JP3500403B2 - セルロース系粉体含有複合樹脂成形体 - Google Patents
セルロース系粉体含有複合樹脂成形体Info
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- Moulding By Coating Moulds (AREA)
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- Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セルロース系粉体
含有複合樹脂成形体に関し、さらに詳しくは、耐衝撃性
に優れ、かつ表面の樹脂層を除去することで木質感を作
出することができ、さらには研削、研磨、切断、彫刻等
を施すことによって、サッシ、壁材、床材、ドアハンド
ル、クレセント、手すり、家具、自動車の内外装材、家
電製品のハウジングなどに利用することのできるセルロ
ース系粉体含有複合樹脂成形体及び成形品に関する。
含有複合樹脂成形体に関し、さらに詳しくは、耐衝撃性
に優れ、かつ表面の樹脂層を除去することで木質感を作
出することができ、さらには研削、研磨、切断、彫刻等
を施すことによって、サッシ、壁材、床材、ドアハンド
ル、クレセント、手すり、家具、自動車の内外装材、家
電製品のハウジングなどに利用することのできるセルロ
ース系粉体含有複合樹脂成形体及び成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来からセルロース系粉体含有複合樹脂
成形体の開発は種々行なわれ、特に充填材にセルロース
系粉体を用いることは木屑、木質系建築廃材、古紙等の
資源の再利用を図るために有効な方法である。また、セ
ルロース系粉体含有複合樹脂成形体中のセルロース系粉
体の割合を多くし、ポリオレフィンの割合を少なくする
ことが経済的に有利であり、その目安は、セルロース系
粉体50wt%に対してポリオレフィン50wt%が標
準的な配合割合である。
成形体の開発は種々行なわれ、特に充填材にセルロース
系粉体を用いることは木屑、木質系建築廃材、古紙等の
資源の再利用を図るために有効な方法である。また、セ
ルロース系粉体含有複合樹脂成形体中のセルロース系粉
体の割合を多くし、ポリオレフィンの割合を少なくする
ことが経済的に有利であり、その目安は、セルロース系
粉体50wt%に対してポリオレフィン50wt%が標
準的な配合割合である。
【0003】このような組成のセルロース系粉体含有複
合樹脂成形品においては、例えば、特公平5−1733
9号に開示されているように、セルロース系粉体として
は100〜150メッシュを通過するものが用いられて
いる。しかしながら、この範囲の粒径のセルロース系粉
体を用いた場合、得られる成形品の表面平滑性は優れた
ものとなるが、耐衝撃性が充分ではなく、その用途が制
限されてしまう。そのため従来は、成形品の厚さを増し
たりして不充分な耐衝撃性を補っていた。しかし、この
ような方策では、得られる成形品の厚さが増すと共に重
量も増し、コスト高になってしまう。
合樹脂成形品においては、例えば、特公平5−1733
9号に開示されているように、セルロース系粉体として
は100〜150メッシュを通過するものが用いられて
いる。しかしながら、この範囲の粒径のセルロース系粉
体を用いた場合、得られる成形品の表面平滑性は優れた
ものとなるが、耐衝撃性が充分ではなく、その用途が制
限されてしまう。そのため従来は、成形品の厚さを増し
たりして不充分な耐衝撃性を補っていた。しかし、この
ような方策では、得られる成形品の厚さが増すと共に重
量も増し、コスト高になってしまう。
【0004】前記のように耐衝撃性が低い理由は、以下
のように考えられる。即ち、ポリオレフィンが無極性で
あるのに対し、セルロース系粉体は−OH等の極性基を
その末端に有するため、両者の親和性は極めて悪く、こ
れらから製造された複合樹脂は、互いの境界面が分離し
易い傾向がある。そのため、ポリオレフィン単体では耐
衝撃性を有しているにも拘らず、衝撃がポリオレフィン
とセルロース系粉体の境界を伝播し易くなり、充分な耐
衝撃性が得られないものと考えられている。
のように考えられる。即ち、ポリオレフィンが無極性で
あるのに対し、セルロース系粉体は−OH等の極性基を
その末端に有するため、両者の親和性は極めて悪く、こ
れらから製造された複合樹脂は、互いの境界面が分離し
易い傾向がある。そのため、ポリオレフィン単体では耐
衝撃性を有しているにも拘らず、衝撃がポリオレフィン
とセルロース系粉体の境界を伝播し易くなり、充分な耐
衝撃性が得られないものと考えられている。
【0005】このような考えに基づき、特公昭59―3
0176号には、木粉とポリオレフィンの混合物に、重
合可能な有機酸又はそのエステルとポリオレフィンとの
共重合体からなる変性ポリオレフィンを配合して両者の
親和性を増し、強固に結合させて成形体の耐衝撃性及び
耐寒強度を上げることが提案されている。しかしなが
ら、変性ポリオレフィンは高価であることから、木粉と
ポリオレフィンの親和性を増して強固に結合させるため
に充分な多量の変性ポリオレフィンを配合した場合、成
形体の製造コストが高くなってしまうという問題があ
る。
0176号には、木粉とポリオレフィンの混合物に、重
合可能な有機酸又はそのエステルとポリオレフィンとの
共重合体からなる変性ポリオレフィンを配合して両者の
親和性を増し、強固に結合させて成形体の耐衝撃性及び
耐寒強度を上げることが提案されている。しかしなが
ら、変性ポリオレフィンは高価であることから、木粉と
ポリオレフィンの親和性を増して強固に結合させるため
に充分な多量の変性ポリオレフィンを配合した場合、成
形体の製造コストが高くなってしまうという問題があ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記したよ
うな従来技術の問題点を解決するためになされたもので
あり、その基本的な目的は、衝撃強度に優れるセルロー
ス系粉体含有複合樹脂成形体を低コストで提供すること
にある。さらに本発明の目的は、機械的強度に優れると
共に、木質感(外観及び触感)にも優れた安価なセルロ
ース系粉体含有複合樹脂成形体を提供することにある。
うな従来技術の問題点を解決するためになされたもので
あり、その基本的な目的は、衝撃強度に優れるセルロー
ス系粉体含有複合樹脂成形体を低コストで提供すること
にある。さらに本発明の目的は、機械的強度に優れると
共に、木質感(外観及び触感)にも優れた安価なセルロ
ース系粉体含有複合樹脂成形体を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明によれば、セルロース系粉体(A)とポリオ
レフィン系もしくはポリスチレン系樹脂(B)とをA:
B=10〜70:90〜30の比率(重量比)で含有す
ると共に、不飽和カルボン酸もしくはその誘導体で変性
されたポリオレフィン樹脂を含有してなり、かつ上記セ
ルロース系粉体がアスペクト比2以上のセルロース系粉
体を含む10メッシュを通過し60メッシュを通過しな
いセルロース系粉体であることを特徴とするセルロース
系粉体含有複合樹脂成形体が提供される。なお、本明細
書において「メッシュ」とは、Tyler規格において
規定されたふるい目の大きさを表わす。また、「アスペ
クト比」とは、粒子の幅又は厚さに対する長さの比をい
う。
に、本発明によれば、セルロース系粉体(A)とポリオ
レフィン系もしくはポリスチレン系樹脂(B)とをA:
B=10〜70:90〜30の比率(重量比)で含有す
ると共に、不飽和カルボン酸もしくはその誘導体で変性
されたポリオレフィン樹脂を含有してなり、かつ上記セ
ルロース系粉体がアスペクト比2以上のセルロース系粉
体を含む10メッシュを通過し60メッシュを通過しな
いセルロース系粉体であることを特徴とするセルロース
系粉体含有複合樹脂成形体が提供される。なお、本明細
書において「メッシュ」とは、Tyler規格において
規定されたふるい目の大きさを表わす。また、「アスペ
クト比」とは、粒子の幅又は厚さに対する長さの比をい
う。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明者らは、セルロース系粉体
含有複合樹脂成形体の耐衝撃性について鋭意研究の結
果、含有されるセルロース系粉体の大きさ及び形状が成
形体の耐衝撃性に大きな影響を及ぼすことを見出した。
すなわち、本発明者らの研究によると、セルロース系粉
体(A)とポリオレフィン系もしくはポリスチレン系樹
脂(B)とをA:B=10〜70:90〜30の比率
(重量比)で含有すると共に、不飽和カルボン酸もしく
はその誘導体で変性されたポリオレフィン樹脂を含有し
てなるセルロース系粉体含有複合樹脂成形体において、
上記セルロース系粉体がアスペクト比2以上のセルロー
ス系粉体を含む10メッシュを通過し60メッシュを通
過しないセルロース系粉体である場合、予想外にも、得
られる成形体の耐衝撃性が大きく改善されることを見出
し、本発明を完成するに至ったものである。さらにま
た、上記のようなセルロース系粉体を含有する場合、複
合樹脂成形体表面の樹脂層を除去することにより優れた
木質感を有する成形体が得られることも見出した。
含有複合樹脂成形体の耐衝撃性について鋭意研究の結
果、含有されるセルロース系粉体の大きさ及び形状が成
形体の耐衝撃性に大きな影響を及ぼすことを見出した。
すなわち、本発明者らの研究によると、セルロース系粉
体(A)とポリオレフィン系もしくはポリスチレン系樹
脂(B)とをA:B=10〜70:90〜30の比率
(重量比)で含有すると共に、不飽和カルボン酸もしく
はその誘導体で変性されたポリオレフィン樹脂を含有し
てなるセルロース系粉体含有複合樹脂成形体において、
上記セルロース系粉体がアスペクト比2以上のセルロー
ス系粉体を含む10メッシュを通過し60メッシュを通
過しないセルロース系粉体である場合、予想外にも、得
られる成形体の耐衝撃性が大きく改善されることを見出
し、本発明を完成するに至ったものである。さらにま
た、上記のようなセルロース系粉体を含有する場合、複
合樹脂成形体表面の樹脂層を除去することにより優れた
木質感を有する成形体が得られることも見出した。
【0009】以下、本発明のセルロース系粉体含有複合
樹脂成形体の各成分について説明すると、まず、セルロ
ース系粉体としては、前記したようにアスペクト比2以
上のセルロース系粉体を含む10メッシュを通過し60
メッシュを通過しないセルロース系粉体である。なお、
セルロース系粉体のアスペクト比の上限は特に限定され
ないが、一般には5以下が好ましい。このようにアスペ
クト比及びメッシュを特定した理由は、前記知見に基づ
くものである。また、前記セルロース系粉体としては如
何なるものであってもよく、例えば木粉、パルプ、バカ
ス、ケナフ、おが屑、木質繊維、籾殻、破砕チップ材、
果実殻粉、古紙等が挙げられ、これらを単独で又は2種
類以上を組み合わせて用いることができる。このような
セルロース系粉体の中でも、特に木粉を用いることが好
ましい。
樹脂成形体の各成分について説明すると、まず、セルロ
ース系粉体としては、前記したようにアスペクト比2以
上のセルロース系粉体を含む10メッシュを通過し60
メッシュを通過しないセルロース系粉体である。なお、
セルロース系粉体のアスペクト比の上限は特に限定され
ないが、一般には5以下が好ましい。このようにアスペ
クト比及びメッシュを特定した理由は、前記知見に基づ
くものである。また、前記セルロース系粉体としては如
何なるものであってもよく、例えば木粉、パルプ、バカ
ス、ケナフ、おが屑、木質繊維、籾殻、破砕チップ材、
果実殻粉、古紙等が挙げられ、これらを単独で又は2種
類以上を組み合わせて用いることができる。このような
セルロース系粉体の中でも、特に木粉を用いることが好
ましい。
【0010】前記ポリオレフィン系もしくはポリスチレ
ン系樹脂としては、如何なるものであってもよく、例え
ば低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイソ
プレン、エチレンプロピレンゴム、アクリロニトリル−
ブタジエン−スチレン共重合体、アクリロニトリル−エ
チレンプロピレンゴム−スチレン共重合体、エチレン酢
酸ビニル共重合体等が挙げられ、これらを単独で又は2
種類以上を組み合わせて用いることができる。なお、本
明細書で用いられている用語「ポリオレフィン系もしく
はポリスチレン系樹脂」は、広義の概念を意味する。ま
た、上記ポリオレフィンもしくはポリスチレンとしては
再生樹脂を用いてもよい。このような各種ポリオレフィ
ンの中でも、特に、安価で工業的に量産性があること
と、軽量でかつ剛性に優れ、比較的耐熱性が良好なこ
と、及び成形性が良いことから、ポリプロピレンが好適
である。
ン系樹脂としては、如何なるものであってもよく、例え
ば低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイソ
プレン、エチレンプロピレンゴム、アクリロニトリル−
ブタジエン−スチレン共重合体、アクリロニトリル−エ
チレンプロピレンゴム−スチレン共重合体、エチレン酢
酸ビニル共重合体等が挙げられ、これらを単独で又は2
種類以上を組み合わせて用いることができる。なお、本
明細書で用いられている用語「ポリオレフィン系もしく
はポリスチレン系樹脂」は、広義の概念を意味する。ま
た、上記ポリオレフィンもしくはポリスチレンとしては
再生樹脂を用いてもよい。このような各種ポリオレフィ
ンの中でも、特に、安価で工業的に量産性があること
と、軽量でかつ剛性に優れ、比較的耐熱性が良好なこ
と、及び成形性が良いことから、ポリプロピレンが好適
である。
【0011】前記セルロース系粉体(A)とポリオレフ
ィン系もしくはポリスチレン系樹脂(B)の配合比率
は、A:B=10〜70:90〜30(重量比)、好ま
しくは40〜60:60〜40(重量比)である。ここ
で、セルロース系粉体が上記比率よりも多くなると、ポ
リオレフィンもしくはポリスチレンがセルロース系粉体
の各部周囲に回りきらないため、強度に問題のあるセル
ロース系粉体含有複合樹脂成形体が得られるので好まし
くない。一方、ポリオレフィンもしくはポリスチレンが
セルロース系粉体との配合比率で90:10よりも多く
なると、経済的に不利であり、かつ天然に近い木質感も
極端に損なわれるので好ましくない。
ィン系もしくはポリスチレン系樹脂(B)の配合比率
は、A:B=10〜70:90〜30(重量比)、好ま
しくは40〜60:60〜40(重量比)である。ここ
で、セルロース系粉体が上記比率よりも多くなると、ポ
リオレフィンもしくはポリスチレンがセルロース系粉体
の各部周囲に回りきらないため、強度に問題のあるセル
ロース系粉体含有複合樹脂成形体が得られるので好まし
くない。一方、ポリオレフィンもしくはポリスチレンが
セルロース系粉体との配合比率で90:10よりも多く
なると、経済的に不利であり、かつ天然に近い木質感も
極端に損なわれるので好ましくない。
【0012】本発明においては、前記各成分の他に、セ
ルロース系粉体とポリオレフィンもしくはポリスチレン
との親和性を向上させるための不飽和カルボン酸或いは
その誘導体で変性されたポリオレフィン樹脂を添加し、
また必要に応じて着色剤等の各種添加剤を加えることが
できる。上記不飽和カルボン酸としては、如何なるもの
であってもよく、例えば無水マレイン酸、無水イタコン
酸、無水シトラコン酸、マレイン酸、イタコン酸、シト
ラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、メサコン酸、
アンゲリカ酸、ソルビン酸、アクリル酸、メタクリル酸
等が挙げられ、これらを単独で又は2種類以上を組み合
わせて用いることができる。また、上記不飽和カルボン
酸の誘導体としては、如何なるものであってもよく、上
記不飽和カルボン酸の金属塩、アミド、イミド、エステ
ル等が挙げられ、これらを単独で又は2種類以上を組み
合わせて用いることができる。
ルロース系粉体とポリオレフィンもしくはポリスチレン
との親和性を向上させるための不飽和カルボン酸或いは
その誘導体で変性されたポリオレフィン樹脂を添加し、
また必要に応じて着色剤等の各種添加剤を加えることが
できる。上記不飽和カルボン酸としては、如何なるもの
であってもよく、例えば無水マレイン酸、無水イタコン
酸、無水シトラコン酸、マレイン酸、イタコン酸、シト
ラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、メサコン酸、
アンゲリカ酸、ソルビン酸、アクリル酸、メタクリル酸
等が挙げられ、これらを単独で又は2種類以上を組み合
わせて用いることができる。また、上記不飽和カルボン
酸の誘導体としては、如何なるものであってもよく、上
記不飽和カルボン酸の金属塩、アミド、イミド、エステ
ル等が挙げられ、これらを単独で又は2種類以上を組み
合わせて用いることができる。
【0013】着色剤としては、如何なるものであっても
よく、例えば二酸化チタン、酸化コバルト、群青、紺
青、弁柄、銀朱、鉛白、鉛丹、黄鉛、ストロンチウムク
ロメート、チタニウムイエロー、チタンブラック、ジン
ククロメート、鉄黒、モリブデン赤、モリブデンホワイ
ト、リサージ、リトポン、カーボンブラック、エメラル
ドグリーン、ギネー緑、カドミウム黄、カドミウム赤、
コバルト青、アゾ顔料、フタロシアニンブルー、イソイ
ンドリノン、キナクリドン、ジオキサジンバイオレッ
ト、ペリノンペリレン等が挙げられ、これらを単独で又
は2種類以上を組み合わせて用いることができる。これ
らの中でも、天然の木質感を出すためには黄色酸化チタ
ン、弁柄(酸化鉄)等が好ましい。その他、必要に応じ
て、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤等の
各種添加剤を加えることができる。
よく、例えば二酸化チタン、酸化コバルト、群青、紺
青、弁柄、銀朱、鉛白、鉛丹、黄鉛、ストロンチウムク
ロメート、チタニウムイエロー、チタンブラック、ジン
ククロメート、鉄黒、モリブデン赤、モリブデンホワイ
ト、リサージ、リトポン、カーボンブラック、エメラル
ドグリーン、ギネー緑、カドミウム黄、カドミウム赤、
コバルト青、アゾ顔料、フタロシアニンブルー、イソイ
ンドリノン、キナクリドン、ジオキサジンバイオレッ
ト、ペリノンペリレン等が挙げられ、これらを単独で又
は2種類以上を組み合わせて用いることができる。これ
らの中でも、天然の木質感を出すためには黄色酸化チタ
ン、弁柄(酸化鉄)等が好ましい。その他、必要に応じ
て、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤等の
各種添加剤を加えることができる。
【0014】本発明のセルロース系粉体含有複合樹脂成
形体の成形方法としては、押出成形、射出成形、プレス
成形等の従来公知の各種成形方法を採用することがで
き、またその成形条件も従来と同様である。なお、セル
ロース系粉体は、製造に先立って充分に乾燥したものを
用いることが好ましい。このような成形方法により、図
1に示すような板状成形品1、図2に示すような中空部
3を有する中空板状成形品2等の各種形状、構造の複合
樹脂成形体を製造できる。
形体の成形方法としては、押出成形、射出成形、プレス
成形等の従来公知の各種成形方法を採用することがで
き、またその成形条件も従来と同様である。なお、セル
ロース系粉体は、製造に先立って充分に乾燥したものを
用いることが好ましい。このような成形方法により、図
1に示すような板状成形品1、図2に示すような中空部
3を有する中空板状成形品2等の各種形状、構造の複合
樹脂成形体を製造できる。
【0015】得られる成形体は、表面の樹脂層を除去す
ることでセルロース系粉体が表面に露出するので、木質
感を作出することができ、また、得られた成形体に、例
えば筋状にサンディング等の表面処理を行なうことによ
って木目模様を付けることもできる。さらには、研削、
研磨、切断、彫刻、エンボス加工、印刷等の加工を施す
ことによって、サッシ、枠材、壁材、床材、ルーバー、
ドアハンドル、クレセント、手すり、家具、自動車の内
外装材、家電製品のハウジングなどの製品に仕上げるこ
とができる。
ることでセルロース系粉体が表面に露出するので、木質
感を作出することができ、また、得られた成形体に、例
えば筋状にサンディング等の表面処理を行なうことによ
って木目模様を付けることもできる。さらには、研削、
研磨、切断、彫刻、エンボス加工、印刷等の加工を施す
ことによって、サッシ、枠材、壁材、床材、ルーバー、
ドアハンドル、クレセント、手すり、家具、自動車の内
外装材、家電製品のハウジングなどの製品に仕上げるこ
とができる。
【0016】
【実施例】以下に実施例、比較例及び試験例を示して本
発明について具体的に説明するが、本発明が以下の実施
例に限定されるものでないことは言うまでもない。な
お、以下において「部」とあるのは、特に断りのない限
り全て「重量部」を表わす。また、下記実施例において
は、押出し機としては二軸押出し機を用いているが、単
軸押出し機、多軸押出し機或いはその組み合わせのいず
れを用いてもよい。さらに、押出し機に用いられるスク
リュー形状も特に制限はない。
発明について具体的に説明するが、本発明が以下の実施
例に限定されるものでないことは言うまでもない。な
お、以下において「部」とあるのは、特に断りのない限
り全て「重量部」を表わす。また、下記実施例において
は、押出し機としては二軸押出し機を用いているが、単
軸押出し機、多軸押出し機或いはその組み合わせのいず
れを用いてもよい。さらに、押出し機に用いられるスク
リュー形状も特に制限はない。
【0017】実施例1
80℃の真空乾燥機で揮発成分が蒸発しなくなるまで乾
燥したアスペクト比2以上の木粉を含む10メッシュを
通過し20メッシュを通過しない木粉100部と、ポリ
プロピレン100部及び無水マレイン酸変性ポリプロピ
レン1部を混練し、直径3〜10mm程度のコンパウン
ドを得た。得られたコンパウンドを、二軸押出し機及び
金型を用い、幅60mm、高さ7mmの板状に押出し成
形した。押出し機の温度条件は、シリンダー温度180
℃、金型温度190℃とした。この際、金型部での樹脂
温度は190℃であった。190℃で成形された成形体
を冷却金型で冷却し、形状を保持した。冷却金型から押
出された直後の成形体の表面温度は約40℃であった。
以上の方法により本発明に係る複合樹脂成形体を作製し
た。なお、複合樹脂成形体はアスペクト比2以上の木粉
を含むことを光学顕微鏡で確認した。
燥したアスペクト比2以上の木粉を含む10メッシュを
通過し20メッシュを通過しない木粉100部と、ポリ
プロピレン100部及び無水マレイン酸変性ポリプロピ
レン1部を混練し、直径3〜10mm程度のコンパウン
ドを得た。得られたコンパウンドを、二軸押出し機及び
金型を用い、幅60mm、高さ7mmの板状に押出し成
形した。押出し機の温度条件は、シリンダー温度180
℃、金型温度190℃とした。この際、金型部での樹脂
温度は190℃であった。190℃で成形された成形体
を冷却金型で冷却し、形状を保持した。冷却金型から押
出された直後の成形体の表面温度は約40℃であった。
以上の方法により本発明に係る複合樹脂成形体を作製し
た。なお、複合樹脂成形体はアスペクト比2以上の木粉
を含むことを光学顕微鏡で確認した。
【0018】実施例2
実施例1において、木粉を表1に記載した大きさ(メッ
シュ)のものに変更した以外は、実施例1と同様の押出
し条件及び操作を行なうことにより、本発明に係る複合
樹脂成形体を作製した。
シュ)のものに変更した以外は、実施例1と同様の押出
し条件及び操作を行なうことにより、本発明に係る複合
樹脂成形体を作製した。
【0019】比較例1〜3
実施例1において、木粉を表1に記載した大きさ(メッ
シュ)のものに変更した以外は、実施例1と同様の押出
し条件及び操作を行なうことにより、比較用複合樹脂成
形体を作製した。
シュ)のものに変更した以外は、実施例1と同様の押出
し条件及び操作を行なうことにより、比較用複合樹脂成
形体を作製した。
【0020】試験例1
前記実施例1、2及び比較例1〜3で得られた各複合樹
脂成形体について、成形体表面の樹脂層を除去した後、
所定の寸法に削り出して試験片を作製し、JIS K7
110の方法に従ってアイゾット衝撃試験を行なった。
なお、衝撃試験機としては、上島製作所製のアイゾット
衝撃試験機を用いた。得られた衝撃試験の結果を各複合
樹脂成形体の組成とまとめて表1に示す。
脂成形体について、成形体表面の樹脂層を除去した後、
所定の寸法に削り出して試験片を作製し、JIS K7
110の方法に従ってアイゾット衝撃試験を行なった。
なお、衝撃試験機としては、上島製作所製のアイゾット
衝撃試験機を用いた。得られた衝撃試験の結果を各複合
樹脂成形体の組成とまとめて表1に示す。
【0021】
【表1】
表1に示されるように、本発明に係る各実施例の複合樹
脂成形体は比較例に比べて高い衝撃強さを有していた。
また、木粉の大きさが大きくなるほどアイゾット衝撃値
は高くなることがわかる。なお、表1中、木粉の大きさ
の欄に示される記号X〜Wは、使用した木粉の大きさの
範囲を示しており、同一範囲については同一の記号が用
いられており、このことは後述する各表においても同様
である。
脂成形体は比較例に比べて高い衝撃強さを有していた。
また、木粉の大きさが大きくなるほどアイゾット衝撃値
は高くなることがわかる。なお、表1中、木粉の大きさ
の欄に示される記号X〜Wは、使用した木粉の大きさの
範囲を示しており、同一範囲については同一の記号が用
いられており、このことは後述する各表においても同様
である。
【0022】実施例3
80℃の真空乾燥機で揮発成分が蒸発しなくなるまで乾
燥したアスペクト比2以上の木粉を含む10メッシュを
通過し20メッシュを通過しない木粉100部と、ポリ
プロピレン100部及び無水マレイン酸変性ポリプロピ
レン1部を混練し、直径3〜10mm程度のコンパウン
ドを得た。得られたコンパウンドを、二軸押出し機及び
金型を用い、幅60mm、高さ7mmの板状に押出し成
形した。押出し機の温度条件は、シリンダー温度180
℃、金型温度190℃とした。この際、金型部での樹脂
温度は190℃であった。190℃で成形された成形体
を冷却金型で冷却し、形状を保持した。冷却金型から押
出された直後の成形体の表面温度は約40℃であった。
得られた押出し成形品のスキン層を研削によって除去
し、さらに部分的に筋状にサンディングを行なった。こ
の処理により、部分的に筋状にサンディングを行なって
得られた筋状領域と元の表面の筋状領域からなる筋模様
を有する本発明に係る複合樹脂成形体を作製した。得ら
れた筋模様は目視により明瞭に観察され、木目様の模様
であった。また、得られた複合樹脂成形体はアスペクト
比2以上の木粉を含むことを光学顕微鏡で確認した。
燥したアスペクト比2以上の木粉を含む10メッシュを
通過し20メッシュを通過しない木粉100部と、ポリ
プロピレン100部及び無水マレイン酸変性ポリプロピ
レン1部を混練し、直径3〜10mm程度のコンパウン
ドを得た。得られたコンパウンドを、二軸押出し機及び
金型を用い、幅60mm、高さ7mmの板状に押出し成
形した。押出し機の温度条件は、シリンダー温度180
℃、金型温度190℃とした。この際、金型部での樹脂
温度は190℃であった。190℃で成形された成形体
を冷却金型で冷却し、形状を保持した。冷却金型から押
出された直後の成形体の表面温度は約40℃であった。
得られた押出し成形品のスキン層を研削によって除去
し、さらに部分的に筋状にサンディングを行なった。こ
の処理により、部分的に筋状にサンディングを行なって
得られた筋状領域と元の表面の筋状領域からなる筋模様
を有する本発明に係る複合樹脂成形体を作製した。得ら
れた筋模様は目視により明瞭に観察され、木目様の模様
であった。また、得られた複合樹脂成形体はアスペクト
比2以上の木粉を含むことを光学顕微鏡で確認した。
【0023】実施例4
実施例3において、木粉を表2に記載した大きさ(メッ
シュ)のものに変更した以外は、実施例3と同様の押出
し条件及び操作を行なうことにより、本発明に係る木目
様の筋模様を有する複合樹脂成形体を作製した。
シュ)のものに変更した以外は、実施例3と同様の押出
し条件及び操作を行なうことにより、本発明に係る木目
様の筋模様を有する複合樹脂成形体を作製した。
【0024】比較例4〜6
実施例3において、木粉を表2に記載した大きさ(メッ
シュ)のものに変更した以外は、実施例3と同様の押出
し条件及び操作を行なうことにより、比較用複合樹脂成
形体を作製した。
シュ)のものに変更した以外は、実施例3と同様の押出
し条件及び操作を行なうことにより、比較用複合樹脂成
形体を作製した。
【0025】試験例2
前記実施例3、4及び比較例4〜6で得られた各複合樹
脂成形体について、成形体表面の樹脂層を除去した後、
所定の寸法に削り出して試験片を作製し、前記試験例1
と同様にしてアイゾット衝撃試験を行なった。得られた
衝撃試験の結果を各複合樹脂成形体の組成とまとめて表
2に示す。
脂成形体について、成形体表面の樹脂層を除去した後、
所定の寸法に削り出して試験片を作製し、前記試験例1
と同様にしてアイゾット衝撃試験を行なった。得られた
衝撃試験の結果を各複合樹脂成形体の組成とまとめて表
2に示す。
【0026】
【表2】
表2を前記表1と対比すれば明らかなように、得られた
複合樹脂成形体に筋状にサンディングを行なった場合で
も、衝撃強さは変わらなかった。このため、耐衝撃性を
高く維持したまま種々の模様の木目模様を形成できるこ
とがわかる。
複合樹脂成形体に筋状にサンディングを行なった場合で
も、衝撃強さは変わらなかった。このため、耐衝撃性を
高く維持したまま種々の模様の木目模様を形成できるこ
とがわかる。
【0027】実施例5
80℃の真空乾燥機で揮発成分が蒸発しなくなるまで乾
燥したアスペクト比2以上の木粉を含む10メッシュを
通過し20メッシュを通過しない木粉100部、ポリプ
ロピレン100部、無水マレイン酸変性ポリプロピレン
1部及び着色剤として弁柄3部、酸化チタン7部を混練
し、直径3〜10mm程度のコンパウンドを得た。得ら
れたコンパウンドを、二軸押出し機及び金型を用い、幅
60mm、高さ7mmの板状に押出し成形した。押出し
機の温度条件は、シリンダー温度180℃、金型温度1
90℃とした。この際、金型部での樹脂温度は190℃
であった。190℃で成形された成形体を冷却金型で冷
却し、形状を保持した。冷却金型から押出された直後の
成形体の表面温度は約40℃であった。以上の方法によ
り本発明に係る複合樹脂成形体を作製した。複合樹脂成
形体はアスペクト比2以上の木粉を含むことを光学顕微
鏡で確認した。
燥したアスペクト比2以上の木粉を含む10メッシュを
通過し20メッシュを通過しない木粉100部、ポリプ
ロピレン100部、無水マレイン酸変性ポリプロピレン
1部及び着色剤として弁柄3部、酸化チタン7部を混練
し、直径3〜10mm程度のコンパウンドを得た。得ら
れたコンパウンドを、二軸押出し機及び金型を用い、幅
60mm、高さ7mmの板状に押出し成形した。押出し
機の温度条件は、シリンダー温度180℃、金型温度1
90℃とした。この際、金型部での樹脂温度は190℃
であった。190℃で成形された成形体を冷却金型で冷
却し、形状を保持した。冷却金型から押出された直後の
成形体の表面温度は約40℃であった。以上の方法によ
り本発明に係る複合樹脂成形体を作製した。複合樹脂成
形体はアスペクト比2以上の木粉を含むことを光学顕微
鏡で確認した。
【0028】実施例6
実施例5において、木粉を表3に記載した大きさ(メッ
シュ)のものに変更した以外は、実施例5と同様の押出
し条件及び操作を行なうことにより、本発明に係る複合
樹脂成形体を作製した。
シュ)のものに変更した以外は、実施例5と同様の押出
し条件及び操作を行なうことにより、本発明に係る複合
樹脂成形体を作製した。
【0029】比較例7〜9
実施例5において、木粉を表3に記載した大きさ(メッ
シュ)のものに変更した以外は、実施例5と同様の押出
し条件及び操作を行なうことにより、比較用複合樹脂成
形体を作製した。
シュ)のものに変更した以外は、実施例5と同様の押出
し条件及び操作を行なうことにより、比較用複合樹脂成
形体を作製した。
【0030】試験例3
前記実施例5、6及び比較例7〜9で得られた各複合樹
脂成形体について、成形体表面の樹脂層を除去した後、
所定の寸法に削り出して試験片を作製し、前記試験例1
と同様にしてアイゾット衝撃試験を行なった。得られた
衝撃試験の結果を各複合樹脂成形体の組成とまとめて表
3に示す。
脂成形体について、成形体表面の樹脂層を除去した後、
所定の寸法に削り出して試験片を作製し、前記試験例1
と同様にしてアイゾット衝撃試験を行なった。得られた
衝撃試験の結果を各複合樹脂成形体の組成とまとめて表
3に示す。
【0031】
【表3】
表3を前記表1と対比すれば明らかなように、着色剤を
添加しても衝撃強さは変わらなかった。このため、耐衝
撃性を高く維持したまま種々の色調の木質感を出せるこ
とがわかる。
添加しても衝撃強さは変わらなかった。このため、耐衝
撃性を高く維持したまま種々の色調の木質感を出せるこ
とがわかる。
【0032】実施例7
80℃の真空乾燥機で揮発成分が蒸発しなくなるまで乾
燥したアスペクト比2以上の木粉を含む10メッシュを
通過し20メッシュを通過しない木粉100部、ポリプ
ロピレン100部、無水マレイン酸変性ポリプロピレン
1部及び着色剤として弁柄3部、酸化チタン7部を混練
し、直径3〜10mm程度のコンパウンドを得た。得ら
れたコンパウンドを、二軸押出し機及び金型を用い、幅
60mm、高さ7mmの板状に押出し成形した。押出し
機の温度条件は、シリンダー温度180℃、金型温度1
90℃とした。この際、金型部での樹脂温度は190℃
であった。190℃で成形された成形体を冷却金型で冷
却し、形状を保持した。冷却金型から押出された直後の
成形体の表面温度は約40℃であった。得られた押出し
成形品のスキン層を研削によって除去し、さらに部分的
に筋状にサンディングを行なった。この処理により、部
分的に筋状にサンディングを行なって得られた筋状領域
と元の表面の筋状領域からなる筋模様を有する本発明に
係る複合樹脂成形体を作製した。得られた筋模様は目視
により明瞭に観察され、木目様の模様であった。また、
複合樹脂成形体はアスペクト比2以上の木粉を含むこと
を光学顕微鏡で確認した。
燥したアスペクト比2以上の木粉を含む10メッシュを
通過し20メッシュを通過しない木粉100部、ポリプ
ロピレン100部、無水マレイン酸変性ポリプロピレン
1部及び着色剤として弁柄3部、酸化チタン7部を混練
し、直径3〜10mm程度のコンパウンドを得た。得ら
れたコンパウンドを、二軸押出し機及び金型を用い、幅
60mm、高さ7mmの板状に押出し成形した。押出し
機の温度条件は、シリンダー温度180℃、金型温度1
90℃とした。この際、金型部での樹脂温度は190℃
であった。190℃で成形された成形体を冷却金型で冷
却し、形状を保持した。冷却金型から押出された直後の
成形体の表面温度は約40℃であった。得られた押出し
成形品のスキン層を研削によって除去し、さらに部分的
に筋状にサンディングを行なった。この処理により、部
分的に筋状にサンディングを行なって得られた筋状領域
と元の表面の筋状領域からなる筋模様を有する本発明に
係る複合樹脂成形体を作製した。得られた筋模様は目視
により明瞭に観察され、木目様の模様であった。また、
複合樹脂成形体はアスペクト比2以上の木粉を含むこと
を光学顕微鏡で確認した。
【0033】実施例8
実施例7において、木粉を表4に記載した大きさ(メッ
シュ)のものに変更した以外は、実施例7と同様の押出
し条件及び操作を行なうことにより、本発明に係る複合
樹脂成形体を作製した。
シュ)のものに変更した以外は、実施例7と同様の押出
し条件及び操作を行なうことにより、本発明に係る複合
樹脂成形体を作製した。
【0034】比較例10〜12
実施例7において、木粉を表4に記載した大きさ(メッ
シュ)のものに変更した以外は、実施例7と同様の押出
し条件及び操作を行なうことにより、比較用複合樹脂成
形体を作製した。
シュ)のものに変更した以外は、実施例7と同様の押出
し条件及び操作を行なうことにより、比較用複合樹脂成
形体を作製した。
【0035】試験例4
前記実施例7、8及び比較例10〜12で得られた各複
合樹脂成形体について、成形体表面の樹脂層を除去した
後、所定の寸法に削り出して試験片を作製し、前記試験
例1と同様にしてアイゾット衝撃試験を行なった。得ら
れた衝撃試験の結果を各複合樹脂成形体の組成とまとめ
て表4に示す。
合樹脂成形体について、成形体表面の樹脂層を除去した
後、所定の寸法に削り出して試験片を作製し、前記試験
例1と同様にしてアイゾット衝撃試験を行なった。得ら
れた衝撃試験の結果を各複合樹脂成形体の組成とまとめ
て表4に示す。
【0036】
【表4】
表4を前記表1及び表2と対比すれば明らかなように、
着色剤を添加し、かつ得られた複合樹脂成形体に筋状に
サンディングを行なった場合でも、衝撃強さは変わらな
かった。このため、耐衝撃性を高く維持したまま種々の
色調、模様の木目模様を形成できることがわかる。
着色剤を添加し、かつ得られた複合樹脂成形体に筋状に
サンディングを行なった場合でも、衝撃強さは変わらな
かった。このため、耐衝撃性を高く維持したまま種々の
色調、模様の木目模様を形成できることがわかる。
【0037】実施例9(成形板及び中空板製造例)
実施例1〜8における金型を変更した以外は、実施例1
〜8と同様の押出し条件及び操作を行なうことにより、
図1に示すような複合樹脂成形板及び図2に示すような
複合樹脂成形中空板を作製した。作製した複合樹脂成形
板及び複合樹脂成形中空板は、前記各実施例と同様な衝
撃強度及び木質感(外観及び触感)を有していた。
〜8と同様の押出し条件及び操作を行なうことにより、
図1に示すような複合樹脂成形板及び図2に示すような
複合樹脂成形中空板を作製した。作製した複合樹脂成形
板及び複合樹脂成形中空板は、前記各実施例と同様な衝
撃強度及び木質感(外観及び触感)を有していた。
【0038】
【発明の効果】以上のように、本発明に係るセルロース
系粉体含有複合樹脂成形体は、セルロース系粉体とポリ
オレフィン系もしくはポリスチレン系樹脂とを含有して
なる複合樹脂成形体においてアスペクト比2以上の特定
範囲の大きさのセルロース系粉体を含むため、衝撃強度
に優れている。そのため、従来の複合樹脂成形体と同様
の衝撃強度を確保する場合、成形体厚みを薄くすること
ができると共に、重量を減らすことができ、また高価な
不飽和カルボン酸又はその誘導体で変性されたポリオレ
フィン樹脂の使用量も減らすことができ、製造コストの
点でも有利である。また、本発明の複合樹脂成形体は、
その表面の樹脂層を除去することでセルロース系粉体が
表面に露出するので、木質感を作出することができ、ま
た、得られた成形体に、例えば筋状にサンディング等の
表面処理を行なうことによって木目模様を付けることも
できる。さらには、合成木質材特有の耐水性、寸法安定
性、耐腐朽性等に優れると共に成形性、切断性、加工性
等にも優れるため、研削、研磨、切断、彫刻等を施すこ
とによって、サッシ、枠材、壁材、床材等の建材や、ル
ーバー、ドアハンドル、クレセント、手すり、家具、自
動車の内外装材、家電製品のハウジングなどに利用でき
る。
系粉体含有複合樹脂成形体は、セルロース系粉体とポリ
オレフィン系もしくはポリスチレン系樹脂とを含有して
なる複合樹脂成形体においてアスペクト比2以上の特定
範囲の大きさのセルロース系粉体を含むため、衝撃強度
に優れている。そのため、従来の複合樹脂成形体と同様
の衝撃強度を確保する場合、成形体厚みを薄くすること
ができると共に、重量を減らすことができ、また高価な
不飽和カルボン酸又はその誘導体で変性されたポリオレ
フィン樹脂の使用量も減らすことができ、製造コストの
点でも有利である。また、本発明の複合樹脂成形体は、
その表面の樹脂層を除去することでセルロース系粉体が
表面に露出するので、木質感を作出することができ、ま
た、得られた成形体に、例えば筋状にサンディング等の
表面処理を行なうことによって木目模様を付けることも
できる。さらには、合成木質材特有の耐水性、寸法安定
性、耐腐朽性等に優れると共に成形性、切断性、加工性
等にも優れるため、研削、研磨、切断、彫刻等を施すこ
とによって、サッシ、枠材、壁材、床材等の建材や、ル
ーバー、ドアハンドル、クレセント、手すり、家具、自
動車の内外装材、家電製品のハウジングなどに利用でき
る。
【図1】セルロース系粉体含有複合樹脂成形板の一例を
示す側面図である。
示す側面図である。
【図2】セルロース系粉体含有複合樹脂成形中空板の一
例を示す側面図である。
例を示す側面図である。
1 板状成形品
2 中空板状成形品
3 中空部
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI
C08L 25/00 C08L 25/00
97/02 97/02
(56)参考文献 特開 平10−219078(JP,A)
特開 平10−71636(JP,A)
特開 平10−251523(JP,A)
特開 昭61−16965(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
C08J 5/00 - 5/24
C08L 1/00 - 101/14
B27N 1/00 - 9/00
Claims (6)
- 【請求項1】 セルロース系粉体(A)とポリオレフィ
ン系もしくはポリスチレン系樹脂(B)とをA:B=1
0〜70:90〜30の比率(重量比)で含有すると共
に、不飽和カルボン酸もしくはその誘導体で変性された
ポリオレフィン樹脂を含有してなり、かつ上記セルロー
ス系粉体がアスペクト比2以上のセルロース系粉体を含
む10メッシュを通過し60メッシュを通過しないセル
ロース系粉体であることを特徴とするセルロース系粉体
含有複合樹脂成形体。 - 【請求項2】 セルロース系粉体が、木粉、パルプ、バ
カス、ケナフ、おが屑、木質繊維、籾殻及び古紙よりな
る群から選択された少なくとも1種であることを特徴と
する請求項1に記載のセルロース系粉体含有複合樹脂成
形体。 - 【請求項3】 セルロース系粉体が木粉であることを特
徴とする請求項1に記載のセルロース系粉体含有複合樹
脂成形体。 - 【請求項4】 ポリオレフィン系樹脂がポリプロピレン
であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項
に記載のセルロース系粉体含有複合樹脂成形体。 - 【請求項5】 セルロース系粉体(A)とポリオレフィ
ン系もしくはポリスチレン系樹脂(B)をA:B=40
〜60:60〜40の比率(重量比)で含有することを
特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のセル
ロース系粉体含有複合樹脂成形体。 - 【請求項6】 押出し、射出もしくはプレス成形により
板状又は中空板状に成形されていることを特徴とする請
求項1乃至5のいずれか一項に記載のセルロース系粉体
含有複合樹脂成形体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26730199A JP3500403B2 (ja) | 1999-09-21 | 1999-09-21 | セルロース系粉体含有複合樹脂成形体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26730199A JP3500403B2 (ja) | 1999-09-21 | 1999-09-21 | セルロース系粉体含有複合樹脂成形体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001089578A JP2001089578A (ja) | 2001-04-03 |
JP3500403B2 true JP3500403B2 (ja) | 2004-02-23 |
Family
ID=17442936
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26730199A Expired - Fee Related JP3500403B2 (ja) | 1999-09-21 | 1999-09-21 | セルロース系粉体含有複合樹脂成形体 |
Country Status (1)
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---|---|---|---|---|
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CN109531951A (zh) * | 2018-11-15 | 2019-03-29 | 深圳Tcl新技术有限公司 | 家电外观件制备工艺、家电外观件及家电 |
US11891500B2 (en) | 2018-08-24 | 2024-02-06 | Panasonic Holdings Corporation | Composite resin molded article |
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JP2006082353A (ja) * | 2004-09-15 | 2006-03-30 | Sekisui Chem Co Ltd | 木質熱可塑性樹脂組成物及び木質熱可塑性樹脂成形体の製造方法 |
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JP5169789B2 (ja) * | 2008-12-15 | 2013-03-27 | 凸版印刷株式会社 | 木粉を含有する成形品の製造方法ならびに成形品 |
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KR100939236B1 (ko) * | 2009-06-22 | 2010-01-29 | 유희룡 | 버개스 복합재, 복합재 제조방법 및 이를 이용한 인테리어재 |
KR101182149B1 (ko) * | 2009-09-24 | 2012-09-12 | (주)엘지하우시스 | 수축성을 가진 타카 시공용 판재 |
US9034951B2 (en) | 2010-02-19 | 2015-05-19 | Patenta Asia Ltd | Imitation wood |
JP6883245B2 (ja) * | 2017-12-27 | 2021-06-09 | パナソニック株式会社 | 木質調樹脂成形品の製造方法 |
JP7442085B2 (ja) * | 2020-02-13 | 2024-03-04 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 射出成形品およびその製造方法 |
-
1999
- 1999-09-21 JP JP26730199A patent/JP3500403B2/ja not_active Expired - Fee Related
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US11072087B2 (en) | 2014-11-06 | 2021-07-27 | Flooring Technologies Ltd. | Wooden material panel, in particular in the form of a wood-plastic composite material, and a method for producing the same |
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CN109531951A (zh) * | 2018-11-15 | 2019-03-29 | 深圳Tcl新技术有限公司 | 家电外观件制备工艺、家电外观件及家电 |
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JP2001089578A (ja) | 2001-04-03 |
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