JP3503426B2 - 合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 - Google Patents
合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法Info
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Description
優れた自動車車体用合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方
法に関する。
に優れ、また、安価に製造可能であることから自動車用
鋼板として多用されている。しかし、鋼板の量産に当っ
てはラインの合金化炉の能力がネックとなりライン速度
を上昇させることができず、またライン速度を上げたと
しても合金化が十分終了しない未合金材ができたりする
といった問題がある。特に、高強度化のために鋼中にP
を添加した鋼板では合金化の遅滞は顕著である(例えば
「鉄と鋼」:vol68、1400)。
させ、合金化時間を長くする方法、炉温を上昇させる方
法、亜鉛浴中Al濃度を低下させる方法、亜鉛浴温度を
変更する方法、鋼中にTiを添加し、合金化を促進する
方法などが知られている。しかし、ライン速度の低下は
生産性を悪くし、炉温の上昇による方法では合金化の制
御が難しく反対に過合金になりやすい。過合金になると
めっきの密着性が低下するといった悪影響が問題とな
る。また、浴中Alや浴温を変更することは時間がかか
り、様々な鋼種をめっきする連続溶融亜鉛めっきライン
においては非効率的であること、また、ドロスと呼ばれ
るFe−ZnやFe−Alといった固形物が生成しやす
く鋼板に付着して欠陥となるため、亜鉛浴の状態はなる
べく一定に保った方がよい。また、鋼中に多量のTiを
添加することは目的とした強度が得られるかわからない
こと、耐2次加工脆性が劣化することが問題となり、ま
た、少量のTiでは合金化促進の効果は少ない。
解決すべく、様々な条件を変更し実験を行ったところ、
溶融めっきを行う前の焼鈍時の条件が合金化速度に大き
く影響を与えていることがわかった。特に再結晶焼鈍時
の還元性雰囲気の露点を高くすることにより高速合金化
が可能であることがわかった。
目的とするものである。
達成するためになされたもので、その技術手段は、連続
溶融亜鉛めっきラインにおいて、再結晶焼鈍時の600
℃から最高温度到達後さらに冷却段階700℃までにお
ける還元性雰囲気の露点を0℃以上+20℃以下とし、
溶融亜鉛めっき浴に浸漬する直前の雰囲気の露点を−2
0℃以下として、溶融亜鉛めっきを行い、さらに合金化
することを特徴とする合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造
方法である。この場合にPを0.01重量%以上含有す
る鋼を用いると、ライン速度の上昇は顕著であり、好適
である。
更することによりMnやSiとPの表面濃化挙動が異な
り、特にPが表面濃化し易い領域で合金化が促進するこ
とを見出した。ここでいう表面濃化とは、鋼中成分が鋼
板表面に移動して鋼板表面の酸素と結合し、酸化物を形
成することである。
700℃に至る間の露点を変更した鋼板の合金化速度を
図1に示した。図1は合金化温度と時間を一定にし、め
っき層中のFe量をプロットしたものであり、めっき層
中の鉄量が多いほど合金化速度が速いといえる。−10
℃以上では急激に速くなっていることがわかる。そこ
で、図2に露点と表面濃化の関係を示す。表面濃化量と
してはMn、Si、PともGDS(グロー放電発光分光
分析)による表層強度積算値を用いた。MnやSiは露
点が−30℃〜−40℃で表面濃化量が多く、それより
も低温側でも高温側でも表面濃化量は減少する。それに
対し、Pでは−10℃以下では表面濃化はほとんど見ら
れず、0℃以上の高温側で表面濃化が増加している。こ
のPの表面濃化物をESCA(X線光電子分光分析)に
て測定した結果を図3に示す。低温側では見られなかっ
たピークが+10℃では観察され、そのピーク位置から
リン酸であると考えられる。
Siの表面濃化物は鉄の拡散を阻害する、つまり合金化
を遅くすると考えられているが、焼鈍時の露点0℃以上
での合金化速度の急激な変化はMnやSiの表面濃化量
の現象だけでは説明できない。そのため、AES(オー
ジェ電子分光)内で鋼板の脆性破断を行い、極表層粒界
のP量を測定した。結果を表1に示す。露点が0℃以上
の高温側では表層部の粒界P量が減少していることがわ
かる。これは、高露点で、Pが酸化して表面に濃化した
ため、表層部の固溶Pが減少したものと考えられる。
が合金化速度に及ぼす影響は少なく、反対に表面濃化す
ることによって表層部の固溶P量が減少したため、鉄の
拡散が速くなり、合金化速度が速くなったものと推定さ
れる。露点の上限は図1に示す合金化速度の飽和と、表
面における鉄酸化物の生成によるめっき密着性の劣化よ
り、+20℃とする。
種々の試験の結果、高露点であると亜鉛浴面の酸化膜の
発生が多く、スリキズなどの表面欠陥になりやすいた
め、−20℃以下とするのがよい。ここでいう、めっき
直前とは通常スナウトと呼ばれる部分を通過するときで
あり、冷却帯の後の鋼板が亜鉛浴に導かれる部分であ
る。
み効力を発揮するものではなく、意図的にPを添加して
いない鋼中P量が0.01重量%程度の鋼板においても
十分な効果が見られている。0.01重量%P鋼では高
露点にすることにより20〜30%程度のライン速度の
上昇が可能であり、0.04重量%のP添加鋼では30
〜60%程度合金化促進効果が観察されている。
以上のH2 を含むN2 雰囲気中が適当であり、焼鈍加熱
時の600℃以下の露点は特に規定するものではない。
また、焼鈍後冷却時の700℃以下の露点は、めっき直
前の雰囲気を−20℃以下とするため、700℃での露
点とめっき直前の露点との間であるのが通常である。た
だし、それを規定するものではない。
続鋳造によりスラブとした。このスラブをスラブ加熱温
度(SRT)1250℃に加熱し、熱延工程の最終仕上
げ温度を900℃とし、550℃にて巻き取り、3.2
mm厚の熱延板コイルを作成した。酸洗で黒皮を除去し
た後、冷間圧延を行い0.8mm厚の冷延鋼板とした。
この冷延鋼板を連続溶融亜鉛めっきラインにおいて焼鈍
条件を表3のように変化させ合金化溶融亜鉛めっき鋼板
を作成した。合金化速度の評価は合金化が終了するため
の最高ライン速度を用いた。ここで合金化終了とはめっ
き層中Fe%が8.6%以上10.7%以下となったと
きをいう。
た。めっき浴条件は、浴中Al濃度を0.140重量
%、浴温460℃〜470℃、侵入板温度460℃〜4
80℃、合金化温度を530℃一定とした。また、亜鉛
付着量は45〜55g/m2 とした。品質試験としては
めっきの密着性を90度曲げ戻し試験で確認を行った。
鋼板の製造方法において、ライン速度を高めて生産性を
向上させることができると共に、めっきの品質劣化を防
止することができる。
示すグラフである。
表面濃化量との関係を示すグラフである。
ESCA分析チャートである。
Claims (2)
- 【請求項1】 連続溶融亜鉛めっきラインにおいて、再
結晶焼鈍時の600℃から最高温度到達後さらに冷却段
階700℃までにおける還元性雰囲気の露点を0℃以上
+20℃以下とし、溶融亜鉛めっき浴に浸漬する直前の
雰囲気の露点を−20℃以下として、溶融亜鉛めっきを
行いさらに合金化することを特徴とする合金化溶融亜鉛
めっき鋼板の製造方法。 - 【請求項2】 Pを0.01重量%以上含有する鋼を用
いることを特徴とする請求項1記載の合金化溶融亜鉛め
っき鋼板の製造方法。
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JP16850497A JP3503426B2 (ja) | 1997-06-25 | 1997-06-25 | 合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP16850497A JP3503426B2 (ja) | 1997-06-25 | 1997-06-25 | 合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH1112708A JPH1112708A (ja) | 1999-01-19 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP16850497A Expired - Fee Related JP3503426B2 (ja) | 1997-06-25 | 1997-06-25 | 合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 |
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1997
- 1997-06-25 JP JP16850497A patent/JP3503426B2/ja not_active Expired - Fee Related
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