JP3501515B2 - 段ボールシートの罫線部評価方法および装置 - Google Patents

段ボールシートの罫線部評価方法および装置

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JP3501515B2
JP3501515B2 JP24128394A JP24128394A JP3501515B2 JP 3501515 B2 JP3501515 B2 JP 3501515B2 JP 24128394 A JP24128394 A JP 24128394A JP 24128394 A JP24128394 A JP 24128394A JP 3501515 B2 JP3501515 B2 JP 3501515B2
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昭宣 吉澤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、段ボールシートの罫線
を評価する方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】段ボールケースを製作する場合、一般
に、原紙をコルゲータに投入して連続した帯状のシート
を作り、これを一定の長さに切って枚葉シートとしてス
トックする。このストックされた枚葉シートに印刷を施
し、さらに、抜き型によって所望の形状に打ち抜くと共
に組立に必要な切れ目や罫線を形成し、所定の組立を行
って段ボールケースとする。そして、この段ボールケー
スは必要時に段ボール函に組み立てられて使用される。
【0003】ここで、段ボールケースを段ボール函に組
み立てるときのフラップの折り目となる罫線の形成方法
の一例を図32に示す。図32に示す方法は、突起10
1を有するアンビル102と、突起101に対応する刃
部103を有する押し型104とにより段ボールシート
105を一定圧で押圧することにより罫線106を形成
するものである。なお、プリンタで罫線を形成する場合
などは、突起を有さない平らなアンビルが用いられる。
また、近年、パルス発振モードのレーザビームで段ボー
ルシートの何れか一方のライナのみを残して形成したミ
シン目状の間欠孔からなる罫線が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述した段ボールケー
スの罫線は、その形成の仕方により、例えばフラップを
折ったときの罫線部の反力が異なる。この罫線部の反力
は、段ボールシートの材質により異なり、また、形成さ
れた罫線の状態によって異なる。例えば、罫線を刃部1
03を有する押し型104を押圧することにより形成し
た場合には、刃部103と突起101(突起がない場合
にはアンビル表面)との間隔の大小により罫線部の反力
が異なり、また、罫線をレーザビームにより形成したミ
シン目状の間欠孔とした場合には間欠孔の大きさや間隔
により罫線部の反力が異なる。
【0005】そして、かかる罫線部の反力の違いにより
以下のような問題が生じる。例えば自動箱詰めラインに
おいて段ボール函に各種商品等を詰める場合、段ボール
函の上下のフラップの粘着テープによる固定は最後に行
われるので、各種商品等が詰められる前の段ボール函の
高さは、罫線部の反力の大きさと段ボール函の自重との
バランスによって決まる。したがって、罫線部の反力が
大きすぎる場合には、組み立てられた空の段ボール函が
うまくライン状に載置できなかったり、載置できても高
さが高すぎたりして、自動箱詰めラインがストップして
しまうという問題が生じる。一方、罫線部の反力が小さ
すぎる場合には、罫線部の強度が不十分であるという虞
がある。よって、段ボール函の罫線部の反力は、予め評
価しておくのが好ましい。
【0006】ところで、従来から知られている罫線の評
価方法は、図33に示すものである。図33に示すよう
に、この評価方法は、罫線106が形成された段ボール
シート105の一端をホルダ107で保持し、他端に重
り108を載せ、罫線106のところで折れたときの重
り108の大きさで罫線106の強度を評価するもので
ある。したがって、かかる方法では、罫線部の降伏強度
は評価できるものの、上述したような罫線部の反力は評
価できない。
【0007】本発明はこのような事情に鑑み、罫線部の
反力を含め機械的特性を評価する段ボールシートの罫線
部評価方法および装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成する本
発明の第1の態様は、シートを二分割する罫線が形成さ
れた段ボールシートの罫線部評価方法であって、前記段
ボールシートの前記罫線の一方側全体をクランプで把持
すると共に他端部側の一部を圧力センサに当接し、前記
段ボールシートの罫線を中心線として、前記クランプを
回転移動し、このときに当該圧力センサに検知される反
力をその回転位置と共に測定することにより前記段ボー
ルシートの罫線部を評価することを特徴とする段ボール
シートの罫線部評価方法にある。
【0009】本発明の第2の態様は、第1の態様におい
て、前記相対的回転移動が、毎秒180度以下の範囲で
行われることを特徴とする段ボールシートの罫線部評価
方法にある。
【0010】本発明の第3の態様は、第1または2の態
様において、前記罫線部を有する段ボールシートの代わ
りに罫線部を有さない段ボールシートについて同様な測
定を行い、これを基準として前記罫線部の評価を行うこ
とを特徴とする段ボールシートの罫線部評価方法にあ
る。
【0011】 本発明の第4の態様は、シートを二分割
する罫線が形成された段ボールシートの罫線部評価装置
であって、前記段ボールシートの罫線の一方側全体を把
持するクランプと、他端側の一部に当接し得る圧力セン
サと、前記段ボールシートの罫線を中心線として、前記
クランプを回転移動する回転移動手段と、この回転移動
の際に当該圧力センサに検知される反力をその回転位置
情報と共に測定する測定手段とを具備することを特徴と
する段ボールシートの罫線部評価装置にある。
【0012】本発明の第5の態様は、第4の態様におい
て、前記圧力センサが前記段ボールシートを挟持する位
置に一対設けられていることを特徴とする段ボールシー
トの罫線部評価装置にある。
【0013】本発明の第6の態様は、第4または5の態
様において、前記回転移動手段が、前記相対回転移動を
毎秒180度以下の範囲で行う駆動手段であることを特
徴とする段ボールシートの罫線部評価装置にある。
【0014】本発明の第7の態様は、第4または5の態
様において、前記回転移動手段が、前記相対回転移動を
人力で行うためのハンドルであることを特徴とする段ボ
ールシートの罫線部評価装置にある。
【0015】
【作用】前述した本発明によれば、段ボールシートの罫
線部の折曲げの際の段ボールシートからの反力をその折
り角に応じて測定でき、罫線部の降伏強度、折り返した
後の罫線部の反力等、罫線部の機械的特性を評価でき
る。
【0016】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
【0017】図1には、本発明方法を実施する段ボール
シートの評価装置の一実施例を示す。図1に示すよう
に、基台1には、クランプ支柱2が立設され、このクラ
ンプ支柱2には、被測定物である段ボールシートを挟持
するクランプ3が開閉自在に取り付けられている。すな
わち、クランプ3は、段ボールシート面接触する固定爪
部3aおよび移動爪部3bからなり、移動爪部3bは、
クランプ調節ねじ4により移動自在になっている。ま
た、クランプ支柱2はクランプ3の先端縁に沿う軸を中
心として基準位置から両方向に最大120度ずつ回転移
動するようになっている。
【0018】 基台1には一組の圧力センサ支持台5A
および5Bが設けられており、これら圧力センサ支持台
5Aおよび5B上にはプローブテーブル6Aおよび6B
が移動自在に設けられている。さらに詳言すると、圧力
センサ支持台5Aおよび5B上にはそれぞれの長手方向
に沿ってレール7およびラック8が固設される一方、プ
ローブテーブル6Aおよび6Bの下面にはそれぞれレー
ル7を把持する把持部およびラック8と噛み合うピニオ
が取り付けられており、ピニオンに固着されたスパン
調整ねじ11を回転することにより、圧力センサ支持台
5Aおよび5Bをレール7およびラック8に沿って移動
することができるようになっている。なお、プローブテ
ーブル6Aおよび6Bにはそれぞれを貫通するテーブル
固定ねじ9が取り付けられており、固定ねじ9の先端を
圧力センサ支持台5Aおよび5Bに当接させることによ
りプローブテーブル6Aおよび6Bの位置を固定できる
ようになっている。
【0019】 プローブテーブル6Aおよび6B上に
は、それぞれプローブ10Aおよび10Bを有するセン
サ本体11Aおよび11Bがプローブテーブル6Aおよ
び6Bの移動方向とは直交する方向に移動自在に設けら
れている。すなわち、プローブテーブル6Aおよび6B
上にはレール7とは直交する方向に延びるレール12が
固設される一方、センサ本体11Aおよび11Bの下面
にはレール12を把持する把持部13が設けられ、かつ
プローブテーブル6Aおよび6B上に固設されるねじ台
14に軸方向の動きが規制された状態で回転自在に取り
付けられているプローブ調節ねじ15の先端部の雄ねじ
部とプローブテーブル6Aおよび6Bの端面に形成され
た図示しない雌ねじ部とが噛み合っている。したがっ
て、プローブ調節ねじ15を回転することにより、セン
サ本体11Aおよび11Bがレール12に沿って移動す
るようになっている。センサ本体11Aおよび11Bに
はそれぞれを貫通するセンサ固定ねじ16が取り付けら
れており、センサ固定ねじ16の先端をプローブテーブ
ル6Aおよび6Bに当接させることによりセンサ本体1
1Aおよび11Bの位置を固定できるようになってい
る。
【0020】すなわち、本実施例の装置は、折曲げ速
度、試験片の幅および厚み、罫線と反力測定点との距離
(以下、「レバー長」という)などが全て可変な構造と
なっている。
【0021】かかる装置での測定中にプローブ10Aお
よび10Bが受ける圧力は、基台1内に備えられている
測定装置本体により検出され、そのデータは、I/Oコ
ネクタ17を介して接続されるパーソナルコンピュータ
(PC)により処理されるようになっている。なお、図
示しない測定装置本体は、リセットボタン18によりリ
セットできるようになっている。
【0022】次に、上述した装置を用いて段ボールシー
トの罫線部の反力を測定する方法の一実施例を説明す
る。
【0023】 まず、図2に示すような段ボールシート
の測定サンプル20を切り出す。測定サンプル20は、
最大200mmまでの幅を有するものであり、該測定サ
ンプル20を横断する罫線21を有し、罫線21の一方
側の基端部22の長さを40mm、他方側の測定部23
の長さを80〜210mmとしたものである。なお、こ
のような測定サンプル20の切り出しは、例えば日本T
MC社製のサンプルカッタなどを用いるのがよい。
【0024】次に、測定サンプル20の基端部22をク
ランプ3に挟んで固定する。この固定は、クランプ調節
ねじ4により行い、移動爪部3bの先端と罫線21とが
一致し、かつ測定サンプル20の幅方向中央が移動爪部
3bの中央と一致するようにする。
【0025】 次に、スパン調節ねじ11でプローブテ
ーブル6Aおよび6Bを所定の位置に移動すると共に、
テーブル固定ねじ9でその位置を固定する。続いて、プ
ローブ調節ねじ15によりセンサ本体11Aおよび11
Bの位置を調節して、プローブ10Aおよび10Bの先
端が測定サンプル20の両面に軽く触れる位置に移動
し、センサ固定ねじ16によりセンサ本体11Aおよび
11Bを固定する。
【0026】この状態で、クランプ支柱2を所定の速度
で所定角度だけ回転移動して測定サンプル20の基端部
22を罫線21のところで所定角度だけ折り返し、続い
て、クランプ支柱2を逆方向に所定角度だけ回転移動し
て基端部22を逆方向に折り返し、これを繰り返す。そ
して、このときプローブ10Aおよび10Bにかかる圧
力を測定装置本体で測定し、このデータをI/Oコネク
タ17につないだPCにより解析する。
【0027】図3にはこの測定方法を模式的に、また、
図4には代表的な測定データを示す。図3に示すよう
に、まず、クランプ3を点Oを中心に、測定サンプル2
0の罫線21を形成した方向(順方向)に90度まで回
転移動し、さらに逆方向に0度まで回転移動すると、プ
ローブ10Aが反力を受ける。このとき、順方向90度
までの折り返しにより発生する反力を角度に対応させて
グラフに示すと、図4の右側に示すようになる。すなわ
ち、反力は、まず降伏点(降伏強度)に対応するfy
で上昇した後しばらく下降し、その後、中芯のつぶれ並
びに表ライナの引張りにより徐々にfe まで上昇する。
また、90度の位置から逆方向の折り返しにより発生す
る反力はfe から急激に0まで下がる。その後、続いて
逆方向に−90度まで回転移動し、さらに順方向に0度
まで回転移動すると、今度はプローブ10Bが反力を受
ける。この反力を角度に対応させて示すと、図4に示す
ように、順方向とほぼ対照のグラフとなる。
【0028】かかるデータを解析するには、特に、上述
したfy およびfe 、また、降伏点fy に対応する降伏
角度θ1 並びに90度の位置から逆方向に折り返したと
きに反力が0になった位置であるフラップ戻り角θ2
どを考慮するのがよい。すなわち、少なくともこれらを
考慮することにより、罫線部の機械的特性を評価するこ
とができる。また、降伏点までの反力の上昇曲線に対す
る原点からの接線mは、見かけの折曲げ易さとなる。勿
論、これらの値を評価する場合、測定サンプル20の
幅、罫線21からプローブ10Aおよび10Bまでのス
パン、測定サンプル20の表ライナ・中芯・裏ライナ・
段種・罫線方向などのデータ、最大折り角、回転移動の
速度、および温度・湿度などの環境データ等を考慮する
必要がある。
【0029】図4には、折曲げ角度を120度とした場
合の測定例を合わせて示してある。また、それぞれの折
曲げ角度において最大折曲げ位置の反力の大きさのばら
つきは、中しんのつぶれ方のばらつきによる。さらに、
逆折りにした場合の反力の上昇点が順方向の折曲げ角度
位置にずれるのは、順方向への折曲げによる折り癖によ
る。
【0030】図5および図6は、試験片として、表/中
/裏がC5/120/C5の段ボールを用い、フルート
に直交する方向(スコア)と平行な方向(クリーズ)で
それぞれ10個の試験片を測定した結果である。レバー
長は20cmで、90度の順折りの後、90度の逆折り
をしている。なお、ブランクとして罫線なしのものを用
いている。これらの結果から明らかなように、全般に、
クリーズはスコアよりばらつく傾向にあるが、立ち上が
りと折曲げ降伏値の再現性はよい。降伏後の曲線が試験
片毎に大きく異なるのは、中しんの潰れ方が一定しない
からである。
【0031】図7〜図10には、試験片の幅を変えたと
きの結果を示した。また、図11には試験片の幅と折曲
げ降伏値との関係を示した。これらの図に示すように、
誤差の範囲内で、降伏反力は試験片の幅にほぼ比例して
いる。
【0032】図12〜図19は、折曲げ速度を速度を変
えたときの結果である。これらの結果より、毎秒10度
〜40度の範囲では、結果は折曲げ速度に依存しないこ
とが明らかである。このことから、人力でクランプ3を
回転させて試験片を曲げても、差し支えないことがわか
る。なお、人力で回転させる場合には、圧力センサに衝
撃を与えないようにすれば、毎秒180度まで、折り曲
げ速度に依存しないことを確認している。
【0033】図20には、折曲げ降伏値、降伏角度、お
よび初期見かけ曲げ剛さの「レバー長」(L)に対する
依存性を示した。この結果では、降伏値はレバー長に逆
比例、降伏角度はレバー長の平方根に比例している。見
かけの曲げ剛さはレバー長の(−3/2)乗に比例して
いる。本実施例ではレバー長15cmを標準として測定
した。
【0034】図21〜図24には、コルゲータ罫線ロー
ルのギャップを変えたときの折曲げ力の変化を示した。
ギャップを大きくするほど折曲げ力が大きくなってい
る。なお、フレキソのクリーズ用罫線輪の形状を変更し
たときも同様に検出できるから、これにより罫線の定量
的な管理が可能である。
【0035】図25は、本発明の測定値とレンゴー式罫
線強度測定器の測定値との比較を示す。これによると、
スコアの場合は材質によらず一致している。クリーズの
場合は多少ばらつくが、全体として45度線で相関でき
るので、同等な結果が出ているとみてよい。ただし、カ
ットテープ用のミシン目罫線では、本発明の測定値は、
レンゴー式のものより2割方大きく出る傾向がある。な
お、レンゴー式罫線測定器では上述したように罫線部を
折曲げたときの反力は測定できない。
【0036】図26には、本発明の折曲げ降伏値とJI
Sエンドクラッシュ値との相関を示す。この図から明ら
かなように、両者は段種によらずかなりよい相関を示し
ている。この図では、エンドクラッシュは50mm、降
伏値は100mm基準なので、相関式は次式の通りにな
る。
【0037】
【数1】 エンドクラッシュ値=83.5×折曲げ降伏値 図27は、本発明の折曲げ降伏値と、360W×300
D×250Hの標準箱の圧縮強度との関係を示す。この
図に示すように、両者はかなりよい相関を示している。
【0038】 箱の強度の推算式として、ケリカット、
マッキー、ウルフ、およびマルテンフォートの4つの式
が知られている。図27の箱ついて各式で推算した結
果を図28に示す。この結果からわかるように、マルテ
ンフォートの式は劣るので除外するが、他の3式は、以
下のように表される。
【0039】
【数2】 (ケリカット) P/(Pr・L)=J・(4α/L)2/3 ここに、無次元定数Jおよび有次元定数αは、次の通り
である。
【0040】 段種 無次元定数J 有次元定数α シート厚さT B 0.68 5.00[in] 127[mm] 〜3[mm] A 0.59 8.36 212 〜5 AB 0.55 13.36 339 〜7.5
【0041】
【数3】(マッキー) P/(Pe・L)=5.784・(T/L)0.506
【0042】
【数4】(ウルフ) P/(Pe/L)=β・K・(T/L)0.5 (1/H)0.041 ここに、有次元定数βおよび寸法比関数Kは次の通りで
ある。
【0043】
【数5】 有次元関数β=6.55[in0.041 ]=7.48[mm0.041 ] 寸法比関数K=1+0.3228(L/W)−0.1217(L/W)2 これらの式の中で、箱の幅W、奥行きD、高さH、およ
び周辺長L=2(W+D) は全ての長さの次元を持
ち、総合リングクラッシュ値Prおよびエンドクラッシ
ュ値Peは力÷長さの次元を持つ。
【0044】 次元解析で考えれば、箱の圧縮強度に関
係するのは、箱の水平断面の形状(寸法比W/Lと無次
元肉厚T/L)と垂直断面形状(寸法比H/L)、そし
てシートの剛性Px(リングクラッシュPr、エンドク
ラッシュPe、曲げ剛さPb)のはずだから、次の形が
望ましい。
【0045】
【数6】 P/(Px・L)=f(W/L,T/L,H/L) 箱の高さがあまり効かなければ、H/Lは省略でき、次
の式となる。
【0046】
【数7】P/(Px・L)=f(W/L,T/L) ケリカット式の右辺は、T/Lの関数とみてよさそうで
ある。これは、図28より、マッキー式と似た傾向にあ
ることからも言える。ウルフ式だけが右辺にW/Lの関
数Kと、Hを含んでいる(ただし、有次元定数βを残し
ているので、整理が不十分である)。
【0047】以上から、望ましい推算式は次式の通りで
ある。
【0048】
【数8】 P/(Px・L)=定数・g・(T/L)0.5 ・(H/L)-c ここに、gは(W/L)の関数、cは小さい正の数であ
る。
【0049】以上の検討および図28の結果より、理論
的にはウルフ式が最善であろう。ただし、ウルフ式は大
きめの箱強度(危険側)を与え、かつ強度がより要求さ
れる領域でこの傾向がさらに高まる。このため、実用的
には逆の傾向(安全側の箱強度がである)を持ち、かつ
自分で測定する必要のないケリカットの式が多用されて
いる。
【0050】しかしながら、本発明の折曲げ降伏値とエ
ンドクラッシュ値との相関を整理して、PeをPbに代
え、関数gを(W/L)の多項式で与え、cを実験的に
決定すれば、安全で正確な推算が可能である。
【0051】図29〜図31には、本発明の他の実施例
に係る段ボールシートの評価装置を示す。この装置は、
図1の装置を小型化して、携帯できるようにしたもので
あり、図29は平面図、図30は正面図、図31は側面
図である。
【0052】これらの図面に示すように、図示を省略す
るデータ処理部が内蔵されている基台51上の一端側に
は、試験片となる段ボールDの一端部を把持するクラン
プ52が一対の軸53を中心に回転自在に設けられてい
る。軸53は、クランプ52の両側に固着された軸受け
台54および55にそれぞれ回転自在に支持されてい
る。クランプ52は、軸53に固着された固定爪部52
aと、固定爪部52aに対して開閉自在となる移動爪部
52bとからなる。移動爪部52bは、一対のピン56
およびクランプ調節ねじ57により、開閉方向のみ移動
可能に支持されており、クランプ調節ねじ57の回転に
より開閉自在となっている。一方の軸53の一端部は軸
受け台54から外側に突出しており、この軸53の端部
には、クランプ52を回動するためのハンドル58が設
けられている。ハンドル58の軸53へ対する回転方向
の固定位置は、ハンドル固定ねじ59を介して固定され
るようになっている。基台51の反対側には、すなわ
ち、軸53の中心(クランプ52の把持端部に一致す
る)から150mm離れた位置には、圧力計(ロードセ
ル)60が上方に向かって突出するように設けられてい
る。
【0053】かかる装置で段ボールの評価を行う場合、
幅50mm×長さ200mmの試験片を切り出し、その
一端をクランプ52に把持する。このときのハンドル5
8の位置が図30で実線で示した位置であり、このと
き、一端がクランプ52に挟まれた試験片Dの他端部は
ロードセル60の先端から離れて浮いた位置にある。こ
の位置からハンドル58を図30において反時計回り方
向に、90度あるいは120度回転する。ハンドル58
が58Aの位置にくると、試験片Dの他端部がロードセ
ル60の先端に接触する。この位置からさらに90度あ
るいは120度回転させながら、ロードセル60が受け
る力f(応力)を回転角度(回転角度)に対応させて測
定する。
【0054】本実施例の装置では、折曲げ角度と応力と
の関係を図示しないデータ処理部で自動記録し、これを
図示しないプリンタ出力端子あるいはRS−232Cコ
ネクタを介して、直接プリンタへあるいは他のパソコン
などのデータ処理機に出力することができる。これによ
り、図4の右半分の実線に示すようなグラフが得られ、
これにより、上述した実施例と同様に、降伏強度を求め
ることができる。
【0055】なお、本実施例の装置では、ハンドル58
を人力で回転させるわけであるが、上述したように、回
転速度を毎秒180度以下の範囲で行えば、測定結果は
折曲げ速度に依存しない。したがって、上述した実施例
と同様に、罫線部の降伏強度、折り返した後の罫線部の
反力、罫線部の機械的特性等を評価することができる。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、段ボ
ールシートの罫線部の折曲げの際の段ボールシートから
の反力をその折り角に応じて測定しているので、罫線部
の降伏強度、折り返した後の罫線部の反力等、罫線部の
機械的特性を評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る段ボールシートの罫線部評価装置
の一実施例を示す斜視図である。
【図2】本発明に係る段ボールシートの罫線部評価方法
に用いる測定サンプルの一例を示す平面図である。
【図3】本発明に係る段ボールシートの罫線部評価方法
を模式的に示す説明図である。
【図4】本発明に係る段ボールシートの罫線部評価方法
による測定結果を説明するグラフである。
【図5】本発明に係る段ボールシートの罫線部評価方法
による測定結果を示すグラフで、回転角度と反力との関
係を示す図である。
【図6】本発明に係る段ボールシートの罫線部評価方法
による測定結果を示すグラフで、回転角度と反力との関
係を示す図である。
【図7】本発明に係る段ボールシートの罫線部評価方法
による測定結果を示すグラフで、回転角度と反力との関
係を示す図である。
【図8】本発明に係る段ボールシートの罫線部評価方法
による測定結果を示すグラフで、回転角度と反力との関
係を示す図である。
【図9】本発明に係る段ボールシートの罫線部評価方法
による測定結果を示すグラフで、回転角度と反力との関
係を示す図である。
【図10】本発明に係る段ボールシートの罫線部評価方
法による測定結果を示すグラフで、回転角度と反力との
関係を示す図である。
【図11】本発明に係る段ボールシートの罫線部評価方
法による測定結果を示すグラフで、試験片の幅と折曲げ
降伏値との関係を示す図である。
【図12】本発明に係る段ボールシートの罫線部評価方
法による測定結果を示すグラフで、回転角度と反力との
関係を示す図である。
【図13】本発明に係る段ボールシートの罫線部評価方
法による測定結果を示すグラフで、回転角度と反力との
関係を示す図である。
【図14】本発明に係る段ボールシートの罫線部評価方
法による測定結果を示すグラフで、回転角度と反力との
関係を示す図である。
【図15】本発明に係る段ボールシートの罫線部評価方
法による測定結果を示すグラフで、回転角度と反力との
関係を示す図である。
【図16】本発明に係る段ボールシートの罫線部評価方
法による測定結果を示すグラフで、回転角度と反力との
関係を示す図である。
【図17】本発明に係る段ボールシートの罫線部評価方
法による測定結果を示すグラフで、回転角度と反力との
関係を示す図である。
【図18】本発明に係る段ボールシートの罫線部評価方
法による測定結果を示すグラフで、回転角度と反力との
関係を示す図である。
【図19】本発明に係る段ボールシートの罫線部評価方
法による測定結果を示すグラフで、回転角度と反力との
関係を示す図である。
【図20】本発明に係る段ボールシートの罫線部評価方
法による測定結果を示すグラフで、レバー長依存性を示
す図である。
【図21】本発明に係る段ボールシートの罫線部評価方
法による測定結果を示すグラフで、回転角度と反力との
関係を示す図である。
【図22】本発明に係る段ボールシートの罫線部評価方
法による測定結果を示すグラフで、回転角度と反力との
関係を示す図である。
【図23】本発明に係る段ボールシートの罫線部評価方
法による測定結果を示すグラフで、回転角度と反力との
関係を示す図である。
【図24】本発明に係る段ボールシートの罫線部評価方
法による測定結果を示すグラフで、回転角度と反力との
関係を示す図である。
【図25】本発明に係る段ボールシートの罫線部評価方
法による測定結果とレンゴー式罫線強度測定器による測
定結果とを比較する図である。
【図26】本発明に係る段ボールシートの罫線部評価方
法による測定結果を示すグラフで、折曲げ降伏値とJI
Sエンドクラッシュとの関係を示す図である。
【図27】本発明に係る段ボールシートの罫線部評価方
法による測定結果を示すグラフで、折曲げ降伏値と箱圧
縮強度との関係を示す図である。
【図28】箱圧縮強度に関する推算式と実測値との相関
を示す図である。
【図29】本発明の他の実施例に係る段ボールシートの
罫線部評価装置の平面図である。
【図30】本発明の他の実施例に係る段ボールシートの
罫線部評価装置の正面図である。
【図31】本発明の他の実施例に係る段ボールシートの
罫線部評価装置の側面図である。
【図32】段ボールシートへの罫線入れの一例を示す模
式図である。
【図33】従来技術に係る罫線部評価方法を示す模式図
である。
【符号の説明】
1 基台 2 クランプ支柱 3 クランプ 3a 固定爪部 3b 移動爪部 5A,5B 圧力センサ支持台 6A,6B プローブテーブル 10A,10B プローブ 11A,11B センサ本体

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シートを二分割する罫線が形成された段
    ボールシートの罫線部評価方法であって、前記段ボール
    シートの前記罫線の一方側全体をクランプで把持すると
    共に他端部側の一部を圧力センサに当接し、前記段ボー
    ルシートの罫線を中心線として、前記クランプを回転移
    動し、このときに当該圧力センサに検知される反力を
    の回転位置と共に測定することにより前記段ボールシー
    トの罫線部を評価することを特徴とする段ボールシート
    の罫線部評価方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記相対的回転移動
    が、毎秒180度以下の範囲で行われることを特徴とす
    る段ボールシートの罫線部評価方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、前記罫線部
    を有する段ボールシートの代わりに罫線部を有さない段
    ボールシートについて同様な測定を行い、これを基準と
    して前記罫線部の評価を行うことを特徴とする段ボール
    シートの罫線部評価方法。
  4. 【請求項4】 シートを二分割する罫線が形成された段
    ボールシートの罫線部評価装置であって、前記段ボール
    シートの罫線の一方側全体を把持するクランプと、他端
    側の一部に当接し得る圧力センサと、前記段ボールシー
    トの罫線を中心線として、前記クランプを回転移動する
    回転移動手段と、この回転移動の際に当該圧力センサに
    検知される反力をその回転位置情報と共に測定する測定
    手段とを具備することを特徴とする段ボールシートの罫
    線部評価装置。
  5. 【請求項5】 請求項4において、前記圧力センサが前
    記段ボールシートを挟持する位置に一対設けられている
    ことを特徴とする段ボールシートの罫線部評価装置。
  6. 【請求項6】 請求項4または5において、前記回転移
    動手段が、前記相対回転移動を毎秒180度以下の範囲
    で行う駆動手段であることを特徴とする段ボールシート
    の罫線部評価装置。
  7. 【請求項7】 請求項4または5において、前記回転移
    動手段が、前記相対回転移動を人力で行うためのハンド
    ルであることを特徴とする段ボールシートの罫線部評価
    装置。
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