JP2001252960A - 熱可塑性複合材料成形体及びその製造方法 - Google Patents

熱可塑性複合材料成形体及びその製造方法

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JP2001252960A
JP2001252960A JP2000065232A JP2000065232A JP2001252960A JP 2001252960 A JP2001252960 A JP 2001252960A JP 2000065232 A JP2000065232 A JP 2000065232A JP 2000065232 A JP2000065232 A JP 2000065232A JP 2001252960 A JP2001252960 A JP 2001252960A
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thermoplastic composite
thermoplastic
wood
plant
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Masaki Ito
正喜 伊藤
Koji Matsumoto
晃治 松本
Keisuke Hashimoto
圭祐 橋本
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】既存の生産システムにより高い生産性で得るこ
とができ、かつリサイクルが可能で外観の木質感に優れ
た高強度、高剛性の熱可塑性複合材料成形体及びその製
造方法を提供することである。 【解決手段】熱可塑性複合材料成形体10は、少なくと
も熱可塑性樹脂と植物系充填材とを含む熱可塑性複合材
料の加熱成形された被覆層12が木質系芯材11に形成
されてなることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、少なくとも熱可塑
性樹脂と植物系充填材とを含む熱可塑性複合材料の成形
体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリエチレン、ポリプロピレン等
の熱可塑性樹脂に木粉等の植物系充填材を混入した熱可
塑性複合材料により得られる複合成形体については、ニ
ーズの多様化により、強度等の物性や品質の向上が種々
図られてきた。
【0003】これに対応する従来の製造方法として、例
えば、特開平7−266313号公報には、熱可塑性樹
脂と木粉とを予め混練して熱可塑性複合材料のペレット
とし、このペレットを金型内に押し出して可塑化し、こ
の可塑化物をブレーキ手段で抑制し、その押し出し方向
に圧縮力を加えて複合材料成形体として得る方法が開示
されている。この従来の製造方法によれば、可塑化物に
対して圧縮力を加える際に密度を高めることによって、
強度や剛性を高めることができる。
【0004】他に、複合材料成形体に金属材からなる芯
材が設けられることにより、高強度、高剛性を達成する
手段も一般的に行なわれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記従来の製
造方法では、成形時における、熱可塑性複合材料の押し
出しに対する抑制は、複合材料成形体の最外層にブレー
キ手段の抑制力が及ぶ状態で行なわれるため、複合材料
成形体の表層面に損傷が生じる欠点があった。また、複
合材料成形体に金属材からなる芯材が設けられる構成で
は、金型内に芯材を押し込む際に強い力が必要となると
いう問題点もあった。
【0006】このような問題点に対処するため、熱可塑
性複合材料の表層部を中空体として成形し、この中空体
の中空部に芯材を挿入する方法がある。しかし、この方
法では、その中空部について高い寸法精度が要求され、
特に、表層部が木質材を含む熱可塑性複合材料からなる
場合、その要求を満たすことは困難である。また、中空
体の成形速度に併せて金型の成形コアが長くなって成形
時の圧力が高くなり、これが生産性を低下させる原因と
なるという欠点もあった。
【0007】熱可塑性複合成形体の芯材として金属材が
用いられる場合、強度を保持して軽量化するために、芯
材としての金属材を薄肉中空に構成することが、一般的
に行なわれている。しかし、芯材が薄肉中空に構成され
る場合、金属材と木質材との接着性が問題となるのに加
え、得られる複合材料成形体の製品に対する釘やビスの
施工が難しくなるという欠点がある。このような複合材
料成形体については、金属材と木質材という異種材料を
用いることから、リサイクルが困難となるという問題点
もある。
【0008】そこで、本発明では、上記したような問題
点を解消し、既存の生産システムにより高い生産性で得
ることができ、かつリサイクルが可能で外観の木質感に
優れた高強度、高剛性の熱可塑性複合材料成形体及びそ
の製造方法を提供することを目的とした。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ため、本発明の熱可塑性複合材料成形体は、少なくとも
熱可塑性樹脂と植物系充填材とを含む熱可塑性複合材料
が、加熱成形条件下で木質系芯材に被覆されてなること
を特徴とする。
【0010】本発明の熱可塑性複合材料成形体の構成に
よれば、成形体の表層が加熱成形された熱可塑性複合材
料の被覆層により形成されることによって優れた木質感
をもつのに加え、この被覆層が圧縮状態で木質系芯材に
形成されることによって、成形体全体の強度等の物性や
剛性が高められる。
【0011】本発明で使用できる木質系芯材としては、
ヒノキ、スギ、ツガ、マツ、サワラ、スプルース、ファ
ー、ラジアータパイン等の針葉樹の製材品、カツラ、ク
リ、ブナ、サクラ、ケヤキ、シラカバ、アピトン、カメ
レレ、センゴンラウト、アスペン、ラミン等の広葉樹の
製材品、これらの木質材料片の集成材、たてつぎ材、ス
トランド積層品やその配向品などを挙げることができ
る。
【0012】上記した木質材料片としては、前記した針
葉樹や広葉樹を原料としたパーティクル等の小片、ウエ
ハー等の切削片や、ストランド、スティツク等の繊維方
向に長い材片などを挙げることができる。木質材料片に
は、上記した複数のものが混在したものであってもよ
く、フェノール樹脂、尿素樹脂、イソシアネート等の木
材用接着剤などの結合剤が含まれるものであってもよ
い。
【0013】木質系芯材の形状については、特別な限定
はないが、略同一の断面径をもつ長尺材であることが好
ましい。木質系芯材の断面形についても、略同一の断面
径のものである限り、丸形、四角形、多角形のほか、非
対称異形のものであってもよい。木質系芯材は、その芯
軸に沿って中空部を有するものであってもよい。
【0014】本発明の熱可塑性複合材料成形体では、木
質系芯材が単数本の場合のほか、必要に応じて、複数本
の木質系芯材で構成することができる。
【0015】熱可塑性複合材料の熱可塑性樹脂として
は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリ
アセタール、ポリエチレンフタレート、ポリブチレンテ
レフタレート、フッ素樹脂、ポリフェニレンサルファイ
ド、ポリスチレン、ABS樹脂、アクリル系樹脂、ポリ
カーボネート、ポリウレタン、塩化ビニル樹脂、ポリフ
ェニレンオキシド、エチレン酢ビ共重合体等を使用する
ことができる。コスト等の点から、ポリエチレン又はポ
リプロピレンを使用することが好ましい。
【0016】植物系充填材としては、特に種類には限定
はなく、木質調の外観を得ることが可能な多様なものを
使用できる。例えば、パルプ、材木、合板、集成材、パ
ークティクルボード、竹材等の切削屑や、研磨屑、切断
鋸屑あるいは粉砕物等の木粉、籾殻、胡桃殻等の穀物な
いしは果実の殻、又はその粉砕物などを使用できる。材
木の種類としは、ヒノキ、スギ、ツガ、マツ、モミ、サ
ワラ、スプルース、ファー、ラジタパイン等の針葉樹
や、カツラ、クリ、ブナ、サクラ、ケヤキ、シラカバ、
アピトン、カメレレ、センゴンラウト、アスペン、ラミ
ン等の広葉樹を挙げることができる。
【0017】植物系充填材には、上記した針葉樹や広葉
樹を原料としたパーティクル等の小片や、ウエハー等の
幅広の切削片や、ウエハー状木片であるストランド、棒
状片であるスティック等の繊維方向に長い木材片なども
含まれる。植物系充填材が上記した複数の種類のものが
混在していてもよい。フェノール樹脂、尿素樹脂、イソ
シアネート等の接着剤等の結合剤が使用されている合板
や集成材等の複合材であってもよい。リサイクルの観点
から、この複合材を植物系充填材として使用することが
好ましい。
【0018】植物系充填材として、一度何らかの製品と
して使用された単一材料あるいは熱可塑性樹脂の複合材
料が回収され、この回収物が粉砕等の手段により再資源
化されたものや、寸法規格外である等の理由から使用さ
れなかったもの、その切り屑等のリサイクル材料を用い
ることができる。このようなリサイクル材料を使用する
ことは、資源の有効活用や廃棄物量の低減化にも有効で
ある。
【0019】植物系充填材に対しては、流動性や金型に
対する離型性を向上させる等の目的から、必要に応じ
て、シランカップリング剤やチタンカップリング剤等で
表面処理を施こしておくことができる。また、同様の目
的から熱可塑性複合材料に滑材を添加することもでき
る。
【0020】滑材としては、流動パラフィン、天然パラ
フィン、マイクロワックス、ポリエチレンワックス等の
炭化水素系、ステアリン酸等の脂肪酸系、ステアリン酸
アミド、バルミチン酸アミド、メチレンビスステアロア
ミド、エチレンビスステアロアミド等の脂肪酸アミド
系、ブチルステアレート、硬化ヒマシ油、エチレングリ
コールモノステアレート等のエステル系、セチルアルコ
ール、ステアリルアルコール等のアルコール系、ステア
リン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸鉛
等の金属石鹸系のものを使用することができる。
【0021】滑材は、熱可塑性樹脂100重量部に、
0.1〜100重量部の範囲で添加することができる
が、好ましくは1.0〜50重量部である。1.0未満
では、滑材の添加効果が発現され難く、50重量部を超
えると、熱可塑性複合材料について、押出機での混練性
や押出し等の物性が低下することがある。
【0022】熱可塑性複合材料には、上記した以外の任
意成分として、ガラス繊維、炭素繊維等の補強材、可塑
剤、発泡剤、難燃剤、抗酸化剤、造核剤、紫外線吸収
剤、紫外線劣化防止剤、酸化劣化防止剤、α,β不飽和
カルボン酸モノマー等の添加剤、酸変性オレフィン、酸
変性低分子オレフィン等の親和性向上剤などを、必要に
応じて添加することができる。
【0023】上記した熱可塑性複合材料成形体は、本発
明に係る製造方法により得ることができる。即ち、少な
くとも熱可塑性樹脂と植物系充填材とを含む熱可塑性複
合材料が、押出機から加熱賦形金型に押し出されて加熱
賦形されて後、この加熱賦形物が冷却金型に押し出され
て冷却固化される熱可塑性複合材料成形体の製造方法に
おいて、前記加熱賦形金型による加熱賦形の前工程また
は加熱賦形工程中に、前記熱可塑性複合材料が木質系芯
材に被覆される工程を含むことを特徴とする熱可塑性複
合材料成形体の製造方法である。
【0024】上記した本発明の製造方法において、少な
くとも熱可塑性樹脂と植物系充填材とを含む熱可塑性複
合材料が、押出機から木質系芯材面を被覆するように押
し出されることによって、木質系芯材に被覆される工程
が実行される。この熱可塑性複合材料の被覆工程は、加
熱賦形金型の内部で行なうこともできる。木質系芯材に
被覆された熱可塑性複合材料は、加熱賦形金型内で可塑
化され賦形される。この賦形物は、冷却金型内にまで押
し出されて冷却固化され、熱可塑性複合材料成形体が得
られる。
【0025】この熱可塑性複合材料成形体は、加熱成形
された熱可塑性複合材料の被覆層により、優れた木質感
を外観としてもつものとなる。この被覆層は熱可塑性複
合材料が可塑化される前工程の段階で木質系芯材面に押
し出され、これが加熱賦形金型内で可塑化されることに
より得られるから、熱可塑性複合材料成形体の被覆層
は、木質系芯材面に強く圧縮された状態で得られる。
【0026】本発明の製造方法において好ましく使用で
きる熱可塑性複合材料としては、植物系充填材が、20
〜90重量%の範囲で配合されたものである。植物系充
填材の配合量が20重量%未満であると、成形体の表面
の木質感が低下することがあると共に、植物系充填材を
混合したことによる物理的強度の強化作用が成形体で十
分に発揮されないことがある。植物系充填材の配合量が
90重量%を超えると、熱可塑性樹脂との混練が不十分
となり、熱可塑性樹脂中に植物系充填材を均一の分散す
ることが難しくなる。このような欠点が生じることな
く、優れた木質感を表面に安定して形成することができ
る等の点から、より好ましい植物系充填材の配合量は5
0〜80重量%である。植物系充填材に対しては、予め
オーブンや脱気ベント等で脱水乃至乾燥処理をしておく
ことが好ましい。植物系充填材は、通常1〜10重量%
程度の水分を含有しているからである。
【0027】植物系充填材の形態としては、粒子状のも
のであることが好ましい。この粒子状の植物系充填材と
して、粒径が1〜1000μmの範囲の大きさものであ
れば使用可能であるが、好ましくは、5〜300μmの
粒径である。粒径が5μm未満であると、熱可塑性樹脂
中に均一に分散させ難くなるのに加え、押出機内での材
料粘度が高くなって形成性が低下することがあり、また
植物系充填材を押出機内へ投入する際の取り扱いが困難
となることもある。粒径が300μmを超える場合に
は、植物系充填材の粒子が成形体の表面に荒い状態で目
立つようになり、これが成形体の表面形態に悪影響する
ことがある。
【0028】熱可塑性複合材料は、前記した熱可塑性樹
脂と植物系充填材とを押出機に投入し、押出機内で溶融
された熱可塑性樹脂中に植物系充填材が分散されること
によって、これらの混合物として得られる。熱可塑性樹
脂と植物系充填材とをヘンシェルミキサー等のバッチ設
備により予め混練しておいて、この混練物をペレット化
したものであってもよい。
【0029】加熱賦形金型では、熱可塑性複合材料の充
填状態を保ちながら、熱可塑性樹脂を可塑化して所望の
形状に賦形する。このため、金型の設定温度は、熱可塑
性樹脂の種類にもよるが、通常の場合、100〜250
℃であり、成形体の通過速度は、1.0〜500.0c
m/分に設定される。
【0030】加熱賦形金型では、熱可塑性複合材料の充
填状態を保ちながら、熱可塑性樹脂を可塑化して所望の
形状に賦形する。このため、金型の設定温度は、熱可塑
性樹脂の種類にもよるが、通常の場合、金型の温度は、
100〜250℃であり、成形体の通過速度は、1.0
〜500.0cm/分に設定される。冷却金型の温度
は、通過する成形体の表面温度にもよるが、通常、10
〜160℃の範囲で設定できる。
【0031】加熱賦形金型の温度調節手段としては、媒
体としてのオイルをプレートヒーター、バンドヒータ
ー、近赤外線ヒーター、遠赤外線ヒーター等により温度
調節する調温機によることができる。冷却金型の温度調
節手段としては、水やオイルを媒体とした調温機による
ことができる。
【0032】加熱賦形金型と冷却金型との間には、エア
ギャップ等の空冷工程を含んでいてもよいが、圧縮効果
を最大限得るには、これらの金型は連続的に設置されて
いることが好ましい。
【0033】加熱賦形金型及び冷却金型は、それぞれ単
一のものに限られず、それぞれ複数のものであってもよ
い。これらの金型がそれぞれ複数設置されている場合、
それぞれ金型が異なる温度に設定されていてもよい。
【0034】加熱賦形金型及び冷却金型の内表面には、
流動する熱可塑性樹脂との間の摩擦抵抗を低減して熱可
塑性樹脂の安定した流動性が確保できるように、クロム
メッキやテフロン(登録商標)系材のコーティングが施
されていることが好ましい。加熱賦形金型及び冷却金型
の内表面の耐磨耗性を向上させるために、窒化処理等を
施しておくことができる。
【0035】熱可塑性複合材料を加熱成形条件下で木質
系芯材に被覆する手段としては、クロスベッド式の加熱
賦形金型に連続的に木質系芯材を導入し、この木質系芯
材に、押出機から加熱賦形金型に熱可塑性複合材料を押
し出して被覆する方法などがある。この場合、被覆され
た熱可塑性複合材料と木質系芯材との間の密着性を高め
るために、予めあるいは熱可塑性複合材料を被覆する直
前に、木質系芯材の表面に接着剤を塗布しておくことが
できる。加熱賦形金型に供給する前の工程で、木質系芯
材の表面に他の化学的あるいは物理的処理を施してお
き、この木質系芯材を加熱賦形金型に導入するようにし
てもよい。
【0036】
【実施例】(実施例1)この実施例の製造方法において
は、図5に示すように、軸径がφ44mmの二軸同方向
押出機1 と、クロスヘッド式の加熱賦形金型4と、冷却
金型5とを順に連設した押出成形装置を使用する。ホッ
パー2から押出機1にポリプロピレン(ノバテックP
P:日本ポリケム(株)製;融点165℃)を投入し、
ホッパー3から木粉(45メッシュ)を押出機1に投入
した。押出機1の押し出し動作に伴って、木粉が熱可塑
性樹脂ペレットに混練されることによって、熱可塑性樹
脂ペレット(44重量%)と木粉(66重量%)とから
なる熱可塑性複合材料7が得られた。
【0037】木質形芯材11としてのラミン丸製材(φ
15mm)を、図5に示すように、加熱賦形金型4の内
部に導入した。加熱賦形金型4の温度は、プレートヒー
ターにより180℃となるように設定した。熱可塑性複
合材料7は、押し出されて加熱賦形金型4の流路4aに
木質系芯材11の表面を被覆する状態で充填された。充
填された熱可塑性複合材料7は、加熱賦形金型4の加熱
作用を受けて可塑化により賦形されて後に、木質系芯材
11が押し込まれる状態で移動するのに従って冷却金型
5の通路5aにまで達し、冷却金型5にて冷却が開始さ
れた。冷却金型5は、オイル調温機によって120℃に
温度調整されており、熱可塑性複合材料7は冷却金型5
で冷却固化されて、熱可塑性複合材料成形体10を得
た。熱可塑性複合材料成形体10は、図1に示すよう
に、木質系芯材11に厚さ7.5mmの被覆層12を有
し、断面径φ30mmで対称形のものである。
【0038】(実施例2)実施例1において、木質系芯
材21としてラミン角製材(15mm角)を使用し、そ
の他は実施例1の場合と同じ条件で、図2に示すような
熱可塑性複合材料成形体20を得た。熱可塑性複合材料
成形体20は、木質系芯材21に厚さ4.4〜7.5m
mの被覆層22を有し、断面径30mmで対称形のもの
である。
【0039】(実施例3)実施例1において、木質系芯
材31としてラミン角製材(15×30mm角)を使用
し、その他は実施例1の場合と同じ条件で、図3に示す
ような熱可塑性複合材料成形体30を得た。熱可塑性複
合材料成形体30は、厚さ7.5mmの被覆層32を有
し、断面30×45mm角で対称形のものである。
【0040】(実施例4)実施例1において、木質系芯
材としてラミン角製材(15mm角)を2本並列に使用
し、その他は実施例1の場合と同じ条件で、図4に示す
ような熱可塑性複合材料成形体40を得た。熱可塑性複
合材料成形体40は、木質系芯材41、41に厚さ5.
0〜7.5mmの被覆層42を有する断面35(一部3
0)×45mm角で非対称異形のものである。
【0041】(比較例1)実施例1の熱可塑性複合材料
を、中空コアを有する加熱賦形金型5及び冷却金型7の
温度を実施例1の場合と同じ条件とし、実施例1の熱可
塑性複合材料を外径φ30mm、内径φ15mmの中空
成形体として成形した。この中空成形体の中空部にラミ
ン丸製材(φ15mm)を芯材として挿入して、断面径
φ30mmで対称形の熱可塑性複合材料成形体を得た。
【0042】(比較例2)実施例1の熱可塑性複合材料
により、加熱賦形金型5及び冷却金型7の温度条件を実
施例1の場合と同じとして、図6に示すように、断面径
φ30mmで中実対称形の熱可塑性複合材料成形体50
を得た。
【0043】実施例1〜4及び比較例1〜2で得られた
それぞれの熱可塑性複合材料成形体について、曲げ試験
を行い、その結果を表1に示した。曲げ試験は、曲げス
パン300mm、曲げ速度10mm/分で3点曲げと
し、恒温恒湿の試験室で行なった。
【0044】
【表1】
【0045】表1に示した結果から、実施例1〜4の熱
可塑性複合材料成形体10、20、30及び40は、比
較例1〜2の熱可塑性複合材料成形体との比較におい
て、いずれも曲げ強度及び曲げ剛性について優れている
ことを確認することができる。また、実施例1〜4の熱
可塑性複合材料成形体は、いずれも優れた木質感を有す
る外観をもつものであった。
【0046】
【発明の効果】上述したように本発明は構成されるか
ら、次のような効果が発揮される。先ず、本発明の熱可
塑性複合材料成形体は、木質系芯材に加熱成形条件下で
熱可塑性複合材料を被覆するように構成したことから、
表面に熱可塑性複合材料の被覆層に基づく優れた木質感
を有すると共に、高強度、高剛性のものとして得ること
ができる。
【0047】本発明の製造方法によれば、加熱成形条件
下で熱可塑性複合材料を木質系芯材に被覆する工程によ
るから、中空コアを有する複雑な金型構成や、木質系芯
材を強力な押出力で押し込むような工程を必要とせず
に、容易かつ迅速に熱可塑性複合材料の被覆層を木質系
芯材に成形した熱可塑性複合材料成形体を得ることがで
きる。
【0048】このように得られた熱可塑性複合材料成形
体の被覆層は、木質系芯材面に強く圧縮された状態で得
られるから、木質系芯材の強度、剛性がさらに高められ
た熱可塑性複合材料成形体を得ることができる。
【0049】本発明の熱可塑性複合材料成形体は、被覆
層を形成する加熱成形された熱可塑性複合材料が植物系
充填材を含むから優れた木質感を有する外観と高強度、
高剛性を有するから、多様な部材として使用することが
できると共に、同系列製品の材料循環型リサイクルを目
指す上で、非常に有効なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱可塑性複合材料成形体の縦断面図で
ある。
【図2】本発明の熱可塑性複合材料成形体の縦断面図で
ある。
【図3】本発明の熱可塑性複合材料成形体の縦断面図で
ある。
【図4】本発明の熱可塑性複合材料成形体の縦断面図で
ある。
【図5】本発明の熱可塑性複合材料成形体の製造工程を
説明する部分縦断面図正面図である。
【図6】比較例の熱可塑性複合材料成形体の縦断面図で
ある。
【符号の説明】
1 押出機 4 加熱賦形金型 5 冷却金型 7 熱可塑性複合材料 10、20、30、40 熱可塑性複合材料成形体 11、21、31、41 木質系芯材 12、22、32、42 被覆層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08J 7/04 CEP C08J 7/04 CEPZ 4F207 C08L 23/00 C08L 23/00 4J002 97/02 97/02 101/00 101/00 E04C 3/29 E04C 3/29 // B29K 23:00 B29K 23:00 105:06 105:06 B29L 9:00 B29L 9:00 Fターム(参考) 2B260 BA18 DA01 DA18 DA20 EA13 2E163 FF43 4F006 AA02 AB03 AB13 DA05 EA05 4F071 AA15 AA20 AA73 CA01 CB01 CD02 CD07 4F100 AK01B AK03B AK07 AP00A AP00B AP01 BA02 CA23B DD31 EH172 EJ422 GB07 JB16B JK01 JL16B 4F207 AA03 AA11 AA50 AB19 AD06 AD15 AD18 KA01 KA17 KB18 KF01 KF02 KJ05 KL58 4J002 AH002 BB031 BB061 BB121 BC031 BD041 BD121 BG001 BN151 CB001 CF061 CF071 CG001 CH071 CK021 CL001 CN011 FB092 FB162 FD012 FD160

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも熱可塑性樹脂と植物系充填材と
    を含む熱可塑性複合材料が、加熱成形条件下で木質系芯
    材に被覆されてなることを特徴とする熱可塑性複合材料
    成形体。
  2. 【請求項2】熱可塑性樹脂がポリオレフィン系樹脂であ
    り、このポリオレフィン系樹脂及び植物系充填材のう
    ち、少なくともいずれかの一部がリサイクル材料である
    請求項1に記載された熱可塑性複合材料成形体。
  3. 【請求項3】少なくとも熱可塑性樹脂と植物系充填材と
    を含む熱可塑性複合材料が、押出機から加熱賦形金型に
    押し出されて加熱賦形されて後、この加熱賦形物が冷却
    金型に押し出されて冷却固化される熱可塑性複合材料成
    形体の製造方法において、前記加熱賦形金型による加熱
    賦形の前工程または加熱賦形工程中に、前記熱可塑性複
    合材料が木質系芯材に被覆される工程を含むことを特徴
    とする熱可塑性複合材料成形体の製造方法。
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