JP3502607B2 - 離散型マルチトーン変調により生成した信号のためのデジタル受信機 - Google Patents
離散型マルチトーン変調により生成した信号のためのデジタル受信機Info
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Description
公知の、請求項1の前置き文に記載する、離散型マルチ
トーン変調により生成した信号のためのデジタル受信機
に関する。US−A−5、962、422は、固定イコ
ライザおよび対応するイコライザ動作方法を開示してい
る。特に、本文献は、固定係数を有するデジタルフィル
タとして配置された時間域イコライザと、その前に接続
されたアナログデジタル変換器を備えたデジタル受信機
を開示している。上記フィルタは、低域フィルタ又高域
フィルタとして設計可能であり、また複数個のデジタル
フィルタで構成可能である。
搬送波変調ともいう−は、とくに直線ひずみを生じるチ
ャンネルを経由してデータを伝送するのに適した変調法
である。たとえば振幅変調はただ1つの搬送周波数だけ
を用いるが、このようないわゆる単一搬送波法に対し
て、離散型マルチトーン変調の場合は多数の搬送周波数
を用いる。個々の搬送周波数のいずれも、その振幅と位
相が直交振幅変調(QAM)によって変調される。こう
して多数のQAM変調された信号が得られる。この場合
搬送周波数ごとに、特定のビット数を伝送することがで
きる。離散型マルチトーン変調は、デジタルラジオ放送
DAB(Digital Audio Broadca
st)に用いられてOFDM(Ortohogonal
Frequency Division Multi
plex)と呼ばれ、また電話回線を経由するデータ伝
送に用いられてADSL(Asymmetric Di
gital Subscriber Line)と呼ば
れる。
用いて、中継局から加入者回線を経由して、アナログ接
続された加入者にデータを伝送する。この場合ETSI
(欧州電気通信標準化機構)基準およびANSI(アメ
リカ国家規格協会)基準によって、いずれの搬送周波数
もおよそ4kHzの帯域を用い、最高で15Bit/s
/Hzまで搬送することが規定されている。実際のBi
t/s/Hz数は搬送周波数ごとに異なるものとするこ
とができ、従ってデータ率と送信スペクトルを伝送チャ
ンネルに適合させることができる。
え、このエンコーダーは、伝送されるべきシリアルなデ
ジタルデータ信号のビットをブロックにまとめる。1つ
のブロック中の定められたビット数それぞれに、複素数
を1つずつ割り当てる。1つの複素数によって、離散型
マルチトーン変調の1つの搬送周波数fi=i/Tを表
示し、ここでi=1,2,...,N/2とする。この
場合すべての搬送周波数fiは等距離に分布している。
Tは1つのブロックの経過時間である。逆フーリエ変換
によって、複素数が表示する搬送周波数は時間域に変換
され、そこで送信されるべきDMT信号のN個のサンプ
ルを直接表示する。高速逆フーリエ変換(IFFT=I
nverse Fast Fourier Trans
formation)を実行できるように、Nに対して
は2の累乗を選択する。これにより、高速逆フーリエ変
換の手間が少なくなる。
プレフィックスを実行し、その際サンプルの最後のM
(M<N)をもう一度ブロックの冒頭につなげる。これ
により、伝送チャンネルが生成した過渡現象が、サンプ
ルMの後、時間T・M/Nに対応して減衰する場合は、
受信機に対して周期的な信号が仮想されることになる。
受信機におけるイコライゼーションの手間は、サイクリ
ック−プレフィックスによっていちじるしく軽減され
る。伝送チャンネルの直線ひずみを除去するために、受
信機における復調後、伝送チャンネルの逆伝送機能とだ
け乗算が行われなければならないからである。このこと
は、いずれの搬送周波数に対しても、1つの複素数乗算
または4つの実数乗算を必要とする。
は電話回線網の二線式回線(銅製対導線)である。二線
式回線は、ブロックサイズの割には過渡現象のための大
きな時間を必要とする。他方ではサイクリック−プレフ
ィックスが必要とする追加的な伝送容量は、できるだけ
小さいものとしたい。
LではM=32のサイクリック−プレフィックスが規定
されている。しかしM=32という数値の後、二線式回
線の過渡現象はまだ減衰していない。これにより受信機
には追加的なエラーが生じ、これは周波数域イコライザ
によっては除去できない。
いて特別な信号処理措置により軽減することができる。
=Time domain Equalizer)を復
調器の前に接続する。この時間域イコライザは、その係
数を調整できるデジタル・トランスバーサルフィルタと
いう仕様とする。時間域イコライザの任務は、伝送チャ
ンネルの過渡現象を短縮することである。このような時
間域イコライザの設計は、Al−Dhahir,N.、
Cioffi,J.M.、「Oputimum Fin
ite−Length Equalization f
or Multicarrier Transceiv
ers」、IEEE Trans.on Comm.、
Vol.44、No.1、Jan.1996に記載され
ている。しかしその欠点は、時間域イコライザとして使
用されるデジタル・トランスバーサルフィルタの備える
係数の個数が非常に多いことと、デジタル・トランスバ
ーサルフィルタの適合に手間がかかることである。係数
が20〜40というフィルタサイズの場合、毎秒約50
00万〜1億回の乗算を実行しなければならない。それ
に加えてデジタル・トランスバーサルフィルタの適合の
ために、いずれの係数をも設定しなければならない。
ルチトーン変調により生成された信号のためのデジタル
受信機であって、かつ高速に適合できて毎秒当たりの乗
算がより少ない時間域フィルタを備えるものを示すこと
である。
り生成された信号のためのデジタル受信機であって、か
つ請求項1に記載した諸特徴を有するものにより解決さ
れる。有利な発展形をそれぞれの従属請求項に記載し
た。
生成された信号のためのデジタル受信機に関する。この
デジタル受信機は1つのアナログ−デジタル変換器を備
え、この変換器に離散型マルチトーン変調によって生成
された信号が導かれる。この受信機はまた、アナログ−
デジタル変換器の後ろに接続された時間域イコライザを
備える。この時間域イコライザはさらに、固定された係
数を有するデジタルフィルタを備える。この場合この固
定された係数は、適応性デジタルフィルタの場合必要と
なるような適応のための手間を必要とせず、有利であ
る。
は、固定された係数としてシフト演算により表示された
数値を取る。これにより手間のより少ないシフト演算
が、乗算に取って代わるのは有利である。
は、このデジタルフィルタは固定された係数として整数
値を取る。この場合整数値による演算は、浮動小数点演
算をともなう演算よりも手間がかからず、とくに有利で
ある。
ル受信機は0Hzで零位点を示し、これにより伝送シス
テムのインパルス応答が短縮されて有利である。
ルフィルタが高域通過−伝送機能を備える。
タルフィルタが、多数の一次デジタルフィルタの直列回
路を備える。一次フィルタは非常に簡単に得られるので
有利である。
いずれの一次デジタルフィルタも、ステータスメモリ、
シフトレジスタ、デジタル減算器およびデジタル加算機
を備える。この場合有利なのはいずれの一次フィルタも
構造が簡単なことで、手間のかかる乗算段階を必要とし
ない。
本発明のそのほかの利点、特徴および応用可能性を挙げ
る。
ンクを示し、ここではDMT送信機11が離散型マルチ
トーン変調された信号を生成する。この場合の信号は搬
送周波数fiをN/2個持ち、またこれらの周波数は離
散型マルチトーン変調により生成されたものである。こ
の場合いずれの周波数も、その振幅と位相が直交振幅変
調により変調されている。信号は、DMT送信機11で
M個のサンプルのサイクリック−プレフィックスをあた
えられ、デジタル−アナログ変換により、伝送のための
アナログ信号に変換される。DMT送信機11は、信号
を伝送チャンネル1を経由してデジタル受信機12に伝
送する。
ャンネルである。ADSL伝送リンクの場合、伝送チャ
ンネルは二線式回線である。伝送チャンネル1によって
生じたこのような直線ひずみは、周波数域で動作するイ
コライザにより、デジタル受信機12でふたたび除去さ
れる。
グ−デジタル変換器2に導かれ、この変換器は信号をデ
ジタル数値Ukのシーケンスに変換する。
域イコライザ3に導かれる。時間域イコライザ3は、D
MT送信機11、伝送チャンネル1および時間域イコラ
イザ3自体の過渡時間の短縮に用いられる。過渡時間が
サイクリック−プレフィックス経過時間を上回る場合、
デジタル受信機12の判断回路70〜7nにエラーが生
じる。時間域イコライザ3は、伝送に用いられる周波数
域に零位点を生じることなく、過渡時間を短縮するもの
としたい。そのために時間域イコライザ3は、固定され
た係数を有するデジタルフィルタを備え、このフィルタ
は下記の伝達関数を有する(z=Uk):
あって、このフィルタは固定された係数cvを持ち、下
記の伝達関数を有するn個の第二の一次デジタルフィル
タの直列回路によって生成される。 時間域イコライザ3の伝達関数H(z)は0Hzで零位
点を示し、従って高域フィルタの伝達関数である。これ
により伝送チャンネルの過渡現象は、もっとも効果的に
短縮される。
数値は、直列/並列変換器4に導かれ、この変換器はサ
イクリック−プレフィックスを除去し、高速離散型フー
リエ変換器5に導かれるブロックを生成する。
が表示する信号を時間域から周波数域に変換する。高速
フーリエ変換器5のアウトプットにおける変換済みのブ
ロックは、いずれもN/2個の複素数を示す。いずれの
複素数によっても、離散型マルチトーン変調の搬送周波
数f1=i/T(ただしi=1,2,...,N/2)
が表示され、その際すべての搬送周波数fiは等距離に
配分されている。Tは1つのブロックの経過時間であ
る。
搬送周波数f1,...,fN/2ごとに周波数域イコライ
ザ60,...,6mが接続され、この周波数イコライ
ザは等価化を周波数域で実行する。変換されたブロック
の複素数はいずれも1つの搬送周波数を表示するもので
あるが、上記の実行のために、この複素数に搬送チャン
ネル1の逆伝達関数を乗算する。これには、1つの複素
数乗算または4つの実数乗算を必要とする。
0,...,6mも、その後ろに判断回路7
0,...,7mを1つずつ接続し、この判断回路は周
波数域イコライザ60,...,6mのアウトプット信
号から多段階的な値を生成する。
の後ろにデコーダー回路80,...,8mを1つずつ
接続し、このデコーダー回路は多段快適な値からデジタ
ル数値を生成する。
トプット信号は、平行して並列/直列変換器9に導か
れ、この変換器はデータ受信装置10と連結されてい
る。この並列/直列変換器9は、データ受信装置10に
デジタルデータの逐次的電流を導き、このデジタルデー
タはDMT送信機11のデジタルデータに対応する。
施形態を示す。
次デジタルフィルタの直列回路を備え、この直列回路は
式(2)の伝達関数を有する。図2は、2個の第二の一
次デジタルフィルタ100および200のみを示す。そ
のほかの第二の一次デジタルフィルタは点線部分に隠れ
ている。
0および200は、同じ構造である。離散型の入力値シ
ーケンスは、デジタル減算器回路101または201の
第一の反転型インプットと、平行してデジタル加算回路
103または203の第一の非反転型インプットとに導
かれる。デジタル加算器回路103または203のアウ
トプットは、第二の一次デジタルフィルタのアウトプッ
トであって、平行してデジタル減算器回路の非反転型イ
ンプットに、そしてシフトレジスタを経由してデジタル
減算器回路101または201の第二の反転型インプッ
トにフィードバックされる。シフトレジスタ104また
は204は、ビットごとの右シフトにより、離散型出力
値を乗算する。これにより離散型出力値に整数2-Lが乗
算される。デジタル減算器回路101または201のア
ウトプットは、ステータスメモリ102または202を
経由して、デジタル加算器回路103または203の第
二の非反転型インプットにつながる。ステータスメモリ
102または202は、クロックパルスの1パルス周期
分の遅延を生じ、これにより離散型インプットシーケン
スにパルスが供給されている。
ィルタ100および200は非再帰的となる。この場合
係数cvは式(2)により零となる。
デジタルフィルタが整数2-Lにおいて異なり、この数値
をフィードバック経路における第二のデジタルフィルタ
の離散型出力値と乗算する。この実施形態では、式
(1)による係数cvがいずれの第二のデジタルフィル
タに対しても異なっており、第二のデジタルフィルタの
直列回路から得られるデジタルフィルタは、式(1)に
よる伝達関数を示す。
6つの異なる実施形態の作用のダイヤグラムを示す。こ
のために、長さ3km、導線直径0.4mmの二線式回
路を有するADSL伝送システムにおいて、判断回路イ
ンプットでのS/N比をシミュレーションした。
S/N比は、ADSL伝送に用いられた全周波数域にわ
たって記録されている。この場合、伝達関数H1(z)
〜H6(z)を有する6つの異なる時間域イコライザの
いずれについても、曲線を1つずつ記した。伝達関数H
1(z)〜H6(z)は次の通り:
場合の曲線と、32の係数(32タップ)を有する最適
化された時間域イコライザを用いた場合の曲線を記し
た。明らかに見て取れるのは、両ダイヤグラムとも低周
波数領域におけるS/N比が改善されていることであ
る。二次、三次またはそれ以上の次数のデジタルフィル
タを有する時間域イコライザの場合のS/N比は、32
の係数を有する最適化された時間域イコライザに対し
て、周波数約300kHz以降はごく僅かのデシベル数
異なるだけである。 [図面の簡単な説明]
ジタル受信機を備える伝送リンクの図である。
である。
グラムである。
Claims (6)
- 【請求項1】 離散型マルチトーン変調により生成した
信号のためのデジタル受信機(12)において、すなわ
ち離散型マルチトーン変調により生成した信号が導かれ
るアナログ−デジタル変換器(2)と、このアナログ−
デジタル変換器の後ろに接続され、固定された係数(1
04、204)を有するデジタルフィルタ(100、2
00)を備えた時間域イコライザ(3)とを備える上記
のデジタル受信機において、前記デジタルフィルタは、
前記固定された係数(104、204)としてシフト演
算によって表示することのできる数値を有していること
を特徴とする上記のデジタル受信機。 - 【請求項2】 デジタルフィルタ(100、200)は
固定された係数(104、204)として整数値を有す
ることを特徴とする、請求項1に記載のデジタル受信
機。 - 【請求項3】 デジタルフィルタ(100、200)は
0Hzで零位点を示すことを特徴とする、前記請求項の
いずれか1項に記載のデジタル受信機。 - 【請求項4】 デジタルフィルタ(100、200)が
高域通過−伝達関数を示すことを特徴とする、前記請求
項のいずれか1項に記載のデジタル受信機。 - 【請求項5】 デジタルフィルタが多数の一次デジタル
フィルタの直列接続回路を備えることを特徴とする、前
記請求項のいずれか1項に記載のデジタル受信機。 - 【請求項6】 一次デジタルフィルタのいずれもが、ス
テータスメモリ(102、202)、シフトレジスタ
(104、204)、デジタル減算器回路(101、2
01)およびデジタル加算器回路(103、203)を
備えることを特徴とする、請求項5に記載のデジタル受
信機。
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Peter J. W. Melsa, Richard C. Younce, Charles E. Rohrs,Impulse Responce Shortening for Discrete Multitone Transceivers,IEEE TRANSACTIONS ON COMMUNICATIONS,米国,1996年12月,VOL.44, NO.12,p.1662−1672 |
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