JP3501111B2 - 読み取り装置 - Google Patents

読み取り装置

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JP3501111B2 JP2000220718A JP2000220718A JP3501111B2 JP 3501111 B2 JP3501111 B2 JP 3501111B2 JP 2000220718 A JP2000220718 A JP 2000220718A JP 2000220718 A JP2000220718 A JP 2000220718A JP 3501111 B2 JP3501111 B2 JP 3501111B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、ファクシミリ装置等に
おいて原稿の読み取りに用いられている読み取り装置に
関する。 【0002】 【従来の技術】ファクシミリ等の読み取り装置において
は、原稿をモータにより送りながら、CCD等のイメー
ジスキャナにて原稿の情報を光電変換して電気的に読み
取っていく方式が採用されている。この種の読み取り装
置では、原稿を送るモータにステッピングモータを用
い、原稿の送りをスタートから一定のスピードで行って
いる。このステッピングモータによる1ライン分の原稿
の送り速度に、イメージスキャナによる1ライン分の情
報を主走査する時間を同期させることにより、該ステッ
ピングモータとイメージスキャナとの同期を取ってい
た。 【0003】この種の読み取り装置においては読み取り
スピードのより一層の高速化が要求されている。この要
求に答えるために、イメージスキャナの走査スピードと
原稿の送り速度とを共に高める必要があるが、イメージ
スキャナの走査スピードはCCDの性能の向上等により
高速化が容易であるのに対して、モータについては高速
で始動することが困難であった。このため、モータをス
タート時に低速で駆動し、その後高速駆動へ切り換えて
いく、即ち、ステッピングモータを段階的に加速して行
くいわゆる加速駆動(スルーアップ駆動)が採用される
ようになった。 【0004】このスルーアップ駆動を採用した場合に
は、スルーアップによる低速駆動を行っている間に、原
稿を1ライン分送るスピードが低くなり、この原稿送り
のスピードと原稿を1ライン走査するスピードとの間の
同期が取れなくなる。この結果、読み取ったライン数
が、原稿の送られたライン数により多くなり、例えば、
読み取ったデータを記録装置に転送し記録する際に、ス
ルーアップ時に読み取りを行ったエリアだけ副走査方向
へ伸びた画像になるという問題が生じる。このため従来
は、モータのスピードを変える際にもイメージスキャナ
との同期を保つために、モータを低速駆動している間は
イメージスキャナの走査スピードを低速に切り換える方
法が取られていた。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
方法では、上述したようにイメージスキャナの走査スピ
ードを変えるためにレベル調整回路が必要となった。即
ち、例えば、イメージスキャナの走査スピードを倍にし
た際には、光電変換における電荷の蓄積時間が半分にな
り、読み取った画信号のレベルが低下するため、イメー
ジスキャナの走査スピードを変えても画信号のレベルを
一定に保つためにレベル調整回路が必須となった。 し
かし、例えこのレベル調整回路を用いても、イメージス
キャナの走査スピードの切替えのタイミングの前後にお
いては、切替える直前に低速(例えば10ms)で光電
変換し電荷を蓄積した画信号を、切替え後に高速(例え
ば5ms)で取り出すために、その1走査のみ低速用に
設定されたレベル(即ち、10msで蓄積され10ms
で取り出される画信号を白か黒か判断するレベル)で
も、また、高速用に設定されたレベル(即ち、5msで
蓄積され5msで取り出される画信号を白か黒か判断す
るレベル)でも適切に判断し得ず、その結果として、当
該1走査に相当する原稿の本来白と判断すべき灰色部分
を黒と判断して画像に横線が発生したり、逆に黒と判断
すべき灰色部分を白と判断して黒ライン中に白い横線が
発生する等の問題が発生した。 【0006】本発明は、上述した課題を解決するために
なされたものであり、その目的とするところは、スルー
アップ期間においても、イメージスキャナの走査スピー
ドを一定に保ちつつ良好な読み取り画像を得ることがで
きる読み取り装置を提供することにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の読み取り装置は原稿を主走査することによ
りデータを読み取るイメージスキャナと、原稿を副走査
方向へ加速駆動して送るモータとを有し、前記モータに
より原稿を副走査方向へ定常速度で送り、前記イメージ
スキャナのM(整数)回の主走査によって1ライン分の
読み取りデータを得るみ取り装置であって、前記モー
タの加速時には、Nを段階的に減少させて、モータによ
る原稿の副走査方向への送りを定常速度のM/N(M<
N)にすると共に、前記イメージスキャナのN(整数)
回の主走査によって1ライン分の読み取りデータを得、
前記モータの送り速度をN分のMとした場合における現
ラインの1画素に対応するデータを演算するデータ演算
手段であって、該イメージスキャナによるN回の主走査
により得られたデータに基づいて該1画素に対応するデ
ータを求めるデータ演算手段を有することを特徴とす
る。 【0008】 【作用】上記のように構成された読み取り装置では、原
稿の送りを加速する際に、Nを段階的に減少させてモー
タによる原稿の副走査方向への送りを定常速度のM/N
にすると同時に、イメージスキャナのN回の主走査によ
って1ライン分の読み取りデータを得ることにより、モ
ータによる原稿の送りとイメージスキャナによる原稿の
読み取りとの同期を保つ。この際、データ演算手段が、
現ラインの1画素に対応するデータを、該イメージスキ
ャナによるN回の主走査によるデータに基づいて求め
る。このように、本発明の読み取り装置では、モータを
低速で始動し、加速する際にも該モータによる原稿の送
り速度とイメージスキャナの走査との同期を保つことが
できる。 【0009】 【実施例】以下、本発明を具体化した実施例を図を参照
して説明する。図1は、本発明の実施例に係る読み取り
装置の電気的構成を示すブロック図である。読取制御回
路20は、イメージスキャナ12へイメージセンサの駆
動パルスを送ると共に、これに同期させてモータ22へ
の駆動パルスを送り、また、データ演算回路16への2
ビットの制御信号(SEL1、SEL2)を送出するよ
うに構成されている。 【0010】イメージスキャナ12は、A4サイズの原
稿の1ラインに相当する1728画素の読み取り画素を
持つ一次元のイメージセンサから成り、読取制御回路2
0からの駆動パルスにより駆動され、主走査方向に原稿
を画素単位に光電変換しながら読み取る。イメージスキ
ャナ12の読み取り速度は、1走査当たり5msec
であり、連続的に原稿画像に対応する読み取りアナログ
信号を出力していく。出力された読み取りアナログ信号
は、2値化回路14によって設定レベルと比較され2値
データに変換されて、データ演算回路16へ順次送られ
る。 【0011】データ演算回路16は、モータ22の定常
速度中において、2値化回路14からの2値データを読
取制御回路20からの2ビットの制御信号(SEL1、
SEL2)に基づきそのまま読み取りデータとして出力
する。他方、該データ演算回路16は、モータ22のス
ルーアップ期間において後述するように、2値化回路1
4からの2値データとシフトレジスタ18からの参照デ
ータとに基づき、読取制御回路20からの2ビットの制
御信号(SEL1、SEL2)にて指定されたデータ演
算を行い、この演算結果を読み取りデータとして出力す
る。この読み取りデータはシフトレジスタ18へも入力
される。シフトレジスタ18は、上述した1728画
素、即ち、1走査に相当する読み取りデータを保持する
レジスタで、入力された読み取りデータを1走査時間
(5msec )遅延させてデータ演算回路16側へ戻
す。 【0012】原稿を送るためのモータ22は、4相のス
テッピングモータから成り、上記読取制御回路20から
のA、B、C、D相の駆動パルスによって速度制御され
る。このモータ22の制御方式は2−2相励磁方式で、
4ステップにて原稿を1ライン分送ることができ、80
0pps の駆動パルスが与えられたとき該1ライン分
を5msecで送る。 【0013】本実施例の読み取り装置は、読み取り速度
を高速化するためにモータ22をスルーアップ駆動す
る。即ち、定常速度の4分の1の速度で先ずモータ22
を始動し、次に3分の1の速度まで段階的に増速し、そ
の後、定常速度でモータ22を駆動する。 【0014】即ち、イメージスキャナ12の1回の走査
時間(5msec)に同期させて、定常速度においては
原稿を1ライン分送るようにモータ22に800pps
の駆動パルスを与えるが(即ち、5msecにて1ラ
イン分送る)、モータ22の始動時には定常速度の4分
の1の速度から起動するために200pps の駆動パ
ルスを与え(即ち、20msecにて1ライン分送
る)、次に267pps の駆動パルスを与え定常速度
の3分の1の速度まで増速し(即ち、15msecにて
1ライン分送る)、その後、上記定常速度でモータ22
を駆動する。この際に、読取制御回路20は、イメージ
スキャナ12による情報の主走査時間を5msecに固
定したまま、モータ22による原稿の送り速度(段階的
に変えられる)との間の同期関係を維持する。 【0015】上記モータ22の送り速度とイメージスキ
ャナ12の走査との同期関係について図3を参照して更
に詳細に説明する。図3は本実施例の読み取り装置にお
ける、イメージスキャナ12からの読み取りアナログ信
号が2値化回路14によりディジタル化された2値デー
タ群D11、D12・・と、モータ22へのA、B、
C、D相の駆動パルスとの関係を示すタイミングチャー
トである。読取制御回路20は、イメージスキャナ12
へ駆動パルスを与え一定の周期(5msec)で原稿の
走査を繰り返させ、これにより5msec周期で1走査
分の2値データ群D11、D12・・が2値化回路14
から出力される。この際に該読取制御回路20は、2−
2相励磁方式のモータ22へA、B、C、D相の駆動パ
ルスを与え該モータ22を回動させる。 【0016】上述したように、先ず、モータの始動時に
おいて定常速度の4分の1の200pps の駆動パル
スを与え、20msecで1ライン分送る。この間にイ
メージスキャナ12は4回走査を行う。その4回の走査
における各走査分の2値データ群をD11、D12、D
13、D14とし、これら4つの2値データ群を基に後
述するようデータ演算回路16にて演算を行い1ライン
分の読み取りデータを得る。図3には、4個の2値デー
タ群(即ち1ライン分)を得たところのみが示されてい
るが、この200pps のスルーアップ駆動は8ライ
ン分行われる。 【0017】次に、モータ22を増速するために定常速
度の3分の1の267pps の駆動パルスを与え、1
5msecで1ライン分送る。この間にイメージスキャ
ナ12は3回走査を行い、その3回の走査における各走
査分の2値データ群をD21、D22、D23とし、こ
れらの3つの2値データ群を基に後述するようにデータ
演算回路16にて演算を行い1ライン分の読み取りデー
タを得る。図3には、3個の2値データ群(即ち1ライ
ン分)を得るところのみが示されているが、この267
pps のスルーアップ駆動は8ライン分行われる。 【0018】その後、更に増速して定常速度でモータ2
2を送るため800pps の駆動パルスを与え5ms
ecで1ライン分送る。この5msecで1ライン送る
毎にイメージスキャナ12は1回走査を行い、その走査
中における2値データが後述するようにデータ演算回路
16からそのまま読み取りデータとして出力される。な
お、本実施例の読み取り装置では、例えば図示しないメ
モリがフル状態に成り原稿の読み取りを中断するために
モータ22を停止させる度に、上述したスルーアップ駆
動によりモータ22を始動させてから定常速度で原稿の
読み取りを行う。 【0019】次に、本実施例のスルーアップ期間におけ
るデータの演算処理について図2、図3、図4、図5を
参照して説明する。図2は図1に示すデータ演算回路1
6の具体的構成を示す回路図である。データ演算回路1
6は、AND回路52と、OR回路54と、セレクタ5
0とから構成されている。2値化回路14からの読み取
りデータは、セレクタ50のA端子と、AND回路52
の一方の端子と、OR回路54の一方の端子とに入力さ
れる。また、シフトレジスタ18からの出力、即ち、デ
ータ演算回路16からの出力が該シフトレジスタ18に
より1走査時間(5msec )遅延された出力が、A
ND回路52の他方のインバーテッド端子と、OR回路
54の他方の端子と、セレクタ50のD端子とに入力さ
れる。該AND回路52の出力はセレクタ50のB端子
に入力され、また、OR回路54の出力はセレクタ50
のC端子に入力される。該セレクタ50は、読取制御回
路20からの2ビットの制御信号SEL1、SEL2に
基づきA、B、C、D端子に入力されたデータを選択し
てX端子から出力する。 【0020】図4及び図5は、原稿上の演算に係る読み
取り画素の位置関係を模式的に示した図であり、図4は
上記200pps で駆動して4回の走査により1ライ
ンに相当する4つの2値データを得る場合を示し、図5
は上記267pps で駆動して3回の走査により1ラ
インに相当する3つの2値データを得る場合を示してい
る。Xは現ラインの画素読み取りデータを表し、図4に
おけるx1、x2、x3、x4は4回の走査により得ら
れた2値化回路14からの2値データを示し、図4にお
けるx1、x2、x3は3回の走査により得られた2値
化回路14からの2値データを示している。また、Y
は、Xの副走査方向の直前のライン上における読み取り
データを示している。なお、このXは、2値データx
1、x2、x3、x4を基に後述する論理演算によって
求められる値である。 【0021】本読み取り装置では、図2に示すデータ演
算回路16により、シフトレジスタ18の出力(ここで
はYに相当する)と2値化回路14の2値データ(ここ
ではx1、x2、x3、x4、或いは、x1、x2、x
3)とを用い、上記読み取りデータXの値をインバーテ
ッドY・x2+x3の論理演算によって決定する。な
お、この実施例においては黒データを「1」とし、白デ
ータを「0」とする。 【0022】ここでは、先ず、図3に示すモータ22を
200pps で駆動して4回の走査により1ラインに
相当する2値データ群D11、D12、D13、D14
(ここではそれぞれ2値データx1、x2、x3、x4
を含む)を得た際に、この4つの2値データから読み取
りデータを決定する論理演算について説明する。x1に
属する2値データが2値化回路14から出力されるとき
に(図3の2値データ群D11に含まれる)、読取制御
回路20は制御信号SEL1、SEL2として<0,0
>を出力し、これにより、セレクタ50は、D端子に入
力されたシフトレジスタ18からの出力(シフトレジス
タ18は1ライン前の読み取りデータ、即ち、Xと副走
査方向の直前のライン上における読み取りデータYを保
持しているため出力Y)をそのままX端子から出力す
る。これによりシフトレジスタ18からの出力Yは、そ
のまま参照データとして再度シフトレジスタ18へ入力
される。 【0023】次に、x2に属する2値データが2値化回
路14から出力されるときは(図3の2値データ群D1
2に含まれる)、読取制御回路20は制御信号SEL
1、SEL2として<1,0>を出力し、これにより、
セレクタ50は、B端子に入力された出力(即ち、AN
D回路52によりインバーテッドY・x2の演算が成さ
れた出力)をX端子から出力する。これによりシフトレ
ジスタ18の出力Yが反転されたインバーテッドYとx
2との論理積がシフトレジスタ18側へ入力される。 【0024】更に、x3に属する2値データが2値化回
路14から出力されるときは(図3の2値データ群D1
3に含まれる)、読取制御回路20は制御信号SEL
1、SEL2として<0,1>を出力し、これにより、
セレクタ50は、C端子に入力された出力(即ち、OR
回路54によりインバーテッドY・x2+x3の演算が
成された出力)をX端子から出力する。これにより前回
のx2における演算結果(シフトレジスタ18からの出
力)とx3の値との論理和がシフトレジスタ18へ入力
される。 【0025】そして、x4に属する2値データが2値化
回路14から出力されるときは(図3の2値データ群D
14に含まれる)、読取制御回路20は制御信号SEL
1、SEL2として<0,0>を出力し、これにより、
セレクタ50はD端子に入力されたシフトレジスタ18
の出力をそのままX端子から出力する。これによりシフ
トレジスタ18からの出力が、上述したインバーテッド
Y・x2+x3の論理演算の結果として、即ち、4回の
走査により得られた2値データを基にして決定された読
み取りデータXの値として出力される。なお、この値
は、シフトレジスタ18に保持され、次のラインの走査
の際に前ラインのデータYとして用いられることにな
る。本実施例の読み取り装置は、上述した演算を、モー
タ22を200pps で駆動して4回の走査により1
ラインに相当する2値データx1、x2、x3、x4を
得ている間繰り返す。 【0026】引き続き、モータ22の回転速度を上げて
図3に示す267pps でモータ22を駆動して3回
の走査により1ラインに相当する読み取りデータを得る
場合の論理演算について説明する。x1に属する2値デ
ータが2値化回路14から出力されるときは(図3の2
値データ群D21に含まれる)、読取制御回路20は、
上述した200ppsの場合と同様に制御信号SEL
1、SEL2として<0,0>を出力し、これにより、
セレクタ50は、D端子に入力されたシフトレジスタ1
8からの出力をそのままX端子から出力する。 【0027】次に、x2に属する2値データが2値化回
路14から出力されるときは(図3の2値データ群D2
2に含まれる)、読取制御回路20は上述した200p
ps の場合と同様に制御信号SEL1、SEL2とし
て<1,0>を出力し、これにより、セレクタ50は、
B端子に入力された出力(即ち、AND回路52によ
り、インバーテッドY・x2の演算が成された出力)を
X端子から出力する。 【0028】更に、x3に属する2値データが2値化回
路14から出力されるときは(図3の2値データ群D2
3に含まれる)、読取制御回路20は、上述した200
ppsの場合と同様に制御信号SEL1、SEL2とし
て<0,1>を出力し、これにより、セレクタ50は、
C端子に入力された出力(即ち、OR回路54により、
インバーテッドY・x2+x3の演算が成された出力)
をX端子から出力する。これにより前回のx2における
演算結果(シフトレジスタ18からの出力)とx3との
論理和がシフトレジスタ18へ入力されると共に、3回
の走査により得られた2値データを基にして決定された
読み取りデータXの値として出力される。 【0029】引き続き、更にモータ22の速度を向上さ
せ定常速度である図3に示す800pps で駆動し、
1ラインを送る毎に1回の走査を行う場合の処理につい
て説明する。読取制御回路20は制御信号SEL1、S
EL2として<1,1>を出力し、これにより、セレク
タ50は、A端子に入力された出力(即ち、2値化回路
14から出力された2値データ)をそのまま読み取りデ
ータXとしてX端子から出力する。つまり、図3中のD
3、D4に相当する2値データは、そのままデータ演算
回路16の読み取りデータとして出力される。このよう
にして本実施例では、走査時間を固定したままモータ2
2との同期関係を維持しつつ、スルーアップ期間は画素
データ(読み取りデータ)を演算により求める。 【0030】図6及び図7は、本実施例の読み取り装置
がスルーアップ期間において原稿の細い斜めの線をどの
様に読み取るか試験を行った結果を示す図である。図6
及び図7における斜めの線は、読み取りライン密度をフ
ァクシミリ等にて一般的に用いられている7.7lin
e/mmとしたときの、約0.1mm幅の細さに相当す
る。 【0031】図6は上記200pps で駆動して4回
の走査により1ラインに相当する読み取りデータを得た
場合を示し、図7は上記267pps で駆動して3回
の走査により1ラインに相当する読み取りデータを得た
場合を示している。そして、図6A及び図7Aは原稿上
の置かれた線を示し、図6B及び図7Bは各画素におけ
る2値化回路14の2値データを示し、図6C及び図7
Cは各画素の論理演算の結果を示している。即ち、図6
Aにおいて、説明の便宜上、左から右に向かって原稿上
に第1画素から第12画素まで横に並んでいると概念
し、上から下に向かって原稿上に、第1ライン、第2ラ
イン、第3ラインが並んでおり、それぞれのラインに、
第1回目に走査されるx1、第2回目に走査されるx
2、第3回目に走査されるx3、第4回目に走査される
x4が並んでいると概念する。本実施例の読み取り装置
では、図6Bに示すように、図6Aにおける細い斜めの
線について、第1番目の画素に相当する第3ラインのx
1に対応する走査において2値データとして0を得て、
x2を1として、x3を1として、x4を1として得
る。そして、上述したインバーテッドY・x2+x3の
論理演算によりこの第1画素を1、即ち、黒データと判
断して図6Cに示すように出力する。なお、図7A、図
7B、図7Cについても、これと同様な処理過程を示す
ものであるためこの説明は省略する。この試験により、
本実施例の読み取り装置ではスルーアップ期間において
も原稿上の細い斜めの線を読み取りライン間で途切れる
ことなく読み取れることが実証された。 【0032】なお、本実施例においては、Xの値をイン
バーテッドY・x2+x3の論理演算により決定した。
ここで、4回走査を行う場合にx1及びx4の値を参照
しないのは隣接するラインとの影響を断ち切るためであ
り、また、3回走査を行う場合にx1の値を参照しない
のも直前のラインとの影響を絶つためである。即ち、x
1の値をこの読み取りデータの決定に用いた場合には、
前ライン(Y)が黒のときに、この黒の一部がx1にか
かってもXの値が1、即ち、黒と判断し易くなるため、
かかる判断を避けるためである。更に、インバーテッド
Y、即ち、前ラインの画素の値(Y)を反転させて論理
演算に用いるのは、前ラインの値(Y)が黒の場合に、
現ライン(X)を白と判断し易いようにして細い線を極
力拾うようにするためである。 【0033】以上説明したように、本実施例の読み取り
装置では、モータ22のスルーアップ駆動期間において
も一定のスピードで走査することによりイメージスキャ
ナ12から安定した出力を得ることができる。また、1
ライン分の原稿送りの際に4回又は3回の走査を行い、
2値データを得て上記演算によって1ラインの読み取り
データを算出するため、良好な読み取り画像を得ること
ができる。また、本実施例の読み取り装置では、4回又
は3回の走査によって1ライン分の読み取りデータを得
る際に、シフトレジスタ18の保持能力として、4又は
3走査分の2値データではなく、1走査分の2値データ
を保持できれば良いためデータ保持のコストを最小にで
きる利点もある。 【0034】次に、本発明の別実施例について説明す
る。前述した実施例においては、イメージスキャナの1
回の主走査によって1ライン分の読み取りデータを得る
と共に、モータの起動時に原稿の副走査方向への送りを
定常速度の4又は3分の1にすると同時に、イメージス
キャナの4又は3回の主走査によって1ライン分の読み
取りデータを得た。これに対して本実施例では、イメー
ジスキャナのM(整数)回の主走査によって1ライン分
の読み取りデータを得ると共に、モータの起動時に、原
稿の副走査方向への送りを定常速度のM/N(M<N)
にすると同時に、イメージスキャナのN(整数)回の主
走査によって1ライン分の読み取りデータを得る。例え
ば、モータによって原稿を定常速度で送っている時に
は、2回の主走査により読み取りデータを生成する。そ
して、モータの起動時に、原稿の副走査方向への送りを
定常速度の2/4にすると同時に、イメージスキャナの
4回の主走査によって1ライン分の読み取りデータを得
て、即ち、前述したと同様に2値データ(x1、x2、
x3、x4)を得て画素の値をインバーテッドY・x2
+x3の論理演算により決定する。そして、モータの始
動が完了すると、原稿の副走査方向への送りを定常速度
の3/4に増速すると同時に、イメージスキャナの3回
の主走査によって1ライン分の読み取りデータを2値デ
ータ(x1、x2、x3)として得て、画素の値をイン
バーテッドY・x2+x3の論理演算により決定する。
その後、2回の主走査により読み取りデータを生成する
原稿の定常速度の送りへと移行する。この実施例の機械
的構成は前述した実施例と略同様であるため説明を省略
する。 【0035】なお、前述した実施例では、スルーアップ
の方式として、定常速度の4分の1と3分の1とを段階
的に切り換えて高速運転(定常速度)に達する方法を例
に挙げて説明したが、本発明の読み取り装置は、いずれ
か一方のスピードから直接高速運転へ切り換える方式も
採用できる。また、本実施例では、ファクシミリの読み
取り装置について説明したが、本発明は他の読み取り装
置、例えば複写機の読み取り装置等にも好適に適用する
ことができる。 【0036】 【効果】以上記述したように本発明の読み取り装置で
は、スルーアップ期間においても、イメージスキャナの
走査スピードを一定に保ちつつ良好な読み取り画像を得
ることができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の実施例に係る読み取り装置の電気的構
成を示すブロック図である。 【図2】図1に示す演算回路の具体的構成を示す回路図
である。 【図3】本実施例の読み取り装置の動作例を示すタイミ
ングチャートである。 【図4】本発明の実施例に係る読み取り装置による読み
取り画素の位置関係を示す図である。 【図5】本発明の実施例に係る読み取り装置による読み
取り画素の位置関係を示す図である。 【図6】本実施例の読み取り装置により、スルーアップ
期間に於いて原稿上の斜線がどの様に読み取れるかを示
す説明図である。 【図7】本実施例の読み取り装置により、スルーアップ
期間に於いて原稿上の斜線がどの様に読み取れるかを示
す説明図である。 【符号の説明】 12 イメージスキャナ 14 2値化回路 16 演算回路 18 シフトレジスタ 20 読取制御回路 22 モータ

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 原稿を主走査することによりデータを読
    み取るイメージスキャナと、 原稿を副走査方向へ加速駆動して送るモータとを有し、 前記モータにより原稿を副走査方向へ定常速度で送り、
    前記イメージスキャナのM(整数)回の主走査によって
    1ライン分の読み取りデータを得るみ取り装置であっ
    て、前記モータの加速時には、Nを段階的に減少させて、モ
    ータによる原稿の副走査方向への送りを定常速度のM/
    N(M<N)にすると共に、前記イメージスキャナのN
    (整数)回の主走査によって1ライン分の読み取りデー
    タを得、 前記モータの送り速度をN分のMとした場合における現
    ラインの1画素に対応するデータを演算するデータ演算
    手段であって、該イメージスキャナによるN回の主走査
    により得られたデータに基づいて該1画素に対応するデ
    ータを求めるデータ演算手段を有することを特徴とする
    読み取り装置。
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JP6059453B2 (ja) 2011-05-31 2017-01-11 アークレイ株式会社 同一又は近傍の検出波長を有する蛍光色素で修飾された複数のオリゴヌクレオチドを用いて、1種類の波長で複数の遺伝子多型を検出する方法

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