JP3502326B2 - 喫煙抑制剤及び菓子 - Google Patents

喫煙抑制剤及び菓子

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JP3502326B2 JP2000061538A JP2000061538A JP3502326B2 JP 3502326 B2 JP3502326 B2 JP 3502326B2 JP 2000061538 A JP2000061538 A JP 2000061538A JP 2000061538 A JP2000061538 A JP 2000061538A JP 3502326 B2 JP3502326 B2 JP 3502326B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は喫煙抑制剤及び菓子
に関し、更に詳しくは、特定成分を配合することによっ
て、低カロリー、抗う蝕性であり、噛み心地に優れ、更
に喫食後も好適な爽快感を感じることにより、禁煙希望
者が、長時間継続して禁煙効果を維持しうる喫煙抑制
及び菓子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、喫煙が人体に悪影響を及ぼす
ことは知られており、禁煙を希望する喫煙者は年々増加
している。そこで、喫煙者は禁煙を行おうとするが、禁
断ストレス、精神的ストレス等を伴い再び喫煙してしま
うことが多く、なかなか喫煙の習慣を断ち切ることがで
きないものである。そこで、禁煙効果を有する物質をチ
ューインガム等の菓子類に配合し、それを喫食すること
により、禁煙の継続を行おうとするが、禁煙効果物質は
薬臭く、口当たりが悪く、継続して喫食しにくいもので
あり、禁煙効果は、なかなか得られないものであった。
【0003】また、従来より、チューインガム等の菓子
類に用いられる糖質甘味料としては、砂糖が代表的であ
る。しかし、砂糖は高甘味であり、菓子類を喫食し終わ
った後の爽快感に欠けるので、喫煙時のような満足感が
得られず、禁煙効果があまり期待できない。また、砂糖
は、う蝕性があること、カロリーが高く肥満の原因とな
ること、及び糖尿病を促進することなどの理由から健康
上あまり好ましくない。これに対し、近年、菓子類に抗
う蝕性で、低カロリーの健康上好ましい糖アルコールが
甘味料として用いられている。例えば、甘味料としてマ
ルチトール、ラクチトール等を用いたチューインガムが
知られている。しかし、チューインガムに用いられる糖
質甘味料として、マルチトールを単独で用いた場合に得
られるチューインガムは、比較的高甘味であり、喫食後
の爽快感に劣り、禁煙効果はあまり得られない等の問題
点があった。一方、ラクチトールを単独で用いた場合に
得られるチューインガムは、比較的低甘味であり、チュ
ーインガム喫食時に爽快感が得られる傾向にあるが、チ
ューインガム喫食後の爽快感に劣り、禁煙効果はあまり
得られない問題点があった。また、ラクチトールをチュ
ーインガム中に多く配合すると、お腹がゆるくなる等の
問題点もあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような事
情に鑑みなされたものであって、その目的とするところ
は、低カロリー、抗う蝕性であり、長時間の噛み心地に
優れ、更に喫食後も好適な爽快感を感じることにより、
禁煙希望者に対して、禁煙効果を有する喫煙抑制剤及び
菓子を提供するにある。
【0005】 上記の目的は、下記(A)〜(C)成分
を含有してなることを特徴とする喫煙抑制剤及び菓子
(但し、チューインガムは除く)によって達成される。 (A)マルチトール。 (B)ラクチトール。 (C)メントールもしくはミントフレーバー。
【0006】 また、上記の目的は、下記(A)〜
(D)成分を含有してなることを特徴とする菓子によっ
て達成される。 (A)マルチトール。 (B)ラクチトール。 (C)メントールもしくはミントフレーバー。 (D)モノアミンオキシダーゼインヒビター。
【0007】 また、上記の目的は、菓子がチューイン
ガムであることによって達成される。
【0008】 また、上記の目的は、上記菓子中に、マ
ルチトール15〜50重量%、ラクチトール15〜50
重量%、メントールもしくはミントフレーバー0.5〜
3.0重量%を含有し、かつ、マルチトールとラクチト
ールとの合計重量が60重量%以上であることを特徴と
る菓子によって達成される。
【0009】 すなわち、本発明者らは、禁煙を希望す
る喫煙者が、日常生活の中で自然に無理なく、禁煙効果
を持続し得るように、喫食後も好適な爽快感を得ること
ができる、糖アルコールを用いた喫煙抑制剤及び菓子の
配合について検討を行なった。そして、チューイング性
を有する菓子類に着目し、咀嚼において長時間噛み心地
に優れ、更に喫食後も好適な爽快感を感じさせれば、喫
煙抑制効果が得られるのではないかと考えた結果、菓子
類にマルチトール、ラクチトール、及びメントールもし
くはミントフレーバーの3成分を含有させると、長時間
噛み心地に優れ、更に喫食後も好適な爽快感を感じるこ
とにより、意外にも、禁煙を希望する喫煙者に対して禁
煙意欲を増大させることができることを見出し、本発明
に到達した。
【0010】
【発明の実施の形態】次に本発明を詳しく説明する。本
発明の菓子は、マルチトール、ラクチトール、及びメン
トールもしくはミントフレーバーを含有する。
【0011】 本発明に係るマルチトールは、還元麦芽
糖とも言われ、例えばマルトースを還元して製造するこ
とができる。マルチトールは、通常菓子に用いられるも
のであれば良く、その剤形は、粉体や液状物等のいずれ
を用いてもよい。また、マルチトールの量は、最終的に
得られる菓子中に15〜50重量%が望ましい。すなわ
ち、50重量%を超えて使用した場合には、マルチトー
ルの甘味が嫌味に感じられ、爽快感が得られ難い傾向に
ある。また、逆に、15重量%未満の場合には、菓子の
甘味のバランスが悪くなり、好ましい風味にならない傾
向にある。
【0012】 次に、本発明に係るラクチトールは、還
元乳糖とも言われ、例えばラクトースを還元して得るこ
とができる、糖アルコールの一種である。ラクチトール
には、無水和物、一水和物または二水和物の形態で入手
できるが、本発明においては、特に限定するものではな
く、適宜選択して用いれば良い。また、その剤形は、特
に限定するものではなく、粉体や液状物等が挙げられ
る。また、ラクチトールの量は、最終的に得られる菓子
中に15〜50重量%が望ましい。すなわち、50重量
%を超えて使用した場合には、甘味が少なくなりすぎ
て、菓子の風味が損なわれる傾向にある。また、逆に、
15重量%未満の場合には、菓子の甘味のバランスが悪
くなり、好ましい風味にならない傾向にある。
【0013】 また、本発明の菓子は、マルチトールと
ラクチトールとの合計重量が60重量%以上であること
が好ましい。合計重量が60重量%未満では、菓子類喫
食後の適度な爽快感が得られず、また、噛み心地にも劣
り、禁煙効果が充分得られない傾向にある。
【0014】 次に、本発明に係るメントールとして
は、合成または天然精油より単離された1−メントール
等が挙げられる。また、ミントフレーバーとしては、メ
ントールを含む香料物質としてペパーミントより得られ
る精油、各種ハッカより得られる精油、及びシソ科のハ
ッカ属植物より得られる精油等が挙げられる。これらは
単独もしくは複数組み合わせて用いればよい。
【0015】また、メントールもしくはミントフレーバ
ーの量は、最終的に得られる菓子中に0.5〜3.0重
量%が望ましい。すなわち、3.0重量%を超えて使用
した場合には、苦味が強くなりすぎたり、菓子類の食感
が悪くなる傾向にある。また、0.5%未満の場合に
は、禁煙効果が期待できる程の爽快感が得られない傾向
にある。
【0016】 また、本発明の菓子には、モノアミンオ
キシダーゼインヒビターを添加すると更に好適である。
すなわち、このモノアミンオキシダーゼインヒビターを
用いると、メントールもしくはミントフレーバーとの相
乗効果により、更に、喫食後も好適な爽快感を感じるこ
とにより禁煙効果を増大させることができる点で好適で
ある。このモノアミンオキシダーゼインヒビターとは、
人間の脳の神経伝達系で働くモノアミンオキシダーゼの
分泌を抑える物質であり、人間の脳の疲れやだるさ
り除く物質である。
【0017】本発明のモノアミンオキシダーゼインヒビ
ターとしては、例えばオトギリソウ抽出物等が挙げられ
る。その製造方法は、特に限定されるものではないが、
例えば、オトギリソウとエタノールとを加熱抽出した
後、濾過し、抽出液を回収する。次に、この抽出液を減
圧濃縮することによりエタノールを留去する。次いで、
該液体を凍結乾燥させることにより、粉体化させ、モノ
アミンオキシダーゼインヒビターを溶出させることによ
り製造される。
【0018】また、その剤形は、特に限定するものでは
なく、粉体や液状物等が挙げられる。また、モノアミン
オキシダーゼインヒビターの量は、最終的に得られる菓
子中に0.5〜3.0重量%が望ましい。すなわち、
3.0重量%を超えて使用した場合には、モノアミンオ
キシダーゼインヒビター自身の風味をマスキングしにく
く、菓子の風味が悪くなる傾向にある。また、逆に、
0.5重量%未満の場合には、モノアミンオキシダーゼ
インヒビター及びメントールもしくはミントフレーバー
との相乗効果による禁煙効果が得られにくい傾向にあ
る。
【0019】 本発明の菓子とは、具体的に、チューイ
ンガム、ソフトキャンディ、グミキャンディ、ファッ
ジ、ヌガー等のチューイング性を有する菓子類が挙げら
れる。この中でも、特に菓子の長時間の噛み心地、爽快
感が好適に得られ、禁煙効果に優れる点でチューインガ
ムは好適に用いられる。
【0020】次に、上記マルチトール、ラクチトール、
及びメントールもしくはミントフレーバーを含有する喫
煙抑制菓子の一例として、チューインガムは、例えば、
次のようにして製造される。
【0021】まず、チューインガムは、ガムベースと上
記成分とからなる。ガムベースは、例えば、弾性体、ワ
ックス、無機質等を適宜選択して使用する。弾性体とし
ては、例えば天然ゴム、ポリイソブチレン、酢酸ビニル
樹脂、その他の合成ゴム、合成弾性体及び天然弾性体等
が挙げられ、ワックスとしては、ライスワックス、カル
ナバワックス、及びマイクロクリスタリンワックス等が
挙げられる。これらは単独でも複数組み合わせても良
い。また、ガムベースは、酢酸ビニル樹脂を主体とする
風船ガムタイプ、天然チクルを主体とするレギュラーガ
ムタイプ等適宜設計して用いればよい。
【0022】次に上記ガムベースと、マルチトール、ラ
クチトール、及びメントールもしくはミントフレーバー
とを合わせて混練した後、成型することによって喫煙抑
制チューインガムが得られる。また、チューインガムに
は、副原料を添加してもよい。副原料としては、乳化
剤、安定剤、酸味料、軟化剤、着色料、植物抽出物等を
適宜組み合わせて用いればよい。例えば、乳化剤として
は、プロピレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン
脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、脂肪
酸モノグリセライド、グリセリルモノステアレート、ジ
グリセライド、プロピレングリコールモノステアレート
等が挙げられ、これらは単独でも複数組み合わせてもよ
い。
【0023】上記のようにして得られた喫煙抑制チュー
インガムは、咀嚼時にしなやかな物性で、長時間連続し
て咀嚼するのに適しており、噛み終わった後にも好適な
爽快感が持続するものである。
【0024】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、格別の
爽快感が得られ、喫食後、禁煙に対するストレス緩和に
対して満足感が持続するものである。従って、禁煙を希
望する喫煙者が日常生活の中で無理なく、禁煙意欲を増
大させる効果が得られる。また、長時間の噛み心地に優
れ、更に、抗う蝕性、低カロリーの健康上好ましい菓子
類が得られる。また、本発明の菓子は、特別な製造設備
を用いることなく、従来の製造設備を用いて簡便に製造
することができる。
【0025】次に、本発明を実施例に基づき具体的に説
明する。
【0026】 (実施例1〜参考例1、比較例1
〜4) 表1に示す組成にて、下記のようにしてチューインガム
を調製した。
【0027】(チューインガムの調製)チューインガム
用ニーダーにチューインガム組成物の各種原料を投入
し、15分間均質混合した後、圧延、裁断し、ブロック
状のチューインガムを得た。
【0028】 (実施例) 表2に示す組成にて、下記のようにしてソフトキャンデ
ィを調製した。
【0029】(ソフトキャンディの調製)まず、ショー
トニングをソフトキャンディ用ニーダーで融解し、次い
で、マルチトール、ラクチトール、モノミアミンオキシ
ダーゼインヒビター及びミントフレーバーを上記混合物
に分散させた。その後、還元水飴とゼラチンを水に膨潤
させたゼラチン部とを添加混合してソフトキャンディ生
地を得た。次に、この生地をエクストルーダーより押出
し、ロープ成形後、切断してソフトキャンディを得た。
【0030】 次に、実施例1〜8、参考例1、比較例
1〜4で得られたチューインガム、及び実施例で得ら
れたソフトキャンディについて、禁煙を希望する喫煙者
20名のパネラーによって、2週間の禁煙に対してスト
レスを感じるときに、1個あたり10分間喫食してもら
い、禁煙効果及びチューインガムの噛み心地、爽快感に
ついて評価した。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】 表1及び表2の結果から、実施例1〜
のチューインガム、及び実施例のソフトキャンディ
、長時間の噛み心地に優れ、咀嚼後も好適な爽快感を
感じることにより、禁煙効果が良好であった。一方、比
較例1のチューインガムは甘味料としてラクチトール単
品を使用したため、長時間の咀嚼でチューインガムが軟
らかくなり、噛み心地に劣り、禁煙効果も得られなかっ
た。また、比較例2のチューインガムは甘味料としてマ
ルチトール単品を使用したため、ミントフレーバーとの
相乗効果による爽快感も劣り、禁煙効果も得られなかっ
た。また、比較例3、4のチューインガムはミントフレ
ーバーを使用しなかったり、砂糖を使用したため咀嚼後
の爽快感に劣り、禁煙効果も得られなかった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23G 1/00 - 9/30 CAPLUS(STN) REGISTRY(STN)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記(A)〜(C)成分を含有してなるこ
    とを特徴とする喫煙抑制剤。 (A)マルチトール。 (B)ラクチトール。 (C)メントールもしくはミントフレーバー。
  2. 【請求項2】下記(A)〜(C)成分を含有してなるこ
    とを特徴とする菓(但し、チューインガムは除く)。 (A)マルチトール。 (B)ラクチトール。 (C)メントールもしくはミントフレーバー。
  3. 【請求項3】下記(A)〜(D)成分を含有してなるこ
    とを特徴とする菓子。 (A)マルチトール。 (B)ラクチトール。 (C)メントールもしくはミントフレーバー。 (D)モノアミンオキシダーゼインヒビター。
  4. 【請求項4】子がチューインガムであることを特徴と
    する請求項記載の菓子。
  5. 【請求項5】上記菓子中に、マルチトール15〜50重
    量%、ラクチトール15〜50重量%、メントールもし
    くはミントフレーバー0.5〜3.0重量%を含有し、
    かつ、マルチトールとラクチトールとの合計重量が60
    重量%以上であることを特徴とする請求項2記載の菓子
    (但し、チューインガムは除く)
  6. 【請求項6】上記菓子中に、マルチトール15〜50重
    量%、ラクチトール15〜50重量%、メントールもし
    くはミントフレーバー0.5〜3.0重量%を含有し、
    かつ、マルチトールとラクチトールとの合計重量が60
    重量%以上であることを特徴とする請求項3記載の菓
    子。
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