JP3501088B2 - クランプの取付構造およびクランプ - Google Patents

クランプの取付構造およびクランプ

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JP3501088B2 JP2000091644A JP2000091644A JP3501088B2 JP 3501088 B2 JP3501088 B2 JP 3501088B2 JP 2000091644 A JP2000091644 A JP 2000091644A JP 2000091644 A JP2000091644 A JP 2000091644A JP 3501088 B2 JP3501088 B2 JP 3501088B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クランプの取付構
造およびクランプに関し、詳しくは、自動車に配索する
電線群に外装する網チューブに車体係止用のクランプを
強固に固定するものである。
【0002】
【従来の技術】複数のワイヤハーネス(電線群)の集束
および保護を図る外装材として、従来、図10に示すよ
うに、電線群Wの外周面にテープT1を巻き付けている
場合が多い。これらテープ巻されたワイヤハーネスW/
Hを車体へ取り付ける場合、クランプCを用い、該クラ
ンプCの基板の両側をテープT2で巻き付けて固定して
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記テープ巻きの場
合、干渉物により突き破られる恐れが有り、保護が十分
でないと共に、見栄えも余り良くなく、特に、室内側か
ら見える場合には見栄え向上が求められている。
【0004】また、ワイヤハーネスが車体と該車体に対
して可動されるドアやオープンカーのルーフとの間等に
配索される場合、ドアやルーフの可動時にワイヤハーネ
スが伸縮作動されるが、其の際、該ワイヤハーネスを車
体に係止しているクランプに引っ張り荷重が集中的に負
荷される。このような場合、ワイヤハーネスとクランプ
がテープ止めだけであるため、テープが引きちぎられた
り、クランプが横ズレする等、ワイヤハーネスがクラン
プから外れやすくなる問題がある。このように、ワイヤ
ハーネスとクランプが外れると、ワイヤハーネスが室内
側に垂れ下がり、ドアやルーフの開閉作動にスムーズに
追従しなくなる。
【0005】本発明は上記した問題に鑑みてなされたも
ので、ワイヤハーネスの保護と見栄えを向上させると共
に、ワイヤハーネスの伸縮作動されても、ワイヤハーネ
スがクランプから外れないようにすることを課題として
いる。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、長方形状の平板からなる基板部の中央部
に車体係止部を突設していると共に上記基板部の両側に
穴あるいは凹部を設けている基板型クランプが、電線を
挿通する網チューブの外周面に載置され、該基板部の両
側と網チューブにホットメルト型接着剤を内周面に塗布
した熱収縮チューブが被せられ、加熱により溶融される
ホットメルト型接着剤が上記穴あるいは凹部に充填され
ると共に網チューブの網目に浸透され、熱収縮チューブ
が収縮されて基板部の表面および網チューブの外周面に
固着されているクランプの取付構造を提供している。
【0007】上記網チューブはナイロン、ポリエステ
ル、PET等の絶縁性樹脂糸を円筒状に編成したもの
で、伸びを有しないが、縮めると大径化すると共に網目
を押し広げることは出来る構成からなるものである。
【0008】ワイヤハーネスを構成する電線群を上記網
チューブに通すと、テープ巻きと比較して保護機能が高
く、かつ、室内側に露出するワイヤハーネスの見栄え向
上を図ることができる。かつ、電線群の挿通作業も、網
チューブを縮めると大径化するために挿通作業も容易に
行える。
【0009】しかしながら、この網チューブの外周面に
従来と同様の方法で基板型クランプを取り付けた場合、
網チューブの摩擦抵抗が低いことより滑り易く、前記し
たテープ巻きの場合と同様に、テープが引きちぎれる問
題は解消されない。よって、本発明では、ホットメルト
付き熱収縮チューブを基板型クランプの基板部と網チュ
ーブに被せて、ホットメルト型接着剤を網チューブの網
目に浸透させると共に、チューブを収縮により基板およ
び網チューブに固着させて、クランプを網チューブに固
定している。
【0010】かつ、ポリアミドからなるホットメルト型
接着剤は網チューブとの固着力は強いが、ポリプロピレ
ン等より成形されるクランプの基板部との固着力はさほ
ど強くないため、クランプに基板部に、上記のように穴
あるいは凹部を設けてホットメルト型接着剤が流れこむ
ようにして、熱収縮チューブクランプとの固定力を高め
て、これにより熱収縮チューブの横ずれを防止してい
る。
【0011】このように、ホットメルト型接着剤を網目
に浸透させて基板部と網チューブとを接着剤を介して固
着すると共に、クランプの基板部の穴あるいは凹部に流
し込み、かつ、チューブを熱収縮させて基板部を網チュ
ーブ外周面に強固に密着させると、電線を挿通した網チ
ューブに引っ張り応力が作用しても、クランプから網チ
ューブが外れることを確実に防止できる。
【0012】上記基板型クランプの基板部の両側部に設
ける凹部は、少なくとも上記熱収縮チューブが当接する
領域全体にわたって設けた複数の穴あるいは凹部からな
る。あるいは、シボ加工あるいはローレット加工で形成
される微小な凹部からなる。このように、複数の穴ある
いは凹部を設けて、ホットメルト型接着剤を流し込む
と、熱収縮チューブとクランプの基板との固着力を強固
にすることができる。
【0013】なお、クランプの両側部と網チューブにホ
ットメルト型熱収縮チューブで被せて固着する場合にか
ぎらず、クランプをワイヤハーネスに取り付けるため
に、クランプの基板部両側とワイヤハーネスとをテープ
巻き固定する場合、あるいは熱収縮チューブを取り付け
て固定する場合にも、基板部の両側にテープあるいはチ
ューブの滑り止め用として、シボ加工、ローレット加工
等がされた微小な凹凸部を設けることが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
参照して説明する。なお、いずれの実施形態において
も、ワイヤハーネスはオープンカーのルーフとボデーと
の間に配索しており、該ワイヤハーネスを外装する網チ
ューブ10等に一対のクランプ11を固定し、ルーフと
ボデーとにクランプ11の係止部13をそれぞれ挿入係
止している。
【0015】図1乃至図4は第1実施形態に係るクラン
プの取付構造を示しており、ワイヤハーネスを構成する
複数の電線群Wを網チューブ10に挿通し、該網チュー
ブ10に基板型クランプ11の基板部12を搭載して、
該基板部12の両側と網チューブ10とにホットメルト
型熱収縮チューブ21を被せて固定している。
【0016】上記基板型クランプ11は、ポリプロピレ
ンで成形され、図2にも示すように、長方形状の平板か
らなる基板部12の中央部に車体係止部13を突設して
いると共に、該基板部12の表面側12aには、長さ方
向の両側のチューブ等巻きつけ領域14に4つずつ凹部
15を設けている。車体係止部13は、基板部より突設
した軸部13bの先端に係止羽根13aを折り返して突
設した形状で、ルーフとボデーそれぞれに穿設した取付
孔に挿入して該係止羽根13aを係止する構成としてい
る。
【0017】上記網チューブ10は、強度のある絶縁性
樹脂糸を丸網で小径筒状に編組したものからなり、伸び
を有しないが、縮めると大径化し、網目を押し広げるこ
とはできるものである。
【0018】次に、図3を用いて上記網チューブ10に
基板型クランプ11を取り付ける工程を説明する。ま
ず、電線群Wを挿通する前の網チューブ10に鉄パイプ
を通して網チューブ10の形状を安定させ、該網チュー
ブ10の外周面に上記基板型クランプ11の基板部12
を載置し、該基板部12の長さ方向の両側と網チューブ
10とに、ホットメルト型接着剤20を内周面に塗布し
た熱収縮チューブ21をそれぞれ被せている。これらポ
リアミドからなるホットメルト型接着剤20を内周面に
塗布した熱収縮チューブ21としては、例えばスミチュ
ーブ(住友電工株式会社製)が好適に用いられる。該熱
収縮チューブ21の肉厚は従来基板部を固定するために
使用している塩ビ製テープの肉厚の5倍程度あり、強度
の点でもテープよりも非常に大きい。基板部の両側に取
り付ける一対の熱収縮チューブ21A、21Bはそれぞ
れ短尺で、長さLを約20mmとしている。
【0019】次に、基板部12の両側に熱収縮チューブ
21A、21Bを取り付けた後、110度で加熱する
と、溶融したホットメルト型接着剤20が網チューブ1
0の網目に浸透すると共に、図4に示すように基板部1
2の表面の凹部15に充填され、熱収縮チューブ21が
収縮して基板部12の表面および網チューブ10の外周
面とに密着する。最後に、網チューブ10から鉄パイプ
を抜き、そこへ電線群Wを挿通する。
【0020】このように、表面に凹部15を設けた基板
型クランプ11をホットメルト型接着剤20を介して網
チューブ10に固着することにより、熱収縮チューブ2
1が熱収縮して基板型クランプ11を網チューブ10に
密着させることに加え、ホットメルト型接着剤20が網
チューブ10の網目に浸透し、さらに基板部12の凹部
15にも充填される。よって、熱収縮チューブ21と網
チューブ10の固着力のみでなく、熱収縮チューブ21
と基板型クランプ11との固着力も増し、結果として網
チューブ10と基板型クランプ11とが強固に固着する
ため、基板型クランプ取付箇所に引っ張り応力が集中的
に負荷されても、横ズレ等、クランプが網チューブから
外れることを確実に防止できる。
【0021】このように、ルーフの開閉作動にワイヤハ
ーネスを確実に追従させることができるうえ、該開閉作
動時にワイヤハーネスが外部に露出しても、電線群を網
チューブ10で外装しているため、見栄えを良くするこ
とが出来ると共に、保護機能を高めることができる。
【0022】図5(A)(B)は第2実施形態を示し、
基板型クランプ11の基板部12に凹部15を設けず、
代わりに両側に1つずつ穴16を穿設している点で第1
実施形態と相異する。この場合も、溶融したホットメル
ト型接着剤20が該穴16に充填されるため、基板型ク
ランプ11と熱収縮チューブ21、さらには網チューブ
10との固着力を増すことができる。
【0023】図6(A)(B)は第3実施形態を示し、
基板型クランプ11の基板部12の表面12aの熱収縮
チューブ21が当接する巻きつけ領域14全面にシボ加
工17を施し、溶融したホットメルト型接着剤20が該
シボ加工により形成された一つ一つの微小な凹部17a
に充填される構成としており、他の点では第1実施形態
と同様である。本実施形態においては、チューブ等巻き
つけ領域14全面に凹凸が形成されるため、広範囲にわ
たって細かくホットメルト型接着剤20が埋め込まれ、
熱収縮チューブ21と基板型クランプ11との固着力を
一層強固にすることができる。
【0024】図7、図8は第4実施形態に係る基板型ク
ランプ11を示している。本実施形態は、シボ加工でな
くローレット加工18を施し、チューブ等巻きつけ領域
14全面に微小な線状の凹部18aを形成している点で
第3実施形態に係る基板型クランプ11と相異してい
る。図8に示すように、上記基板型クランプ11を網チ
ューブ10に熱収縮チューブ21で固着した場合は、ロ
ーレット加工18により形成された凹部18aに溶融し
たホットメルト型接着剤20が充填され、また、熱収縮
チューブ21が熱収縮することにより、網チューブ10
と基板型クランプ11とが強く固着する。
【0025】 図9は参考実施形態を示し、上記基板型
クランプ11を、電線群を網チューブ10でなく、通常
のテープ巻き23を巻き付けて外装している。この場合
も、クランプ11の基板部12にローレット加工18を
設けておくと、テープ23と基板部12との間の滑り止
め効果を発揮し、ワイヤハーネスに引っ張り応力が作用
した場合に基板型クランプ11がワイヤハーネスの表面
上を横滑りすることを防止できる。前記シボ加工の場合
もテープ巻の場合にも同様な効果を奏する。
【0026】なお、本発明は上記実施形態に限定されな
い。例えば、基板型クランプの基板部の、網チューブや
テープ等の外装材と接する裏面側にもシボ加工やローレ
ット加工を施し、凹凸を形成することにより、基板型ク
ランプと該外装材との間の滑り止め効果を具備させても
よい。また、網チューブの径が大きい場合は、鉄パイプ
を用いず、先に電線を挿通した状態でクランプをとりつ
けてもよい。
【0027】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、基板型クランプの表面両側に穴、凹部、シボ
加工、ローレット加工等の凹凸を設け、熱収縮チューブ
の内周面に塗布されたホットメルト型接着剤が溶融して
これら凹み箇所に充填されることにより、基板型クラン
プと熱収縮チューブとの固着力が増し、さらには網チュ
ーブやテープ等の外装材と基板型クランプとの固着力が
強固となる。その結果、ルーフ開閉作動時にクランプと
ワイヤハーネスとの間に応力が集中しても、ワイヤハー
ネスの外装材がクランプから外れることを確実に防止で
きる。
【0028】また、ワイヤハーネスの外装材として網チ
ューブを用いると、電線の保護機能を高めることが出来
ると共に、従来のテープ巻等と比較して見栄えを向上さ
せることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態を示す概略図である。
【図2】 図1に示す基板型クランプを示す概略斜視図
である。
【図3】 図1の要部斜視図である。
【図4】 図3のIV−IV線断面図である。
【図5】 本発明の第2実施形態を示し、(A)は基板
型クランプの平面図であり、(B)は基板型クランプを
網チューブに取り付けた状態を示す断面図である。
【図6】 本発明の第3実施形態を示し、(A)は基板
型クランプの平面図であり、(B)は基板型クランプを
網チューブに取り付けた状態を示す断面図である。
【図7】 本発明の第4実施形態に係る基板型クランプ
の平面図である。
【図8】 図7に示す基板型クランプを網チューブに熱
収縮チューブで固着した状態を示す断面図である。
【図9】 本発明の参考実施形態を示し、図7に示す基
板型クランプをテープ巻き処理されたワイヤハーネスに
テープで取り付けた状態を示す一部破断斜視図である。
【図10】 従来例を示す図面である。
【符号の説明】
W 電線群 10 網チューブ 11 基板型クランプ 12 基板部 14 チューブ等巻きつけ領域 15 凹部 16 穴 17 シボ加工 18 ローレット加工 20 ホットメルト型接着剤 21 熱収縮チューブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−336066(JP,A) 特開 平8−326725(JP,A) 特開2000−299913(JP,A) 実開 平1−147621(JP,U) 実開 平7−16530(JP,U) 実開 昭60−114520(JP,U) 実開 昭63−153721(JP,U) 実開 平3−45021(JP,U) 実開 昭60−117627(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02G 3/30 B60R 16/02 H05K 7/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長方形状の平板からなる基板部の中央部
    に車体係止部を突設していると共に上記基板部の両側に
    穴あるいは凹部を設けている基板型クランプが、電線を
    挿通する網チューブの外周面に載置され、該基板部の両
    側と網チューブにホットメルト型接着剤を内周面に塗布
    した熱収縮チューブが被せられ、加熱により溶融される
    ホットメルト型接着剤が上記穴あるいは凹部に充填され
    ると共に網チューブの網目に浸透され、熱収縮チューブ
    が収縮されて基板部の表面および網チューブの外周面に
    固着されているクランプの取付構造。
  2. 【請求項2】 上記基板型クランプの基板部の両側部に
    設ける凹部は、少なくとも上記熱収縮チューブが当接す
    る領域全体にわたって設けた複数の穴あるいは凹部から
    なる請求項1に記載のクランプの取付構造。
  3. 【請求項3】 上記基板型クランプの基板部の両側部に
    設ける凹部は、少なくとも上記熱収縮チューブが当接す
    る領域全体にわたって設けたシボ加工あるいはローレッ
    ト加工で形成される微小な凹部からなる請求項1に記載
    のクランプ取付構造。
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