレンズ138、全反射ミラー172、模型眼ユニッ
ト部材173、ピンホール140、レンズ141、ホト
センサ142を有する。レーザダイオード130は低コ
ヒーレント長のもので、そのコヒーレント長は、例え
ば、0.05mm〜0.1mmのものを使用する。レー
ザダイオード130を出射されたレーザ光は、レンズ1
33によってピンホール134に集光される。ピンホー
ル134は準点光源としての役割を果たす。なお、光源
としては、レーザダイオード130の代わりにスペクト
ル幅の狭いLED等を用いてもよい。
【0013】ピンホール134を通過したレーザ光は、
ビームスプリッタ135によってレンズ136に向かう
光束と、コリメートレンズ138に向かう光束とに分割
される。レンズ136は、合焦レンズ137、ダイクロ
イックミラー115と共に測定光路171を構成してい
る。コリメートレンズ138は、全反射ミラー172、
模型眼ユニット部材173と共に参照光路174を構成
している。
【0014】レンズ136は、ピンホール134を通過
したレーザ光をコリメートする役割を果たす。レンズ1
36によってコリメートされたレーザ光は、測定光束と
して合焦レンズ137に導かれる。合焦レンズ137
は、光軸方向に移動可能とされ、被検眼103に対する
屈折力補正部材としての役割を果たす。合焦レンズ13
7は合焦レンズ駆動部200によって移動され、合焦レ
ンズ137の移動量は例えば、駆動部200のモータの
回転に伴ってパルス列を出力するエンコーダの出力信号
をカウントし、そのカウント数から検出する構成となっ
ているものとする。合焦レンズ137を通過した測定光
束は、ダイクロイックミラー115、対物レンズ104
を経由して被検眼103に導かれ、後述する屈折力補正
を行うことにより、眼底152上に収束される。
【0015】合焦レンズ137は眼底反射光をコリメー
トする機能を果たし、コリメートされた眼底反射光は、
レンズ136、ビームスプリッタ135を経由してピン
ホール140にリレーされる。ピンホール140は、ピ
ンホール134とビームスプリッタ135の反射面に関
して共役であり、ピンホール134と眼底152上のス
ポット光は共役であるので、被検眼103に対して測定
装置のアライメントが多少ずれても、眼底反射光はピン
ホール140を通過できる。
【0016】コリメートレンズ138によってコリメー
トされたレーザ光は、全反射ミラー172によって模型
眼ユニット部材173に導かれる。模型眼ユニット部材
173は、参照光路174の光路長と測定光路171の
光路長とが同じになるように光軸方向に移動可能とされ
ている。この模型眼ユニット部材173は、レンズ17
5、反射ミラー176、可動枠体177から概略構成さ
れている。模型眼ユニット部材173は、その移動に伴
って生じるぶれによる反射光束の偏向を解消するために
用いたものであり、原理的には単なる可動ミラーを用い
ても構わない。反射ミラー176で反射された参照光束
は、同一光路をたどってビームスプリッタ135を経由
し、測定光束と合成されてピンホール140にリレーさ
れ、そのピンホール140を通過した光束は、レンズ1
41によってフォトセンサ142に収束される。
【0017】模型眼ユニット部材173を移動させて、
参照光路174と測定光路171との光路差がレーザダ
イオード130のコヒーレント長以下になると、参照光
束と測定光束とが干渉を起こし、模型眼ユニット部材1
73の移動速度とレーザダイオード130の発振波長と
に応じた干渉信号が得られる。そして、繰り返し干渉信
号が観察できるように、例えば、毎秒10往復程度の速
度で模型眼ユニット部材173を駆動するものとする。
干渉波形は、参照光路174と測定光路171との光路
差が、レーザダイオード130の発振波長の1波長分変
化するごとに正弦波的に変化し、参照光路174と測定
光路171との光路長が等しくなった時、最も強い干渉
が得られる。つまり、最も強い干渉が得られた時の参照
光路174の光路長が測定光路171の光路長に等し
く、模型眼ユニット部材173の反射ミラー176の位
置がビームスプリッタ135の反射面に対して眼底15
2と同一の位置になる。
【0018】ホトセンサ142の出力は、図3に示すよ
うに、増幅器150を介して波形整形回路178に入力
され、干渉信号のピーク位置を検出し、そのピーク時の
模型眼ユニット部材173の反射ミラー176の位置か
ら、眼底152の位置を測定することができる。ここ
で、レーザダイオード130のコヒーレント長を0.1
mmと仮定すれば、干渉信号のピーク位置の検出は、コ
ヒーレント長である0.1mmの数分の一の分解能で決
定でき、眼内寸法の測定に十分な精度を得ることができ
る。
【0019】次に、図3ないし図7を参照しつつ信号処
理の詳細について説明する。
【0020】眼底152からの反射光としての測定光束
は、参照光束に比べて微弱光であり、光量差がある。し
かし、両光束を干渉させて干渉信号として測定するの
で、フォトセンサ142の暗電流に基づくノイズ成分を
除去することができ、効率よく信号成分を検出すること
ができる。そのため、増幅器150は、フォトセンサ1
42の干渉信号の交流成分のみを増幅する。
【0021】この時得られる干渉信号C4 は、図4に示
すように、0Vを中心とした交流波形となるが、ショッ
トノイズ等のランダムノイズに埋もれているため、その
ままでは干渉信号C4 が得られた時の模型眼ユニット部
材173の位置を検出することが困難である。しかし、
干渉信号C4 の周波数fは、模型眼ユニット部材173
の移動速度Vとレーザダイオード130の発振波長λ0
によって次式により決まる。
【0022】f=2・V/λ0 ここで、模型眼ユニット部材173の移動量を適当にと
れば、測定中の移動速度Vは一定と考えてよく、周波数
fを装置定数とすることができる。
【0023】従って、干渉信号C4 を上式の周波数fに
合わせたバンドパスフィルタ(BPF)179に通すこ
とにより、ランダムノイズから信号成分のみを抽出する
ことができる。移動速度Vが一定にできなかった場合に
は、バンドパスフィルタ179の代わりに移動速度の変
化に合わせたトラッキングフィルタを使用すればよい。
【0024】模型眼ユニット部材173の反射ミラー1
76の位置Xを横軸にとり、ホトセンサ142の出力電
圧を縦軸にとると、バンドパスフィルタ179から上記
の干渉信号C4 が得られる。干渉信号C4 は全波整流回
路180に入力され、図5に示す整流波形C5 に整形さ
れる。その整流波形C5 は平滑回路181に入力され、
図6に示す平滑波形C6 とされる。
【0025】平滑波形C6 は、ピークホールド回路18
2を介して比較回路183に入力されると共に直接比較
回路183に入力される。ピークホールド回路182
は、平滑波形C6 よりもΔVだけ低い電圧をピーク電圧
として保持し出力する。従って、ピークホールド回路1
82は、図7に示すような波形C7 を出力する。比較回
路183は、波形C6 と波形C7 とを比較し、波形C7
が波形C6 よりも大きくなった位置X0 で出力がLから
Hになり、ステップ信号C8 を出力することになる。
【0026】ここで、ΔVが平滑波形C6 の出力ピーク
レベルVに対して十分に小さければ、比較回路183の
出力信号の反転する位置X0 の本来のピーク位置Xpと
のずれ量dは十分小さいと考えてよく、比較回路183
の出力信号が反転する時の模型眼ユニット部材173の
位置X0 を、干渉が最も強く生じている時の模型眼ユニ
ット部材173の位置(干渉信号がピークの時の模型眼
ユニット部材173の位置)としてよい。
【0027】比較回路183の出力信号は、ラッチ回路
184、制御回路157に入力される。模型眼ユニット
部材173は、ユニット駆動部185により駆動され、
位置検出回路186によりその位置データが検出され
る。ラッチ回路184は、模型眼ユニット部材173の
移動量を表す位置検出回路186の位置データをラッチ
する。位置検出回路186は、例えば、ユニット駆動部
185のモータの回転に伴ってパルス列を出力するエン
コーダの出力信号をカウントし、そのカウント数から模
型眼ユニット部材173の移動量を検出する構成とすれ
ばよい。また、模型眼ユニット部材173に直接セット
されたリニアエンコーダの出力信号をカウントしてもよ
い。
【0028】従って、ラッチ回路184は、干渉信号C
4 が最も強く現れた時の模型眼ユニット部材173の位
置データを保存する。その位置データは、演算部128
に入力され、基準位置Y(特開平4−35637号公報
の明細書の上記頁参照)から眼底152までの距離が測
定される。また、特開平4−35637号公報に記載さ
れているように、角膜位置測定系100により基準位置
Yから角膜頂点120Pまでの距離を測定することが可
能なため、両測定結果から眼内寸法を測定することがで
きる。測定結果は表示部164に表示される。
【0029】ここで、被検眼103の微動の影響を除去
するために、両測定が同時に行われる必要があるが、比
較回路183の出力信号を角膜位置測定系100のスタ
ート信号として使用し、制御回路157がスタート信号
を検出すると同時に、二次元イメージセンサ107のリ
ング像i1 ,i2 のデータをデータ読取り回路128の
ゲートアレイ162を介してフレームメモリ163に取
り込むことにより、同時測定を行うことができる。
【0030】バンドパスフィルタ179、全波整流回路
180、平滑回路181、ピークホールド回路182、
比較回路183を有する波形整形回路178は、角膜位
置測定系100のスタート信号生成部としての機能を果
たす。
【0031】次に、屈折力補正について説明する。
【0032】本測定装置は、アライメント操作と共に被
検眼103の屈折力補正を行う。なお、屈折力補正は、
一度被検眼103に対して行えば再調整する必要はな
く、さらに、装置のアライメントが完全でなくても、概
略行われていれば補正を行うことができ、装置のアライ
メントを困難にすることはない。
【0033】ここで、屈折力補正の説明の前に、被検眼
103への光束の収束状態を被検眼に乱視があるものと
して図8(イ)の模式図を参照しつつ説明する。
【0034】この図8(イ)において、符号q1は点光
源(ピンホール)、q2は被検眼の角膜120に入射直
後の強主経線方向の焦線、q3は最小錯乱円、q4は弱
主経線方向の焦線、q5は強主経線方向の焦線が光軸o
nを横切る位置と最小錯乱円q3の位置との中間の測定
光束の状態を示している。この図8(イ)において焦線
q2、q4の幅tはピンホールの直径rとほぼ同径とす
る。
【0035】被検眼103が正視眼又は乱視のない近視
眼若しくは遠視眼の場合には、最小錯乱円q3の位置の
光量が最大である。すなわち、眼底152に最小錯乱円
q3を位置させれば眼底からの反射光量が最大となる。
被検眼103が大きな乱視を有するときは、強主経線方
向の焦線q2が光軸onを横切る位置、弱主経線方向の
焦線q4が光軸onを横切る位置、最小錯乱円q3の位
置に眼底152が位置するときに極小値となり、その中
間に眼底152が位置するときに光量が極大となる(図
8(ロ)を参照)。この場合、眼底152からの反射光
束は、模型眼ユニット部材173の反射ミラー176か
らの反射光束と合成され干渉信号となる。反射ミラー1
76からの反射光束は一定の光量であるので、干渉信号
の振幅量は眼底152からの反射光の光量によって変化
することになる。つまり、干渉信号の振幅量が最大とな
った時、眼底152からの反射光が最大となり、被検眼
103の屈折力に対する補正がなされたとすることがで
きる。より詳細には、ホトセンサ142から得られる干
渉信号を観察しつつ、合焦レンズ137を光軸方向に移
動させると、被検眼103に乱視がない場合には1個の
極大値が得られ、被検眼103に乱視がある場合には、
2個の極大値が得られる。
【0036】被検眼103が正視眼でない場合、例え
ば、被検眼103が乱視のない近視の時は、図9に示す
ように、被検眼103に平行光束として入射した測定光
束は眼底152の手前で最小錯乱円q3ができる位置と
なり、被検眼103が乱視のない遠視の時は、図10に
示すように、眼底152の奥側で最小錯乱円q3ができ
る位置となる。即ち、被検眼103が近視、遠視の時
は、平行光束として被検眼103に入射する測定光束は
眼底152上で最小錯乱円q3ができる位置とならず、
ホトセンサ142に得られる干渉信号は、眼底152上
で光束が広がっている分だけ減少する。
【0037】合焦レンズ移動部200は、屈折力補正部
として機能し、屈折力補正に際し一旦合焦レンズ137
を所定範囲内で移動させ、ピークホールド回路182か
らの出力が最大となった時の合焦レンズ137の位置を
記憶しておき、その後、合焦レンズ137をその記憶位
置に移動させることで屈折力補正を実行する。
【0038】即ち、被検眼103が乱視のない近視の時
は、図11に示すように、合焦レンズ137をダイクロ
イックミラー115に近づける方向に移動させ、測定光
束を発散光束とし、ホトセンサ142から得られる干渉
信号の振幅が最大になる位置、つまり、眼底152上に
最小錯乱円q3ができるように合焦レンズ137を移動
させる。また、逆に、被検眼103が乱視のない遠視の
時は、図12に示すように、合焦レンズ137をダイク
ロイックミラー115から遠ざける方向に移動させ、眼
底152に測定光束の最小錯乱円q3ができるようにす
ればよい。屈折力測定は、予め設定された合焦レンズ1
37の基準位置と記憶された合焦レンズ137の位置ま
での移動量により、被検眼103の屈折力Dを屈折力測
定部として機能する制御回路157、演算部158を用
いて求めることができる。
【0039】すなわち、干渉信号の極大値が1個の場合
には、対物レンズ104の焦点距離をfとし、対物レン
ズ104の焦点位置Fから合焦レンズ137による測定
光束の収束位置までの距離をxとすると、被検眼103
の屈折力(ディオプター)Dは、次式で求まる。
【0040】D≒x/(f・(f+x)) (ただし、x、fはメートル表示とする) 合焦レンズ移動部200のモータにはパルスモータを用
いれば、入力パルス数に基づいて合焦レンズ137の移
動量を検出できる。また、合焦レンズ移動部200のモ
ータの回転に伴って回転するエンコーダのパルス信号を
カウントし、そのカウント数から合焦レンズ137の移
動量を検出する構成、合焦レンズ137に直接セットさ
れたリニアエンコーダの出力信号をカウントして、移動
量を検出する構成としてもよい。
【0041】次に、干渉信号の極大値が2個得られた場
合には、被検眼103に乱視があるとして、2つの極値
の中間位置、又は干渉信号の極小値が得られたときに眼
底152に最小錯乱円q3ができることとなる。合焦レ
ンズ137を可動させて測定光束を点F´に収束させた
とき、弱主経線方向の焦線q4が眼底152にできたと
する。このとき焦点Fから点F´までの距離をX2とす
る。また、合焦レンズ137を可動させて測定光束を点
F´´に収束させたときに、強主経線方向の焦線q2が
眼底152にできたとする。このとき点F´´から焦点
Fまでの距離をX3とする。この場合には、被検眼10
3の球面度数Sと円柱度数Cは以下の式により求められ
る。
【0042】S≒X2/{f・(f+X2)} C≒X3/{f・(f+X3)}−S 以上の実施例では、干渉信号に基づき極大極小を判断す
ることにしたが、遮蔽板187を参照光路174に挿入
し、眼底152からの反射光のみに基づいて極大極小を
判断してもよい。
【0043】乱視軸角度Aは、測定光束の収束位置を変
化させたときに2つの極大値が得られたときに行うもの
とする。
【0044】このときには、図1に示すピンホール14
0を、図13(イ)ないし図13(ハ)に示すスリット
板201に交換し、参照光がホトセンサ142に戻らな
いように遮光板187を参照光路174に挿入する。次
に、合焦レンズ137を強主経線方向の焦線q2が眼底
152にできる位置(又は弱主経線方向の焦線q4が眼
底152にできる位置)まで移動させる。そして、スリ
ット駆動部(図示を略す)により、スリット板201を
光軸を中心に回転させる。そして、被検眼103からの
眼底反射光のみをホトセンサ142により受光し、その
出力信号が最大(眼底反射光量が極大)となる時の回転
角位置にスリット板201のスリット202を位置させ
ることによって、乱視軸角度Aを求めることができる。
というのは、スリットの長手方向が図13の(ロ)に示
すように強主経線方向(又は弱主経線方向)と一致すれ
ば、ホトセンサ142の受光量が最大となり、スリット
の長手方向が図13の(ハ)に示すように強主経線方向
(又は弱主経線方向)と直交すればホトセンサ142の
受光量が極小となるからである。従って、ホトセンサ1
42の受光量が最大となったときの回転角と直交する方
向を乱視軸角度として求めることができる。スリット板
201の回転角は、スリット駆動部にパルスモータを用
い、入力パルス数に応じたスリット板201の回転角を
検出すればよい。また、モータの回転に伴ってパルス列
を出力するエンコーダの出力信号をカウントし、そのカ
ウント数からスリット板201の回転角を検出してもよ
い。
【0045】この場合、増幅器150は、ホトセンサ1
42の出力信号の交流成分のみを増幅する構成であるの
で、干渉信号を検知することができても、このままでは
眼底152からの反射光量を検知することができない。
そこで、眼底152からの反射光量を検知して、屈折力
S,円柱度数C、乱視軸角度Aを求める時には、レーザ
ダイオード130をレーザ駆動部153によりパルス駆
動し、眼底152からの反射光を交流成分として検出す
るようにすればよい。
【0046】この方法によれば、ホトセンサ142の構
成を変更することなく簡単に眼底152からの反射光量
のみを検出することができる。さらに、パルス駆動する
周波数をバンドパスフィルタ179の周波数fに合わせ
ることにより、効率よくその信号成分を検出することが
できる。
【0047】ホトセンサ142の出力信号は、増幅器1
50を介してバンドパスフィルタ179に入力され、整
流・平滑され、ピークホールド回路182に入力されて
いる。ピークホールド回路182のホールド時間を適当
な値に設定すれば、そのピークホールド回路182の出
力信号をそのままレベル表示回路160で表示し、その
レベルが最大になるようにスリット板201を回転させ
ればよい。
【0048】このようにすれば、被検眼103の屈折
力、角膜曲率半径、および眼内寸法を一度の測定で短時
間に精度よく容易に測定することができる。なお、干渉
光学系101による眼底位置測定、角膜位置測定系10
0による角膜頂点位置測定の詳細な説明については、特
開平4−35637号の実施例を参照されたい。
【0049】図14は、参照光路174に円柱レンズ2
03を挿入し、スリット板201のスリット202の長
手方向と円柱レンズ203による焦線が延びる方向とを
一致させ、円柱レンズ203とスリット板201とを同
期して回転させる構成とする。そして、合焦レンズ13
7を強主経線方向の焦線q2が眼底152にできる位置
(又は弱主経線方向の焦線q4が眼底152にできる位
置)まで移動させ、円柱レンズ203とスリット板20
1とを同期して回転させる。これにより、干渉信号の強
度を変化させ、干渉信号の強度が最大となったときの円
柱レンズ203の回転角を乱視軸方向として求めること
ができる。円柱レンズ203の駆動部にはスリット駆動
部と同一の構成を採用できる。
【0050】有害光の光量が少ない場合には、乱視軸角
度Aの測定に際しては、ピンホール140を除去して回
転スリット板201を挿入しなくともよく、また、ピン
ホール140の径を大きめのものと交換してもよい。
【0051】以上は、合焦レンズ137の移動量に基づ
く屈折力測定方式について述べた。しかし、合焦レンズ
137の移動に要する時間量に基づいても屈折力を測定
することができる。
【0052】この場合には、予め設定された合焦レンズ
137の基準位置と記憶された合焦レンズ137の位置
までの移動に要した時間量により被検眼103の屈折力
(球面度数S)を求めればよい。すなわち、合焦レンズ
移動部200のモータは等速駆動され、合焦レンズ13
7の基準位置、例えば、0ディオプターの合焦基準位置
からホトセンサ142により得られる干渉信号の振幅、
あるいは眼底反射光量が最大になる位置までの移動に要
した時間量を検出する構成とすればよい。
【0053】また、被検眼103が乱視の時は、干渉信
号の振幅、あるいは眼底反射光量が最大になる位置のう
ち、強主経線方向と弱主経線方向の合焦レンズ137の
位置までの時間量をそれぞれ記憶し、それぞれの位置ま
での移動に要した時間量の差分により、被検眼103の
屈折力(円柱度数C)を求めるようにすればよい。
【0054】
【発明の効果】本発明の被測定眼寸法測定装置によれ
ば、被検眼の屈折力、角膜曲率半径および眼内寸法を一
度の測定で短時間に精度よく容易に測定することがで
き、限られた空間を有効に利用するという省スペース化
をもたらすことができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の被測定眼寸法測定装置の光学図であ
る。
【図2】図1の二次元イメージセンサに形成されたリン
グ像を示す図である。
【図3】本発明の被測定眼寸法測定装置の要部回路図で
ある。
【図4】図1のホトセンサから出力される干渉波形図で
ある。
【図5】図4の干渉波形の全波整流波形図である。
【図6】図5の全波整流波形の平滑波形図である。
【図7】図3に示す比較回路の作用を説明するための信
号波形図である。
【図8】被検眼に乱視がある場合の測定光束の結像状態
を示す光束図である。
【図9】被検眼が近視の時の測定光束を示す模式図であ
る。
【図10】被検眼が遠視の時の測定光束を示す模式図で
ある。
【図11】近視の場合の屈折力補正を説明するための模
式図である。
【図12】遠視の場合の屈折力補正を説明するための模
式図である。
【図13】乱視軸角度の測定の一例を示す図であって、
(イ)はその光学系の部分構成図(ロ)、(ハ)はスリ
ット板の平面図である。
【図14】乱視軸角度の測定の他の例を示す光学系の部
分構成図である。
【符号の説明】
100 角膜位置測定系 101 干渉光学系 103 被検眼 130 レーザダイオード(光源) 137 合焦レンズ(屈折力補正部構成要素) 142 ホトセンサ(受光部) 157 制御回路(被測定眼寸法測定部、屈折力測定
部) 158 演算部(被測定眼寸法測定部、屈折力測定部) 200 合焦レンズ移動部(屈折力補正部)
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 3/10 - 3/18

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源からの光を眼内対象物と参照面とに
    向けて射出しかつ該眼内対象物と該参照面とにより反射
    された各反射光を合成して干渉させる干渉光学系と、
    干渉光を受光し干渉信号を出力する受光部と、該受光
    部からの信号に基づいて被測定眼の寸法を測定する被測
    定眼寸法測定部と、前記干渉信号の強度変化に基づいて
    前記眼内対象物への光束の集光状態を変化させて被測定
    眼の球面度数及び乱視度数に対する屈折力補正を行う屈
    折力補正部と、該屈折力補正部によって補正された際の
    前記眼内対象物への光束の集光状態に基づいて前記干渉
    信号の振幅又は前記眼内対象物からの反射光量が1つの
    極大値を持つ場合にはその極大値から屈折力を求め、前
    記干渉信号の振幅又は前記眼内対象物からの反射光量が
    2つの極大値を持つ場合にはそのいずれか一方の極大値
    から球面度数を求め、前記他方の極大値についての屈折
    力と前記球面度数との差から円柱度数を求める屈折力測
    定部と、から構成されていることを特徴とする被測定眼
    寸法測定装置。
  2. 【請求項2】 前記屈折力補正部は、前記干渉信号の強
    度に基づいて、前記干渉光学系を形成するレンズ部を光
    軸方向に移動させることにより、前記眼内対象物への光
    束の集光状態を変化させて被測定眼の屈折力補正を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の被測定眼寸法測定装
    置。
  3. 【請求項3】 前記屈折力補正部は、前記干渉信号の振
    幅又は前記眼内対象物からの反射光量が極値となるよう
    に前記眼内対象物への光束の集光状態を変化させること
    により屈折力補正を行う構成であることを特徴とする請
    求項1に記載の被測定眼寸法測定装置。
  4. 【請求項4】 前記光源は、屈折力補正時には、パルス
    点灯されることを特徴とする請求項1に記載の被測定眼
    寸法測定装置。
  5. 【請求項5】 前記被測定眼からの反射光のみが受光部
    へ入射する構成とし、前記受光部の前方に回転自在のス
    リットを設け、合焦レンズが弱主経線又は強主経線付近
    に移動した際に、このスリットを回転させて眼底反射光
    のみの強度を求め、該眼底反射光の強度が最大となる角
    度方向と直交する方向を乱視軸角度として求めることを
    特徴とする請求項2に記載の被測定眼寸法測定装置。
  6. 【請求項6】 前記参照面に向かう光路の途中に回転自
    在の円柱レンズを配置し、前記合焦レンズが弱主経線又
    は強主経線に対応する付近に移動された際に、前記円柱
    レンズを回転させて干渉信号の強度を求め、該強度が最
    大となる前記円柱レンズの最大屈折力方向を乱視軸角度
    として求めることを特徴とする請求項1に記載の被測定
    眼寸法測定装置。
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