JPH0357418B2 - - Google Patents

Description

請求の範囲 １ 紙の引裂抵抗を測定する方法であつて、紙サ
ンプル１から該サンプルに一端を連結した舌状の
試験ブランク２を形成し、該試験ブランクおよ
び／または紙サンプルを互いに異る方向に相対的
に引張ることによつて該紙サンプルを引裂き、引
裂力を測定することを特徴とする方法。

２ 前記試験ブランクは、前記紙サンプルを２つ
の所定間隔の実質的に平行な切抜き線４と該２つ
の切抜き線の一端を互いに連結する切抜き線５に
沿つて切抜くことによつて形成されることを特徴
とする請求の範囲第１項記載の方法。

３ 前記紙サンプルは、試験ブランク２を把持手
段６に把持させ、該把持手段を前記平行な切抜き
線４に対して平行に該サンプルに対して移動させ
ることによつて引裂かれるようにすることを特徴
とする請求の範囲第２項記載の方法。

４ 前記紙サンプルは、前記把持手段を引裂操作
中一定の速度で移動させることによつて引裂かれ
るようにすることを特徴とする請求の範囲第３項
記載の方法。

５ 前記試験ブランクは、該試験ブランクと紙サ
ンプルとの間の角度が約90゜となるように前記把
持手段に把持されるようにすることを特徴とする
請求の範囲第３項または４項記載の方法。

６ 前記試験ブランクは、引裂方向が前記紙サン
プルに対して実質的に垂直になるように引張られ
るようにすることを特徴とする請求の範囲第５項
記載の方法。

７ 請求の範囲第１〜６項のいずれかに記載の方
法を実施する方法を実施するための装置であつ
て、ハウジング７と、該ハウジング内に装着され
ており、該装置内へ挿入された紙サンプルに対し
て移動自在であり、該紙サンプルから一端を該紙
サンプルに連結された舌状の試験ブランク２を切
抜くようになされた切断器８と、該移動手段に連
結されており、前記試験ブランクを把持するよう
になされた把持手段６と、前記ハウジングに取付
けられており、該把持手段を紙サンプルに対して
移動させる移動手段９と、前記引裂力を測定する
ための測定器１０とから成ることを特徴とする装
置。

８ 前記ハウジングに固定されたベース１１と、
該ハウジングおよびベースに対して移動自在の締
付手段１２を備えており、該締付手段は、該ベー
スと締付手段との間に導入された紙サンプルを該
ベースに圧接させることによつて固定するように
なされていることを特徴とする請求の範囲第７項
記載の装置。

９ 前記切断器８は、２つの互いに離隔した平行
な工具１３と、紙サンプルを、該工具によつて切
抜いた切抜き線を連結する切抜き線に沿つて切断
するようになされた１つの工具１４とから成るこ
とを特徴とする請求の範囲第７項または８項記載
の装置。

１０ 前記切断器は、前記工具１３，１４に取付
けられ、前記試験ブランクを切抜くために該工具
を前記ベース１１と紙サンプル１に向つて移動さ
せるための駆動手段１５を備えていることを特徴
とする請求の範囲第９項記載の装置。

１１ 前記移動手段９は、前記紙サンプルに対し
て移動されるようになされたブラケツト部材１６
を備えており、該ブラケツト部材の端部１７に前
記把持手段６および測定器１０が取付けられてい
ることを特徴とする請求の範囲第７〜１０項のい
ずれかに記載の装置。

１２ 前記把持手段６は、前記移動手段９のブラ
ケツト部材１６に連結された本体部材１８と、該
本体部材に移動自在に連結された把持ジヨー１９
とから成り、該把持ジヨーは、前記試験ブランク
を該本体部材と把持ジヨーとの間に把持するため
に本体部材に対し圧接されるようになされたこと
を特徴とする請求の範囲第１１項記載の装置。

１３ 前記ベースは、回転機構２０を備えてお
り、該回転機構の旋回ヘツド２１は、前記試験ブ
ランクのところに配置されており、試験ブランク
の切抜き端を紙サンプルの平面から前記把持手段
に向つて枢動させるようになされていることを特
徴とする請求の範囲第７〜１２項のいずれかに記
載の装置。

明細書 本発明は、紙の引裂抵抗を測定する方法ならび
に該方法を実施するための装置に関する。

現在、紙サンプルの引裂抵抗は、個別の空調さ
れた実験室で測定される。実際の測定は、通常、
標準化された振子原理に基いて作動する引裂抵抗
測定器によつて行われる。その場合、サンプルを
手で切断して正確な寸法とされたサンプルブラン
クのパツタを準備する。各パツクは、４枚のシー
トを積重ねたものから成り、測定器内にクランプ
ねじによつて手操作で固定する。この固定したサ
ンプルブランクのパツクを振子の潜在エネルギー
によつ正確に一定の長さだけ裂開させる。この裂
開操作に必要とされた力を該振子が所有していた
潜在エネルギーの減少量として測定する。かくし
て、引裂抵抗を公式に基いて算出することができ
る。

しかしながら、引裂抵抗の測定を行うための現
行の方法および装置は、実用的な測定条件におい
て不正確な測定結果もたらす原因となる欠点を有
している。現行の測定方法を用いた場合、サンプ
ルブランクを切断して手操作で固定する。このよ
うな処理中にサンプルの特性（例えば湿分）が元
の状態から変化してしまうおそれがある。従つ
て、測定を行うには、そのための訓練を受けたス
タツフが必要とされ、測定は空調された実験室内
で行わなければならない。しかも、その測定結果
の精度は、測定を行う人の熟練度にある程度依存
しなければならない。この欠点は、測定を行う人
の、サンプルブランクを切断し、固定し、取扱う
態様および能力と、測定時に計量式測定結果を観
察し読取る態様および能力に基因している。

紙の特性を検査する場合、その目的は、その検
査結果を製造工程の制御に適用することであり、
あるいはその検査結果を実際使用時の特性を観察
するのに適用することである。現行の方法および
装置を用いた場合、必ず、サンプル準備時点と測
定時点との間に相当な時間経過があり、その間に
サンプルの特性が変化することがあり、サンプル
試験の後即座には測定結果を使用することができ
ない。現行の方法では、引裂抵抗は、複数の積重
ねられたシートから成るサンプルブランクのパツ
クを引裂くことによつて測定される。しかしなが
ら、実際の使用時においては、個々の紙シートの
挙動を知る必要がある。これが、現行の方法およ
び装置が十分でない理由である。

現行の方法を用いた場合、サンプルブランクの
パツクを振子を介して引裂き、その引裂のために
必要とされた作用力を振子の潜在エネルギーの減
少量として測定する。この引裂抵抗の測定におい
ては、その引裂を継続する力の強さは監視され
ず、また、引裂速度を調節することもできない。
また、振子によつて創生される引裂力は漸進的に
増大するので、引裂に要した力の正確な強さを測
定することは困難である。

本発明の目的は、紙の引裂抵抗を測定するため
の、現行の方法の欠点を排除した方法を提供する
ことである。本発明の特定的な目的は、引裂速度
を調節することができるような態様で単一層の紙
を試験するための方法提供することである。本発
明の他の目的は、引裂力の度合を常時監視しなが
ら紙を一定速度で引裂くようにし測定方法を提供
することである。本発明の更に他の目的は、従来
必要であつた紙サンプルの取扱操作の一部を不要
にし、かつ、測定結果を即座に利用することを可
能にする。上記方法を実施するための装置を提供
することである。本発明の目的は、また、紙を自
動的に取扱い、引裂き、紙の引裂抵抗を測定する
ための装置を提供することである。

本発明の目的は、ここに添付した請求の範囲に
記載された構成を特徴とする方法および装置によ
つて達成される。

本発明によれば、紙サンプルから該サンプルに
一端を連結した試験ブランクを形成し、該試験ブ
ランクと紙サンプルとを互いに反対方向に相対的
に変位させることによつて紙サンプルを引裂き、
その引裂力を測定する。試験ブランクの方を紙サ
ンプルに対して変位させてもよく、あるいは紙サ
ンプルの方を試験ブランクに対して変位させても
よい。本発明の方法は、個々のサンプルブランク
の引裂抵抗特性を測定するのに使用される。紙が
実際に使用される場合ほとんどの用途において単
一層の紙として使用されるので、本発明による方
法は、従来の方法より正確に実際の使用条件に対
応するようにして紙サンプルの引裂抵抗を測定す
る。また、製紙工場で製造される紙は単一層の紙
であり、従つて、本発明の方法は、製紙工程に関
し従来の方法よりも正確なデータを提供する。本
発明の方法は、測定操作を大幅にスピードアツプ
し、製紙工程において、使用される質量の相対割
合を制御することによつて引裂抵抗の調整を行う
のに適用することができる。

本発明によれば、試験ブランクは、紙サンプル
を互いに所定の間隔を置いた２つの実質的に平行
な切抜き線と、該平行な切抜き線を連結する切抜
き線に沿つて切抜くことによつて形成される。紙
サンプルは、この試験ブランクを把持手段に把持
させ、該把持手段を該切抜き線に平行に紙サンプ
ルに対して移動させることによつて引裂かれるよ
うにする。

紙サンプルは、前記把持手段を引裂過程中一定
速度で移動させることによつて引裂かれるように
することが好ましい。測定操作を連続的に制御す
ることによつて、引裂操作を継続する力の瞬間値
を測定するとともに、全引裂過程中瞬間引裂長さ
を測定することができる。このようにして検出さ
れる要素の１つは、一貫した凸質を得る点で非常
に重要な、紙の引裂抵抗の均一性である。また、
各種等級の紙を試験する場合引裂速度を変更する
ことができる。

本発明によれば、試験ブランクは、該ブランク
と紙サンプルとの間の角度が約90゜となるように
把持手段に把持されるようにすることが好まし
い。試験ブランクは、その引裂方向が紙サンプル
に対して実質的に垂直になるように引張られるよ
うにする。このようにして、引裂動作を即座に測
定することができ、その引裂動作によつて紙の特
性が変えられるようなことがない。

上記方法を実施するための本発明の装置は、容
易に持運ぶことができ、実際の製造工程が行われ
る場所の近くで操作することができるので、試験
結果を即座に利用することができ、必要に応じて
の調節を即座に行うことができる。本発明の装置
は、紙を切抜き、引裂き、測定するのに必要とさ
れる手段をすべて自蔵しており、操作が自動的に
進められるので、試験中サンプルを手で操作する
必要がなく、上述した取扱い上の欠点が回避され
る。

以下に添付図を参照して本発明を詳細に説明す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の装置の一実施例を一部切除
して側部から斜めにみた透視図として示す。

第２図は第１図の線−に沿つてみた断面図
である。

第３図は、第１図の線−に沿つてみた断面
図である。

第４図は、第１図の装置の切断操作位置にある
ときの細部構造の部分断面図である。

第５図は、第１図の装置の把持位置にあるとき
の細部構造の部分断面図である。

第６図は、第１図の装置によつて紙サンプルが
引裂かれるところを示す図である。

実施例の説明 本発明の装置の第１図に示された特定の実施例
は、所要の装置要素を収容する本体７を有してい
る。この装置は、駆動手段１５とそれに取付けら
れた切断工具１３，１４とから成る切断器８を備
えている。図示の装置においては、該工具は、Ｕ
字形カツターから成つている。切断器８は、支持
部材２２に付設されている。この支持部材には、
また、締付手段１２が取付けられている。この締
付手段は、２つの締付ブラケツト１２から成り、
該２つのブラケツトは、切断器の両側に設けら
れ、両端においてコイルばね２３によつて支持部
材２２に連結されている。締付ブラケツトは、休
止状態においては、切断工具の平面より下方に位
置するように位置づけされる。この装置は、ま
た、支持部材２２を変位させるためのモータ２４
およびリンクロツド２６を介して該支持部材に動
力を伝えるための伝動歯車２５を備えている。本
体即ちハウジングに案内２７が固定されており、
支持部材２２は、この案内の制御下で移動するよ
うになされている。

この装置は、ハウジング７に締着されたベース
１１を有しており、前記支持部材は、それに固定
された切断手段および締付手段１２と共に該ベー
スに対して移動自在である。ベース１１の頂面に
は、切断工具の形状と合致する形状の溝２８が設
けられている。ベース１１には、バー２９と、該
バーに枢着されたタペツト３０と、該タペツトに
リンク連結された旋回ヘツド２１とから成る回転
機構２０が設けられている。この回転機構は、ベ
ース１１の平面内へ開口した孔３２内に移動自在
に装着されたピン３１を備えている。

この装置は、更に、本体部材１８と該本体部材
に移動自在に連結された把持ジヨー１９とから成
る把持手段６を備えている。把持ジヨー１９は、
駆動手段３３の制御により本体部材１８との間に
把持用ブランクを把持するために該本体部材に対
して圧接されるようになされている。把持手段６
は、移動手段９のブラケツト１６の端部１７に固
着されている。移動手段９とそれに固定された把
持手段は、モータ３４および伝動機構３５によつ
て移動される。移動手段９は、ブラケツト３６に
よつて把持手段６に取付けられている。ブラケツ
ト３６は、ビーム状部材であり、一端を移動手段
のブラケツト１６の端部１７に固定され、他端を
把持手段の本体部材１８に固定されている。ブラ
ケツト３６の１つには、引裂力を測定するための
測定器１０が装備されている。

紙の引裂抵抗を測定するには、紙のサンプルを
この測定装置の前記切断器８とベース１１との間
へ導入する。紙サンプル１は、いろいろな移送装
置（図示せず）によつて測定装置内へ導入し移動
させることができる。この装置は、また、紙のい
ろいろな特性を試験するために用いられる設備の
１つの装置として設置することもででき、その場
合は、そのような組立ユニツトのコンベヤが本発
明の装置のコンベヤとしても機能するようにす
る。ただし、紙サンプルは、手操作で本発明の装
置内へ挿入してもよい。紙サンプルを装置内へ挿
入した後、支持部材２２をベース１１に向つて移
動させる。支持部材２２は、リンクロツド２６に
よつて押圧され、案内２７に形成された溝に沿つ
て下方へ移動する。支持部材ががベースに向つて
移動するにつれて、締付ブラケツト１２がベース
１１に圧接し、紙サンプル１をベースと締付ブラ
ケツトとの間に固定する。支持部材２２の下降運
動が更に続けられると、ばね２３が圧縮され、締
付ブラケツト１２が紙サンプルを所定位置に固定
する。第４図を参照して説明すると、支持部材２
２は、点線で示された切断工具１３がベースに形
成された、切断工具と同じ形状の溝２８（第１
図）内に押込まれて紙サンプル１から舌状の試験
ブランク２を切抜くまで下方へ押下げられる。第
２図および５図に示されたロツド３７は、支持部
材２２に固着されており、該支持部材と共に下降
して紙サンプルを突通し、前記ピン３１を下降さ
せる。かくして、第５図に示されるように、ピン
３１はバー２９の一端に作用して該バーの他端を
上昇させてタペツト３０を変位させ、タペツト３
０はベース１１にリンク連結された旋回ヘツド２
１を回転させ、その結果、旋回ヘツドは切抜かれ
た試験ブランク２を紙サンプル１の平面から把持
手段６の方へ枢動させる。このとき把持手段６は
紙サンプルの近傍へもたらされており、把持ジヨ
ー１９は開放位置にあるので、旋回ヘツド２１は
試験ブランク２をその切抜き端が把持手段の本体
部材１８と把持ジヨー１９との間に挾まれるよう
に枢動させる。次いで、把持ジヨーが本体部材に
圧接され、試験ブランクが把持ジヨーと本体部材
の間に把持される。

第６図に示されるように、試験ブランクが把持
手段に把持されると、試験ブランクと紙サンプル
１との間の角度はほぼ90゜となる。次いで、把持
手段６は、移動手段９を紙サンプル１に対して一
定方向に、好ましくは45゜の角度で一定速度で移
動させることによつて移動される。かくして、試
験ブランク２の引裂方向は、紙サンプルに対して
実質的に垂直になる。なぜなら、把持手段と紙サ
ンプルとの間の角度が引裂過程中ほぼ90゜に保た
れるからである。該試験ブランクが切抜き線４に
沿つて平行に引張られるにつれて、紙サンプル
は、試験ブランクの端部３のところで切抜き線４
に実質的に平行に引裂かれる。この引裂過程は、
ブラケツト３６に取付られた測定器１０により引
裂速度および引裂力を測定することによつて監視
される。この測定結果は、適当な出力装置によつ
て周知の態様で表示される。

以上、本発明は、本発明の方法を実施するため
の１つの特定の装置に関連して説明されたが、本
発明はこれに限定されるものではなく、ここに添
付した請求の範囲に記載された発明の範囲内で他
のいろいろな実施形態が可能である。上述の装置
に用いられる工具の形状は、いろいろに変えるこ
とができ、工具１３と工具１４とはそれぞれ独立
して別々に異るタイミングで作動するように構成
することができる。移動手段９は、紙サンプルに
対して45゜以外の方向に移動させてもよい。また、
ある種の実施例においては、紙サンプルと把持手
段との間の角度を90゜より小さく、あるいは大き
くすることができる。