JP2003291116A - 木質系複合樹脂成形体及びその製造方法 - Google Patents
木質系複合樹脂成形体及びその製造方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 木質系材料が高い含水率を有していても熱可
塑性樹脂との優れた密着性を示す混合材料、及びその製
造方法、更に該混合材料を用いた成形品(木質系複合樹
脂成形体)、及び該成形品の製造方法を提供すること。 【解決手段】 少なくとも木質系材料と熱可塑性樹脂を
含む木質系複合樹脂成形体であって、長辺が1〜10m
mの針状形であることを特徴とする木質系複合樹脂成形
体。
塑性樹脂との優れた密着性を示す混合材料、及びその製
造方法、更に該混合材料を用いた成形品(木質系複合樹
脂成形体)、及び該成形品の製造方法を提供すること。 【解決手段】 少なくとも木質系材料と熱可塑性樹脂を
含む木質系複合樹脂成形体であって、長辺が1〜10m
mの針状形であることを特徴とする木質系複合樹脂成形
体。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は木質系材料と熱可塑
性樹脂を主成分とするペレット状混合物、更に木質系材
料と熱可塑性樹脂を主成分とする木質系複合樹脂成形
体、及びその製造方法に関する。詳細には、木質系材料
の含水率が高くても、高強度を有する木質系複合樹脂成
形体、及び該成形体を効率よく製造する方法に関する。
性樹脂を主成分とするペレット状混合物、更に木質系材
料と熱可塑性樹脂を主成分とする木質系複合樹脂成形
体、及びその製造方法に関する。詳細には、木質系材料
の含水率が高くても、高強度を有する木質系複合樹脂成
形体、及び該成形体を効率よく製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】木質系材料と熱可塑性樹脂とを主成分と
する木質系複合樹脂成形体は優れた質感と成形性を有す
るため、従来からデッキ,パーゴラ,バルコニー,プラ
ンターなどの材料として広く用いられている。
する木質系複合樹脂成形体は優れた質感と成形性を有す
るため、従来からデッキ,パーゴラ,バルコニー,プラ
ンターなどの材料として広く用いられている。
【0003】通常、木質系材料は、1mm未満の粉末状
材料が用いられている。しかしながら木材や合板などの
木質系原料は様々な形状、サイズであるため、ジョーク
ラッシャーやジャイレントリクラッシャー等の粗粉砕装
置を用いて、木質系原料を数cm程度にまで一次粉砕
し、更にハンマミル、カッターミル、ロールミル等を使
用して該粗粉砕片を数mm程度の細粉にまで二次破砕
し、そして細粉化された原料を更にピンミル、ボールミ
ル、ローラーミル等を使用して1mm未満の粉末状にす
る三次粉砕が施されている。
材料が用いられている。しかしながら木材や合板などの
木質系原料は様々な形状、サイズであるため、ジョーク
ラッシャーやジャイレントリクラッシャー等の粗粉砕装
置を用いて、木質系原料を数cm程度にまで一次粉砕
し、更にハンマミル、カッターミル、ロールミル等を使
用して該粗粉砕片を数mm程度の細粉にまで二次破砕
し、そして細粉化された原料を更にピンミル、ボールミ
ル、ローラーミル等を使用して1mm未満の粉末状にす
る三次粉砕が施されている。
【0004】得られた粉末状材料は、熱可塑性樹脂とミ
キサーで混練して混合材料とし、これを押出し成形や射
出成形などによって、所望の形状の木質系複合樹脂成形
体を製造している。
キサーで混練して混合材料とし、これを押出し成形や射
出成形などによって、所望の形状の木質系複合樹脂成形
体を製造している。
【0005】尚、通常、木質系材料の原料となる木片等
は、天然乾燥されただけの乾燥材(含水率14〜15%
程度)であるため、疎水性を有する熱可塑性樹脂と混練
すると、混練時の熱によって粉末状材料から水分が放出
され、該水分の存在によって熱可塑性樹脂と粉末状材料
の密着性が阻害され、十分な強度が得られないという問
題が生じていた。
は、天然乾燥されただけの乾燥材(含水率14〜15%
程度)であるため、疎水性を有する熱可塑性樹脂と混練
すると、混練時の熱によって粉末状材料から水分が放出
され、該水分の存在によって熱可塑性樹脂と粉末状材料
の密着性が阻害され、十分な強度が得られないという問
題が生じていた。
【0006】この様な問題を回避するために、従来から
粉末状材料の含水率を低減させて熱可塑性樹脂との密着
性を向上させている。例えば3次粉砕処理して得られた
粉末状材料にボイラー熱やヒーター熱などの熱源を利用
した高度乾燥処理を施して、粉末状材料の含水率を低減
させている。しかしながら従来の乾燥処理では含水率を
5%以下に低減させるには、長時間乾燥処理しなければ
ならず、また熱源コストが上昇して製造コストが高くな
るという問題が生じていた。通常の乾燥処理では含水率
を3〜4%程度まで低減させた後、熱可塑性樹脂と混練
している。
粉末状材料の含水率を低減させて熱可塑性樹脂との密着
性を向上させている。例えば3次粉砕処理して得られた
粉末状材料にボイラー熱やヒーター熱などの熱源を利用
した高度乾燥処理を施して、粉末状材料の含水率を低減
させている。しかしながら従来の乾燥処理では含水率を
5%以下に低減させるには、長時間乾燥処理しなければ
ならず、また熱源コストが上昇して製造コストが高くな
るという問題が生じていた。通常の乾燥処理では含水率
を3〜4%程度まで低減させた後、熱可塑性樹脂と混練
している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記の様に、粉末状材
料と熱可塑性樹脂の密着性を高めて製品欠陥をなくすと
いう観点から粉末状材料の含水率を低減させることは望
ましいが、含水率を低減させると、ミキサーで混練後、
成形機に供給するまでの間に混合材料中の粉末材料が空
気中の水分を吸収してしまうことがあるため、混練後、
早期に成形機に供給するか、若しくは再乾燥して含水率
を調整しなければならなかった。したがって、含水率を
低減させた粉末状材料を用いた場合、混練と成形を別の
場所で行なうことができないため、工業的規模の生産で
は、混練から成形までの設備を備えなければ成らず、多
額の設備投資が必要になる。
料と熱可塑性樹脂の密着性を高めて製品欠陥をなくすと
いう観点から粉末状材料の含水率を低減させることは望
ましいが、含水率を低減させると、ミキサーで混練後、
成形機に供給するまでの間に混合材料中の粉末材料が空
気中の水分を吸収してしまうことがあるため、混練後、
早期に成形機に供給するか、若しくは再乾燥して含水率
を調整しなければならなかった。したがって、含水率を
低減させた粉末状材料を用いた場合、混練と成形を別の
場所で行なうことができないため、工業的規模の生産で
は、混練から成形までの設備を備えなければ成らず、多
額の設備投資が必要になる。
【0008】また木片等の原料を粉末状にするには、上
記の如く数段階粉砕処理しなければならないが、木片を
微細化するにしたがって、粉砕処理に要する時間が長く
なるため、原料調整段階に時間がかかり過ぎるという問
題がある。
記の如く数段階粉砕処理しなければならないが、木片を
微細化するにしたがって、粉砕処理に要する時間が長く
なるため、原料調整段階に時間がかかり過ぎるという問
題がある。
【0009】本発明は上記の様な問題に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、木質系材料に通常施されて
いた高度乾燥処理工程(含水率を5%以下にする乾燥処
理)を省略すること、即ち、木質系材料が高い含水率を
有していても熱可塑性樹脂との優れた密着性を示す混合
材料、及びその製造方法、更に該混合材料を用いた成形
品(木質系複合樹脂成形体)、及び該成形品の製造方法
を提供することである。
ものであって、その目的は、木質系材料に通常施されて
いた高度乾燥処理工程(含水率を5%以下にする乾燥処
理)を省略すること、即ち、木質系材料が高い含水率を
有していても熱可塑性樹脂との優れた密着性を示す混合
材料、及びその製造方法、更に該混合材料を用いた成形
品(木質系複合樹脂成形体)、及び該成形品の製造方法
を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決し得た本
発明とは、少なくとも木質系材料と熱可塑性樹脂を含む
木質系複合樹脂成形体であって、前記木質系材料が長辺
1〜10mmの針状形であることに要旨を有する木質系
複合樹脂成形体である。特に前記木質系複合樹脂成形体
の表面20mm四方の視野(但し、任意の5視野観察)
に、長辺1mm以上(目視による定規測定)の前記木質
系材料が合計5片以上であることが優れた強度を発揮す
る上でより望ましい。
発明とは、少なくとも木質系材料と熱可塑性樹脂を含む
木質系複合樹脂成形体であって、前記木質系材料が長辺
1〜10mmの針状形であることに要旨を有する木質系
複合樹脂成形体である。特に前記木質系複合樹脂成形体
の表面20mm四方の視野(但し、任意の5視野観察)
に、長辺1mm以上(目視による定規測定)の前記木質
系材料が合計5片以上であることが優れた強度を発揮す
る上でより望ましい。
【0011】また本発明は、少なくとも木質系材料と熱
可塑性樹脂を含むペレット状混合物であって、該木質系
材料の含水率が10%以下であって、且つ長辺が1〜1
0mmの針状形であることに要旨を有するペレット状混
合物である。該ペレット状混合物が添加剤を含むことも
好ましい実施態様である。
可塑性樹脂を含むペレット状混合物であって、該木質系
材料の含水率が10%以下であって、且つ長辺が1〜1
0mmの針状形であることに要旨を有するペレット状混
合物である。該ペレット状混合物が添加剤を含むことも
好ましい実施態様である。
【0012】更に本発明は、少なくとも木質系材料と熱
可塑性樹脂を含む木質系複合樹脂成形体の製造方法であ
って、長辺が1〜10mmを有する木質系材料と熱可塑
性樹脂を混合して、ペレット状混合物を成形した後、該
ペレット状混合物を押出し成形して木質系複合樹脂成形
体を製造することに要旨を有する製造方法である。
可塑性樹脂を含む木質系複合樹脂成形体の製造方法であ
って、長辺が1〜10mmを有する木質系材料と熱可塑
性樹脂を混合して、ペレット状混合物を成形した後、該
ペレット状混合物を押出し成形して木質系複合樹脂成形
体を製造することに要旨を有する製造方法である。
【0013】また更に本発明は少なくとも木質系材料と
熱可塑性樹脂を含む木質系複合樹脂成形体の製造方法で
あって、長辺が1〜10mmを有し、且つ含水率10%
以下の木質材料と熱可塑性樹脂を含むペレット状混合物
を用い、これを押出し成形して木質系複合樹脂成形体を
製造することに要旨を有する製造方法である。
熱可塑性樹脂を含む木質系複合樹脂成形体の製造方法で
あって、長辺が1〜10mmを有し、且つ含水率10%
以下の木質材料と熱可塑性樹脂を含むペレット状混合物
を用い、これを押出し成形して木質系複合樹脂成形体を
製造することに要旨を有する製造方法である。
【0014】本発明の製造方法を実施するに当り、押出
し成形における背圧が7〜12MPaであることが推奨
される。
し成形における背圧が7〜12MPaであることが推奨
される。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明者らは上記課題を解決すべ
く、鋭意研究を重ねた結果、木質系材料の含水率を低減
させなくても、優れた性質を有する木質系複合樹脂成形
体を提供できることを見出し本発明に至った。
く、鋭意研究を重ねた結果、木質系材料の含水率を低減
させなくても、優れた性質を有する木質系複合樹脂成形
体を提供できることを見出し本発明に至った。
【0016】以下、本発明の木質系複合樹脂成形体の製
造方法を説明するが、本発明は下記の例示に限定される
趣旨ではなく、本発明の効果を阻害しない範囲でプロセ
スに適宜変更を加えることができる。したがって特に特
定的な記載がない限り、本発明の方法は例示以外の原
料,装置,プロセスにも同様に適用できる。
造方法を説明するが、本発明は下記の例示に限定される
趣旨ではなく、本発明の効果を阻害しない範囲でプロセ
スに適宜変更を加えることができる。したがって特に特
定的な記載がない限り、本発明の方法は例示以外の原
料,装置,プロセスにも同様に適用できる。
【0017】本発明において木質系材料の原料としては
例えば建築廃材,間伐材,木製品製造時の廃材、流通梱
包材等の廃材など任意の木材を1種或いは数種組み合わ
せて原料(以下、木質系原料という)として用いること
ができる。したがって木質系原料を粉砕機などによって
所望のサイズ(1〜10mm)となるまで粉砕したもの
を木質系材料として用いればよい。サイズの調整方法は
特に限定されず、任意の方法で粉砕すればよい。図示例
では間伐材などサイズの異なる木質系原料を数cm程度
にまで粉砕する機能を有する粉砕装置(例えばジョーク
ラッシャや、ジャイレントリクラッシャ等)に導入して
粗粉砕(一次粉砕工程という)した後、更に数mm程度
にまで細粉する機能を有する粉砕装置(例えばハンマミ
ル、カッターミル、ロールミル等)に導入して細粉砕
(二次粉砕工程という)し、得られた細粉砕物(針状
形)を目開き0.7mmの篩いにかけ1〜10mmの木
質系材料として用いる。
例えば建築廃材,間伐材,木製品製造時の廃材、流通梱
包材等の廃材など任意の木材を1種或いは数種組み合わ
せて原料(以下、木質系原料という)として用いること
ができる。したがって木質系原料を粉砕機などによって
所望のサイズ(1〜10mm)となるまで粉砕したもの
を木質系材料として用いればよい。サイズの調整方法は
特に限定されず、任意の方法で粉砕すればよい。図示例
では間伐材などサイズの異なる木質系原料を数cm程度
にまで粉砕する機能を有する粉砕装置(例えばジョーク
ラッシャや、ジャイレントリクラッシャ等)に導入して
粗粉砕(一次粉砕工程という)した後、更に数mm程度
にまで細粉する機能を有する粉砕装置(例えばハンマミ
ル、カッターミル、ロールミル等)に導入して細粉砕
(二次粉砕工程という)し、得られた細粉砕物(針状
形)を目開き0.7mmの篩いにかけ1〜10mmの木
質系材料として用いる。
【0018】また該範囲の木質系材料を得る方法は特に
限定されず、任意の方法を採用すればよい。例えば目開
き7mmの篩いにかけて長辺10mm超の木片を除去す
ると共に、更に目開き0.7mmの篩いにかけて長辺1
mm未満の木質系材料を除去し、木質系材料の平均サイ
ズが1〜10mmの範囲内となる様にしてもよい。この
際、篩いの目開きを変更することによって、木質系材料
のサイズを変更することができる。
限定されず、任意の方法を採用すればよい。例えば目開
き7mmの篩いにかけて長辺10mm超の木片を除去す
ると共に、更に目開き0.7mmの篩いにかけて長辺1
mm未満の木質系材料を除去し、木質系材料の平均サイ
ズが1〜10mmの範囲内となる様にしてもよい。この
際、篩いの目開きを変更することによって、木質系材料
のサイズを変更することができる。
【0019】上記の様に本発明では木質系材料が1〜1
0mmの範囲内のものを用いることが推奨される。木質
系材料のサイズの上限は特に限定されないが、大きくな
る程、押出し成形性が低下するので、好ましくは8mm
以下、より好ましくは6mm以下とすることが望まし
い。また木質系材料が小さくなる程、含水率を低減させ
なくては木質系複合樹脂成形体にクラック等の欠陥発生
を抑止できなくなることがあるため、好ましくは1mm
以上であって、より好ましくは2mm以上、更に好まし
くは5mm以上である。
0mmの範囲内のものを用いることが推奨される。木質
系材料のサイズの上限は特に限定されないが、大きくな
る程、押出し成形性が低下するので、好ましくは8mm
以下、より好ましくは6mm以下とすることが望まし
い。また木質系材料が小さくなる程、含水率を低減させ
なくては木質系複合樹脂成形体にクラック等の欠陥発生
を抑止できなくなることがあるため、好ましくは1mm
以上であって、より好ましくは2mm以上、更に好まし
くは5mm以上である。
【0020】また本発明で用いる木質系材料として1m
m未満の木質系材料が含まれていても本発明の効果を阻
害することがないが、10mmを超える木質系材料が多
量に含まれていると押出機に詰りが生じたり、成形品の
表面性状が劣ることがある。本発明では、全木質系材料
の好ましくは50%以上、より好ましくは75%以上が
1〜10mmの範囲にあればよく、残部は1mm未満の
木質系材料および/または10mm超の木質系材料、好
ましくは1mm未満の木質系材料で構成されていてもよ
い。
m未満の木質系材料が含まれていても本発明の効果を阻
害することがないが、10mmを超える木質系材料が多
量に含まれていると押出機に詰りが生じたり、成形品の
表面性状が劣ることがある。本発明では、全木質系材料
の好ましくは50%以上、より好ましくは75%以上が
1〜10mmの範囲にあればよく、残部は1mm未満の
木質系材料および/または10mm超の木質系材料、好
ましくは1mm未満の木質系材料で構成されていてもよ
い。
【0021】本発明において木質系材料の割合は、全木
質系材料(質量)に占める1〜10mmの木質系材料の
質量を測定した値である。長辺1〜10mmの木質系材
料の割合の算出方法としては例えば、まず目開き7mm
の篩にかけた後、目開き0.7mmの篩にかけ、目開き
0.7mmの篩に残存した木質系材料の質量が、全木質
材料の質量に占める割合を算出すればよい。
質系材料(質量)に占める1〜10mmの木質系材料の
質量を測定した値である。長辺1〜10mmの木質系材
料の割合の算出方法としては例えば、まず目開き7mm
の篩にかけた後、目開き0.7mmの篩にかけ、目開き
0.7mmの篩に残存した木質系材料の質量が、全木質
材料の質量に占める割合を算出すればよい。
【0022】尚、木質系原料は防腐処理など各種処理が
施されているものであってもよい。防腐処理が施された
木質系原料を用いることによって、木質系複合樹脂成形
体に防腐効果を付与することができる。したがって、所
望の処理を木質系原料に予め施しておくことも好ましい
実施態様である。
施されているものであってもよい。防腐処理が施された
木質系原料を用いることによって、木質系複合樹脂成形
体に防腐効果を付与することができる。したがって、所
望の処理を木質系原料に予め施しておくことも好ましい
実施態様である。
【0023】また木質系原料に、木質系原料をそのま
ま、又は任意のサイズに粉砕した後、圧力釜に入れて例
えば200℃になるまで加熱した後、開圧し、その際の
圧力差の衝撃で破裂したものを、粉砕機で粉状にして爆
砕木粉としたものを添加してもよい。爆砕木粉を添加す
ることによって、著しく成形品の強度が向上するので好
ましい。
ま、又は任意のサイズに粉砕した後、圧力釜に入れて例
えば200℃になるまで加熱した後、開圧し、その際の
圧力差の衝撃で破裂したものを、粉砕機で粉状にして爆
砕木粉としたものを添加してもよい。爆砕木粉を添加す
ることによって、著しく成形品の強度が向上するので好
ましい。
【0024】本発明で用いる木質系材料(粉砕後の状
態)の含水率は15%以下であることが推奨される。含
水率はJIS Z 2101に記載された方法(全乾
法)に基づいて測定した値である。尚、本発明で用いる
木質系原料は、通常の乾燥材であるが、乾燥材とは、天
然乾燥および/または人工乾燥などによって乾燥させた
木材であって、常温下における該木材含水率が15%以
下(通常は14%±1%)のものをいう。
態)の含水率は15%以下であることが推奨される。含
水率はJIS Z 2101に記載された方法(全乾
法)に基づいて測定した値である。尚、本発明で用いる
木質系原料は、通常の乾燥材であるが、乾燥材とは、天
然乾燥および/または人工乾燥などによって乾燥させた
木材であって、常温下における該木材含水率が15%以
下(通常は14%±1%)のものをいう。
【0025】木質系材料の含水率が15%を超える場
合、ペレット成形時、或いは製品成形時の熱によって木
質系材料から放出する水分が多くなり、熱可塑性樹脂と
の密着性が低下して十分な強度(曲げ、引張、圧縮、せ
ん断)が得られなかったり、空隙等が生じて成形品にク
ラック等の欠陥が生じることがある。
合、ペレット成形時、或いは製品成形時の熱によって木
質系材料から放出する水分が多くなり、熱可塑性樹脂と
の密着性が低下して十分な強度(曲げ、引張、圧縮、せ
ん断)が得られなかったり、空隙等が生じて成形品にク
ラック等の欠陥が生じることがある。
【0026】したがって含水率が高い木質系原料であれ
ば高温蒸気式乾燥法や高周波式除湿乾燥法などの公知の
人工乾燥方法を採用することによって木質系原料の含水
率を本発明の範囲まで容易に低減させることができる。
勿論、含水率を5%以下に低減させた木質系材料を用い
てもよいが、本発明では、含水率を5%以下に乾燥させ
なくても優れた成形品を製造できるため、乾燥処理コス
トの上昇を抑止できる。
ば高温蒸気式乾燥法や高周波式除湿乾燥法などの公知の
人工乾燥方法を採用することによって木質系原料の含水
率を本発明の範囲まで容易に低減させることができる。
勿論、含水率を5%以下に低減させた木質系材料を用い
てもよいが、本発明では、含水率を5%以下に乾燥させ
なくても優れた成形品を製造できるため、乾燥処理コス
トの上昇を抑止できる。
【0027】上記の如く本発明の場合、1〜10mmの
粉砕針状物を木質系材料として使用するため、従来の様
に二次粉砕後、更にディスクミル等によって1mm未満
の粉末状にする(三次破砕工程という)必要がない。し
たがって、本発明は従来に比べて破砕工程を簡略化で
き、処理時間,処理コストを削減できる。
粉砕針状物を木質系材料として使用するため、従来の様
に二次粉砕後、更にディスクミル等によって1mm未満
の粉末状にする(三次破砕工程という)必要がない。し
たがって、本発明は従来に比べて破砕工程を簡略化で
き、処理時間,処理コストを削減できる。
【0028】本発明によれば上記の如く特定範囲の木質
材料を用いることによって、含水率が5%超〜15%以
下であっても、クラック等の欠陥が生じることなく、高
強度を有する木質系複合樹成形体を製造できる。
材料を用いることによって、含水率が5%超〜15%以
下であっても、クラック等の欠陥が生じることなく、高
強度を有する木質系複合樹成形体を製造できる。
【0029】本発明の様に含水率が高い木質系材料を用
いても成形品に欠陥が生じないメカニズムは十分に明ら
かではないが、本発明者らの知得したところによると以
下の様に考えられる。
いても成形品に欠陥が生じないメカニズムは十分に明ら
かではないが、本発明者らの知得したところによると以
下の様に考えられる。
【0030】即ち、従来から木質系材料として1mm未
満の粉末状(粉末状材料という)を用いていたのは、木
質系材料を微細化すればする程、全体の比表面積が増大
して熱可塑性樹脂と接触面積が増える結果、熱可塑性樹
脂と粉末状材料との密着性が向上するからである。しか
しながら、粉末状材料は個々の粉末の水分保持性が低い
ため、含水率が5%を超えると該粉末表面の湿度が高ま
り、混練時や成形時の熱によって、該粉末材料の周り
に、空隙が生じて疎水性を有する熱可塑性樹脂との密着
性が低下してクラックなどの欠陥が生じ易かった。その
ため、粉末材料を用いた場合、乾燥工程を設けて含水率
を5%以下に低減する必要があった。
満の粉末状(粉末状材料という)を用いていたのは、木
質系材料を微細化すればする程、全体の比表面積が増大
して熱可塑性樹脂と接触面積が増える結果、熱可塑性樹
脂と粉末状材料との密着性が向上するからである。しか
しながら、粉末状材料は個々の粉末の水分保持性が低い
ため、含水率が5%を超えると該粉末表面の湿度が高ま
り、混練時や成形時の熱によって、該粉末材料の周り
に、空隙が生じて疎水性を有する熱可塑性樹脂との密着
性が低下してクラックなどの欠陥が生じ易かった。その
ため、粉末材料を用いた場合、乾燥工程を設けて含水率
を5%以下に低減する必要があった。
【0031】一方、本発明の様に1〜10mmの針状形
の木質系材料を用いた場合、該木質系材料全体の比表面
積は、同一質量の粉末状材料の比表面積と比べると小さ
いものの、個々の木質系材料の水分保持容量は個々の粉
末状材料と比べて高い。したがって含水率が5%超〜1
5%以下であれば、ペレット状混合物を成形した後、該
ペレット状混合物を用いて木質系複合樹脂成形体を成形
する時に木質材料の周りに生じる空隙の発生を抑制する
ことができ、また木質材料表面の水分が熱可塑性樹脂と
の密着性を低下させるほど多くならない。しかも個々の
木質系材料と熱可塑性樹脂との接触面積は個々の粉末状
材料よりも大きいために成形品内で固定され、強度を高
めることができる。また熱可塑性樹脂が木質系材料の空
隙内に侵入して木質系材料と接着するアンカー効果を発
現するために、高い密着性を有するのである。ここで
「アンカー効果」とは、成形品を薄片に切出し、木部を
溶解させた時に見られる、キノコ状やサンゴ状の様な突
起形状を有する樹脂であり、該樹脂がアンカー効果を発
揮する。
の木質系材料を用いた場合、該木質系材料全体の比表面
積は、同一質量の粉末状材料の比表面積と比べると小さ
いものの、個々の木質系材料の水分保持容量は個々の粉
末状材料と比べて高い。したがって含水率が5%超〜1
5%以下であれば、ペレット状混合物を成形した後、該
ペレット状混合物を用いて木質系複合樹脂成形体を成形
する時に木質材料の周りに生じる空隙の発生を抑制する
ことができ、また木質材料表面の水分が熱可塑性樹脂と
の密着性を低下させるほど多くならない。しかも個々の
木質系材料と熱可塑性樹脂との接触面積は個々の粉末状
材料よりも大きいために成形品内で固定され、強度を高
めることができる。また熱可塑性樹脂が木質系材料の空
隙内に侵入して木質系材料と接着するアンカー効果を発
現するために、高い密着性を有するのである。ここで
「アンカー効果」とは、成形品を薄片に切出し、木部を
溶解させた時に見られる、キノコ状やサンゴ状の様な突
起形状を有する樹脂であり、該樹脂がアンカー効果を発
揮する。
【0032】更に本発明の木質系複合樹脂成形体は、木
質系材料自体の強度も付加されるため、粉末状材料を用
いた成形品よりも高強度を有する。
質系材料自体の強度も付加されるため、粉末状材料を用
いた成形品よりも高強度を有する。
【0033】本発明の木質系材料は熱可塑性樹脂、好ま
しくは添加剤と共に後述するペレット製造装置に供給さ
れる。尚、これら原料の夫々にフィーダーを設けて別々
に装置に供給してもよく、また予め混合したものをペレ
ット製造装置に供給してもよく、供給方法は特に限定さ
れない。
しくは添加剤と共に後述するペレット製造装置に供給さ
れる。尚、これら原料の夫々にフィーダーを設けて別々
に装置に供給してもよく、また予め混合したものをペレ
ット製造装置に供給してもよく、供給方法は特に限定さ
れない。
【0034】本発明の「熱可塑性樹脂」は、用途に応じ
て公知の熱可塑性樹脂を用いることができ、特に限定さ
れない。熱可塑性樹脂としては例えば、熱可塑性ポリウ
レタン,高密度ポリエチレン,低密度ポリエチレン,ポ
リプロピレン,ポリブテン,ポリイソプレン,エチレン
−酢酸ビニル共重合体,エチレン−エチルアクリレート
共重合体,エチレン−プロピレン共重合体などのポリオ
レフィン;ナイロン6,ナイロン66などのポリアミ
ド;ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフ
タレートなどのポリエステル;ポリスチレン,アクリロ
ニトリル−スチレン共重合体などのポリスチレン系樹
脂;ポリ塩化ビニル,ポリ塩化ビニリデンなどの塩素含
有ビニル系樹脂;ポリアクリル酸メチル,ポリメタクリ
ル酸メチルなどのポリ(メタ)アクリル酸エステル;ポ
リイミド,ポリエーテルイミドなどのポリイミド系樹
脂;ポリアクリロニトリル,ポリメタクリロニトリルな
どのアクリロニトリル系樹脂;ポリフッ化ビニリデンな
どのフッ素樹脂;ポリエーテルケトン,ポリアリレー
ト,ポリスルホンなどの各種エンジニアリングプラスチ
ックスが挙げられる。勿論、熱可塑性樹脂は1種類或い
は複数種類の混合物を用いることができる。これらの中
でもポリエチレン,ポリプロピレン等のポリオレフィン
系樹脂は低コストであるので望ましい。
て公知の熱可塑性樹脂を用いることができ、特に限定さ
れない。熱可塑性樹脂としては例えば、熱可塑性ポリウ
レタン,高密度ポリエチレン,低密度ポリエチレン,ポ
リプロピレン,ポリブテン,ポリイソプレン,エチレン
−酢酸ビニル共重合体,エチレン−エチルアクリレート
共重合体,エチレン−プロピレン共重合体などのポリオ
レフィン;ナイロン6,ナイロン66などのポリアミ
ド;ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフ
タレートなどのポリエステル;ポリスチレン,アクリロ
ニトリル−スチレン共重合体などのポリスチレン系樹
脂;ポリ塩化ビニル,ポリ塩化ビニリデンなどの塩素含
有ビニル系樹脂;ポリアクリル酸メチル,ポリメタクリ
ル酸メチルなどのポリ(メタ)アクリル酸エステル;ポ
リイミド,ポリエーテルイミドなどのポリイミド系樹
脂;ポリアクリロニトリル,ポリメタクリロニトリルな
どのアクリロニトリル系樹脂;ポリフッ化ビニリデンな
どのフッ素樹脂;ポリエーテルケトン,ポリアリレー
ト,ポリスルホンなどの各種エンジニアリングプラスチ
ックスが挙げられる。勿論、熱可塑性樹脂は1種類或い
は複数種類の混合物を用いることができる。これらの中
でもポリエチレン,ポリプロピレン等のポリオレフィン
系樹脂は低コストであるので望ましい。
【0035】熱可塑性樹脂は粉体、或いはペレット状で
あってもよいが、個々の熱可塑性樹脂の最大厚みが厚く
なると必要なパスタイムが長くなくなることがあるた
め、最大厚みは好ましくは6mm以下、より好ましくは
3mm以下であることが望ましい。熱可塑性樹脂が微粉
末状であるほど、混練時に木質系材料との均一分散性が
高まるため下限は特に限定されない。尚、粉末状は原料
価格が高いため、ペレット状の熱可塑性樹脂を用いるこ
とが望ましい。
あってもよいが、個々の熱可塑性樹脂の最大厚みが厚く
なると必要なパスタイムが長くなくなることがあるた
め、最大厚みは好ましくは6mm以下、より好ましくは
3mm以下であることが望ましい。熱可塑性樹脂が微粉
末状であるほど、混練時に木質系材料との均一分散性が
高まるため下限は特に限定されない。尚、粉末状は原料
価格が高いため、ペレット状の熱可塑性樹脂を用いるこ
とが望ましい。
【0036】木質系材料と熱可塑性樹脂との混合割合
(質量部)は好ましくは10:90〜90:10、より
好ましくは75:25〜90:10、更に好ましくは8
0:20〜90:10である。木質系材料の割合が多く
なると相互分散が困難になると共に、押出機による押出
成形性が悪化することがある。また木質系材料の割合が
少なすぎると成形品の木質感が十分得られず、また成形
品の加工時の発熱量が増大することがあり、通常の成形
方法では取扱いが困難となることがある。したがって混
合割合は上記範囲内となる様に、供給量を適宜調節する
ことが好ましい。
(質量部)は好ましくは10:90〜90:10、より
好ましくは75:25〜90:10、更に好ましくは8
0:20〜90:10である。木質系材料の割合が多く
なると相互分散が困難になると共に、押出機による押出
成形性が悪化することがある。また木質系材料の割合が
少なすぎると成形品の木質感が十分得られず、また成形
品の加工時の発熱量が増大することがあり、通常の成形
方法では取扱いが困難となることがある。したがって混
合割合は上記範囲内となる様に、供給量を適宜調節する
ことが好ましい。
【0037】尚、本発明の様に1〜10mmの木質系材
料を用いれば、1mm未満の木粉を用いる場合と比べ
て、木質系材料含有率を75%超に高めても、製品とし
て要求される品質を備えた成形品を押出し成形によって
製造できる。
料を用いれば、1mm未満の木粉を用いる場合と比べ
て、木質系材料含有率を75%超に高めても、製品とし
て要求される品質を備えた成形品を押出し成形によって
製造できる。
【0038】また本発明では木質系材料と熱可塑性樹脂
と共に、添加剤を加えてペレット状混合物を製造するこ
とが推奨される。
と共に、添加剤を加えてペレット状混合物を製造するこ
とが推奨される。
【0039】添加剤は特に限定されず、用途に応じた公
知の添加剤を適宜選択して用いればよく、単独、或いは
複数種を組み合わせて用いることができる。添加剤とし
ては例えば、混和促進剤(α,β不飽和カルボン酸系モ
ノマー等の添加剤、酸変性オレフィン,酸変性低分子オ
レフィンなど)、補強材(ガラス繊維、炭素繊維な
ど)、安定剤(紫外線吸収剤、紫外線劣化防止剤、酸化
防止剤など)、滑剤(ステアリン酸鉛など)、着色剤
(顔料、体質顔料、フィラ−など)、防腐剤、難燃剤、
抗酸化剤、造核剤が例示される。
知の添加剤を適宜選択して用いればよく、単独、或いは
複数種を組み合わせて用いることができる。添加剤とし
ては例えば、混和促進剤(α,β不飽和カルボン酸系モ
ノマー等の添加剤、酸変性オレフィン,酸変性低分子オ
レフィンなど)、補強材(ガラス繊維、炭素繊維な
ど)、安定剤(紫外線吸収剤、紫外線劣化防止剤、酸化
防止剤など)、滑剤(ステアリン酸鉛など)、着色剤
(顔料、体質顔料、フィラ−など)、防腐剤、難燃剤、
抗酸化剤、造核剤が例示される。
【0040】本発明では、添加剤として少なくとも混和
促進剤を添加させることが推奨される。混和促進剤を含
有させることによって、木質系材料と熱可塑性樹脂との
密着性が向上するので好ましい。混和促進剤としては、
例えば高分子の末端、或いは分子中に親水基を形成する
混和促進剤のいずれであってもよく、また親水基の種類
や結合位置については特に限定されない。本発明では高
分子中に親水基を形成する変性オレフィン系の混和促進
剤が推奨され、これらの中でも疎水性と親水性を有する
混和促進剤は、低使用量でも優れた効果を発揮するので
好ましい。
促進剤を添加させることが推奨される。混和促進剤を含
有させることによって、木質系材料と熱可塑性樹脂との
密着性が向上するので好ましい。混和促進剤としては、
例えば高分子の末端、或いは分子中に親水基を形成する
混和促進剤のいずれであってもよく、また親水基の種類
や結合位置については特に限定されない。本発明では高
分子中に親水基を形成する変性オレフィン系の混和促進
剤が推奨され、これらの中でも疎水性と親水性を有する
混和促進剤は、低使用量でも優れた効果を発揮するので
好ましい。
【0041】添加剤の添加量は所望の効果が得られる様
に添加物の種類に応じて適宜添加量を調節すればよく、
特に限定されない。例えば添加剤としてMAPP(無水
マレイン酸変成ポリプロピレン)を用いる場合、該添加
剤の添加量が熱可塑性樹脂(ポリプロピレン)と木質系
材料との合計(100質量部)に対して、好ましくは2
質量部以上、より好ましくは3質量部以上であって、好
ましくは5質量部以下、より好ましくは4質量部以下と
なる様に適宜添加することが望ましい。添加剤の添加量
が少ないと、添加剤による熱可塑性樹脂と木質系材料と
の密着性向上効果が十分発揮できないことがある。また
大量に添加しても顕著な向上効果が得られないことがあ
る。
に添加物の種類に応じて適宜添加量を調節すればよく、
特に限定されない。例えば添加剤としてMAPP(無水
マレイン酸変成ポリプロピレン)を用いる場合、該添加
剤の添加量が熱可塑性樹脂(ポリプロピレン)と木質系
材料との合計(100質量部)に対して、好ましくは2
質量部以上、より好ましくは3質量部以上であって、好
ましくは5質量部以下、より好ましくは4質量部以下と
なる様に適宜添加することが望ましい。添加剤の添加量
が少ないと、添加剤による熱可塑性樹脂と木質系材料と
の密着性向上効果が十分発揮できないことがある。また
大量に添加しても顕著な向上効果が得られないことがあ
る。
【0042】本発明では木質系材料,熱可塑性樹脂,添
加剤をペレタイザー,コンパウンダーなどの公知のペレ
ット製造装置に供給してペレット状の混合物(以下、ペ
レット状混合物という)を製造する。尚、ペレット製造
装置に導入する原料は予め混合したものであってもよ
く、或いは別々にペレット製造装置に導入してもよい。
加剤をペレタイザー,コンパウンダーなどの公知のペレ
ット製造装置に供給してペレット状の混合物(以下、ペ
レット状混合物という)を製造する。尚、ペレット製造
装置に導入する原料は予め混合したものであってもよ
く、或いは別々にペレット製造装置に導入してもよい。
【0043】ペレット製造方法としては、供給した原料
を加熱し、熱可塑性樹脂を溶かして木質系材料と混練し
てなる複合樹脂組成物をコールドカット方式、或いはホ
ットカット方式によってペレット状混合物を製造するこ
とができるが、造粒した混合物を水中で切断する水中カ
ット法等の様に、混合物が水と接触する様な方法を採用
すると、木質系材料の含水率が高くなることがある。
を加熱し、熱可塑性樹脂を溶かして木質系材料と混練し
てなる複合樹脂組成物をコールドカット方式、或いはホ
ットカット方式によってペレット状混合物を製造するこ
とができるが、造粒した混合物を水中で切断する水中カ
ット法等の様に、混合物が水と接触する様な方法を採用
すると、木質系材料の含水率が高くなることがある。
【0044】本発明では、圧縮造粒によるペレット製造
装置が推奨される。本発明の針状形の木質系材料であれ
ば含水率が、5%超〜15%以下であっても圧縮成形に
よって製造されたペレットは形状維持性を有するので、
移送,保存性に優れている。また圧縮作用を利用したペ
レット製造方法は、加熱して熱可塑性樹脂を溶かす必要
がなく、熱コストを削減できるので望ましい。
装置が推奨される。本発明の針状形の木質系材料であれ
ば含水率が、5%超〜15%以下であっても圧縮成形に
よって製造されたペレットは形状維持性を有するので、
移送,保存性に優れている。また圧縮作用を利用したペ
レット製造方法は、加熱して熱可塑性樹脂を溶かす必要
がなく、熱コストを削減できるので望ましい。
【0045】したがって本発明では空中カット方式が推
奨され、例えば上記各原料をペレタイザーに供給して圧
縮し、得られる混合物をダイから押出し後に、ダイ表面
上を回転するカッターにより混合物を所望の大きさに切
断する様な方式が望ましい。
奨され、例えば上記各原料をペレタイザーに供給して圧
縮し、得られる混合物をダイから押出し後に、ダイ表面
上を回転するカッターにより混合物を所望の大きさに切
断する様な方式が望ましい。
【0046】尚、圧縮時の摩擦熱等によって、供給した
木質系材料の水分が蒸発し、ペレット状混合物に含まれ
る木質系材料の含水率が減少するので望ましい。すなわ
ち、木質系原料の含水率が10%超〜15%以下であっ
ても、ペレット化した際に含水率が10%以下になるの
で、該ペレット状混合物を用いて所望の形状の木質系混
合樹脂組成物を成形しても、製品に割れなどの欠陥が生
じることがない。この様に本願発明のペレット状混合物
は含水率を低減させた状態で維持する必要がないので、
保存性に優れている。
木質系材料の水分が蒸発し、ペレット状混合物に含まれ
る木質系材料の含水率が減少するので望ましい。すなわ
ち、木質系原料の含水率が10%超〜15%以下であっ
ても、ペレット化した際に含水率が10%以下になるの
で、該ペレット状混合物を用いて所望の形状の木質系混
合樹脂組成物を成形しても、製品に割れなどの欠陥が生
じることがない。この様に本願発明のペレット状混合物
は含水率を低減させた状態で維持する必要がないので、
保存性に優れている。
【0047】ミキサーを用いて木質系材料,熱可塑性樹
脂,添加剤を溶融・混練して造粒することもできるが、
ミキサーの場合、原料供給方式がバッチ式であるため、
時間当りの生産量が低く、工業的規模の生産においては
効率性が低い。またミキサーの場合、供給した原料の配
合によって得られる造粒物の組成がバッチ毎に異なるこ
とがある。
脂,添加剤を溶融・混練して造粒することもできるが、
ミキサーの場合、原料供給方式がバッチ式であるため、
時間当りの生産量が低く、工業的規模の生産においては
効率性が低い。またミキサーの場合、供給した原料の配
合によって得られる造粒物の組成がバッチ毎に異なるこ
とがある。
【0048】一方、ペレット製造装置を用いた場合、連
続的に原料供給−混練−造粒ができるので、生産性が高
い。また連続式に原料を供給できるため、造粒されたペ
レット状混合物の組成が混合物毎に異なることを抑止で
きる。更に圧縮成形したペレット状混合物は密度が1以
上であるため、極めて高密度の成形品を製造できるた
め、優れた強度を有する。
続的に原料供給−混練−造粒ができるので、生産性が高
い。また連続式に原料を供給できるため、造粒されたペ
レット状混合物の組成が混合物毎に異なることを抑止で
きる。更に圧縮成形したペレット状混合物は密度が1以
上であるため、極めて高密度の成形品を製造できるた
め、優れた強度を有する。
【0049】本発明では、上記した様なペレット状混合
物を用いて木質系複合樹脂成形体を製造することが推奨
される。ペレット状混合物を用い、本発明の木質系複合
樹脂成形体を成形する手段としては押出成形法が望まし
い。押出成形法としては特に限定されないが、木質系材
料と熱可塑性樹脂との混練性を高め、木質系材料が均一
に分散した成形品を効率よく製造するためには二軸以上
の押出機を用いることが推奨される。具体的な製造条件
は特に限定されず、公知の押出機を用いて所望の断面形
状(中空異形品を含む)を有する成形体を製造できる。
物を用いて木質系複合樹脂成形体を製造することが推奨
される。ペレット状混合物を用い、本発明の木質系複合
樹脂成形体を成形する手段としては押出成形法が望まし
い。押出成形法としては特に限定されないが、木質系材
料と熱可塑性樹脂との混練性を高め、木質系材料が均一
に分散した成形品を効率よく製造するためには二軸以上
の押出機を用いることが推奨される。具体的な製造条件
は特に限定されず、公知の押出機を用いて所望の断面形
状(中空異形品を含む)を有する成形体を製造できる。
【0050】押出しの際の温度は特に限定されず、熱可
塑性樹脂が溶融する温度以上であって、木質系材料が変
質しない温度以下とすればよい。例えば熱可塑性樹脂と
してポリプロピレンを用いる場合、ヒーター等の任意の
加熱手段によって金型の温度を170〜230℃に調節
すれば、木質系材料の変質を生じさせることなく、溶融
混練性を高め、木質系材料がほぼ均一に分散した成形品
を製造できる。温度を熱可塑性樹脂の溶融温度以下に設
定すると、熱可塑性樹脂の軟化が不十分であり、木質系
材料と十分に混練できず、また成形品に割れが生じた
り、表面に成形斑が生じて表面性状が劣化することがあ
る。また温度を高くし過ぎると熱可塑性樹脂の流動性が
高まり過ぎて成形性が劣化したり、木質系材料が熱変化
を起こし、変色や焦げつきが生じることがある。
塑性樹脂が溶融する温度以上であって、木質系材料が変
質しない温度以下とすればよい。例えば熱可塑性樹脂と
してポリプロピレンを用いる場合、ヒーター等の任意の
加熱手段によって金型の温度を170〜230℃に調節
すれば、木質系材料の変質を生じさせることなく、溶融
混練性を高め、木質系材料がほぼ均一に分散した成形品
を製造できる。温度を熱可塑性樹脂の溶融温度以下に設
定すると、熱可塑性樹脂の軟化が不十分であり、木質系
材料と十分に混練できず、また成形品に割れが生じた
り、表面に成形斑が生じて表面性状が劣化することがあ
る。また温度を高くし過ぎると熱可塑性樹脂の流動性が
高まり過ぎて成形性が劣化したり、木質系材料が熱変化
を起こし、変色や焦げつきが生じることがある。
【0051】尚、成形時の温度によっては、木質系材料
の水分が放出されることがあり、該水分に起因して成形
体に空隙が生じることがあるため、ベントなど脱気手段
を適宜設けることが望ましい。
の水分が放出されることがあり、該水分に起因して成形
体に空隙が生じることがあるため、ベントなど脱気手段
を適宜設けることが望ましい。
【0052】また成形時の背圧(尚、押出機の出口圧測
定値である。)は、好ましくは7MPa以上、より好ま
しくは8MPa以上、更に好ましくは9MPa以上であ
って、好ましくは12MPa以下、より好ましくは11
MPa以下、更に好ましくは10MPa以下とすること
が好ましい。圧力が小さすぎると、押出し形成ができ
ず、成形体に割れなどの欠陥が生じることがある。また
圧力が大きくなると押出機の負荷が増大すると共に、成
形品に成形斑(引け)等が生じて表面性状が劣化するこ
とがあるため望ましくない。
定値である。)は、好ましくは7MPa以上、より好ま
しくは8MPa以上、更に好ましくは9MPa以上であ
って、好ましくは12MPa以下、より好ましくは11
MPa以下、更に好ましくは10MPa以下とすること
が好ましい。圧力が小さすぎると、押出し形成ができ
ず、成形体に割れなどの欠陥が生じることがある。また
圧力が大きくなると押出機の負荷が増大すると共に、成
形品に成形斑(引け)等が生じて表面性状が劣化するこ
とがあるため望ましくない。
【0053】尚、上記した様に圧縮成形して密度1以上
有するペレット状混合物を用いる場合、上記の様に高い
背圧で押出し成形すると、高密度であって、且つ表面性
状に優れた成形体を製造することができる。しかしなが
らミキサーで造粒したものを同程度の密度にするには更
に高い背圧(12MPa超)が必要になることがあり、
押出機に過剰な負荷がかかるため好ましくない。
有するペレット状混合物を用いる場合、上記の様に高い
背圧で押出し成形すると、高密度であって、且つ表面性
状に優れた成形体を製造することができる。しかしなが
らミキサーで造粒したものを同程度の密度にするには更
に高い背圧(12MPa超)が必要になることがあり、
押出機に過剰な負荷がかかるため好ましくない。
【0054】上記条件によれば、木質系材料を成形時に
おいて熱変化(焦げつき,焼けなど)させることなく、
熱可塑性樹脂を適度に溶融軟化させ、木質系材料と熱可
塑性樹脂を均一に混錬することができ、また木質系材料
を成形品内に分散させつつ、クラックなどの欠陥がない
成形体を容易かつ確実に製造することができる。本発明
の木質系複合樹脂成形体は、成形体内に繊維の長い木質
系材料を含有しているので、粉末状の木質系材料を用い
た場合よりも高い強度を有している。特に木質系複合樹
脂成形体の表面20mm四方の視野(但し、任意の5視
野観察)に、長辺1mm以上(目視による定規測定)の
前記木質系材料が合計5片以上存在していれば、より優
れた強度を発揮するので望ましい。
おいて熱変化(焦げつき,焼けなど)させることなく、
熱可塑性樹脂を適度に溶融軟化させ、木質系材料と熱可
塑性樹脂を均一に混錬することができ、また木質系材料
を成形品内に分散させつつ、クラックなどの欠陥がない
成形体を容易かつ確実に製造することができる。本発明
の木質系複合樹脂成形体は、成形体内に繊維の長い木質
系材料を含有しているので、粉末状の木質系材料を用い
た場合よりも高い強度を有している。特に木質系複合樹
脂成形体の表面20mm四方の視野(但し、任意の5視
野観察)に、長辺1mm以上(目視による定規測定)の
前記木質系材料が合計5片以上存在していれば、より優
れた強度を発揮するので望ましい。
【0055】本発明の成形品は、あらゆる木材用途に適
しており、化粧張り用板、壁材、床材、ブロック、家具
材料、建築材料、エクステリア用材料、自動車等の内装
品として用いることができる。
しており、化粧張り用板、壁材、床材、ブロック、家具
材料、建築材料、エクステリア用材料、自動車等の内装
品として用いることができる。
【0056】
【実施例】表1に示す木質系原料を一次粉砕(株式会社
御池鐵工所社製;MHM−75)して粗粉砕した後、更
に二次粉砕(株式会社御池鐵工所社製;MCC−50)
して細粉砕した。得られた細粉砕片(針状形)を7mm
目開きの篩いにかけて長辺10mm超の木片を除去した
針状形のものを木質系材料とした。尚、木質系材料は、
用いた木質系材料は、長辺1〜10mmのものが全体の
95%であり、残部は1mm未満のものであった。また
木質系材料の含水率を測定した結果、表1に示すとおり
であった。この木質系材料と熱可塑性樹脂としてポリプ
ロピレン(チッソ株式会社製;品名PPK7250(5
0MFR))を用い、各原料を夫々のフィーダーを介し
てペレタイザー(株式会社御池鐵工所社製;SPM−5
80)に供給した。この際、木質系材料と熱可塑性樹脂
の比率が80:20となる様にフィーダーからの供給量
を制御した。また添加剤として相溶化剤(湖南石油化學
株式会社製;品名POPLEN CM 1120)を木質
系材料と熱可塑性樹脂の合計(100質量部)に対して
3質量部となる様にフィーダーからの供給量を制御し
た。ペレタイザーに導入した原料は、ダイリングと、プ
レスロールの間にかみ込まれ、ダイリングのダイ(直径
6mm)から連続的に圧縮成形して外周へ押出し、固定
刃によって長さ6〜8mmのペレット(直径6mm)を
造粒した。尚、ペレタイザー内で生じた摩擦熱は85〜
100℃であった。またペレットを分解し、ペレットに
含まれている木質系材料の含水率を調べたところ、9%
程度であった。該ペレットを押出機(シンシナティ・エ
クストルーション社製:装置名TITAN45;設定温
度170〜230℃、押出口6mm×60mm)にて平
板状に押出成型し、木質系複合樹脂成形体を得た。
御池鐵工所社製;MHM−75)して粗粉砕した後、更
に二次粉砕(株式会社御池鐵工所社製;MCC−50)
して細粉砕した。得られた細粉砕片(針状形)を7mm
目開きの篩いにかけて長辺10mm超の木片を除去した
針状形のものを木質系材料とした。尚、木質系材料は、
用いた木質系材料は、長辺1〜10mmのものが全体の
95%であり、残部は1mm未満のものであった。また
木質系材料の含水率を測定した結果、表1に示すとおり
であった。この木質系材料と熱可塑性樹脂としてポリプ
ロピレン(チッソ株式会社製;品名PPK7250(5
0MFR))を用い、各原料を夫々のフィーダーを介し
てペレタイザー(株式会社御池鐵工所社製;SPM−5
80)に供給した。この際、木質系材料と熱可塑性樹脂
の比率が80:20となる様にフィーダーからの供給量
を制御した。また添加剤として相溶化剤(湖南石油化學
株式会社製;品名POPLEN CM 1120)を木質
系材料と熱可塑性樹脂の合計(100質量部)に対して
3質量部となる様にフィーダーからの供給量を制御し
た。ペレタイザーに導入した原料は、ダイリングと、プ
レスロールの間にかみ込まれ、ダイリングのダイ(直径
6mm)から連続的に圧縮成形して外周へ押出し、固定
刃によって長さ6〜8mmのペレット(直径6mm)を
造粒した。尚、ペレタイザー内で生じた摩擦熱は85〜
100℃であった。またペレットを分解し、ペレットに
含まれている木質系材料の含水率を調べたところ、9%
程度であった。該ペレットを押出機(シンシナティ・エ
クストルーション社製:装置名TITAN45;設定温
度170〜230℃、押出口6mm×60mm)にて平
板状に押出成型し、木質系複合樹脂成形体を得た。
【0057】得られた各試験片(サイズ6mm×60m
m×1200mm)を下記条件にて密度,吸水率,吸水
厚さ膨張率,曲げ強度,湿潤曲げ強度について調べた。
またNo.3の試験片について曲げ試験後の破断面を電
子顕微鏡(1000倍)で観察したところ図1に示す様
に木質系材料と熱可塑性樹脂の良好な密着性を確認でき
た。
m×1200mm)を下記条件にて密度,吸水率,吸水
厚さ膨張率,曲げ強度,湿潤曲げ強度について調べた。
またNo.3の試験片について曲げ試験後の破断面を電
子顕微鏡(1000倍)で観察したところ図1に示す様
に木質系材料と熱可塑性樹脂の良好な密着性を確認でき
た。
【0058】
【表1】
【0059】密度測定方法
JIS A 5905に基づいて密度試験を行なった。
尚、厚さは0.05mm単位,幅及び長さは0.1mm
単位,質量は0.1g単位まで測定すると共に、密度は
0.01g/cm3単位まで算出した。
尚、厚さは0.05mm単位,幅及び長さは0.1mm
単位,質量は0.1g単位まで測定すると共に、密度は
0.01g/cm3単位まで算出した。
【0060】吸水率試験
JIS A 5905に基づいて吸水率試験を行なっ
た。尚、水浸前の試験片の試験片の質量を測定した後、
20℃±1℃の水中に水面から2cmの深さに試験片を
立てて置き、24時間浸漬させた後、取り出して表面に
付着した水分を取り除き、10分以内に質量を測定し
た。この際の室温は19.3℃,pHは7.6であっ
た。また更に同一の条件で196時間浸漬させた後、同
様に吸水率を調べた。
た。尚、水浸前の試験片の試験片の質量を測定した後、
20℃±1℃の水中に水面から2cmの深さに試験片を
立てて置き、24時間浸漬させた後、取り出して表面に
付着した水分を取り除き、10分以内に質量を測定し
た。この際の室温は19.3℃,pHは7.6であっ
た。また更に同一の条件で196時間浸漬させた後、同
様に吸水率を調べた。
【0061】吸水厚さ膨張率試験
JIS A 5905に基づいて吸水厚さ膨張試験を行
なった。尚、水浸前の試験片の質量を測定した後、20
℃±1℃の水面から焼く3cmの深さに水平に置き、付
着した水分を取り除き、10分以内に質量を測定した。
この際の室温は19.3℃,pHは7.6であった。
なった。尚、水浸前の試験片の質量を測定した後、20
℃±1℃の水面から焼く3cmの深さに水平に置き、付
着した水分を取り除き、10分以内に質量を測定した。
この際の室温は19.3℃,pHは7.6であった。
【0062】曲げ試験
JIS A 5905に基づいて曲げ強さ試験を行っ
た。試験片の表面から平均変形速度50mm/minの
荷重を加え、その最大荷重を測定した(試験片サイズ
は、スパン250mm,幅60mm,厚さ6mm)。ま
た曲げ試験後の破断面を電子顕微鏡(倍率1000倍)
で観察した。
た。試験片の表面から平均変形速度50mm/minの
荷重を加え、その最大荷重を測定した(試験片サイズ
は、スパン250mm,幅60mm,厚さ6mm)。ま
た曲げ試験後の破断面を電子顕微鏡(倍率1000倍)
で観察した。
【0063】湿潤曲げ試験
JIS A 5905に基づいて湿潤曲げ強さを測定し
た。試験片を沸騰水中に2時間浸漬し、更に常温水中に
1時間浸漬させた後、濡れたままの状態で曲げ強さ試験
を行い、試験片ごとに曲げ強さを求める。また湿潤時、
曲げ強さを算出するときの試験片の寸法は、浸漬前の試
験片の寸法を用いた。
た。試験片を沸騰水中に2時間浸漬し、更に常温水中に
1時間浸漬させた後、濡れたままの状態で曲げ強さ試験
を行い、試験片ごとに曲げ強さを求める。また湿潤時、
曲げ強さを算出するときの試験片の寸法は、浸漬前の試
験片の寸法を用いた。
【0064】
【発明の効果】 以上説明した様に本発明によれば、木
質系材料が高い含水率を有していても優れた特性を有す
るペレット状混合材料、及び熱可塑性樹脂との優れた密
着性を示す混合材料、及びその製造方法、更に該混合材
料を用いた成形品(木質系複合樹脂成形体)、及び該成
形品の製造方法を提供することである。
質系材料が高い含水率を有していても優れた特性を有す
るペレット状混合材料、及び熱可塑性樹脂との優れた密
着性を示す混合材料、及びその製造方法、更に該混合材
料を用いた成形品(木質系複合樹脂成形体)、及び該成
形品の製造方法を提供することである。
【図1】 本発明の木質系複合樹脂成形体の破断面を電
子顕微鏡(1000倍)で観察したものである。
子顕微鏡(1000倍)で観察したものである。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 本馬 洋子
大阪市住之江区平林南2−1−45 ウエス
トンビル501
Fターム(参考) 2B260 AA20 BA02 BA15 CD02 CD15
DA01 DA18
4F071 AA02 AA15 AA20 AA73 AF10
AH19 BA01 BB06 BC07
4J002 AA01X AH00W BB04X BB11X
GT00
Claims (7)
- 【請求項1】 少なくとも木質系材料と熱可塑性樹脂を
含む木質系複合樹脂成形体であって、前記木質系材料が
長辺1〜10mmの針状形であることを特徴とする木質
系複合樹脂成形体。 - 【請求項2】 前記木質系複合樹脂成形体の表面20m
m四方の視野(但し、5視野観察)に、長辺1mm以上
の前記木質系材料が計5片以上である請求項1に記載の
成形体。 - 【請求項3】 少なくとも木質系材料と熱可塑性樹脂を
含むペレット状混合物であって、該木質系材料の含水率
が10%以下であって、且つ長辺が1〜10mmの針状
形であることを特徴とするペレット状混合物。 - 【請求項4】 前記ペレット状混合物が添加剤を含むも
のである請求項3に記載のペレット状混合物。 - 【請求項5】 少なくとも木質系材料と熱可塑性樹脂を
含む木質系複合樹脂成形体の製造方法であって、長辺が
1〜10mmを有する木質系材料と熱可塑性樹脂を混合
して、ペレット状混合物を成形した後、該ペレット状混
合物を押出し成形して木質系複合樹脂成形体を製造する
ことを特徴とする製造方法。 - 【請求項6】 少なくとも木質系材料と熱可塑性樹脂を
含む木質系複合樹脂成形体の製造方法であって、長辺が
1〜10mmを有し、且つ含水率10%以下の木質材料
と熱可塑性樹脂を含むペレット状混合物を用い、これを
押出し成形して木質系複合樹脂成形体を製造することを
特徴とする製造方法。 - 【請求項7】 前記押出し成形における背圧が7〜12
MPaである請求項5または6に記載の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002099437A JP2003291116A (ja) | 2002-04-01 | 2002-04-01 | 木質系複合樹脂成形体及びその製造方法 |
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JP2002099437A JP2003291116A (ja) | 2002-04-01 | 2002-04-01 | 木質系複合樹脂成形体及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003291116A true JP2003291116A (ja) | 2003-10-14 |
Family
ID=29240876
Family Applications (1)
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JP2002099437A Pending JP2003291116A (ja) | 2002-04-01 | 2002-04-01 | 木質系複合樹脂成形体及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003291116A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006226229A (ja) * | 2005-02-18 | 2006-08-31 | Yamato Giken Kk | 車両用合成樹脂製筐体とその製造方法 |
WO2014035016A1 (ko) * | 2012-08-27 | 2014-03-06 | (주)엘지하우시스 | 열가소성 수지 복합 조성물, 열가소성 수지 복합재 및 그 제조 방법 |
JP2018083876A (ja) * | 2016-11-22 | 2018-05-31 | 牧 恒雄 | 木質系複合樹脂材料の製造方法と木質系複合樹脂材料 |
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-
2002
- 2002-04-01 JP JP2002099437A patent/JP2003291116A/ja active Pending
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JP2018083876A (ja) * | 2016-11-22 | 2018-05-31 | 牧 恒雄 | 木質系複合樹脂材料の製造方法と木質系複合樹脂材料 |
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