JP3503158B2 - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

半導体装置およびその製造方法

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JP3503158B2
JP3503158B2 JP28819993A JP28819993A JP3503158B2 JP 3503158 B2 JP3503158 B2 JP 3503158B2 JP 28819993 A JP28819993 A JP 28819993A JP 28819993 A JP28819993 A JP 28819993A JP 3503158 B2 JP3503158 B2 JP 3503158B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、絶縁基板上に設けた薄
膜半導体層(以下薄膜SOI層と称する)に、電界効果
トランジスタ(以下MOSFETと称する)とバイポー
ラトランジスタとを複合形成した半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】n型MOSFET(以下nMOSと称す
る)とp型MOSFET(以下pMOSと称する)とを
組み合わせた相補型MOSFET(以下CMOSと称す
る)は、その高集積性・低消費電力性により、従来より
多くの論理回路の構成単位として用いられている。この
CMOSとバイポーラトランジスタとを混在させたBi
CMOSは、電流供給能力を向上することができるので
CMOSに比較してより高速な動作速度を有し、高速性
の要求される論理回路へ応用されている。
【0003】図3にBiCMOSのひとつであるBiN
MOSゲート回路の基本構成を示す。いまpMOS31
がオンすると、これを流れる電流によってnpnバイポ
ーラトランジスタ32がオンし、バイポーラトランジス
タ32の持つ電流増幅機能によってpMOS31のみの
ときよりも大きい電流が電源電圧端子35と出力端子3
6の間にバイポーラトランジスタ32を通して流れる。
すなわち電流供給能力が向上し、これによって動作速度
が高速化される。
【0004】ところがこの構成においては論理ゲートひ
とつ当たりのトランジスタ数が増加する。従ってCMO
Sの有していた高集積性の利点は犠牲にされなければな
らない。そこでpMOSとnpnバイポーラトランジス
タを複合した半導体装置を形成して集積度の向上を図る
技術がO. Kennethらによる"PMOS Input Merged Bipolar
/Sidewall MOS Transistors (PBiMOS Transistors)" IE
EE Electron Device Letters, vol. 12, p. 68, 1991、
と題する論文において開示されている。
【0005】図13にその断面図を、図2にこの半導体
装置が実現する回路を示す。pMOSは多結晶シリコン
ゲート131、ソース132、ドレイン133、チャネ
ル134、およびゲート酸化膜139より構成され、n
pnバイポーラトランジスタはエミッタ135、ベース
133、コレクタ134、136より構成される。ソー
ス132とコレクタ136は電極137によりバッティ
ングコンタクトされる。
【0006】この半導体装置の動作原理を説明する。ゲ
ート131にバイアスが印加されチャネル134がオン
するとソース132からドレイン133に電流が流れ
る。つまりドレイン133に正孔が注入される。これは
ベース133に正孔が注入されることを意味し、これに
よりエミッタ135からコレクタ134、136に電子
が流れる。この電子電流は、バイポーラトランジスタの
電流増幅機能により、ソース132とドレイン133と
の間の正孔電流より大きくなる。結果として電極137
から電極138に向かって流れる電流は単体のpMOS
によって達成される電流供給能力よりも大きくなる。
【0007】この構成においてはドレインとベースが領
域133により構造的に接続されており金属配線を施す
必要がない。このため従来ベース電極を引き出すために
要していた分の面積を削減することができる。多結晶シ
リコンゲート131とソース132を形成するための若
干の余分な面積が必要になるが、ベース電極面積が削減
されているため、結局この複合素子の面積は単体のnp
nバイポーラトランジスタの面積と殆ど変わらない。す
なわちpMOSとnpnバイポーラトランジスタを別々
に形成したのと比べて、pMOSの形成に要する面積を
節約できることになる。
【0008】一方、高速動作という観点から薄膜SOI
層に形成されるCMOSが近年注目されている。薄膜S
OI層に形成されたCMOSにおいては、寄生容量が減
少する効果やチャネルの実効移動度が増加する効果が大
きいためである。従って、薄膜SOI層上にCMOSの
みならずバイポーラトランジスタを形成しBiCMOS
を構成すれば極めて高速な動作速度を有する半導体素子
を実現できると期待されている。
【0009】ところで、バイポーラトランジスタは、通
常、基板の表面から縦方向にエミッタ、ベース、コレク
タ領域を順次層状に形成した縦型構造として、コレクタ
電流を基板に対して縦方向に流すようにした構成が一般
的である。ところが、薄膜SOI層の膜厚は極めて薄い
(〜100nm)ため、薄膜SOI層に縦方向にバイポ
ーラトランジスタを形成することは現在の技術では不可
能である。
【0010】そこで、このような薄膜構造においては、
薄膜SOI層の膜面に平行にエミッタ、ベース、コレク
タ領域を横方向に並べて構成する横形のバイポーラトラ
ンジスタを形成するようにしている。すると必然的に、
通電方向に対するベース面積を大きく取ることが困難に
なり、縦形バイポーラトランジスタに比較してコレクタ
電流が小さくなってしまうことは否めない。
【0011】そこで、このような横形バイポーラトラン
ジスタにおいては、コレクタ電流を確保するために10
0nm程度の薄いベース領域を制御性良く形成し電流増
幅率を極力大きくする必要がある。そのような構成が、
例えば、1991年電子情報通信学会秋季大会論文集の
pp5−216〜217に記載された「張り合わせSO
I基板を用いた薄いベースを持つ横形バイポーラトラン
ジスタ」に開示されている。
【0012】図14(a)にその断面図および平面図を
示す。絶縁基板141上に、厚さ寸法を150nm程度
とした単結晶シリコンからなる薄膜シリコン層142
(n型の不純物が低濃度で導入されている)が設けら
れ、その上面の一部に絶縁層144が形成されている。
薄膜シリコン層142の絶縁層144に覆われていない
部分と絶縁層144の一部をマスクするように、n型不
純物が高濃度に導入された多結晶シリコン層145およ
びシリコン酸化膜146が形成される。多結晶シリコン
層145はコレクタとして機能する。この多結晶シリコ
ン層145およびシリコン酸化膜146をマスクとして
p型不純物のイオン注入を行いベース領域147を形成
する。次にシリコン窒化膜の側壁絶縁膜148を形成
し、これをマスクとしてn型不純物のイオン注入を行い
エミッタ領域149を形成する。
【0013】図14(a)の平面図である図14(b)
よりわかるように、コレクタ領域150とエミッタ領域
152に挟まれて薄いベース層151が存在し、ベース
電極153はベース領域151の両端から引き出される
構成になっている。このような横形バイポーラトランジ
スタとCMOSを薄膜SOI層上に形成することにより
極めて高速なBiCMOS回路を実現できる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来技術は以下のような不具合を有する。まずpMOS
とnpnバイポーラトランジスタが複合された図13に
示す半導体装置においては、図中にLで示された長さ、
すなわちpMOSのチャネル長が自己整合的に決定され
ず、アライメント精度により決定されるため、精度良い
制御ができず微細化に不適切であるという問題点があ
る。同様に、図中にlで示された長さも、自己整合的に
決定されないため、設計余裕を見込むと必然的に長くな
らざるを得ず、これがゲートとドレインとの間の寄生容
量増大の原因となり動作速度の低下を招くという不具合
がある。
【0015】次に、図14に示す薄膜SOI層上の横形
バイポーラトランジスタにおいては、ベース電極153
をベース領域151の両端から引き出しているためにベ
ース抵抗が大きくなる可能性がある。しかもトランジス
タ領域から横にはみでてベース電極153を形成するた
めに素子面積がかなり大きくなり、高集積度を達成する
上で不利である。
【0016】本発明は上記問題点に鑑み、薄膜SOI層
上に形成することにより高速動作が達成できると共に、
素子面積を小さくすることのできる、MOSFETとバ
イポーラトランジスタとを複合形成した半導体装置を提
供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に成された請求項1記載の本発明の半導体装置は、絶縁
基板と、この絶縁基板上の薄膜半導体層の一部に形成さ
れた第1導電型のチャネル・コレクタ領域と、このチャ
ネル・コレクタ領域上に薄膜絶縁層を介して形成された
ゲート電極と、前記ゲート電極の一方の側壁の下方の前
記薄膜半導体層に前記チャネル・コレクタ領域と隣接し
て形成された第2導電型のソース領域と、前記ゲート電
極の他方の側壁の下方の前記薄膜半導体層に前記チャネ
ル・コレクタ領域と隣接して形成されるとともに、その
ベース幅を決めるその一方の端及び他方の端が、各々、
前記ゲート電極及び前記ゲート電極の前記他方の側壁に
形成された側壁絶縁膜に対して自己整合的に形成された
第2導電型のドレイン・ベース領域と、前記薄膜半導体
層において前記ソース領域と隣接して形成されると共に
前記チャネル・コレクタ領域と電気的に接続して形成さ
れた第1導電型のコレクタ領域と、前記薄膜半導体層に
おいて前記ドレイン・ベース領域と隣接して形成される
と共に、前記チャネル・コレクタ領域とは電気的に絶縁
して形成された第1導電型のエミッタ領域と、前記ソー
ス領域と前記コレクタ領域に同時にコンタクトして配設
されたソース電極と、前記エミッタ領域にコンタクトし
て形成されたエミッタ電極と、を備えることを要旨とす
る。
【0018】また、請求項2記載の本発明は、請求項1
記載において、前記絶縁基板と前記ソース領域との間
に、前記ソース領域が絶縁基板に接触していないように
第1導電型よりなる第2半導体層を備えることを要旨と
する。また、請求項3記載の本発明は、半導体装置の製
造方法であって、絶縁基板上に形成した第1の導電型を
有する低不純物濃度の薄膜半導体層の将来チャネル・コ
レクタ領域が形成される部分上に、ゲート絶縁膜を介し
てゲート電極を形成する第1工程と、前記ゲート電極を
マスクとして、薄膜半導体層の将来ドレイン・ベース領
域が形成される部分及びソース領域が形成される部分を
各々含んだ各領域に第2の導電型の不純物をイオン注入
する第2工程と、 前記ゲート電極の側壁に側壁絶縁膜を
形成する第3工程と、 前記側壁絶縁膜と前記ゲート電極
と将来ソース領域が形成される部分に形成したレジスト
とをマスクとして、前記薄膜半導体層の将来コレクタ領
域が形成される部分及びエミッタ領域が形成される部分
の各々に第1の導電型の不純物をイオン注入する第4工
程と、 前記側壁絶縁膜と前記ゲート電極と前記第4工程
で前記第1の導電型の不純物がイオン注入された領域に
形成したレジストとをマスクとして、前記薄膜半導体層
の将来ソース領域が形成される部分に第2の導電型の不
純物をイオン注入する第5工程と、 然る後、熱処理を行
って不純物イオンを活性化する第6工程と、からなるこ
とを要旨とする。
【0019】
【作用】請求項1記載の半導体装置によれば、ゲート電
極にバイアスが印加されチャネル・コレクタ領域がオン
するとソース領域からドレイン領域に正孔が注入され、
ドレイン領域とベース領域が共通領域になっているが故
にバイポーラトランジスタがオンし、これによりエミッ
タ領域からチャネル・コレクタ領域及びコレクタ領域に
電子が流れる。バイポーラトランジスタの電流増幅機能
により、エミッタ領域からチャネル・コレクタ領域及び
コレクタ領域に流れる電流は単体のMOSFETによっ
て達成される電流供給能力よりも大きくなる。
【0020】この構成においてはドレインとベースが共
通であるドレイン・ベース領域となっているため、ベー
ス電極を形成したり金属配線を施す必要がない。しかも
単体のMOSFETを形成するのに足る面積とほぼ等し
い面積で、MOSFETとバイポーラトランジスタを複
合形成できる。すなわちMOSFETとバイポーラトラ
ンジスタを別々に形成したのと比べて、バイポーラトラ
ンジスタの形成に要する面積を節約できることになる。
【0021】またベース電極を引き出す必要がないた
め、ベース抵抗が増加するという欠点はない。また、ゲ
ートとドレイン(すなわちベース)がオーバラップする
長さはベース幅の程度で非常に短く、ゲートドレイン間
の寄生容量は大幅に低減される。また、単体のMOSF
ETを考えた場合にも、絶縁基板上の薄膜半導体層に形
成されていることで、ソース領域とドレイン領域との寄
生容量が低減され、従来技術の複合素子のように半導体
層上に形成された場合に比べてその動作速度が格段に向
上する。
【0022】また、請求項3記載の半導体装置の製造方
法によれば、通常のMOSFET製造工程にいくつかの
工程をつけ加えるのみで上記の半導体装置を製造するこ
とができるという優れた効果を有すると共に、従来のよ
うにMOSFETとバイポーラトランジスタを別々に形
成する場合に比べて製造工程の整合をとることが容易で
ある。また、ベース幅、チャネル長を決定するのは側壁
を形成する工程とイオン注入工程と熱処理工程のみであ
り、ベース幅、チャネル長共に自己整合的に形成される
ことになる。従ってベース幅、チャネル長を精度良く制
御でき微細化に適する。
【0023】
【実施例】〔第1実施例〕図1は、本発明の半導体装置
の第1の実施例を説明する図であり、図1(a)に断面
図を示し、図1(b)に平面図を示す。断面図におい
て、絶縁基板1は基板2上に酸化膜等の絶縁層3を形成
してなるものであり、この絶縁基板1上に、第1の導電
型であるn型の薄膜半導体層4が形成されている。この
薄膜半導体層4は、膜厚寸法が200nm以下、n型の
不純物濃度が1×1018atm /cm3 以下である。
【0024】この薄膜半導体層4上に酸化膜等の薄膜絶
縁層5が形成され、それを介してゲート電極6が形成さ
れる。また薄膜半導体層4内には、図中左側から、n型
のコレクタ領域7、p型のソース領域8、n型のチャネ
ル・コレクタ領域9、p型のドレイン・ベース領域1
0、n型のエミッタ領域11が配置されている。図1
(b)に示す平面図を見ればわかる通り、コレクタ領域
7とチャネル・コレクタ領域9は電気的に接続され、か
つコレクタ領域7とソース領域8は電極12によってバ
ッティングコンタクトされる。一方、チャネル・コレク
タ領域9とエミッタ領域11はドレイン・ベース領域1
0を間に挟む構成で配置される。なお、13は電極であ
り、14は層間絶縁層、15は側壁絶縁膜である。
【0025】図2に、この半導体装置が実現するpMO
Sとnpnバイポーラトランジスタの複合回路を示す。
図中のpMOSはゲート電極6、ソース領域8、チャネ
ル領域9、ドレイン領域10より構成される。npnバ
イポーラトランジスタはコレクタ領域7および9、ベー
ス領域10、エミッタ領域11より構成される。図2に
おいて、ソース22、チャネル23、コレクタ25が電
気的に接続されているが、これは本発明の半導体装置で
は、コレクタ領域7とチャネル・コレクタ領域9との電
気的接続、およびコレクタ領域7とソース領域8との電
極12によるバッティングコンタクトによって実現され
ている。また、図2において、ドレイン24とベース2
6が電気的に接続されているが、これはドレインとベー
スを共通にしたドレイン・ベース領域10を形成するこ
とによって実現されている。
【0026】ところで、上記半導体装置の製造方法につ
いて、図10〜図12に基づき説明する。図10に示す
ように、n型の薄膜SOI層103上に熱酸化によりゲ
ート絶縁膜104を形成した後、多結晶シリコンを堆積
し、異方性エッチングによってゲート電極105を形成
する。次にゲート電極105をマスクとしてホウ素をイ
オン注入し中濃度(〜1018cm-3)のp型領域を自己
整合的に形成する。イオン注入条件は将来形成されるベ
ース領域を最適にするように決められる。
【0027】次に、図11に示すように、シリコンの酸
化物、窒化物等でゲート電極側壁に側壁絶縁膜106を
形成する。次に将来高濃度p型領域が形成される部分を
レジスト107でマスクする。そしてリンまたはヒ素を
イオン注入し高濃度(>10 20cm-3)のn型領域を形
成する。n型領域108はエミッタ領域となる。同時に
残ったp型領域109がドレイン・ソース領域となる。
これらはゲート電極105および側壁絶縁膜106をマ
スクとし自己整合的に形成される。またコレクタ領域1
11もこのときに形成される。
【0028】次に、図12に示すように、レジスト10
7を除去し、今度は高濃度n型領域108および111
をレジスト114でマスクする。そしてゲート電極10
5および側壁絶縁膜106をマスクとしてホウ素をイオ
ン注入し高濃度(>1020cm-3)のp型領域を自己整
合的に形成する。その後熱処理を行って不純物イオンを
活性化する。この後サリサイド層形成、層間絶縁層形
成、配線を行って当該半導体装置を形成する。
【0029】この製造方法の実施例よりわかるように、
ベース109の幅、チャネル110の長さを決定するの
は、側壁絶縁膜106形成工程とイオン注入工程と熱処
理工程のみであり、両者共自己整合的に形成されること
になる。従ってベース幅、チャネル長を精度良く制御で
き微細化に適している。なお、図12におけるエミッタ
108は、図1のエミッタ領域11に対応し、同様にし
てベース109は図1のドレイン・ベース領域10に対
応する。また、チャネル110がチャネル・コレクタ領
域9に対応し、112、113がソース領域8に対応
し、111がコレクタ領域7に対応し、105がゲート
電極6に対応する。
【0030】以下、上記半導体装置の作動について説明
する。まず、電極12には電極13より高いバイアスが
印加される。ゲート電極6に適切なバイアスが印加され
チャネル9がオンするとソース8からドレイン10に正
孔が注入される。領域10に注入された正孔は、エミッ
タ11、ベース10、コレクタ7、9よりなるnpnバ
イポーラトランジスタをオンし、これによりエミッタ1
1からコレクタ7に電子が流れる。バイポーラトランジ
スタの電流増幅機能により、コレクタ7からエミッタ1
1に流れる電流は単体のpMOSによって達成される電
流、すなわちソース8からドレイン10に流れる電流よ
りも大きくなる。つまり、この半導体装置においては、
単体のpMOSに比べて電流供給能力が大きくなると共
に、これを用いた論理回路の動作速度は高速化される。
【0031】この構成においては、ドレインとベースが
共通領域となっているため、ベース電極を形成したり金
属配線を施す必要がない。しかも単体のMOSFETを
形成するのに足る面積とほぼ等しい面積で、MOSFE
Tとバイポーラトランジスタを複合形成できる。すなわ
ちMOSFETとバイポーラトランジスタを別々に形成
したのと比べて、バイポーラトランジスタの形成に要す
る面積を節約できることになる。
【0032】また、上記の製造方法よりわかるように、
ベース10の幅、チャネル9の長さを決定するのは側壁
形成工程とイオン注入工程と熱処理工程のみであり、両
者共に自己整合的に形成されるために、ベース幅、チャ
ネル長を精度良く制御でき微細化に適した構造である。
また、ゲート電極6とドレイン領域10(すなわちベー
ス)がオーバラップする長さはベース幅の程度で非常に
短く、ゲート6とドレイン10との間の寄生容量は大幅
に低減される。
【0033】また、薄膜SOI層上に形成されているこ
とで、ソースドレイン領域の寄生容量が低減され、従来
技術の複合素子のように半導体層上に形成された場合に
比べその動作速度が向上する。また、ベース電極を横か
ら引き出す必要がないため、ベース抵抗が増加するとい
う欠点はない。
【0034】図3はBiNMOSゲート回路の基本構成
を示す。本発明の半導体装置においては、pMOS31
とnpnバイポーラトランジスタ32とが複合形成され
ており、従来は薄膜SOI層上に別々にpMOS31、
npnバイポーラトランジスタ32、nMOS33の3
つの素子を形成する素子面積が必要とされたのに対し、
本実施例では、上記の半導体装置とnMOS33の2つ
の素子を形成する素子面積があればよいことになる。
【0035】なお、上記の半導体装置の製造方法では、
図10に示すようにイオン注入を行ったが、図15に示
すように斜めイオン注入により薄膜SOI層103にイ
オン注入しても良い。この際、将来、ドレイン・ベース
領域(図11の109)となる領域までイオン注入する
ことが可能なため、図11に示す工程において、側壁絶
縁膜106を設けずにリンまたはヒ素をイオン注入して
も良く、このように側壁絶縁膜106を設けなくても、
ドレイン・ベース領域109を確保することができる。
また、この斜めイオン注入によれば、図15に示すホウ
素のイオン注入時に側壁絶縁膜106を形成しておいて
も良い。
【0036】〔第2実施例〕図4は、本発明の第2の実
施例を説明する図である。本実施例の構造においては、
p型のソース領域41が絶縁層3に接触しないように形
成されている。そしてソース領域41と絶縁層3の間は
n型領域42になっている。
【0037】上記第1実施例の半導体装置においては、
ソース8あるいは41、チャネル9、ドレイン10で寄
生のpnpバイポーラトランジスタができる。図5はこ
の点を考慮した本発明の半導体装置の等価回路である。
これによれば、チャネルがオンしているとき、多量の電
子がnpnトランジスタ52のエミッタからコレクタに
向かって流れることになるが、もしコレクタ部の寄生抵
抗54が充分小さくないと、この電子が寄生pnpトラ
ンジスタ53のベースに注入されこのトランジスタ53
をオンしてしまう。するとpnpバイポーラトランジス
タ53のエミッタからコレクタに向けて正孔がながれ、
この正孔注入によりnpnバイポーラトランジスタ52
がオンしつづけ、結果としてゲートによりオンオフでき
ない状態に陥る。
【0038】この問題を解決するには、コレクタの寄生
抵抗54を小さくせねばならない。そのためには、図1
の平面図において、ソース領域8を取り囲んでいるコレ
クタ領域7の不純物濃度を高くし充分に低抵抗化してお
くことが必要である。本実施例は、コレクタの寄生抵抗
をより低抵抗化することを目的としており、このため
に、ソース領域41を絶縁層3に接触しないように浮か
せて形成し、その下の領域42をn型とすることによ
り、コレクタ7、9の寄生抵抗を低減することができ
る。なお、上記目的からもわかるように、領域42のn
型不純物濃度はできるかぎり高濃度の方が望ましい。
【0039】〔第3実施例〕図6は、本発明の半導体装
置の第3の実施例を説明する図である。複数のソース領
域61がストライプ状に形成され、その間をn型のコレ
クタ領域62が埋めている。そして電極63によりソー
ス領域61とコレクタ領域62がバッティングコンタク
トされている。この構成においてもコレクタの寄生抵抗
を低減することができる。
【0040】〔第4実施例〕図7は、本発明の半導体装
置の第4の実施例を説明する図である。上記第1実施例
において、ドレイン・ベース領域10から電極71を引
き出す構成となっている。このように構成することでド
レイン・ベース電極を引き出したい場合に対応できる。
【0041】この構成においても、MOSFETとバイ
ポーラトランジスタを別々に形成したのと比べるとバイ
ポーラトランジスタの形成に要する面積を節約できる。
また、この構成では自己整合的に形成できるため、寄生
容量を低減できるといった利点は失われない。また、少
なくとも複合形成されたpMOSとnpnトランジスタ
間ではベース抵抗が低減されており、従来より改善され
ている。
【0042】〔第5実施例〕図8は本発明の半導体装置
の第5の実施例である。これは第1実施例において、導
電型のn型をp型に、p型をn型に置き換えたものであ
る。薄膜半導体層4’は、初めからp型の不純物濃度が
1×1018atm /cm3 以下となるように不純物を導入し
ておくか、あるいはn型の薄膜半導体層4にp型の不純
物をイオン注入して形成する。
【0043】薄膜半導体層4’内には、図中左側から、
p型のコレクタ領域81、n型のソース領域82、p型
のチャネル・コレクタ領域83、n型のドレイン・ベー
ス領域84、p型のエミッタ領域85が配置されてい
る。コレクタ領域81とチャネル・コレクタ領域83は
電気的に接続され、かつコレクタ領域81とソース領域
82は電極12によってバッティングコンタクトされ
る。一方、チャネル・コレクタ領域83とエミッタ領域
85はドレイン・ベース領域84を間に挟む構成で配置
される。
【0044】この第5実施例においても、nMOSとp
npバイポーラトランジスタが複合形成されている。す
なわち、ゲート電極6、ソース領域82、チャネル領域
83、ドレイン領域84によりnMOSが構成され、コ
レクタ領域81および83、ベース領域84、エミッタ
領域85によりpnpバイポーラトランジスタが構成さ
れる。
【0045】図9は、CBiCMOSゲート回路の基本
構成を示す。この第5の実施例による半導体装置は、こ
のCBiCMOSゲート回路において、nMOS95と
pnpバイポーラトランジスタ96とを複合形成するこ
とを可能にする。この複合素子とnMOS94との接続
を取るためには、実施例4にあるようにドレイン・ベー
ス電極を引き出すようにすればよい。
【0046】
【発明の効果】上記構成よりなる本発明の半導体装置に
よれば、MOSFETとバイポーラトランジスタとが複
合形成されているため、単体のMOSFETより電流供
給能力が大きい素子を、単体のMOSFET形成に必要
な素子面積と殆ど変わらない面積にて形成することがで
き、これにより集積された論理回路において高速化と高
集積性を同時に実現できるという効果がある。
【0047】また本発明の構造においては、ベース幅、
チャネル長を自己整合的に形成することができるため、
両者の精度良い制御が可能となり微細化に有利である。
また、絶縁基板上の薄膜半導体層に形成されているた
め、ゲートとドレインと間およびソースとドレインとの
間の寄生容量が低減され、より高速な動作が可能とな
る。
【0048】また、従来の薄膜半導体層に形成された横
型バイポーラトランジスタでは、ベース電極をベース領
域の横から引き出していたためにベース抵抗が増大する
という問題も、上記構成の本発明によれば解決すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体装置の第1実施例を示す断面図
および平面図である。
【図2】本発明の半導体装置が実現する複合回路であ
る。
【図3】BiNMOSゲート回路の基本構成を示す図で
ある。
【図4】本発明の半導体装置の第2実施例を示す断面図
である。
【図5】本発明の半導体装置が寄生バイポーラトランジ
スタを有することを考慮した等価回路である。
【図6】本発明の半導体装置の第3実施例を示す平面図
である。
【図7】本発明の半導体装置の第4実施例を示す平面図
である。
【図8】本発明の半導体装置の第5実施例を示す平面図
である。
【図9】CBiCMOSゲート回路の基本構成を示す図
である。
【図10】本発明の半導体装置の製造工程を示す断面図
である。
【図11】本発明の半導体装置の製造工程を示す断面図
である。
【図12】本発明の半導体装置の製造工程を示す断面図
である。
【図13】従来のpMOS/npnバイポーラトランジ
スタ複合素子を示す断面図である。
【図14】薄膜SOI層上に形成された横型バイポーラ
トランジスタを示す断面図および平面図である。
【図15】半導体装置の他の製造工程を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1 絶縁基板 2、101 基板 3、102 絶縁層 4、103 薄膜半導体層 5、104 薄膜絶縁層 6、105 ゲート電極 7、111 コレクタ領域 8、112、113 ソース領域 9、110 チャネル・コレクタ領域 10、109 ドレイン・ベース領域 11、108 エミッタ領域 12、13 電極 106 側壁絶縁膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−218953(JP,A) 特開 平4−275450(JP,A) 特開 平4−309234(JP,A) 山崎浩,パワーMOSFETの応用技 術,日刊工業新聞社,1988年10月24日, P133−136 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 27/06 H01L 27/07 H01L 21/8249

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁基板と、 この絶縁基板上の薄膜半導体層の一部に形成された第1
    導電型のチャネル・コレクタ領域と、 このチャネル・コレクタ領域上に薄膜絶縁層を介して形
    成されたゲート電極と、 前記ゲート電極の一方の側壁の下方の前記薄膜半導体層
    に前記チャネル・コレクタ領域と隣接して形成された第
    2導電型のソース領域と、 前記ゲート電極の他方の側壁の下方の前記薄膜半導体層
    に前記チャネル・コレクタ領域と隣接して形成されると
    ともに、そのベース幅を決めるその一方の端及び他方の
    端が、各々、前記ゲート電極及び前記ゲート電極の前記
    他方の側壁に形成された側壁絶縁膜に対して自己整合的
    に形成された第2導電型のドレイン・ベース領域と、 前記薄膜半導体層において前記ソース領域と隣接して形
    成されると共に前記チャネル・コレクタ領域と電気的に
    接続して形成された第1導電型のコレクタ領域と、 前記薄膜半導体層において前記ドレイン・ベース領域と
    隣接して形成されると共に、前記チャネル・コレクタ領
    域とは電気的に絶縁して形成された第1導電型のエミッ
    タ領域と、 前記ソース領域と前記コレクタ領域に同時にコンタクト
    して配設されたソース電極と、 前記エミッタ領域にコンタクトして形成されたエミッタ
    電極と、 を備える半導体装置。
  2. 【請求項2】 前記絶縁基板と前記ソース領域との間
    に、前記ソース領域が絶縁基板に接触していないように
    第1導電型よりなる第2半導体層を備える請求項1記載
    の半導体装置。
  3. 【請求項3】 絶縁基板上に形成した第1の導電型を有
    する低不純物濃度の薄膜半導体層の将来チャネル・コレ
    クタ領域が形成される部分上に、ゲート絶縁膜を介して
    ゲート電極を形成する第1工程と、前記ゲート電極をマスクとして、薄膜半導体層の将来ド
    レイン・ベース領域が形成される部分及びソース領域が
    形成される部分を各々含んだ各領域に第2の導 電型の不
    純物をイオン注入する第2工程と、 前記ゲート電極の側壁に側壁絶縁膜を形成する第3工程
    と、 前記側壁絶縁膜と前記ゲート電極と将来ソース領域が形
    成される部分に形成したレジストとをマスクとして、前
    記薄膜半導体層の将来コレクタ領域が形成される部分及
    びエミッタ領域が形成される部分の各々に第1の導電型
    の不純物をイオン注入する第4工程と、 前記側壁絶縁膜と前記ゲート電極と前記第4工程で前記
    第1の導電型の不純物がイオン注入された領域に形成し
    たレジストとをマスクとして、前記薄膜半導体層の将来
    ソース領域が形成される部分に第2の導電型の不純物を
    イオン注入する第5工程と、 然る後、熱処理を行って不純物イオンを活性化する第6
    工程と、 を備える半導体装置の製造方法。
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