JP3501910B2 - プラズマ処理装置 - Google Patents

プラズマ処理装置

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JP3501910B2 JP29714396A JP29714396A JP3501910B2 JP 3501910 B2 JP3501910 B2 JP 3501910B2 JP 29714396 A JP29714396 A JP 29714396A JP 29714396 A JP29714396 A JP 29714396A JP 3501910 B2 JP3501910 B2 JP 3501910B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマ処理装置
にかかり、特に高周波アンテナに高周波電力を印加する
ことにより処理室内に誘導プラズマを励起する誘導結合
プラズマ処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体デバイスやLCDの超高集
積化に伴って、サブミクロン単位、さらにサブハーフミ
クロン単位の超微細加工を行う必要が生じている。そし
て、かかるプロセスをプラズマ処理装置により実施する
ためには、高真空雰囲気(例えば1〜70mTorr)
において、高密度のプラズマを高い精度で制御すること
が重要であり、しかもそのプラズマは大口径ウェハや大
型のLCD基板にも対応できるように、大面積で高均一
なものであることが必要である。
【0003】このような技術的要求に対して、新しいプ
ラズマソースを確立すべく、多くのアプローチがなされ
ている。例えば、欧州特許公開明細書第379828号
には、高周波アンテナを用いる高周波誘導結合プラズマ
処理装置が開示されている。この高周波誘導プラズマ処
理装置10は、図8に示すように、被処理体12を載置
する載置台14と対向する処理室16の一面(天井面)
を石英ガラスなどの誘電体18で構成して、その外壁面
に、例えば渦巻きコイルから成る高周波アンテナ20を
設置し、この高周波アンテナ20に高周波電源22より
マッチング回路24を介して高周波電力を印加すること
により処理室16内に高周波による電界を形成し、この
電界内を流れる電子を処理ガスの中性粒子に衝突させて
ガスを電離させ、プラズマを生成するように構成されて
いる。なお、載置台14には、被処理体12の処理面へ
のプラズマ流の入射を促進するように、高周波電源26
よりバイアス用の高周波電力を印加することが可能であ
る。また、処理室16の底部には、処理室16内を所定
の圧力雰囲気にするように不図示の排気手段に連通する
排気口28が設けられるとともに、処理室16の天井面
を成す誘電体18の中央部には所定の処理ガスを処理室
16内に導入するための処理ガス導入口30が設けられ
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な従来の高周波誘導結合プラズマ処理装置においては、
高周波アンテナが設置される誘電体は、高真空雰囲気に
保持される処理室の天井部を構成しているので、外気と
処理室内との圧力差に抗するために、誘電体の肉厚を厚
くせねばならず、その結果、高周波電源からの投入エネ
ルギーの利用効率が悪いという問題があった。そして、
上記問題は、特に大口径ウェハや大面積LCD基板を処
理するための大型のプラズマ処理装置において顕著であ
った。
【0005】さらに、高周波誘導結合プラズマ処理装置
においては、高周波アンテナのピッチおよび誘電体の厚
みにより、処理室内に励起されるプラズマの分布および
密度が変化する。しかし、上記のような従来の高周波誘
導結合プラズマ処理装置では、誘電体の厚みの調整には
限界があるため、プラズマの分布および密度の調整にも
自ずと限界が生じざるを得なかった。そして、この問題
も、特に、大口径ウェハや大面積のLCD基板を処理す
るための大型のプラズマ処理装置において顕著であっ
た。
【0006】さらに、高周波誘導結合プラズマ処理装置
においては、高周波アンテナに高周波電力を印加する
と、高周波アンテナが過熱し熱膨張することが知られて
いる。したがって、高周波アンテナを、熱膨張率の異な
る他の材料、例えば誘電体中に埋設することは困難であ
った。
【0007】本発明は、従来の高周波誘導結合プラズマ
処理装置が有する上記のような問題点に鑑みて成された
ものであり、その目的は、高周波電源から投入されるエ
ネルギーの利用効率を高め、高真空条件下であってもよ
り高密度で均一なプラズマを発生させることが可能であ
り、さらにまた熱膨張率の異なる材料中に高周波アンテ
ナを埋設することが可能な新規かつ改良された高周波誘
導結合プラズマ処理装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の第1の観点によれば、高周波アンテナに高
周波電力を印加することにより処理室内に誘導プラズマ
を励起して、前記処理室内の載置台に支持された被処理
体に対して所定のプラズマ処理を施すように構成された
プラズマ処理装置において、前記処理室内に配設され、
前記載置台と対向する誘電体と、前記誘電体を介して、
前記処理室内に電界を形成するための高周波アンテナと
を備え前記高周波アンテナは、この高周波アンテナ自
体の熱膨張を吸収する複数の切欠き部を有していること
を特徴とする、プラズマ処理装置が提供される。この場
合、上記高周波アンテナは、前記誘電体内に埋設される
ようにしてもよい。
【0009】 かかる構成によれば、高周波アンテナに
高周波電力が印加されて高周波アンテナが加熱し膨張し
ても、その熱膨張を吸収することができるので、たとえ
熱膨張率の異なる誘電体中に高周波アンテナを埋設した
ような場合でも、剥離等の損傷が生じることを防止する
ことができる。さらに、例えば誘電体中に高周波アンテ
ナを埋設することにより、大気圧と処理室内との圧力差
にかかわらず、誘電体の肉厚を薄く構成することができ
るので、高周波アンテナに印加される高周波エネルギー
の有効利用が図れる。また誘電体の肉厚を自由に調整す
ることができるので、処理室内に励起される誘導プラズ
マの分布および密度をより高い精度で制御することが可
能となる。
【0010】 また、前記誘電体は、複数の誘電体部材
を積層することにより構成してもよい。かかる構成によ
れば、丈夫であり、また部材の交換も容易に行うことが
可能である。また、誘電体にアンテナを内設する場合で
あっても、このような誘電体を容易に製造することがで
きる。
【0011】 また、前記誘電体は、前記被処理体内に
形成される前記電界を前記載置台に支持された被処理体
に対して略平行な面内で均一化するように、前記高周波
アンテナが前記載置台に支持された被処理体から異なる
距離を有し、かつ前記高周波アンテナと前記被処理体と
の間に存在する誘電体の肉厚を均等にする段々形状に構
成されるようにしてもよい。
【0012】 このように、載置台と高周波アンテナと
の距離を調整し、高周波アンテナと被処理体との間に存
在する誘電体の肉厚を均等にすることにより、処理室内
に形成される電界を載置台に支持された被処理体に対し
て略平行な面内でより均一化することが可能となり、均
一な密度を有するプラズマにより被処理体の処理を行う
ことが可能となる。
【0013】
【0014】
【0015】
【発明の実施の形態】以下に、添付図面を参照しながら
本発明にかかるプラズマ処理装置をLCD基板用のエッ
チング装置に適用した実施の一形態について詳細に説明
する。
【0016】図1に示すプラズマエッチング装置100
は、導電性材料、例えば表面に酸化アルマイト処理が施
されたアルミニウムやステンレスなどからなる円筒ある
いは矩形の角筒状に成形された処理容器102を有して
おり、所定のエッチング処理は、この処理容器102内
に形成される処理室102a内で行われる。
【0017】前記処理容器102は接地されており、さ
らにその底部には、被処理体、例えばLCD基板Lを載
置するための略矩形状の載置台106が設けられてい
る。載置台106は、例えば表面に酸化アルマイト処理
が施されたアルミニウムやステンレスなどの導電性材料
からなる電極部106aと、その電極部106aの載置
面以外の部分を覆うセラミックスなどの絶縁材料から成
る電極保護部106bとから構成されている。載置台1
06は、処理容器102の底部に貫装された昇降軸10
6c上に取り付けられている。この昇降軸106cは、
不図示の昇降機構により昇降自在であり、必要に応じて
載置台106全体を昇降させることができる。また昇降
軸106cの外周部には、処理室102a内を気密に保
持するための収縮自在のベローズ108が設けられてい
る。
【0018】載置台106の電極部106aには、マッ
チング回路110を介して高周波電源112が電気的に
接続されており、プラズマ処理時に、所定の高周波、例
えば2MHzの高周波電力を印加することにより、バイ
アス電位を生じさせ、処理室102a内に励起されたプ
ラズマをLCD基板Lの処理面に効果的に引き込むこと
が可能である。なお図1に示す装置では、載置台106
にバイアス用の高周波電力を印加する構成を示したが、
単に載置台106を接地させる構成を採用することもで
きる。
【0019】さらに載置台106の電極部106aに
は、冷却ジャケット114が内設されている。この冷却
ジャケット114内には、たとえばチラーにより温調さ
れたエチレングリコールなどの熱媒を、熱媒導入管11
4aを介して導入可能であり、導入されたエチレングリ
コールは同冷却ジャケット114内を循環して冷熱を生
じる。かかる構成により、エチレングリコールの冷熱が
冷却ジャケット114から載置台106を介してLCD
基板Lに対して伝熱し、LCD基板Lの処理面を所望す
る温度まで温調することが可能である。なお、冷却ジャ
ケット114を循環したエチレングリコールは熱媒排出
管114bより容器外へ排出される。なお、図1に示す
装置では省略しているが、載置台106に加熱ヒータな
どの加熱手段を設け、LCD基板Lの処理面の温調を行
うように構成してもよい。また、載置台106の載置面
には多数の孔115aが穿設されており、ガス供給管1
15から、所定の伝熱ガス、例えばヘリウムガスを載置
台106の載置面とLCD基板Lの裏面との間に供給す
ることにより伝熱効率を高め、減圧雰囲気下であって
も、効率的にLCD基板Lの温調を行うことが可能であ
る。
【0020】また、載置台106の上部には、LCD基
板Lの外縁部をクランプすることが可能なクランプフレ
ーム116が設けられている。このクランプフレーム1
16は、載置台106の周囲に立設された、例えば4本
の支持柱116aにより支持されており、LCD基板L
が載置された載置台106を上昇させ、LCD基板Lの
外縁部にクランプフレーム116を当接させることによ
り、LCD基板Lを載置台106上に載置固定すること
が可能である。なお、載置台106には、不図示のプッ
シャピンも設けられており、このプッシャピンを昇降さ
せることにより、LCD基板Lを載置台106上に載置
したり、載置台106から持ち上げたりすることが可能
である。
【0021】また,載置台106のLCD基板Lの載置
面とほぼ対向する処理容器102の天板部102bに接
するように,高周波アンテナ120が埋設された誘電体
118が設けられている。この誘電体118は,積層構
造を有しており,図示の例では,それぞれ誘電体部材か
ら成る4層構造を成している。すなわち,天板部102
b側から,パイレックス層118a,石英層118b,
マイカなどの紛状誘電体材料中に高周波アンテナ120
が埋設された高周波アンテナ層118c,石英中に処理
ガス経路が内設された処理ガス供給層118dから構成
されている。なお,積層される誘電体材料は,高周波電
力の印加により高周波アンテナ120が加熱した場合
に,その熱により剥離等の現象が生じないように,熱膨
張率が等しい材料を用いることが好ましい。また,図示
の例では,加工性およびコストに鑑みマイカやパイレッ
クスを利用しているが,もちろんすべてを石英層から構
成することも可能である。また,積層する数も4層に限
定されず,数の誘電体層を積層することも可能である。
あるいは,積層構造にせずに,単に誘電体材料中に高周
波アンテナを埋設するように構成することも可能であ
る。なお,本明細書にいう「埋設」とは,誘電体内部に
高周波アンテナを文字通り埋め込む場合のみならず,後
述するように,誘電体を複数の誘電体層から構成し,そ
の一部の層に高周波アンテナを埋め込む場合も含むもの
とする。また高周波アンテナの一部,例えば高周波電力
供給経路が誘電体の外部に露出する場合も含むものとす
る。
【0022】なお、処理容器102の天板部102b
は、誘電体118および高周波アンテナ120とともに
取り外し自在であり、誘電体118および高周波アンテ
ナ120のメンテナンスを容易に行うことが可能なよう
に構成されている。
【0023】高周波アンテナ層118cは、図2に示す
ように、マイカなどの紛状誘電体を焼結して構成した誘
電体層118c中に帯状の導電体、例えば銅板、アルミ
ニウム板、ステンレス板などを高周波アンテナ120と
して挟み込んだ構造を有している。ここで、マイカなど
の誘電体層118cと高周波アンテナ120の熱膨張率
は相違するため、高周波アンテナ120に高周波電力が
印加され、高周波アンテナ120およびその周囲が加熱
された場合に、高周波アンテナ120の熱膨張によりひ
ずみが生じ、剥離等の現象が生じるおそれがある。この
点、本実施の形態にかかる装置では、高周波アンテナ1
20は、マイカなどの粉末状の誘電体材料を焼結するこ
とにより構成される誘電体118内に埋設されており、
さらに、高周波アンテナ120のところどころに切欠き
部120aが設けられているので、粉末状材料を焼結し
て成る誘電体中の多くの微小空間、およびこの切欠き部
120aにより高周波アンテナ120の熱膨張分が吸収
され、ひずみが生じにくく、剥離等の好ましくない現象
を未然に防止することが可能である。
【0024】なお、本実施の形態によれば、高周波アン
テナ120の熱膨張対策として、高周波アンテナ120
に切欠き部を設けるとともに、高周波アンテナ120が
埋設される誘電体118を紛状誘電体から構成している
が、もちろんいずれか一方の対策のみを採用することも
可能である。
【0025】また、図示の例では、高周波アンテナ12
0は、数ターンの渦巻き状に構成されているが、この高
周波アンテナ120はプラズマを発生するためのアンテ
ナ作用を呈する機能があればよく、周波数が高くなれば
数ターンでも良い。
【0026】再び、図1を参照すると、パイレックス層
118aおよび石英層118bを貫通し、さらにマイカ
層118c中の高周波アンテナ120に至るまで、給電
経路122aおよび接地経路122bが設けられてい
る。給電経路122aには、マッチング回路124を介
して高周波電源126が接続されており、処理時には、
この高周波電源126から所定の周波数、例えば13.
56MHzの高周波電力を高周波アンテナ120に印加
し、処理室102a内に誘導プラズマを励起することが
可能である。
【0027】さらに、処理ガス供給層118dについて
説明すると、処理ガス供給層118dは、石英などの誘
電体中にガス流通路128が形成されており、さらに、
処理ガス供給層118の載置台106側の面には、この
ガス流通路128に連通する多数の孔128aが穿設さ
れている。従って、処理ガス源130から流量制御装置
(MFC)132を介してガス流通路128に供給され
る所定の処理ガス、例えば、酸化膜処理の場合にはCF
4ガス、アルミニウム膜処理の場合にはBCl3+Cl
2の混合ガスは、上記孔128aからシャワー状に処理
室102a内に吹き出し、処理室102a内の処理ガス
濃度を均一化し、従って均一な密度のプラズマを処理室
102a内に励起することが可能である。
【0028】なお、図示の例では、処理ガス供給層11
8dを層構造に構成したが、図4に示すように、石英な
どの誘電体材料製の処理ガス供給管路134を高周波ア
ンテナ層118cの載置台106側に配し、その処理ガ
ス供給管路134の載置台106側に多数の孔134a
を穿設し、その孔134aから処理ガスを処理室102
a内に吹き出すような構成を採用することも可能であ
る。
【0029】さらにまた、上記誘電体118中に冷却水
が循環する経路を内設し、冷却水を循環させることによ
り、高周波電力の印加により加熱した高周波アンテナ1
20を冷却し、高周波アンテナ120および誘電体11
8の寿命を延ばすように構成することも可能である。
【0030】以上のように本実施の形態にかかるエッチ
ング装置100の誘電体118および高周波アンテナ1
20は、処理容器102の内部に一体的に設けられてい
るので、大気圧と処理室内との圧力差にかかわらず、高
周波アンテナ120よりも被処理体側の誘電体層の肉厚
を薄く構成することができる。従って、高周波電源12
6より高周波アンテナ120に印加される高周波電力に
より、より強い電界を処理室102a内に形成すること
ができるので、高周波エネルギーの有効利用が図れる。
また誘電体の肉厚を自由に調整することができるので、
処理室内に励起される誘導プラズマの分布および密度を
より高い精度で制御することが可能となる。また、本実
施の形態によれば、誘電体118とシャワーヘッドとを
一体化することが可能である。
【0031】また、前記処理容器102の底部には排気
管136が接続されて、この処理室102a内の雰囲気
を不図示の排気手段、例えば、真空ポンプにより排出し
得るように構成されており、処理室102aの雰囲気を
任意の減圧度にまで真空引きすることが可能である。
【0032】なお前記処理容器102の側部にはゲート
バルブ138が設けられており、隣接して設置されるロ
ードロック室より、搬送アームなどを備えた搬送機構に
より、未処理のLCD基板Lを処理室102a内に搬入
するとともに、処理済みのLCD基板Lを搬出すること
ができる。
【0033】次に、以上のように構成された本実施例に
係るプラズマエッチング装置の動作について説明する。
【0034】まず、ゲートバルブ138を介してLCD
基板Lを、不図示の搬送アームにより処理室102a内
に収容する。この時、載置台106は、下方位置にあ
り、不図示のプッシャピンが上昇しており、不図示の搬
送アームは、LCD基板Lをこの不図示のプッシャピン
上に置き、ゲートバルブ138から処理容器102外に
待避する。次いで、不図示のプッシャピンが下降し、L
CD基板Lは載置台106の載置面に載置される。次い
で、不図示の昇降機構により、載置台106が上昇し、
クランプ106の下面にLCD基板Lの周縁部が押圧さ
れ、LCD基板Lが載置台106に固定される。
【0035】この処理室102a内は、排気管136に
接続される不図示の真空ポンプにより真空引きされ、同
時に処理ガス供給層118dの処理ガス供給孔128a
より所定の処理ガス、例えば、酸化膜処理の場合にはC
F4ガス、アルミニウム膜処理の場合にはBCl3+C
l2の混合ガスが処理室102a内に導入され、処理室
102a内は、例えば30mTorr程度の高真空状態
に保持される。
【0036】そして、高周波電源126よりマッチング
回路124を介して、例えば13.56MHzの高周波
エネルギーを誘電体118の高周波アンテナ層118c
に埋設された高周波アンテナ120に印加する。する
と、高周波アンテナ120のインダクタンス成分の誘導
作用により処理室102a内に電界が形成される。その
際、本実施の形態によれば、高周波アンテナ120は、
処理容器102の天井部102bに接して設けられた誘
電体118の高周波アンテナ層118cに埋設され、被
処理体に対する対向面側の誘電体層の肉厚を従来のもの
に比較して薄く形成することが可能なので、従来の装置
に比較してより強い電界が処理室102a内に形成され
る。その結果、より高密度のプラズマを処理室102a
内に生成することができる。
【0037】さて、このようにして処理室102a内に
励起されたプラズマは、載置台106に印加されるバイ
アス電位により載置台106上のLCD基板Lの方向に
移動し、処理面に対して所望のエッチング処理を施すこ
とが可能である。そして、所定のエッチング処理が終了
した後、処理済みのLCD基板Lは不図示の搬送アーム
によりゲートバルブ138を介してロードロック室に搬
出され、一連の動作が終了する。
【0038】以上、本発明に係るプラズマ処理装置をL
CD基板用のエッチング装置に適用した一実施例に即し
て説明したが、上記装置においては、渦巻状の高周波ア
ンテナ120が埋設される誘電体118が平板状に構成
されているので、高周波アンテナ120が密に配置され
る中間部においてより強い電界が形成され、その結果、
処理室の中間領域のプラズマ密度が高くなり、図7
(A)に示されるように、中間領域(M)と、中央領域
(C)および周縁領域(S)とのエッチングレート(E
R)が不均一になるおそれがある。
【0039】なお本明細書において、被処理体の処理面
の中央領域の正投影に属する処理室またはアンテナ室内
の領域を中央領域(C)、該処理面の中央領域を囲む中
間領域の正投影に属する処理室またはアンテナ室内の領
域を中間領域(M)、該処理面の中間領域を囲む外縁領
域(すなわち、最外側領域)の正投影に属する処理室ま
たはアンテナ室内の領域を周縁領域(S)とそれぞれ称
しているが、これらの中央領域(C)、中間領域
(M)、周縁領域(S)の概念は、相対的な概念であ
り、被処理体の寸法および載置位置、処理室およびアン
テナ室の寸法および配置位置に応じて相対的に決定され
るものである。
【0040】そして、本発明の別の実施の形態によれ
ば、上記のように、中央領域(C)、中間領域(M)、
周縁領域(S)において異なるプラズマ密度を、処理室
内において均一にするための様々な構成を加えることが
できる。以下、プラズマ密度を均一化するためのいくつ
かの態様について説明するが、これらの態様に用いられ
る構成部材のうち、図1に示す装置と同じ機能構成を有
するものについては同じ参照番号を付することにより詳
細説明は省略する。
【0041】上記実施の形態においては、図2に示すよ
うに、一系統の高周波電源より高周波電力を印加される
高周波アンテナ120を用いた結果、中間領域(M)
と、中央領域(C)および周縁領域(S)においてプラ
ズマ密度の不均一を招くおそれがあった(図7(A)参
照)。これに対して、本発明の別の実施の形態によれ
ば、図3に示すように、二系統の高周波電源222a、
222bより、それぞれマッチング回路224a、22
4bを介して二系統の高周波アンテナ202a、202
bに、それぞれ異なる電力の高周波電力を印加する構成
を採用することも可能である。図示のように、高周波ア
ンテナを多系統構造とすることにより、例えば、プラズ
マ密度の薄い場所に対して高周波アンテナを密に配置
し、および/または高い高周波電力を印加し、プラズマ
密度の高い場所に対して高周波アンテナを粗に配置し、
および/または低い高周波電力を印加することが可能と
なり、処理室内のプラズマ密度の均一化を図ることがで
きる。なお、図示の例では、第1の高周波アンテナ20
2aの外周を囲むように電界シールド210により相互
干渉しないよう第2の高周波アンテナ202bを配置す
ることにより、プラズマ密度が薄くなりがちな処理室の
周縁部に対してより強い電波を供給することが可能なよ
うに構成している。
【0042】あるいは、図5に示すように、誘電体11
8内に埋設される高周波アンテナ204の中間部204
Mを、中心部204C(端子112a付近)および周縁
部204S(端子112b付近)とLCD基板との間隔
よりも、中間部204MとLCD基板Lとの間隔が広く
なるように配置してもよい。この結果、中間部204M
においては被処理体L側の誘電体の厚さが厚くなるた
め、プラズマ密度が濃くなりがちな中間領域(M)にお
ける高周波エネルギーの伝播力を弱めることが可能とな
り、図7(B)に示すように、処理室内に生成するプラ
ズマ密度を均一化し、エッチングレート(ER)の面内
均一を達成することができる。
【0043】また、図6に示すように、誘電体118の
被処理体L側の底面118bを高周波アンテナ204の
設置位置に合わせて、段々形状に構成し、高周波アンテ
ナ204と被処理体Lとの間に存在する誘電体118の
肉厚を均等に構成することもできる。
【0044】以上、添付図面を参照しながら、本発明に
かかるプラズマ処理装置をLCD基板用のエッチング装
置に適用した実施の一形態について説明したが、本発明
はかかる例に限定されない。特許請求の範囲に記載され
た技術的思想の範囲内において、当業者であれば、各種
の修正および変更を施すことが可能であり、これらにつ
いても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解さ
れる。
【0045】例えば、上記実施の形態においては、高周
波アンテナ120の構造として、渦巻き状のものを示し
たが、これ以外にも、1または2以上のループを成す形
状の高周波アンテナや、コイル状の高周波アンテナを使
用することも可能である。また、ターン数やピッチにつ
いても、処理装置の大きさや処理プロセスに応じて、最
適なものを選択することが可能であることは言うまでも
ない。
【0046】さらに、上記実施の形態においては、1つ
の高周波電源126より高周波アンテナ120に高周波
電力を印加する構成を示したが、高周波アンテナを、例
えば、中央に渦巻き状のアンテナ部材を配し、そのアン
テナ部材を囲むようにループ状アンテナを配するような
複数の高周波アンテナ部材から構成し、各高周波アンテ
ナに対して個別独立に制御可能な複数の高周波電源より
高周波電力を印加するような構成を採用することも可能
である。かかる構成によれば、例えば処理室内の中央部
とその周囲部とのプラズマ密度を個別独立に制御するこ
とが可能となり、プラズマ密度の均一化を図ることが可
能である。なお、このように高周波アンテナを複数の高
周波アンテナ部材から構成する場合には、各高周波アン
テナ部材間の干渉を防止するために、シールドを設ける
ことが好ましい。
【0047】高周波アンテナ120に印加される高周波
電力についても、位相制御、周波数変調制御、パルス制
御などの各種制御を行い、処理室内に励起されるプラズ
マの最適化を図ることが可能であり、また載置台106
に印加されるバイアス電位についても、同様に、位相制
御、周波数変調制御、パルス制御などの各種制御を行
い、プラズマの引き込みタイミングの最適化を図ること
が可能である。
【0048】また、上記実施例においては、LCD基板
Lを被処理体として処理する例を示したが、本発明は、
半導体ウェハを被処理体とする処理装置に対しても適用
できる。また上記実施例では、本発明をエッチング装置
に適用した例を示したが、本発明は、プラズマを利用し
た各種装置、例えばアッシング装置やプラズマCVD装
置に対しても適用することが可能である。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に基づいて
構成されたプラズマ処理装置によれば、高周波アンテナ
に高周波電力が印加されて高周波アンテナが加熱し膨張
しても、その熱膨張を吸収することができるので、たと
え熱膨張率の異なる誘電体中に高周波アンテナを埋設し
たような場合でも、剥離等の損傷が生じることを防止す
ることができる。さらに、例えば誘電体中に高周波アン
テナを埋設することにより、大気圧と処理室内との圧力
差にかかわらず、誘電体の肉厚を薄く構成することがで
きるので、高周波アンテナに印加される高周波エネルギ
ーの有効利用が図れる。また誘電体の肉厚を自由に調整
することができるので、処理室内に励起される誘導プラ
ズマの分布および密度をより高い精度で制御することが
可能となる。
【0050】
【0051】
【0052】
【0053】
【0054】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるプラズマ処理装置をLCD基板
用エッチング装置に適用した実施の一形態を示す概略的
な断面図である。
【図2】図1に示すエッチング装置の誘電体に埋設され
る高周波アンテナの概略構成を示す概略的な説明図であ
る。
【図3】本発明にかかるエッチング装置に適用可能な高
周波アンテナの別の実施例を示す略水平方向断面図であ
る。
【図4】図1に示すエッチング装置の処理ガス供給経路
の実施の一態様を示す概略的な説明図である。
【図5】本発明にかかるエッチング装置に適用可能な高
周波アンテナおよび誘電体のさらに別の実施例を示す略
垂直方向断面図である。
【図6】本発明にかかるエッチング装置に適用可能な高
周波アンテナおよび誘電体のさらに別の実施例を示す略
垂直方向断面図である。
【図7】高周波アンテナの配置とエッチングレートとの
関係を示す説明図であり、(A)は高周波アンテナを平
面状に配置した場合、(B)は高周波アンテナの中間部
が盛り上がるように配置した場合をそれぞれ示してい
る。
【図8】従来の高周波誘導結合プラズマ処理装置の概略
構成を示す断面図である。
【符号の説明】
102 処理容器 102a 処理室 106 載置台 110 マッチング回路 112 高周波電源 118 誘電体 118a パイレックス層 118b 石英層 118c 高周波アンテナ層 118d 処理ガス供給層 120 高周波アンテナ 122a 給電経路 122b 接地経路 124 マッチング回路 126 高周波電源 128 処理ガス流通路 128a 処理ガス供給孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // H01L 21/203 H01L 21/302 C (56)参考文献 特開 平8−195297(JP,A) 特開 平8−321490(JP,A) 特開 平8−88190(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/3065

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高周波アンテナに高周波電力を印加する
    ことにより処理室内に誘導プラズマを励起して、前記処
    理室内の載置台に支持された被処理体に対して所定のプ
    ラズマ処理を施すように構成されたプラズマ処理装置に
    おいて、 前記処理室内に配設され、前記載置台と対向する誘電体
    と、 前記誘電体を介して、前記処理室内に電界を形成するた
    めの高周波アンテナとを備え前記高周波アンテナは、この高周波アンテナ自体の熱膨
    張を吸収する複数の切欠き部を有していること を特徴と
    する、プラズマ処理装置。
  2. 【請求項2】 前記高周波アンテナは、前記誘電体内に
    埋設されることを特徴とする、請求項1に記載のプラズ
    マ処理装置。
  3. 【請求項3】 前記誘電体は、複数の誘電体部材を積層
    することにより構成されることを特徴とする、請求項1
    又は2に記載のプラズマ処理装置。
  4. 【請求項4】 前記誘電体は、前記被処理体内に形成さ
    れる前記電界を前記載置台に支持された被処理体に対し
    て略平行な面内で均一化するように、前記高周波アンテ
    ナが前記載置台に支持された被処理体から異なる距離を
    有し、かつ前記高周波アンテナと前記被処理体との間に
    存在する誘電体の肉厚を均等にする段々形状に構成され
    ることを特徴とする、請求項1、2または3のいずれか
    に記載のプラズマ処理装置。
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